JPH09208219A - モルデナイト構造を有するゼオライトおよびその製造方法 - Google Patents

モルデナイト構造を有するゼオライトおよびその製造方法

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JPH09208219A
JPH09208219A JP30615596A JP30615596A JPH09208219A JP H09208219 A JPH09208219 A JP H09208219A JP 30615596 A JP30615596 A JP 30615596A JP 30615596 A JP30615596 A JP 30615596A JP H09208219 A JPH09208219 A JP H09208219A
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zeolite
polyalkylene glycol
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derivative
sio
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JP30615596A
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Masanori Nakajima
正規 中島
Yutaka Imada
裕 今田
Akira Miyata
暁 宮田
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】触媒として利用できる高性能なモルデナイト構
造を有するゼオライトを提供する。 【解決手段】ゼオライト合成時の水性反応混合物にポリ
アルキレングリコールまたはその誘導体を添加して結晶
化させる製造方法により、高性能なモルデナイト構造を
有するゼオライトを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石油化学工業用および
ファインケミカル製品製造用の触媒あるいは吸着剤とし
て広く利用されているモルデナイト構造を有するゼオラ
イトおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゼオライトはSiO2およびAlO2の正
四面体が酸素を共有して結合した三次元網目構造を基本
的骨格構造としている。そのため酸素原子対アルミニウ
ム原子およびシリカ原子の合計の比、すなわちO/(A
l+Si)は2に等しい。したがってアルミニウムを含
む四面体の負の電子価は、結晶中に陽イオン、たとえば
アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモ
ニウムイオン、水素イオンなどを含むことにより電気的
中性を保っている。陽イオンは適当なイオン交換法によ
り他の陽イオンと置換することができ、このことはゼオ
ライトの最も重要な性質の一つとしてよく知られてい
る。
【0003】また、ゼオライトは分子オーダーの細孔構
造を有していることもよく知られている。この細孔空洞
は一般に水和水で占められており、適当な条件のもとで
少なくとも一部脱水した後には細孔空洞内に他の分子を
吸着保持できるようになる。すなわち、ゼオライトは吸
着剤としての特性を有している。吸着できる分子は、細
孔によってその大きさと形状を制約される。したがっ
て、分子の大きさあるいは形状に基づいてある特定の分
子を混合物から分離する、いわゆる分子ふるい的吸着分
離が可能となる。さらに、分子の大きさと形状以外にあ
る種の分子の選択吸着を可能にする因子がある。これら
の因子としてはたとえば被吸着分子の分極率、不飽和
度、あるいはゼオライト細孔内の分極力、陽イオンの大
きさ、水和度などがあり、これらの因子によって選択的
吸着を可能にさせることもできる。
【0004】ゼオライトを特徴づけるもう一つの特性
は、その著しく高い触媒作用である。特に、ゼオライト
のイオン交換可能なアルカリ金属イオンをアンモニウム
イオン、水素イオン、あるいは多価金属陽イオン、たと
えば希土類イオンと置換することにより固体酸性が発現
し、これが多くの反応に対して著しく高い触媒作用を示
す。
【0005】ゼオライトには一般に天然品と合成品があ
る。天然のものとしては、たとえばホウフッ石、ソーダ
フッ石、キフッ石、クリノプチロライト、カイジュウジ
フッ石、モルデンフッ石、リョウフッ石、フォージャス
石などをあげることができる。合成ゼオライトとして
は、A、B、D、E、F、G、H、J、L、M、Q、
R、S、T、U、X、Y、Zなどの型のゼオライトをあ
げることができる。
【0006】天然品の多くは、非晶質あるいは他の異質
のゼオライトまたは長石、石英の如きゼオライトではな
い結晶等がふくまれており、その結晶性は低いのが一般
的である。さらに、これら不純物によりゼオライトの有
する細孔が閉塞され、ゼオライトそれ自身の特性が十分
機能し得ないのが通常である。
【0007】しかるに、合成品の場合はゼオライトの純
度を極めて高くすることができ、細孔径も均一であるた
め、天然品と比較して吸着剤としてあるいは触媒として
より優れた特性を具備している。このようなことから、
詳述した如く数多くのゼオライトが合成されてきた。そ
の一部は工業的に実施され多くの用途に使用されてい
る。
【0008】ゼオライトの合成は、一般にシリカ源、ア
ルミナ源、アルカリ源を含む水性反応混合物を調製し、
これをゼオライトができる反応条件のもとで結晶化せし
めることにより達成できる。
【0009】一般にモルデナイト構造は、SiO2とA
lO2が酸素を共有して結合した酸素12員環と8員環
からなる2次元の細孔構造を有するゼオライトであり、
マイヤー;ザイトシュリフト ヒューアー クリスタロ
グラフィー,115,p439−450(1961)に
構造が記載されている。
【0010】一般的な方法で合成されたモルデナイト構
造を有するゼオライトの外表面積は、ウツノミヤダイガ
クキョウイクガクブキヨー,ダイ2ブ,39,p33−
47(1989)によれば最大で12m2/gであるこ
とが開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】モルデナイト構造を有
するゼオライトは、その高い固体酸性と特徴的な細孔構
造を生かして石油化学工業用およびファインケミカル製
品製造用の触媒あるいは吸着剤として広く利用されてい
る。しかしながら、環境保全や省エネルギーの観点か
ら、このゼオライトの更なる高性能化により触媒反応工
程から発生する廃棄物を削減すること、あるいは効率よ
く選択的に触媒反応を進行させることが望まれている。
例えば、特公平4−37055号公報に開示されている
芳香族ハロゲン化物の異性化反応においては、その反応
活性および選択性ともに依然満足できるレベルに達して
いない。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる問題
点を解消するために鋭意検討した結果、(1)シリカ
源、(2)アルミナ源、(3)アルカリ源、(4)第4
級アンモニウム塩および/またはジカルボン酸からなる
水性反応混合物に(5)ポリアルキレングリコールまた
はその誘導体を添加することによって合成したモルデナ
イト構造を有するゼオライトが、これまでのものより優
れた特性を有することを見い出し本発明に到達した。例
えば、上述した該異性化反応に対して高い活性を有する
ことがわかった。すなわち、本発明は(1)シリカ源、
(2)アルミナ源、(3)アルカリ源、(4)第4級ア
ンモニウム塩および/またはジカルボン酸からなる水性
反応混合物に(5)ポリアルキレングリコールまたはそ
の誘導体を添加することを特徴とするモルデナイト構造
を有するゼオライトの製造方法に関するものである。
【0013】本発明のゼオライトは、(1)シリカ源、
(2)アルミナ源、(3)アルカリ源、(4)第4級ア
ンモニウム塩および/またはジカルボン酸からなる水性
反応混合物に(5)ポリアルキレングリコールまたはそ
の誘導体を添加することが重要である。以下に本発明の
ゼオライトを製造する方法について説明する。
【0014】本発明のゼオライトの合成において、シリ
カ源は特に限定されないが、従来からゼオライト等の合
成に用いられているシリカ源であるシリカゾル、シリカ
ゲル、シリカエローゲル、シリカヒドロゲル、ケイ酸、
ケイ酸エステル、ケイ酸ソーダ等が用いられる。
【0015】アルミナ源としては、特に限定されない
が、同じく従来からゼオライト合成で使用されている周
知のアルミナ源であるアルミン酸ソーダ、硫酸アルミニ
ウム、硝酸アルミニウム、アルミナゾル、アルミナゲ
ル、活性化アルミナ、ガンマーアルミナ、アルファーア
ルミナ等が用いられる。
【0016】アルカリ源としては、無機塩基としては水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、有機塩基としては水
酸化テトラエチルアンモニウム等を挙げることができる
が、好ましくは水酸化ナトリウムである。これらアルカ
リ源は、系中にOH-が好ましい組成で存在するように
添加される。必要ならば過剰のOH-を、硫酸、塩酸な
どの鉱酸または酢酸などの有機酸で調整することもでき
る。
【0017】モルデナイト構造の形成を容易にするため
に、テンプレート剤もしくは鉱化剤として第4級アンモ
ニウム塩および/またはジカルボン酸を添加する。第4
級アンモニウム塩およびジカルボン酸は、いずれも特に
限定されるものではないが、具体的には第4級アンモニ
ウム塩としては水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸
化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルア
ンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等が挙げ
られ、好ましくは水酸化テトラエチルアンモニウムであ
る。ジカルボン酸としてはシュウ酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ジメチルマロン酸、メチ
ルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、マレイン酸、
フマル酸、グルタコン酸、アリルマロン酸、タルトロン
酸、リンゴ酸、酒石酸、ピナコン酸、1,2−シクロプ
ロパンジカルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン
酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸等が挙げら
れ、好ましくは酒石酸である。
【0018】本発明のモルデナイト構造を有するゼオラ
イトを合成するためには、上記シリカ源、アルミナ源、
アルカリ源、テンプレート剤もしくは鉱化剤とともにポ
リアルキレングリコールまたはその誘導体を共存させる
ことが重要である。ポリアルキレングリコールとしては
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等
を挙げることができる。ポリアルキレングリコールの誘
導体としてはポリエチレングリコールメチルエーテル、
ポリエチレングリコールブチルエーテル、ポリエチレン
グリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコール
モノラウリルエーテル、ポリエチレングリコールモノオ
レイルエーテル、ポリエチレングリコールモノセチルエ
ーテル、ポリエチレングリコールモノドデシルエーテ
ル、ポリエチレングリコールモノ−4−ノニルフェニル
エーテル、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポ
リエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレン
グリコールジステアレート、ポリエチレングリコールメ
タクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレ
ート等を挙げることができる。ポリアルキレングリコー
ルまたはその誘導体の平均分子量は500〜20,00
0の範囲であり、好ましくは1,000〜10,000
の範囲である。平均分子量が500より低いと外表面積
が30m2/g以下となり、本発明のゼオライトを合成
することが困難となる。一方、20,000より大きい
と水性反応混合物が二層に分離してしまう。
【0019】本発明のモルデナイト構造を有するゼオラ
イトを製造するための水性反応混合物は、(1)シリカ
源、(2)アルミナ源、(3)アルカリ源、(4)テン
プレート剤もしくは鉱化剤として第4級アンモニウム
塩、(5)ポリアルキレングリコールまたはその誘導体
をモル比で表して次の組成範囲となるように調製する。 SiO2/Al23=5〜50 OH/SiO2=0.2〜0.45 R/(R+Na)=0.2〜0.5 H2O/SiO2=10〜50 Q/Al23=0.05〜1.0 (ここで、SiO2はシリカ源中のSiの含量をSiO2
換算したモル数、Al23はアルミナ源中のAlの含量
をAl23換算したモル数、OHはアルカリ源、Rは第
4級アンモニウム塩、Qはポリアルキレングリコールま
たはその誘導体の各モル数を示す) さらに好ましい範囲は、 SiO2/Al23=10〜30 OH/SiO2=0.2〜0.3 R/(R+Na)=0.2〜0.4 H2O/SiO2=20〜40 Q/Al23=0.05〜0.5 である。また、テンプレート剤もしくは鉱化剤としてジ
カルボン酸を使用した場合、水性反応混合物は(1)シ
リカ源、(2)アルミナ源、(3)アルカリ源、(4)
テンプレート剤もしくは鉱化剤としてジカルボン酸、
(5)ポリアルキレングリコールまたはその誘導体をモ
ル比で表して次の組成範囲となるように調製する。
【0020】SiO2/Al23=5〜50 OH/SiO2=0.2〜0.45 A/Al23=0.5〜4.0 H2O/SiO2=10〜50 Q/Al23=0.05〜1.0 (ここで、SiO2はシリカ源中のSiの含量をSiO2
換算したモル数、Al23はアルミナ源中のAlの含量
をAl23換算したモル数、OHはアルカリ源、Aはジ
カルボン酸、Qはポリアルキレングリコールまたはその
誘導体の各モル数を示す) さらに好ましい範囲は、 SiO2/Al23=10〜30 OH/SiO2=0.2〜0.3 A/Al23=1.0〜3.0 H2O/SiO2=10〜30 Q/Al23=0.05〜0.5 である。
【0021】このようにして調製された水性反応混合物
を100〜200℃の範囲で、好ましくは140〜18
0℃の範囲で反応させ結晶化させる。反応温度が100
℃未満の場合、モルデナイト構造以外に他の結晶構造を
有するゼオライトが混入したり、結晶化が不十分でアモ
ルファスであったりする。また、200℃以上ではシリ
カの結晶が混入する恐れがある。結晶化時間は、通常5
時間から30日間、好ましくは10時間から10日間で
ある。なお、最適な結晶化温度および結晶化時間は使用
する水性反応混合物の組成に依存するため、これらは適
宜選択される。
【0022】反応混合物は密閉容器、たとえば鉄製、ス
テンレス製、あるいはテフロンで内張りしたオートクレ
ーブの中に入れて結晶化させるのが好ましい。通常、反
応は温度に依存して自然発生する圧力のもとで行われ
る。反応混合物は、結晶化の間、連続的な撹拌により常
に均一に保たれることが望ましい。なお、特に限定され
ないが、撹拌羽根はパドル型、矢形パドル型、平板型、
傾斜パドル型、プロペラ型、タービン型、曲がり羽根タ
ービン型のものが使用され、撹拌回転数は100〜10
00rpm、好ましくは200〜600rpmである。
回転数が100rpm以下では十分な撹拌が行われず、
不純物が混入する恐れがあり、1000rpm以上では
装置の負担が大きくなる。
【0023】このようにして結晶化した反応生成物を冷
却後、密閉容器から取り出し反応母液と分離する。その
後イオン交換水で十分水洗し、50〜250℃、好まし
くは100〜200℃で0.5〜48時間乾燥すること
により本発明のモルデナイト構造を有するゼオライトを
得ることができる。
【0024】本発明でいうモルデナイト構造を有するゼ
オライトの結晶外表面積は、30m2/g以上であるこ
とが好ましい。ゼオライトの結晶外表面積は、あらかじ
めイオン交換法などによりプロトン型ゼオライトに変換
してから通常の窒素吸着法により求めることができる。
具体的には、該ゼオライトを真空下350℃で1時間前
処理を行った後、液体窒素温度で窒素を導入することに
よってLangmuir型の窒素吸着等温線を測定す
る。この窒素吸着等温線を、近藤精一,石川達雄,安部
郁夫共著、「化学セミナー16 吸着の化学」、p52
(1991)に開示されたt法を用いて解析することに
よって、該ゼオライトの結晶外表面積を求めることがで
きる。本発明のゼオライトは、結晶外表面積が30m2
/g以上、50m2/g以下を有するものである。
【0025】本発明のモルデナイト構造を有するゼオラ
イトのX線回折パターンを表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】本発明のモルデナイト構造を有するゼオラ
イトは、種々の有機化合物変換反応に利用できる。たと
えば、リフォーミング、パラフィンの異性化、芳香族化
合物の異性化、水素化/脱水素、クラッキング、トルエ
ン不均化などを挙げることができる。好ましくは芳香族
化合物の異性化反応に特に有用である。芳香族化合物と
しては、芳香族アルキル化物や芳香族ハロゲン化物をあ
げることができる。芳香族アルキル化物としては、キシ
レン、ジエチルベンゼン、メチルエチルベンゼンなどを
あげることができる。芳香族ハロゲン化物としては、ジ
クロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ジクロロトルエ
ン、トリクロロトルエン、ジクロロエチルベンゼン、ト
リクロロエチルベンゼン、ジブロモベンゼン、ジブロモ
トルエン、ジブロモエチルベンゼン、ブロモクロロベン
ゼン、ブロモクロロトルエンなどをあげることができ
る。
【0028】本発明のモルデナイト構造を有するゼオラ
イトを芳香族化合物の異性化反応に利用する場合、通常
成型し、さらにゼオライト中の陽イオンを水素イオンで
イオン交換して用いられる。反応温度は通常150〜5
00℃程度であるが、特に200〜450℃が好まし
い。反応圧力は特に限定されるものではないが、液相反
応の場合、芳香族化合物を液相状態に保つべく反応圧力
を設定しなければならないのは言うまでもない。重量空
間速度(WHSV)は芳香族化合物基準で0.05〜1
0hr-1、好ましくは0.1〜5hr-1である。
【0029】
【実施例】以下に、本発明を実施例を持って説明する
が、本発明はこれらに限定させるものではない。
【0030】(ゼオライト合成) 実施例1 樹脂製ビーカーにイオン交換水252gとポリエチレン
グリコール(東京化成,分子量6000)11.0gを
入れてよく溶かした。ついで水酸化ナトリウム(片山化
学)2.5gを入れてよく溶かした後、水酸化テトラエ
チルアンモニウム(三洋化成EAH−20;含量=1
9.9wt%,H2O=80.1wt%)を36.1g
加えた。つづいてアルミン酸ソーダ(住友化学工業;N
aOH=26.1wt%,Al23=18.5wt%,
2O=55.4wt%)14.3gを入れてよく撹拌
した後、最後に含水ケイ酸粉末(日本シリカ工業;Si
2=93.3%,H2O=6.7wt%)41.9gを
加えた。このスラリー状の混合物の組成はモル比で表し
て次の通りであった。
【0031】SiO2/Al23=25 OH/SiO2=0.3 R/(R+Na)=0.245 H2O/SiO2=25 Q/Al23=0.075 (ただし、Rはテトラエチルアンモニウム塩、Qはポリ
エチレングリコールを示す。) このスラリーを、内容量500ccのステンレス製オー
トクレーブに入れ、十分な撹拌下、170℃で71時間
反応を行った。生成したゼオライトは蒸留水で十分洗浄
後、120℃で一晩乾燥した。
【0032】得られた白色粉末をX線回折法で測定した
結果、表1に示したモルデナイト型ゼオライトのX線回
折パターンと実質的に同じであり、他の結晶構造を持つ
ゼオライトの混入は認められなかった。
【0033】実施例2 ポリエチレングリコールの代わりにポリエチレングリコ
ールモノステアレート(東京化成,分子量2700)を
使用した以外実施例1と同様にしてゼオライトを合成し
た。ただし、使用したイオン交換水は253g、ポリエ
チレングリコールモノステアレート5.3g、水酸化ナ
トリウム2.6g、水酸化テトラエチルアンモニウム水
溶液36.1g、アルミン酸ソーダ14.4g、含水ケ
イ酸粉末42.4gとした。このスラリー状の混合物の
組成はモル比で表して次の通りであった。
【0034】SiO2/Al23=25 OH/SiO2=0.3 R/(R+Na)=0.245 H2O/SiO2=25 Q/Al23=0.075 (ただし、Rはテトラエチルアンモニウム塩、Qはポリ
エチレングリコールモノステアレートを示す。) 得られた白色粉末をX線回折法で測定した結果、表1に
示したモルデナイト型ゼオライトのX線回折パターンと
実質的に同じであり、他の結晶構造を持つゼオライトの
混入は認められなかった。
【0035】比較例1 樹脂製ビーカーにイオン交換水279gを入れ、ついで
水酸化ナトリウム(片山化学)5.9gを入れてよく溶
かした後、水酸化テトラエチルアンモニウム(三洋化成
EAH−20;含量=19.9wt%,H2O=80.
1wt%)31.2g加えた。つづいてアルミン酸ソー
ダ(住友化学工業;NaOH=26.1wt%,Al2
3=18.5wt%,H2O=55.4wt%)15.
5gを入れてよく撹拌した後、最後に含水ケイ酸粉末
(日本シリカ工業;SiO2=93.3%,H2O=6.
7wt%)45.1gを加えた。このスラリー状の混合
物の組成はモル比で表して次の通りであった。
【0036】SiO2/Al23=25 OH/SiO2=0.4 R/(R+Na)=0.15 H2O/SiO2=25 (ただし、Rはテトラエチルアンモニウム塩を示す。) このスラリーを、内容量500ccのステンレス製オー
トクレーブに入れ、十分な撹拌下、170℃で74時間
反応を行った。生成したゼオライトは蒸留水で十分洗浄
後、120℃で一晩乾燥した。
【0037】得られた白色粉末をX線回折法で測定した
結果、表1に示したモルデナイト型ゼオライトのX線回
折パターンと実質的に同じであり、他の結晶構造を持つ
ゼオライトの混入は認められなかった。
【0038】比較例2 比較例1と同様にして合成した。ただし、使用したイオ
ン交換水は283g、水酸化ナトリウム7.4g、水酸
化テトラエチルアンモニウム水溶液88.7g、アルミ
ン酸ソーダ30.8g、含水ケイ酸粉末90.4gとし
た。このスラリー状の混合物の組成はモル比で表して次
の通りであった。
【0039】SiO2/Al23=25 OH/SiO2=0.35 R/(R+Na)=0.245 H2O/SiO2=15 (ただし、Rはテトラエチルアンモニウム塩を示す。) このスラリーを、内容量500ccのステンレス製オー
トクレーブに入れ、十分な撹拌下、170℃で68時間
反応を行った。生成したゼオライトは蒸留水で十分洗浄
後、120℃で一晩乾燥した。
【0040】得られた白色粉末をX線回折法で測定した
結果、表1に示したモルデナイト型ゼオライトのX線回
折パターンと実質的に同じであり、他の結晶構造を持つ
ゼオライトの混入は認められなかった。
【0041】(結晶外表面積)実施例1〜2、比較例1
〜2のゼオライト5.4gをガラス製ビーカーに入れ、
10wt%塩化アンモニウム水溶液25mlを加えた。
これを80℃のウォーターバスに入れ1時間放置した後
濾過した。この操作を5回繰り返して合成したモルデナ
イト型ゼオライトをアンモニウム型とした。これを50
0℃で2時間焼成することによりプロトン型とした。ゼ
オライトの結晶外表面積は、ゼオライトをこのようにプ
ロトン型に変換した後測定した。装置は、日本ベル製高
精度全自動ガス吸着装置BELSORP36を用いて測
定した。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】 表2から明らかなように、ゼオライト合成時にポリアル
キレングリコールまたはその誘導体を添加することによ
り、結晶外表面積が30m2/g以上のモルデナイト構
造を有するゼオライトが合成できることがわかった。
【0043】(触媒調製) 触媒1〜3 実施例1〜2および比較例1で得られたモルデナイト構
造を有するゼオライトは以下のようにして触媒1〜2お
よび触媒3とした。ゼオライト粉末100重量部にアル
ミナゾル(日産化学200番;Al23=10wt%)
150重量部を加えて成型した後、120℃で1晩乾燥
後、500℃で2時間焼成した。このモルデナイト成型
体を10wt%塩化アンモニウム水溶液を用いて80℃
で5回イオン交換した。このアンモニウムイオン交換し
たゼオライトを120℃で一晩乾燥した後、1N−NH
4F水溶液を用いて固液比3.0リットル/kg、室温
で3時間処理した。液切りした後、過酸化レニウム水溶
液(稀産金属;Re27=40wt%含有)1.88重
量部を採取し、固液比2リットル/kg、室温で3時間
処理した。液切りした後、120℃で一晩乾燥し、つい
で540℃で3時間焼成した。
【0044】(触媒性能評価) 実施例3〜4 触媒1〜2を用いて固定床流通反応装置を使用し、ジク
ロロトルエン(DCT)混合物の異性化反応を行った。
反応条件および反応結果を表3に示す。
【0045】比較例3 触媒3を用いて固定床流通反応装置を使用し、ジクロロ
トルエン(DCT)混合物の異性化反応を行った。反応
条件および反応結果を表3に示す。
【0046】
【表3】 表3から明らかなように、2,5−DCT、2,4−D
CTの含量の多い原料を、本発明のゼオライトと接触さ
せることにより、2,5−DCT、2,4−DCTが
3,5−DCT、2,6−DCT、3,4−DCT、
2,3−DCTへ効率よく異性化することがわかった。
【0047】
【発明の効果】本発明により、ゼオライトを合成する際
の水性反応混合物にポリアルキレングリコールまたはそ
の誘導体を添加することにより結晶化されたモルデナイ
ト構造を有するゼオライトは、種々の有機化合物変換反
応用触媒、例えば芳香族ハロゲン化物の異性化反応用触
媒として有効に利用できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)シリカ源、(2)アルミナ源、
    (3)アルカリ源、(4)第4級アンモニウム塩および
    /またはジカルボン酸からなる水性反応混合物に(5)
    ポリアルキレングリコールまたはその誘導体を添加する
    ことを特徴とするモルデナイト構造を有するゼオライト
    の製造方法。
  2. 【請求項2】ポリアルキレングリコールまたはその誘導
    体の添加量がモル比で表わして Q/Al23=0.05〜1.0 (ここで、Al23はアルミナ源中に含有されるAlの
    含有量をAl23換算したモル数、Qはポリアルキレン
    グリコールまたはその誘導体のモル数を示す)であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】ポリアルキレングリコールまたはその誘導
    体がポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
    ルまたはそれらの誘導体のうちから選ばれた請求項1ま
    たは2のいずれか一項記載の製造方法。
  4. 【請求項4】ポリアルキレングリコールまたはその誘導
    体の平均分子量が500〜20,000の範囲である請
    求項1〜3のいずれか一項記載の製造方法。
  5. 【請求項5】上記水性反応混合物を100℃〜200℃
    の温度で結晶化させることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか一項記載の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項記載の方法で
    結晶化されたモルデナイト構造を有するゼオライトで、
    結晶外表面積が30m2/g以上であることを特徴とす
    るゼオライト。
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