JPH09206322A - 人工膝関節 - Google Patents
人工膝関節Info
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- JPH09206322A JPH09206322A JP1795196A JP1795196A JPH09206322A JP H09206322 A JPH09206322 A JP H09206322A JP 1795196 A JP1795196 A JP 1795196A JP 1795196 A JP1795196 A JP 1795196A JP H09206322 A JPH09206322 A JP H09206322A
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- artificial knee
- femoral component
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高屈曲が可能であり、膝の安定性を達成しか
つポリエチレンの摩耗の問題を起こさない人工膝関節を
提供する。 【解決手段】 摺動面がそれぞれ緩やかな曲面をなす、
前側起立部分１ａ、下部１ｂ及び後側起立部分１ｃから
なり、かつ大腿骨遠位に固定される大腿骨コンポーネン
ト１であって、下面中央部に膝蓋骨との摺動面となる凹
部１ｅを有する大腿骨コンポーネントと、脛骨４近位に
固定され、上面が凹面となる脛骨コンポーネントとを含
んでなり高屈曲可能な人工膝関節に関する。上面は凹
面、下面は凸面を呈しかつポリエチレンからなるベアリ
ングインサート６を、大腿骨コンポーネント１及び脛骨
コンポーネント５の間に、これらコンポーネント１、５
に対して摺動可能に設ける。
つポリエチレンの摩耗の問題を起こさない人工膝関節を
提供する。 【解決手段】 摺動面がそれぞれ緩やかな曲面をなす、
前側起立部分１ａ、下部１ｂ及び後側起立部分１ｃから
なり、かつ大腿骨遠位に固定される大腿骨コンポーネン
ト１であって、下面中央部に膝蓋骨との摺動面となる凹
部１ｅを有する大腿骨コンポーネントと、脛骨４近位に
固定され、上面が凹面となる脛骨コンポーネントとを含
んでなり高屈曲可能な人工膝関節に関する。上面は凹
面、下面は凸面を呈しかつポリエチレンからなるベアリ
ングインサート６を、大腿骨コンポーネント１及び脛骨
コンポーネント５の間に、これらコンポーネント１、５
に対して摺動可能に設ける。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は人工膝関節に関する
ものであり、さらに詳しく述べるならば、高屈曲が可能
であり、かつ膝の安定性と耐久性を備えた人工膝関節に
関するものである。
ものであり、さらに詳しく述べるならば、高屈曲が可能
であり、かつ膝の安定性と耐久性を備えた人工膝関節に
関するものである。
【０００２】人工膝関節置換術は破壊的な膝関節障害に
対する最も有効な治療法の一つである。従来、高屈曲を
可能にした人工膝関節としては特公平５−７２８２３号
公報記載のものがあり、その完全屈曲状態では図２の概
略図に示すように、インプラント金属からなる大腿骨コ
ンポーネント１、ポリエチレンなどのプラスチックから
なる脛骨コンポーネント５及び膝蓋骨コンポーネント１
０からなり、大腿骨コンポーネントの前側起立部分１
ａ、下部１ｂ及び後側起立部分１ｃの摺動面はそれぞれ
緩やかな曲面輪郭を呈している。２は大腿骨コンポーネ
ント１を大腿骨に固定する固定ペグである。一方、脛骨
コンポーネント５は大腿骨コンポーネント１を摺動せし
める凹面５ａを有し、ステムにより脛骨（図示せず）に
固定される。
対する最も有効な治療法の一つである。従来、高屈曲を
可能にした人工膝関節としては特公平５−７２８２３号
公報記載のものがあり、その完全屈曲状態では図２の概
略図に示すように、インプラント金属からなる大腿骨コ
ンポーネント１、ポリエチレンなどのプラスチックから
なる脛骨コンポーネント５及び膝蓋骨コンポーネント１
０からなり、大腿骨コンポーネントの前側起立部分１
ａ、下部１ｂ及び後側起立部分１ｃの摺動面はそれぞれ
緩やかな曲面輪郭を呈している。２は大腿骨コンポーネ
ント１を大腿骨に固定する固定ペグである。一方、脛骨
コンポーネント５は大腿骨コンポーネント１を摺動せし
める凹面５ａを有し、ステムにより脛骨（図示せず）に
固定される。
【０００３】前掲公告公報による人工膝関節は、大腿骨
コンポーネント１が下面中央部に膝蓋骨との摺動面とな
る凹面１ｄを有し、この形状を特定することにより、屈
曲における補綴関節の運動の最大幅を増大させている。
そして、四頭筋の緊張が、補綴関節の屈曲の全域を通じ
て天然関節における緊張とほぼ等しいようにプロテーゼ
部品の形態及び寸法を定めることが説明されている。
コンポーネント１が下面中央部に膝蓋骨との摺動面とな
る凹面１ｄを有し、この形状を特定することにより、屈
曲における補綴関節の運動の最大幅を増大させている。
そして、四頭筋の緊張が、補綴関節の屈曲の全域を通じ
て天然関節における緊張とほぼ等しいようにプロテーゼ
部品の形態及び寸法を定めることが説明されている。
【０００４】また、高屈曲を目標としたものではない
が、特公平３−１９５５５０号公報からも図２とほぼ同
様の形状をもつ膝関節部品が公知である。
が、特公平３−１９５５５０号公報からも図２とほぼ同
様の形状をもつ膝関節部品が公知である。
【０００５】膝は単なる蝶番運動だけではなく、軸回転
及び前後方向の転がり運動を行う。特に膝を屈曲する際
に、大腿骨と脛骨の接面及び回転軸が後方に移動するロ
ールバック運動が膝の高度屈曲には不可欠である。
及び前後方向の転がり運動を行う。特に膝を屈曲する際
に、大腿骨と脛骨の接面及び回転軸が後方に移動するロ
ールバック運動が膝の高度屈曲には不可欠である。
【０００６】東洋人の生活様式では膝関節に正座などの
ように大きな屈曲が要求されることを考慮して、アルミ
ナ製大腿骨コンポーネントと、上面にポリエチレンを固
定したチタン合金製脛骨コンポーネントとにより人工膝
関節を構成するとともに、これらコンポーネント間の摺
動面を高屈曲可能に設計することも行われている。しか
しながら、この方式では高屈曲時にポリエチレンに加わ
る応力が高まることによって、その摩耗が促進される懸
念がある。
ように大きな屈曲が要求されることを考慮して、アルミ
ナ製大腿骨コンポーネントと、上面にポリエチレンを固
定したチタン合金製脛骨コンポーネントとにより人工膝
関節を構成するとともに、これらコンポーネント間の摺
動面を高屈曲可能に設計することも行われている。しか
しながら、この方式では高屈曲時にポリエチレンに加わ
る応力が高まることによって、その摩耗が促進される懸
念がある。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】したがって、従来は、
高屈曲が可能であることに加えて、膝の安定性を達成
し、またポリエチレンの摩耗の問題を解決し耐久性を備
えた人工膝関節は考案されていなかった。本発明者は、
人工膝関節の信頼性及び機能を改善するためには、膝屈
曲角度が増大した際、摺動部に用いられるポリエチレン
などの摩耗の低減が必要であることに着目して、以下の
発明を為した。
高屈曲が可能であることに加えて、膝の安定性を達成
し、またポリエチレンの摩耗の問題を解決し耐久性を備
えた人工膝関節は考案されていなかった。本発明者は、
人工膝関節の信頼性及び機能を改善するためには、膝屈
曲角度が増大した際、摺動部に用いられるポリエチレン
などの摩耗の低減が必要であることに着目して、以下の
発明を為した。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は、摺動面がそれ
ぞれ緩やかな曲面をなす、前側起立部分、下部及び後側
起立部分からなり、かつ大腿骨遠位に固定される大腿骨
コンポーネントであって、下面中央部に膝蓋骨との摺動
面となる凹面を有する大腿骨コンポーネントと、脛骨近
位に固定され、上面が凹面となる脛骨コンポーネントと
を含んでなる人工膝関節において、上面は凹面、下面は
凸面を呈しかつポリエチレンからなるベアリングインサ
ートを、インサート金属からなる、大腿骨コンポーネン
ト及び脛骨コンポーネントの間にこれらコンポーネント
に対して摺動可能に設けて高屈曲を可能にした人工膝関
節に関する。以下、本発明を詳しく説明する。
ぞれ緩やかな曲面をなす、前側起立部分、下部及び後側
起立部分からなり、かつ大腿骨遠位に固定される大腿骨
コンポーネントであって、下面中央部に膝蓋骨との摺動
面となる凹面を有する大腿骨コンポーネントと、脛骨近
位に固定され、上面が凹面となる脛骨コンポーネントと
を含んでなる人工膝関節において、上面は凹面、下面は
凸面を呈しかつポリエチレンからなるベアリングインサ
ートを、インサート金属からなる、大腿骨コンポーネン
ト及び脛骨コンポーネントの間にこれらコンポーネント
に対して摺動可能に設けて高屈曲を可能にした人工膝関
節に関する。以下、本発明を詳しく説明する。
【０００９】高屈曲を伴う人工膝関節にあってはロール
バック運動のために、大腿骨コンポーネントとポリエチ
レンなどを使用する脛骨コンポーネントの摺動は、従来
の構造では前者の凸面と後者の平面との接触になり狭い
接触面積で行われるために、ポリエチレンの摩耗と疲労
を来し易い。このために本発明においてはポリエチレン
からなるベアリングインサートを大腿骨コンポーネント
と脛骨コンポーネントの間に両者に対して摺動可能に介
在させることとした。したがって、１５０〜１７０°程
度の膝の高屈曲状態において、ベアリングインサートに
加えられる応力が高くなりかつ大腿骨コンポーネントと
ベアリングインサートとの接触位置及び回転軸が後方に
移動すると、ベアリングインサートは後方に摺動し、こ
れに伴ってベアリングインサートに加えられる応力が低
下する。次に、最大屈曲角度（約１７０°）から屈曲角
度が減少すると上記とは逆方向の現象が起こってベアリ
ングインサートは前方に移動して元の位置に復帰する。
バック運動のために、大腿骨コンポーネントとポリエチ
レンなどを使用する脛骨コンポーネントの摺動は、従来
の構造では前者の凸面と後者の平面との接触になり狭い
接触面積で行われるために、ポリエチレンの摩耗と疲労
を来し易い。このために本発明においてはポリエチレン
からなるベアリングインサートを大腿骨コンポーネント
と脛骨コンポーネントの間に両者に対して摺動可能に介
在させることとした。したがって、１５０〜１７０°程
度の膝の高屈曲状態において、ベアリングインサートに
加えられる応力が高くなりかつ大腿骨コンポーネントと
ベアリングインサートとの接触位置及び回転軸が後方に
移動すると、ベアリングインサートは後方に摺動し、こ
れに伴ってベアリングインサートに加えられる応力が低
下する。次に、最大屈曲角度（約１７０°）から屈曲角
度が減少すると上記とは逆方向の現象が起こってベアリ
ングインサートは前方に移動して元の位置に復帰する。
【００１０】上述のようにベアリングインサートが大腿
骨コンポーネントと脛骨コンポーネントの間で摺動する
際の運動をスムースにするためには、次の構成〜を
採用することが好ましい。すなわち、脛骨コンポーネ
ントの上面全体が２０〜１０００ｍｍの曲率半径をもつ
凹面であって、その後方への傾斜角度は、脛骨の中心軸
線に垂直な面に対して脛骨コンポーネントの上端を前後
方向に結ぶ線が後方に１°〜２５°傾斜した角度である
こと。大腿骨コンポーネントの後側起立部分が大きな
ふくらみをもつこと。大腿骨の下面中央部に膝蓋骨と
の摺動面となる深い凹みが形成されていること。
骨コンポーネントと脛骨コンポーネントの間で摺動する
際の運動をスムースにするためには、次の構成〜を
採用することが好ましい。すなわち、脛骨コンポーネ
ントの上面全体が２０〜１０００ｍｍの曲率半径をもつ
凹面であって、その後方への傾斜角度は、脛骨の中心軸
線に垂直な面に対して脛骨コンポーネントの上端を前後
方向に結ぶ線が後方に１°〜２５°傾斜した角度である
こと。大腿骨コンポーネントの後側起立部分が大きな
ふくらみをもつこと。大腿骨の下面中央部に膝蓋骨と
の摺動面となる深い凹みが形成されていること。
【００１１】以下、本発明の人工膝関節の実施例を図１
を参照して説明する。図１において、３は大腿骨、４は
脛骨、６はベアリングインサートである。ベアリングイ
ンサート６はポリエチレンからなり、それぞれインプラ
ント金属からなる大腿骨コンポーネント１及び脛骨コン
ポーネント６の間に摺動可能に挟み付けられている。図
１に示す立位では、大腿骨コンポーネント１がベアリン
グインサート６を脛骨コンポーネント５の傾斜面上にて
やや後方に押している。一方、膝の屈曲を模式的に示す
図３〜５において膝が９０〜１３０°（図４，５）の範
囲で屈曲されるに伴い、大腿骨コンポーネント１からの
摩擦力によりベアリングインサート６は僅かに前方に脛
骨コンポーネント５の上面を摺動して膝の側副靭帯１３
の緊張を和らげる位置に到達する。
を参照して説明する。図１において、３は大腿骨、４は
脛骨、６はベアリングインサートである。ベアリングイ
ンサート６はポリエチレンからなり、それぞれインプラ
ント金属からなる大腿骨コンポーネント１及び脛骨コン
ポーネント６の間に摺動可能に挟み付けられている。図
１に示す立位では、大腿骨コンポーネント１がベアリン
グインサート６を脛骨コンポーネント５の傾斜面上にて
やや後方に押している。一方、膝の屈曲を模式的に示す
図３〜５において膝が９０〜１３０°（図４，５）の範
囲で屈曲されるに伴い、大腿骨コンポーネント１からの
摩擦力によりベアリングインサート６は僅かに前方に脛
骨コンポーネント５の上面を摺動して膝の側副靭帯１３
の緊張を和らげる位置に到達する。
【００１２】ベアリングインサート６の上面は曲率半径
が２０ｍｍから１０００ｍｍの１つの円弧または複数の
円弧を滑らかに接続した凹面を呈している。このために
体重による軸荷重がベアリングインサート６に加えられ
ると、膝は安定な位置に移動し、周囲組織の脆弱な場合
でも安定した歩行が可能になる。ここで曲率半径が２０
ｍｍ未満でも、１０００ｍｍを越えても大腿骨コンポー
ネント３とベアリングインサート６との接触面積が小さ
くなり好ましくない。なお、好ましい曲率半径は２０〜
１００ｍｍである。
が２０ｍｍから１０００ｍｍの１つの円弧または複数の
円弧を滑らかに接続した凹面を呈している。このために
体重による軸荷重がベアリングインサート６に加えられ
ると、膝は安定な位置に移動し、周囲組織の脆弱な場合
でも安定した歩行が可能になる。ここで曲率半径が２０
ｍｍ未満でも、１０００ｍｍを越えても大腿骨コンポー
ネント３とベアリングインサート６との接触面積が小さ
くなり好ましくない。なお、好ましい曲率半径は２０〜
１００ｍｍである。
【００１３】さらにベアリングインサートの傾斜配置は
以下のように定められている。図７において、ａ−ａ線
は脛骨４のほぼ中心軸に添って伸びる脛骨の中心軸線で
ある。ｃ−ｃはこの脛骨中心軸と垂直に交わる面であ
る。ｂ−ｂ線は脛骨コンポーネント５の上端を前後に結
ぶ線である。本発明においてはｂ−ｂ線がｃ−ｃ面に対
してなす角度（α）を下向きに１〜２０°になるように
し、これによってベアリングインサートの摺動をスムー
スにすることができる。
以下のように定められている。図７において、ａ−ａ線
は脛骨４のほぼ中心軸に添って伸びる脛骨の中心軸線で
ある。ｃ−ｃはこの脛骨中心軸と垂直に交わる面であ
る。ｂ−ｂ線は脛骨コンポーネント５の上端を前後に結
ぶ線である。本発明においてはｂ−ｂ線がｃ−ｃ面に対
してなす角度（α）を下向きに１〜２０°になるように
し、これによってベアリングインサートの摺動をスムー
スにすることができる。
【００１４】さらに、屈曲角度が１３０°から１７０°
に増大すると、図５及び６に示すようにロールバック運
動が起こるために、大腿骨コンポーネント１とベアリン
グインサート６との接触位置は後者の後方面に移動す
る。この際、各コンポーネント１及び５の間に摺動可能
にはさみつけられているベアリングインサート６は、ロ
ールバック運動に伴って脛骨コンポーネント５上を後方
に移動する。この移動に伴ないベアリングインサート６
は両コンポーネント１，５で摩擦せしめられるが、これ
による摩耗は固定式インサートの表面で応力が局部的に
高くなる場合の摩耗よりも著しく軽度であり、ほとんど
無視できる程度である。
に増大すると、図５及び６に示すようにロールバック運
動が起こるために、大腿骨コンポーネント１とベアリン
グインサート６との接触位置は後者の後方面に移動す
る。この際、各コンポーネント１及び５の間に摺動可能
にはさみつけられているベアリングインサート６は、ロ
ールバック運動に伴って脛骨コンポーネント５上を後方
に移動する。この移動に伴ないベアリングインサート６
は両コンポーネント１，５で摩擦せしめられるが、これ
による摩耗は固定式インサートの表面で応力が局部的に
高くなる場合の摩耗よりも著しく軽度であり、ほとんど
無視できる程度である。
【００１５】加えて、本発明においては、大腿骨コンポ
ーネントの後側起立部分１ｃにふくらみをもたせること
により、１７０°以上の高屈曲位においても大腿骨コン
ポーネント１とベアリングインサート６との間のスムー
スな摺動面を維持することができる。このためには、図
７に示す大腿骨コンポーネント１において後部起立部分
１ｃ（図８参照）の最大厚さ（ｔ）を１５ｍｍ以上、好
ましくは２０ｍｍ以上とする。
ーネントの後側起立部分１ｃにふくらみをもたせること
により、１７０°以上の高屈曲位においても大腿骨コン
ポーネント１とベアリングインサート６との間のスムー
スな摺動面を維持することができる。このためには、図
７に示す大腿骨コンポーネント１において後部起立部分
１ｃ（図８参照）の最大厚さ（ｔ）を１５ｍｍ以上、好
ましくは２０ｍｍ以上とする。
【００１６】図９に示される高屈曲時に膝蓋骨１０と大
腿骨コンポーネントとの間の圧力を低減するためには大
腿骨コンポーネント１は下部１ｂの中央部にｄ＝１５ｍ
ｍ以上の深い膝骨滑り面１ｅ（図１０）を有することが
好ましい。図１０（ａ）及び（ｂ）大腿骨コンポーネン
トはそれぞれ側面図及び（ｂ）−（ｂ）線の断面図であ
って、その下部に形成される凹部を示す。
腿骨コンポーネントとの間の圧力を低減するためには大
腿骨コンポーネント１は下部１ｂの中央部にｄ＝１５ｍ
ｍ以上の深い膝骨滑り面１ｅ（図１０）を有することが
好ましい。図１０（ａ）及び（ｂ）大腿骨コンポーネン
トはそれぞれ側面図及び（ｂ）−（ｂ）線の断面図であ
って、その下部に形成される凹部を示す。
【００１７】本発明に係る人工膝関節のより好ましい実
施態様を図１１（正面図）及び図１２（大腿骨コンポー
ネントの底面図）を参照として説明する。
施態様を図１１（正面図）及び図１２（大腿骨コンポー
ネントの底面図）を参照として説明する。
【００１８】まず図１１に示されるように大腿骨コンポ
ーネント１の下部から後側起立部の概括的形態は逆Ｕ字
形となっており、この逆Ｕ字の基底部は主として膝蓋骨
１０との摺動面を形成し、一方上部から枝分かれしたＵ
字の先端部分はベアリングインサート６ａ，６ｂとの摺
動面を形成する。大腿骨コンポーネント１は両分岐部を
それぞれのベアリングインサート６ａ、６ｂにより摺動
可能に支持されている。
ーネント１の下部から後側起立部の概括的形態は逆Ｕ字
形となっており、この逆Ｕ字の基底部は主として膝蓋骨
１０との摺動面を形成し、一方上部から枝分かれしたＵ
字の先端部分はベアリングインサート６ａ，６ｂとの摺
動面を形成する。大腿骨コンポーネント１は両分岐部を
それぞれのベアリングインサート６ａ、６ｂにより摺動
可能に支持されている。
【００１９】さらに、図１２に示すように、それぞれの
ベアリングインサート６ａ，６ｂは後方（ｐ）位置ほど
相互の間隔が拡大されているために、膝の屈曲とともに
ベアリングインサート６ａ，６ｂが側方に広がり、屈曲
位でのベアリングインサート６ａ、６ｂの脱転を防ぐこ
とができる。
ベアリングインサート６ａ，６ｂは後方（ｐ）位置ほど
相互の間隔が拡大されているために、膝の屈曲とともに
ベアリングインサート６ａ，６ｂが側方に広がり、屈曲
位でのベアリングインサート６ａ、６ｂの脱転を防ぐこ
とができる。
【００２０】図１３及び１４は本発明に係る人工膝関節
の別の好ましい実施態様を示す。矢印方向に摺動するベ
アリングインサート６ａ，６ｂは脛骨コンポーネント５
上を膝の屈曲に伴って主として前後（Ａ−Ｐ）に、また
若干横方向（Ｍ−Ｌ）に移動するために、ベアリングイ
ンサート６ａ，６ｂは脛骨コンポーネント５より若干例
えば１ｍｍ〜２０ｍｍ程度短く設計されている。
の別の好ましい実施態様を示す。矢印方向に摺動するベ
アリングインサート６ａ，６ｂは脛骨コンポーネント５
上を膝の屈曲に伴って主として前後（Ａ−Ｐ）に、また
若干横方向（Ｍ−Ｌ）に移動するために、ベアリングイ
ンサート６ａ，６ｂは脛骨コンポーネント５より若干例
えば１ｍｍ〜２０ｍｍ程度短く設計されている。
【００２１】ベアリングインサート６ａ，６ｂの外側側
面に長さ方向（紙面に直交する方向）溝１４ａ，１４ｂ
を形成するとともに、脛骨コンポーネント５の両側面か
ら上方に延在させた延長部１５ａ，１５ｂに溝１４ａ，
１４ｂ内に係合し得る突出部１６ａ，１６ｂを形成して
いる。すると、屈曲角度が高くなりインサート６ａ，６
ｂが側方Ｌ，Ｍに押し進められると突出部１６ａ，１６
ｂが溝１４ａ，１４ｂ内に入るので、ベアリングインサ
ートが脛骨コンポーネント５の枠に押しつけれらて、屈
曲位でのベアリングインサートの脱転を防ぐことができ
る。なお、５ａは延長部１５とベアリングインサート６
ａ、６ｂの間の間隔である。
面に長さ方向（紙面に直交する方向）溝１４ａ，１４ｂ
を形成するとともに、脛骨コンポーネント５の両側面か
ら上方に延在させた延長部１５ａ，１５ｂに溝１４ａ，
１４ｂ内に係合し得る突出部１６ａ，１６ｂを形成して
いる。すると、屈曲角度が高くなりインサート６ａ，６
ｂが側方Ｌ，Ｍに押し進められると突出部１６ａ，１６
ｂが溝１４ａ，１４ｂ内に入るので、ベアリングインサ
ートが脛骨コンポーネント５の枠に押しつけれらて、屈
曲位でのベアリングインサートの脱転を防ぐことができ
る。なお、５ａは延長部１５とベアリングインサート６
ａ、６ｂの間の間隔である。
【００２２】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は従来の人
工膝関節よりも高屈曲を可能にし、特に高屈曲の際のポ
リエチレンの摩耗を少なくして耐久性を高め、かつ膝の
安定性を高めることができる。
工膝関節よりも高屈曲を可能にし、特に高屈曲の際のポ
リエチレンの摩耗を少なくして耐久性を高め、かつ膝の
安定性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の人工膝関節の一例を示す側面図であ
る。
る。
【図２】従来の人工膝関節の一例を示す図面である。
【図３】本発明の人工膝関節の３０°屈曲位を示す図で
ある。
ある。
【図４】９０°屈曲位を示す図３と同様の図である。
【図５】１３０°屈曲位を示す図４と同様の図である。
【図６】１７０°屈曲位を示す６と同様の図である。
【図７】脛骨コンポーネントの形態を説明する図であ
る。
る。
【図８】本発明の人工膝関節の別の例を示す側面図であ
る。
る。
【図９】１７０°屈曲位における膝蓋骨コンポーネント
の摺動を説明する図である。
の摺動を説明する図である。
【図１０】大腿骨コンポーネントの側面図（ａ）及び
（ｂ）−（ｂ）線での断面図である。
（ｂ）−（ｂ）線での断面図である。
【図１１】本発明の人工膝関節のより好ましい実施態様
を示す正面図である。
を示す正面図である。
【図１２】図１１の側面図である。
【図１３】本発明の人工膝関節の別のより好ましい実施
態様を示し、ベアリングインサートの上方から見た平面
図である。
態様を示し、ベアリングインサートの上方から見た平面
図である。
【図１４】図１３の正面図である。
１ 大腿骨コンポーネント ２ 固定ペグ ３ 大腿骨 ４ 脛骨 ５ 脛骨コンポーネント ６ ベアリングインサート １０ 膝蓋骨
Claims (7)
- 【請求項１】 摺動面がそれぞれ緩やかな曲面をなす、
前側起立部分、下部及び後側起立部分からなり、かつ大
腿骨遠位に固定される大腿骨コンポーネントであって、
下面中央部に膝蓋骨との摺動面となる凹部を有する大腿
骨コンポーネントと、脛骨近位に固定され、上面が凹面
となる脛骨コンポーネントとを含んでなる人工膝関節に
おいて、 上面は凹面、下面は凸面を呈しかつポリエチレンからな
るベアリングインサートを、インサート金属からなる、
前記大腿骨コンポーネント及び前記脛骨コンポーネント
の間に、これらコンポーネントに対して摺動可能に設け
て高屈曲を可能にしたことを特徴とする人工膝関節。 - 【請求項２】 前記ベアリングインサートの上面は全体
が２０ｍｍから１０００ｍｍの曲率半径をもつ凹面であ
り、かつ、その後方の傾斜角度は、脛骨の中心軸線に垂
直な面に対して脛骨コンポーネントの上端を前後方向に
結ぶ線が後方に１°から２５°の角度に相当することを
特徴とする請求項１記載の人工膝関節。 - 【請求項３】 前記大腿骨コンポーネントの前記凹部の
深さが１５ｍｍ以上であることを特徴とする請求項１又
は２記載の人工膝関節。 - 【請求項４】 前記大腿骨コンポーネントの前記後側起
立部分の最大厚さを１５ｍｍ以上としたことを特徴とす
る請求項１から３までの何れか１項記載の人工膝関節。 - 【請求項５】 前記大腿骨コンポーネントが膝蓋骨と摺
動する凹面を跨ぐように分岐させるとともに前記両分岐
部をそれぞれの別のベアリングインサートで支持した請
求項１から４までの何れか１項記載の人工膝関節。 - 【請求項６】 前記それぞれのベアリングインサートは
後方位置ほど相互の間隔が拡大されていることを特徴と
する請求項５記載の人工膝関節。 - 【請求項７】 前記ベアリングインサートの外側側面に
長さ方向の溝を形成するとともに、前記脛骨コンポーネ
ントの両側面から上方に延在させた延長部に前記溝内に
係合し得る突出部を横方向に張出して形成したことを特
徴とする請求項６記載の人工膝関節。
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