JPH09205542A - ディジタル複写機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジェネレーションコピーにおけるレジスト位
置ずれや原稿スキューに起因する画質劣化を抑制し得る
ディジタル複写機を提供する。 【解決手段】 転写時において、それに使用する複写機
の機番やユーザ等を表す特定パターンの画像（ドットパ
ターンＡ，Ｂ，Ｃ，…からなる画像）を原稿画像に付加
する。これは、本来、不正なコピー行為が行われた場合
に、その行為者を追跡し易くするために用いられるもの
であるが、本発明ではこの特定パターンを利用して転写
紙上への画像形成時のレジスト位置ずれを補正する。ま
ず、原稿画像中に特定パターンが含まれているか否かを
判定し、含まれている場合には、その原稿はジェネレー
ションコピー原稿（少なくとも一回の複写により作成さ
れた原稿）であると判定する。次に、基準位置２０に最
も近いドットＡ１のＸ方向における本来位置からのずれ
量を求め、このずれ量に応じてＸ方向における書き出し
開始位置を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、読み取った原稿画
像をディジタル的に画像処理してその複製画像を作成す
るディジタル複写機に係り、特に元の原稿画像に特定の
画像パターンを付加する機能を有するディジタル複写機
に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、フルカラーコピー等の複写機の分
野においては、紙幣や有価証券等を不法に複写（偽造）
して使用するという犯罪が問題となっている。特に、高
解像度および多値階調を誇るディジタルカラー複写機に
おいては、画質の向上につれてそのような犯罪が多発す
ることが懸念される。このような問題に対処するため、
従来より、様々な不正複写対策機能を備えた複写機が提
案されている。その１つとして、例えば、紙幣の画像パ
ターンを予め複写機内の画像メモリ内に記憶しておき、
原稿から読み取った画像が画像メモリ内の紙幣画像パタ
ーンと一致したときは複写を禁止するという紙幣認識機
能を備えたものがある。また、例えば特開平４−２９４
６８２には、複写時において転写紙上に人間の目には識
別しにくい特定パターン（イエローを使用する場合が多
い）をもって複写機の機番やユーザー特定情報等の識別
情報を付加しておき、コピー後の転写紙からそれらの情
報を読み取ることでコピー追跡を可能とした装置が開示
されている。

【０００３】このようなコピー追跡を可能とする複写機
は、上記公報のほか、例えば特開平５−２４４３８９、
特開平５−２４４３９０等の公報に開示されている。こ
のうち、特開平５−２４４３８９号公報には、特定パタ
ーンを付加すべき場所に隣接する画素のデータを検出し
て、更に目立たないように相補的にパターンを付加する
ようにした装置が開示され、また、特開平５−２４４３
９０号公報には、特定パターンを付加すべき場所の画素
データを検出して、画質を劣化させず、かつ識別可能な
ように特定パターンの色を変えるようにした装置が開示
されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、複
写機によって原稿の複写を行う場合には、いわゆるジェ
ネレーションコピーにおける画質劣化という問題があ
る。このジェネレーションコピーとは、基礎となる原稿
から複製されたコピーを原稿としてさらに複写を行うこ
とをいい、いわば孫コピーや曾孫コピー等々を作成する
ことである。このようなジェネレーションコピーを行う
と、一般に、その回数を重ねるごとに画質が劣化してく
る。例えば、色再現性、解像度、階調性等の劣化はもち
ろんのこと、倍率誤差やいわゆるレジスト位置ずれ等に
起因して元の原稿画像とのずれが大きくなる。ここで、
レジスト位置ずれとは、例えばレーザビーム等によって
感光体ドラム上を走査して原稿画像に対応した静電潜像
を形成する方式の複写機の場合、感光体ドラム上で主走
査方向または副走査方向の画像書き出し位置（ビーム走
査開始位置）がずれる現象である。このうち、主走査方
向の画像書き出し位置ずれはさらに、いわゆるスキュー
現象（転写形成された画像が原稿画像に対して歪む現
象）の原因ともなっている。これらの画質劣化の諸要因
のうち、色再現性、解像度、階調性等については、それ
ぞれの装置性能の向上を図ることにより鋭意改善がなさ
れているが、レジスト位置ずれについては効果的な改善
策が講じられていないのが現状であり、レジスト位置ず
れやスキュー現象に起因するジェネレーションコピーの
画質劣化抑制が急務である。

【０００５】また、上記の従来装置は、コピー追跡用の
特定パターンを転写紙上に形成するものであるが、それ
らの特定パターンはあくまで使用複写機やユーザー等を
特定するための情報としてのみ使用されるようになって
おり、本願で課題としているレジスト位置ずれに対処し
得るものではない。したがって、上記各公報に記載の装
置によってはレジスト位置ずれの問題は解決し得ないの
みならず、その問題解決のための指針を与えるものでも
なかった。

【０００６】そこで、本発明の目的は、ジェネレーショ
ンコピーにおけるレジスト位置ずれや原稿スキューに起
因する画質劣化を抑制することができるディジタル複写
機を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１記載のディジタ
ル複写機は、原稿画像の複写処理に際して、その複写処
理に係わる情報を表す特定パターンの画像を前記原稿画
像の所定位置に付加する機能を備えた複写機であって、
原稿画像の複写処理に際して、当該原稿画像中に前記特
定パターンの画像が含まれているか否かを判定する判定
手段と、この判定手段によって前記特定パターンの画像
が当該原稿画像中に含まれると判定されたとき、その認
識された特定パターンの位置と本来の位置とのずれ量を
検出する検出手段と、この検出手段によって検出された
ずれ量を相殺するために画像形成位置をシフトさせるシ
フト手段とを備えて前記目的を達成する。

【０００８】このディジタル複写機では、原稿画像が特
定パターンの画像を含むいわゆるジェネレーションコピ
ー原稿であったときには、その認識された特定パターン
の位置と本来の位置とのずれ量が検出され、そのずれ量
を相殺するために画像形成位置がシフトされる。これに
より、いわゆるレジスト位置ずれが修正される。

【０００９】請求項２記載のディジタル複写機は、請求
項１記載のディジタル複写機において、前記検出手段が
主走査方向および副走査方向の２方向における位置ずれ
量を検出し、前記シフト手段が主走査方向および副走査
方向の２方向における各ずれ量を相殺するために画像形
成位置をシフトさせる修正を行うように構成したもので
ある。このディジタル複写機では、主走査方向および副
走査方向の２方向における位置ずれ量が検出され、これ
らの２方向における各ずれ量を相殺するために画像形成
位置がシフトされてレジスト位置ずれが修正される。

【００１０】請求項３記載のディジタル複写機は、請求
項１記載のディジタル複写機において、前記特定パター
ンの画像が副走査方向に並んだ複数のドットを含み、前
記前記検出手段が前記複数のドットの各々について主走
査方向の位置ずれ量を検出し、前記シフト手段が前記主
走査方向における各位置ずれ量を基にすべての主走査ラ
インについて画像形成位置の修正を行うように構成した
ものである。このディジタル複写機では、副走査方向に
並んだ複数のドットの各々について位置ずれ量が検出さ
れ、このずれ量を基にすべての主走査ラインについて画
像形成位置の修正が行われる。

【００１１】

【実施の形態】以下、本発明のディジタル複写機の好適
な実施の形態を図１ないし図３を参照して詳細に説明す
る。図１は、本発明の一実施の形態に係るディジタル複
写機の要部概略構成を表す図である。この装置は、原稿
から画像を読み取ってＲ（赤），Ｇ（緑），Ｂ（青）の
各色の画像信号を出力する原稿読取部（スキャナ）１１
と、読み取ったＲ，Ｇ，Ｂの各色の画像信号を基に所定
の画像処理を行って出力画像データＹ（イエロー），Ｍ
（マゼンタ），Ｃ（シアン），Ｂｋ（ブラック）を生成
する画像処理部１２と、画像処理部１２からの出力画像
データを基に転写紙上への実際の画像転写を行うプリン
タ１３と、本発明の特徴であるパターン認識・位置修正
部１４とを備えている。

【００１２】画像処理部１２は、いわゆるガンマ補正、
色変換処理およびディザ処理等の従来から行われている
画像処理を行うほか、本実施の形態の特徴であるパター
ン認識・位置修正部１４からのＸＹ変差量データを基に
レジスト位置補正を行うようになっている。パターン認
識・位置修正部１４は、原稿上に形成されたコピー追跡
用の特定パターンを認識するとともに、この特定パター
ンを認識したときにジェネレーションコピーモードと判
定し、レジスト位置補正に必要なデータ（ＸＹ変差量デ
ータ）を演算して画像処理部１２に供給するようになっ
ている。

【００１３】次に、図２のフローチャートを参照して、
以上のような構成のディジタル複写機の概略動作を説明
する。まず、原稿読取部１１で読み取られた画像信号
（Ｒ，Ｇ，Ｂ）は、画像処理部１２に入力されるととも
に、これと並行してパターン認識・位置修正部１４にも
入力される。画像処理部１２は、この入力画像処理に対
してガンマ補正、色変換およびディザ処理等の画像処理
を行うことによって出力画像データ（Ｙ，Ｍ，Ｃ，Ｂ
ｋ）を生成し、プリンタ１３に出力する（ステップ１０
１）。

【００１４】パターン認識・位置修正部１４は、入力さ
れた画像信号（Ｒ，Ｇ，Ｂ）を基に、原稿画像にコピー
追跡用の特定パターンが含まれているか否かを調べる
（ステップ１０２）。その結果、特定パターンの存在を
認識したときには（ステップ１０２；Ｙ）、ジェネレー
ションコピーモード、すなわち少なくとも一回の複写に
よって複製された原稿画像（以下、コピー原稿とい
う。）を基にさらに複写を行うモードであると判断す
る。そして、特定パターンの位置を抽出するとともに
（ステップ１０３）、これを元の（本来の）位置と比較
して、原稿のＸ方向（主走査方向）およびＹ（副走査方
向）方向におけるずれ量であるＸＹ変差量データを求め
（ステップ１０４）、このデータを画像処理部１２に入
力するとともに、ジェネレーションコピーモードである
ことを画像処理部１２に通知する。一方、原稿画像にコ
ピー追跡用の特定パターンが含まれていないと判断した
ときは（ステップ１０２；Ｎ）、その旨を画像処理部１
２に通知する（ステップ１０６）。

【００１５】画像処理部１２では、入力されたＸＹ変差
量データを基に、主走査方向の書き出し開始信号である
ＬＧＡＴＥ信号および副走査方向の書き出し開始信号で
あるＦＧＡＴＥ信号のタイミングを制御し、感光体ドラ
ム上におけるレーザビームの書き出し開始位置を調整す
る（ステップ１０７）。これにより、転写紙上における
特定パターンの記録位置は、本来の特定パターン位置に
一致することとなる。したがって、多数回のジェネレー
ションコピーを行ったとしても、レジスト位置ずれの拡
大を防止できる。

【００１６】次に、図３を参照して、パターン認識・位
置修正部１４および画像処理部１２の動作をより詳細に
説明する。図３は、追跡用特定パターンの一例を表す図
である。この例では、５個のドットからなるドットパタ
ーンが転写紙全体にわたって所定間隔（例えば４０ｍ
ｍ）で縦横（ＸＹ方向）に繰り返し形成されている。こ
のドットパターンは複写機ごとに異なっている。このた
め、転写画像中のドットパターンをみればそのコピー形
成に用いられた複写機の機番等が判るようになってい
る。したがって、例えば紙幣や有価証券等をコピーして
使用するような犯罪行為が行われた場合には、このドッ
トパターンから複写機の機番等を特定できるため、犯人
検挙が比較的容易となる。このような特定のドットパタ
ーンは、人間の目では識別しにくい色（例えば黄色）を
用いて薄い濃度で形成されているため、ほとんどの場合
気にならず、あるいはその存在に気がつかないものであ
る。

【００１７】本発明は、このようなコピー追跡用の特定
パターンを、その本来の目的以外の目的であるレジスト
位置補正等に用いようとするものである。本実施の形態
では、このような特定パターンの位置を予め所定の位置
に形成するように定めておく。例えば、図３に示したよ
うに、基準位置２０に最も近いドットＡ１（ドットパタ
ーンＡのうちの左上のドット）の位置が上端辺２１およ
び左端辺２２からともに２０ｍｍの所に位置するものと
定めるものとする。

【００１８】ここで、原稿読取部１１の分解能が例えば
１６ドット／ｍｍであるとし、等倍でコピーされたコピ
ー原稿を等倍で読み取るものとすると、理想的にはドッ
トＡ１のＸＹ座標は（３２０，３２０）となる。しかし
ながら、現実には、転写紙の歪み、書き込み位置ずれ、
あるいは紙送りむら等、様々な要因によってドットＡ１
のＸＹ座標が本来の値（３２０，３２０）からずれるこ
とがある。そこで、本実施の形態では、パターン認識・
位置修正部１４によってドットＡ１の本来の位置と実際
の位置とのずれ量を求め、これをＸＹ変差量データとし
て画像処理部１２に入力する。

【００１９】画像処理部１２では、入力されたＸＹ変差
量データに基づいてＬＧＡＴＥ信号およびＦＧＡＴＥ信
号を制御し、図示しない感光体ドラム上へのレーザビー
ムの書き込み開始位置を制御する。これにより、ジェネ
レーションコピーにおけるレジスト位置ずれの拡大が防
止される。なお、本実施の形態では、ドットパターンＡ
のうちの左上ドットＡ１の主走査方向（Ｘ方向）の位置
ずれに注目してレジスト位置ずれを補正するようにした
が、これに限定されるものではなく、主走査方向のほか
に、副走査方向（Ｙ方向）についてのドット位置ずれを
も検出して、ＸＹ２つの方向におけるレジスト位置ずれ
を補正するようにしてもよい。

【００２０】また、他の方法として、すべての主走査ラ
インについてＸ方向の書き出し位置を補正するようにし
てもよい。この方法は、例えば次のようにして行う。
今、各ドットパターンの間隔をＸＹ方向共に４０ｍｍに
定めたとすると、最左端のドットパターンＡ，Ｂ，Ｃ…
のそれぞれの左上ドットＡ１，Ｂ１，Ｃ１…の座標は、
本来的には図３に示したようにそれぞれ（３２０，３２
０），（３２０，９６０），（３２０，１６００），…
となる。しかしながら、実際には、上記の諸要因によっ
てドットＡ１，Ｂ１，Ｃ１…等の各Ｘ座標は上記の本来
の位置からそれぞれずれることとなる。パターン認識・
位置修正部１４は、入力画像信号から上記の各ドットＡ
１，Ｂ１，Ｃ１…の現実の座標を読み取って本来の座標
からの変差量を求め、これを書き込開始位置の補正量と
する。さらに、これらの補正データを用いて補間を行う
ことで、各ドットＡ１，Ｂ１，Ｃ１…の各点間のドット
についても補正量を求める。例えば、ドットＡ１とドッ
トＢ１の中点のドットの補正量は、ドットＡ１について
の補正量とドットＢ１についての補正量とを加えたもの
に１／２を乗じて求める。

【００２１】そして、こうして求めた補正量を画像処理
部１２に入力する。画像処理部１２は、これらの各主走
査ラインごとの補正量を基にＬＧＡＴＥ信号のタイミン
グを制御し、各主走査ラインの書き込み開始位置（Ｘ座
標）を調整する。これにより、各主走査ラインの書き込
み開始は本来の書き込み開始位置と正しく一致すること
となり、ジェネレーションコピーを繰り返したとして
も、縦方向（副走査方向）のスキューが補正され、原稿
スキューによる画質劣化が抑制される。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１記載のデ
ィジタル複写機によれば、原稿画像が特定パターンの画
像を含むか否か、すなわち原稿がいわゆるジェネレーシ
ョンコピー原稿であるか否かを判定し、そうであったと
きには、その認識された特定パターンの位置と本来の位
置とのずれ量を検出し、そのずれ量に応じて画像形成位
置をシフトするようにしたので、ジェネレーションコピ
ーにおけるレジスト位置ずれの拡大を防止することがで
きる。

【００２３】請求項２記載のディジタル複写機によれ
ば、主走査方向および副走査方向の２方向における位置
ずれ量を検出するとともに、これらの２方向における各
ずれ量に応じて画像形成位置をシフトするようにしたの
で、主走査方向および副走査方向の２方向におけるレジ
スト位置ずれの拡大を防止することができる。請求項３
記載のディジタル複写機によれば、副走査方向に並んだ
複数のドットの各々について位置ずれ量を検出するとと
もに、この位置ずれ量を基にすべての主走査ラインにつ
いて画像形成位置を修正するようにしたので、主走査方
向における書き込み開始位置のずれ、即ち原稿スキュー
をも補正することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態に係るディジタル複写機
の要部構成を表すブロック図である。

【図２】このディジタル複写機の動作を説明するための
フローチャートである。

【図３】このディジタル複写機の動作を説明するための
説明図である。

【符号の説明】

１１ 原稿読取部 １２ 画像処理部 １３ プリンタ １４ パターン認識・位置修正部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 原稿画像の複写処理に際して、その複写
   処理に係わる情報を表す特定パターンの画像を前記原稿
   画像の所定位置に付加する機能を備えた複写機であっ
   て、 原稿画像の複写処理に際して、当該原稿画像中に前記特
   定パターンの画像が含まれているか否かを判定する判定
   手段と、 この判定手段によって前記特定パターンの画像が当該原
   稿画像中に含まれると判定されたとき、その認識された
   特定パターンの位置と本来の位置とのずれ量を検出する
   検出手段と、 この検出手段によって検出されたずれ量を相殺するため
   に画像形成位置をシフトさせるシフト手段とを備えたこ
   とを特徴とするディジタル複写機。
2. 【請求項２】 前記検出手段は、主走査方向および副走
   査方向の２方向における位置ずれ量を検出し、 前記シフト手段は、主走査方向および副走査方向の２方
   向における各ずれ量を相殺するために画像形成位置をシ
   フトさせる修正を行うことを特徴とする請求項１記載の
   ディジタル複写機。
3. 【請求項３】 前記特定パターンの画像は、副走査方向
   に並んだ複数のドットを含み、 前記前記検出手段は、前記複数のドットの各々について
   主走査方向の位置ずれ量を検出し、 前記シフト手段は、前記主走査方向における各位置ずれ
   量を基に、すべての主走査ラインについて画像形成位置
   の修正を行うことを特徴とする請求項１記載のディジタ
   ル複写機。