JPH09202206A - エアバッグ用液体ガス発生器 - Google Patents

エアバッグ用液体ガス発生器

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JPH09202206A
JPH09202206A JP8013173A JP1317396A JPH09202206A JP H09202206 A JPH09202206 A JP H09202206A JP 8013173 A JP8013173 A JP 8013173A JP 1317396 A JP1317396 A JP 1317396A JP H09202206 A JPH09202206 A JP H09202206A
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JP
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decomposition
gas generator
air bag
liquid
liquid gas
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JP8013173A
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English (en)
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Akira Iwama
彬 岩間
Minoru Hayashi
實 林
Toshiharu Kobayashi
俊晴 小林
Junichi Kishimoto
淳一 岸本
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Nippon Koki Co Ltd
Original Assignee
Nippon Koki Co Ltd
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  • Air Bags (AREA)
  • Feeding, Discharge, Calcimining, Fusing, And Gas-Generation Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体の分解を利用するエアバッグ用液体ガス
発生器において、車輌衝突により作動した時に時間遅れ
がなく、完全に液体を分解させることを目的とする。 【解決手段】 壁面にエアバッグへのガス排出口を有す
る高圧容器と、分解性液体を封入した密封容器と、分解
促進物質放出手段と、点火器とを備え、密封容器、分解
促進物質放出手段および点火器は高圧容器内に配され、
密封容器とガス排出口との間には分解反応室が形成され
ている。壁面にエアバッグへのガス排出口を有する高圧
容器と、分解性液体を封入した密封容器と、分解促進物
質放出手段と、高圧容器と分解促進物質放出手段との間
に配される破裂板と、点火器とを備え、密封容器、破裂
板、分解促進物質放出手段および点火器は高圧容器内に
配され、密封容器とガス排出口との間には破裂板を介し
て分解反応室が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輛衝突時の乗員
を保護するエアバッグ用の液体ガス発生器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、車輛の運転手席、助手席には、車
輛が衝突した時、乗員をその衝撃から保護するためにエ
アバッグが装着されている。そして、車輛が衝突時にエ
アバッグを展開させるガス発生器は、アジ化ナトリウム
を主配合剤とする固体の燃焼によって発生する窒素ガス
を用いている。
【0003】アジド系の多くのガス発生剤組成物として
は、例えば、米国特許第2,981,616号明細書、同第3,12
2,462号明細書、同第3,741,585号明細書、同第3,779,82
3号明細書、同第3,865,660号明細書、同第3,883,373号
明細書等に開示されるものが知られている。アジド系以
外のガス発生剤としては、例えば、米国特許第3,677,84
1号明細書、同第3,719,604号明細書、同第5,139,588号
明細書等に開示されているように、テトラゾール系組成
物が知られている。
【0004】固体ガス発生剤の燃焼によって発生するガ
スを利用するガス発生器としては、米国特許第3,985,07
6号明細書に開示されているように、点火器を取り囲む
ガス発生剤を収納する環状の燃焼室を備え、この燃焼室
の周囲には燃焼時に発生するガスを冷却し、燃焼残渣を
補集するフィルターが空間を介して取り囲む構成となっ
ている。この構造は助手席用に用いられる円柱状ガス発
生器においても米国特許第4,158,696号明細書に開示さ
れるように採用されている。
【0005】米国特許第3,806,153号明細書には、高圧
不活性ガス貯蔵タイプが開示されており、車輛衝突時に
点火されたプロペラントの燃焼によって発生するガスの
圧力によってプランジャーが高圧容器のクロージャーを
突き破り、加熱された高圧ガスが破裂板を破壊して、エ
アバッグへガスを供給する手段が述べられている。米国
特許第3,901,530号明細書には、高圧不活性ガス貯蔵タ
イプのインフレータが開示されており、火薬の燃焼で発
生するガスと高圧貯蔵不活性ガスがエアバッグへ放出さ
れる前に混合室で混合される記述がある。
【0006】米国特許第5,131,680号明細書には、高圧
不活性ガス貯蔵タイプのインフレータにおいて、車輛衝
突時に点火された火薬の燃焼によって発生するガスの圧
力によって作動ピンが高圧不活性ガスの貯蔵隔壁を突き
破って、先ずエアバッグへ貯蔵ガスの放出を始めるとと
もに、高圧活性ガスの加熱に用いられる火薬に点火する
雷管に衝撃を加える機構が開示されている。
【0007】米国特許第5,384,344号明細書には、500〜
5,000psiで貯蔵された不活性ガス、燃焼ガスおよび酸
化剤ガスの混合ガスの燃焼を利用したエアバッグ用イン
フレータが開示されている。比較的低圧(笑気の場合3
6.4℃で臨界圧72.7気圧)で貯蔵できる液化ガスの燃焼
を利用したインフレータが米国特許第5,330,730号明細
書に開示されている。ここでは酸化剤液化ガス(笑気)
と燃料液化ガス(ノルマルブタンとイソブタンの混合物
等の炭化水素)を貯蔵する容器を刺突するピストンと、
酸化剤ガスと燃料ガスが混合燃焼する燃焼室が記述され
ている。また、フレオン12のような不燃性液化ガスの加
熱によってエアバッグを展開する方法が米国特許第3,45
0,414号明細書に開示されている。
【0008】特開昭56−88804号公報では、5〜
30重量%の過酸化水素水溶液を封入したガラス容器を
楔形先端を持つ破壊体によって破壊し、容器の周囲にあ
る分解触媒によって過酸化水素を化学分解してガスを発
生させる装置が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】車輛衝突時の乗員安全
保護に用いられているエアバッグ用インフレータには、
アジ化ナトリウムを主成分とするガス発生剤が使用され
ている。しかし、アジ化ナトリウムの持つ毒性のために
製造上および廃棄処理上、潜在的な危険性を持ってい
る。
【0010】したがって、アジ化ナトリウムを含まない
ガス発生剤として米国特許第3,677,841号明細書、米国
特許第3,719,604号明細書および米国特許第5,319,588号
明細書等でテトラゾール系組成物の開発が行われてい
る。しかし、固体ガス発生剤の燃焼によって生成するガ
ス成分を無毒でクリーンに維持するための制約により、
燃焼によって生成する固形成分(残渣)の発生は抑える
ことができない。
【0011】したがって、インフレータから放出される
ガスから残渣を除去するため濾過が必要になり、構造の
複雑さ、質量の増大に継がり、結果としてコストアップ
になっている。インフレータからの放出ガスが無毒でク
リーンであり、固体ガス発生剤のみのインフレータのよ
うな複雑な濾過を必要としない意味で、米国特許第3,80
6,153号明細書、米国特許第3,901,530号明細書および米
国特許第5,131,680号明細書等に開示されている高圧不
活性ガス貯蔵タイプは優れているが、製造後、車輛が廃
車されるまで絶えず、約3,000 psi のような高圧に維持
しなければならない問題点がある。
【0012】高圧に維持しなければならないという点で
は、米国特許第5,438,344号明細書に開示されている混
合ガスの燃焼を利用したインフレータも同様である。ま
た、米国特許第3,450,414号明細書および米国特許第5,3
30,730号明細書で開示されている液化ガスの加温および
燃焼を利用するインフレータは、通常、車輛内でさらさ
れる約100℃前後の温度では、同じくインフレータ内
の圧力は著しく上昇するという問題を抱えている。
【0013】前述のインフレータからの放出ガスのクリ
ーン化および高圧貯蔵不要の見地から、特開昭56−8
8804号公報に開示されている瞬間ガス発生装置は有
望であるが、5〜30重量%の過酸化水素水溶液は低温
で凍る欠点を有し、過酸化水素の分解速度が遅いため車
輛衝突時の乗員保護用エアバッグに利用することは不可
能である。
【0014】この課題を解決するため、出願人は、過酸
化水素の含有率が64.5重量%以下の水溶液であっ
て、沸点が127℃以下である主剤と過酸化水素の分解
促進物質(触媒)とからなるエアバッグ用ガス発生剤を
出願した(特願平7−38103号)。さらに、出願人
は、過酸化水素の含有率64.5重量%以下の水溶液で
あって、沸点が127℃以下である主剤を収容した主剤
容器と過酸化水素の分解促進物質(触媒)を収容した分
解促進物質(触媒)容器と、この分解促進物質(触媒)
容器内に取り付けられた点火具と、前記点火具、分解促
進物質(触媒)容器、主剤容器の順に収容するととも
に、主剤容器の上方にガス噴出部を備えたガス発生器本
体とで構成されているエアバッグ用ガス発生器(特願平
7−135804号)を出願した。
【0015】ところで、過酸化水素水溶液は、その分解
促進物質(触媒)と放出薬から発生する熱によって分解
反応が開始されるので、過酸化水素が極めて短い時間内
で反応を開始し、かつ、完全に分解するためには、如何
に早く分解促進物質(触媒)と熱を均一に過酸化水素に
接触させるかでインフレータの性能を左右する。未反応
過酸化水素がインフレータから放出された場合、発生ガ
ス量が不足するおそれがある。
【0016】本発明は上記の問題点を解決するもので、
より信頼性が高く、経済的なエアバッグ用液体ガス発生
器を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、液体
の分解を利用するエアバッグ用液体ガス発生器におい
て、 壁面にエアバッグへのガス排出口を有する高圧容
器と、分解性液体を封入した密封容器と、分解促進物質
放出手段と、点火器とを備え、密封容器、分解促進物質
放出手段および点火器は高圧容器内に配され、密封容器
とガス排出口との間には分解反応室が形成されているこ
とを特徴とするものである。
【0018】請求項2の発明は、液体の分解を利用する
エアバッグ用液体ガス発生器において、壁面にエアバッ
グへのガス排出口を有する高圧容器と、分解性液体を封
入した密封容器と、分解促進物質放出手段と、密封容器
と分解促進物質放出手段との間に配される破裂板と、点
火器とを備え、密封容器、破裂板、分解促進物質放出手
段および点火器は高圧容器内に配され、密封容器とガス
排出口との間には破裂板を介して分解反応室が形成され
ていることを特徴とするものである。
【0019】請求項3の発明は、液体の分解を利用する
エアバッグ用液体ガス発生器において、開口端側の壁面
にエアバッグへのガス排出口を有する有底の高圧容器
と、分解性液体を封入した密封容器と、分解促進物質放
出手段と、密封容器と分解促進物質放出手段との間に配
される破裂板と、点火器と、分解促進物質放出手段およ
び点火器を装着する空洞部とガス通路を有する隔離部材
と、高圧容器の開口側に配されるエンドキャップとを備
え、高圧容器内には密封容器、破裂板、隔離部材、分解
促進物質放出手段、点火器およびエンドキャップが配さ
れ、ガス通路とガス排出口との間には破裂板を介して分
解反応室が形成され、高圧容器の開口端部とエンドキャ
ップとが固着されていることを特徴とするものである。
【0020】請求項4の発明は、液体の分解を利用する
エアバッグ用液体ガス発生器において、底部側の壁面に
エアバッグへのガス排出口を有する有底の高圧容器と、
高圧容器の底部側に形成される分解反応室と、分解性液
体を封入した密封容器と、分解反応室と密封容器との間
に配される破裂板と、分解促進物質放出手段と、点火器
と、分解促進物質放出手段および点火器を密封容器から
隔離する隔離部材と、高圧容器の開口側に配されるエン
ドキャップとを備え、高圧容器内には破裂板、密封容
器、隔離部材、分解促進物質放出手段、点火器およびエ
ンドキャップが配され、高圧容器の開口端部とエンドキ
ャップとが固着されていることを特徴とするものであ
る。
【0021】請求項5の発明は、請求項1ないし4の何
れかに記載のエアバッグ用液体ガス発生器において、高
圧容器はアルミニウム、ステンレス・スチール、ガラス
繊維強化プラスチックスであることを特徴とするもので
ある。請求項6の発明は、請求項1ないし4の何れかに
記載のエアバッグ用液体ガス発生器において、分解性液
体は過酸化水素水溶液または水酸基硝酸アンモニウム水
溶液であることを特徴とするものである。
【0022】請求項7の発明は、請求項6記載のエアバ
ッグ用液体ガス発生器において、過酸化水素水溶液は3
5重量%ないし64.5%重量の水溶液であることを特
徴とするものである。請求項8の発明は、請求項1ない
し4の何れかに記載のエアバッグ用液体ガス発生器にお
いて、分解促進物質はアルカリ金属またはアルカリ土類
金属の過金属酸塩、アルカリ金属または金、白金、銀、
銅から成る金属酸塩、ランタノイド系の酸化物、金、白
金、銀、銅の粉末であることを特徴とするものである。
【0023】請求項9の発明は、請求項8記載のエアバ
ッグ用液体ガス発生器において、アルカリ金属の過金属
酸塩は、過マンガン酸カリウムであることを特徴とする
ものである。請求項10の発明は、請求項1ないし4の
何れかに記載のエアバッグ用液体ガス発生器において、
分解反応室には分解性液体を分解させる線材から構成さ
れる網状構造物が内蔵されていることを特徴とするもの
である。
【0024】請求項11の発明は、請求項10記載のエ
アバッグ用液体ガス発生器において、線材はパラジウ
ム、金、白金、銀、銅、鉄、ステンレス・スチールであ
ることを特徴とするものである。請求項12の発明は、
請求項10記載のエアバッグ用液体ガス発生器におい
て、線材は請求項8記載の分解促進物質で被覆されてい
ることを特徴とするものである。
【0025】請求項13の発明は、請求項1ないし4の
何れかに記載のエアバッグ用液体ガス発生器において、
分解促進物質放出手段は分解促進物質と放出薬を含むこ
とを特徴とするものである。請求項14の発明は、請求
項1ないし4の何れかに記載のエアバッグ用液体ガス発
生器において、分解促進物質放出手段は金属製飛翔体を
含むことを特徴とするものである。
【0026】請求項15の発明は、請求項14記載のエ
アバッグ用液体ガス発生器において、金属製飛翔体の先
端は錐形をなし、その斜面は凹形であることを特徴とす
るものである。請求項16の発明は、請求項1ないし4
の何れかに記載のエアバッグ用液体ガス発生器におい
て、密封容器はアルミニウム、チタニウム、ステンレス
・スチール、フッ素樹脂を含む合成樹脂であることを特
徴とするものである。
【0027】請求項17の発明は、請求項16記載のエ
アバッグ用液体ガス発生器において、密封容器の内面は
フッ素樹脂で被覆されていることを特徴とするものであ
る。請求項18の発明は、請求項1ないし4の何れかに
記載のエアバッグ用液体ガス発生器において、密封容器
内の分解性液体の容積は密封容器の内容積の50%以上
であることを特徴とするものである。
【0028】(作用)車輛衝突時、車輛に取り付けられ
た衝突感知サンサーからの信号により点火器に電流が流
れ、点火器が作動する。
【0029】点火器に含まれる点火薬の燃焼によって点
火器から高温のガスが発生する。この高温ガスによって
分解促進物質(触媒)放出手段内に配置された放出薬が
点火する。放出薬の燃焼によって発生する高温ガスの圧
力によって密封容器の一部を破壊し、液体ガス発生剤の
中に液体ガス発生剤の分解促進物質(触媒)を高速で放
出する。放出された分解促進物質(触媒)は放出薬の燃
焼で発生したガスの圧力で急激に攪拌され、分解性液体
(ガス発生剤)は分解促進物質(触媒)と接触して分解
する。
【0030】分解性液体の密封容器と、分解促進物質
(触媒)の間に金属製飛翔体が配置された構成において
は、放出薬の燃焼で発生するガスによって運動エネルギ
ーを与えられた金属製飛翔体が密封容器を突き破った
後、高速で分解性液体の中を飛翔する。金属製飛翔体の
飛翔進行方向の後に生ずる乱流によって、より効果的な
攪拌が行われるので分解反応が促進され、直径の大なる
密封容器に対しては好ましい機能を有している。
【0031】特に、金属製飛翔体の先端錐部斜面が凹形
の場合は、攪拌効果が著しく分解反応の促進に有効であ
る。分解性液体が分解促進物質(触媒)と放出薬から出
る熱によって分解し、密封容器内の圧力が予定された値
に達すると、密封容器と破裂板が破壊して分解生成ガス
が分解反応室に流入する。未反応の生成ガスは分解反応
室を通過する時間内で完全に分解し、高圧容器の側面に
設けられたガス排出口よりエアバッグへガスが供給され
る。
【0032】分解反応室内に、分解促進物質(触媒)で
作られた、あるいは分解促進物質(触媒)で被覆された
網状構造物を配置することにより、分解を完全にし、か
つ、ガス発生器内で発生する破裂板の破片や固形生成物
の濾過をすることができる。次に、分解性液体として使
用する過酸化水素水溶液について説明する。
【0033】過酸化水素の分解熱は、次式に示すとおり
非常に高いが、含有率が64.5重量%以下の水溶液で
は液全体を蒸発させるには至らないので、暴走反応が起
こることはない。 H22 → H20+0.502+98.2kJ 図1は過酸化水素水溶液の濃度に対する生成ガスの組成
と温度の変化を示している。
【0034】図中、実線で示されたX(H20),X
(02)は各濃度における分解ガスのモル濃度を示し、
Y(H20),Y(02)は体積百分率の濃度を示してい
る。又、図中に示された過酸化水素水溶液の濃度から分
解時におけるガスの状態を知ることができる。即ち、過
酸化水素の含有率が11.5重量%以下では熱を与えら
れても気化せず液体の状態を保つ。又、過酸化水素の含
有率が64.5重量%以上では水は加熱蒸気と成り、分
解ガス温度は急上昇することがわかる。例えば、過酸化
水素の含有率が100重量%では分解ガス温度が100
0℃近くを示す。
【0035】然し、過酸化水素の含有率が11.5重量
%〜64.5重量%の範囲内では飽和水蒸気の状態で存
在し、常圧の場合を例にとれば水の高い蒸発潜熱によっ
て温度が抑制され、過酸化水素水溶液の分解ガス温度は
100℃(飽和水蒸気温度)で頭打ちとなる。又、この
図1から圧力10atmの状態であっても分解ガス温度
は200℃程度に抑えられることが読み取れる。
【0036】ここで使用している過酸化水素の含有率を
60重量%とすれば、その分解ガス組成は18重量%の
酸素を含む水蒸気と僅かな量の液体の水に限られるの
で、空気とほぼ同様な組成のクリーンなガスが発生する
ことがわかる。又、エアバッグの展開時の圧力は、大気
圧+1atm程度であるので、ガス温度も110℃以下
に抑えられる。このため、他ガス発生剤のように分解生
成物によりバッグ材を焼損する虞は全くなく、更に火炎
も発生しないことが特徴としてあげられる。
【0037】図2は過酸化水素水溶液の基本物性を示し
ている。図中、(A)は各濃度における沸点と比重を示
し、(B)は過酸化水素水溶液濃度と凝固点の変化を示
している。(B)からは過酸化水素の含有率が60重量
%のところで凝固点の極小値を示すことがわかる。
【0038】インフレータは、車が置かれる厳しい低温
環境であっても一定性能を保つ必要がある。このため低
温環境下においても過酸化水素水溶液が凍るトラブルを
避けることが必要である。然しながら、図2の(B)は
低温環境要件値ー30℃でも凍ることのないことを示し
ている。
【0039】図2の(B)は横軸に過酸化水素の濃度、
縦軸に温度が示され曲線は各々の含有率での凝固点を示
しポイントを結んだものである。又、図中に示されてい
る数値は代表的な含有率での凝固点である。この図から
過酸化水素の含有率60重量%のもので凝固点が極小値
のー55.4℃を示していることがわかる。これは過酸
化水素の含有率60重量%のものはー55.4℃以上の
環境下であれば凍らないことを示している。
【0040】又、過酸化水素の凝固点は過酸化水素の含
有率60重量%を最小値として高濃度側及び低濃度側の
何れに進んでも凝固点はそれよりも高くなる。例えば、
過酸化水素の含有率50重量%ではー50.0℃、過酸
化水素の含有率70重量%ではー40.2℃となり、過
酸化水素の含有率35重量%ではー32.6℃となる。
従って、低温環境要件値ー30℃を満足するために
は、過酸化水素の含有率が35重量%以上でなければ凍
るトラブルを回避することができない。以上のことか
ら、過酸化水素の含有率は、35重量%〜64.5重量
%、好ましくは40重量%〜60重量%である。
【0041】更に言うならば、過酸化水素の含有率が1
1.5重量%〜30重量%の範囲では、過酸化水素は低
温環境下で、ガスを発生するという本来の目的を達成す
ることができないということがわかる。又、図2の
(A)は沸点についても高温環境要件値+80℃に対し
過酸化水素の含有率が60重量%では、沸点120℃と
問題のない値を示している。
【0042】このことは過酸化水素水溶液がインフレー
タの環境温度に対して充分な許容範囲を持っていること
を示している。このように本発明に用いられる中濃度の
過酸化水素はエアバッグへの応用に際し密閉状態で貯
蔵、保存して濃度上昇が避けられる環境に置けば高い安
全性と安全を保証できる。
【0043】前述したように、自動車用エアバッグを展
開して乗員を保護するためには、少なくとも50mse
c以内に分解反応を終了しガスを発生させ、エアバッグ
を100%展開させていなければならない。本発明はこ
の分解速度を持たせた点に特徴がある。即ち、過酸化水
素の分解触媒として記述した請求項4の物質に点火薬、
伝火薬と呼ばれる火薬類を混合し、火薬の亜音速に近い
分解反応を用いて数msec以内に請求項4に示される
物質を過酸化水素内に拡散させる。火薬の燃焼熱と分解
触媒の拡散速度によって50msec以内に分解を終了
させることができる。
【0044】これは特開昭56ー88804号公報で開
示されたガス発生器のガス発生速度より1000倍の速
さでガスを発生することを可能にしたものであり、速度
の観点から根本的な違いがある。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図面に示す
実施の形態に基づいて説明する。
【0046】図3は、請求項2および3に係るエアバッ
グ用液体ガス発生器の一実施の形態を示すものである。
図において、1はガス発生器の外殻本体である有底の高
圧容器を表す。高圧容器1は一端に底部2を有し、他端
3は開放されている。高圧容器1は、例えばアルミニウ
ム材から成るが、ステンレス・スチールまたは繊維強化
プラスチックスを使用することができる(請求項5)。
高圧容器1の内壁には破裂板20を固定する段部4とエ
ンドキャップ23を固定する段部5を有している。
【0047】この両段部4,5の間には、周方向に等間
隔にガス排出口6が穿設されている。8はガス発生剤を
構成する分解性液体9を封入する密封容器を表す。密封
容器8は高圧容器1の底部2および内面7に接してい
る。密封容器8は、アルミニウム、チタニウム、ステン
レス・スチール、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)、
4フッ化エチレン・パーフロロプロピルビニルエーテル
共重合体(PFA)、4フッ化エチレン 6フッ化プロ
ピレン共重合体(FEP)、3フッ化1塩化エチレン樹
脂(PCTFE)などのフッ素樹脂またはポリエチレン
などの合成樹脂で作られている(請求項16)。密封容
器8は、分解性液体9の経時変化を抑制するため重金属
を含まない純アルミニウム材で作られることが望まし
い。内蔵された分解性液体9がインフレータの使用中、
洩出することを防止するため、二重カシメ等完全な密封
が必要である。
【0048】また、フッ素樹脂(例えば、登録商標テフ
ロンなど)は経時変化抑制に有効であるので、密封容器
8が金属製の場合にはその内面に被覆する(請求項1
7)。勿論、密封容器8をフッ素樹脂で作ることは有効
である(請求項16)。分解性液体9は、過酸化水素水
溶液、水酸基硝酸アンモニウム水溶液、または分解して
ガスを発生する液体を使用することができるが、特に過
酸化水素水溶液が好適である(請求項6)。
【0049】エアバッグの容積およびその展開特性の調
整のため、密封容器8中の分解性液体9の量を変化させ
ることは可能である。しかし、極端に少ない場合は分解
反応が計画通り進行しないので、分解性液体9は、密封
容器8の内容積の50%以上が必要である(請求項1
8)。特に、50〜90%の内容積の場合が好適であ
る。
【0050】10は分解促進物質(触媒)放出手段を表
す。分解促進物質(触媒)放出手段10は、容器11内
に放出薬と分解促進物質(触媒)とを粉体の状態で混合
して収めることによって形成されている(請求項1
3)。放出薬は、点火器19から生ずる高温のガスによ
って燃焼する黒色火薬、ボロン/硝酸カリウム等の火薬
類が使用される。
【0051】分解性液体9として過酸化水素の含有率が
35重量%〜64.5重量%の水溶液を用いる場合は分
解促進物質(触媒)としてアルカル金属またはアルカリ
土類金属の過金属酸塩、アルカリ金属または金、白金、
銀、銅から成る金属酸塩、ランタノイド系の酸化物、
金、白金、銀、銅の粉末を使用することができる(請求
項7,8)。
【0052】12は隔離部材を表す。隔離部材12は、
例えば、アルミニウム材で作られ、図4に示すように、
密封容器8と分解反応室21を隔離する平板13と、平
板13の中央部に位置する円筒形の支柱14から成り、
平板13には複数個のガス通路15が等間隔に穿設され
ている。ガス通路15は高圧容器1に設けられたガス排
出口6との間にガスの通過経路が長くなるように配置さ
れている。円筒形の支柱14の内部には、点火器19と
分解促進物質(触媒)放出手段10が配置されている。
分解促進物質(触媒)放出手段10は、円筒形の支柱1
4の内部の段部16に当接し固定される。点火器19
は、円筒形の支柱14の内部の段部17に当接し固定さ
れる。
【0053】20は破裂板を表す。破裂板20は、分解
性液体9を封入された密封容器8の間に配置されたアル
ミウニウム円環板であるが、通常破裂板に使用される材
質でもよい。21は分解反応室を表す。
【0054】分解反応室21は、高圧容器1、隔離部材
12およびエンドキャップ23で形成される環状の空間
である。分解反応室21内には、網状構造物22が配置
されている(請求項10)。網状構造物22は、分解性
液体9の分解促進物質(触媒)として使用される金属か
ら作られる金網またはフェルト、あるいは多孔体であ
る。分解性液体9が過酸化水素水溶液であるときは銅製
の金網が望ましい(請求項11)。
【0055】網状構造物22を構成する線材が分解性液
体9の微粒分解促進物質(触媒)で被覆したものは、よ
り効果的である(請求項12)。エンドキャップ23は
高圧容器1の他端3の開放部によって内側にカシメられ
ている。これによって、エンドキャップ23の内側の段
部24に隔離部材12の先端部18が当接し、隔離部材
12が破裂部材20を介して高圧容器1に固定されると
ともに、分解促進物質(触媒)放出手段10および点火
器19を固定することができる。
【0056】なお、エンドキャップ23は、カシメに限
らず高圧容器1の他端3の開放部に螺着あるいは溶接す
る等によって固着される。次に、このように構成された
本実施の形態の作用を説明する。車輛衝突時、車輛に取
り付けられた衝突感知サンサー(図示せず)からの信号
により点火器19に電流が流れ、点火器19が作動する
と、点火器19に含まれる点火薬の燃焼によって点火器
19から高温のガスが発生する。
【0057】この高温ガスによって分解促進物質(触
媒)放出手段10内に配置された放出薬が点火する。放
出薬の燃焼によって発生する高温ガスの圧力は、空間2
5を介して密封容器8の一部を破壊し、分解性液体9の
中に分解促進物質(触媒)を高速で放出する。放出され
た分解促進物質(触媒)は放出薬の燃焼で発生したガス
の圧力で急激に攪拌され、分解性液体9は分解促進物質
(触媒)と接触して分解する。
【0058】分解性液体9が分解促進物質(触媒)と放
出薬から出る熱によって分解し、密封容器8内の圧力が
予定された値に達すると、密封容器8と破裂板20が破
壊して分解生成ガスが分解反応室21に流入する。未反
応の生成ガスは分解反応室21を通過する時間内で完全
に分解し、高圧容器1の側面に設けられたガス排出口6
よりエアバッグへガスが供給される。
【0059】分解反応室21内では、分解促進物質(触
媒)で作られた、あるいは分解促進物質(触媒)で被覆
された網状構造物22により、分解を完全にし、かつ、
ガス発生器内で発生する破裂板20の破片や固形生成物
の濾過をすることができる。図5は、請求項2および3
にかかるエアバッグ用液体ガス発生器の別の実施の形態
を示す。
【0060】この実施の形態では、図3における分解促
進物質(触媒)放出手段10を除いて図3と同一であ
る。分解促進物質(触媒)放出手段10は放出薬30と
分解促進物質(触媒)31が分離して配置されている。
図6および図7は、請求項2および3にかかるエアバッ
グ用液体ガス発生器の別の実施の形態を示す。
【0061】この実施の形態では、図3における分解促
進物質(触媒)放出手段10を除いて図3と同一であ
る。分解促進物質(触媒)放出手段10と密封容器8と
の間に棒状の金属製飛翔体33が配置されている。金属
製飛翔体33は、隔離部材12の内面に設けた段部16
にO−リング36を介して配設されている(請求項1
4)。金属製飛翔体33の先端34は錐状になってい
る。金属製飛翔体33の錐状の先端34の斜面35は、
図7に示すように、凹形であることが望ましい(請求項
15)。
【0062】この実施の形態では、分解性液体の密封容
器8と分解促進物質(触媒)放出手段10との間に金属
製飛翔体33が配置されているので、放出薬の燃焼で発
生するガスによって運動エネルギーを与えられた金属製
飛翔体33が密封容器8を突き破った後、高速で分解性
液体の中を飛翔する。金属製飛翔体33の飛翔進行方向
の後に生ずる乱流によって、より効果的な攪拌が行われ
るので分解反応が促進され、直径の大なる密封容器8に
対しては好ましい機能を有している。
【0063】特に、金属製飛翔体棒33の先端34の錐
部斜面35が凹形の場合は、攪拌効果が著しく分解反応
の促進に有効である。図8は、請求項2および4に係る
エアバッグ用液体ガス発生器の一実施の形態を示すもの
である。この実施に形態では、分解反応室21が高圧容
器1の底部2側に穿設したガス排出口6に対応して設け
られている。
【0064】高圧容器1の内側には、ガス排出口6の近
傍で底部2とは反対側の部位に環状の突起40を形成す
ることによって破裂板20を固定する段部41が設けら
れている。高圧容器1の他端3の開放部側では、ガス排
出口6が穿設されていないので、隔離部材12にはガス
通路が形成されていない。
【0065】なお、この実施の形態では、隔離部材12
を図3と同様にしたが、これに代えてエンドキャップ2
3を厚肉にし、円筒形の支柱14と同様の機能を持たせ
ることができる。その場合には、隔離部材12は、ガス
通路のない環状の平板で形成されることになる。また、
分解促進物質(触媒)放出手段10は、図5に示すガス
発生器のように、放出薬30と分解促進物質(触媒)3
1とを分離しても良い。
【0066】さらに、図6に示すように、分解促進物質
(触媒)放出手段10と密封容器8との間に棒状の金属
製飛翔体33を配置しても良い。上記各実施の形態で
は、環状の破裂板20を用いたが、図3ないし図6に示
す実施の形態においては、ガス通路15に設けても良
い。
【0067】また、密封容器8の強度を調整した場合に
は、破裂板20を省略することも可能である(請求項
1)。さらに、分解反応室21は、容積が取れれば、分
解性液体を分解させる網状構造物を省くこともできる
(請求項1ないし4)。また、高圧容器1は、有底の容
器としたが、筒体の両端をキャップで閉塞するものであ
っても良い。
【0068】図9は、本発明のエアバグ用液体ガス発生
器Xを自動車のステアリングYに取り付けた概要説明図
である。ABはエアバッグを表す。エアバグ用液体ガス
発生器Xは、図3ないし図8に示す実施の形態とはその
構造を異にしているが、ステアリングYのポストZに取
り付くことを示すに止まるものである。
【0069】
【実施例1】図6に示す分解性液体ガス発生器を使用し
て、通常エアバッグ用ガス発生器のガス発生挙動が解析
できる60リットル・タンクテストを行った。分解性液
体9として60重量%の過酸化水素水溶液60cm3
放出薬としてボロン/硝酸カリウム2.25g、分解促
進物質(触媒)として過マンガン酸カリウム(請求項
9)0.3g、金属製飛翔体33として直径4ミリメー
トルのステンレス・スチール、破裂板20として1mm
厚さのアルミニウム板、分解反応室21内の網状構造物
22として80メッシュ通過の過マンガン酸カリウムで
被覆された40メッシュの銅製金網2枚重ねを用いた
時、常温でのテスト結果は50ミリ秒で100キロパス
カルのタンク圧を得た。これは通常、運転手席用エアバ
ッグを展開するのに充分な結果である。
【0070】
【実施例2】図6に示す分解性液体ガス発生器を使用し
て、通常エアバッグ用ガス発生器のガス発生挙動が解析
できる60リットル・タンクテストを行った。
【0071】分解性液体9として60重量%の過酸化水
素水溶液100cm3、放出薬としてボロン/硝酸カリ
ウム2.65g、分解促進物質(触媒)として過マンガ
ン酸カリウム0.3gを用いた場合は、60ミリ秒で2
50キロパスカルのタンク圧を得た。これは通常、助手
席用エアバッグを展開するのに充分な結果である。エア
バッグ用ガス発生器を60リットルタンクで作動試験し
た時に得られる典型的なタンク圧〜時間曲線を図10に
示す。
【0072】曲線Aは理想的なエアバッグ展開可能なタ
ンク圧〜時間曲線を示す。運転手席用ガス発生器に過酸
化水素水溶液をガス発生剤として使用する時は、30〜
50ミリ秒で最高圧が100〜150キロパスカルに達
することが望ましく、助手席用の場合は50〜70ミリ
秒で最高圧が200〜300キロパスカルになることが
望ましい。曲線Aは、実施例1および実施例2において
実現している。
【0073】曲線Bは分解反応室21が存在しない場合
のタンク〜時間曲線を示す。ここでは、過酸化水素の分
解が不十分で設計通りのタンク圧が得られない場合を示
す。曲線Cは分解促進物質(触媒)放出手段が適切でな
い場合のタンク〜時間曲線を示す。ここでは、過酸化水
素の分解が均一に進まず時間的におくれて破裂板20を
破り、ガスが排出され、かつ、未分解過酸化水素が排出
されるため、設計上のタンク圧が得られない場合を示
す。勿論、曲線BおよびCの場合、エアバッグの展開は
不十分になる。
【0074】
【発明の効果】以上のように、請求項1ないし18に記
載された発明によれば、車輛衝突時に乗員を保護するた
め、エアバッグを瞬時に設計通り安価な方法で展開させ
る技術的手段として分解性液体を瞬時に、かつ、完全に
分解させることができる。すなわち、密封容器に入れら
れた分解性液体と、分離して配置されたその化学分解促
進物質(触媒)を、分解性液体と均一で瞬時に接触さ
せ、一部未分解のまま密封容器から放出される分解性液
体を分解反応室で完全に分解することができる。
【0075】したがって、分解性液体の分解速度が著し
く向上し、50〜60msecで完全に分解し、しかも
未分解物を出さないエアバッグ用液体ガス発生器を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】過酸化水素水溶液の濃度に対する生成ガスの組
成と温度の変化を示す図である。
【図2】過酸化水素水溶液の基本特性を示す図である。
【図3】請求項2,3に係るエアバッグ用液体ガス発生
器の一実施の形態を示す断面図である。
【図4】図1の隔離部材を示す斜視図である。
【図5】請求項2,3に係るエアバッグ用液体ガス発生
器の別の実施の形態を示す断面図である。
【図6】請求項2,4に係るエアバッグ用液体ガス発生
器の一実施の形態を示す断面図である。
【図7】図6の分解促進物質(触媒)放出手段と金属製
飛翔体と点火具との関係を示す分解説明図である。
【図8】請求項2および4に係るエアバッグ用液体ガス
発生器の別の実施の形態を示す断面図である。
【図9】本発明のエアバグ用液体ガス発生器Xを自動車
のステアリングYに取り付けた概要説明図である。
【図10】図3のエアバッグ用液体ガス発生器に係る実
施例1および実施例2の生成ガスの圧力、時間を示す図
である。
【符合の説明】
1 高圧容器 6 ガス排出口 8 密封容器 9 分解性液体 10 分解促進物質(触媒)放出手段 12 隔離部材 19 点火器 20 破裂板 21 分解反応室 22 網状構造物 23 エンドキャップ 25 触媒放出口 30 放出薬 31 分解促進物質(触媒) 33 金属製飛翔体 35 斜面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 淳一 福島県西白河郡西郷村大字長坂字土生2の 1 日本工機株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体の分解を利用するエアバッグ用液体
    ガス発生器において、 壁面にエアバッグへのガス排出
    口を有する高圧容器と、 分解性液体を封入した密封容器と、 分解促進物質放出手段と、 点火器とを備え、 密封容器、分解促進物質放出手段および点火器は高圧容
    器内に配され、密封容器とガス排出口との間には分解反
    応室が形成されていることを特徴とするエアバッグ用液
    体ガス発生器。
  2. 【請求項2】 液体の分解を利用するエアバッグ用液体
    ガス発生器において、 壁面にエアバッグへのガス排出
    口を有する高圧容器と、 分解性液体を封入した密封容器と、 分解促進物質放出手段と、 密封容器と分解促進物質放出手段との間に配される破裂
    板と、 点火器とを備え、 密封容器、破裂板、分解促進物質放出手段および点火器
    は高圧容器内に配され、密封容器とガス排出口との間に
    は破裂板を介して分解反応室が形成されていることを特
    徴とするエアバッグ用液体ガス発生器。
  3. 【請求項3】 液体の分解を利用するエアバッグ用液体
    ガス発生器において、 開口端側の壁面にエアバッグへのガス排出口を有する有
    底の高圧容器と、 分解性液体を封入した密封容器と、 分解促進物質放出手段と、 密封容器と分解促進物質放出手段との間に配される破裂
    板と、 点火器と、 分解促進物質放出手段および点火器を装着する空洞部と
    ガス通路を有する隔離部材と、 高圧容器の開口側に配されるエンドキャップとを備え、 高圧容器内には密封容器、破裂板、隔離部材、分解促進
    物質放出手段、点火器およびエンドキャップが配され、
    ガス通路とガス排出口との間には破裂板を介して分解反
    応室が形成され、高圧容器の開口端部とエンドキャップ
    とが固着されていることを特徴とするエアバッグ用液体
    ガス発生器。
  4. 【請求項4】 液体の分解を利用するエアバッグ用液体
    ガス発生器において、 底部側の壁面にエアバッグへのガス排出口を有する有底
    の高圧容器と、 高圧容器の底部側に形成される分解反応室と、 分解性液体を封入した密封容器と、 分解反応室と密封容器との間に配される破裂板と、 分解促進物質放出手段と、 点火器と、 分解促進物質放出手段および点火器を密封容器から隔離
    する隔離部材と、 高圧容器の開口側に配されるエンドキャップとを備え、 高圧容器内には破裂板、密封容器、隔離部材、分解促進
    物質放出手段、点火器およびエンドキャップが配され、
    高圧容器の開口端部とエンドキャップとが固着されてい
    ることを特徴とするエアバッグ用液体ガス発生器。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4の何れかに記載のエア
    バッグ用液体ガス発生器において、高圧容器はアルミニ
    ウム、ステンレス・スチール、ガラス繊維強化プラスチ
    ックスであることを特徴とするエアバッグ用液体ガス発
    生器。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4の何れかに記載のエア
    バッグ用液体ガス発生器において、分解性液体は過酸化
    水素水溶液または水酸基硝酸アンモニウム水溶液である
    ことを特徴とするエアバッグ用液体ガス発生器。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のエアバッグ用液体ガス発
    生器において、過酸化水素水溶液は35重量%ないし6
    4.5%重量の水溶液であることを特徴とするエアバッ
    グ用液体ガス発生器。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし4の何れかに記載のエア
    バッグ用液体ガス発生器において、分解促進物質はアル
    カリ金属またはアルカリ土類金属の過金属酸塩、アルカ
    リ金属または金、白金、銀、銅から成る金属酸塩、ラン
    タノイド系の酸化物、金、白金、銀、銅の粉末であるこ
    とを特徴とするエアバッグ用液体ガス発生器。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のエアバッグ用液体ガス発
    生器において、アルカリ金属の過金属酸塩は、過マンガ
    ン酸カリウムであることを特徴とするエアバッグ用液体
    ガス発生器。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし4の何れかに記載のエ
    アバッグ用液体ガス発生器において、分解反応室には分
    解性液体を分解させる線材から構成される網状構造物が
    内蔵されていることを特徴とするエアバッグ用液体ガス
    発生器。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のエアバッグ用液体ガ
    ス発生器において、線材はパラジウム、金、白金、銀、
    銅、鉄、ステンレス・スチールであることを特徴とする
    エアバッグ用液体ガス発生器。
  12. 【請求項12】 請求項10記載のエアバッグ用液体ガ
    ス発生器において、線材は請求項8記載の分解促進物質
    で被覆されていることを特徴とするエアバッグ用液体ガ
    ス発生器。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし4の何れかに記載のエ
    アバッグ用液体ガス発生器において、分解促進物質放出
    手段は分解促進物質と放出薬を含むことを特徴とするエ
    アバッグ用液体ガス発生器。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし4の何れかに記載のエ
    アバッグ用液体ガス発生器において、分解促進物質放出
    手段は金属製飛翔体を含むことを特徴とするエアバッグ
    用液体ガス発生器。
  15. 【請求項15】 請求項14記載のエアバッグ用液体ガ
    ス発生器において、金属製飛翔体の先端は錐形をなし、
    その斜面は凹形であることを特徴とするエアバッグ用液
    体ガス発生器。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし4の何れかに記載のエ
    アバッグ用液体ガス発生器において、密封容器はアルミ
    ニウム、チタニウム、ステンレス・スチール、フッ素樹
    脂を含む合成樹脂であることを特徴とするエアバッグ用
    液体ガス発生器。
  17. 【請求項17】 請求項16記載のエアバッグ用液体ガ
    ス発生器において、密封容器の内面はフッ素樹脂で被覆
    されていることを特徴とするエアバッグ用液体ガス発生
    器。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし4の何れかに記載のエ
    アバッグ用液体ガス発生器において、密封容器内の分解
    性液体の容積は密封容器の内容積の50%以上であるこ
    とを特徴とするエアバッグ用液体ガス発生器。
JP8013173A 1995-02-27 1996-01-29 エアバッグ用液体ガス発生器 Pending JPH09202206A (ja)

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DE0757975T DE757975T1 (de) 1995-02-27 1996-02-23 Gaserzeugungsmittel für airbags und deren verwendung in einem gasgenerator für einen airbag
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KR1019960706066A KR970702796A (ko) 1995-02-27 1996-10-28 에어백용 가스발생제 및 이것을 사용한 에어백용 가스발생기(airbag gas-generating agent and airbag gas generator using the same)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009179100A (ja) * 2008-01-29 2009-08-13 Nippon Kayaku Co Ltd ガス発生器

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