JPH09208997A - 洗浄方法 - Google Patents

洗浄方法

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JPH09208997A
JPH09208997A JP8018698A JP1869896A JPH09208997A JP H09208997 A JPH09208997 A JP H09208997A JP 8018698 A JP8018698 A JP 8018698A JP 1869896 A JP1869896 A JP 1869896A JP H09208997 A JPH09208997 A JP H09208997A
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Kaoru Asada
芳 浅田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石けんかすの発生を防止し、石けんの洗浄力
を充分発揮させ、人体にや環境に安全な洗浄方法を提供
することを目的とする。 【解決手段】 石けん成分が65%以上の石けんを洗浄
剤とし、カルシウム・マグネシウム濃度が10以下の軟
水を洗浄媒液とすることにより、石けんかすの発生を防
止し、合成洗浄剤やその助剤を必要とせず、石けんの有
する洗浄力を充分に発揮させ、家庭における洗浄全般お
よび、飲食業、理容・美容業、クリーニング業、大型車
輌の洗浄、食品製造業、病院等用水を使用する工場洗浄
においても利用することのできる洗浄方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は物質の表面にある不
要な物質、有害な物質を除去して正常な表面を得る洗浄
の方法に関する。
【0002】
【従来の技術】人類の起源から始まった洗浄の歴史の中
で、石けんの発明によって、汚れを除去する洗浄の技術
は進歩を遂げてきた。また、界面活性剤の系統的な研究
がなされ、合成洗浄剤の開発が積極的に行われてきた。
古くは、石けんは洗浄剤としての重要な地位を保ち続け
てきたが、今や合成洗浄剤によって、石けんはとって代
わられるに至った。これは、石けんの原料油脂が国際的
に価格が高騰していくのに対し、合成洗浄剤原料は大量
生産と合理化によって価格が漸次低落して、現在では合
成洗浄剤の方が安価になってきていることの他、以下の
洗浄剤として石けんの弱点による。
【0003】純石けんのpHは、石けん中に微量の遊離
アルカリが不純物として含まれるので、水溶液のpHは
10.0付近にあるが、この遊離アルカリを中和したと
しても9.0〜9.8の範囲内にある。したがって、酸
性の媒液中で使用したり、対象汚れに酸性物質が含まれ
ると石けん水溶液のイオンの平衡が破れて、水に不溶性
の脂肪酸を遊離して洗浄力が低下する。また、羊毛、絹
織物や毛髪などのたんぱく質系の対象物に対しても適当
な洗浄剤ではない場合がある。すなわち、強いアルカリ
性の石けんはたんぱく質を変性し、場合によっては損傷
するおそれがあるからである。また、耐硬水性が弱いと
いうことが指摘されている。ここで、硬水とは、自然水
中に、不純物としてカルシウム・マグネシウムの塩類が
多く含まれているものをいう。石けん水溶液中の脂肪酸
イオンは、用水中のカルシウムやマグネシウムイオンと
強く結合して水に不溶性の金属石けんを生成し、石けん
の洗浄力を低下するだけでなく、析出した金属イオンは
洗浄対象物の表面に吸着されて、逆汚染の原因となる。
【0004】2RCOONa+Ca2+→( RCOO)2
Ca+2Na+
【0005】水道水を使用して日常の洗浄を行っている
家庭生活においては、石けん本来の欠点である耐硬水性
やすすぎ性の悪さや、それに基づく洗浄力の低下、洗浄
後の衣類の黄ばみ、発臭を克服することが困難である。
【0006】これに反し、電気洗濯機を用いての家庭の
洗浄で合成洗浄剤は、耐硬水性のよいこと、広範囲の衣
料に使用できること、すすぎ性のよいこと、常温でも一
応の洗浄力を持つなど、多くの特色をもっている。この
ため、一般の家庭においては、合成洗浄剤を洗浄剤とし
て使用することが主流となっている。
【0007】詳しくは、合成洗浄剤は、石けんの上記欠
点を克服するため、石炭化学や石油化学原料から合成さ
れたもので、アルキルベンゼン硫酸化塩を主体としたA
BS系洗浄剤を代表とする陰イオン系のものが多く使用
されている。ABS系洗浄剤は、脱脂洗浄力の極めて強
く起泡力の強い洗浄剤である。また、高級アルコール硫
酸化エステル化塩は一般に洗浄力の他、耐硬水性に優
れ、起泡性に富む。また、ポリオキシエチレン付加型洗
浄剤を主とする非イオン系洗浄剤は、酸性の汚れに対し
ても洗浄力の低下が少なく、耐硬水性もよい。また、洗
浄剤に配合して、その洗浄力を著しく増強するものを助
剤というが、合成洗浄剤の場合、特に助剤の相乗効果が
高く、一般に使用されている。すなわち、表面・界面張
力の低下、ミセルの増強、用水中のカルシウム・マグネ
シウム等の硬度成分の除外、金属イオンの封鎖、アルカ
リ性の付与、汚れの再付着防止等の効果がある。
【0008】電気洗濯機を用いての家庭の洗浄で合成洗
浄剤は、耐硬水性のよいこと、高範囲の衣料に使用でき
ること、すすぎ性のよいこと、常温でも一応の洗浄力を
持つなど、多くの特色を持っている。要するに、現時点
では、合成洗浄剤は現代生活に求められている簡便性、
効率性にかなっているのである。このように、石けんの
欠点をカバーする合成洗浄剤は、現代社会に求められて
いる簡便性、効率性を満たす特色により、石けんよりは
るかに需要の大きなものとなっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、家庭における
衣類の洗浄などでは、分離された汚れの量よりも、使用
した洗浄剤の排出量の方が通常多いことから、排出され
た洗浄剤が環境に及ぼす影響が大きい。人類の生活水準
の向上に貢献するような幾多の新奇物質を生み出した
が、それらの物質が大量若しくは高濃度に自然界に排出
された場合、生態系のなかで消化できなかったり、その
バランスを著しく損なうことによって、環境破壊の問題
を引き起こしたものが少なくない。洗浄に用いられる合
成洗浄剤類や、合成溶剤類もその一つである。
【0010】詳しくは、たとえば、合成洗浄剤のなかで
特に多く利用されている、アルキルベンゼン硫酸化塩
(ABS)の生分解性が悪いことによる水質汚濁が問題
となっているのである。有機物の生分解の速度はその種
類によって異なるが、自然界に不変的に存在する炭水化
物、たんぱく質、油脂などは比較的速やかに分解され
る。
【0011】しかし、化学技術によって造り出された新
しい化学物質のなかには、自然界にある微生物が栄養と
して充分に消化できないようなものが少なくない。その
ような物質が自然界に排出された場合、それは長期間、
場合によっては半永久的に蓄積されて環境に種々の影響
を及ぼすことになる。プラスチックや最近問題になって
いるフロン系溶剤などはその代表的なものである。ま
た、ABS系合成洗浄剤として最初に登場したABS
は、脱脂力が強く、残留性があることより、経口毒性、
皮膚障害等の問題もある。
【0012】また、用水中の硬度成分として水に溶解し
ているカルシウム塩や、マグネシウム塩を捉えて安定な
リン酸塩として、金属石けんの生成を防止するため、合
成洗浄剤の助剤として多量使用される重合リン酸塩(多
くはトリポリ・リン酸ソーダ)による水域の富栄養化が
問題となっている。これは、廃水中に含まれるリンを栄
養源として水域の植物、特にアオコのような藻類や、動
植物プランクトンが異常繁殖する問題で、瀬戸内海や、
琵琶湖、霞が浦のような閉鎖水域ではこの現象が甚だし
く、その結果水中の溶存酸素が敗臭を発生するようにな
り、魚類のような水生資源が死滅する結果となる。ま
た、合成洗浄剤に添加されている助剤についても、皮膚
吸収され、また、接触することにより、皮膚湿疹や、ア
レルギー作用を起こすものもある。
【0013】また、合成洗浄剤の使用により得られた洗
浄力ゆえ、洗浄に伴い、皮膚保護のためのクリーム、合
成リンス、ボデイコンディショナー等の使用が必要とな
り、このような物質の人体へ及ぼす影響や、排水中に含
まれることによる環境等への二次汚染等の問題、及び多
種の物質を使用することの資源面、経済面での問題もあ
る。
【0014】家庭における洗浄では、使用量は比較的少
ないが、工場洗浄の場では各種の溶剤類が多く使用され
ている。とくに安価な石油を原料とし、不燃性または難
燃性を共通の特色とする塩素化炭化水素またはフッ素化
炭化水素のようなものが多く使用されている。これらを
合成溶剤とよんでいる。塩素化炭化水素類は特に脱脂力
に優れているが、いずれもかなり毒性の強い物質であ
る。パークロロエチレンはドライクリーニングの溶剤と
して広くもちいられているが、一般工業分野ではトリク
ロロエチレン、トリクロロエタンの使用量が圧倒的に多
い。これら溶剤の使用量が増大するにつれて、作業環境
だけでなく、大気や一般水域の汚染が問題となってき
た。とくに水域ではこれが発癌性の高いトリハロメタン
のような物質に変化し飲用水を汚染することが懸念され
ている。
【0015】また、フッ素化炭化水素類(フロン)は毒
性の弱い極めて安定な化合物で、最近の工業分野で冷
媒、発泡剤、エアゾール媒液、洗浄溶剤などとして広く
使用されてきた。特に洗浄溶剤として利用されてきたフ
ロン−113は揮発性の強い液体化合物であるが、電子
危機などの精密洗浄溶剤として重要なものであった。し
かし、その安定性が裏目にでて、大気中拡散、蓄積され
たものが、ついには成層圏に達し、そこにあるオゾン層
を破壊するという事実が明らかになった。しかも、フロ
ンのオゾンに対する影響は触媒的で、1分子のフロンは
優に数百万分子のオゾンを破壊する恐るべき能力を持っ
ている。オゾン層の破壊は有害な紫外線の地表への到達
を招き、その結果皮膚がんの増加や生態系の深刻な破壊
をもたらすことが懸念されるに至った。また、大気中に
蓄積されフロンは地球の温暖化の原因物質ともなる。こ
のことは、毒性の有無にかかわらず、新奇化合物の環境
への蓄積は地球環境や生態系に危険な変動をもたらす恐
れがあることを示している。
【0016】合成洗浄剤は、上記のように生物的難分解
性による水域の汚染、助剤による水域の富栄養化の問題
に加え、皮膚障害、経口急性もしくは慢性毒性の問題が
ある。石けんは合成洗浄剤に比べれば、毒性も少なく、
生分解性にも優れているので、環境破壊のより少ない洗
浄剤であり、用法、用途が適切であれば、石けんの洗浄
力は、合成洗浄剤に劣らない。しかし、家庭あるいは、
企業において、通常の用水を使用する場合、石けん本来
の欠点である耐硬水性やすすぎ性の悪さや、それに基づ
く洗浄力の低下や、洗浄後の衣類の黄ばみや発臭を克服
することは難しい。従って、上記のように新奇物質であ
る合成洗浄剤が人体のみならず地球環境を破壊するとい
う問題を有しているにもかかわらず、合成洗浄剤は、現
代社会に求められている簡便性、効率性を満たす特色よ
り、現在も大量に使用されているのである。
【0017】そこで、本発明者は、上記従来の問題点を
解決し、有害物質を使用することなく、衣類、身体、食
器等家庭における日常の生活に必要な洗浄の他、清掃及
び、洗車等にも、さらには広く業務用の洗浄においても
適用することができ、不純物が残留することなく、排水
においても環境に悪影響を与えず、さらに石けんの使用
量も従来の用量より少量ですむ、優れた洗浄力を発揮す
る洗浄の方法を提供することを目的に鋭意研究を重ねた
結果、本発明に至ったのである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る洗浄方法の
要旨とするところは、軟水を洗浄媒液として、石けんを
洗浄剤とすることにある。
【0019】前記洗浄方法において、カルシウム・マグ
ネシウム濃度が10mg以下の軟水と、純石けん成分が
65%以上である石けんを使用することにある。
【0020】前記洗浄方法において、より好ましくはカ
ルシウム・マグネシウム濃度が約0mgまたは0mgに
近い軟水と、純石けん成分が90%以上である石けんを
使用することにある。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に係る洗浄方法は、衣類、
身体、食器等家庭における日常の生活に必要な洗浄の
他、清掃及び、洗車等にも、適用することができ、さら
には、工場洗浄の場においても、不純物が残留すること
なく、排水においても環境に悪影響を与えず、さらに石
けんの使用量も従来の用量より少量ですむ、優れた洗浄
力を発揮する洗浄の方法であり、軟水を洗浄媒液とし
て、石けんを洗浄剤とすることを特徴とする。以下、こ
の洗浄方法と、その効果について詳しく説明する。
【0022】本発明は、洗浄媒液を軟水とし、洗浄剤を
石けんとする洗浄方法に関する。ここで、軟水につい
て、説明する。カルシウム塩類及びマグネシウム塩類を
比較的多量に溶かしている天然水を硬水といい、それら
の塩類の含有量の少ない水を軟水という。定量的には、
水100cc中に炭酸カルシウムとしてmgで表し、マ
グネシウムは、カルシウムとして等価換算し、水中のカ
ルシウム塩マグネシウム塩の含有量によって、水のカル
シウム・マグネシウム濃度を表す。日本においては、通
常0〜40のmgの範囲をきわめて軟水、40〜80m
gの範囲を軟水という。
【0023】雨水は、カルシウム・マグネシウム濃度0
mgの軟水であるが、地表を流れ、河川の水となり、湖
に集まると、その過程で各種の地殻の成分が溶解し、カ
ルシウム・マグネシウム濃度が高くなる。例えば、琵琶
湖の湖水の水のカルシウム・マグネシウム濃度は、36
〜37mgであり、軟水の範囲となる。これらの水は、
通常浄水場のろ過装置を通して、鉄、マンガン等の金属
類は除去されるが、ナトリウム、カルシウム、マグネシ
ウム、亜鉛、銅等は、そのまま水道水に含まれて、各企
業、各家庭に送水される。従って、水道水の水のカルシ
ウム・マグネシウム濃度は取水源と同値である。滋賀県
においては、琵琶湖を取水源としている地域において
は、ほぼ、水道水は、上記のカルシウム・マグネシウム
濃度であり、その他地下水、谷川の水等を簡易水道によ
り使用している地域においては、取水源の水が地殻の成
分を含んでおり、浄化の装置が簡便であるので、よりカ
ルシウム・マグネシウム濃度の高い用水を使用している
と推察される。従って、日本においいては、一部を除い
て軟水を用水として使用している地域が多いため、水の
カルシウム・マグネシウム濃度を改善する研究は余りな
されす、専ら洗浄剤の改良にのみ視点が集中されてい
た。しかし、軟水といっても、カルシウム等のイオンは
含まれており、石けんかすの難点は依然有しているので
ある。
【0024】一方、カルシウムイオンや、マグネシウム
イオンを含まない軟水は、人工的にも入手することがで
きる。たとえば、イオン交換樹脂を使用すれば、カルシ
ウムイオン、マグネシウムイオン、鉄、銅、亜鉛、クロ
ム、マンガン等の金属イオン、水銀、鉛、カドミウム等
の重金属イオン、ストロンチウム、セシウム等の放射性
物質まで、除去することができる。イオン交換樹脂を使
用して生成した軟水は、カルシウムイオン、マグネシウ
ムイオンは殆ど除去されてしまう。
【0025】従って、上記の軟水を洗浄媒液として使用
することによって、石けんの欠点である、耐硬水性が小
さいという弱点は解消されることは可能である。硬水と
合成洗浄剤の洗浄は、どの地域においても行われている
ものであり、また軟水の使用は、用水のカルシウム・マ
グネシウム濃度の非常に高い地域において、工場のボイ
ラーや精密機械に発生する金属石けんの付着により、こ
れらの装置作動に支障をきたすため、軟水化装置が使用
されている。しかし、軟水と石けんを組合せると洗浄力
が極めて良好になることは、従来から知られていたが、
軟水は、水道水では入手が難しいため、実際に石けんと
軟水を組み合わせた効果についての以下に述べるような
認識は、本発明者において、実際に上記洗浄方法を使用
して初めてなされたものである。
【0026】一般に、洗浄のなかで、皮膚の洗浄には、
洗浄によって取り除かれるべきいわゆる汚れの限界が、
きわめて不明確である。たとえば、皮脂の過剰分は洗浄
の対象となるが、本来皮脂は皮膚を保護する役割をもっ
ているものであるから、脱脂力の強い洗浄剤ではこれを
過度に除去した場合は、外部刺激に弱い表皮組織は直接
外気にさらされ、皮膚は過度に乾燥して肌荒れの現象を
示す。また、アルカリ性の強い洗浄剤も、そのアルカリ
のために皮脂を過度に除去し、正常な角質層まで溶解し
てこれを損なったり、アルカリによって皮膚を刺激して
その生理作用を異常にする。一般の洗浄剤、付着してい
る油性汚れを、能率よく取り去ることを目標にしてお
り、ABS系界面活性剤等は、特にこの力に優れている
が、この場合には、その表面にある過剰の汚れた脂質を
取り去ることが目的で、正常な皮膚の保護作用をしてい
る皮脂まで取り除くことは、かえって目的に添わない。
【0027】脱脂力の強い中性合成洗浄剤の場合は、石
けんのような緩衝作用を持たないため、皮膚の油脂は、
一方的に取り去られ、肌荒れの原因となる。これを防止
するためには、中性合成洗浄剤の場合は、充分な過脂肪
剤を配合してこの脱脂作用を抑制しなければならない。
これは本来の洗浄剤の中に、わざわざこの能力を下げる
為に他の物質を配合することになり、本来の作用機構の
上からも、また価格の上からも、きわめて不合理であ
る。また、洗浄によって、油脂分を過剰に除去された皮
膚を保護するため、油脂をクリームやスキンケア用品と
いわれている油脂を含んでいる保護剤を補わなければな
らない。これも、価格の面および資源の面、また、再度
の洗浄において、上記クリーム類が汚水と共に流出する
ことによる環境汚染の面からも、不合理である。
【0028】また、現在の技術では、石けんのように美
しい肌合いと、よい泡立ちと適当な固さ、摩耗性をもっ
た固形状の洗浄剤を、中性合成洗浄剤を原料としてつく
ることは困難である。洗浄性と固さを調整し、かつよい
泡質をもつようにしなければならないため、中性合成洗
浄剤の中に、適当な過脂肪剤や造形剤を添加しなければ
ならない。しかし、これらの助剤は、前述のごとく、皮
膚障害等の毒性を有するものが多いのである。
【0029】石けんを通常の用水を用いて使用すると、
用水中に含まれるカルシウム、マグネシウム等により生
成する金属石けんのため、純石けんによる皮膚の洗浄は
感触の悪いものとなる。石けん溶液は白濁し、金属石け
んのかすが浮上し、起泡性は極端に悪くなり、これで洗
浄した結果は、ぬるぬるした金属石けんの不快な感触が
残る。特に、米国などの水のカルシウム・マグネシウム
濃度の非常に高い地方(約160ppm以上)では、上
記の現象は顕著で純石けんによる洗浄はきわめて不完全
なものである。この皮膚に残留した石けんかすは、皮膚
が荒れる原因といわれていた。しかし、上記の石けんか
すの問題は、洗浄溶液を軟水とすることにより、解消さ
れるのである。
【0030】純石けんは、脂肪酸と強アルカリが結合さ
れたものであり、皮膚分泌物の酸性物質と石けんのアル
カリが結合すると、有機脂肪酸を生成し、これが過脂肪
となって、皮膚に生理的に必要な油脂が過度に取り去ら
れるのを防止する。また、石けんは溶液の濃度が低くな
ると、脂肪酸と塩に分解され、脂肪酸は皮膚の表面に付
着する。この脂肪酸は、石けんの成分であり人体の表面
を構成する脂肪酸と類似し、合成されたものでないた
め、人体に対し無害であり、さらに皮膚を保護する効果
をもたらす。この皮膚の保護という効果は、石けんを使
用し、かつ軟水により、石けんかすを除去して初めて得
られる効果であり、本発明において、初めて認識された
ものである。
【0031】また、本発明に係る洗浄方法において用い
られる軟水は、上述した、石けんかすの発生を防止し、
さらに洗浄対象物の表面を保護するというワックス効果
の相乗効果をより有効に発揮させるためには、軟水のカ
ルシウム・マグネシウム濃度が、10mg以下、さらに
は1mg以下、特には、0.1mg以下であることが好
ましい。さらには、使用する石けんを主とする洗浄剤の
石けん成分の純度が、65%、好ましくは90%、特に
はより100%の近い程、前記本発明の洗浄方法による
効果はより著しく顕れる。
【0032】泡立ちが良く、洗浄力が劣化せず、また合
成洗浄剤の使用においては必要である助剤や皮膚の保護
剤を必要とせず、衛生上も快適な洗浄には、安全面、洗
浄力、環境面においても、石けんを使用することが最良
となる。また、皮膚の洗浄に伴って、浴室や、洗面器等
の浴用の道具、また蛇口や排水孔、排水パイプも、石け
んかすにより汚染されることなく、軟水の使用によりこ
れらの洗浄が簡便になる。従って、洗浄剤や用水の必要
量が減少し水資源の節約が可能となる。
【0033】毛髪の洗浄の対象となるものは頭髪とその
皮膚であるから、シャンプーは頭髪および頭皮の生理、
保健、美しさを目的とするのであり、一般に皮膚の洗浄
とは多少異なった性能が求められる。すなわち、毛髪を
傷めないこと、ふけやかゆみを生じないこと、整髪性の
よいこと、起泡力がよいこと等である。毛髪のpHは
6.0付近であって、これよりも著しくアルカリ性また
は酸性の物質とは化学的に反応しやすい。特にアルカリ
によっては化学的な変質や劣化を起こしやすい。
【0034】従って、毛髪の洗浄剤としては中性に近い
洗浄剤が望ましい。また、一般にアルカリ性の強い洗浄
剤やABS系の洗浄剤は、頭皮を刺激してふけやかゆみ
を生じやすい。また、低脂肪酸(炭素数10以下)の誘
導体もふけやかゆみを誘発するとされる。これらはいず
れも皮膚を過度に脱脂したり、刺激したりする結果、皮
膚の正常な分泌作用を損ない、場合によっては過剰分泌
を促すことによる。また、頭髪は、美容的な効果が特に
要求される。たとえば、ABS系の洗浄剤は脱脂力強
く、光沢のない、粗剛な毛髪になりやすく、また、洗髪
後くしの通りが悪い欠陥がある。石けんを硬水中で使用
すると、生成した金属石けんが毛髪の上に沈着して、こ
れも粗剛な毛髪となる。また、この石けんかすが、毛根
に付着して、発毛を阻害するといわれていた。しかし、
軟水を使用することにより、上記の金属石けんの発生に
よる石けんかすの問題は解消される。また、軟水を使用
することにより、前述のように石けんが分解されて生成
される脂肪酸が毛髪を保護し艶を出すワックス効果が、
石けんかすの発生防止効果と相乗して毛髪の洗浄および
保護において顕著な効果を発揮する。なお、石けんのp
Hの問題は、クエン酸や、酢酸等の無害な弱酸を用いた
リンスで仕上げることにより解消できる。
【0035】また、合成シャンプーの成分は、皮膚から
吸収され皮膚障害や、発ガン性のあるものがある。ま
た、同時に使用される合成リンスの成分は、殺菌力が強
く、急性毒性が強い。また、排水に含まれ、二次汚染の
原因ともなる。本発明にかかる洗浄方法によれば、上記
のような有害かつ環境汚染の原因となることもなく、ま
た、上記合成リンス等の使用の必要もないため、資源
面、経済面、環境面においても優れた効果を発揮するの
である。
【0036】毛髪用洗浄剤の場合は、起泡力がよいとい
うことは大きな条件として要求されるが、洗髪に際して
充分な泡と一緒にもむようにして毛髪を洗うことは、単
に機械的な洗浄効果と泡の汚れを吸着する効果だけでな
く、洗髪操作を感覚的に非常に爽快なものにするのに役
立つ。起泡力と泡質については一般的には石けんが最も
優れている。特に軟水を使用すると、通常の用水を使用
するよりも、その泡はきめ細かく起泡力も優れる。石け
ん系の頭髪洗浄剤の原料の中でもラウリン酸を主体とす
る石けんは最も優れ、単に泡量が豊富なだけではなく、
常温でも非常にねばりのある安定な泡を生じる。一般に
は価格の点からラウリン酸の含有量の高いヤシ油脂肪酸
石けんが多用されているが、これには炭素数10以下の
低脂肪酸が相当に含まれており皮膚を刺激するおそれが
あるので、ラウリン酸単体のものを使用することが望ま
しい。ラウリン酸を主体とする石けんはこのように起泡
力においては最も優れているが、洗浄力は必ずしもこれ
に伴わず、オレイン酸の石けんの方が優れている。従っ
て、以上の点を考慮して石けんの種類を選択すれば良
い。
【0037】また、本発明に係る洗浄方法において用い
られる軟水は、上述した、石けんかすの発生を防止し、
さらに洗浄対象物の表面を保護するというワックス効果
の相乗効果をより有効に発揮させるためには、軟水のカ
ルシウム・マグネシウム濃度が、10mg以下、さらに
は1mg以下、特には、0.1mg以下であることが好
ましい。さらには、使用する石けんを主とする洗浄剤の
石けん成分の純度が、65%、好ましくは90%、特に
はより100%の近い程、前記本発明の洗浄方法による
効果はより著しく顕れる。本発明に係る洗浄方法は、家
庭における洗髪のみならず、理容・美容業における洗浄
にも適用することができる。
【0038】衣類の洗浄において、一般に、衣類に付着
している汚れは、その着用時に汗、皮脂、皮垢、血液、
糞尿などの内部から発生したよごれと、煤煙、自動車の
排気、動植物性あるいは鉱物性油脂類、ちり、土壌など
の大部から付着した汚れに大別できる。
【0039】石けん水溶液は殆どすべてのよごれに対す
る洗浄力をもつ。木綿繊維等の汚れの酷いものについて
も、石けんの水溶液にアルカリ助剤を加え、さらに強力
な物理的な洗浄力を加える。また、毛や絹を素材とする
衣料の洗浄には、助剤を添加しない純石けんに近い、無
添剤石けんが適する。羊毛の表面を覆うラノリンや、絹
の表面を覆うフィブロイン等のたんぱく質や脂肪は、毛
や絹の風合いを保っているが、これらを合成洗浄剤は取
り去ってしまうが、無添剤石けんはこのようなことはな
く、毛や絹の風合いを保つ。
【0040】従来の合成洗浄剤においては、合成洗浄剤
自体、残留性があり、皮膚障害、肝臓・腎臓障害、催奇
性、土壌・水質汚染による生態系の破壊、植物成長阻
害、水生生物への有害性等の問題があるが、さらにその
洗浄力を増強するため、耐硬水性を担保する助剤として
天然ゼオライトやエチレンジアミンテトラ酢酸(EDT
A)等が使用されている。天然ゼオライトは、微粉末で
あるから、どんな隙間に入り込み、空気中では、神経障
害のおそれがあり、また排水された後、ヘドロを構成す
る。また、EDTAは、染色体異常、皮膚湿疹等の危険
性を有する。
【0041】また、従来、付着した石けんかすが原因で
衣類やタオル類の手触り風合いが悪いため、ジアルキル
ジメチルアンモニウムクロライド等の柔軟仕上げ剤等が
使用されていたが、軟水を使用することにより、石けん
かすが発生しないため、風合いが良く、柔軟剤を必要と
しない。
【0042】従って、本発明に係る洗浄方法により、石
けんと軟水を使用することによって、石けんかすが発生
することがないので、上記の危険な助剤を使用する必要
がなく、洗浄力を充分発揮することができる。また、石
けんかすの付着による風合いの損傷もなく、さらに石け
んの分解により発生した脂肪酸が薄く衣類の表面に付着
し、衣類の保護や艶を出す効果が相乗され、衣類の洗浄
において、極めて効果的である。また、本発明に係る洗
浄方法は、家庭における洗浄に止まらす、クリーニング
業における洗浄にも適用できるものである。
【0043】食品の多くは含水した有機物であり、軟弱
な構造をもっており、熱や物理的力に対する耐性に乏し
い上に、洗浄剤自体による汚染を受けやすいものであ
る。食品洗浄は加工された製品に用いられることは少な
く、食品工場でも家庭の台所でも食品素材に対して行わ
れることが多いが、特に野菜、果物など、生鮮食品と称
せられる素材は生きた細胞の集団であるから、洗浄には
格別の留意が必要である。
【0044】家庭で用いられる食品の洗浄剤としては、
一般的に主に、次のような特性が求められる。すなわち
無害でなけれはならない。食品を洗浄剤で洗浄する場
合、少量ではあるが対象物に洗浄剤が残留するものと考
えなければならない。また、台所に洗浄剤を置いた場
合、他の食品と間違ってこれを調理物に混入したり、口
に入れたりする場合も考えられる。台所に用いる洗浄剤
は、これが一時的にまとまった量が体内に入った場合は
もちろんのこと、少量ながら継続的に人体に入ったとき
にも害があってはならない。また、常温で充分な洗浄
力を発揮しなければならない。特に生鮮食品では加温に
よって品質を低下させることが多い。中性であること
が望ましい。pHが6.0〜8.0外になると食品の品
質を低下させやすい。
【0045】合成洗浄剤を使用する場合、前述したとお
り、食品への残留性、食品を扱う人体への影響、また排
水の環境に及ぼす影響の問題があるが、石けんを主剤と
した洗浄剤は、たとえ食品に相当量が残留しても毒性に
対する懸念は殆どない。また、石けんはどんなに高濃度
であっても皮膚から浸透することはない。石けん液は、
薄められれは、その界面活性剤としての効力を失ってし
まう。また、口から入っても胃酸と反応して、脂肪酸と
塩になる。しかし、合成洗浄剤は、どんなに薄められて
も効力を持続して、他の物質と簡単に融合してしまう。
従って、石けんは、食物洗浄においても安全性及び洗浄
性において、適している。また、軟水を使用することに
より、石けんかすが、直接食物に付着することなく、食
物の風味を保持しつつ使用することができる。従って、
家庭内での洗浄のみならず、給食業等、食品を扱う工場
洗浄においても、適している。また、食品の洗浄に伴う
環境面においても、軟水の使用により、石けんかすの付
着がないため、洗浄剤、用水の節約ともなり、石けんと
軟水を使用する洗浄は、安全面及び経済面、さらに環境
面においても優れたものである。
【0046】台所で用いられた各種什器も含めた食器類
の洗浄特性は、食品素材のそれとは大きく異なってい
る。これらは陶器や金属のような材料でできており、物
理的、化学的外力に対しても充分な耐性を持っており、
洗浄によって汚染されたり損傷を受けるおそれが極めて
少ない。従って、広範囲の洗浄力が適用される。しか
し、それらは間接的に食品を汚染する可能性を有してい
るものであるから、毒性などに関しては食品の洗浄の場
合に準じて考えなければならない。しかし、従来用いら
れている合成洗浄剤は、上述の如く、種々の問題を有し
ている。しかし、本発明に係る洗浄方法は、石けんと軟
水を組み合わせたことにより、合成洗浄剤の有する人体
に対する影響および環境面での問題がなく、さらに石け
んかすの残留を防止し、さらに脂肪酸によるワックス効
果により、食器等の表面を保護する役割も果たしてい
る。特に、食器、什器等の塗料・漆等の塗装面の表面も
保護し、艶を出す効果が見受けられる。従って、食器類
の洗浄においても、本発明にかかる洗浄方法が最も優れ
ている。
【0047】また、各種家庭用洗浄剤がホーム用洗剤と
いう発売されている。そのなかには、畳、廊下、柱、
戸、窓、ガラス、家具類、冷蔵庫、換気扇、自動車、ト
イレ、バス槽、また、ペット類までその種類は多様であ
る。しかし、家庭において用途ごとにそれぞれ専門の洗
浄剤を準備することになると煩雑すぎる。また、専門化
すればするほど、その応用範囲は狭くなるとともに、場
合によっては他の用途に用いた場合、思わぬ損傷を招く
ことさえある。例えば、自動車や自転車にはある程度脱
脂力の強い洗浄剤が使用できるとしても、このような洗
浄剤をニス塗りの戸棚やガラスなどにはアルカリ性の強
い洗浄剤が効果があるが、このようはものは犬、猫など
に使用すれば、その皮膚や毛を傷めて適当でない。した
がって、専用化の反面、なるべく汎用的な洗浄剤を求め
る声もある。また、汎用とした方が、省資源となる。そ
のような要求に応え、強いアルカリ性や、酸性のものは
なるべく避け、また界面活性剤も陰イオン系のものより
も非解離性の非イオン系のものを使用するのが現状にお
いては最良の選択である。しかし、これらの合成洗浄剤
も、経口毒性、及び環境面においても、問題がある。
【0048】従って、上記多様な用途においても、軟水
と石けんの組合せによる洗浄方法が最良である。詳しく
は、石けんは、軟水との組合せにより、石けんかすが付
着せず、汚れに対して優れた洗浄力を発揮するが、この
効果の他に、ワックス効果をあげることができる。すな
わち、石けんは一定濃度以下においては脂肪酸と塩に分
解するが、脂肪酸がワックス効果となって、食器や、換
気扇、家具類の保護の役割も果たす。白木の柱・床にお
けるワックス効果は、特に優れ美しい艶を得ることがで
きる。自転車や、自動車の洗浄においても、優れた洗浄
力により水あかを落とすことができ、さらに表面の保護
及び、艶を出す効果も現れる。このワックス効果は、石
けんに使用される油脂の溶ける温度以上の温湯を使用し
てすすぐと、より効果的である。しかも、この脂肪酸の
皮膜は人体にとり無害である。従って、本発明に係る洗
浄方法は、家庭の自転車、自動車の洗浄はもとより、バ
スや電車、さらには、飛行機等大型車輌等交通・輸送機
関において、頻繁に洗浄を必要とするところにおいて
も、適用することができ、有害な合成洗浄剤を使用する
ことなく、また、洗浄後の水性ワックスや陽イオン界面
活性剤によるワックス仕上げを必要としない本発明に係
る洗浄方法が適している。
【0049】洗浄で重要な役割を果たしている石けんや
合成洗浄剤は、いずれも界面活性剤である。界面活性剤
の水溶液は、その特異な分子構造のため、通常の物質の
水溶液と異なる種々の性質を示す。そして、界面活性剤
水溶液の洗浄力は、ミセル系形成能、表面・界面張力の
低下、湿潤力、浸透力、乳化力、分散・懸濁力、起泡力
・消泡力、可溶力等の諸特性の総合効果によるものと考
えられている。界面活性剤水溶液の洗浄力において最も
重要な要素は、ミセル限界濃度である。
【0050】合成洗浄剤は、ミセル限界濃度は低く、低
濃度においても界面活性剤としての効力を有することに
なるが、このことは、洗浄後の排水においても界面活性
剤として挙動し、種々の環境汚染の原因となることを示
している。しかし、石けん水溶液のミセル限界濃度は、
他の合成洗浄剤に比較して濃い濃度である。この濃度を
維持すれば、石けんの水溶液は、優れた洗浄力を有する
のである。一方、石けんは一定濃度を低下すると、脂肪
酸と塩に分解されるため、排水中に含まれても害は少な
く、また、排水孔において、フィルター等の脂肪酸を除
去する機能を有する機材を導入することにより、石けん
の排水における影響を皆無にすることも可能となる。
【0051】従って、石けんを使用する場合に、上記の
ミセル限界濃度、あるいはこの濃度付近に水溶液の濃度
を維持し、なおかつ、軟水を洗浄媒液として使用するこ
とにより、硬水成分に洗浄力を低下されることなく、優
れた石けんの洗浄力を100%発揮することができるの
である。
【0052】ここで、石けんとは、脂肪酸のアルカリ塩
である。脂肪酸、アルカリの種類、添加剤の量によっ
て、その性質、形状等が異なってくる。具体的には、脂
肪酸としては、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸
等があるが、実際には、油脂中にこれらの脂肪酸が混合
されており、原料油脂の成分比により、配合を選択す
る。また、アルカリには、カセイカリ、炭酸ソーダ、ア
ンモニア等がある。洗浄力向上のため炭酸塩等を添加し
たり、また石けんのアルカリ性による効果を緩和するた
め、スクワランや、ラノリン、はちみつ等を添加するこ
ともある。本発明に係る洗浄方法において用いる石けん
は、本発明による洗浄の効果を発揮するためには、純度
65%以上、好ましくは、90%以上、特にはより10
0%に近いものがより好ましい。ここで、純石けんと
は、添加剤を含まない純石けん成分のみの無添剤の石け
ん、すなわち、純度100%に近い石けんをいう。石け
ん成分の配合率は、洗浄対象物により選択するとよい。
【0053】また、本発明に係る洗浄方法において用い
られる軟水は、上述した石けんかすの発生を防止し、さ
らに洗浄対象物の表面を保護するというワックス効果の
相乗効果をより有効に発揮させるためには、軟水のカル
シウム・マグネシウム濃度が、10mg以下、さらには
1mg以下、特には、0.1mg以下であることが好ま
しい。さらには、使用する石けんを主とする洗浄剤の石
けん成分の純度がより100%の近い程、前記本発明の
洗浄方法による効果はより著しく顕れる。
【0054】以上、本発明に係る石けんと軟水による洗
浄方法の実施の形態を説明したが、本発明はこれらの実
施の形態にに限定されるものではなく、本発明はその趣
旨を逸脱しない範囲内で当業者の知識に基づき、家庭に
おける洗浄に限らず、飲食業、美容・理容業、医療業、
食品製造業等多様な工場洗浄の場において、使用される
ものであり、また、各洗浄の場において、石けんの形
状、純度、脂肪酸の種類等の選択は、洗浄する汚れの種
類に応じて選択されるものである。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る石けんと軟
水による洗浄方法は、カルシウム・マグネシウム濃度が
約0mg又は0mgに近く、石けん成分が65%以上、
好ましくは90%以上、より好ましくは、より100%
に近い石けんを使用することにより、従来石けんの欠点
であった、石けんかすの発生を防止し、石けんの有する
優れた洗浄力を充分発揮し、さらに脂肪酸によるワック
ス効果の相乗作用により、衣類、身体、食器等家庭にお
ける日常の生活に必要な洗浄、清掃及び、洗車等にも効
果的であり、適用することができ、また洗浄対象物の表
面の保護もでき、不純物が残留することなく、排水にお
いても環境に悪影響を与えず、石けんの使用量も従来の
用量より少量ですむ洗浄方法である。また、家庭におけ
る洗浄はもとより、飲食業、理容・美容業、クリーニン
グ業や、バス・電車等の交通・輸送用大型車輌の洗浄、
病院等、食品製造業その他用水を使用する業種における
工場洗浄にも好適である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】石けんを通常の用水を用いて使用すると、
用水中に含まれるカルシウム、マグネシウム等により生
成する金属石けんのため、純石けんによる皮膚の洗浄は
感触の悪いものとなる。石けん溶液は白濁し、金属石け
んのかすが浮上し、起泡性は極端に悪くなり、これで洗
浄した結果は、金属石けんの不快な感触が残る。特に、
米国などの水のカルシウム・マグネシウム濃度の非常に
高い地方(約160ppm以上)では、上記の現象は顕
著で純石けんによる洗浄はきわめて不完全なものであ
る。この皮膚に残留した石けんかすは、皮膚が荒れる原
因といわれていた。しかし、上記の石けんかすの問題
は、洗浄溶液を軟水とすることにより、解消されるので
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟水を洗浄媒液として、石けんを洗浄剤
    とすることを特徴とする洗浄方法。
  2. 【請求項2】 前記洗浄方法において、カルシウム.マ
    グネシウム濃度が10mg以下の軟水と、純石けん成分
    が65%以上である石けんを使用することを特徴とする
    請求項1に記載する洗浄方法。
  3. 【請求項3】 前記洗浄方法において、より好ましくは
    カルシウム・マグネシウム濃度が約0mgまたは0mg
    に近い軟水と、純石けん成分が90%以上である石けん
    を使用することを特徴とする請求項1及び請求項2に記
    載する洗浄方法。
JP8018698A 1996-02-05 1996-02-05 洗浄方法 Withdrawn JPH09208997A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005298621A (ja) * 2004-04-09 2005-10-27 Miura Co Ltd 界面活性剤の使用方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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