JPH09208608A - 積層板用樹脂組成物及びそれを用いた積層板 - Google Patents

積層板用樹脂組成物及びそれを用いた積層板

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JPH09208608A
JPH09208608A JP8014395A JP1439596A JPH09208608A JP H09208608 A JPH09208608 A JP H09208608A JP 8014395 A JP8014395 A JP 8014395A JP 1439596 A JP1439596 A JP 1439596A JP H09208608 A JPH09208608 A JP H09208608A
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JP
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resin composition
radical
resin
copper
acid
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JP8014395A
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English (en)
Inventor
Keiko Kashiwabara
圭子 柏原
Kohei Kodera
孝兵 小寺
Kenji Ogasawara
健二 小笠原
Kenichi Shinoya
賢一 篠谷
Tomoaki Iwami
知明 岩見
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラジカル重合性樹脂及びラジカル重合性モノ
マーを含む液状の樹脂組成物であって、この樹脂組成物
を使用してガラス布基材の積層板を製造した場合に、ガ
ラス布基材と樹脂の界面に剥離が生じ難く、かつ保存安
定性が優れるれ樹脂組成物及びその樹脂組成物を用いた
積層板を提供する。 【解決手段】 ラジカル重合性樹脂又はラジカル重合性
モノマーに可溶な銅含有有機化合物と、ラジカル重合性
樹脂又はラジカル重合性モノマーに可溶であって、その
銅塩が調製後の積層板用樹脂組成物に不溶である酸を含
有することを特徴とする積層板用樹脂組成物。また、こ
の積層板用樹脂組成物を用いて製造した積層板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層板の製造に用
いられる電気性能等において優れる積層板用樹脂組成物
及びその積層板用樹脂組成物を用いた積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】不飽和ポリエステル樹脂に代表されるラ
ジカル重合性樹脂は、成型時の作業性、硬化性、硬化物
の特性のバランスの良さから各種分野において活発に利
用されている。そして、ラジカル重合性樹脂及びラジカ
ル重合性モノマーを含む常温で液状の熱硬化性樹脂組成
物を積層板用のワニスとして用いた例が特公平5−29
548号に開示されている。このようなラジカル重合性
樹脂及びラジカル重合性モノマーを含む常温で液状の樹
脂組成物を使用して積層板を製造する場合には、ワニス
を基材に含浸させる工程から、含浸品と銅箔とを一体化
する工程までを連続的に行うことが可能であり、従って
長尺の基材と長尺の銅箔を切断することなく一体化でき
るので、ロスなく積層板を製造できる利点がある。
【0003】しかし、ラジカル重合性樹脂及びラジカル
重合性モノマーを含む液状の樹脂組成物を使用してガラ
ス布基材の積層板を製造した場合には、樹脂の硬化収縮
のためと推定されるが、ガラス布基材と硬化した樹脂の
界面に剥離が生じるという問題があった。なお、この界
面の剥離現象は積層板に白化している部分があるかどう
かで評価できる現象である。そこで、本発明者等はこの
ガラス布基材と硬化樹脂の界面に剥離が生じる問題の解
決策を検討したところ、樹脂組成物に銅含有有機化合物
を添加することで改善できることを見いだした。ところ
が、樹脂組成物中の銅イオンは樹脂組成物の硬化性を著
しく促進することがあり、例えばクメンハイドロパーオ
キサイドやt-ブチルパーオキシベンゾエート等のラジカ
ル開始剤を用いた場合には、銅含有有機化合物を添加し
ない樹脂組成物に比べ、銅含有有機化合物を添加した樹
脂組成物は硬化させる温度での硬化特性(ゲル化時間)
が短くなったり、保存安定性が損なわれるという問題が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたものであって、本発明の目的とするとこ
ろは、ラジカル重合性樹脂及びラジカル重合性モノマー
を含む液状の樹脂組成物であって、この樹脂組成物を使
用してガラス布基材の積層板を製造した場合に、ガラス
布基材と樹脂の界面に剥離が生じ難く、かつ保存安定性
が優れるれ樹脂組成物及びその樹脂組成物を用いた積層
板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の積
層板用樹脂組成物は、1分子中に2個以上のラジカル重
合性不飽和結合を持つラジカル重合性樹脂及び1分子中
に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を持つ、分子量
が400以下であるラジカル重合性モノマー及びラジカ
ル開始剤を含有し、常温で液状の積層板用樹脂組成物に
おいて、前記ラジカル重合性樹脂又は前記ラジカル重合
性モノマーに可溶な銅含有有機化合物と、前記ラジカル
重合性樹脂又は前記ラジカル重合性モノマーに可溶であ
って、その銅塩が調製後の積層板用樹脂組成物に不溶で
ある酸を含有することを特徴とする。
【0006】請求項2に係る発明の積層板用樹脂組成物
は、請求項1記載の樹脂組成物において、前記の酸が、
その酸のみを除いて調製した積層板用樹脂組成物の呈す
る緑色度に比べ、その酸を含んで調製した積層板用樹脂
組成物では呈する緑色度が低減するという性質を有する
酸であることを特徴とする。
【0007】請求項3に係る発明の積層板用樹脂組成物
は、請求項1又は請求項2記載の樹脂組成物において、
ラジカル開始剤がハイドロパーオキサイド類、パーオキ
シエステル類又はジアルキルパーオキサイド類のいずれ
かを含有していること特徴とする。
【0008】請求項4に係る発明の積層板用樹脂組成物
は、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の樹脂
組成物において、ラジカル重合性樹脂とラジカル重合性
モノマーの合計量100重量部に対し、銅含有有機化合
物を銅に換算して0.0005〜0.05重量部含有
し、その銅塩が調製後の積層板用樹脂組成物に不溶であ
る酸を0.001〜0.3重量部含有することを特徴と
する請求項1から請求項3までのいずれかに記載の積層
板用樹脂組成物。
【0009】請求項5に係る発明の積層板は、請求項1
から請求項4までのいずれかに記載の積層板用樹脂組成
物を用いて製造した積層板である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0011】本発明で使用するラジカル重合性樹脂は1
分子中に2個以上のラジカル重合性不飽和結合を有する
化合物であり、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、不飽
和ポリエーテル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、エポ
キシメタクリレート樹脂等を例示できる。さらに、この
ラジカル重合性樹脂として、特公平5−29548号で
開示されているような、ゴム変性ビニルエステル樹脂を
用いると靱性、耐水性、耐熱性等の性能がさらに優れた
積層板が得られるので好ましい。
【0012】本発明で使用する1分子中に1個以上のラ
ジカル重合性不飽和結合を有し分子量が400以下であ
るラジカル重合性モノマーとしては、例えば、スチレ
ン、メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、アクリル
酸、メタクリル酸、ジアリルフタレート、トリアリルシ
アヌレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、ブチルアクリレート等が挙げられ、これらを併用
することもできる。
【0013】本発明で使用するラジカル開始剤として
は、特に限定するものではないが、例えば、クメンハイ
ドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロ
パーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類や、t-ブ
チルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシ2-エ
チルヘキサノエート等のパーオキシエステル類やジクミ
ルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキサイド等のジ
アルキルパーオキサイド類が挙げられ、これらを併用す
ることもできる。
【0014】本発明で使用する銅含有有機化合物として
は、例えば、酢酸銅、ギ酸銅、ナフテン酸銅、オレイン
酸銅等の有機酸塩、銅アセチルアセトネート等のキレー
ト化合物を挙げることができるが、これらに限定される
ものではない。また、これらの銅含有有機化合物は、単
独で又は2種類以上を混合して使用することができる。
銅含有有機化合物の含有量については、特に制限するも
のではないが、ラジカル重合性樹脂及びラジカル重合性
モノマーの合計量100重量部に対し、銅含有有機化合
物を銅に換算して0.0005〜0.05重量部含有し
ていることが好ましい。0.0005重量部よりも少な
いとガラス布基材と樹脂の界面の剥離を防止する効果が
少なく、0.05重量部よりも多いと、積層板の電気特
性に問題が生じるおそれがあり、好ましくない。銅含有
有機化合物を積層板用樹脂組成物に含有させる方法とし
ては、ラジカル重合性樹脂とラジカル重合性モノマーの
混合物に銅含有有機化合物を溶解する方法やラジカル重
合性樹脂を合成する際に予め銅含有有機化合物を添加し
ておく方法などが例示でき、特に限定はない。
【0015】本発明では樹脂組成物の保存安定性が、銅
含有有機化合物の存在により損なわれる問題を改善する
ために、樹脂組成物中に、ラジカル重合性樹脂又はラジ
カル重合性モノマーに可溶であって、その銅塩が調製後
の積層板用樹脂組成物に不溶である酸を含有させる。こ
こで調製後の積層板用樹脂組成物に不溶であるとは、そ
の酸のみを除いて調製した積層板用樹脂組成物の呈する
緑色度に比べ、その酸を含んで調製した積層板用樹脂組
成物では呈する緑色度が低減するという性質を指してい
る。なぜならば、酸のみを除き、前記の銅含有有機化合
物を含有、溶解させた積層板用樹脂組成物は銅イオン特
有の緑色を呈するが、樹脂組成物に不溶である銅塩を生
成する酸を同時に存在させると銅イオン特有の緑色度が
低減されるため、このようにその存在により緑色度を低
減する酸を、その銅塩が調製後の積層板用樹脂組成物に
不溶である酸としているのである。ラジカル重合性樹脂
又はラジカル重合性モノマーに可溶であって、その銅塩
が調製後の積層板用樹脂組成物に不溶である酸として
は、酸性の強い有機酸、例えばシュウ酸、マロン酸、ク
エン酸等が挙げられる。この酸の含有量については、特
に制限するものではないが、ラジカル重合性樹脂及びラ
ジカル重合性モノマーの合計量100重量部に対し、こ
の酸を0.001〜0.3重量部含有していることが好
ましい。0.001重量部よりも少ないと樹脂組成物の
保存安定性を改善する効果が少なく、0.3重量部より
多く含有させても保存安定性の改善効果が増大すること
はないので、上記の範囲内であることが好ましい。この
調製後の樹脂組成物に不溶である銅塩を生成する酸を、
樹脂組成物に含有させる方法としては、ラジカル重合性
樹脂とラジカル重合性モノマーと銅含有有機化合物等の
混合物にこの酸を配合して混合する方法やラジカル重合
性モノマーにこの酸を溶解させたものを他の原料と混合
する方法などが例示でき、特に限定はない。
【0016】本発明の積層板は、請求項1から請求項4
までのいずれかに記載の積層板用樹脂組成物を用いて製
造した積層板であり、その製造方法について特に限定は
ない。また、少なくとも一方の面に銅箔等の金属箔を配
して積層した銅張り積層板であってもよい。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて
説明する。
【0018】各実施例及び比較例においては、ラジカル
重合性樹脂として、カルボキシル基末端のアクリロニト
リルブタジエンゴム(宇部興産社製、商品名CTBN)
で変性したゴム変成ビニルエステル樹脂(ゴム変成エポ
キシメタクリレート樹脂)を使用し、ラジカル重合性モ
ノマーとしてはスチレンとアクリル酸を併用した。
【0019】(ゴム変性エポキシメタクリレート樹脂A
の合成及び樹脂ワニス1の調製)四つ口フラスコに液状
のカルボキシル基末端のアクリロニトリルブタジエンゴ
ムであるCTBN1300×8 (宇部興産社製の商品名)及
びCTBN1300×13(宇部興産社製の商品名)をそれぞ
れ41g、エポキシ樹脂YDB−400(東都化成社製
の商品名、エポキシ等量400)を481g、重合禁止
剤のハイドロキノンを0.16g秤取り、加熱溶融させ
る。これに反応触媒のトリフェニルホスフィン(以下T
PPと略す)0.28gを添加し、酸価が1.0以下に
なるまで100℃で反応させる。次いで、メタクリル酸
96.4gとTPP0.33gを投入し、酸価が10.
0以下になるまで120℃で反応させて、ゴム変性エポ
キシメタクリレート樹脂Aを合成した。なお、酸価の測
定はJIS K6901に準拠した。このようにして得
られた四つ口フラスコ内のゴム変性エポキシメタクリレ
ート樹脂Aに、スチレンを300g添加し、次いで冷却
した後、アクリル酸40gを投入して攪拌し、ラジカル
重合性樹脂とラジカル重合性モノマーを含有する樹脂ワ
ニス1を調製した。
【0020】(ゴム変性エポキシメタクリレート樹脂B
の合成及び樹脂ワニス2の調製)四つ口フラスコに液状
のカルボキシル基末端のアクリロニトリルブタジエンゴ
ムであるCTBN1300×8 (宇部興産社製の商品名)及
びCTBN1300×13(宇部興産社製の商品名)をそれぞ
れ43.6g、エポキシ樹脂YDB−400(東都化成
社製の商品名、エポキシ等量400)を510.7g、
重合禁止剤のハイドロキノンを0.2g秤取り、加熱溶
融させる。これにTPP0.3gを添加し、酸価が1.
0以下になるまで100℃で反応させる。次いで、メタ
クリル酸102.2gとTPP0.35gを投入し、酸
価が10.0以下になるまで120℃で反応させて、ゴ
ム変性エポキシメタクリレート樹脂Bを合成した。な
お、酸価の測定はJIS K6901に準拠した。この
ようにして得られた四つ口フラスコ内のゴム変性エポキ
シメタクリレート樹脂Bに、スチレンを300g添加
し、攪拌し,次いで冷却して、ラジカル重合性樹脂とラ
ジカル重合性モノマーを含有する樹脂ワニス2を調製し
た。
【0021】(積層板用樹脂組成物の調製)表1及び表
2に示す割合で樹脂ワニス1、樹脂ワニス2及び各原料
を配合、混合して各実施例及び比較例における液状の積
層板用樹脂組成物を調製した。なお、ラジカル開始剤と
してはクメンハイドロパーオキサイド80%−炭化水素
20%の混合物である日本油脂社製パークミルH80
(商品名)又はt−ブチルパーオキシベンゾエート97
%以上を含む液状過酸化物である日本油脂社製パーブチ
ルZ(商品名)を使用した。
【0022】(積層板の作製)上記で得られた積層板用
樹脂組成物を厚さ200μmの平織ガラス布(大きさ3
00mm×300mm)に含浸し、次いでこの含浸品を
4枚重ね、さらにその両外側に厚さ18μmの銅箔を配
し、次いでこの積層物を金属プレートの間にはさみ、平
置きの状態で110℃−10分間加熱硬化させ、さらに
170℃−30分間アフターキュアーして、厚さが0.
8mmの銅張り積層板を得た。
【0023】(積層板用樹脂組成物及び積層板の特性評
価)上記の積層板用樹脂組成物について保存性及び保存
した際の硬化させる温度(今回の実施例及び比較例では
110℃)付近での硬化特性(ゲル化時間と呼ぶ)を評
価し、また、銅張り積層板についてガラス布基材と硬化
樹脂の界面の剥離の発生状況を下記の方法で評価し、そ
の結果を表1及び表2に示した。また、積層板用樹脂組
成物が呈する色について目視で評価し、その結果も表1
及び表2に示した。
【0024】(積層板用樹脂組成物の保存性の評価方
法)配合した積層板用樹脂組成物を30℃の恒温水槽中
で密閉保存し、12時間毎に攪拌し、ゲル化物の有無を
観察することにより、保存した際のゲル化物発生までの
時間を評価する。
【0025】(積層板用樹脂組成物を保存した際の硬化
特性の評価方法)積層板用樹脂組成物を内径18mm
φ、長さ180mmの試験管に深さ100mmまで入
れ、積層板用樹脂組成物の中央位置に熱電対の測温部を
配置し、保持する。次いで100℃に保持した恒温槽内
に、試料である積層板用樹脂組成物の表面が恒温槽の液
面下1cmの位置となるように固定する。次いで、積層
板用樹脂組成物の温度が85℃になった時をスタート時
点とし、その温度が105℃に達する迄の時間を、硬化
させる温度(今回の実施例及び比較例では110℃)付
近でのゲル化時間として硬化特性を評価する。保存した
際の硬化特性としては、調製直後の積層板用樹脂組成物
のゲル化時間を初期ゲル化時間として測定しておき、そ
の積層板用樹脂組成物を30℃の恒温水槽中で120時
間密閉保存した後、保存後ゲル化時間を測定し、これら
の値を用いて下記式で保存後のゲル化時間の変化率
(%)を算出して評価する。
【0026】保存後のゲル化時間の変化率(%)=〔1
−(初期ゲル化時間/保存後ゲル化時間)〕×100 なお、保存後のゲル化時間の変化率の絶対値が小さい
程、保存してもゲル化時間(硬化特性)が変動していな
い良好な状態であることを示し、保存後ゲル化時間が初
期ゲル化時間より短い場合には保存後のゲル化時間の変
化率は負の値となる。
【0027】(銅張り積層板の剥離の発生状況の評価方
法)銅張り積層板の表面の銅箔をエッチングにより除去
したものの表面を目視観察し、ガラス布基材と硬化樹脂
の界面に剥離が発生しているかどうかを評価する。評価
結果については、エッチングした基板に剥離による白化
現象がないものを○、ガラス布の縦糸と横糸の交点だけ
に剥離による白化現象が生じているものを△、ガラス布
の全面にわたり剥離による白化現象が生じているものを
×として示した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】表1及び表2の結果から、銅含有有機化合
物と調製後の樹脂組成物に不溶である銅塩を生成する酸
(シュウ酸又はマロン酸)を含有している実施例1〜実
施例6は、銅含有有機化合物と調製後の樹脂組成物に不
溶である銅塩を生成する酸を含有していない比較例2に
比べ、ガラス布基材と樹脂の界面の剥離の発生が改善さ
れていることが確認された。この点については銅含有有
機化合物を含有している比較例1及び比較例2でも良好
な結果となっている。また、銅含有有機化合物の含有量
がラジカル重合性樹脂及びラジカル重合性モノマーの合
計量100重量部に対し、銅に換算して0.0001重
量部である実施例4は銅含有有機化合物の含有量が銅に
換算して0.0008重量部である実施例1よりもガラ
ス布基材と樹脂の界面の剥離の発生の改善度合いが少な
いことが確認された。
【0031】また、銅含有有機化合物と調製後の樹脂組
成物に不溶である銅塩を生成する酸(シュウ酸又はマロ
ン酸)を含有している実施例1〜実施例6と、調製後の
樹脂組成物に不溶である銅塩を生成する酸含有していな
い比較例1及び比較例3(メタクリル酸を含有している
が、この酸は不溶な銅塩を生成しない)の比較から、シ
ュウ酸又はマロン酸を含有している実施例1〜実施例6
は樹脂組成物の保存性が改善されていることが確認され
た。さらに、シュウ酸の含有量が0.0005gである
実施例3は、シュウ酸の含有量が0.003gである実
施例1に比べ、樹脂組成物の保存性の改善度合いが少な
く、また保存後のゲル化時間の変化率が大きくなってい
ることが確認された。
【0032】
【発明の効果】請求項1〜請求項4に係る発明の積層板
用樹脂組成物は、ラジカル重合性樹脂又はラジカル重合
性モノマーに可溶な銅含有有機化合物とラジカル重合性
樹脂又はラジカル重合性モノマーに可溶であって、その
銅塩が調製後の積層板用樹脂組成物に不溶である酸を含
有するので、積層板用樹脂組成物の保存安定性が改善さ
れる。従って、請求項1〜請求項4に係る発明の積層板
用樹脂組成物によれば、ラジカル重合性樹脂及びラジカ
ル重合性モノマーを含む液状の樹脂組成物であって、そ
の樹脂組成物を使用してガラス布基材の積層板を製造し
た場合に、ガラス布基材と樹脂の界面に剥離が生じ難
く、かつ保存安定性が優れる樹脂組成物が得られる。ま
た、本発明に係る積層板は、請求項1から請求項4まで
のいずれかに記載の積層板用樹脂組成物を使用するの
で、ガラス布基材と樹脂の界面に剥離が生じ難い積層板
となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08K 5:09 5:14 7:14 (72)発明者 篠谷 賢一 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 岩見 知明 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子中に2個以上のラジカル重合性不
    飽和結合を持つラジカル重合性樹脂及び1分子中に1個
    以上のラジカル重合性不飽和結合を持つ、分子量が40
    0以下であるラジカル重合性モノマー及びラジカル開始
    剤を含有し、常温で液状の積層板用樹脂組成物におい
    て、前記ラジカル重合性樹脂又は前記ラジカル重合性モ
    ノマーに可溶な銅含有有機化合物と、前記ラジカル重合
    性樹脂又は前記ラジカル重合性モノマーに可溶であっ
    て、その銅塩が調製後の積層板用樹脂組成物に不溶であ
    る酸を含有することを特徴とする積層板用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記の酸が、その酸のみを除いて調製し
    た積層板用樹脂組成物の呈する緑色度に比べ、その酸を
    含んで調製した積層板用樹脂組成物では呈する緑色度が
    低減するという性質を有する酸であることを特徴とする
    請求項1記載の積層板用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ラジカル開始剤がハイドロパーオキサイ
    ド類、パーオキシエステル類又はジアルキルパーオキサ
    イド類のいずれかを含有していること特徴とする請求項
    1又は請求項2記載の積層板用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ラジカル重合性樹脂とラジカル重合性モ
    ノマーの合計量100重量部に対し、銅含有有機化合物
    を銅に換算して0.0005〜0.05重量部含有し、
    その銅塩が作製後の積層板用樹脂組成物に不溶である酸
    を0.001〜0.3重量部含有することを特徴とする
    請求項1から請求項3までのいずれかに記載の積層板用
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれかに
    記載の積層板用樹脂組成物を用いて製造した積層板。
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