JPH09201574A - タンク内の原油スラッジを処理する方法 - Google Patents
タンク内の原油スラッジを処理する方法Info
- Publication number
- JPH09201574A JPH09201574A JP1410996A JP1410996A JPH09201574A JP H09201574 A JPH09201574 A JP H09201574A JP 1410996 A JP1410996 A JP 1410996A JP 1410996 A JP1410996 A JP 1410996A JP H09201574 A JPH09201574 A JP H09201574A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sludge
- tank
- crude oil
- oil
- phase
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Treatment Of Sludge (AREA)
- Polyethers (AREA)
- Cleaning In General (AREA)
- Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 原油タンク底部のスラッジに、所定の処理剤
を加えて、攪拌するだけで容易に流動化して、効率的に
タンクから排出することができ、かつ特別の処理を施す
ことなくスラッジを油相と水相に分離できる、スラッジ
の処理方法を提供する。 【解決手段】 タンク底部に堆積した原油スラッジに、
HLBが7〜13である、フェノール性水酸基を有する
化合物のアルキレンオキシド付加物を添加して流動化し
た後、流動化したスラッジをタンク外に排出し、該スラ
ッジを油相と水相に分離することを特徴とする原油スラ
ッジの処理方法。
を加えて、攪拌するだけで容易に流動化して、効率的に
タンクから排出することができ、かつ特別の処理を施す
ことなくスラッジを油相と水相に分離できる、スラッジ
の処理方法を提供する。 【解決手段】 タンク底部に堆積した原油スラッジに、
HLBが7〜13である、フェノール性水酸基を有する
化合物のアルキレンオキシド付加物を添加して流動化し
た後、流動化したスラッジをタンク外に排出し、該スラ
ッジを油相と水相に分離することを特徴とする原油スラ
ッジの処理方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原油タンク底部に
滞留した含水汚泥(スラッジ)を排出し処理する方法に
関するものである。さらに詳細に述べると、本発明は、
原油タンク底部のスラッジを、所定の処理剤により流動
化して効率的にタンクから排出し、次いでスラッジを油
相と水相に分離することにより、油相をタンクにリサイ
クルし、かつ水相を排水処理する、産業廃棄物をほとん
ど出さないスラッジの処理方法に関するものである。
滞留した含水汚泥(スラッジ)を排出し処理する方法に
関するものである。さらに詳細に述べると、本発明は、
原油タンク底部のスラッジを、所定の処理剤により流動
化して効率的にタンクから排出し、次いでスラッジを油
相と水相に分離することにより、油相をタンクにリサイ
クルし、かつ水相を排水処理する、産業廃棄物をほとん
ど出さないスラッジの処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原油貯蔵用のストレージタンクは定期的
な内部開放検査が義務づけられており、タンクの検査時
には底部に堆積した原油スラッジを除去しなければなら
ない。しかし、該スラッジは高粘度のエマルジョン状態
であるため人手を使って除去、排出しており、その作業
には多くの人員、日数及び多額の費用が必要である。ま
た、タンクから除去したスラッジは多量の水を含んでい
るため、燃料等として再利用することも難しく、産業廃
棄物として処理されているが、処理場や環境への影響か
ら今後は廃棄物として処理することが出来なくなる可能
性もあり、処理コストの著しい上昇も予想される。この
ようなスラッジ処理の課題を解決するため、タンク内の
スラッジに添加剤を加えて流動化し、ポンプ等を用いて
除去する方法が開発されてきた。例えば、特開平3−2
29682号公報に記載されているように、抗乳化剤と
塩化物を温水に入れ60℃に加温した処理液を、油槽内
に高圧噴射することによりスラッジを流動化し、さらに
油水分離装置に入れて油水分離し、その温水を再度タン
クに入れてタンクを洗浄することで短時間にスラッジを
タンク外に排出し、且つ油水分離処理も短時間で行うこ
とができる方法である。しかし、この方法では、処理水
の温度が60℃と高いので、スラッジ内の低沸点油分が
多量に揮発し、作業環境を著しく悪化させ、かつ火災の
恐れも高くなり、さらに油分を含む処理廃水が大量に生
じ、これを産業廃棄物として処理しなければならないと
いう問題が生じる。このため特開平3−229682号
公報の方法は、原油貯蔵タンクのような大型タンクで実
施するのは実用上困難である。また、特開昭61-268345
号公報は、重油タンク内のスラッジ除去を目的とする、
低分子アルコール、グリコールエーテル及びポリエトキ
シ化した化合物を含む残油スラッジ分散剤を開示する。
しかし、この方法でも原油スラッジをポンプ輸送にでき
る程度に流動化するのは容易ではなく、また、スラッジ
を油相と水相に分離するためには加熱しなければならな
いという問題がある。
な内部開放検査が義務づけられており、タンクの検査時
には底部に堆積した原油スラッジを除去しなければなら
ない。しかし、該スラッジは高粘度のエマルジョン状態
であるため人手を使って除去、排出しており、その作業
には多くの人員、日数及び多額の費用が必要である。ま
た、タンクから除去したスラッジは多量の水を含んでい
るため、燃料等として再利用することも難しく、産業廃
棄物として処理されているが、処理場や環境への影響か
ら今後は廃棄物として処理することが出来なくなる可能
性もあり、処理コストの著しい上昇も予想される。この
ようなスラッジ処理の課題を解決するため、タンク内の
スラッジに添加剤を加えて流動化し、ポンプ等を用いて
除去する方法が開発されてきた。例えば、特開平3−2
29682号公報に記載されているように、抗乳化剤と
塩化物を温水に入れ60℃に加温した処理液を、油槽内
に高圧噴射することによりスラッジを流動化し、さらに
油水分離装置に入れて油水分離し、その温水を再度タン
クに入れてタンクを洗浄することで短時間にスラッジを
タンク外に排出し、且つ油水分離処理も短時間で行うこ
とができる方法である。しかし、この方法では、処理水
の温度が60℃と高いので、スラッジ内の低沸点油分が
多量に揮発し、作業環境を著しく悪化させ、かつ火災の
恐れも高くなり、さらに油分を含む処理廃水が大量に生
じ、これを産業廃棄物として処理しなければならないと
いう問題が生じる。このため特開平3−229682号
公報の方法は、原油貯蔵タンクのような大型タンクで実
施するのは実用上困難である。また、特開昭61-268345
号公報は、重油タンク内のスラッジ除去を目的とする、
低分子アルコール、グリコールエーテル及びポリエトキ
シ化した化合物を含む残油スラッジ分散剤を開示する。
しかし、この方法でも原油スラッジをポンプ輸送にでき
る程度に流動化するのは容易ではなく、また、スラッジ
を油相と水相に分離するためには加熱しなければならな
いという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、原油タンク
底部のスラッジに、所定の処理剤を加えて、攪拌するだ
けで容易に流動化して、効率的にタンクから排出するこ
とができ、かつ特別の処理を施すことなくスラッジを油
相と水相に分離できる、スラッジの処理方法を提供する
ことを目的とする。特に本発明は、スラッジを高い効率
で油相と水相を分離できるので、油相をタンクにリサイ
クルし、かつ水相を無処理又は簡単な処理で下水に流す
ことができる。したがって、本発明は、産業廃棄物をほ
とんど出さないスラッジの処理方法を提供することがで
きる。
底部のスラッジに、所定の処理剤を加えて、攪拌するだ
けで容易に流動化して、効率的にタンクから排出するこ
とができ、かつ特別の処理を施すことなくスラッジを油
相と水相に分離できる、スラッジの処理方法を提供する
ことを目的とする。特に本発明は、スラッジを高い効率
で油相と水相を分離できるので、油相をタンクにリサイ
クルし、かつ水相を無処理又は簡単な処理で下水に流す
ことができる。したがって、本発明は、産業廃棄物をほ
とんど出さないスラッジの処理方法を提供することがで
きる。
【0004】
【課題を解決するための手段】原油スラッジは、アスフ
ァルテンやマルテンなどの固形分、ワックス、高粘度物
質などを含む高粘度のエマルジョンであり、多くの芳香
環が結合した多環構造の高分子化合物を含んでいる。こ
のため乳化物を油と水に分離する公知のエマルジョンブ
レーカーでは、原油スラッジを流動化し、かつ油相と水
相に分離するのは困難であった。本発明者らは、前記課
題を解決するために研究を行った結果、原油スラッジを
流動化して油水に分離するには、スラッジに対する吸着
速度が速く、しかも油及び水との相溶性のよい最適なH
LBを持った処理剤が有効であるという知見を得た。ま
た、本発明者らは、原油スラッジ、すなわち多量の水分
と油分を有する高粘度のW/O型エマルジョンに、最適
なHLBを持った所定の処理剤を加えることにより粘度
が急激に低下し、W/O型エマルジョンからO/W型エ
マルジョンへの変換過程において、O/W型エマルジョ
ンに構造を変えると、水分が凝集し油相と水相に分離す
るという知見を得た。本発明はこれらの知見に基づいて
完成したものである。したがって、本発明は、タンク底
部に堆積した原油スラッジに、HLBが7〜13であ
る、フェノール性水酸基を有する化合物のアルキレンオ
キシド付加物を添加して流動化した後、流動化したスラ
ッジをタンク外に排出し、該スラッジを油相と水相に分
離することを特徴とする原油スラッジの処理方法を提供
する。次に本発明の内容を詳細に説明する。
ァルテンやマルテンなどの固形分、ワックス、高粘度物
質などを含む高粘度のエマルジョンであり、多くの芳香
環が結合した多環構造の高分子化合物を含んでいる。こ
のため乳化物を油と水に分離する公知のエマルジョンブ
レーカーでは、原油スラッジを流動化し、かつ油相と水
相に分離するのは困難であった。本発明者らは、前記課
題を解決するために研究を行った結果、原油スラッジを
流動化して油水に分離するには、スラッジに対する吸着
速度が速く、しかも油及び水との相溶性のよい最適なH
LBを持った処理剤が有効であるという知見を得た。ま
た、本発明者らは、原油スラッジ、すなわち多量の水分
と油分を有する高粘度のW/O型エマルジョンに、最適
なHLBを持った所定の処理剤を加えることにより粘度
が急激に低下し、W/O型エマルジョンからO/W型エ
マルジョンへの変換過程において、O/W型エマルジョ
ンに構造を変えると、水分が凝集し油相と水相に分離す
るという知見を得た。本発明はこれらの知見に基づいて
完成したものである。したがって、本発明は、タンク底
部に堆積した原油スラッジに、HLBが7〜13であ
る、フェノール性水酸基を有する化合物のアルキレンオ
キシド付加物を添加して流動化した後、流動化したスラ
ッジをタンク外に排出し、該スラッジを油相と水相に分
離することを特徴とする原油スラッジの処理方法を提供
する。次に本発明の内容を詳細に説明する。
【0005】本発明で用いる処理剤は、HLBが7〜1
3である、フェノール性水酸基を有する化合物のアルキ
レンオキシド付加物である。該付加物の調製に用いるフ
ェノール性水酸基を有する化合物は、炭素原子数6〜1
2個、好ましくは8〜10個のアルキル基を有するアル
キルフェノールである。この化合物の好ましい例を挙げ
ると、オクチルフェノール、ノニルフェノール、デシル
フェノール、ドデシルフェノールなどがあり、特にノニ
ルフェノールが最適である。また、該化合物に付加する
アルキルオキシドは、炭素原子数2〜4個、好ましくは
2〜3個を有するのものであり、例えば、エチレンオキ
シド、及びプロピレンオキシドなどである。その中でも
特にエチレンオキシドが最適である。
3である、フェノール性水酸基を有する化合物のアルキ
レンオキシド付加物である。該付加物の調製に用いるフ
ェノール性水酸基を有する化合物は、炭素原子数6〜1
2個、好ましくは8〜10個のアルキル基を有するアル
キルフェノールである。この化合物の好ましい例を挙げ
ると、オクチルフェノール、ノニルフェノール、デシル
フェノール、ドデシルフェノールなどがあり、特にノニ
ルフェノールが最適である。また、該化合物に付加する
アルキルオキシドは、炭素原子数2〜4個、好ましくは
2〜3個を有するのものであり、例えば、エチレンオキ
シド、及びプロピレンオキシドなどである。その中でも
特にエチレンオキシドが最適である。
【0006】また、本発明では、処理剤のHLBを7〜
13、特に8〜12とするのが好ましい。このようにH
LBを規定するのは、7よりも低いか、又は13より高
いと、原油スラッジのエマルジョンをW/O型からO/
W型に変換できないために流動化せず、油相と水相との
分離もおきないためである。また、本発明の処理剤を、
直接スラッジに添加してもよいが、溶媒で希釈して用い
てもよい。その溶媒としては鉱油、アルコール、ブチル
セロソルブ、フェニルセロソルブなどを用いることがで
きる。
13、特に8〜12とするのが好ましい。このようにH
LBを規定するのは、7よりも低いか、又は13より高
いと、原油スラッジのエマルジョンをW/O型からO/
W型に変換できないために流動化せず、油相と水相との
分離もおきないためである。また、本発明の処理剤を、
直接スラッジに添加してもよいが、溶媒で希釈して用い
てもよい。その溶媒としては鉱油、アルコール、ブチル
セロソルブ、フェニルセロソルブなどを用いることがで
きる。
【0007】また、本発明の処理剤は、他の添加剤、例
えば各種の酸化防止剤、燃焼改良剤、アンチノック剤、
流動点降下剤を併用することができ、さらに本発明の処
理剤の性能を阻害しない範囲において、他の界面活性剤
を併用することもできる。本発明で処理する原油スラッ
ジは、原油タンク低部に滞留したものであり、B型粘度
計の測定で粘度が5000〜10000cP、水分量は
50〜80%(JISK2275、蒸留法)のものであ
る。本発明の処理方法においては、まず、原油タンクの
底部に滞留したスラッジに前記処理剤を添加し、攪拌機
又はハンディスターラーなどを用いて撹拌してスラッジ
を流動化させる。そして、通常、流動化したスラッジ
を、ポンプ輸送で原油タンクの外に取り出して、静置槽
に導くと、静置直後に分離がおきるが、さらに12時間
程度静置して、油相と水相とを相分離させる。本発明で
は油相中の水分が20〜30%と少ないため、上層の油
分を回収して別のタンクの原油中に混合し再利用するこ
とができ、また水相中の油分濃度も少ないため、水相を
既存の処理装置を用いて排水処理して下水等に直接流す
ことも可能である。なお、本発明の方法は、10〜25
℃の範囲でスラッジを流動化し油水に分離することがで
きるので、通常スラッジや添加剤を加熱する必要はな
い。また、本発明では、所定のアルキレンオキシド付加
物を、原油スラッジ1トン当たり、2000〜8000
g、特に3000〜6000g使用するのが好ましい。
えば各種の酸化防止剤、燃焼改良剤、アンチノック剤、
流動点降下剤を併用することができ、さらに本発明の処
理剤の性能を阻害しない範囲において、他の界面活性剤
を併用することもできる。本発明で処理する原油スラッ
ジは、原油タンク低部に滞留したものであり、B型粘度
計の測定で粘度が5000〜10000cP、水分量は
50〜80%(JISK2275、蒸留法)のものであ
る。本発明の処理方法においては、まず、原油タンクの
底部に滞留したスラッジに前記処理剤を添加し、攪拌機
又はハンディスターラーなどを用いて撹拌してスラッジ
を流動化させる。そして、通常、流動化したスラッジ
を、ポンプ輸送で原油タンクの外に取り出して、静置槽
に導くと、静置直後に分離がおきるが、さらに12時間
程度静置して、油相と水相とを相分離させる。本発明で
は油相中の水分が20〜30%と少ないため、上層の油
分を回収して別のタンクの原油中に混合し再利用するこ
とができ、また水相中の油分濃度も少ないため、水相を
既存の処理装置を用いて排水処理して下水等に直接流す
ことも可能である。なお、本発明の方法は、10〜25
℃の範囲でスラッジを流動化し油水に分離することがで
きるので、通常スラッジや添加剤を加熱する必要はな
い。また、本発明では、所定のアルキレンオキシド付加
物を、原油スラッジ1トン当たり、2000〜8000
g、特に3000〜6000g使用するのが好ましい。
【0008】
【発明の効果】本発明の処理方法により、原油タンク底
部に滞留したスラッジの流動性を著しく改善し、タンク
から容易に排出することができる。さらに排出したスラ
ッジを静置することにより油相と水相に分離し、その油
分をタンクにリサイクルすることができ、同時に水相に
既存の排水処理装置で排水処理を施して下水等に流すこ
とができる。したがって、本発明の処理方法は、タンク
内の原油スラッジを、迅速かつ低コストで、産業廃棄物
を出すことなく処理することを可能にする。
部に滞留したスラッジの流動性を著しく改善し、タンク
から容易に排出することができる。さらに排出したスラ
ッジを静置することにより油相と水相に分離し、その油
分をタンクにリサイクルすることができ、同時に水相に
既存の排水処理装置で排水処理を施して下水等に流すこ
とができる。したがって、本発明の処理方法は、タンク
内の原油スラッジを、迅速かつ低コストで、産業廃棄物
を出すことなく処理することを可能にする。
【0009】
【実施例】次に実施例を基づき、本発明を更に具体的に
説明する。 〔実施例1〜3〕試料としてタンク底部から採取した、
水分76%、粘度5000cPの原油スラッジを用い
た。該原油スラッジ200gを300mlのプラスチッ
ク容器に秤量し、表1に記載された処理剤を0.5重量%
添加し攪拌直後のスラッジの粘度を測定した後、ホモデ
ィスパー(特殊機化製)を用いて、800rpmで約2
0分間撹拌した。約10時間静置後、下記の式(I)に
基づいて分離率を計算した。また、油相を分離してその
粘度及び水分含有量を求めた。水分の測定はJISK2
275、原油及び石油製品水分試験方法の蒸留法で求め
た。また、粘度はB形粘度計(ローター形状No. 2、回
転数60rpm)により測定した。測定した結果を表1に
示した。 分離率=下層の高さ/全体の高さ×100 …(I) 〔実施例4〜5〕実施例1及び実施例2で用いた処理剤
を、濃度40%となるようにブチルセロソルブに希釈
し、この溶液をスラッジに0.7重量%添加してその減粘
化効果および分離効果を測定した。その結果を、表1に
示した。 〔比較例1〜5〕比較例として、表1に記載したアニオ
ン界面活性剤、ノニオン界面活性剤を単独で用い、実施
例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
説明する。 〔実施例1〜3〕試料としてタンク底部から採取した、
水分76%、粘度5000cPの原油スラッジを用い
た。該原油スラッジ200gを300mlのプラスチッ
ク容器に秤量し、表1に記載された処理剤を0.5重量%
添加し攪拌直後のスラッジの粘度を測定した後、ホモデ
ィスパー(特殊機化製)を用いて、800rpmで約2
0分間撹拌した。約10時間静置後、下記の式(I)に
基づいて分離率を計算した。また、油相を分離してその
粘度及び水分含有量を求めた。水分の測定はJISK2
275、原油及び石油製品水分試験方法の蒸留法で求め
た。また、粘度はB形粘度計(ローター形状No. 2、回
転数60rpm)により測定した。測定した結果を表1に
示した。 分離率=下層の高さ/全体の高さ×100 …(I) 〔実施例4〜5〕実施例1及び実施例2で用いた処理剤
を、濃度40%となるようにブチルセロソルブに希釈
し、この溶液をスラッジに0.7重量%添加してその減粘
化効果および分離効果を測定した。その結果を、表1に
示した。 〔比較例1〜5〕比較例として、表1に記載したアニオ
ン界面活性剤、ノニオン界面活性剤を単独で用い、実施
例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
【0010】
【表1】 表1:添加剤の種類と粘度、分離率 処理剤の種類 スラッジ 分離率 油相の 油層の の粘度(CP) (%) 粘度(CP) 水分(%) 実施例1 POE(5)NPE1) 40 70 500 20.0 実施例2 POE(7)NPE2) 70 65 550 31.4 実施例3 POE(3)NPE3) 110 63 480 35.1 実施例4 POE(5)NPE/ブチル 30 72 350 17.4 セロソルブ 実施例5 POE(7)NPE/ブチル 60 68 400 25.0 セロソルブ 比較例1 LAS4) 減粘化せず − − 比較例2 AOS5) 減粘化せず − − 比較例3 POE(2)NPE6) 減粘化せず − − 比較例4 POE(12)NPE7) 減粘化せず − − 比較例5 POE(5)NPE 減粘化せず − − ホルマリン縮合物 のトール油脂肪酸 エステル8)
【0011】*1)ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル(エチレンオキシドの平均付加モル数=5,H
LB 10.0) *2)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エ
チレンオキシドの平均付加モル数=7,HLB 1
1.7) *3)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エ
チレンオキシドの平均付加モル数=3,HLB 7.
5) *4)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(アルキル基
の炭素数=10〜14) *5)炭素原子数10〜18個のα−オレフィンスルホ
ン酸塩 *6)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エ
チレンオキシドの平均付加モル数=2,HLB 5.
7) *7)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エ
チレンオキシドの平均付加モル数=12,HLB
14.1) *8)ポリオキシエチレンノニルフェノールホルマリン
縮合物のトール油脂肪酸エステル(エチレンオキシド付
加モル数=5)
エーテル(エチレンオキシドの平均付加モル数=5,H
LB 10.0) *2)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エ
チレンオキシドの平均付加モル数=7,HLB 1
1.7) *3)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エ
チレンオキシドの平均付加モル数=3,HLB 7.
5) *4)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(アルキル基
の炭素数=10〜14) *5)炭素原子数10〜18個のα−オレフィンスルホ
ン酸塩 *6)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エ
チレンオキシドの平均付加モル数=2,HLB 5.
7) *7)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エ
チレンオキシドの平均付加モル数=12,HLB
14.1) *8)ポリオキシエチレンノニルフェノールホルマリン
縮合物のトール油脂肪酸エステル(エチレンオキシド付
加モル数=5)
【0012】〔実施例6〕上記実施例で得られた結果に
基づき、タンクから除去したスラッジに実施例1で用い
た添加剤を所定量添加してその有効性を確認した。スラ
ッジ(水分72%、粘度5000cp)約20トンを角
形の槽に入れ、処理剤としてPOE(EO付加モル数;
5)ノニルフェニルエーテルをスラッジに対して0.5重
量%添加し、約1時間撹拌及びバブリングを行ってスラ
ッジを流動化した。流動化後、直ちに油水に分離した
が、その後、約1昼夜静置した。油相及び水相に分離し
た分離率及び油相の水分、粘度を表2に示した。
基づき、タンクから除去したスラッジに実施例1で用い
た添加剤を所定量添加してその有効性を確認した。スラ
ッジ(水分72%、粘度5000cp)約20トンを角
形の槽に入れ、処理剤としてPOE(EO付加モル数;
5)ノニルフェニルエーテルをスラッジに対して0.5重
量%添加し、約1時間撹拌及びバブリングを行ってスラ
ッジを流動化した。流動化後、直ちに油水に分離した
が、その後、約1昼夜静置した。油相及び水相に分離し
た分離率及び油相の水分、粘度を表2に示した。
【0013】
【表2】 表2;分離実験の結果 ───────────────────────────────── 分離度 70% 油層 水分 23% 粘度 350cp ─────────────────────────────────
【0014】分離された水相は、一昼夜静置後の化学的
酸素要求量(COD)が402ppm、油分が70pp
mであった。無機系の凝集剤で凝集処理後、膜分離型の
処理槽と吸着型の処理槽を通過させて、COD、油分を
測定したところ、CODが12ppm、油分濃度が1.9
ppmとなり、直接下水等に流せる排水基準値まで低下
させることができた。すなわち、本発明の方法で分離し
た原油スラッジの水相は、既存の排水処理装置を用いて
下水に直接流せる程度まで処理可能であることが確認さ
れた。
酸素要求量(COD)が402ppm、油分が70pp
mであった。無機系の凝集剤で凝集処理後、膜分離型の
処理槽と吸着型の処理槽を通過させて、COD、油分を
測定したところ、CODが12ppm、油分濃度が1.9
ppmとなり、直接下水等に流せる排水基準値まで低下
させることができた。すなわち、本発明の方法で分離し
た原油スラッジの水相は、既存の排水処理装置を用いて
下水に直接流せる程度まで処理可能であることが確認さ
れた。
Claims (1)
- 【請求項1】 タンク底部に堆積した原油スラッジに、
HLBが7〜13である、フェノール性水酸基を有する
化合物のアルキレンオキシド付加物を添加して流動化し
た後、流動化したスラッジをタンク外に排出し、該スラ
ッジを油相と水相に分離することを特徴とする原油スラ
ッジの処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1410996A JPH09201574A (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | タンク内の原油スラッジを処理する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1410996A JPH09201574A (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | タンク内の原油スラッジを処理する方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09201574A true JPH09201574A (ja) | 1997-08-05 |
Family
ID=11851960
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1410996A Pending JPH09201574A (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | タンク内の原油スラッジを処理する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09201574A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001300587A (ja) * | 2000-04-27 | 2001-10-30 | Ebara Kogyo Senjo Kk | 含油スラッジの排出方法 |
JP2010075901A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-08 | Hitachi Plant Technologies Ltd | 汚泥からの油分離方法 |
JP2015054309A (ja) * | 2013-09-13 | 2015-03-23 | 栗田工業株式会社 | 含油スカムの粘度低減方法、及び含油排水の粘度低減方法 |
EP4105183A1 (en) | 2021-06-14 | 2022-12-21 | Japan Ecosystem Co., Ltd. | Crude oil sludge treatment agent, crude oil sludge treatment method and crude oil sludge treatment agent kit |
-
1996
- 1996-01-30 JP JP1410996A patent/JPH09201574A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001300587A (ja) * | 2000-04-27 | 2001-10-30 | Ebara Kogyo Senjo Kk | 含油スラッジの排出方法 |
JP2010075901A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-08 | Hitachi Plant Technologies Ltd | 汚泥からの油分離方法 |
JP2015054309A (ja) * | 2013-09-13 | 2015-03-23 | 栗田工業株式会社 | 含油スカムの粘度低減方法、及び含油排水の粘度低減方法 |
EP4105183A1 (en) | 2021-06-14 | 2022-12-21 | Japan Ecosystem Co., Ltd. | Crude oil sludge treatment agent, crude oil sludge treatment method and crude oil sludge treatment agent kit |
JP2022190279A (ja) * | 2021-06-14 | 2022-12-26 | 日本エコシステム株式会社 | 原油スラッジ用処理剤、原油スラッジの処理方法、及び原油スラッジ用処理剤キット |
US11618703B2 (en) | 2021-06-14 | 2023-04-04 | Japan Ecosystem Co., Ltd. | Crude oil sludge treatment agent, crude oil sludge treatment method and crude oil sludge treatment agent kit |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0004195B1 (en) | Aqueous fuel oil emulsions | |
US4505839A (en) | Polyalkanolamines | |
CA1233390A (en) | Composition and process for the separation of water from hydrocarbon oils | |
US4416796A (en) | Emulsion-breaking composition | |
RU2361893C2 (ru) | Полиэфиры, содержащие как сложноэфирные, так и простые эфирные группы, имеющие анионную функциональность | |
US4404362A (en) | Block polymers of alkanolamines | |
US6007702A (en) | Process for removing water from heavy crude oil | |
CN102822242B (zh) | 破乳剂组合物以及使用其分离乳液的方法 | |
JPH09201574A (ja) | タンク内の原油スラッジを処理する方法 | |
US5008035A (en) | Fluidization of heavy slurries | |
US4731481A (en) | Polyalkanolamines | |
US4459220A (en) | Block polymers of alkanolamines as demulsifiers for O/W emulsions | |
US4840748A (en) | Polyalkanolamines | |
US5767192A (en) | Silicone foam control agents for hydrocarbon liquids | |
JP2002536493A (ja) | 廃棄ストリームからリサイクルされる燃料組成物 | |
USRE22963E (en) | Processes for resolving oil-in | |
RU2179993C2 (ru) | Способ получения деэмульгатора | |
CN103140267B (zh) | 组合物以及使用其分离乳液的方法 | |
CN109970146A (zh) | 一种处理含油废水的油水分离剂及其在原油电脱盐排水处理中的应用 | |
JP2844470B2 (ja) | 油水分離剤 | |
US4368137A (en) | Polymers of oxyalkylated piperazines and uses thereof | |
RU2117689C1 (ru) | Состав для обезвоживания и обессоливания нефти | |
RU2076134C1 (ru) | Деэмульгатор для обезвоживания и обессоливания нефти | |
RU2024580C1 (ru) | Деэмульгатор для разделения нефтяных эмульсий | |
JP2967459B2 (ja) | 原油タンクのスラッジ処理剤 |