JPH09199002A - 電子源、表示パネルおよび画像形成装置 - Google Patents
電子源、表示パネルおよび画像形成装置Info
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Abstract
るのを有効に防止でき、長寿命で高信頼性の電子源、そ
の電子源を用いた優れた品位の画像を与える表示パネル
および画像形成装置を得る。 【解決手段】 基板上に配線接続された電子放出素子を
複数個形成し、その配線上に絶縁性支持体を形成し、さ
らにその支持体上に電子放出素子を覆い、前記素子から
放出される電子が通過するための電子用開口を有する遮
蔽板が形成されており、該遮蔽板には前記電子用開口と
は異なる固定用開口が設けられ、該遮蔽板と前記支持体
とを固定用ペーストを介して接合して電子源とする。
Description
いた電子源、その電子原を有する表示パネルおよびその
表示パネルを有する画像形成装置に関する。
子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた2種類のもの
が知られている。冷陰極電子放出素子には電界放出型
(以下、「FE型」と称する)、金属/絶縁層/金属型
(以下、「MIM型」と称する)や表面伝導型電子放出
素子等がある。FE型の例としては、W.P.Dyke & W.W.D
oran,"Field Emission", Advance in Electron Physic
s, 8,89(1956)あるいはC.A.Spindt,"Physical Properti
es of thin-film field emission cathodes with molyb
denium cones", J. Appl. Phys., 47, 5248(1976)等に
開示されたものが知られている。
Tunnel-Emission Devices". J. Appl. Phys., 32, 646
(1961)等に開示されたものが知られている。
M.I. Elinson, Radio Eng. Electron Phys., 10, 1290
(1965)等に開示されたものがある。
成された小面積の薄膜に膜面に平行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる。この表面伝導型電子放出素子
としては、前記エリンソン等によるSnO2薄膜を用い
たもの、Au薄膜によるもの(G. Dittmer: Thin Solid
Films, 9, 317(1972))、In2O3/SnO2薄膜によ
るもの(M. Hartwell and C.G.Fonstad: IEEE Trans. E
D Conf., 519(1983))、カーボン薄膜によるもの(荒木
久他:真空、第26巻、第1号、22頁(1983))等が
報告されている。
な例として前述のハートウェル(Hartwell)の素子構成
を図4に模式的に示す。同図において1は基板である。
4は導電性薄膜で、H型形状のパターンにスパッタで形
成された金属酸化物薄膜等からなり、後述の通電フォー
ミングと呼ばれる通電処理により電子放出部5が形成さ
れる。尚、図中の素子電極間隔Lは0.5〜1mm、
W’は0.1mmで設定されている。
おいては、電子放出を行う前に導電性薄膜4を予め通電
フォーミングと呼ばれる通電処理することによって、電
子放出部5を形成するのが一般的であった。即ち、通電
フォーミングとは前記導電性薄膜4の両端に直流電圧あ
るいは非常にゆっくりとした昇電圧を印加通電し、導電
性薄膜を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気
的に高抵抗な状態にした電子放出部5を形成することで
ある。尚、電子放出部5は導電性薄膜4の一部に生じた
亀裂であり、その亀裂付近から電子放出が行われる。
製造も容易であることから、大面積にわたって多数素子
を配列形成できる利点がある。そこでこの特徴を活かし
た荷電ビーム源、表示装置等の応用研究がなされてい
る。多数の表面伝導型放出素子を配列形成した例として
は、後述するようにはしご型配置と呼ぶ並列に表面伝導
型電子放出素子を配列し、個々の素子の両端を配線(共
通配線とも呼ぶ)で、それぞれ結線した行を多数行配列
した電子源があげられる(例えば、特開昭64−031
332、特開平1−283749、同2−257552
等)。
いては、近年、液晶を用いた平板型表示装置がCRTに
替わって普及してきたが、自発光型でないためバックラ
イトを持たなければならない等の問題点があり、自発光
型の表示装置の開発が望まれてきた。自発光型表示装置
としては表面伝導型放出素子を多数配置した電子源と電
子源より放出された電子によって、可視光を発光せしめ
る蛍光体とを組み合わせた表示装置である画像形成装置
があげられる(例えば、USP5066883)。
ては、真空雰囲気を維持するための外囲器、電子を放出
させるための電子源とその駆動回路、電子の衝突により
発光する蛍光体等の画像形成部材、電子を画像形成部材
に向けて加速するための加速電極および高圧電源が必要
である。また、薄型画像表示装置などのように扁平な外
囲器を用いる画像形成装置においては、耐大気圧構造体
として支持柱(スペーサ)を用いる場合もある。
器内を加速電子が飛翔するとき真空雰囲気内や蛍光体上
の残留ガス等が電離され、その正イオンが加速電極によ
り電子源側へ向けて飛翔する現象が生じる。この正イオ
ンが電子源、特に電子放出部を有する電子放出素子に衝
突することにより、上記電子源を劣化させてしまうとい
う問題があった。このため、電子放出素子に対して荷電
粒子が直接衝突するのを防ぐことは、電子源の長寿命化
および信頼性向上を図る上で重要である。そこで、この
現象による電子源の劣化を防止するための構成として傾
斜配置させた複数の制御電極による方法がUSP415
5028に開示されている。しかしながら、その方法に
よっても効果は十分ではなく、さらなる長寿命化および
信頼性向上が望まれている。
は、電子放出素子に対して帯電粒子が直接衝突するのを
有効に防止でき、長寿命で高信頼性の電子源、その電子
源を用いた優れた品位の画像を与える表示パネルおよび
画像形成装置を得ることにある。
を解決するために鋭意検討を行って成されたものであ
る。
子放出素子が配線接続されている電子源において、前記
配線上に絶縁性支持体が形成され、さらに該支持体上に
電子放出素子を覆い、前記素子から放出される電子が通
過するための電子用開口を有する遮蔽板が形成されてい
ることを特徴とする電子源;その電子源ならびに該電子
源に対向して配置された加速電極と蛍光体を有するフェ
ースプレートを少なくとも有してなる表示パネル;さら
には、その表示パネルに画像形成のための駆動回路が設
けられている画像形成装置を提供する。
板には前記電子用開口とは異なる固定用開口が設けら
れ、該遮蔽板と前記支持体とが固定用ペーストを介して
接合されていることが好ましく、さらには、その支持体
と遮蔽板の接着を、前記固定用開口に塗布した固定用ペ
ーストを介して行うことが好ましい。
ば、電子放出素子の電子放出部から放出された電子は、
電子放出素子の真上に対して、1対の素子電極が形成す
る電界に引かれて飛翔するため、電子放出部の真上を覆
うように形成された遮蔽板に遮られることなく加速電極
および蛍光体が形成されたフェースプレートに到達でき
るが、蛍光体等の影響で発生する正イオンは電子源と加
速電極に印加される電界(基板面に対して垂直方向)に
沿って飛翔することから、その遮蔽板に衝突する。その
ようにして電子放出部を保護することができるため、電
子源の長寿命化および信頼性向上が可能となる。従っ
て、本発明の場合、USP4155028に開示されて
いるような傾斜配置された電子偏向のためのグリッドを
付加する必要なく、有効に電子放出素子の保護を行うこ
とができる。
を説明する。図1は、本発明の画像形成装置の例を示す
模式図である。
子電極でありそれぞれ後述するX、Y方向配線と接続し
ている。4は電子放出部を含む薄膜(導電性薄膜)であ
り、素子電極2および3と電気的に接続している。73
はY方向配線、72はX方向配線であり、11の絶縁膜
により絶縁されている。Y方向配線73、X方向配線7
2、絶縁膜11の膜厚は数μm〜数十μmの範囲であ
る。14は遮蔽板であり、電子放出素子の電子放出部、
すなわち電子放出部を含む薄膜上に形成された電子放出
部を覆うように形成されている。この材料としては銅、
ニッケル等の金属材料および合金が望ましいが、絶縁体
表面を導体でコーティングした部材を用いることも可能
である。遮蔽板の厚みは数十μmから数百μmのものが
通常用いられる。19は電子用開口部であり、電子放出
部より放出された電子が通過するためのものである。こ
の開口部の形状およびサイズに関しては画像形成装置の
形に合わせて最適な形状を用いることができ、円形だけ
でなく惰円形状、多角形などの形をとることができる。
また、開口部の大きさについても装置の駆動範囲におい
て最適な値を選ぶことができる。13は絶縁体からなる
支持体である。この支持体の高さとしては画像形成装置
の形に合わせて最適な高さをとることができる。好まし
くは数十μm〜数百μmの範囲である。20は遮蔽板1
4を支持体13に固定するための後述の厚膜ペーストを
充填するための固定用開口部である。22は遮蔽板14
を支持体13に固定するための厚膜ペーストである。
の手順を示した。
置の製造方法を詳細に説明する。
からなる導電性薄膜を形成し、そのパターンをフォトリ
ソグラフィーによって微細加工し、素子電極2および3
からなる素子電極対を形成する。
の電気的接触を良好にするために設けられるものであ
る。通常、電子放出部を含む薄膜は配線用の導体層と比
べて著しく薄い膜であるため、濡れ性、段差保持性等の
問題を回避するために設けられているものである。した
がって、スパッタリング法等により配線用の導体層を薄
膜にて構成する場合は、素子電極の形成は必ずしも個別
に行う必要はなく、配線導体と同時に形成することが可
能である。電極の形成方法としては、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、プラズマCVD法等の真空系を用いる方
法や、ビヒクルに金属成分およびガラス成分を混合した
厚膜ペーストを印刷・焼成することにより形成する厚膜
印刷法がある。
向配線72をマトリクス状に形成する。これらの配線は
電気抵抗を低減したほうが有利であるため、膜厚を厚く
形成できる厚膜印刷法を用いるのが好適である。このた
め、スクリーン印刷法で導電性ペーストを用いて配線を
形成することが好ましい。このとき各素子電極と各配線
を接続させる。また、絶縁膜としては、絶縁性向上のた
め多層に形成する方がよい。
成し、その後フォトリソグラフィー等によってパターニ
ングを行うことで、電子放出部を含む薄膜18を形成す
る(図2(a))。
らなる支持体をX方向配線上に形成する。これは絶縁体
からなる細線ワイヤーや絶縁ペーストを用いたスクリー
ン印刷法等により形成する(図2(b))。
面に形成した薄い板であり、レーザーあるいはエッチン
グ等による穴あけ加工、あるいは電鋳等により同時に形
成された開口部を有している。本発明による遮蔽板には
電子が通過するための開口部である電子用開口部以外
に、遮蔽板を固定するときに用いる開口部としての固定
用開口部が存在させることが好ましい。この固定用の開
口部は図2(c)のように電子が通過する開口部と同じ
数だけ存在する必要は特になく、場合に応じて必要最低
限の数で任意の配置をしてあればよい。
ず、スクリーン印刷により固定用の開口部にペーストを
充填する(図2(d))。遮蔽板の厚みにより、複数回
印刷を行う必要がある場合もある。用いるペーストは特
に特別なものである必要はなく、導電性でも絶縁性のも
のでもよい。ペーストを乾燥後、電子源と遮蔽板を位置
合わせして、遮蔽板が電子放出部を覆い隠し、かつ、遮
蔽板を電子が通過でき、かつ、ペーストの充填された固
定用開口部が支持体の上に位置するようにする。位置合
わせした電子源と遮蔽板は、ずれないように固定した
後、焼成炉でペーストを焼成することにより、ペースト
が支持体と密着するとともに硬化し固定される。このと
き、遮蔽板と硬化したペーストが密着している必要はな
く、硬化したペーストがリベットの役割を果たすことに
より、支持体に遮蔽板を留める働きをする。このためペ
ーストには必ずしも遮蔽板と密着する性質のものである
必要が無いため、ペースト材料の選択幅が広がる。この
ようにスクリーン印刷法を用いると、大面積にわたり均
一に塗布することが可能であるため、遮蔽板と電子源基
板との間隔の均一性が高くなり、遮蔽板を設けたことに
よる電界分布への影響を低減することができる。
説明する。図中1は基板であり、5は電子放出部、13
は絶縁性の支持体、14は遮蔽板である。また、86は
フェースプレート、84は蛍光膜、85はメタルバック
である。電子源とフェースプレートを支持枠82を介し
て対向配置させ、内部を真空にすることにより、画像形
成装置が形成できる。なお図示していないが、電子放出
素子の駆動回路を用いて電子放出させることにより、電
子放出部15より電子を放出させ、電子開口部を通って
フェースプレートに到達させて、蛍光体を発光させるこ
とで画像を表示できる。なお、メタルバックには電子を
加速させるために数KVの電圧がかけられている。
持体を形成し、さらにこの絶縁性の支持体上に電子放出
部を覆うように遮蔽板を形成することにより、正イオン
から電子放出素子を保護することができる。それに対し
て、電子放出部より放出された電子は遮蔽板に形成され
た電子用開口部を通って、対向電極である加速電極に到
達することができる。
導型電子放出素子の基本的な構成には大別して、平面型
及び垂直型の2つがある。
いて説明する。
出素子の構成を示す模式図であり、図5(a)は平面
図、図5(b)は断面図である。
極、4は導電性薄膜、5は電子放出部である。
純物含有量を低減させたガラス、青板ガラス、スパッタ
法等によりSiO2を堆積させたガラス基板及びアルミ
ナ等のセラミックス基板等を用いることができる。
一般的な導電材料を用いることができ、Ni,Cr,A
u,Mo,W,Pt,Ti,Al,Cu,Pd等の金属
あるいはそれらの合金;Pd,As,Ag,Au,Ru
O2,Pd−Ag等の金属あるいは金属酸化物とガラス
等から構成される印刷導体;In2O3−SnO2等の透
明導電体及びポリシリコン等の半導体材料等から選択す
ることができる。
薄膜4の形状等は、応用される形態等を考慮して設計さ
れる。素子電極間隔Lは、好ましくは数千Åから数百μ
mの範囲であり、より好ましくは素子電極間に印加する
電圧等を考慮して1μmから100μmの範囲である。
出特性を考慮して、数μmから数百μmの範囲である。
素子電極2、3の膜厚dは、100Åから1μmの範囲
である。
上に、導電性薄膜4、対向する素子電極2、3の順に積
層した構成とすることもできる。
るために、微粒子で構成された微粒子膜を用いるのが好
ましい。その膜厚は素子電極2、3へのステップカバレ
ージ、素子電極2、3間の抵抗値及び後述するフォーミ
ング条件等を考慮して適宜設定されるが、通常は数Åか
ら数千Åの範囲とするのが好ましく、より好ましくは1
0Åより500Åの範囲とする。その抵抗値は、Rsが
1×102から1×107Ωの値である。なおRsは、厚
さがt、幅がwで長さがIの薄膜の抵抗Rを、R=Rs
(I/w)とおいたときに現れる値で、薄膜材料の抵抗
率をρとするとRs=ρ/tで表される。本願明細書に
おいて、フォーミング処理について通電処理を例に挙げ
て説明するが、フォーミング処理はこれに限られるもの
ではなく、膜に亀裂を生じさせて高抵抗状態を形成する
方法であればいかなる方法でも良い。
t,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,Cr,F
e,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金属;PdO,S
nO2,In2O3,PbO,Sb2O3等の酸化物;Hf
B2,ZrB2,LaB6,CeB6,YB4,GdB4等の
硼化物;TiC,ZrC,HfC,TaC,SiC,W
C等の炭化物、TiN,ZrN,HfN等の窒化物、S
i,Ge等の半導体、カ一ボン等の中から適宜選択され
る。
集合した膜であり、その微細構造は、微粒子が個々に分
散配置した状態あるいは微粒子が互いに隣接、あるいは
重なり合った状態(いくつかの微粒子が集合し、全体と
して島状構造を形成している場合も含む)をとってい
る。微粒子の粒径は、数Åから1μmの範囲、好ましく
は10Åから200Åの範囲である。
成された高抵抗の亀裂により構成され、導電性薄膜4の
膜厚、膜質、材料及び後述する通電フォーミング等の手
法等に依存したものとなる。電子放出部5の内部には、
1000Å以下の粒径の導電性微粒子が含まれる場合も
ある。この導電性微粒子は、導電性薄膜4を構成する材
料の元素の一部、あるいは全ての元素を含有するものと
なる。電子放出部5及びその近傍の導電性薄膜4には、
炭素あるいは炭素化合物が含まれる場合もある。
いて説明する。
のうちの垂直型表面伝導型電子放出素子の一例を示す模
式図である。
る。基板1、素子電極2及び3、導電性薄膜4、電子放
出部5は、前述した平面型表面伝導型電子放出素子の場
合と同様の材料で構成することができる。段差形成部2
1は、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成された
SiO2等の絶縁性材料で構成することができる。段差
形成部21の膜厚は、先に述べた平面型表面伝導型電子
放出素子の素子電極間隔Lに対応し、数百Åから数十μ
mの範囲とすることができる。この膜厚は、段差形成部
の製法及び素子電極間に印加する電圧を考慮して設定さ
れるが、数千Åから数μmの範囲が好ましい。
形成部21作製後に、その素子電極2、3の上に積層さ
れる。電子放出部5は、図5においては、段差形成部2
1に形成されているが、作製条件、フォーミング条件等
に依存し、形状、位置ともこれに限られるものでない。
としては様々な方法があるが、その一例を図7に模式的
に示す。
法の一例について説明する。
を用いて十分に洗浄し、真空蒸着法、スパッタ法等によ
り素子電極材料を堆積後、例えばフォトリソグラフィー
技術を用いて基板1上に素子電極2、3を形成する(図
5(a))。
機金属溶液を塗布して、有機金属薄膜を形成する。有機
金属溶液には、前述の導電性膜4の材料の金属を主元素
とする有機金属化合物の溶液を用いることができる。有
機金属薄膜を加熱焼成処理し、リフトオフ、エッチング
等によりパターニングし、導電性薄膜4を形成する(図
5(b))。ここでは有機金属溶液の塗布法を挙げて説
明したが、導電性薄膜4の形成法はこれに限られるもの
でなく、真空蒸着法、スパッタ法、化学的気相堆積法、
分散塗布法、ディッピング法、スピンナー法等を用いる
こともできる。
このフォーミング処理方法の一例として通電処理による
方法を説明する。素子電極2、3間に、不図示の電源を
用いて通電を行うと、導電性薄膜4の部位に、構造の変
化した電子放出部5が形成される(図5(c))。通電
フォーミングによれば導電性薄膜4に局所的に破壊、変
形もしくは変質等の構造変化した部位が形成される。そ
の部位が電子放出部5となる。通電フォーミングの電圧
波形の例を図8に示す。
には、パルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印
加する図8(a)に示した手法と、パルス波高値を増加
させながら電圧パルスを印加する図8(b)に示した手
法がある。
のパルス幅とパルス間隔である。通常T1は1μs〜1
0ms、T2は、10μs〜100msの範囲で設定さ
れる。三角波の波高値(通電フォーミング時のピーク電
圧)は、表面伝導型電子放出素子の形態に応じて適宜選
択される。このような条件のもと、例えば、数秒から数
十分間電圧を印加する。パルス波形は三角波に限定され
るものではなく、矩形波など所望の波形を採用すること
ができる。
(a)に示したものと同様とすることができる。三角波
の波高値(通電フォーミング時のピーク電圧)は、例え
ば0.1Vステップ程度ずつ増加させることができる。
隔T2中に、導電性薄膜4を局所的に破壊、変形しない
程度の電圧を印加し、電流を測定して検知することがで
きる。例えば0.1V程度の電圧印加により流れる素子
電流を測定し、抵抗値を求めて、1MΩ以上の抵抗を示
した時、通電フォーミングを終了させる。
処理を施すのが好ましい。活性化処理を施すことによ
り、素子電流If、放出電流Ieが著しく変化する。
有する雰囲気下で、通電フォーミングと同様に、パルス
の印加を繰り返すことで行うことができる。この雰囲気
は、例えば油拡散ポンプやロータリーポンプなどを用い
て真空容器内を排気した場合に雰囲気内に残留する有機
ガスを利用して形成することができる他、イオンポンプ
などにより一旦十分に排気した真空中に適当な有機物質
のガスを導入することによっても得られる。このときの
好ましい有機物質のガス圧は、前述の応用の形態、真空
容器の形状や、有機物質の種類などにより異なるため場
合に応じ適宜設定される。適当な有機物質としては、ア
ルカン、アルケン、アルキンの脂肪族炭化水素類、芳香
族炭化水素類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン
類、アミン類、フェノール、カルボン酸、スルホン酸等
の有機酸類等を挙げることができ、具体的には、メタ
ン、エタン、プロパンなどCnH2n+2で表される飽和炭
化水素、エチレン、プロピレンなどCnH2n等の組成式
で表される不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メタ
ノール、エタノール、ホルムアルデヒド、アセトアルデ
ヒド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミン、
エチルアミン、フェノール、蟻酸、酢酸、プロピオン酸
等が使用できる。この処理により雰囲気中に存在する有
機物質から炭素あるいは炭素化合物が素子上に堆積し、
素子電流Ifおよび放出電流Ieが著しく変化する。
放出電流Ieを測定しながら行う。なおパルス幅、パル
ス間隔、パルス波高値などは適宜設定される。
(Highly Oriented Pyrolytic Graphite)、PG(Pyro
lytic Graphite)、GC(Glassy Carbon)などのグラ
ファイト(HOPGはほぼ完全な結晶構造をもつグラフ
ァイト、PGは結晶粒が200Å程度で結晶構造がやや
乱れたグラファイト、GCは結晶粒が20Å程度で結晶
構造の乱れがさらに大きくなったものを指す)、非晶質
カーボン(アモルファスカーボン及びアモルファスカー
ボンと前記グラファイトの微結晶の混合物を含むカーボ
ン)などであり、その膜厚は500Å以下にするのが好
ましく、300Å以下であればより好ましい。
子は、安定化処理を行うことが好ましい。この処理は真
空容器内の有機物質の分圧が、1×10-8Torr以
下、望ましくは1×10-10Torr以下で行なうのが
良い。真空容器内の圧力は、10-6.5〜10-7Torr
が好ましく、特に1×10-8Torr以下が好ましい。
から発生するオイルが素子の特性に影響を与えないよう
に、オイルを使用しないものを用いるのが好ましい。具
体的にはソープションポンプ、イオンポンプ等の真空排
気装置を挙げることができる。さらに真空容器内を排気
するときには、真空容器全体を加熱して真空容器内壁や
電子放出素子に吸着した有機物質分子を排気しやすくす
るのが好ましい。このときの加熱した状態での真空排気
条件は、80〜200℃で5時間以上が望ましいが、特
にこの条件に限るものではなく、真空容器の大きさや形
状、電子放出素子の構成などの諸条件により変わり得
る。なお、上記有機物質の分圧測定は質量分析装置によ
り質量数が10〜200の炭素と水素を主成分とする有
機分子の分圧を測定し、それらの分圧を積算することに
より求める。
は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ま
しいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去
されていれば、真空度自体は多少低下しても十分安定な
特性を維持することができる。
り、新たな炭素あるいは炭素化合物の堆積を抑制でき、
結果として素子電流Ifおよび放出電流Ieが安定する。
が採用できる。
出素子の個々を両端で接続し、電子放出素子の行を多数
個配し(行方向と呼ぶ)、この配線と直交する方向(列
方向と呼ぶ)でその電子放出素子の上方に配した制御電
極(グリッドとも呼ぶ)により、電子放出素子からの電
子を制御駆動するはしご型配置のものがある。これとは
別に、電子放出素子をX方向及びY方向に行列状に複数
個配し、同じ行に配された複数の電子放出素子の電極の
一方を、X方向の配線に共通に接続し、同じ列に配され
た複数の電子放出素子の電極の他方を、Y方向の配線に
共通に接続するものが挙げられる。このようなものは所
謂単純マトリクス配置である。まず単純マトリクス配置
について以下に詳述する。
状に配して得られる電子源基板について、図9を用いて
説明する。図9において、71は電子源基板、72はX
方向配線、73はY方向配線である。74は表面伝導型
電子放出素子、75は結線である。尚、表面伝導型電子
放出素子74は、前述した平面型あるいは垂直型のどち
らであってもよい。
・・・、Dxmからなり、真空蒸着法、印刷法、スパッ
タ法等を用いて形成された導電性金属等で構成すること
ができる。配線の材料、膜厚、巾は、適宜設計される。
Y方向配線73は、Dy1、Dy2、・・・、Dynのn
本の配線よりなり、X方向配線72と同様に形成され
る。これらm本のX方向配線72とn本のY方向配線7
3との間には、不図示の層間絶縁層が設けられており、
両者を電気的に分離している(m、nは共に正の整
数)。
法,スパッタ法等を用いて形成されたSiO2等で構成
される。例えば、X方向配線72を形成した基板71の
全面或は一部に所望の形状で形成され、特にX方向配線
72とY方向配線73の交差部の電位差に耐え得るよう
に膜厚、材料、製法が設定される。X方向配線72とY
方向配線73は、それぞれ外部端子として引き出されて
いる。
電極(不図示)は、m本のX方向配線72とn本のY方
向配線73と導電性金属等からなる結線75によって電
気的に接続されている。
75を構成する材料及び一対の素子電極を構成する材料
は、その構成元素の一部あるいは全部が同一であって
も、またそれぞれ異なってもよい。これら材料は、例え
ば前述の素子電極の材料より適宜選択される。素子電極
を構成する材料と配線材料が同一である場合には、素子
電極に接続した配線は素子電極ということもできる。
面伝導型放出素子74の行を選択するための走査信号を
印加する不図示の走査信号印加手段が接続される。一
方、Y方向配線73にはY方向に配列した表面伝導型放
出素子74の各列を入力信号に応じて、変調するための
不図示の変調信号発生手段が接続される。各電子放出素
子に印加される駆動電圧は、その素子に印加される走査
信号と変調信号の差電圧として供給される。
線を用いて個別の素子を選択し、独立に駆動可能とする
ことができる。
用いて構成した画像形成装置について、図10、図11
及び図12を用いて説明する。図10は画像形成装置の
表示パネルの1例を示す模式図であり、図11は、図1
0の画像形成装置に使用される蛍光膜の模式図である。
図12はNTSC方式のテレビ信号に応じて表示を行な
うための駆動回路の一例を示すブロック図である。
配した電子源基板、81は電子源基板71を固定したリ
アプレート、86はガラス基板83の内面に蛍光膜84
とメタルバック85等が形成されたフェースプレートで
ある。82は支持枠であり、その支持枠82には、リア
プレート81、フェースプレート86がフリットガラス
等を用いて接続されている。88は外囲器であり、例え
ば大気中あるいは窒素中で400〜500度の温度範囲
で10分以上焼成され、封着される。
る。72、73は、表面伝導型電子放出素子の一対の素
子電極と接続されたX方向配線及びY方向配線である。
レート86、支持枠82、リアプレート81で構成され
る。リアプレート81は主に電子源基板71の強度を補
強する目的で設けられるため、電子源基板71自体で十
分な強度を持つ場合は別体のリアプレート81は不要と
することができる。即ち、基板71に直接支持枠82を
封着し、フェースプレート86、支持枠82及び基板7
1で外囲器88を構成しても良い。一方、フェースープ
レート86、リアプレート81間に、スペーサー(耐大
気圧支持部材)とよばれる不図示の支持体を設置するこ
とにより、大気圧に対して十分な強度をもつ外囲器88
を構成することもできる。
光膜84はモノクロームの場合は蛍光体のみから構成す
ることができる。カラーの蛍光膜の場合は蛍光体の配列
によりブラックストライプあるいはブラックマトリクス
などと呼ばれる黒色部材91と蛍光体92とから構成す
ることができる。ブラックストライプ、ブラックマトリ
クスを設ける目的は、カラー表示の場合、必要となる三
原色蛍光体の各蛍光体92間の塗り分け部を黒くするこ
とで混色等を目立たなくすることと、外光反射によるコ
ントラストの低下を抑制することにある。ブラックスト
ライプの材料としては、通常用いられている黒鉛を主成
分とする材料の他、光の透過及び反射が少ない材料であ
れば、これを用いることができる。
は、モノクローム、カラーによらず、沈澱法、印刷法等
が採用できる。蛍光膜84の内面側には、通常メタルバ
ック85が設けられる。メタルバックを設ける目的は、
蛍光体の発光のうち内面側への光をフェースプレート8
6側へ鏡面反射させることにより輝度を向上させるこ
と、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作
用させること、外囲器内で発生した負イオンの衝突によ
るダメージから蛍光体を保護すること等である。メタル
バックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化
処理(通常、「フィルミング」と呼ばれる。)を行い、
その後Alを真空蒸着等を用いて堆積させることで作製
できる。
4の導電性を高めるため、蛍光膜84の外面側(ガラス
基板83側)に透明電極(不図示)を設けてもよい。
各色蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、
十分な位置合わせが不可欠となる。
下のようにして製造される。
に、適宜加熱しながら、イオンポンプ、ソープションポ
ンプなどのオイルを使用しない排気装置により不図示の
排気管を通じて排気し、1×10-7Torr程度の真空
度の有機物質の十分少ない雰囲気にした後、封止され
る。外囲器88の封止後の真空度を維持するために、ゲ
ッター処理を行なうこともできる。これは、外囲器88
の封止を行う直前あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは
高周波加熱等を用いた加熱により、外囲器88内の所定
の位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着
膜を形成する処理である。ゲッターは通常Ba等が主成
分であり、その蒸着膜の吸着作用により、たとえば1×
10-5ないしは1×10-7Torrの真空度を維持する
ものである。
て構成した表示パネルに、NTSC方式のテレビ信号に
基づいたテレビジョン表示を行うための駆動回路の構成
例について、図12を用いて説明する。図12におい
て、101は画像表示表示パネル、102は走査回路、
103は制御回路、104はシフトレジスタである。1
05はラインメモリ、106は同期信号分離回路、10
7は変調信号発生器、VxおよびVaは直流電圧源であ
る。
oxm、端子Doy1ないしDoyn、及び高圧端子Hvを介
して外部の電気回路と接続している。端子Dox1ないし
Doxmには、表示パネル内に設けられている電子源、即
ち、m行n列の行列状にマトリクス配線された表面伝導
型電子放出素子群を一行(n素子)ずつ順次駆動するた
めの走査信号が印加される。
号により選択された一行の表面伝導型電子放出素子の各
素子の出力電子ビームを制御するための変調信号が印加
される。高圧端子Hvには、直流電圧源Vaより、例えば
10kVの直流電圧が供給されるが、これは表面伝導型
電子放出素子から放出される電子ビームに蛍光体を励起
するのに十分なエネルギーを付与するための加速電圧で
ある。
は、内部にm個のスイッチング素子を備えたもので(図
中、S1ないしSmで模式的に示している)ある。各ス
イッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは
0V(グランドレベル)のいずれか一方を選択し、表示
パネル101の端子Dox1〜Doxmと電気的に接続され
る。S1乃至Smの各スイッチング素子は、制御回路1
03が出力する制御信号Tscanに基づいて動作するもの
であり、例えばFETのようなスイッチング素子を組み
合わせることにより構成することができる。
導型電子放出素子の特性(電子放出閾値電圧)に基づき
走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子放出
閾値電圧以下となるような一定電圧を出力するよう設定
されている。
信号に基づいて適切な表示が行なわれるように各部の動
作を整合させる機能を有する。制御回路103は、同期
信号分離回路106より送られる同期信号Tsyncに基づ
いて、各部に対してTscanおよびTsftおよTmryの各制
御信号を発生する。
されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝
度信号成分とを分離するための回路で、一般的な周波数
分離(フィルター)回路等を用いて構成できる。同期信
号分離回路106により分離された同期信号は、垂直同
期信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜
上Tsync信号として図示した。前記テレビ信号から分離
された画像の輝度信号成分は便宜上DATA信号と表し
た。そのDATA信号はシフトレジスタ104に入力さ
れる。
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路103より送られる制御信号Tsftに基づいて動
作する(即ち、制御信号Tsftは、シフトレジスタ10
4のシフトクロックであるということもできる)。シリ
アル/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出素
子n素子分の駆動データに相当)のデータは、Id1な
いしIdnのn個の並列信号として前記シフトレジスタ
104より出力される。
データを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置であ
り、制御回路103より送られる制御信号Tmryに従っ
て適宜Id1〜Idnの内容を記憶する。記憶された内容
は、I'd1〜I'dnとして出力され、変調信号発生器1
07に入力される。
1〜I'dnの各々に応じて表面伝導型電子放出素子の各
々を適切に駆動変調するための信号源であり、その出力
信号は、端子Doy1〜Doynを通じて表示パネル101
内の表面伝導型電子放出素子に印加される。
して以下の基本特性を有している。即ち、電子放出には
明確な閾値電圧Vthがあり、Vth以上の電圧を印加され
た時のみ電子放出が生じる。電子放出閾値以上の電圧に
対しては、素子への印加電圧の変化に応じて放出電流も
変化する。このことから、本素子にパルス状の電圧を印
加する場合、例えば電子放出闘値以下の電圧を印加して
も電子放出は生じないが、電子放出闘値以上の電圧を印
加する場合には電子ビームが出力される。その際、パル
スの波高値Vmを変化させることにより、出力電子ビー
ムの強度を制御することが可能である。また、パルスの
幅Pwを変化させることにより出力される電子ビームの
電荷の総量を制御することが可能である。
変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調方
式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際して
は、変調信号発生器107として、一定長さの電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの波
高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いること
ができる。
変調信号発生器107として、一定の波高値の電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルス
の幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いる
ことができる。
5は、デジタル信号式のものもアナログ信号式のものも
採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶
が所定の速度で行なわれれば良いからである。
号分離回路106の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要があるが、これには回路106の出力部にA/
D変換器を設ければ良い。これに関連してラインメモリ
105の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かによ
り、変調信号発生器107に用いられる回路が若干異な
ったものとなる。即ち、デジタル信号を用いた電圧変調
方式の場合、変調信号発生器107には、例えばD/A
変換回路を用い、必要に応じて増幅回路などを付加す
る。パルス幅変調方式の場合、変調信号発生器107に
は、例えば高速の発振器および発振器の出力する波数を
計数する計数器(カウンタ)及び計数器の出力値と前記
メモリの出力値を比較する比較器(コンパレータ)を組
み合せた回路を用いる。必要に応じて、比較器の出力す
るパルス幅変調された変調信号を表面伝導型電子放出素
子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付加す
ることもできる。
合、変調信号発生器107には、例えばオペアンプなど
を用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフ
ト回路などを付加することもできる。パルス幅変調方式
の場合には、例えば、電圧制御型発振回路(VCO)を
採用でき、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動
電圧まで電圧増幅するための増幅器を付加することもで
きる。
示装置においては、各電子放出素子に、容器外端子Dox
1乃至Doxm、Doy1乃至Doynを介して電圧を印加す
ることにより、電子放出が生ずる。高圧端子Hvを介し
てメタルバック85あるいは透明電極(不図示)に高圧
を印加し、電子ビームを加速する。加速された電子は、
蛍光膜84に衝突し、発光が生じて画像が形成される。
あり、本発明の技術思想に基づいて種々の変形が可能で
ある。入力信号については、NTSC方式を挙げたが入
力信号はこれに限られるものではなく、PAL、SEC
AM方式などのほか、それよりも多数の走査線からなる
TV信号(例えば、MUSE方式をはじめとする高品位
TV)方式をも採用できる。
送の表示装置、テレビ会議システムやコンピューター等
の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成された光
プリンターとしての画像形成装置等としても用いること
ができる。
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
示した構成を有する電子源基板を作製した。
基板1にスパッタリング法により金属薄膜を形成した
後、フォトリソエッチング法により素子電極2、3を形
成した。その材質は厚さ50ÅのTiを下引きとした厚
さ1000ÅのNi薄膜であり、素子電極間隔は2μm
とした。
線73を形成した。Y方向配線73は銀ペーストを用
い、スクリーン印刷法でパターン化し、続いて焼成(焼
成温度は550度、ピーク保持時間は約10分)された
幅100μm、厚さ10μmの印刷配線である。次に絶
縁膜11を、ガラスを主成分とするペーストを印刷後焼
成することにより形成した。なお、上下間の絶縁性をよ
くするために印刷及び焼成を2回ずつ実施した。焼成温
度は550℃、ピーク保持時間は10分とした。印刷焼
成後の膜厚は30μmであった。
電極2と接続するように形成した。形成法はY方向配線
と同様な手段を用い、幅300μm、厚さ20μmであ
った。
金属溶液の塗布焼成により形成し、その後フォトリソグ
ラフィー等によってパターニングを行うことで電子放出
部を含む薄膜4形成し、電子源が完成した(図2
(a))。
ン印刷法を用いて、絶縁ペーストにより幅200μm、
高さ150μmで形成した(図2(b))。
て述べる。
フィルムを、電子用開口部を長辺220μm×短辺7μ
mの長方形に、固定用開口部をφ100μmの円形に加
工したものを用いた(図13(a))。この遮蔽板の片
面からスクリーン印刷を用いて固定用開口部のみに支持
体形成に用いたペーストをこの開口よりもわずかに大き
なパターンで印刷し充填する。充填が終わるまで印刷と
乾燥を繰り返した後、もう一方の面から一度だけ同様に
印刷を行い、図13(b)のような状態を得る。
開口部が支持体の中心になるよう位置合わせを行った
後、ペーストを焼成すると、ペーストが支持体に密着、
硬化し遮蔽板が固定された(図13(c))。
の固定手段の塗布にスクリーン印刷法を適用したため、
大面積にわたって素早く、かつ、均一に塗布することが
可能となった。
リクス配線の電子源を用いて画像形成装置を構成した例
を、図14を用いて説明する。
を多数作製した電子源基板71の5mm上方に、蛍光面
上にメタルバックが形成されたフェースプレート86を
支持枠82を介し配置し、フェースプレート、支持枠、
電子源基板の接合部にフリットガラスを塗布し、大気中
あるいは窒素雰囲気中で400℃ないし500℃で10
分以上焼成することで封着した。図14において、7
3、72はそれぞれX方向及びY方向の配線である。
体のみから成るが、本実施例では蛍光体はストライプ形
状の黒色部材(図11(a)参照、以下ブラックストラ
イプと称する)を採用し、先にブラックストライプを形
成し、その間隙部に各蛍光体を塗布し、蛍光膜を作製し
た。黒色部材の材料は、通常良く用いられている黒鉛を
主成分とする材料を用いた。基板に蛍光体を塗布する方
法はスラリー法を用いた。
5が設けられる。メタルバックは、蛍光膜作製後、蛍光
膜の内面側表面の平滑化処理(通常、フィルミングと呼
ばれる)を行ない、その後、Alを真空蒸着することで
作製した。
性を高めるため、蛍光膜と基板の間に透明電極(不図
示)が設けられる場合もあるが、本実施例では、メタル
バックのみで十分な導電性が得られたので省略した。
色蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけない
ため、十分な位置合わせを行なった。以上のようにして
完成したガラス容器内の雰囲気を排気管(図示せず)を
通じ真空ポンプにて排気し、十分な真空度に達した後、
容器外まで延びている配線およびY方向配線を通じ、電
子放出素子の素子電極間に電圧を印加し、電子放出部形
成用薄膜を通電処理(フォーミング処理)することによ
り、電子放出部を作製した。フォーミング処理の電圧波
形を図8に示す。
とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1ミリ秒、T2
を10ミリ秒とし、三角波の波高値(フォーミング時の
ピーク電圧)は14Vとし、フォーミング処理は約1×
10-6Torrの真空雰囲気下で60秒間行なった。
ウム元素を主成分とする微粒子が分散配置された状態と
なり、その微粒子の平均粒径は30Åであった。
で、不図示の排気管をガスバーナーで熱することで溶着
し、外囲器の封止を行なった。
ゲッター処理を行なった。これは封止を行なう直前、あ
るいは封止後に抵抗加熱あるいは高周波加熱等の加熱法
により、画像形成装置内の所定の位置(不図示)に配置
されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する処理であ
る。ゲッターは通常Ba等が主成分であり、その蒸着膜
の吸着作用により、例えば1×10-5Torr〜1×1
0-7Torrの真空度を維持するものである。
成装置において、各表面伝導型電子放出素子には、X方
向配線、Y方向配線を通じ、走査信号および変調信号を
不図示の信号発生手段によりそれぞれ印加することによ
り電子放出させ、メタルバックから真空容器外まで延び
ている不図示の高電圧端子を通じて、メタルバックに数
KV以上の高圧を印加し、電子ビームを加速して、蛍光
膜に衝突させ、励起・発光させることで、画像を表示し
た。なお、遮蔽板は、不図示の配線手段により0V電位
に維持されている。
は、従来のように電子放出素子の劣化や破壊を引き起こ
す荷電粒子の影響を受けないように、遮蔽板の位置が設
定され、かつ電位も設定されている。従って、電子放出
素子から出た電子はフェースプレートまで到達できる
が、荷電粒子は電子放出素子に到達できないため、その
ような荷電粒子による電子放出素子へのダメージが避け
られるようになった。
済みの電子源基板を形成した。本実施例では遮蔽版の固
定に5つの固定用開口部を用いた。その位置は図15で
示したように4角と中心の一点の合計5つである。
用いて固定用開口部にペーストを充填し、乾燥後、電子
源基板と遮蔽板の位置合わせを行い、焼成することで遮
蔽板を有する電子源基板が完成した。
支持枠、フェースプレートを封着し真空容器を形成後、
内部を排気し、フォーミングを行った。この後、ゲッタ
ー処理を行い、真空容器を封止する。最後に、駆動装置
を本装置と接続し画像表示を行った。
の数を電子放出素子+5個とすることができ、コストお
よび加工時間を他の場合に比ベて最小にすることが可能
となった。
遮蔽板の電子源基板への固定に際して、遮蔽板と電子源
基板の間隔の均一性が良くなり、該遮蔽板による電界分
布への影響を少なくすることができる。さらに、遮蔽板
の導入により電子放出素子への荷電粒子の影響がなくな
るため、画像表示装置の長寿命化を達成することができ
る。
図である。
す模式的断面図である。
模式的平面図である。
式図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
である。
ける手順を示す工程図である。
きる通電フォーミング処理における電圧波形2例を示す
波形図である。
式図である。
示す模式図である。
応じて表示を行なうための駆動回路の1例を示すブロッ
ク図である。
定について説明する工程図である。
式図である。
式図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 基板上に形成された電子放出素子が配線
接続されている電子源において、 前記配線上に絶縁性支持体が形成され、 該支持体上に電子放出素子を覆い、前記素子から放出さ
れる電子が通過するための電子用開口を有する遮蔽板が
形成されており、 該遮蔽板には前記電子用開口とは異なる固定用開口が設
けられ、該遮蔽板と前記支持体とが固定用ペーストを介
して接合されていることを特徴とする電子源。 - 【請求項2】 前記ペーストの塗布はスクリーン印刷法
によって行ったものである請求項1記載の電子源。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の電子源ならび
に該電子源に対向して配置された加速電極と蛍光体を有
するフェースプレートを少なくとも有してなる表示パネ
ル。 - 【請求項4】 請求項3記載の表示パネルに画像形成の
ための駆動回路が設けられている画像形成装置。
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JP00580196A JP3402891B2 (ja) | 1996-01-17 | 1996-01-17 | 電子源および表示パネル |
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JP3402891B2 JP3402891B2 (ja) | 2003-05-06 |
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JP2007250456A (ja) * | 2006-03-17 | 2007-09-27 | Mitsubishi Electric Corp | 電界放出型表示装置及びその製造方法 |
CN100444715C (zh) * | 2006-02-09 | 2008-12-17 | 友达光电股份有限公司 | 用于显示元件的全彩工艺的屏蔽 |
-
1996
- 1996-01-17 JP JP00580196A patent/JP3402891B2/ja not_active Expired - Fee Related
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