JPH09208580A - ピロリルベンズイミダゾール誘導体 - Google Patents

ピロリルベンズイミダゾール誘導体

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JPH09208580A
JPH09208580A JP8311684A JP31168496A JPH09208580A JP H09208580 A JPH09208580 A JP H09208580A JP 8311684 A JP8311684 A JP 8311684A JP 31168496 A JP31168496 A JP 31168496A JP H09208580 A JPH09208580 A JP H09208580A
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acid
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明夫 松永
Yuki Mita
由紀 三田
Hiroshi Kono
寛 河野
Hajime Edatsugu
一 枝次
Daiji Iwata
大二 岩田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】新しい構造をもち抗癌剤として有用な化合物を
提供する。 【解決手段】式(1)で示される化合物およびその塩。 [式中、R、RはC〜Cアルキル基であり、R
は水素原子、C〜Cアルキル基、C〜Cアル
コキシ基、またはハロゲン原子であり、Xはメタンス
ルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、
トリフルオロメタンスルホン酸の群から選ばれた酸の残
基である] 【効果】化合物は抗癌剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DNAに結合し、
細胞増殖を抑制する新規なベンズイミダゾール誘導体で
ある化合物と、それを含む医薬組成物、特に抗癌剤への
利用に関する。
【0002】
【従来の技術】DNAに作用する化合物の中には抗癌剤
として用いられるものがある。例えば、アドリアマイシ
ン(Adriamycin)はDNAにインターカレー
トする抗癌剤として有用である。また、シスプラチン
(Cisplatin)、マイトマイシン(Mitom
ycin)のようなDNAと反応する化合物もよく用い
られている。このようにDNAに作用することによる抗
癌作用は、そのすべてを説明できないまでも、一応確立
されているものと考えられる。一方、近年、ディスタマ
イシン(Distamycin)、あるいはネトロプシ
ン(Netropsin)はDNAに結合し、抗腫瘍活
性をもつ物質として知られている(Nature、19
64年、203巻、1064−65頁)。これらは、従
来の抗癌剤とはDNAとの結合様式が異なるグルーブバ
インダーとして注目されている。
【0003】ところが、これまでの抗癌剤に関する知見
では、DNAとの相互作用に関して、化合物の中のどの
部分構造が本当に必要な構造であるか、あるいは他にど
の様な構造が代替しうるかを予想することは、現在のと
ころ全く不可能である。しかし、この他に望ましい構造
をもつ化合物の存在を予測し、探索することは価値があ
る。この様な新たな構造の探索は、新規な抗癌剤の創製
のために特に求められていると考えられる。
【0004】また、ディスタマイシン誘導体にアルキル
化剤を結合させた化合物が知られている。典型的な例を
示せば、J.Am.Chem.Soc.1985年10
7巻8266頁、EP246868、WO93−137
39、J.Med.Chem.1989年32巻774
頁等がある。N−メチルイミダゾールを部分構造とし
て、それをアミド結合でつないだ、ディスタマイシンと
類似の化合物にアルキル化剤を結合した化合物も知られ
ている(US5273991)。これらの中でアルキル
化剤として、ビス(2−クロロエチル)アミノ残基が用
いられているものがあるが、この残基は既に抗癌剤の構
造の一部であることが知られている。例えば、クロラム
ブシル(Chlorambucil)はビス(2−クロ
ロエチル)アミノ残基を分子内にもつ抗癌剤として知ら
れている。この化合物の抗癌活性はDNA、酵素等への
アルキル化を行う結果であると想像されている。しかし
ながら、クロロエチルアミン構造をもつアルキル化剤
を、DNAと結合する抗癌剤の一部の構造として付加す
ることの価値は未だ確立されたものとは言い難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、DN
Aに作用する新しい化合物あるいはDNAに作用する部
分構造をもつ新しい化合物であって抗癌剤として有用な
化合物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述のディスタマイシン
がDNAに結合する化合物の典型例である。ディスタマ
イシンは、ピロールという芳香環がアミド結合によって
結ばれているという構造上の特徴をもつ。しかしなが
ら、DNAに結合する構造と、それぞれの有用性の優劣
について検討された例は見えない。このことから本発明
者は、ピロールの構造を一部に保持しながら、既知の化
合物と異なる構造をもち、かつ抗癌作用を示す化合物が
他にも存在することを予想して、新しい構造の探索を行
った。
【0007】また、われわれは、既にEP071176
8A1としてこのような構造の化合物を含む化合物群を
示している。この中で、ピロールとベンズイミダゾール
を直接結合した構造をもち、かつアミド結合で別の置換
基を付加した構造をもつ新規化合物について探索し、1
H−2−(4−ニトロピロール−2−イル)ベンズイミ
ダゾール−5−カルボキサミド誘導体にアルキル化剤を
付加し、かつ、このピロールの4位にアルキルチオ誘導
体を結合し、さらに、このアルキルチオ基をアルキル化
することによりスルホニウム化合物を得た。このスルホ
ニウム化合物の効果を検討したところ高活性な抗癌剤に
なりうることがわかった。
【0008】これらの知見に加えて、このスルホニウム
化合物のカウンターアニオンについて検討を行ったとこ
ろ、カウンターアニオンとしてp−トルエンスルホン
酸、メタンスルホン酸等のスルホン酸をもつ化合物は、
安定性において、より優れることがわかった。以上のこ
とから、われわれは新たな抗癌剤の発明を完成するに至
った。
【0009】すなわち、本発明は、 [1] 一般式(1)[化2]
【0010】
【化2】 [式中、mは1〜3の整数を示し、R1、R2はそれぞれ
同一または異なる炭素数1〜5のアルキル基であり、R
3は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜
3のアルコキシ基またはハロゲン原子を示し、X-はメ
タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホ
ン酸またはトリフルオロメタンスルホン酸から選ばれる
酸残基であり、]で表される化合物およびその塩であ
り、また、
【0011】[2] R3が水素、メチル基、メトキシ
基もしくはクロル原子である[1]記載の化合物および
その塩であり、また、
【0012】[3] R1、R2ともにメチル基である
[2]記載の化合物およびその塩であり、また、
【0013】[4] 2−[N−[1−メチル−2−
[5−[N−[4−[N,N−ビス(2−クロロエチ
ル)アミノ]フェニル]]カルバモイル]−1H−ベン
ズイミダゾール−2−イル]ピロール−4−イル]カル
バモイルエチル−ジメチルスルホニウム−p−トルエン
スルホネートおよびその塩であり、また、
【0014】[5] 2−[N−[1−メチル−2−
[5−[N−[4−[N,N−ビス(2−クロロエチ
ル)アミノ]フェニル]]カルバモイル]−1H−ベン
ズイミダゾール−2−イル]ピロール−4−イル]カル
バモイルエチル−ジメチルスルホニウム−メタンスルホ
ネートおよびその塩であり、また、
【0015】[6] [1]〜[5]のいずれか1項に
記載の化合物を有効成分として含有する抗癌剤である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。炭素数1〜5のアルキル基で置換されていているス
ルホニウム基とは、炭素数1〜5の直鎖または分枝のア
ルキル基で置換されたスルホニウム基であり、置換して
いるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基が望まし
い。
【0017】炭素数1〜3のアルキル基とは、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基が好ま
しい。
【0018】炭素数1〜3のアルコキシ基とは、メトキ
シ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピ
ルオキシ基が望ましい。
【0019】ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子である。
【0020】塩としては、例えばこれらの硫酸塩、硝酸
塩、リン酸塩等の無機酸塩、あるいはメタンスルホン酸
塩、トルエンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、ニトロベンゼンスルホン
酸、カンファースルホン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マ
レイン酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩等の有
機酸塩が挙げられる。
【0021】これらの化合物の合成について説明する。
以下の説明あるいは実施例の中で、DCCはN,N’−
ジシクロヘキシルカルボジイミド、CDIはN,N’−
カルボニルジイミダゾール、EDCIは1−(3−ジメ
チルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸
塩、DECPはジエチルシアノホスホネート、DMFは
ジメチルホルムアミド、THFはテトラヒドロフランを
示す。Pd/Cはパラジウム付活性炭を示し、通常その
パラジウムは、5〜10%である。
【0022】主要な中間体である一般式(2)[化3]
に示す化合物は既にEP0711768A1に開示され
た方法で合成できる。
【0023】
【化3】 一般式(2)のアミノ化合物に一般式(3)のカルボン
酸誘導体を一般的な縮合剤(例えば、DCC、CDI、
EDCI、DECP等)によって縮合して、アルキルチ
オ基を結合することができる。これらの反応に用いられ
る溶媒は、一般的なものでよいが、DMFあるいはそれ
を含む混合溶媒がよい結果を与える。反応時間は30分
〜40時間が望ましい。反応温度は0〜40℃で行うの
が望ましい。あるいは酸クロリドを用いて同様に一般式
(4)を得ることができる。このときの反応時間は1分
〜1時間である(反応式(1)[化4])。
【0024】
【化4】 また、一般式(4)で示される化合物を適当なアルキル
化剤としてのスルホン酸エステル、例えばメタンスルホ
ン酸メチル、ベンゼンスルホン酸メチル、p−トルエン
スルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p
−トルエンスルホン酸プロピル等でアルキル化して一般
式(5)に示すスルホニウム誘導体を得ることができ
る。ここでの溶媒は、ぎ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、
臭化水素酸、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、エチルエーテル、THF、ジオキサ
ン、酢酸エチル、アセトン、2−ブタノン、塩化メチレ
ン、クロロホルム等が用いられる。これらの溶媒を2種
類以上混合して用いることもできる。あるいは、無溶媒
で反応させることもできる。反応時間は1〜150時間
が望ましい。反応温度は0〜60℃で行うのが望ましい
(反応式(2)[化5])。
【0025】
【化5】 また、一般式(5)に示すスルホニウム誘導体は、一般
的な方法で硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、メタンスルホン
酸塩、トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩
等の無機酸あるいは有機酸との塩が合成され得る。
【0026】一般式(4)で示した化合物は、一般的な
方法でメタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、カ
ンファースルホン酸塩等の酸との塩が合成されうる。こ
れらの塩もまた反応式(2)に示す反応と同様に適当な
アルキル化剤としてのスルホン酸エステル、例えばメタ
ンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸メチル、p−
トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エ
チル、p−トルエンスルホン酸プロピル等でアルキル化
して、対応するスルホニウム誘導体を得ることができ
る。ここでの溶媒は、ぎ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、エチルエーテル、THF、ジオキサン、酢酸エチ
ル、アセトン、2−ブタノン、塩化メチレン、クロロホ
ルム等を単独あるいは2種類以上混合して用いることも
できる。あるいは、無溶媒で反応させることもできる。
反応時間は1〜150時間が望ましい。反応温度は0〜
60℃で行うのが望ましい。
【0027】さらに、一般式(4)で示される化合物を
適当なアルキル化剤としてのスルホン酸エステル、例え
ばメタンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸メチ
ル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスル
ホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸プロピル等でア
ルキル化して一般式(5)に示すスルホニウム誘導体を
得るときに、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、
カンファースルホン酸を反応液中に、一般式(4)の化
合物に対して1〜2倍モル加えることで相当する塩が合
成できる。ここでの溶媒は、ぎ酸、酢酸、トリフルオロ
酢酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブ
タノール、エチルエーテル、THF、ジオキサン、酢酸
エチル、アセトン、2−ブタノン、塩化メチレン、クロ
ロホルム等を単独あるいは2種類以上混合して用いるこ
ともできる。あるいは、無溶媒で反応させることもでき
る。反応時間は1〜150時間が望ましい。反応温度は
0〜60℃で行うのが望ましい。
【0028】一般的にスルホニウム基を有する化合物が
薬剤として用いられている例は少なく、かつ、そのカウ
ンターイオンとしてスルホン酸が用いられている例も少
なく、抗癌剤に限るとその例はほとんどないと言ってよ
い。
【0029】また、われわれはこれらの化合物群の安定
性について検討した。その試験は以下のように行った。
各化合物の原体を外部からの湿度の影響を除いた状態で
50〜60℃のインキュベーター中で保存し、その残存
率をHPLCを用いて測定した。これらの結果、メタン
スルホン酸、p−トルエンスルホン酸のカウンターアニ
オンを持つ化合物とヨウ素のカウンターアニオンを持つ
化合物を比較すると前2者の方が後者よりも安定性にお
いて、より優れることがわかった。ところが、およそ0
〜5℃の冷蔵庫に保存した場合は、明らかな差が認めら
れなかった。
【0030】以上の結果から、メタンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸のカウンターアニオンを持つ化合物
はヨウ素のカウンターアニオンをもつ化合物より安定で
あり、実際に取扱いやすいという長所をもつ。
【0031】本発明の一般式(1)に含まれる化合物の
例を表−1に示す。この表にはスルホニウム基のカウン
ターアニオンはメタンスルホン酸とトルエンスルホン酸
を例として示しているが、これに限定されるものでない
ことは今まで述べたとおりである。また、別のカウンタ
ーアニオンを特定する必要のある時は、そのつど具体的
に記載する。
【0032】また、表−1の化合物については、化合物
の構造からスルホニウム基のカウンターアニオン以外に
塩を形成することができる。既にその合成方法について
述べた。カウンターアニオンとそれ以外の塩として示し
た酸残基が同一でない場合、必ずしも両者を区別できな
い可能性があり、かつ比率も1:1でない可能性があ
る。しかし、ここではそのような塩の形態も含めて考え
るものとする。以下にこの発明に含まれるスルホニウム
化合物の例を塩の形を含めて列挙する。これらは便宜
上、既に存在するスルホニウム化合物の塩に新たに別の
塩を形成することを前提に名称を付けるが、上述の理由
から、含まれる酸残基が固定されたものではないことは
明白である。
【0033】2−[N−[1−メチル−2−[5−[N
−[4−[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]
フェニル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾー
ル−2−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチ
ル−ジメチルスルホニウムメタンスルホネート 2−[N−[1−メチル−2−[5−[N−[4−
[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニ
ル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール−2
−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチル−ジ
メチルスルホニウムメタンスルホネート・メタンスルホ
ン酸塩 2−[N−[1−メチル−2−[5−[N−[4−
[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニ
ル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール−2
−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチル−ジ
メチルスルホニウムメタンスルホネート・p−トルエン
スルホン酸塩 2−[N−[1−メチル−2−[5−[N−[4−
[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニ
ル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール−2
−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチル−ジ
メチルスルホニウムメタンスルホネート・ベンゼンスル
ホン酸塩
【0034】2−[N−[1−メチル−2−[5−[N
−[4−[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]
フェニル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾー
ル−2−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチ
ル−ジメチルスルホニウムp−トルエンスルホネート 2−[N−[1−メチル−2−[5−[N−[4−
[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニ
ル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール−2
−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチル−ジ
メチルスルホニウムp−トルエンスルホネート・メタン
スルホン酸塩 2−[N−[1−メチル−2−[5−[N−[4−
[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニ
ル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール−2
−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチル−ジ
メチルスルホニウムp−トルエンスルホネート・p−ト
ルエンスルホン酸塩 2−[N−[1−メチル−2−[5−[N−[4−
[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニ
ル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール−2
−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチル−ジ
メチルスルホニウムp−トルエンスルホネート・ベンゼ
ンスルホン酸塩
【0035】2−[N−[1−メチル−2−[5−[N
−[4−[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]
フェニル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾー
ル−2−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチ
ル−ジメチルスルホニウムベンゼンスルホネート 2−[N−[1−メチル−2−[5−[N−[4−
[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニ
ル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール−2
−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチル−ジ
メチルスルホニウムベンゼンスルホネート・メタンスル
ホン酸塩 2−[N−[1−メチル−2−[5−[N−[4−
[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニ
ル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール−2
−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチル−ジ
メチルスルホニウムベンゼンスルホネート・p−トルエ
ンスルホン酸塩
【0036】2−[N−[1−メチル−2−[5−[N
−[4−[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]
フェニル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾー
ル−2−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチ
ル−ジメチルスルホニウムベンゼンスルホネート・ベン
ゼンスルホン酸塩 2−[N−[1−メチル−2−[5−[N−[4−
[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニ
ル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール−2
−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチル−ジ
メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート 2−[N−[1−メチル−2−[5−[N−[4−
[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニ
ル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール−2
−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチル−ジ
メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート・
トリフルオロメタンスルホン酸塩
【0037】以上述べてきたことを前提に、スルホニウ
ム基のカウンターアニオンをメタンスルホン酸またはト
ルエンスルホン酸のときの構造を列挙する。この表には
示していないが、他のカウンターアニオンの例も同様に
含まれていることは明白である。なお、この文書中の化
合物番号は表−1[表1〜6]に示す化合物の番号を示
すものである。
【0038】
【表1】表−1
【0039】
【表2】表−1続きの1
【0040】
【表3】表−1続きの2
【0041】
【表4】表−1続きの3
【0042】
【表5】表−1続きの4
【0043】
【表6】表−1続きの5 本発明の化合物は、優れた活性をもつ抗癌剤として使用
できる。使用される癌腫は、白血病、骨肉腫、乳癌、卵
巣癌、胃癌、大腸癌、肺癌、頭頸部癌等である。
【0044】製剤化は公知の方法によって可能である。
剤形としては、各種の形態が治療目的に応じて選択で
き、その代表的なものとして固形製剤、液剤、その他坐
剤等が挙げられる。より詳しくは、次のような各種製剤
である。すなわち、固形製剤としては、錠剤、丸剤、散
剤、顆粒剤、カプセル剤等、液剤としては、溶液として
の注射剤の他、懸濁剤、シロップ剤、乳剤等、その他の
製剤としては、坐剤等である。
【0045】錠剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来よりよく知られている各種のものを
広く使用することができる。その例としては、乳糖、白
糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシ
ウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤、
水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖
液、デンプン液、ゼラチン溶液、セラック溶液、メチル
セルロース溶液、ヒドロキシプロピルセルロース溶液、
ポリビニルピロリドン溶液、カルボキシメチルセルロー
ス溶液等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウ
ム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウ
ム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、
ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリ
ド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン酸、
カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アン
モニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進
剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳
糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸、結晶
性セルロース、軽質無水ケイ酸等の吸着剤、タルク、ス
テアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の
滑沢剤等である。
【0046】さらに錠剤の場合、必要に応じ通常の剤皮
を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被
錠、フィルムコーティング錠あるいは二層錠、多層錠と
することができる。
【0047】丸剤の形態に成形するに際しては、担体と
して従来この分野で公知のものを広く使用できる。その
例としては、例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ
脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビ
アゴム末、トラガント末、ゼラチン等の結合剤、カルメ
ロースカルシウム、カンテン等の崩壊剤等を挙げること
ができる。
【0048】カプセル剤は、常法に従い通常有効成分化
合物を上記で例示した各種の担体と混合して硬質ゼラチ
ンカプセル、軟質カプセル等に充填して調製される。
【0049】注射剤として調製する場合、液剤、乳剤お
よび懸濁剤の形態に調製するに際しては、希釈剤として
この分野において汎用されているもの、例えば水、エタ
ノール、マクロゴール、プロピレングリコール、エトキ
シ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステ
アリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル類、綿実油、トウモロコシ油、ラッカセイ
油、オリーブ油等が使用できる。さらに本発明の化合物
に水を加え、適切な界面活性剤の存在下に懸濁性水溶
液、さらにはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO-6
0)、ポリソルベート80、ポリエチレングリコール等
の界面活性剤等を用いた乳濁液として使用される。な
お、食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを医薬製剤中に
含有させてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無
痛化剤等を添加してもよい。
【0050】坐剤の形態に成形するに際しては、担体と
して従来公知のものを広く使用することができる。その
例としては、例えばポリエチレングリコール、カカオ
脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼ
ラチン、半合成グリセライド等を挙げることができる。
【0051】さらに必要に応じて着色剤、保存剤、香
料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を医薬製剤中に含有
させることもできる。
【0052】本発明のこれら医薬製剤の投与方法は特に
制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の
条件、疾患の程度に応じた方法で投与される。例えば、
錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、散剤、顆粒剤、シロ
ップ剤およびカプセル剤の場合には、経口投与される。
注射剤の場合には、単独でまたはブドウ糖、アミノ酸等
の通常の補液と混合して静脈内投与され、さらに必要に
応じて単独で筋肉内、皮下もしくは腹腔内投与される。
坐剤の場合は直腸内投与される。本発明のこれら医薬製
剤の投与量は、用法、患者の年齢、性別その他の条件、
疾患の程度により適宜選択されるが、通常有効成分化合
物の量が成人1日当たり、0.001〜1,000mg程度とする
のがよい。また投与単位形態の製剤中には有効成分化合
物が約0.001〜1,000mgの範囲で含有されるのが望まし
い。
【0053】抗癌剤は一般的に言って、例えばアドリア
マイシン、シスプラチン等の汎用される薬剤であっても
副作用が小さいとは言いがたい。現在の技術レベルから
言って、副作用は作用強度との関係を考慮して判断され
るべきであって、ある程度は避けがたい問題である。本
発明の化合物の副作用は、抗癌剤として用いる程度には
問題のないレベルである。以下に本発明を実施例および
試験例をもって説明するが、本発明はこれらによって制
限されるものではない。
【0054】
【実施例】
参考合成例1 N,N−ビス(2−クロロエチル)−1,4−フェニレ
ンジアミン塩酸塩 4−ニトロ−[N,N−ビス(2−クロロエチル)]ア
ニリン5.0g(19.0mmol)を酢酸エチル50
mLとメタノール25mLの混合溶媒に溶解し、4N塩
酸5.0mLを加えた。これを10%Pd/Cを用い
て、常圧室温で水素添加した。Pd/Cを濾去し、溶媒
を留去した。これをエタノール−エーテルで結晶化し、
目的物4.1g(15.2mmol、80%)を得た。 mp.230−233℃
【0055】参考合成例2 1H−2−(1−メチル−4−ニトロピロール−2−イ
ル)ベンズイミダゾール−5−[N−[4−[N,N−
ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニル]]カルボ
キサミド 1H−2−(1−メチル−4−ニトロピロール−2−イ
ル)ベンズイミダゾール−5−カルボン酸0.3g
(1.05mmol)をDMF6mLに溶解し、その中
へN,N−ビス(2−クロロエチル)−1,4−フェニ
レンジアミン塩酸塩0.3g(1.1mmol,1.0
5eq.)とトリエチルアミン0.15mL(1.82
mmol、3.1eq.)をDMF8mLに溶解して滴
下した。HOBt0.16g(1.18mmol、1.
1eq.)を加え、窒素雰囲気下氷冷し、DCC0.2
4g(1.16mmol、1.1eq.)を加え、室温
にもどし3時間攪拌後一晩放置した。生じた固体を濾別
後減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにて精製し(塩化メチレン/メタノール2%)メ
タノールスラッジングすることにより、標題化合物0.
38g(0.76mmol、72.2%)を黄色結晶と
して得た。 mp.144−148℃
【0056】参考合成例3 1H−2−[1−メチル−4−[3−(メチルチオ)プ
ロピオニルアミノ]ピロール−2−イル]ベンズイミダ
ゾール−5−[N−[4−[N,N−ビス(2−クロロ
エチル)アミノ]フェニル]]カルボキサミド 1H−2−(1−メチル−4−ニトロピロール−2−イ
ル)ベンズイミダゾール−5−[N−[4−[N,N−
ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニル]]カルボ
キサミド0.20g(0.40mmol)をDMF3m
Lとメタノール3mLの混合溶媒に溶解し、1N塩酸
0.45mLを加え、10%Pd/C(Wet)0.1
0gを触媒とし常圧水添により対応するアミノ体へと導
いた。このアミノ体のDMF溶液を窒素気流下氷冷攪拌
しトリエチルアミン67μL(0.48mmol、1.
2eq.)、3−(メチルチオ)プロピオニルイミダゾ
ール{3−(メチルチオ)プロピオン酸0.06g
(0.50mmol、1.2eq.)、CDI95mg
(0.59mmol、1.4eq.)/DMF3mLよ
り調製}/DMF溶液を添加し、室温にもどし4時間攪
拌後一晩放置した。減圧下濃縮し残渣をシリカゲルクロ
マトにて精製し(クロロホルム/メタノール4%)、酢
酸エチル−エーテルより結晶化することにより標題化合
物164mg(0.29mmol、71.6%)を、薄
茶色結晶として得た。 IR(KBr)cm−1:3275,1642,151
8,1327,813 元素分析:計算値(C2730ClS)
C:56.54、H:5.22、N:14.30、C
l:12.30、分析値C:56.12、H:5.2
2、N:14.30、Cl:12.30
【0057】実施例1(化合物番号25) 2−[N−[1−メチル−2−[5−[N−[4−
[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニ
ル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール−2
−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチル−ジ
メチルスルホニウム p−トルエンスルホネート 1H−2−[1−メチル−4−(3−メチルチオプロピ
オニル)アミノピロール−2−イル]ベンズイミダゾー
ル−5−[N−[4−[N,N−ビス(2−クロロエチ
ル)アミノ]フェニル]]カルボキサミド0.2gを9
8〜100%蟻酸2mLに溶解した。この溶液にp−ト
ルエンスルホン酸メチル2mLを加えて、遮光条件下、
室温で2時間攪拌した後、1晩放置した。反応液をメタ
ノールで希釈し、減圧下溶媒を留去した。残渣をゲル濾
過カラム(Sephadex LH−20、メタノー
ル)で精製し、さらにエチルエーテルで処理して目的物
0.21g(86%)を黄色粉末として得た。 NMR(DMSO−d6)δ:10.31(s,1
H),10.02(s,0.4H),9.96(S,
0.6h),8.32(s,0.6H),8.02(s
0.4H),7.81(m,1.5H),7.64
(m,3H),7.52(d,0.5H),7.48
(d,2H),7.47(s,1H),7.11(d,
2H),6.95(d,1H),6.76(d,2
H),4.09(s,3H),3.73(s,8H),
3.53(t,2H),2.94(s,6H),2.9
3(t,2H),2.29(s,3H). C353665Cl22・2H2O calcd. C:53.09,H:5.09,N:10.61 anal. C:53.20,H:5.27,N:10.37
【0058】実施例2(化合物番号1) 2−[N−[1−メチル−2−[5−[N−[4−
[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニ
ル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール−2
−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチル−ジ
メチルスルホニウム メタンスルホネート 1H−2−[1−メチル−4−(3−メチルチオプロピ
オニル)アミノピロール−2−イル]ベンズイミダゾー
ル−5−[N−[4−[N,N−ビス(2−クロロエチ
ル)アミノ]フェニル]]カルボキサミド0.3gを9
8〜100%蟻酸3mLに溶解した。この溶液にメタン
スルホン酸メチル3mLを加えて、遮光条件下、室温で
9時間攪拌した後、1晩放置した。反応液をメタノール
で希釈し、減圧下溶媒を留去した。IPEを加えて攪拌
し、IPEをデカントして除いた。この残渣にエチルエ
ーテルを加えて攪拌し、エチルエーテルをデカントして
除いた。この残渣をエチルエーテルで処理して目的物
0.33g(97%)を黄色粉末として得た。
【0059】NMR(DMSO−d6)δ:10.33
(s,1H),9.99(s,1H),8.15(s,
1H),7.81(d,1H),7.65(d,2
H),7.60(bs,1H),7.30(s,1
H),6.95(s,1H),6.77(d,2H),
4.10(s,3H),3.73(s,8H),3.5
4(t,2H),2.95(s,6H),2.94
(t,2H),2.34(s,3H). C293665Cl22・2H2O calcd. C:48.40,H:5.60,N:11.68 anal. C:48.48,H:5.07,N:11.11
【0060】実施例3(化合物番号25・p−トルエン
スルホン酸塩) 2−[N−[1−メチル−2−[5−[N−[4−
[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニ
ル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール−2
−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチル−ジ
メチルスルホニウム p−トルエンスルホネート・p−トルエンスルホン酸塩 1H−2−[1−メチル−4−(3−メチルチオプロピ
オニル)アミノピロール−2−イル]ベンズイミダゾー
ル−5−[N−[4−[N,N−ビス(2−クロロエチ
ル)アミノ]フェニル]]カルボキサミド10.1gを
98〜100%蟻酸35mLに溶解した。この溶液にp
−トルエンスルホン酸メチル8mLとp−トルエンスル
ホン酸・1水和物4.1g(1.2eq)を加えて、遮
光条件下、室温で2日間攪拌した。これに酢酸エチルを
加えてデカントする操作を2回繰り返し(700mL×
2)、さらに酢酸エチル300mLでスラッジングして
淡黄色の粉末を得た。これをゲル濾過カラム(Seph
adex LH−20、メタノール)で精製し、さらに
メタノールから再結晶して目的物8.72g(53%)
を得た。
【0061】NMR(DMSO−d6)δ:10.38
(s,1H),10.12(s,1H),8.23
(s,1H),7.95(d,1H),7.71(d,
1H),7.64(d,2H),7.48(d,4
H),7.42(s,1H),7.15(d,4H),
7.07(s,1H),6.77(d,1H),4.0
6(s,3H),3.74(s,8H),3.54
(t,2H),2.94(s,6H),2.94(t,
2H),2.29(s,6H). C424868Cl23・H2O calcd. C:53.10,H:5.30,N:8.85 anal. C:53.01,H:5.20,N:8.56
【0062】実施例4(化合物番号25・メタンスルホ
ン酸塩) 2−[N−[1−メチル−2−[5−[N−[4−
[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニ
ル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール−2
−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチル−ジ
メチルスルホニウム p−トルエンスルホネート・メタンスルホン酸塩 1H−2−[1−メチル−4−(3−メチルチオプロピ
オニル)アミノピロール−2−イル]ベンズイミダゾー
ル−5−[N−[4−[N,N−ビス(2−クロロエチ
ル)アミノ]フェニル]]カルボキサミド0.1gを9
8〜100%蟻酸1mLに溶解した。この溶液にp−ト
ルエンスルホン酸メチル1mLとメタンスルホン酸12
μL(1.1eq)を加えて、遮光条件下、室温で2時
間攪拌した後、1晩放置した。反応液をメタノールで希
釈し、その溶液をゲル濾過カラム(Sephadex
LH−20、メタノール)で精製し、さらにエチルエー
テルで処理して目的物0.08g(54%)を黄色粉末
として得た。
【0063】NMR(DMSO−d6)δ:10.40
(s,1H),10.13(s,1H),8.24
(s,1H),7.96(d,1H),7.73(d,
1H),7.64(d,2H),7.48(d,2
H),7.44(s,1H),7.13(s,1H),
7.09(d,2H),6.77(d,2H),4.0
6(s,3H),3.74(s,8H),3.54
(t,2H),2.95(s,6H),2.95(t,
2H),2.35(s,3H),2.29(s,3H)
【0064】実施例5(化合物番号1・メタンスルホン
酸塩) 2−[N−[1−メチル−2−[5−[N−[4−
[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニ
ル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール−2
−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチル−ジ
メチルスルホニウム メタンスルホネート・メタンスルホン酸塩 1H−2−[1−メチル−4−(3−メチルチオプロピ
オニル)アミノピロール−2−イル]ベンズイミダゾー
ル−5−[N−[4−[N,N−ビス(2−クロロエチ
ル)アミノ]フェニル]]カルボキサミド8.1gを9
8〜100%蟻酸20mLに溶解した。この溶液にメタ
ンスルホン酸メチル3.58mL(42.3mmol)
とメタンスルホン酸1.1mL(17.0mmol)を
加えて、遮光条件下、室温で32時間攪拌した。反応液
エチルエーテルを加え、デカントすることを2回繰り返
し、残渣をゲル濾過カラム(Sephadex LH−
20、メタノール)で精製し、さらにエチルエーテルで
処理して目的物8.0g(73%)を黄色粉末として得
た。
【0065】NMR(DMSO−d6)δ:10.45
(s,1H),10.16(s,1H),8.26
(s,1H),8.00(d,1H),7.77(d,
2H),7.64(d,2H),7.49(s,1
H),7.12(s,1H),6.77(d,2H),
4.06(s,3H),3.74(s,8H),3.5
5(t,2H),2.95(s,6H),2.95
(t,2H),2.38(s,6H). C304068Cl23・H2O calcd. C:45.17,H:5.31,N:10.53 anal. C:45.10,H:5.08,N:10.27
【0066】実施例6 実施例1−5と同様にして、以下の化合物を合成した。
【0067】2−[N−[1−メチル−2−[5−[N
−[4−[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]
フェニル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾー
ル−2−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチ
ル−ジメチルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート NMR(DMSO−d)δ:10.31(s,1
H),9.98(s,1H),8.22(s,1H),
7.81(d,1H),7.64(d,2H),7.5
7(bd,2H),7.29(s,1H),6.95
(s,1H),6.76(d,2H),4.09(s,
3H),3.73(s,8H),3.54(t,2
H),2.94(s,6H),2.93(t,2H).
【0068】 C293265Cl232・0.5H2O calcd. C:46.71,H:4.46,N:11.27 anal. C:46.92,H:4.57,N:10.98
【0069】実施例7 実施例1−5と同様にして、以下の化合物を合成した。
【0070】2−[N−[1−メチル−2−[5−[N
−[4−[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]
フェニル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダゾー
ル−2−イル]ピロール−4−イル]カルバモイルエチ
ル−ジメチルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート・トリフルオロメタン
スルホン酸塩 NMR(DMSO−d)δ:10.37(s,1
H),10.12(s,1H),8.23(s,1
H),7.95(d,1H),7.71(d,2H),
7.63(d,2H),7.42(s,1H),7.0
7(s,1H),6.77(d,2H),4.07
(s,3H),3.74(s,8H),3.53(t,
2H),2.94(s,6H),2.94(t,2
H). C303368Cl263・H2O calcd. C:39.83,H:3.90,N:9.29 anal. C:39.74,H:4.03,N:9.03
【0071】実施例8 1H−2−[1−メチル−4−
(3−メチルチオプロピオニル)アミノピロール−2−
イル]ベンズイミダゾール−5−[N−[4−[N,N
−ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニル]]カル
ボキサミド・メタンスルホン酸塩 1H−2−[1−メチル−4−(3−メチルチオプロピ
オニル)アミノピロール−2−イル]ベンズイミダゾー
ル−5−[N−[4−[N,N−ビス(2−クロロエチ
ル)アミノ]フェニル]]カルボキサミド570mgを
メタノールに溶解し、別に用意した2倍モルのメタンス
ルホン酸を滴下した。30分攪拌して生じた黄色の針状
結晶を濾取、乾燥して目的物597mgを得た。 NMR(DMSO−d)δ:10.15(s,1
H),10.12(s,1H),8.24(s,1
H),7.97(d,1H),7.74(d,2H),
7.63(d,2H),7.45(s,1H),7.0
8(s,1H),6.78(d,2H),4.05
(s,3H),3.74(s,8H),2.76(t,
2H),2.58(t,2H),2.34(s,3
H),2.09(s,3H).
【0072】実施例9 1H−2−[1−メチル−4−
(3−メチルチオプロピオニル)アミノピロール−2−
イル]ベンズイミダゾール−5−[N−[4−[N,N
−ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニル]]カル
ボキサミド・P−トルエンスルホン酸塩 実施例8と同様にしてp−トルエンスルホン酸塩を得
た。 NMR(DMSO−d)δ:10.15(s,1
H),10.11(s,1H),8.23(s,1
H),7.98(d,1H),7.73(d,1H),
7.63(d,2H),7.48(d,4H),7.4
5(s,1H),7.11(d,4H),6.77
(d,2H),4.04(s,3H),3.74(s,
8H),2.76(t,2H),2.58(t,2
H),2.35(s,3H),2.09(s,6H).
【0073】試験例1(インビトロの腫瘍細胞増殖抑制
作用) これらの化合物の抗腫瘍活性について説明する。96穴
培養プレートにマウスB16メラノーマ細胞をまき、1
日後に薬物を加え、さらに3日間5%CO2中37℃で
培養した。Cancer Res.1988年48巻5
89−601頁に示された方法に準じて50%の増殖抑
制を起こすのに必要な薬物の濃度を求めた。表−2[表
7]に代表的な化合物の抗腫瘍活性を示す。単位はマイ
クログラム/ミリリットルである。比較例としてディス
タマイシンの結果を同時に示した。
【0074】
【表7】 (1)メタンスルホン酸塩、(2)p−トルエンスルホン酸塩
【0075】試験例2 Colon26マウス結腸癌細胞1×107cells/mL HBS
S(Hanks' Balanced Salt Solution)の濃度の細胞浮
遊液を調製した。この細胞浮遊液0.1mLをメスCD
1マウスの側腹部皮下に移植した(day0)。腫瘍
移植の翌日(day1)にマウスの体重を測定した後、
化合物の溶液(5%のTween80を含む5%グルコース溶
液)をマウスの尾静脈内に投与した。day15に腫瘍
を摘出しその重量を測定した。
【0076】薬物を投与しない対照群の平均腫瘍重量を
100%とした場合の実験群の平均腫瘍重量の割合をT
/C値として算出した。この50%を示す薬物の濃度を
表−3[表8]に示す。
【0077】
【表8】 (1)メタンスルホン酸塩、(2)p−トルエンスルホン酸塩
【0078】試験例3 安定性の比較試験として、約4℃と、50℃のインキュ
ベーターを用いて、3日間の化合物の残存率をHPLC
のピーク面積比の測定から求めた表−4[表9]。
【0079】
【表9】 ただし、(1)はメタンスルホン酸塩、IODIDEは
化合物1のカウンターアニオンをヨウ素に変更した化合
物であり、その他の塩は含まない。
【0080】試験例4 これらの化合物群の安定性について検討した。これらの
化合物の原体を60℃で1ヶ月間加熱したときの元の化
合物の残存率を安定性の指標として求めた。残存率はH
PLCで測定した。その結果を以下の表−5[表10]
に示す。
【0081】
【表10】 (1)メタンスルホン酸塩、(2)p−トルエンスルホン酸塩
【0082】
【発明の効果】本発明の化合物はDNAに作用する新し
い化合物あるいはDNAに作用する部分構造をもつ新規
化合物で、抗癌剤として有用である。
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】
【表1】表−1
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】
【表2】表−1続きの1
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】
【表3】表−1続きの2
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】
【表4】表−1続きの3
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】
【表5】表−1続きの4
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】
【表6】表−1続きの5
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 枝次 一 千葉県茂原市東郷1900番地の1 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 岩田 大二 千葉県茂原市東郷1900番地の1 三井東圧 化学株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)[化1] 【化1】 [式中、mは1〜3の整数を示し、R1、R2はそれぞれ
    同一または異なる炭素数1〜5のアルキル基であり、R
    3は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜
    3のアルコキシ基またはハロゲン原子を示し、X-はメ
    タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホ
    ン酸またはトリフルオロメタンスルホン酸から選ばれる
    酸残基である]で表される化合物およびその塩。
  2. 【請求項2】 R3が水素、メチル基、メトキシ基また
    はクロル原子である請求項1記載の化合物およびその
    塩。
  3. 【請求項3】 R1、R2ともにメチル基である請求項2
    記載の化合物およびその塩。
  4. 【請求項4】 2−[N−[1−メチル−2−[5−
    [N−[4−[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミ
    ノ]フェニル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダ
    ゾール−2−イル]ピロール−4−イル]カルバモイル
    エチル−ジメチルスルホニウム−p−トルエンスルホネ
    ートおよびその塩。
  5. 【請求項5】 2−[N−[1−メチル−2−[5−
    [N−[4−[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミ
    ノ]フェニル]]カルバモイル]−1H−ベンズイミダ
    ゾール−2−イル]ピロール−4−イル]カルバモイル
    エチル−ジメチルスルホニウム−メタンスルホネートお
    よびその塩。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の化
    合物を有効成分として含有する抗癌剤。
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