JPH09204035A - 位相シフトマスク及びその製造方法 - Google Patents

位相シフトマスク及びその製造方法

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JPH09204035A
JPH09204035A JP3135996A JP3135996A JPH09204035A JP H09204035 A JPH09204035 A JP H09204035A JP 3135996 A JP3135996 A JP 3135996A JP 3135996 A JP3135996 A JP 3135996A JP H09204035 A JPH09204035 A JP H09204035A
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JP
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phase
film
pattern
shift mask
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JP3135996A
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English (en)
Inventor
Yoshiro Yamada
芳郎 山田
Kazuaki Chiba
和明 千葉
Hidemasa Karikawa
英聖 狩川
Masayoshi Tsuzuki
昌由 都築
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 露光光を位相シフト膜を通過させるか、ある
いはさせないかによってその露光光に位相差を持たせる
方式の位相シフトマスクに関して、露光光に付与する位
相差を調節することによって位相シフト効果をより一層
向上させる。 【解決手段】 透明基板1及び位相シフト膜3を有する
位相シフトマスクである。位相シフト膜3は、遮光膜2
の間から外部に露出する部分の透明基板1を1個おきに
エッチングによって掘り下げることにより形成される。
位相シフト膜3が有る部分B’が位相シフト部であり、
位相シフト膜3が無い部分Bが非位相シフト部である。
位相シフト部B’を通過する光と非位相シフト部Bを通
過する光との間の位相差が180°からずれるように、
エッチング深さDを調節する。望ましくは、180°よ
りも小さい側へずらす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に投影露光装置
において使用されるパターンを備えたフォトマスクに関
する。また本発明は、特に、そのフォトマスクを通過す
る投影露光光に位相差を与えて高解像度のパターン転写
を可能にした位相シフトマスク及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】位相シフトマスクとして、従来より種々
の形式のものが提案されている。例えば、マスク上の開
口部の隣り合う一方に位相を反転させるような透明膜を
設けた構造のレベンソン型位相シフトマスクや、形成す
べきパターンの周辺部に解像限界以下の位相シフト膜を
形成した構造の補助パターン付き位相シフトマスクや、
基板上にクロムパターンを形成した後にオーバーエッチ
ングによって位相シフト膜のオーバーハングを形成した
構造の自己整合型位相シフトマスクなどがある。
【0003】以上の各構造の位相シフトマスクは、基板
上にクロムパターンと位相シフト膜パターンを設けたも
のであるが、この構造とは別に、位相シフト膜パターン
のみによって形成された位相シフトマスクとして、透過
型位相シフトマスクや、ハーフトーン型位相シフトマス
クなども知られている。透過型位相シフトマスクという
のは、透明部を透過した光と位相シフト膜を透過した光
との境界部において光強度がゼロとなることを利用して
パターンを分離するようにした位相シフトマスクであっ
て、シフターエッジ利用型位相シフトマスクとも呼ばれ
る。
【0004】また、ハーフトーン型位相シフトマスクと
いうのは、投影露光光に対して部分透過性を有する、い
わゆる半透明な位相シフト膜パターンを基板上に形成し
て、その位相シフト膜パターンの境界部に形成される光
強度がゼロの部分でパターン解像度を向上するようにし
た位相シフトマスクである。透過型位相シフトマスク
や、ハーフトーン型位相シフトマスクはその層構造が単
純であるため、製造工程が容易であり、しかもマスク上
の欠陥も少ないという長所を有している。
【0005】クロム(Cr)などの遮光層を用いる位相
シフトマスクにしろ、位相シフト膜パターンのみを用い
る位相シフトマスクにしろ、位相シフトマスクにおいて
は、位相シフト部を通過する露光光と非位相シフト部を
通過する露光光との間で位相を180°反転させること
によって高解像度の転写像を得るようにしている。そし
てこの位相差は、基板上に積層する位相シフト膜の厚さ
を適宜の厚さに設定することによって実現される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の位相シフトマス
クでは、露光光を照射したときに位相差が180°にな
るように位相シフト膜の厚さを調節して位相シフトマス
クを製造していた。本発明者は、露光光に付与される位
相差と露光対象物、例えば半導体ウエハ上に得られる転
写像の解像度との関係について種々の実験を行った。そ
してその結果、位相差がちょうど180°に設定された
場合には、期待される十分な位相シフト効果が得られな
い場合が多くて解像度の高い転写像が得られず、位相差
を少しずらせた方が位相シフト効果が高くなることを知
見した。特に、位相差を180°よりも小さい側へずら
せた方が位相シフト効果が高くなることを知見した。
【0007】従って、本発明は、露光光を位相シフト膜
を通過させるか、あるいはさせないかによってその露光
光に位相差を持たせる方式の位相シフトマスクに関し
て、露光光に付与する位相差を調節することによって位
相シフト効果をより一層向上させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る位相シフトマスクは、透明基板と、そ
の透明基板上に積層されていて位相シフト部と非位相シ
フト部とから成るパターンを構成する位相シフト膜とを
有する位相シフトマスクにおいて、位相シフト部を通過
する光と非位相シフト部を通過する光との間の位相差を
180°からずらせたことを特徴とする。
【0009】位相シフト膜としては、例えば、Mo・S
i系の材料、より具体的には、例えば化学記号MoSi
XY(X,Yは整数)で表される材料を用いることが
できる。また、位相シフトマスクを通過する光、すなわ
ちウエハ等の露光対象物を露光するための露光光として
は、例えば、i線(波長=0.365μm)、g線(波
長=0.436μm、KrFエキシマレーザ(波長=
0.254μm)等を用いることができる。
【0010】望ましくは、位相シフト部を通過する光と
非位相シフト部を通過する光との間の位相差を180°
よりも小さい側へずらせる。また、位相シフト膜によっ
て構成されるパターンがコンタクトホール用のパターン
を含む場合は、位相シフト部を通過する光と非位相シフ
ト部を通過する光との間の位相差を171°〜176°
の範囲内に設定することが望ましい。コンタクトホール
というのは、多層積層構造のIC基板の各層間に亘って
導電のために形成される貫通穴のことであり、コンタク
トホール用パターンというのは、そのようなコンタクト
ホールを形成するために用いられるパターンである。こ
のコンタクトホール用パターンは、通常、正方形状に形
成される。本発明者の実験によれば、レベンソン型位相
シフトマスクにコンタクトホール用パターンを形成した
ものをマスクとして用いて露光対象物に露光光を照射し
たときには、位相差171°が最適値であった。
【0011】位相シフト膜によって構成されるパターン
がラインパターンを含む場合は、位相シフト部を通過す
る光と非位相シフト部を通過する光との間の位相差を1
76°〜179°の範囲内に設定することが望ましい。
ラインパターンというのは、細長い線状の光透過部を互
いに平行に連続して形成したパターンのことである。本
発明者の実験によれば、レベンソン型位相シフトマスク
にラインパターンを形成したものをマスクとして用いて
露光対象物に露光光を照射したときには、位相差178
°が最適値であった。
【0012】目標とする位相差を、コンタクトホール用
パターンの場合に171°〜176°の範囲内の適宜の
値とし、一方、ラインパターンの場合に176°〜17
9°の範囲内の適宜の値とするように、選択する位相差
に所定の範囲を持たせたのは、位相シフトマスクとして
レベンソン型位相シフトマスクやハーフトーン型位相シ
フトマスクなどといった各種構成の位相シフトマスクが
あったり、パターンの寸法が種々に異なったり、露光光
学系の構造が種々に変化する等といった種々の理由に応
じて最適な位相差が変化することが考えられるからであ
る。
【0013】本発明に係る位相シフトマスクの製造方法
は、透明基板上にパターン状の位相シフト膜を積層する
ことにより、位相シフト膜が存在する位相シフト部と位
相シフト膜が存在しない非位相シフト部とを形成する位
相シフトマスクの製造方法において、位相シフト膜の厚
さを、位相シフト部を通過する光と非位相シフト部を通
過する光との間の位相差が180°からずれるように設
定することを特徴とする。
【0014】位相シフト膜によってコンタクトホール用
パターンを構成する場合には、位相差が171°〜17
6°の範囲内となるように位相シフト膜の厚さを設定す
るのが望ましい。また、位相シフト膜によってラインパ
ターンを構成する場合には、位相差が176°〜179
°の範囲内となるように位相シフト膜の厚さを設定する
のが望ましい。つまり、本発明に係る位相シフトマスク
の製造方法では、位相シフト膜によって構成されるパタ
ーンがコンタクトホール用パターンの場合とラインパタ
ーンの場合とで、目標とする位相差を異ならせることが
望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
(位相シフトマスクの第1実施形態)図1は、本発明に
係る位相シフトマスクの一実施形態を示している。この
実施形態は、パターン状の遮光膜を有する、いわゆるレ
ベンソン型位相シフトマスクに本発明を適用した場合の
実施形態である。この位相シフトマスク5は、透明基板
1と、その上に積層されたパターン状の遮光膜2を有し
ている。隣り合う遮光膜2の間の透明基板1は1個おき
にエッチングによって所定深さDだけ掘り下げられる。
そして、透明基板1のうち掘り下げられることなく残っ
た部分によって位相シフト膜3が構成される。
【0016】ウエハ等の露光対象物は遮光膜2に対面す
る側に置かれる。露光光は、矢印Aで示すように基板1
側から照射され、遮光膜2の存在しない部分B及びB’
を通過して露光対象物を露光する。遮光膜2が存在しな
い部分が図3に符号Hで示すように、正方形状のパター
ンを連続させたコンタクトホール用のパターンであれ
ば、露光対象物上にコンタクトホール用のパターンが転
写される。また、遮光膜2が存在しない部分が図4に符
号Lで示すように、細長い線状のパターンを互いに平行
に連続させた、いわゆるラインパターンであれば、露光
対象物上にラインパターンが転写される。
【0017】遮光膜2が無くて露光光が通過する部分の
うち、位相シフト膜3が存在する部分B’は露光光の位
相が反転する位相シフト部を構成し、エッチングによる
掘り下げによって位相シフト膜3が存在しなくなった部
分Bは露光光を位相を反転させることなく通過させる非
位相シフト部を構成する。これらの位相シフト部B’と
非位相シフト部Bとを交互に配置することより、それら
の境界部分において光強度が相殺され、これにより、解
像度の高いパターン転写像を得ることができる。
【0018】本実施形態では、位相シフト膜3の厚さ
D、すなわち位相シフト膜3を形成するための基板1に
対するエッチング深さDを、位相シフト部B’を通過す
る光と非位相シフト部Bを通過する光との間の位相差が
180°からずれるような厚さに設定する。好ましく
は、位相差が180°よりも小さい側へずれるように位
相シフト膜3の厚さDを設定する。
【0019】より好ましくは、位相シフトマスク5にコ
ンタクトホール用パターン(図3)が形成される場合
は、位相差が171°〜176°の範囲内の適宜の値に
なるように厚さDを設定する。また、位相シフトマスク
5にラインパターン(図4)が形成される場合は、位相
差が176°〜179°の範囲内の適宜の値になるよう
に厚さDを設定する。
【0020】このように、目標とする位相差を180°
からずらせて設定することにより、位相差をちょうど1
80°に設定した場合に比べて、露光対象物上の転写像
の解像度を高くすること、すなわちボケの無い鮮明な転
写像を得ることができる。また特に、コンタクトホール
用パターンとラインパターンとの間で目標とする位相差
を変えることにより、それぞれのパターンに対応する転
写像をそれぞれ高解像度で作像できる。
【0021】(位相シフトマスクの製造方法の第1実施
形態)図1に示す位相シフトマスクの製造方法の一実施
形態を図8に示す。この製造方法によれば、まず、透明
基板1の上に遮光層2’を一様な厚さに成膜し、さらに
その上にウエットエッチング用レジスト11を一様な厚
さに成膜する(a)。
【0022】その後、電子ビーム露光及び現像によりレ
ジスト11を所望のパターンに形成し、さらにウエット
エッチングにより遮光層2’を所望形状のパターンに形
成し、さらにレジスト11を剥離する(b)。これによ
り、所望パターンの遮光膜2が得られる。遮光層2’に
対するエッチングに関しては、遮光層2’としてクロム
(Cr)を用いる場合には、通常のウエットエッチン
グ、例えば、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸
の混合溶液によるエッチングを用いる。
【0023】次いで、ドライエッチング用レジスト12
を一様に塗布し(c)、電子ビーム露光及び現像により
所望形状のレジストパターンを作成し(d)、さらにド
ライエッチングにより透明基板1を所定深さまでエッチ
ングして膜厚Dの位相シフト膜3を形成する(e)。ド
ライエッチングとしては、通常のドライエッチング、例
えばCF4 やC26等の反応性ガスが存在する減圧雰囲
気中においてグロー放電を起こさせ、プラズマ中に発生
する活性ラジカルによって透明基板1を掘るというエッ
チング方法を用いることができる。その後、レジストパ
ターン12を剥離することにより、所望のレベンソン型
位相シフトマスク5が完成する(f)。
【0024】工程(e)における透明基板1の掘り込み
深さDは、その掘り込みによって形成される位相シフト
膜3の膜厚Dに起因してもたらされる露光光の位相差
が、ちょうど180°になるのではなくて、180°か
らずれることになるような深さに設定される。より望ま
しくは、コンタクトホール用パターン(図3)を形成す
る場合には、171°〜176°の範囲内で目標位相差
を設定し、他方、ラインパターン(図4)を形成する場
合には、176°〜179°の範囲内で目標位相差を設
定する。
【0025】(位相シフトマスクの第2実施形態)図2
は、本発明に係る位相シフトマスクの他の一実施形態を
示している。この実施形態は、投影露光光に対して部分
透過性を有する、いわゆる半透明位相シフト膜を遮光膜
として用いる、いわゆるハーフトーン型位相シフトマス
クに本発明を適用した場合の実施形態である。この位相
シフトマスク6は、透明基板1と、その上に積層された
パターン状の半透明位相シフト膜4とによって構成され
る。この半透明位相シフト膜4を希望のパターンに形成
することにより、露光対象物上にコンタクトホール用パ
ターンに対応する転写像や、ラインパターンに対応する
転写像を作像することができる。
【0026】半透明位相シフト膜4が設けられた部分
B’は露光光の位相が反転する位相シフト部を構成し、
半透明位相シフト膜4が設けられない部分Bは露光光の
位相を反転させることなく通過させる非位相シフト部を
構成する。これらの位相シフト部B’と非位相シフト部
Bとを交互に配置することより、それらの境界部分にお
いて光強度を相殺し、これにより、解像度の高いパター
ン転写像を得ることができる。
【0027】本実施形態では、半透明位相シフト膜4の
厚さDを、位相シフト部B’を通過する光と非位相シフ
ト部Bを通過する光との間の位相差が180°からずれ
るような厚さに設定する。好ましくは、位相差が180
°よりも小さい側へずれるように位相シフト膜4の厚さ
Dを設定する。
【0028】図2の位相シフトマスクは、周知の成膜処
理方法及び周知のエッチング処理方法等を用いて作製す
ることができるが、注意が必要な点は、半透明位相シフ
ト膜4の膜厚Dを希望の膜厚とするため、その半透明位
相シフト膜4の元になる半透明位相シフト層を透明基板
1の上に一様な厚さで成膜するときに、その膜厚を希望
の厚さに設定するという点である。
【0029】
【実施例】
(実施例1) (1) 図1に示すようなレベンソン型位相シフトマス
ク5であって、図3に示すようなコンタクトホール用パ
ターンを有する位相シフトマスクを作製した。但し、位
相シフト膜3の厚さDが、 4189Å、 4058Å、 3893Å、 3718Å、 3584Å、 3419Å の6種類のものを作製した。図3において、個々の正方
形状パターンHの寸法は0.35μm×0.35μmと
した。
【0030】(2) これらの膜厚を備えた位相シフト
マスクに光を照射し、そのときの位相差を位相差計を用
いて実測したところ、次の結果が得られた。
【0031】(3) 図5に示すように、上記6種類の
位相シフトマスク5に露光光Rを照射し、位相シフトマ
スク5を通過した光によってウエハ7を露光した。ウエ
ハ7上の転写像の焦点が正確に適正状態に合うときの焦
点距離をEとするとき、その焦点距離を(E−1.0μ
m)、(E−0.5μm)、(E−0.0μm)、(E+0.5μ
m)、(E+1.0μm)のように変化させ、その各々のと
ころでウエハ7上に転写像を作像し、個々の転写像につ
いて適正焦点状態(すなわちジャストフォーカス状態)
の時の転写像の一辺の長さからの長さ変化を測定した。
その結果、図6に示す結果が得られた。
【0032】(4) 図6に示すグラフから判ること
は、焦点距離Eを変化させたときの転写像の寸法変化の
状態を見たとき、位相シフト膜の厚さが3718Å、す
なわち位相差が171°のときが最も寸法変化が小さ
く、位相差がそれより大きくなっても、あるいはそれよ
り小さくなっても、焦点距離の変動(横軸方向の変化)
に対する転写像の寸法変化(縦軸方向の変化)の度合い
が大きくなるということである。
【0033】焦点距離Eが変動しても転写像の寸法変化
が小さいということは、焦点距離Eが広い範囲で変動す
る場合にも寸法変動の少ない転写像を得ることができる
ということ、換言すれば、解像度の高い転写像を作像で
きるということである。つまり、この状態の時が、位相
シフト効果が最も効率よく発現していると考えられる。
従来であれば、位相差がちょうど180°になることを
目標として位相シフト膜の膜厚を調節していたが、これ
では十分な位相シフト効果が得られず、位相差171°
を目標とすることにより、最も十分な位相シフト効果が
得られるということである。
【0034】(実施例2) (1) 図1に示すようなレベンソン型位相シフトマス
ク5であって、図4に示すようなラインパターンLを有
する位相シフトマスクを作製した。但し、位相シフト膜
3の厚さDが、 4204Å、 4052Å、 3872Å、 3741Å、 3615Å、 3452Å の6種類のものを作製した。個々のラインパターンLの
線幅は0.35μmとし、ライン間のスペースの幅も
0.35μmとした。 (以下、余白)
【0035】(2) これらの膜厚を備えた位相シフト
マスクに光を照射し、そのときの位相差を位相差計を用
いて実測したところ、次の結果が得られた。
【0036】(3) 図5に示すように、上記6種類の
位相シフトマスク5に露光光Rを照射し、位相シフトマ
スク5を通過した光によってウエハ7を露光した。ウエ
ハ7上の転写像の焦点が正確に適正状態に合う焦点距離
をEとするとき、その焦点距離を(E−1.0μm)、
(E−0.5μm)、(E−0.0μm)、(E+0.5μm)、
(E+1.0μm)のように変化させ、その各々のところで
ウエハ7上に転写像を作像し、個々の転写像について適
正焦点状態の時の転写像の線幅からの寸法変化を測定し
た。その結果、図7に示す結果が得られた。
【0037】(4) 図7に示すグラフから判ること
は、焦点距離Eを変化させたときの転写像の寸法変化の
状態を見たとき、位相シフト膜の厚さが3872Å、す
なわち位相差が178°のときが最も線幅の寸法変化が
小さく、位相差がそれより大きくなっても、あるいはそ
れより小さくなっても、焦点距離の変動(横軸方向の変
化)に対する転写像の寸法変化(縦軸方向の変化)の度
合いが大きくなるということである。従って、ラインパ
ターンを対象とする本実施例の場合は、位相差178°
を目標とすることにより、最も十分な位相シフト効果が
得られるということである。
【0038】(その他の実施例)以上の実施例は、レベ
ンソン型位相シフトマスクを用いているが、位相シフト
マスクにはこの他にハーフトーン型位相シフトマスクや
その他の種々の構成の位相シフトマスクがある。それら
のような種々の構成の位相シフトマスクに対して本発明
を適用する場合、すなわち目標とする位相差を180°
からずらせる場合は、最適な目標位相差が上記の171
°や178°から多少ずれることが考えられる。また、
コンタクトホール用パターンやラインパターンの具体的
な寸法が変化する場合にも、最適な目標位相差が上記の
171°や178°から多少ずれることが考えられる。
【0039】上記の実験により、レベンソン型位相シフ
トマスクに関して寸法0.35μmのパターンを形成す
るときに、コンタクトホール系パターンで171°の目
標位相差が最適となり、ライン系パターンで178°の
目標位相差が最適となるという事実が判明した。これを
基準として考え、さらに本発明者の現在までの経験に基
づけば、位相シフトマスクの構成が種々に変化したり、
パターン寸法が種々に変化する場合等を考慮した上で、
コンタクトホール系パターンに関しては171°〜17
6°の範囲内で目標位相差を決めることが望ましく、ま
た、ライン系パターンに関しては176°〜179°の
範囲内で目標位相差を決めることが望ましい。
【0040】
【発明の効果】請求項1記載の位相シフトマスク及び請
求項5記載の位相シフトマスクの製造方法によれば、露
光光に付与する位相差を調節してそれを180°からず
らせることにより、目標位相差をちょうど180°に設
定した場合に比べて、より一層効果的に位相シフト効果
を発現でき、これにより、より一層解像度の高い転写像
を得ることができる。
【0041】請求項2記載の位相シフトマスクによれ
ば、位相シフト効果を確実に向上できる。
【0042】請求項3記載の位相シフトマスク及び請求
項6記載の位相シフトマスクの製造方法によれば、露光
対象物上にコンタクトホール系のパターン転写像を作像
するときに、その転写像の解像度を確実に向上して、ボ
ケの無い鮮明な転写像を得ることができる。
【0043】請求項4記載の位相シフトマスク及び請求
項7記載の位相シフトマスクの製造方法によれば、露光
対象物上にライン系のパターン転写像を作像するとき
に、その転写像の解像度を確実に向上して、ボケの無い
鮮明な転写像を得ることができる。
【0044】請求項8記載の位相シフトマスクの製造方
法によれば、コンタクトホール系のパターン転写像及び
ライン系のパターン転写像のそれぞれに対して適切な位
相シフト効果を付与できる。
【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る位相シフトマスクの一実施形態を
示す側面断面図である。
【図2】本発明に係る位相シフトマスクの他の一実施形
態を示す側面断面図である。
【図3】コンタクトホール用パターンの一例を示す平面
図である。
【図4】ラインパターンの一例を示す平面図である。
【図5】位相シフトマスクを用いて露光対象物を露光す
る状態を模式的に示す側面図である。
【図6】図5に示す露光系にコンタクトホール用パター
ンを形成した位相シフトマスクを設置した上で焦点距離
Eを変化させて露光を行ったときの露光対象物上の転写
像の寸法変動の様子を示すグラフである。
【図7】図5に示す露光系にラインパターンを形成した
位相シフトマスクを設置した上で焦点距離Eを変化させ
て露光を行ったときの露光対象物上の転写像の寸法変動
の様子を示すグラフである。
【図8】図1に示す位相シフトマスクを製造するための
製造方法の一例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 遮光膜 3 位相シフト膜 4 半透明位相シフト膜 5 レベンソン型位相シフトマスク 6 ハーフトーン型位相シフトマスク 7 ウエハ 11 レジスト 12 レジスト B 非位相シフト部 B’ 位相シフト部 D エッチング深さ(位相シフト膜の膜厚) E 焦点距離 H コンタクトホール用パターン L ラインパターン R 露光光
フロントページの続き (72)発明者 都築 昌由 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、その透明基板上に積層され
    ていて位相シフト部と非位相シフト部とから成るパター
    ンを構成する位相シフト膜とを有する位相シフトマスク
    において、 位相シフト部を通過する光と非位相シフト部を通過する
    光との間の位相差を180°からずらせたことを特徴と
    する位相シフトマスク。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の位相シフトマスクにおい
    て、位相シフト部を通過する光と非位相シフト部を通過
    する光との間の位相差を180°よりも小さい側へずら
    せたことを特徴とする位相シフトマスク。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の位相シフトマスクにおい
    て、位相シフト膜によって構成されるパターンはコンタ
    クトホール用のパターンであり、位相シフト部を通過す
    る光と非位相シフト部を通過する光との間の位相差は1
    71°〜176°の範囲内にあることを特徴とする位相
    シフトマスク。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の位相シフトマスクにおい
    て、位相シフト膜によって構成されるパターンはライン
    パターンであり、位相シフト部を通過する光と非位相シ
    フト部を通過する光との間の位相差は176°〜179
    °の範囲内にあることを特徴とする位相シフトマスク。
  5. 【請求項5】 透明基板上にパターン状の位相シフト膜
    を積層することにより、位相シフト膜が存在する位相シ
    フト部と位相シフト膜が存在しない非位相シフト部とを
    形成する位相シフトマスクの製造方法において、 位相シフト膜の厚さを、位相シフト部を通過する光と非
    位相シフト部を通過する光との間の位相差が180°か
    らずれるように設定することを特徴とする位相シフトマ
    スクの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の位相シフトマスクの製造
    方法において、 位相シフト膜によって構成されるパターンはコンタクト
    ホール用のパターンであり、そして位相シフト膜の厚さ
    は、位相シフト部を通過する光と非位相シフト部を通過
    する光との間の位相差が171°〜176°の範囲内に
    なるように設定されることを特徴とする位相シフトマス
    クの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の位相シフトマスクの製造
    方法において、 位相シフト膜によって構成されるパターンはラインパタ
    ーンであり、そして位相シフト膜の厚さは、位相シフト
    部を通過する光と非位相シフト部を通過する光との間の
    位相差が176°〜179°の範囲内になるように設定
    されることを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
  8. 【請求項8】 透明基板上にパターン状の位相シフト膜
    を積層することにより、位相シフト膜が存在する位相シ
    フト部と、位相シフト膜が存在しない非位相シフト部と
    を形成する位相シフトマスクの製造方法において、 位相シフト膜によって構成されるパターンがコンタクト
    ホール用のパターンの場合とラインパターンの場合と
    で、目標とする位相差を異ならせることを特徴とする位
    相シフトマスクの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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