JPH09199147A - 燃料電池発電装置 - Google Patents

燃料電池発電装置

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JPH09199147A
JPH09199147A JP8003767A JP376796A JPH09199147A JP H09199147 A JPH09199147 A JP H09199147A JP 8003767 A JP8003767 A JP 8003767A JP 376796 A JP376796 A JP 376796A JP H09199147 A JPH09199147 A JP H09199147A
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JP
Japan
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fuel cell
stack
unit
fuel
potential
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Application number
JP8003767A
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English (en)
Inventor
Toru Yajima
亨 矢嶋
Katsunori Sakai
勝則 酒井
Tadahiko Taniguchi
忠彦 谷口
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】液絡現象の発生を早期にかつ確実に検知して、
燃料電池スタックの劣化や損傷を未然に防止すること。 【解決手段】燃料電池スタック2の少なくとも1個のサ
ブスタックにおける、少なくとも2個の単位電池1の燃
料極または酸化剤極の少なくとも一方の電位を測定する
電位測定手段7と、電位測定手段7により測定された電
位のうち、同一サブスタックに属する2個の単位電池1
の燃料極の電位の差、または同一サブスタックに属する
2個の単位電池1の酸化剤極の電位の差の少なくとも一
方の電位の差を算出する演算手段8と、演算手段8によ
り算出された電位の差があらかじめ設定された設定値よ
りも大きくなった場合に警報を出力する警報手段9と、
演算手段8により算出された電位の差があらかじめ設定
された設定値よりも大きくなった場合に、燃料電池スタ
ック2の運転を停止する制御手段10とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池発電装置
に係り、特に燃料電池スタックの異常を早期に見地でき
るようにした燃料電池発電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、燃料の有する化学エネルギー
を直接電気エネルギーに変換する装置として、燃料電池
が知られている。この燃料電池は、一般に、多孔質材料
を使用した一対の電極、すなわち燃料極と酸化剤極との
間に、電解質を保持する電解質層を挟み、燃料極の背面
に反応ガスとして燃料ガスを接触させると共に、酸化剤
極の背面に反応ガスとして酸化剤ガスを接触させること
により、この時に生じる電気化学的反応を利用して、上
記各電極間から電気エネルギーを取り出すようにしたも
のである。
【0003】ここで、電解質としては、酸性溶液、溶融
炭酸塩、アルカリ溶液等があるが、最近では、リン酸を
用いたリン酸型の燃料電池が、最も実用化に近いと考え
られている。
【0004】図3は、この種の燃料電池のうち、電解質
としてリン酸を使用した一般的なリン酸型燃料電池の構
成例を示す分解斜視図である。すなわち、図3に示すよ
うに、燃料電池本体には、発電のための単位電池1が、
ガス分離板3を介して複数個積層されてなる燃料電池ス
タック2が設けられている。
【0005】単位電池1は、多孔質材料を使用した基板
に、白金等による触媒を塗布して形成された一対の燃料
極(以下、アノード電極と称する)1aと、酸化剤極
(以下、カソード電極と称する)1bとが、リン酸を含
有した電解質層1cを挟んで形成されている。
【0006】なお、単位電池1において、基板の辺縁部
(エッジ部)は、多孔質である基板を通じて反応ガスが
外部に漏洩するのを防止するために、アノード電極1
a、カソード電極1bとも、基板の密度を高くしたり、
あるいは表面に緻密な物質を貼り付ける等の方策を施し
ており、反応ガスが達しないため、触媒は塗布されてい
ない。
【0007】さらに、アノード電極1aの背面には、水
素等の燃料ガスが流通する燃料流通溝が、またカソード
電極1bの背面には、酸素等の酸化剤ガスが流通する酸
化剤流通溝が、それぞれ形成されている。
【0008】一方、この単位電池1とガス分離板3とを
交互に複数個積層し、一定数積層する毎に冷却板4を挿
入している。また、ガス分離板3は、アノード電極1a
とカソード電極1bのそれぞれに供給されるガスを区分
すると共に、各単位電池1間の電気的接続を確保するよ
うに構成されている。
【0009】さらに、冷却板4は、内部に水等の冷媒を
流すことにより、単位電池1で起こる電気化学的反応に
伴なって生じる熱を除去し、燃料電池スタック2の温度
を一定に保つように構成されている。
【0010】また、このような燃料電池スタック2に
は、燃料電池スタック2で発生した電流を取り出すため
に、その上下の端部に集電板6が配置されている。さら
に、燃料電池スタック2の側面には、燃料電池スタック
2に燃料ガスと酸化剤ガスをそれぞれ供給・排出するガ
スマニホールド5が配置されている。
【0011】なお、一般に、アノード電極1aおよびカ
ソード電極1b、ガス分離板3、冷却板4は、いずれも
炭素を材料として作られている。この炭素を用いる理由
は、耐リン酸性(耐蝕性)、耐熱性、電気伝導性、熱伝
導性に優れ、かつ低コストで製作できるためである。
【0012】さて、以上のような構成を有するリン酸型
の燃料電池では、各単位電池1において、アノード電極
1aに供給された水素(H2 )が、アノード電極1aに
塗布された触媒の作用によって、次のような反応(解離
反応)を起こす。
【0013】 H2 →2H+ +2e- (1) この水素の解離反応により発生した水素イオン(H+
は、電解質層1cに蓄えられたリン酸中を移動して、カ
ソード電極1bに達する。一方、電子(e- )は、アノ
ード電極1aから外部回路を流れ、電力負荷を通って仕
事をして、カソード電極1bに達する。そして、アノー
ド電極1aから移動してきた水素イオン(H+ )と、カ
ソード電極1bに供給された酸素(O2 )と、外部回路
で仕事をしてきた電子(e- )とにより、カソード電極
1bに塗布された触媒の作用によって、次のような反応
が起こる。
【0014】 4H+ +O2 +4e- →2H2 O (2) 従って、単位電池1では、水素が酸化されて水になると
共に、この時の化学エネルギーが外部の電力負荷に与え
る電気エネルギーとなる。このようにして、単位電池1
の電池としての全反応が完結する。
【0015】なお、上記の単位電池1における反応は、
発熱反応であるが、これは燃料電池スタック2の内部に
挿入されている冷却板4によって冷却される。また、実
際のリン酸型燃料電池では、通常、燃料ガスとしては、
主として、メタン(CH4 )からなる天然ガスに水蒸気
(H2 O)を加えて加熱し、次のような反応によって発
生させた水素を用いる。
【0016】 CH4 +H2 O→3H2 +CO (3) CO+H2 O→H2 +CO2 (4) この反応では、水素と共に二酸化炭素(CO2 )も同時
に発生する。
【0017】従って、燃料電池スタック2に供給される
ガスは、水素と二酸化炭素との混合ガスである。また、
未反応のメタンや一酸化炭素(CO)も僅かながら含ま
れているが、これらの量は無視できるほどである。
【0018】なお、以下の説明では、この混合ガスのこ
とを燃料ガスと称する。また、二酸化炭素は、電気化学
的に不活性であるので、燃料電池スタック2に供給され
ても、上記の反応を阻害することはない。
【0019】また、酸化剤ガスとしては、一般に空気が
用いられる。この空気は、主に窒素と酸素とからなる
が、窒素も不活性ガスであるので、燃料電池スタック2
に供給されても特に問題はない。
【0020】ところで、電解質層1cに蓄えられている
リン酸は、微量ながら蒸発して、電極1a,1bの背面
を流通する反応ガスの中にリン酸の蒸気が混入する。単
位電池1においては、温度は必ずしも一定ではなく、一
般に反応ガスが供給される付近(反応ガス入口付近)で
は、反応が多く起こるために発熱量も多く、従って温度
が高くなり、逆に反応ガスが排出される付近(反応ガス
出口付近)では、反応が余り起こらないために温度が低
くなる。
【0021】また、リン酸は、液体で一般に見られるよ
うに、温度が高いほど蒸気圧が高くなり、温度が低けれ
ば蒸気圧は低くなる。従って、温度の高い反応ガス入口
付近では、反応ガス中のリン酸の蒸気の濃度が高まる
が、反応ガスが出口付近まで流れていき、温度が低下す
ると、リン酸の蒸気の一部は凝縮して、液体の状態に戻
る。このようにして、反応ガス入口付近では、単位電池
1に含まれているリン酸の量が少なく、反応ガス出口付
近では、単位電池1に含まれているリン酸の量が多くな
る。
【0022】単位電池1に含まれているリン酸は、液体
の状態であり、多孔質であるアノード電極1a、カソー
ド電極1b、および電解質層1cの気孔中を移動し得る
ので、上記のようなリン酸量の不均衡は、リン酸の移動
によって和らげられる。しかしながら、単位電池1の位
置による温度の差が大きい場合には、反応ガス出口付近
のリン酸量が過剰となり、燃料電池スタック2の外部に
液体のリン酸が溢れ出て、燃料電池スタック2の側面を
リン酸の液滴が流れ落ちる結果となる。そして、このよ
うに、燃料電池スタック2の側面を流れるリン酸によっ
て、複数の単位電池1の電解質層1c同士が接続された
ような状態を、「液絡」と称している。
【0023】また、反応ガスが燃料電池スタック2の外
部に排出されても、なおリン酸の蒸気の凝縮は生じてお
り、燃料電池スタック2の側面に、凝縮したリン酸の液
滴が付着する状態を引き起こす。
【0024】このようにして、燃料電池スタック2の側
面を流れるリン酸の量が多くなると、燃料電池スタック
2の上部に位置する単位電池1に含まれるリン酸の量は
減少し、燃料電池スタック2の下部に位置する単位電池
1に含まれるリン酸の量は増加する。
【0025】但し、実際には、流下してきたリン酸の液
滴を冷却板4が受け止める形となるため、燃料電池スタ
ック2のサブスタックの上部に位置する単位電池1か
ら、同一サブスタックの下部に位置する単位電池1にリ
ン酸が移動するのみで、別のサブスタックに属する単位
電池1に移動するリン酸の量は少ない。
【0026】ところで、単位電池1の電解質層1cに蓄
えられるリン酸の量が減少した場合には、電解質中の水
素イオンの移動の抵抗が増大し、カソード電極1bに供
給される水素イオンの量が、発電するために十分ではな
くなり、単位電池1で発生する電気エネルギーの量が減
少する。すなわち、単位電池1で発生する電圧が低下す
る。
【0027】また、電解質層1cは、多孔質体の気孔を
液体であるリン酸が満たすことによって、アノード電極
1aに供給される燃料ガスと、カソード電極1bに供給
される酸化剤ガスとを区分する機能も果たしているが、
電解質層1cに蓄えられているリン酸が減少すると、こ
のガスを区分する機能が低下する。
【0028】甚だしい場合には、燃料ガスがカソード電
極1bに漏洩し、あるいは酸化剤ガスがアノード電極1
aに漏洩して、燃料ガスと酸化剤ガスとが直接接触し、
反応してしまう。この場合、燃料ガスと酸化剤ガスとの
反応は、単位電池1における発電には寄与せず、単位電
池1に供給される反応ガスの量が減少することになるた
め、単位電池1で発生する電気エネルギーの量が減少す
る。
【0029】一方、単位電池1に含まれるリン酸の量が
過剰になると、アノード電極1aおよびカソード電極1
bに塗布された触媒の気孔がリン酸で塞がれ、反応ガス
が触媒の表面に達しなくなる、あるいは反応ガスが触媒
の表面に達するまでの抵抗が大きくなるため、発生する
電気エネルギー量が減少して、やはり単位電池1で発生
する電圧が低下する。
【0030】さらに、液絡が生じた場合には、燃料電池
スタック2のサブスタックのうち、地面に対する電位
(電気工学的な電位)の高い側(正極側)に位置する単
位電池1のカソード電極1b、および当該カソード電極
1bに接するガス分離板3、冷却板4の材料である炭素
が、次のような式で表わされる電食反応を起こし、欠損
を生じることが経験的に知られている。
【0031】 C+2H2 O→CO2 +4H+ +4e- (5) C+H2 O→CO+2H+ +2e- (6) このような反応によって、カソード電極1b、ガス分離
板3、冷却板4に欠損が生じると、燃料ガスのカソード
電極1bへの漏洩や酸化剤ガスのアノード電極1aへの
漏洩、冷却板4内部へのリン酸の浸透による冷却管(ス
テンレス等の金属で製作されている)の腐食と、それに
伴なう冷却水の漏洩等が生じ、燃料電池スタック2の発
電能力の低下を引き起こすことになる。
【0032】この電食反応が生じる機構については、現
在のところ推測ではあるが、次のように考えられてい
る。すなわち、前述したように、単位電池1のアノード
電極1aにおいて、上記(1)式で表わされる水素解離
反応で生じた水素イオン(H+ )は、電解質層1cに蓄
えられたリン酸中を拡散して、カソード電極1bに達
し、上記(2)式で表わされる水生成反応によって消費
される。
【0033】ここで、燃料電池スタック2の側面におい
て液絡が生じると、アノード電極1aで生じた水素イオ
ンの一部は、液絡を形成しているリン酸を介して、隣接
する単位電池1に移動し得る。
【0034】この時、水素イオンは、正の電荷を有して
いるので、電気工学的な電位の低い側(負極側)に多く
移動する。従って、負極側に位置する単位電池1の電解
質層1cでは、水素イオンが過剰となり、正極側に位置
する単位電池の電解質層1cでは、水素イオンが不足し
ている状態となる。そして、水素イオンが正の電荷を持
つため、水素イオンが過剰に存在する部分の電位は、液
絡が生じていない場合に比べて高くなり、従って電解質
層1cとカソード電極1bとの間の電位差は小さくな
る。また、水素イオンが不足する部分の電位は、液絡が
生じていない場合に比べて低くなり、電解質層1cとカ
ソード電極1bとの間の電位差は大きくなる。
【0035】この場合、電解質層1c中における水素イ
オンの移動速度はそれほど大きくないため、水素イオン
の過不足は、単位電池1の辺縁部でのみ起こる。従っ
て、電位の変化は、単位電池1の辺縁部に近いほど大き
く、単位電池1の中心部では変化は殆ど生じない。
【0036】ところで、上記(5)式および(6)式で
表わされる炭素の電食反応は、電解質と炭素との間の電
位差(すなわち、電解質の電位を基準とした炭素の電
位。さらに、水素標準電極を基準とした炭素の電気化学
的な電位と言い換えられる)が大きいほど、反応速度が
大きくなる。正極側に位置する単位電池1では、電解質
層1cとカソード電極1bとの間の電位差が大きいか
ら、カソード電極1bにおいて、上記(5)式および
(6)式で表わされる炭素の電食反応が速く進行する。
また、このカソード電極1bに接するガス分離板3、冷
却板4も同一電位になっているので、同様に炭素の電食
反応が速く進行する。
【0037】このことは、次のようにしても説明でき
る。すなわち、上記(2)式で表わされる水生成反応が
生じるためには、水素イオンが存在しなければならな
い。しかしながら、正極側に位置する単位電池の電解質
層1cでは、水素イオンが不足しているため、不足する
水素イオンを補なうために、上記(5)式および(6)
式で表わされる炭素の電食反応が起こる。
【0038】以上に述べたような、リン酸の量の過少あ
るいは過大による発電機能の低下や、燃料電池スタック
2の構成材料である炭素の電食による欠損等の発生を検
知するためには、従来では、燃料電池スタック2全体の
電圧、あるいはサブスタック毎の電圧の変化を測定して
いるのが一般的である。すなわち、上記のように発電機
能に障害が生じた場合、その障害が生じているサブスタ
ックの電圧は低下し、従って燃料電池スタック2の全体
の電圧も低下するからである。
【0039】しかしながら、サブスタックあるいは燃料
電池スタック2の電圧は、反応ガスの供給量の減少、燃
料電池スタック2の温度の低下、製造上の欠陥等による
反応ガスの漏洩等、液絡の発生以外の原因によっても起
こり得る。
【0040】また、単位電池1のアノード電極1aおよ
びカソード電極1bに用いられている触媒は、発電を続
けるにしたがって、徐々に電解質であるリン酸に溶解
し、あるいは触媒の微粒子の凝集によって表面積が減少
する等の原因により、触媒の作用が低下していくため、
このことによっても燃料電池スタック2の電圧は低下し
ていく。
【0041】従って、電圧の変化を測定するだけでは、
液絡の発生によって電圧が変化したのか、あるいは他の
原因によって電圧が変化したのかを判断することができ
ず、適切な対応を取ることが困難である。
【0042】一方、炭素の電食の発生を検知するために
は、反応ガス出口における二酸化炭素(CO2 )、ある
いは一酸化炭素(CO)の濃度を測定する方法が考えら
れる。これは、上記(5)式および(6)式から分かる
ように、炭素の電食反応に伴なって二酸化炭素や一酸化
炭素が発生するため、この反応が起こっている場合に
は、燃料電池スタック2から排出される反応ガス中の、
二酸化炭素や一酸化炭素の濃度が高まるからである。
【0043】しかしながら、前述したように、燃料電池
スタック2に供給される燃料ガス中には、一定濃度の二
酸化炭素が含まれており、一酸化炭素も僅かながら含ま
れている。また、燃料電池スタック2に酸化剤ガスとし
て供給される空気の中にも、微量ではあるが二酸化炭素
が含まれている。
【0044】従って、反応ガス中の二酸化炭素や一酸化
炭素の濃度を測定する方法では、炭素の電食が生じてい
ても、電食の量が少ない場合には、その発生を知ること
は困難である。さらに、この方法では、炭素の電食が発
生する前に、その発生の可能性を検知して防止すること
は困難である。
【0045】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
燃料電池においては、燃料電池スタックで液絡が生じた
時に、その発生を早期にまた確実に検知することが困難
であり、燃料電池スタックの損傷や劣化を招く恐れがあ
るという問題があった。
【0046】本発明の目的は、燃料電池スタックにおい
て液絡が生じた時に、その発生を早期にかつ確実に検知
して、燃料電池スタックの損傷や劣化を未然に防止する
ことが可能な燃料電池発電装置を提供することにある。
【0047】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、まず、請求項1に対応する発明では、基板に触媒
を塗布して形成された燃料極および酸化剤極の間に電解
質層を挟んで形成される単位電池とガス分離板とを交互
に複数個ずつ積層してサブスタックを形成し、かつ当該
サブスタックと冷媒を内部に流通する冷却板とを交互に
複数個ずつ積層してなる燃料電池スタックと、燃料電池
スタックの各単位電池の燃料極に燃料ガスを供給する燃
料ガス供給手段と、燃料電池スタックの各単位電池の酸
化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段とか
ら構成される燃料電池発電装置において、燃料電池スタ
ックの少なくとも1個のサブスタックにおける、少なく
とも2個の単位電池の燃料極または酸化剤極の少なくと
も一方の電位を測定する電位測定手段と、電位測定手段
により測定された電位のうち、同一サブスタックに属す
る2個の単位電池の燃料極の電位の差、または同一サブ
スタックに属する2個の単位電池の酸化剤極の電位の差
の少なくとも一方の電位の差を算出する演算手段と、演
算手段により算出された電位の差があらかじめ設定され
た設定値よりも大きくなった場合に警報を出力する警報
手段とを備えて成る。
【0048】また、請求項2に対応する発明では、基板
に触媒を塗布して形成された燃料極および酸化剤極の間
に電解質層を挟んで形成される単位電池とガス分離板と
を交互に複数個ずつ積層してサブスタックを形成し、か
つ当該サブスタックと冷媒を内部に流通する冷却板とを
交互に複数個ずつ積層してなる燃料電池スタックと、燃
料電池スタックの各単位電池の燃料極に燃料ガスを供給
する燃料ガス供給手段と、燃料電池スタックの各単位電
池の酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手
段とから構成される燃料電池発電装置において、燃料電
池スタックの少なくとも1個のサブスタックにおける、
少なくとも2個の単位電池の燃料極または酸化剤極の少
なくとも一方の電位を測定する電位測定手段と、電位測
定手段により測定された電位のうち、同一サブスタック
に属する2個の単位電池の燃料極の電位の差、または同
一サブスタックに属する2個の単位電池の酸化剤極の電
位の差の少なくとも一方の電位の差を算出する演算手段
と、演算手段により算出された電位の差があらかじめ設
定された設定値よりも大きくなった場合に、燃料電池ス
タックの運転を停止する制御手段とを備えて成る。
【0049】さらに、請求項3に対応する発明では、基
板に触媒を塗布して形成された燃料極および酸化剤極の
間に電解質層を挟んで形成される単位電池とガス分離板
とを交互に複数個ずつ積層してサブスタックを形成し、
かつ当該サブスタックと冷媒を内部に流通する冷却板と
を交互に複数個ずつ積層してなる燃料電池スタックと、
燃料電池スタックの各単位電池の燃料極に燃料ガスを供
給する燃料ガス供給手段と、燃料電池スタックの各単位
電池の酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給
手段とから構成される燃料電池発電装置において、燃料
電池スタックの少なくとも1個のサブスタックにおけ
る、少なくとも2個の単位電池の燃料極または酸化剤極
の少なくとも一方の電位を測定する電位測定手段と、電
位測定手段により測定された電位のうち、同一サブスタ
ックに属する2個の単位電池の燃料極の電位の差、また
は同一サブスタックに属する2個の単位電池の酸化剤極
の電位の差の少なくとも一方の電位の差を算出する演算
手段と、演算手段により算出された電位の差があらかじ
め設定された設定値よりも大きくなった場合に警報を出
力する警報手段と、演算手段により算出された電位の差
があらかじめ設定された設定値よりも大きくなった場合
に、燃料電池スタックの運転を停止する制御手段とを備
えて成る。
【0050】ここで、特に上記電位測定手段のうちの少
なくとも一つは、例えば請求項4に記載したように、燃
料電池スタックのサブスタックの下端に位置する単位電
池に設けることが望ましい。
【0051】また、例えば請求項5に記載したように、
上記電位測定手段が設けられている単位電池のうち最も
上部に位置する単位電池と、上記電位測定手段が設けら
れている単位電池のうち最も下部に位置する単位電池と
の間に、少なくとも一つの単位電池を存在させることが
望ましい。
【0052】さらに、上記電位測定手段は、例えば請求
項6に記載したように、単位電池の辺縁部であって、燃
料極の触媒が塗布されていない部分に設けることが望ま
しい。
【0053】一方、上記電位測定手段は、例えば請求項
7に記載したように、単位電池のなす平面内における、
燃料ガスが排出される付近に設けることが望ましい。ま
た、上記電位測定手段は、例えば請求項8に記載したよ
うに、単位電池のなす平面内における、酸化剤ガスが排
出される付近に設けることが望ましい。
【0054】さらに、上記電位測定手段は、例えば請求
項9に記載したように、燃料電池スタックの下部に位置
するサブスタックに属する単位電池に設けることが望ま
しい。
【0055】従って、まず、請求項1に対応する発明の
燃料電池発電装置においては、電位測定手段が取り付け
られた単位電池のうち、正極側に位置する単位電池(以
下、「電池A」と称する)の、アノード電極あるいはカ
ソード電極の電気化学的な電位の値と、負極側に位置す
る単位電池(以下、「電池B」と称する)の、電池Aで
電位を測定する電極と同一電極の電気化学的な電位の値
とを測定し、その差を演算手段で求めることができる。
そして、液絡が生じていない場合には、測定された二つ
の電位の値はほぼ等しい。また、液絡が生じている場合
には、電池Aで測定される電位の値は上昇し、電池Bで
測定される電位の値は下降するから、両者の電位の差は
大きくなる。
【0056】よって、電池Aと電池Bで測定される電位
の値の差を、あらかじめ設定された設定値と比較するこ
とにより、液絡が発生しているか否かを判別することが
できる。そして、警報手段では、液絡が生じていると判
別した時に警報を出力して、燃料電池スタックの清掃等
の対応を取る必要があることを知らせることができる。
【0057】これにより、燃料電池スタックの損傷や劣
化を未然に防止して、燃料電池スタックの性能を長期間
に亘って維持することが可能となる。また、請求項2の
発明に対応する発明の燃料電池発電装置においては、電
池Aと電池Bで測定される電位の値の差を、あらかじめ
設定された設定値と比較することにより、液絡が発生し
ているか否かを判別することができる。そして、制御手
段では、液絡が生じていると判別した時に、燃料電池ス
タックの運転を停止する。
【0058】これにより、燃料電池スタックの損傷や劣
化を未然に防止して、燃料電池スタックの性能を長期間
に亘って維持することが可能となる。さらに、請求項3
の発明に対応する発明の燃料電池発電装置においては、
電池Aと電池Bで測定される電位の値の差を、あらかじ
め設定された設定値と比較することにより、液絡が発生
しているか否かを判別することができる。そして、警報
手段では、液絡が生じていると判別した時に警報を出力
して、燃料電池スタックの清掃等の対応を取る必要があ
ることを知らせることができる。また、制御手段では、
液絡が生じていると判別した時に、燃料電池スタックの
運転を停止する。
【0059】これにより、燃料電池スタックの損傷や劣
化を未然に防止して、燃料電池スタックの性能を長期間
に亘って維持することが可能となる。一方、請求項4の
発明に対応する発明の燃料電池発電装置においては、電
位測定手段のうちの少なくとも一つを、燃料電池スタッ
クのサブスタックのうち最も液絡の発生し易い場所、す
なわちサブスタックの下端に位置する単位電池に設ける
ことにより、液絡の発生をより一層早期にかつ確実に検
知することができる。
【0060】また、請求項5の発明に対応する発明の燃
料電池発電装置においては、電位測定手段を設けた電池
Aと電池Bを、少なくとも一つの単位電池を挟んだ位置
にすることにより、液絡が発生した時の、電池Aと電池
Bの電位の値の差が大きくなり、液絡の発生をより一層
確実に検知することができる。
【0061】さらに、請求項6の発明に対応する発明の
燃料電池発電装置においては、電位測定手段を、単位電
池の辺縁部であって、燃料極に触媒が塗布されていない
部分に設けることにより、液絡が発生した時の、電池A
と電池Bの電位の値の差が大きくなり、液絡の発生をよ
り一層確実に検知することができる。
【0062】一方、請求項7の発明に対応する発明の燃
料電池発電装置においては、電位測定手段を、単位電池
のうち、液絡が発生し易い、燃料ガスが排出される付近
に設けることにより、液絡の発生をより一層早期にかつ
確実に検知することができる。
【0063】また、請求項8の発明に対応する発明の燃
料電池発電装置においては、電位測定手段を、単位電池
のうち、液絡が発生し易い、酸化剤ガスが排出される付
近に設けることにより、液絡の発生をより一層早期にか
つ確実に検知することができる。
【0064】さらに、請求項9の発明に対応する発明の
燃料電池発電装置においては、電位測定手段を、燃料電
池スタックのうち、液絡が最も発生し易い下部に位置す
るサブスタックに属する単位電池に設けることにより、
液絡の発生をより一層早期にかつ確実に検知することが
できる。
【0065】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態
による燃料電池発電装置の全体構成例を示すブロック図
であり、図3と同一または対応する要素には同一符号を
付してその説明を省略し、ここでは異なる部分について
のみ述べる。
【0066】なお、燃料電池スタック2は、図3に示し
たように、複数個ずつの単位電池1およびガス分離板3
からなるサブスタックと、冷却板4を複数個ずつ積層し
て形成されるが、ここでは簡略化して、3個の単位電池
1と2枚のガス分離板3とからなる1個のサブスタック
のみを示して、燃料電池スタック2を代表させている。
【0067】ここで、1個のサブスタックを構成する単
位電池1の数は、3個より多くても少なくともよい。ま
た、図1では、燃料ガスと酸化剤ガスとが、燃料電池ス
タック2内で同一方向に流れるように描かれているが、
実際には、燃料ガスと酸化剤ガスとは、図3に示したよ
うに、互いに直交する方向に流れる。さらに、ガスマニ
ホールド5、および集電板6については、図1ではその
図示を省略している。
【0068】すなわち、本実施形態の燃料電池発電装置
は、図1に示すように、燃料電池スタック2には、アノ
ード電極1aに燃料ガスの供給管21および排出管31
を、カソード電極1bに酸化剤ガスの供給管22および
排出管32を、それぞれ接続している。
【0069】また、燃料ガス供給管21,酸化剤ガス供
給管22には、切り替え弁11,12が設けられたパー
ジガス供給管23,24を接続している。なお、パージ
ガスとしては、窒素ガスを用いるのが一般的であるが、
二酸化炭素や、その他の電気化学的に不活性な気体を用
いることもできる。
【0070】一方、燃料電池スタック2から取り出され
た直流電流は、電流線25を介し、開閉器26を経てイ
ンバーター27により交流電流に変換され、図示しない
外部の電力負荷に供給するようにしている。
【0071】また、燃料電池スタック2の下部に位置す
るサブスタックの中で、そのサブスタックの最上部に位
置する単位電池1に電位測定手段7aを、サブスタック
の最下部に位置する単位電池1に電位測定手段7bを、
それぞれ取り付けている。
【0072】すなわち、この電位測定手段7a,7b
は、燃料電池スタック2の少なくとも1個のサブスタッ
クにおける、少なくとも2個の単位電池1のアノード電
極1aまたはカソード電極1bの少なくとも一方の電位
を測定するものである。
【0073】なお、単位電池1を積層するに際して、ア
ノード電極1aを上にして積層するならば、電位測定手
段7aが取り付けられた最上部の単位電池1は負極側
に、電位測定手段7bが取り付けられた最下部の単位電
池1は正極側に、それぞれ位置することになる。
【0074】また、電位測定手段7a,7bは、どのよ
うな構成のものであってもよいが、特に燃料電池スタッ
ク2中への取り付けの容易さ等の点から、例えば“特願
平5−265194号”に開示されている構成によるの
が最も望ましい。
【0075】この場合、当該発明の構成によるセンサ
を、当該発明の実施形態とは異なり、アノード電極1a
の、燃料ガス出口付近でかつ酸化剤ガス出口付近に位置
するエッジ部に溝または穴を彫り、その溝または穴に挿
入する。このセンサを取り付ける位置を具体的に示す
と、図3に示した矢印のように燃料ガスおよび酸化剤ガ
スが流れる場合には、図3に示した四角形の単位電池1
の、図中で最も奥に位置するコーナー(頂点)部に相当
する。また、センサを取り付ける位置は、電位測定手段
7a7a,7bとも、できるだけ単位電池1の縁に近い
方がよく、上記発明の構成によるセンサの場合には、単
位電池1の縁からの距離が1cm以内の位置に取り付け
ることも可能である。
【0076】上記“特願平5−265194号”に開示
されている構成によれば、単位電池1のアノード電極1
aの電位も、カソード電極1bの電位も、どちらでも測
定でき、両方を同時に測定することも可能である。本実
施形態においては、測定する電位はどちらの電極の電位
であってもよいが、以下ではカソード電極1bの電位を
測定する場合を例として説明する。
【0077】この場合、センサを挿入した付近で、アノ
ード電極1aとそれに隣接するガス分離板3との間に、
白金等の電解質に侵されない電気伝導性の薄板を挟む
か、あるいはアノード電極1aの側面から穴を開けて、
白金線等を差し込み、アノード電極1aの電位を、燃料
電池スタック2の外部で測定するためのリード線とす
る。そして、このように配置された一つのセンサと1本
のリード線とを用いて、センサの中の水素が発生するワ
イヤと、アノード電極1aに設けられたリード線との間
の電圧を測定することによって、アノード電極1aの電
位が測定可能となる。
【0078】一方、上記電位測定手段7a,7bは、演
算器8にそれぞれ接続している。この演算器8は、電位
測定手段7a,7bにより測定された電位のうち、同一
サブスタックに属する2個の単位電池1のアノード電極
1aの電位の差、または同一サブスタックに属する2個
の単位電池1のカソード電極1bの電位の差の少なくと
も一方の電位の差を算出するものである。
【0079】また、上記演算器8には、警報器9、およ
び制御器10を、それぞれ接続しており、さらに制御器
10には、上記切り替え弁11,12、および開閉器2
6を、それぞれ接続している。
【0080】ここで、警報器9は、演算器8により算出
された電位の差があらかじめ設定された設定値よりも大
きくなった場合に、警報を出力するものである。また、
制御器10は、演算器8により算出された電位の差があ
らかじめ設定された設定値よりも大きくなった場合に、
燃料電池スタック2に不活性ガスが供給されるように切
り替え弁11,12を切り替え操作することにより、燃
料電池スタック2の運転を停止するものである。
【0081】なお、本実施形態では、警報器9と制御器
10の両方を、演算器8にそれぞれ接続しているが、警
報器9または制御器10のどちらか一方のみを、演算器
8に接続するようにしてもよい。
【0082】次に、以上のように構成した本実施形態の
燃料電池発電装置の作用について説明する。図1におい
て、演算器8では、二つの電位測定手段7a,7bによ
り測定された電位の値の差ΔVが算出される。本実施形
態においては、液絡が生じた時、電位測定手段7aで測
定される電位の値が下降し、電位測定手段7bで測定さ
れる電位の値が上昇することが予想されることから、演
算器8では、電位測定手段7bにより測定された電位の
値から、電位測定手段7aにより測定された電位の値を
差し引くようにする。
【0083】一方、警報器9、および制御器10には、
正常な運転が行なわれている場合に(液絡が生じていな
い場合に)、演算器8で算出されるべきΔVの値と、そ
の許容範囲が、あらかじめ設定され、入力されている。
【0084】すなわち、演算器8で算出されるΔVの値
は、液絡が生じた場合には、液絡の量(燃料電池スタッ
ク2の側面を流れるリン酸の量)に対応して、例えば図
2の特性図に示すように変化することが、あらかじめ実
測または計算によって確認されており、この図2の特性
図に基づいて、正常な運転が行なわれている場合のΔV
の値と、その許容範囲が決定され、警報器9および制御
器10にそれぞれ入力される。
【0085】まず、警報器9には、演算器8により算出
されたΔVの値が入力され、このΔVの値が、あらかじ
め設定された許容範囲を超えた場合に、例えば音、光、
その他の手段によって、本燃料電池発電装置の運転を行
なう図示しない操作員に対して、液絡が生じたことを報
知する信号を出力する。
【0086】操作員は、この警報器9からの出力によっ
て、燃料電池スタック2に液絡が生じたことを知ること
ができるため、手動により燃料電池スタック2の運転を
停止する、あるいは燃料電池スタック2の側面の清掃を
行なう等の方法により、液絡による燃料電池スタック2
の損傷や劣化を最小限にくいとどめることができる。
【0087】一方、制御器10には、同様に演算器8に
より算出されたΔVの値が入力され、このΔVの値が、
あらかじめ設定された許容範囲を超えた場合に、切り替
え弁11,12および開閉器26の状態を変化させる信
号を出力する。
【0088】すなわち、開閉器26を開いて、負荷電流
を遮断すると同時に、切り替え弁11,12を、燃料電
池スタック2に不活性ガスが供給されるように切り替え
る。この操作により、燃料電池スタック2における発電
運転は停止し、液絡による燃料電池スタック2の損傷や
劣化を最小限にくいとどめることができる。
【0089】なお、本実施形態のように、警報器9およ
び制御器10が、共に演算器8に接続されている場合に
は、警報器9および制御器10にあらかじめ入力される
許容範囲の値は、かならずしも同一でなくてもよい。
【0090】例えば、警報器9に入力される許容範囲の
値を、制御器10に入力される許容範囲の値よりも小さ
くしておき、液絡の量が少ないうちは、操作員の手動の
操作によって対応し、操作員の操作によって液絡の量が
減少しない場合や、操作員が不在で対応がとれない場合
等に、制御器10によって強制的に燃料電池スタック2
の運転を停止するという方法と取ることができる。
【0091】ここで、燃料電池スタック2の一つのサブ
スタックにおいて液絡が生じた場合、電位測定手段7
a,7bを設ける二つの単位電池1は、その相互の位置
が離れている程、演算器8により算出されるΔVの値は
大きくなり、液絡の発生をより一層確実に検知すること
ができるようになる。
【0092】従って、本実施形態のように、電位測定手
段7a,7bは、燃料電池スタック2のサブスタックの
最上部に位置する単位電池1と、サブスタックの最下部
に位置する単位電池1とに設けることが望ましい。
【0093】また、燃料電池スタック2においては、一
般にガスマニホールド5の内部で、リン酸の蒸気を含む
反応ガスの密度が大きいため、下部に滞留し易く、下部
に位置するサブスタックほど液絡が生じ易い。
【0094】このため、本実施形態のように、電位測定
手段7a,7bを、燃料電池スタック2の下部に位置す
るサブスタックに属する単位電池1に設けることによ
り、液絡の発生をより一層確実にかつ早期に検知するこ
とができるようになる。
【0095】さらに、前述したように、液絡は反応ガス
出口側で発生し易いので、本実施形態のように、燃料ガ
ス出口付近でかつ酸化剤ガス出口付近のコーナー部にセ
ンサを設けることにより、液絡の発生を確実にかつ早期
に検知することができるようになる。
【0096】上述したように、本実施形態では、基板に
触媒を塗布して形成されたアノード電極1aおよびカソ
ード電極1bの間に電解質層1cを挟んで形成される単
位電池1とガス分離板3とを交互に複数個ずつ積層して
サブスタックを形成し、かつこのサブスタックと冷媒を
内部に流通する冷却板4とを交互に複数個ずつ積層して
なる燃料電池スタック2と、この燃料電池スタック2の
各単位電池1のアノード電極1aに燃料ガスを供給する
燃料ガス供給手段と、燃料電池スタック2の各単位電池
1のカソード電極1bに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガ
ス供給手段とから構成される燃料電池発電装置におい
て、燃料電池スタック2の少なくとも1個のサブスタッ
クにおける、少なくとも2個の単位電池1のアノード電
極1aまたはカソード電極1bの少なくとも一方の電位
を測定する電位測定手段7a,7bと、電位測定手段7
a,7bにより測定された電位のうち、同一サブスタッ
クに属する2個の単位電池1のアノード電極1aの電位
の差、または同一サブスタックに属する2個の単位電池
1のカソード電極1bの電位の差の少なくとも一方の電
位の差を算出する演算器8と、演算器8により算出され
た電位の差があらかじめ設定された設定値よりも大きく
なった場合に警報を出力する警報器9と、演算器8によ
り算出された電位の差があらかじめ設定された設定値よ
りも大きくなった場合に、燃料電池スタック2の運転を
停止する制御器10とを備えるようにしたものである。
【0097】従って、燃料電池スタック2の側面にリン
酸の液滴が付着し、隣接する単位電池1の電解質層1c
がリン酸の液滴を介して接続される、いわゆる液絡現象
の発生を早期にかつ確実に検知することができ、もって
燃料電池スタック2の損傷や劣化を未然に防止すること
が可能となる。
【0098】さらに、電位測定手段7a,7bを、燃料
電池スタック2のサブスタックの下端に位置する単位電
池1に設けるか、または電位測定手段7a,7bが設け
られている単位電池1のうち最も上部に位置する単位電
池1と最も下部に位置する単位電池1との間に少なくと
も一つの単位電池1を存在させるか、または電位測定手
段7a,7bを、単位電池1の辺縁部の、アノード電極
1aに触媒が塗布されていない部分に設けるか、または
単位電池1のうち燃料ガスが排出される付近に設ける
か、または酸化剤ガスが排出される付近に設けるか、あ
るいは、燃料電池スタック2の下部に位置するサブスタ
ックに属する単位電池1に設けるようにしたものであ
る。
【0099】従って、液絡現象の発生をより一層早期に
かつ確実に検知することができ、もって燃料電池スタッ
ク2の損傷や劣化を未然に防止することが可能となる。 (他の実施形態) (a)図3では、燃料ガスと酸化剤ガスとが共に一方向
にのみ流れる型の燃料電池スタック2の場合を示した
が、この型の燃料電池スタック2以外に、例えば同一単
電池1の一部の溝では、反応ガスが図3の矢印の方向に
流れ、一旦燃料電池スタック2を出た反応ガスがガスマ
ニホールド5で折り返して、単位電池1の面の別の溝を
逆方向に流れてくるという、いわゆるリターンフロー型
の燃料電池スタックに対しても、本発明を同様に適用す
ることが可能である。
【0100】この場合、電位測定手段7a,7bは、単
位電池1の中で燃料ガスおよび酸化剤ガスが最後に排出
される部分に設けることが望ましい。また、反応ガスの
流れ方によっては、燃料ガスが最後に排出される部分
と、酸化剤ガスが最後に排出される部分とが一致しない
場合もあり得る。この場合には、リン酸の蒸気は主に酸
化剤ガスによって運ばれることから、電位測定手段7
a,7bは、酸化剤ガスの出口付近に設けることが望ま
しい。
【0101】(b)上記実施形態では、液絡が生じた場
合の対応として、警報器9、および制御器10による燃
料電池スタック2の保護停止の場合を示したが、これ以
外の対応を取ることも可能である。
【0102】例えば、ガスマニホールド5の内部に、燃
料電池スタック2の側面に水を散布する散水器を設けて
おき、この散水器を制御器10に接続し、液絡の量が一
定限度を超えたと判断された時に、散水器によって燃料
電池スタック2の側面を清掃するという方法が考えられ
る。
【0103】あるいは、吸水性の紙、布、その他の物質
で、燃料電池スタック2の側面に付着したリン酸を拭き
取る機構や、真空吸引によってリン酸を吸い取る機構
を、制御器10に接続する方法も考えられる。
【0104】(c)上記実施形態では、燃料電池スタッ
ク2のうちの一つのサブスタックのみに電位測定手段7
a,7bを設けた場合を示したが、これに限らず、複数
のサブスタックに、2個の電位測定手段と1個の演算器
をそれぞれ設けることにより、液絡の発生をより一層確
実に検知することが可能となる。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に対応す
る発明によれば、基板に触媒を塗布して形成された燃料
極および酸化剤極の間に電解質層を挟んで形成される単
位電池とガス分離板とを交互に複数個ずつ積層してサブ
スタックを形成し、かつ当該サブスタックと冷媒を内部
に流通する冷却板とを交互に複数個ずつ積層してなる燃
料電池スタックと、燃料電池スタックの各単位電池の燃
料極に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、燃料電
池スタックの各単位電池の酸化剤極に酸化剤ガスを供給
する酸化剤ガス供給手段とから構成される燃料電池発電
装置において、燃料電池スタックの少なくとも1個のサ
ブスタックにおける、少なくとも2個の単位電池の燃料
極または酸化剤極の少なくとも一方の電位を測定する電
位測定手段と、電位測定手段により測定された電位のう
ち、同一サブスタックに属する2個の単位電池の燃料極
の電位の差、または同一サブスタックに属する2個の単
位電池の酸化剤極の電位の差の少なくとも一方の電位の
差を算出する演算手段と、演算手段により算出された電
位の差があらかじめ設定された設定値よりも大きくなっ
た場合に警報を出力する警報手段とを備えるようにした
ので、燃料電池スタックの側面に電解質の液滴が付着
し、隣接する単位電池の電解質層が電解質の液滴を介し
て接続される液絡現象の発生を早期にかつ確実に検知し
て、燃料電池スタックの劣化や損傷を未然に防止するこ
とが可能な燃料電池発電装置が提供できる。
【0106】また、請求項2に対応する発明によれば、
基板に触媒を塗布して形成された燃料極および酸化剤極
の間に電解質層を挟んで形成される単位電池とガス分離
板とを交互に複数個ずつ積層してサブスタックを形成
し、かつ当該サブスタックと冷媒を内部に流通する冷却
板とを交互に複数個ずつ積層してなる燃料電池スタック
と、燃料電池スタックの各単位電池の燃料極に燃料ガス
を供給する燃料ガス供給手段と、燃料電池スタックの各
単位電池の酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス
供給手段とから構成される燃料電池発電装置において、
燃料電池スタックの少なくとも1個のサブスタックにお
ける、少なくとも2個の単位電池の燃料極または酸化剤
極の少なくとも一方の電位を測定する電位測定手段と、
電位測定手段により測定された電位のうち、同一サブス
タックに属する2個の単位電池の燃料極の電位の差、ま
たは同一サブスタックに属する2個の単位電池の酸化剤
極の電位の差の少なくとも一方の電位の差を算出する演
算手段と、演算手段により算出された電位の差があらか
じめ設定された設定値よりも大きくなった場合に、燃料
電池スタックの運転を停止する制御手段とを備えるよう
にしたので、燃料電池スタックの側面に電解質の液滴が
付着し、隣接する単位電池の電解質層が電解質の液滴を
介して接続される液絡現象の発生を早期にかつ確実に検
知して、燃料電池スタックの劣化や損傷を未然に防止す
ることが可能な燃料電池発電装置が提供できる。
【0107】さらに、請求項3に対応する発明によれ
ば、基板に触媒を塗布して形成された燃料極および酸化
剤極の間に電解質層を挟んで形成される単位電池とガス
分離板とを交互に複数個ずつ積層してサブスタックを形
成し、かつ当該サブスタックと冷媒を内部に流通する冷
却板とを交互に複数個ずつ積層してなる燃料電池スタッ
クと、燃料電池スタックの各単位電池の燃料極に燃料ガ
スを供給する燃料ガス供給手段と、燃料電池スタックの
各単位電池の酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガ
ス供給手段とから構成される燃料電池発電装置におい
て、燃料電池スタックの少なくとも1個のサブスタック
における、少なくとも2個の単位電池の燃料極または酸
化剤極の少なくとも一方の電位を測定する電位測定手段
と、電位測定手段により測定された電位のうち、同一サ
ブスタックに属する2個の単位電池の燃料極の電位の
差、または同一サブスタックに属する2個の単位電池の
酸化剤極の電位の差の少なくとも一方の電位の差を算出
する演算手段と、演算手段により算出された電位の差が
あらかじめ設定された設定値よりも大きくなった場合に
警報を出力する警報手段と、演算手段により算出された
電位の差があらかじめ設定された設定値よりも大きくな
った場合に、燃料電池スタックの運転を停止する制御手
段とを備えるようにしたので、燃料電池スタックの側面
に電解質の液滴が付着し、隣接する単位電池の電解質層
が電解質の液滴を介して接続される液絡現象の発生を早
期にかつ確実に検知して、燃料電池スタックの劣化や損
傷を未然に防止することが可能な燃料電池発電装置が提
供できる。
【0108】一方、請求項4に対応する発明によれば、
電位測定手段のうちの少なくとも一つを、燃料電池スタ
ックのサブスタックの下端に位置する単位電池に設ける
ようにしたので、液絡現象の発生をより一層早期にかつ
確実に検知して、燃料電池スタックの劣化や損傷を未然
に防止することが可能な燃料電池発電装置が提供でき
る。
【0109】また、請求項5に対応する発明によれば、
電位測定手段が設けられている単位電池のうち最も上部
に位置する単位電池と、電位測定手段が設けられている
単位電池のうち最も下部に位置する単位電池との間に、
少なくとも一つの単位電池を存在させるようにしたの
で、液絡現象の発生をより一層確実に検知して、燃料電
池スタックの劣化や損傷を未然に防止することが可能な
燃料電池発電装置が提供できる。
【0110】さらに、請求項6に対応する発明によれ
ば、電位測定手段を、単位電池の辺縁部であって、燃料
極の触媒が塗布されていない部分に設けるようにしたの
で、液絡現象の発生をより一層確実に検知して、燃料電
池スタックの劣化や損傷を未然に防止することが可能な
燃料電池発電装置が提供できる。
【0111】一方、請求項7に対応する発明によれば、
電位測定手段を、単位電池のなす平面内における、燃料
ガスが排出される付近に設けるようにしたので、液絡現
象の発生をより一層早期にかつ確実に検知して、燃料電
池スタックの劣化や損傷を未然に防止することが可能な
燃料電池発電装置が提供できる。
【0112】また、請求項8に対応する発明によれば、
電位測定手段を、単位電池のなす平面内における、酸化
剤ガスが排出される付近に設けるようにしたので、液絡
現象の発生をより一層早期にかつ確実に検知して、燃料
電池スタックの劣化や損傷を未然に防止することが可能
な燃料電池発電装置が提供できる。
【0113】さらに、請求項9に対応する発明によれ
ば、電位測定手段を、燃料電池スタックの下部に位置す
るサブスタックに属する単位電池に設けるようにしたの
で、液絡現象の発生をより一層早期にかつ確実に検知し
て、燃料電池スタックの劣化や損傷を未然に防止するこ
とが可能な燃料電池発電装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による燃料電池発電装置の一実施形態を
示すブロック図。
【図2】同実施形態の燃料電池発電装置における、燃料
電池スタックの側面に発生する液絡の量と二つの単位電
池のアノード電極の電位の差との関係の一例を示す特性
図。
【図3】一般的なリン酸型燃料電池の構成例を示す分解
斜視図。
【符号の説明】
1…単位電池、 2…燃料電池スタック、 3…ガス分離板、 4…冷却板、 5…ガスマニホールド、 6…集電板、 7a,7b…電位測定手段、 8…演算器、 9…警報器、 10…制御器、 11,12…切り替え弁、 21…燃料ガス供給管、 22…酸化剤ガス供給管、 23,24…パージガス供給管、 25…電流線、 26…開閉器、 27…インバーター、 31…燃料ガス排出管、 32…酸化剤ガス排出管。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に触媒を塗布して形成された燃料極
    および酸化剤極の間に電解質層を挟んで形成される単位
    電池とガス分離板とを交互に複数個ずつ積層してサブス
    タックを形成し、かつ当該サブスタックと冷媒を内部に
    流通する冷却板とを交互に複数個ずつ積層してなる燃料
    電池スタックと、 前記燃料電池スタックの各単位電池の燃料極に燃料ガス
    を供給する燃料ガス供給手段と、 前記燃料電池スタックの各単位電池の酸化剤極に酸化剤
    ガスを供給する酸化剤ガス供給手段とから構成される燃
    料電池発電装置において、 前記燃料電池スタックの少なくとも1個のサブスタック
    における、少なくとも2個の単位電池の燃料極または酸
    化剤極の少なくとも一方の電位を測定する電位測定手段
    と、 前記電位測定手段により測定された電位のうち、同一サ
    ブスタックに属する2個の単位電池の燃料極の電位の
    差、または同一サブスタックに属する2個の単位電池の
    酸化剤極の電位の差の少なくとも一方の電位の差を算出
    する演算手段と、 前記演算手段により算出された電位の差があらかじめ設
    定された設定値よりも大きくなった場合に警報を出力す
    る警報手段と、 を備えて成ることを特徴とする燃料電池発電装置。
  2. 【請求項2】 基板に触媒を塗布して形成された燃料極
    および酸化剤極の間に電解質層を挟んで形成される単位
    電池とガス分離板とを交互に複数個ずつ積層してサブス
    タックを形成し、かつ当該サブスタックと冷媒を内部に
    流通する冷却板とを交互に複数個ずつ積層してなる燃料
    電池スタックと、 前記燃料電池スタックの各単位電池の燃料極に燃料ガス
    を供給する燃料ガス供給手段と、 前記燃料電池スタックの各単位電池の酸化剤極に酸化剤
    ガスを供給する酸化剤ガス供給手段とから構成される燃
    料電池発電装置において、 前記燃料電池スタックの少なくとも1個のサブスタック
    における、少なくとも2個の単位電池の燃料極または酸
    化剤極の少なくとも一方の電位を測定する電位測定手段
    と、 前記電位測定手段により測定された電位のうち、同一サ
    ブスタックに属する2個の単位電池の燃料極の電位の
    差、または同一サブスタックに属する2個の単位電池の
    酸化剤極の電位の差の少なくとも一方の電位の差を算出
    する演算手段と、 前記演算手段により算出された電位の差があらかじめ設
    定された設定値よりも大きくなった場合に、前記燃料電
    池スタックの運転を停止する制御手段と、 を備えて成ることを特徴とする燃料電池発電装置。
  3. 【請求項3】 基板に触媒を塗布して形成された燃料極
    および酸化剤極の間に電解質層を挟んで形成される単位
    電池とガス分離板とを交互に複数個ずつ積層してサブス
    タックを形成し、かつ当該サブスタックと冷媒を内部に
    流通する冷却板とを交互に複数個ずつ積層してなる燃料
    電池スタックと、 前記燃料電池スタックの各単位電池の燃料極に燃料ガス
    を供給する燃料ガス供給手段と、 前記燃料電池スタックの各単位電池の酸化剤極に酸化剤
    ガスを供給する酸化剤ガス供給手段とから構成される燃
    料電池発電装置において、 前記燃料電池スタックの少なくとも1個のサブスタック
    における、少なくとも2個の単位電池の燃料極または酸
    化剤極の少なくとも一方の電位を測定する電位測定手段
    と、 前記電位測定手段により測定された電位のうち、同一サ
    ブスタックに属する2個の単位電池の燃料極の電位の
    差、または同一サブスタックに属する2個の単位電池の
    酸化剤極の電位の差の少なくとも一方の電位の差を算出
    する演算手段と、 前記演算手段により算出された電位の差があらかじめ設
    定された設定値よりも大きくなった場合に警報を出力す
    る警報手段と、 前記演算手段により算出された電位の差があらかじめ設
    定された設定値よりも大きくなった場合に、前記燃料電
    池スタックの運転を停止する制御手段と、 を備えて成ることを特徴とする燃料電池発電装置。
  4. 【請求項4】 前記電位測定手段のうちの少なくとも一
    つは、前記燃料電池スタックのサブスタックの下端に位
    置する単位電池に設けていることを特徴とする請求項1
    乃至請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池発電装
    置。
  5. 【請求項5】 前記電位測定手段が設けられている単位
    電池のうち最も上部に位置する単位電池と、前記電位測
    定手段が設けられている単位電池のうち最も下部に位置
    する単位電池との間に、少なくとも一つの単位電池を存
    在させていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の
    いずれか1項に記載の燃料電池発電装置。
  6. 【請求項6】 前記電位測定手段は、前記単位電池の辺
    縁部であって、前記燃料極の前記触媒が塗布されていな
    い部分に設けていることを特徴とする請求項1乃至請求
    項5のいずれか1項に記載の燃料電池発電装置。
  7. 【請求項7】 前記電位測定手段は、前記単位電池のな
    す平面内における、燃料ガスが排出される付近に設けて
    いることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか
    1項に記載の燃料電池発電装置。
  8. 【請求項8】 前記電位測定手段は、前記単位電池のな
    す平面内における、酸化剤ガスが排出される付近に設け
    ていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれ
    か1項に記載の燃料電池発電装置。
  9. 【請求項9】 前記電位測定手段は、前記燃料電池スタ
    ックの下部に位置するサブスタックに属する単位電池に
    設けていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のい
    ずれか1項に記載の燃料電池発電装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006278246A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Honda Motor Co Ltd 燃料電池スタックの制御方法
US7927758B2 (en) 2006-01-11 2011-04-19 Samsung Sdi Co., Ltd. Gasket being capable of measuring voltage and fuel cell system having the same

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