JPH09197392A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH09197392A
JPH09197392A JP401796A JP401796A JPH09197392A JP H09197392 A JPH09197392 A JP H09197392A JP 401796 A JP401796 A JP 401796A JP 401796 A JP401796 A JP 401796A JP H09197392 A JPH09197392 A JP H09197392A
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Yoshitaka Yamada
義孝 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色劣化がなく、高耐候性を有するカラ−フィ
ルタ−を具備する、高画質で低価格であるとともに、高
信頼性を有する液晶表示装置を提供すること。 【解決手段】 入射光側に配置された第1の基板と、こ
の第1の基板に対向配置された第2の基板と、これら第
1及び第2の基板間に挟持された液晶層と、光源からの
光を分光して透過させる色分離手段とを具備する液晶表
示装置において、前記色分離手段は、有機材料からなる
第1のカラーフィルター層と、誘電体多層膜からなる第
2のカラーフィルター層とを含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高耐光性カラーフ
ィルターを有する液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、CRT表示装置よりも小型で軽量
なフラットパネルディスプレイ装置として、液晶表示装
置やプラズマ発光表示装置などが注目されている。これ
らの表示装置は、自ら表示画像に対応した光を発生して
表示する自己発光型と、別の光源(自然光を含む)を有
し、表示素子に光の透過率の制御機能を持たせて表示を
行う透過率制御型とに大別される。そして、次世代表示
装置として、各種の分野で実用化が進んでいる液晶表示
装置は、現在のところ、透過率制御型の代表的なもので
ある。
【0003】一方、液晶表示装置としては、液晶表示パ
ネルを直接見るタイプと、液晶表示パネルにより変調さ
れた光をスクリーン上に投写し、この投写画像を見るタ
イプが知られている。前者はコンパクトな表示装置を構
成できるというメリットがある。一方、後者は投写型液
晶表示装置として知られており、ランプの光を液晶パネ
ルに集光して入射させ、二次元的に変調された透過光又
は反射光を、投射レンズを通じて、スクリーンに拡大投
射するように構成されるもので、大きなサイズの画面表
示を行わせることができるというメリットがある。
【0004】一般に、投写型液晶表示装置は、液晶パネ
ルの背後から光を照射してスクリーン上にカラー画像を
投射する装置である。この液晶表示装置を用いてカラー
表示を行う方法として、1枚パネル方式と3枚パネル方
式の2方式がある。1枚パネル方式では、1枚の液晶パ
ネル各々の画素に赤、緑、青のモザイク状のカラーフィ
ルターを対応させて配置し、白色光を照射することによ
ってカラー表示を行うことができる。これに対して、3
枚パネル方式では、3枚のダイクロイックミラーによ
り、白色光を赤、緑、青の三色に分離して、それぞれ3
枚の液晶パネルに対応する色の光を照射し、液晶パネル
により形成された3色の画像を重ね合わせてカラー表示
を行う。
【0005】1枚パネル方式は、3枚パネル方式に比べ
光学系が簡単であることから、表示装置の小型化、軽量
化を図れるという利点がある一方、1枚パネル方式でカ
ラー表示を行う場合、1画素が赤、緑、青と3分割され
ていることから、3枚パネル方式と同じ明るさの光源を
用いた場合、画像の明るさは3枚パネル方式の3分の1
になるという問題がある。
【0006】このような液晶表示装置を構成する重要な
要素が液晶素子であるが、この液晶素子には多くのもの
が知られており、ツイステッドネマティック型液晶素子
が代表的なものとして用いられる。その動作原理は、液
晶層における光の複屈折性または旋光性を利用すること
により、表示パネルの観察面側に出射される光を制御し
て表示を行うというものである。
【0007】しかし、上記のようなツイステッドネマテ
ィック型液晶素子は、偏光板を用いるために、原理的
に、光源からの光の約2分の1が損失し、光源の光利用
効率が低い。その結果、画面の輝度が低くなるという問
題がある。このような輝度の低は、強力な光源を用いる
ことにより改善できるが、そうした場合、消費電力の増
大や、発熱、偏光板等の耐光性という問題が発生する。
【0008】一方、投写型液晶表示装置の場合、装置全
体を小型化するためには、液晶表示パネルのサイズを小
型化する必要があるが、拡大投射で精細な画像を得よう
とすると、画素数を増やす必要がある。ところが、液晶
表示パネルの開口率は画素数が増えるほど低下する傾向
があり、その結果、光源光の利用効率が低下してしま
い、高輝度化が困難になってしまう。そこで、一般に
は、液晶表示パネルの開口率低下を補うために、液晶表
示パネルの光入射側にマイクロレンズアレイを配置し
て、実効的な透過率の改善を計る方法が採用されてい
る。
【0009】これに対して、出射側の方向、あるいは散
乱/透過を制御する方式の液晶表示装置は、偏光板が不
要であることから、光源からの光利用効率を上げること
が可能である。このような方式の液晶表示装置の中で
も、高分子分散型液晶表示装置は、高分子樹脂と液晶と
を、それぞれ別の相として混在させた液晶層を用いるも
のである。つまり、高分子樹脂と液晶とを混合した場合
に、いずれかが他方に溶解されるような形ではなく、い
ずれか一方の中に他方が分散的に保持された構造であ
り、例えば、高分子樹脂における連続状又は多数のカプ
セル状の空隙中に液晶相としてTN液晶のような液晶組
成物が分散保持されているような液晶層を用いるもので
ある。
【0010】このような高分子分散型液晶表示装置にお
いては、2枚の透明電極間に電圧を印加しない状態で
は、透過光を散乱させるので、画面は乳透明に観察さ
れ、電圧を印加した状態では、印加電圧に応じて液晶層
が透明化して透過光を散乱させずに透過させるようにな
り、画面は透明に観察される。
【0011】このように高分子分散型液晶は、光の分散
と非散乱を制御できるので、散乱光のみを取り出す光学
系、または非散乱光のみを取り出す光学系を組み合わせ
ることにより、液晶層での光の散乱性の制御を光強度、
つまり画面輝度の制御に変換することができる。そし
て、この動作原理を用いることにより、偏光板が不要に
なり、光源光の利用効率も高くなり、高輝度の表示を実
現できる。このため、現在では、高分子分散型液晶をア
クティブマトリックス型の投写型液晶表示装置に適用し
て、明るい液晶プロジェクターを開発する動きが盛んで
ある。
【0012】一般に、アクティブマトリックス型の液晶
表示装置は、対向電極を有する対向基板と、薄膜トラン
ジスタなどのスイッチング素子に接続された画素電極を
有するアレイ基板とを具備する。この薄膜トランジスタ
としては、アモルファスシリコンや、多結晶シリコンな
どの半導体層が用いられているが、これらは光の入射に
よって光リークを発生し、表示特性を劣化させる。この
ため、通常、薄膜トランジスタに対向する対向基板の位
置に遮光層を配置し、対向基板からの光入射による光が
薄膜トランジスタに到達しないように工夫してある。
【0013】このような遮光層としては、一般には、C
r層が用いられる。このCr層は、薄膜トランジスタへ
の光入射を制御するための光学濃度(Optical
Density)が、4.0〜5.0以上あり、厚膜で
形成される。
【0014】しかし、上記のように遮光層を設けたとし
ても、開口部から入射した光が、アレイ基板、対向基板
などの各層による多重反射を受けて、薄膜トランジスタ
部に進入する場合がある。これに対する対策として、上
記の遮光層のアレイ基板側(膜面側)をさらにCrO等
の低反射膜で覆う構造や、薄膜トランジスタ自体を遮光
層で覆ういわゆるBMオンアレイ構造などが用いられて
いる。また、同様の理由から、液晶パネルにカラーフィ
ルターが形成されている場合、カラーフィルターが入射
白色光の約2/3を吸収するという特徴を利用して、光
の入射側にカラーフィルターを配置し、あらかじめ不要
光を吸収するという対策を用いる場合が多い。
【0015】しかしながら、表示画面の高輝度化のため
に採用される高分子分散型液晶においては、偏光板が不
要になる分、光源光のロスがなくなるため、表示パネル
への光の入射強度は、偏光板がある場合に比べ、約2.
5倍にも達する。また同様に、偏光板不要の材料の採用
や、光源光のパワーアップに伴い、ますます表示パネル
の光の入射強度は増大する傾向にある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来、直視式用として
用いられている液晶表示パネルのカラーフィルターは、
染料により透明レジストを染色する染色式カラーフィル
ターが主流を占めていたが、近年、耐光性、耐久性、低
コストの観点から、透明レジストなどに有機顔料を分散
させた有機顔料分散式や、顔料をITO電極上に析出さ
せる顔料電着法(電解法)カラーフィルターにとって変
わられつつある。これは、直視用液晶パネルも、屋外等
の太陽光下の厳しい環境での利用を考慮する必要性が出
てきたためである。
【0017】しかし、染料に比べて耐光性の高い顔料に
おいても耐光劣化が問題となっている。更に、高輝度光
源を搭載した投射型液晶装置への応用がすでに行われて
いるが、この場合は、より高照度の光が液晶パネルに入
射するため、耐光性の改善が望まれている。
【0018】図11は、かかる従来の液晶表示装置の構
成を示す断面図である。図11に示すように、液晶パネ
ルは、対向配置されたアレイ基板1と対向基板10の間
に、高分子分散型の液晶層20をはさんだサンドイッチ
状の構造を有している。アレイ基板1は、ガラス基板1
a上にゲート絶縁層3、第1層間絶縁膜5、及び第2層
間絶縁膜7を積層し、更にその上にITO透明電極(画
素電極層)8を配置した構造を有している。一方、対向
基板10は、ガラス基板10a上にCr/CrOからな
る遮光層11、顔料分散方式のカラーフィルター層12
a,12b,12c、保護膜13、更にその上に対向電
極14を配置した構造を有している。
【0019】なお、ガラス基板1aの上の多結晶シリコ
ン層2の上に、ゲート絶縁膜3を介して、ゲート電極4
を配置したポリシリコン薄膜トランジスタ(以下、p−
SiTFTと称する)9が形成されている。p−SiT
FT9の一端には、金属配線6を介して、映像信号電圧
が印加される。また、p−SiTFT9のゲート電極4
には、走査線を選択するための信号が印加される。更
に、p−SiTFT9の他端は、金属配線6を介して、
透明電極8に接続されている。
【0020】ちなみに、p−SiTFT9は、ガラス基
板1a上にアモルファスシリコン膜をCVD法により成
膜した後、レーザーアニール法で多結晶シリコン膜に変
換し、、これを島状にパターニングして多結晶シリコン
層を形成する。その上に、ゲート絶縁膜3をパターニン
グにより形成する。次に、多結晶シリコン層に不純物を
注入し、セルフアラインメントでソース、ドレイン領域
を形成する。そして、ゲート電極4の上に第1層間絶縁
膜5を被覆し、ソース、ドレイン領域とのコンタクトホ
ールを形成し、ここに金属配線6を埋め込む。
【0021】次に、その上に、第2層間絶縁膜7を形成
し、透明電極8とのコンタクトをとるためのコンタクト
ホールを形成する。透明電極8は、第2層間絶縁膜7上
にエッチングによりパターニングして形成される。パネ
ルサイズとしては、対角4.9インチ、画素数は640
×480、開口率35%である。
【0022】一方、対向基板10では、ガラス基板10
a上にCr/CrOからなる遮光層11を成膜、パター
ニングし、その後、例えばCR−2000(商品名、富
士ハントエレクトロニクス社製)の赤色フィルター12
a、CG−2000(商品名、富士ハントエレクトロニ
クス社製)の緑色フィルター12b、CB−2000
(商品名、富士ハントエレクトロニクス社製)の青色フ
ィルター12cからなるカラーフィルター12を順次、
フォトエッチングにより形成する。その上を例えばアク
リル樹脂系トップコート材(オプトマーSS:商品名、
日本合成ゴム社製)で覆い、保護膜13とし、焼成した
後にITO膜をスパッタ法により100℃で150nm
の厚さに成膜し、対向電極14とした。
【0023】なお、以上のように構成される液晶表示装
置の動作については、周知のことであるので、説明を省
略する。投写型液晶表示装置の場合、メタルハライドラ
ンプ等の強力な光源が用いられる。これらの光源は、白
色光以外に紫外光線、赤外光線等、装置の劣化要因とな
る有害光線を多分に含んでいるが、偏光板、液晶パネル
保護のため、事前にこれらの有害光線を除去しているこ
とはいうまでもない。
【0024】ところが投射式の場合、直視式で用いられ
るバックライト光源と比較して、液晶パネルへの入射光
照度は多くの場合100倍以上であり、50万lxを越
える場合がある。より明るい投射型液晶表示装置を達成
するためには液晶パネルへの入射光照度を高める必要が
ある。または、高分子分散型液晶を用いることにより、
TN液晶の様に偏光板がいらない分、明るい投射型液晶
表示装置を達成することができるが、偏光板がない分、
液晶パネルへの入射照度が大きく、100万lx以上と
太陽光の10倍以上にも達する。その結果、上記の様に
有害光線を除去する対策を行った上で、顔料式カラーフ
ィルターを採用しても、カラーフィルターの耐光性が問
題となる。
【0025】カラーフィルターの色劣化の原因として
は、(1)顔料自身の酸化反応、(2)分散材の劣化
(ヤケ等による着色化、透過率低下)が挙げられる。電
着法の場合で顔料に分散材を含まない場合は原因(2)
を除外できる。原因(1)に関しては、例えば、特開平
5−27114号公報には、有機カラーフィルターを透
明無機物質の薄膜で被膜して酸素を遮断し、耐光性を向
上させる方法が開示されている。しかし、実際には、液
晶パネルのカラーフィルターは、透明無機物質であるI
TOで被膜された状態で使用される場合が多く、上の様
な酸素の遮断はすでに行われているといえる。ところ
が、上記の様な構造にも関わらず、カラーフィルターの
色劣化は発生する。この理由は、カラーフィルターの有
機物質自身に含まれる酸素で酸化する自動酸化や、逆に
還元反応が発生するためである。
【0026】また、特開平5−173124号公報に
は、同様の目的で、フェノール系抗酸化剤やアミン系抗
酸化剤などのラジカル捕捉型の酸化防止剤を、エチルセ
ロソルブアセテートなどの溶剤に溶解させて、カラーレ
ジスト中に溶解混入させる方法が開示されている。しか
し、一般に酸化防止剤は、光を照射するしないに関わら
ず、一定の期間をすぎると、周囲の酸素を補足する効果
を失うことや、還元反応には効果が無い等の問題があ
る。
【0027】また、上記の様な対策を行った上でも、カ
ラーフィルターによる光吸収による温度上昇で、顔料の
劣化反応が増す問題は解決できない。カラーフィルター
を液晶表示装置に適用した場合の色劣化の観点から、カ
ラーフィルターの耐光性の問題点を挙げると、以下のよ
うになる。
【0028】(1)透過率変化、(2)ピーク透過波長
のシフト、(3)吸収波長領域の吸収率低下、(4)光
吸収による液晶パネルの温度上昇などである。これらの
うち、(1)〜(3)は、画像の変色、退色として、表
示品位を低下させる。(4)は、カラーフィルターの劣
化の速度を上昇させる。
【0029】カラーフィルターの透過波長制御のために
一般に用いられている主成分としての有機顔料は、赤:
アントラキノン系、緑:ハロゲン化フタロシアニン系、
青:フタロシアニン系である。また、赤及び緑の顔料に
は、補色として黄色:イソインドリノン系またはジスア
ゾ系が混合されている。その割合は緑で約30%前後、
赤で10%前後である。また、保護膜としては、紫外線
硬化性または、熱硬化性の透明アクリル系樹脂が用いら
れている。
【0030】本発明者らは、カラーフィルターメーカー
各社の顔料分散型材料を用いたカラーフィルターの耐光
性試験を行った。その結果、色劣化は、各社間で若干の
差異は見られるが、類似の傾向を示すことを見出だし
た。代表として、(株)大日本印刷製の顔料分散型材料
を用いたカラーフィルターに対して耐光性評価を行った
結果を図12,13に示す。図12は、透過スペクトル
の変化を示し、その変化を色差として、ΔE* ab系で
数値化した結果を図13に示す。
【0031】本試験に用いた照射光源は、液晶プロジェ
クターで一般的に用いられている250Wメタルハライ
ドランプであり、紫外線及び赤外線を除去するフィルタ
ーを通し、液晶パネルのカラーフィルターが形成されて
いる対向基板側に、偏光板を配置しない状態で、照度1
50万lxにて、2000時間連続照射した。また、照
射中は、空冷ファンでパネルを冷却し、照射中のパネル
の温度を約40℃とした。測定は500時間毎に行っ
た。
【0032】ちなみに、色差数値表記法として、ΔE*
ab表記系を用いると、3〜5程度で人間の目で色差を
判別できるといわれている。本発明者らは、ΔE* ab
で5程度を色差の許容値とした。
【0033】カラーフィルターの耐光性試験の結果・分
析から、以下の知見を得た。 1.色劣化の度合いは、相対的に緑>>赤>青の順で、
緑が最も大きい。 2.上記の緑、及び赤の色劣化の原因は、赤、及び緑の
顔料に補色として配合されている黄色顔料(イソインド
リノン系、ジスアゾ系等)の退色(吸収領域の吸収率低
下)が著しく顕著であることによる。
【0034】3.上記黄色顔料は、照射された可視光線
に対して500nm付近より短波長側を吸収するが、同
時に微弱な光活性作用を受ける。この場合、顔料が酸化
性雰囲気にある場合、光照射とともに酸化分解が徐々に
進行する。
【0035】4.上記黄色顔料の酸化分解モードには、
A)顔料が、周辺に存在する遊離酸素ラジカルと反応し
て酸化する、B)顔料が、自身に含まれる酸素原子によ
り酸化する(自動酸化機構)の2モードが存在する。
【0036】5.緑顔料(ハロゲン化フタロシアニン
等)自体は、光照射とともに還元作用等を受け、ピーク
透過波長領域の内、短波長側の透過率が上昇する。 6.カラーフィルターを形成した場合、パネル面の照度
が100万lx程度の場合、カラーフィルターが無い場
合と比較して5℃〜10℃も温度上昇する。
【0037】上記問題の内、4.A)は、カラーフィル
ター層の外部からの酸素、水分等、酸化要因が進入する
事が主要因であり、その対策として、前述のごとく、透
明パシベーション膜(例えばITO膜)を形成すること
により防止できる。しかし、4.B)、5は、顔料自体
の分子構造、分子結合強度に由来しているため、顔料分
子設計から見直す必要があり、この改善は非常に困難で
ある。
【0038】6の問題に関しては、もちろん液晶パネル
は、通常は、冷却ファン等で冷却されているが、完全に
温度上昇を防ぐことはできない。冷却ファンの風量を増
やすことで、多少は低減される方向ではあっても根本的
な解決とはならず、騒音等の問題を生ずる。もちろん液
冷式にして、さらに冷却能力を高める方法も考えられる
が、液晶表示パネルの構造が複雑になり、コストアップ
になるばかりでなく、冷却液の循還系の保守、管理や、
故障の可能性を考えると、民生用の電子機器に採用する
のは難しい。
【0039】色劣化は、透過スペクトルの全体のバラン
スの変化に起因するが、上記の様な照度で照射した場
合、カラーフィルターに用いられている顔料は、その分
散剤を含めた種類ごとに、特有の透過スペクトルの変化
を生ずる。
【0040】今、透過波長の制御に用いる顔料が単一種
類で構成されている、ある色のカラーフィルターを仮定
して考える。もし、このカラーフィルターの透過スペク
トルの変化が、可視光領域にわたり、均一的に若干変化
する程度で、全体の透過スペクトルバランスが保たれて
いる場合、色劣化としての色差は小さい。しかし、透過
スペクトルのピーク波長のシフト、吸収波長領域の吸収
率の低下を生ずる等、全体のバランスを崩す場合は、色
差は大きくなる。
【0041】次に、透過波長の制御に用いる顔料が複数
の種類で構成されている、ある色のカラーフィルターを
仮定して考える。この場合、各顔料単体での透過率変化
がたとえ均一であっても、その組み合わせの全体の透過
スペクトルのバランスは変化し、さらに色差は大きくな
る。
【0042】例えば、従来使用されているカラーフィル
ターにおいて、青の場合、一般には、フタロシアニン等
の顔料が単独で用いられる。この材料系の場合、全体の
透過率が若干変化するが、ピーク波長のシフト、吸収波
長領域の吸収率低下等は殆ど無く、全体の透過スペクト
ルバランスは保たれているので、色差は小さい。これに
対して、(1)緑は、ハロゲン化フタロシアニン系顔料
+黄色顔料、赤は、アントラキノン系顔料+黄色顔料の
ごとく、複数の顔料による構成であり、(2)補色の黄
色顔料は、吸収波長の領域吸収率の低下が生じやすいの
で、(1)、(2)の相乗効果により、透過スペクトル
バランスが崩れやすく、色差が大きくなるという結果と
なる。
【0043】このような色劣化を防止するためには、高
耐光性の顔料を用いることが重要なのは当然であるが、
有機顔料の場合、完全にスペクトル変化をなくすことは
困難である。よって、上記特質を考慮すると、色劣化の
観点からは、カラーフィルターの各色に用いる顔料は、
単一の種類により形成するのが望ましい。
【0044】しかし、一般に、緑、赤においては、単一
の種類で所望の色座標を持ち、高耐光性、液晶に対する
高信頼性、等を同時に満たす顔料を得ることは非常に困
難である。
【0045】本発明は、かかる事情の下になされ、色劣
化がなく、高耐候性を有するカラ−フィルタ−を具備す
る、高画質で低価格であるとともに、高信頼性を有する
液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0046】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明(請求項1)は、入射光側に配置された第1
の基板と、この第1の基板に対向配置された第2の基板
と、これら第1及び第2の基板間に挟持された液晶層
と、光源からの光を分光して透過させる色分離手段とを
具備する液晶表示装置において、前記色分離手段は、有
機材料からなる第1のカラーフィルター層と、誘電体多
層膜からなる第2のカラーフィルター層とを含むことを
特徴とする液晶表示装置を提供する。
【0047】本発明(請求項2)は、上述の液晶表示装
置(請求項1)において、前記第2のカラーフィルター
層は、前記第1のカラーフィルター層よりも、入射光側
に形成されていることを特徴とする液晶表示装置を提供
する。
【0048】本発明(請求項3)は、上述の液晶表示装
置(請求項1)において、前記第2のカラーフィルター
層は、透過波長が480nm付近より長波長側を透過す
る分光スペクトルを有することを特徴とする液晶表示装
置を提供する。
【0049】本発明(請求項4)は、上述の液晶表示装
置(請求項1)において、前記第1のカラーフィルター
層及び前記第2のカラーフィルター層が、前記第1及び
第2の基板のいずれか一方に形成されていることを特徴
とする液晶表示装置を提供する。
【0050】本発明(請求項5)は、上述の液晶表示装
置(請求項1)において、前記第1のカラーフィルター
層及び前記第2のカラーフィルター層とが、前記第1及
び第2の基板の各々に別々に配置されていることを特徴
とする液晶表示装置を提供する。
【0051】本発明(請求項6)は、上述の液晶表示装
置(請求項1)において、前記第1の基板の側に、光源
光を画素の開口部に集光させる光学手段を更に具備する
ことを特徴とする液晶表示装置を提供する。
【0052】本発明(請求項7)は、上述の液晶表示装
置(請求項6)において、前記第1のカラーフィルター
層と前記第2のカラーフィルター層の少なくとも一方
が、前記第1の基板と前記液晶層との間に配置されてい
ることを特徴とする液晶表示装置を提供する。
【0053】本発明の液晶表示装置の特徴は、色分離手
段、即ちカラ−フィルタ−として、各色につき単一の有
機顔料からなる第1のカラーフィルターと、誘電体多層
膜からなる第2のカラーフィルターとの組合せを用いた
ことにある。
【0054】第2のカラーフィルターを構成する誘電体
多層膜は、これまで高耐光性のカラーフィルターとして
知られている、光干渉型カラーフィルターである。かか
る誘電体多層膜カラーフィルターは、屈折率の異なる誘
電体層を交互に重ね合わせることにより、所望領域の波
長を透過し、その他を反射する特性を有するため、光の
吸収がなく、耐光性に優れ、光吸収による熱上昇が少な
いという観点から好ましく、ダイクロイックミラー等の
色分離・合成素子に用いられている。この誘電体多層膜
カラーフィルターは、高屈折率誘電体と、低屈折率誘電
体を交互に、所定の設計膜厚で数層から数十層、蒸着法
や、スパッタリング法で積層し、パターニングする事に
より得られる。
【0055】誘電体多層膜カラーフィルターの分光特性
は、各層の膜厚又は物質を変えることにより決定され
る。高屈折率誘電体物質としてはAl23 、ZrO
2 、CeO2 、ZnS、TiO2 等が用いられ、低屈折
率物質としては、MgF2 ,SiO2 等を用いることが
出来る。パターニング方法としては、リフトオフ法又は
ドライエッチング法を用いることが出来、また、Cr層
をマスクとし、CF4 ,CHF3 等を反応性ガスとして
用いたドライエッチングによりパターニングを行うこと
が出来る。
【0056】液晶表示素子に用いるカラーフィルターの
ように、可視光領域においてバンドパス特性を有するカ
ラーフィルターを、誘電体多層膜のみを用いて作成する
場合、ローパス特性を有する誘電体膜と、ハイパス特性
を有する誘電体膜とからなる2種類の多層膜を積層する
必要がある。しかし、液晶表示素子のようなモザイク状
の3色のカラーフィルターすべてを誘電体多層膜により
作成することは、現在主流の顔料分散法と比較した場
合、著しくコスト・スループットの点で不利である。
【0057】そこで、本発明では、単一の有機顔料によ
り第1のカラーフィルター層を構成して色劣化を防止
し、これを誘電体多層膜からなる第2のカラーフィルタ
ー層とを組み合せることにより、所望の色座標を持ち、
高耐光性、液晶に対する高信頼性を有する色分離手段を
得ることが出来、その結果、高画質、小型、低価格、高
信頼性の投写型液晶表示装置を得ることが可能である。
【0058】
【発明の実施の態様】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施例について説明する。 実施例1 図1は、本発明の第1の実施例に係る液晶表示装置の断
面図である。図1に示すように、液晶表示パネルは、ア
レイ基板1と対向基板10の間に、高分子分散型の液晶
層20を挟んだサンドイッチ構造を有している。アレイ
基板1は、ガラス基板1aと、この上に形成された多結
晶シリコン層2の上にゲート絶縁層3、ゲート電極4を
配置してなるp−SiTFT9と、さらにその上に積層
された第1の層間絶縁膜5、第2の層間絶縁膜7及びI
TO透明電極8とを具備している。このような構造は、
従来例と同様である。
【0059】一方、対向基板10は、ガラス基板10a
上に、誘電体多層膜からなる第2のカラーフィルター1
5、Cr/CrOからなる遮光層11、有機顔料からな
る第1のカラーフィルター16a,16b,16cが形
成された上に、保護膜13及び対向電極(ITO)14
を積層した構造を有している。
【0060】第2のカラーフィルター15は、約500
nm付近を半値領域として、それ以下の波長に対しては
透過率2%以下、それ以上の波長に対しては80%以上
の透過率を持つような特性を有するように、高精度の膜
厚制御技術を駆使して成膜した。このような波長特性の
場合、第2のカラーフィルター15は、黄色領域より長
波長側を透過するフィルターとして作用するため、従来
例で用いたような、緑、赤のカラーフィルターに含まれ
る黄色顔料と同等の作用を示す。その結果、耐光性の悪
い黄色顔料を、本特性を有する第2のカラーフィルター
15で置き換えたことにより、耐光性を向上させること
ができる。
【0061】ところが、第2のカラーフィルター15を
上記の特性に設定した場合、青色領域の波長は、所望の
透過率を得ることができない。よって、本実施例におい
ては、第2のカラーフィルター15は、図2に平面図を
示すように、第1のカラーフィルター16a,16b,
16cの透過部分の内、青色を透過する領域に限り、開
口部を形成してある。
【0062】以下、この対向基板の形成方法について説
明する。 工程1.ガラス基板10aの全面に、第2のカラーフィ
ルター15である誘電体多層膜を前述の方法で全面に成
膜する。
【0063】工程2.半導体の製造プロセスで用いられ
るフォトリソグラフィー技術を用いて、第2のカラーフ
ィルター15上にエッチングマスクを作成し、画素の
内、青領域のみ露出させる。
【0064】工程3.CHF3 ガスを用いたプラズマド
ライエッチングにより、青領域の第2のカラーフィルタ
ー15の部分を除去し、その部分のガラス基板10aを
露出する。
【0065】工程4.エッチングマスクを取り除く。 工程5.Cr/CrOからなる遮光層11を形成して、
これをパターニングする。
【0066】工程6.第1のカラーフィルター16a,
16b,16cをフォトエッチングにより形成する。 工程7.保護膜13となる例えばアクリル樹脂系トップ
コート材(商品名:オプトマーSS、日本合成ゴム社
製)で覆い、焼成後に対向電極14となるITO膜をス
パッタ法により100℃にて150nmの厚さに形成す
る。
【0067】なお、上記第2のカラーフィルター15の
形成時に、第2のカラーフィルターのエッチングマスク
として、遮光層11であるCr/CrO層を用いると、
セルファラインとなり、合わせ精度の向上、及び省プロ
セスを同時に達成することが出来る。その方法の概略を
以下に記述する。
【0068】工程1.ガラス基板1aの全面に第2のカ
ラーフィルター15である誘電体多層膜を全面に成膜す
る。 工程2.第2のカラーフィルター15の全面にCr/C
rOからなる遮光層11を成膜する。
【0069】工程3.Cr/CrO遮光層11の、青色
の画素に対応する部分のみをエッチングし、開口部を形
成する。 工程4.青色の画素部の露出した誘電体カラーフィルタ
ーを、CHF3 プラズマガスを用いてドライエッチング
し、その部分のガラス基板10aを露出させる。
【0070】工程5.再度、緑、赤の画素に対応する部
分のCr/CrOのパターニングを行う。 工程6.前述と同様に,第1のカラーフィルター16
a,16b,16cを形成し、保護膜13、対向電極と
なるITO膜14を形成する。
【0071】実施例2 図3は、本発明の第2の実施例に係る液晶表示装置を示
す断面図である。この実施例の第1の実施例との相違点
は、アレイ基板1のITO画素電極8の上部に、導電性
を有する第1のカラーフィルター17a,17b,17
cを形成する、いわゆるカラーフィルターオンアレイ構
造となっていることである。また、対向基板10には、
第2のカラーフィルター15、遮光層11、保護膜1
3、及び対向電極14が形成されている。もちろん、第
1のカラーフィルター17a,17b,17cは、IT
O画素電極8の下部に設けてもよい。
【0072】実施例3 図4は、本発明の第3の実施例に係る液晶表示装置の断
面図である。本実施例と第1の実施例との相違点は、ア
レイ基板1側から光の入射を行う場合を考慮して、アレ
イ基板1上にCr/CrOからなる第2の遮光層40を
設け、その上にp−SiTFT9が配置されていること
である。そして、第2の層間絶縁膜7と、ITO画素電
極8との間に、第2のカラーフィルター15を形成して
いる。
【0073】第2のカラーフィルター15は、第2の層
間絶縁膜7のコンタクトホール形成後に、第1の実施例
と同様な手法により、所望の透過スペクトル特性を持つ
誘電体多層膜を成膜し、これをパターニングすることに
より形成した。対向基板10側には、第1の遮光層1
1、第1のカラーフィルター16a,16b,16c、
保護膜13、及び対向電極14が形成されている。
【0074】本実施例では、対向基板側の構成は、従来
の方法で示した構造と同一であるため、新たな工程を必
要とせず、コスト的に有利である。また、第2のカラー
フィルター15は、アレイ側にp−SiTFT9を覆い
かぶせる構造としたため、光リークをより減少できると
いう利点がある。
【0075】実施例4 図5は、本発明の、第4の実施例に係る液晶表示装置を
示す断面図である。本実施例と第3の実施例との相違点
は、アレイ基板1上の画素電極8の液晶層と対向する側
に、導電性を有する第1のカラーフィルター17a,1
7b,17cを形成したいわゆるカラーフィルターオン
アレイ構造となっており、対向基板10側には、カラー
フィルターが形成されていない点である。
【0076】以上、図1〜図5に示す構造の高分子分散
型液晶を用いた液晶表示パネルの組立、及び液晶層20
の形成は、以下のようにして行うことが出来る。まず、
アレイ基板1の表示部の周辺の対角位置に、液晶注入、
排出を行うための幅3mmの注入口、排出口を配置し、
この部分を除いて、スクリーン印刷法により接着シール
材を印刷により塗布する。この接着シール材は、熱硬化
型のエポキシ系接着剤中に、直径14μmのガラスファ
イバーを9重量%混入したものを用いる。また、表示領
域にも非透明スペーサーを静電散布法により散布し、ガ
ラスファイバーと非透明スペーサーによりセル厚を制御
する。
【0077】そして、アレイ基板1と対向基板10をそ
れぞれ対向させ、加熱することによって、エポキシ系接
着剤を硬化させて接合し、空セル状態の液晶表示パネル
を作成する。次に、液晶(BHD社製)と、光硬化性組
成物としてのアクリル系モノマー及び光硬化開始材(メ
ルク社製)とを重量比65:35の割合で混合した混合
物を空セル内に注入する。注入方法としては、減圧、加
圧もしくは遠心注入法のいずれをも用いることが出来
る。液晶と光硬化性組成物の注入が完了した後に、紫外
線ランプにより硬化させ、高分子分散型の液晶層20を
形成する。液晶層20は、高分子相と液晶相とで構成さ
れる。
【0078】なお、このようにして構成された液晶表示
装置の動作原理については、周知であるので、説明を省
略する。 実施例5 図6は、本発明の第5の実施例に係る液晶表示装置を示
す断面図であり、マイクロレンズアレイを用いたTN型
液晶表示パネルを例示するものである。図6では、上下
に配置された偏光板を省略してある。図6に示すよう
に、液晶表示パネルは、アレイ基板1と対向基板10の
間に、TN型の液晶層21を挟んだサンドイッチ状構造
となっている。アレイ基板1は、ガラス基板1aと、こ
の上に形成された多結晶シリコン層2の上にゲート絶縁
層3、ゲート電極4を配置してなるp−SiTFT9
と、さらにその上に積層された第1の層間絶縁膜5、第
2の層間絶縁膜7及びITO透明電極8とを具備してい
る。このような構造は、従来例と同様である。
【0079】一方、対向基板10上は、ガラス基板10
a上にCr/CrOからなる遮光層11、第1のカラー
フィルター16a,16b,16c、保護膜13、及び
対向電極14となるITO膜を順に積層した構造を有し
ている。そして、対向基板10の光の入射側(ガラス面
側)に、第2のカラーフィルター15が形成されてい
る。
【0080】第2のカラーフィルター15が形成された
対向基板10には、接着層32を介して、マイクロレン
ズ31を画素毎に配置したマイクロレンズアレイ基板3
0が接着されている。
【0081】なお、本実施例中の第1のカラーフィルタ
ーは、対向基板の液晶層側に形成したが、ガラス面側
(マイクロレンズの光入射側)に形成しても良い。図6
に示すTN型液晶表示パネルは、次のようにして製造さ
れる。即ち、アレイ基板1と対向基板10とにより空セ
ルを形成し、これにTN型の液晶を注入し、液晶セルを
完成させる。第2のカラーフィルター15の平面パター
ン及び形成手法は、実施例1〜4と基本的に同様であ
る。次に、画素サイズと同じピッチを有するイオン交換
法で形成したマイクロレンズを有するマイクロレンズア
レイ基板をUV硬化型の接着層を介して貼り合わせ、位
置合わせを行った後に、UV光を照射して硬化、固定す
ることにより、TN型液晶表示パネルが完成する。
【0082】以上のようにして製造される投写型液晶表
示装置は、マイクロレンズ31により入射光を効率よく
液晶表示パネルの開口部に集めることができるので、実
効的な開口率(透過率)を改善することが出来、高輝度
プロジェクターを実現することができる。
【0083】以上説明した実施例1〜5において形成し
た有機顔料からなる第1のカラーフィルター、及び誘電
体多層膜からなる第2のカラーフィルターの透過スペク
トルを図7にしめす。なお、図7において、曲線1,
2,3は第1のカラーフィルターの青、緑(黄色成分な
し)、赤(黄色成分なし)の透過スペクトルを、曲線4
は第2のカラーフィルターの透過スペクトルを示す。
【0084】また、第1のカラーフィルターと第2のカ
ラーフィルターとを組み合わせて得られる透過分光特性
を図8に示す。更に、図8に示す各スペクトルの色度
を、下記表1及び図9に示す。
【0085】 表1 x y Y 従来例(赤) 0.655 0.323 15.45 (緑) 0.285 0.586 42.76 (青) 0.144 0.089 7.7 実施例(赤) 0.653 0.338 15.42 (緑) 0.265 0.683 40.0 (青) 0.144 0.089 7.7 図9から、本発明におけるカラーフィルターの緑、赤の
色純度は、従来と比較して格段に向上していることが解
る。この理由は、図7,図8に示すように、緑、赤に関
しては480nmより短波長側をほとんど透過しないた
めである。
【0086】次に、第1のカラーフィルターと、第2の
カラーフィルターとを組み合わせて得られたカラーフィ
ルターの耐光性試験の結果の色劣化の経時変化の様子
を、図10に示す。照射条件は、従来例と同様、紫外・
赤外光を除去した白色光を、照度150万lxにてパネ
ル面に照射した。図13より、従来のカラーフィルター
においては、照射時間500時間程度で色差ΔE* ab
>5となり、画像品質上の使用限界であった。一方、図
10に示すごとく、本発明によると、色劣化が著しく減
少し、照度150万lxに於いては、使用限界が1万時
間程度まで延長した。TN型の液晶表示装置では、偏光
板による光損失により、照度は40%程度となるので、
換算計算では、照度60万lxでは、使用限界2万時間
程度にもなる。
【0087】上記照射条件での液晶パネルの温度上昇
は、カラーフィルターが無い場合と比較して、5℃以内
に抑えることが出来た。なお、各実施例中で示した第1
のカラーフィルター及び第2のカラーフィルターの形成
位置は、各実施例にこだわらない。その理由は、本発明
の主旨は、入射光に対して、第1,第2のカラーフィル
ターが直列に形成されていることで達成できるからであ
る。好ましくは、光の入射側に第2のカラーフィルター
を形成した方が、第1のカラーフィルターの光吸収率を
低減でき、耐熱性、耐光性が向上する。
【0088】また、各実施例において、第2のカラーフ
ィルターと、遮光層の形成順序は逆でも良い。更に、各
実施例における第2のカラーフィルターのエッチングガ
スはCHF3 以外でも良く、或いはウェットエッチング
を用いても良い。その他の手段として、あらかじめ、第
2のカラーフィルターを成膜する基板面にエッチング段
差を設け、青色画素領域の部分を他の部分より高くし、
第2のカラーフィルター成膜後に、CMP(ケミカル・
メカニカル・ポリシング)等で、青色画素領域の第2の
カラーフィルターを取り除くことも可能である。
【0089】投射画像に於いて、緑色の色度を最適化す
るためには、第2のカラーフィルターのカットオフ波長
及び第1のカラーフィルターの透過率を最適化すればよ
い。また、各実施例中、透過率及び色劣化の観点から、
緑及び赤の画素の第1のカラーフィルターには黄色顔料
を混合していないが、色劣化に影響を及ぼさない範囲で
混合してもよい。更に、各実施例中、第1のカラーフィ
ルターには、なるべく透過率の高いものを用いた方が、
温度上昇、色劣化の観点から望ましい。更にまた、各実
施例における第1のカラーフィルターの透過波長制御材
料としては、有機顔料を基に解説したが、特に有機顔料
に限定されるものではなく、染料や、金属顔料を用いる
ことも可能である。また、実施例5で使用したマイクロ
レンズは、イオン交換法以外の製法で作成したものでも
良い。
【0090】上記実施例では、画素スイッチ用にp−S
iTFTを有するアクティブマトリクスのものについて
説明したが、画素用スイッチはアモルファスシリコンT
FTや結晶シリコンやMIM素子を用いてもよいことは
いうまでもない。加えて、アクティブマトリクス型の液
晶表示装置に限定されるものではなく、カラーフィルタ
ーを有し、耐光性を要求される単純マトリクス型の液晶
表示装置に適用することが出来ることはいうまでもな
い。また、液晶材料も高分子分散型液晶のみならずTN
液晶、STN液晶等のいずれの液晶でもよい。更に、本
発明は投射型液晶表示装置に限定されるものではなく、
直視型または液晶表示装置にも有用であることはいうま
でもない。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
従来のカラーフィルターに含まれていた、黄色顔料を使
用せず、高耐光性を有する誘電体多層膜からなる第2の
カラーフィルターを用いているため、以下の効果を奏す
る。
【0092】1.第1のカラーフィルターの各色の顔料
を単一種類で形成しているため、各色の透過スペクトル
のバランス変化を小さくすることが出来る。 2.第2のカラーフィルターを構成する誘電体多層膜に
より不要光の大部分を反射することが出来るため、第1
のカラーフィルターの有機顔料による光吸収を低減する
ことが出来、有機顔料の損傷を低減することが可能であ
る。
【0093】3.不要光の大部分を反射するため、第1
のカラーフィルターによる光吸収を低減でき、第1のカ
ラーフィルターの温度上昇を防止することが出来、劣化
反応速度の上昇を防止することが可能である。
【0094】このように、本発明によると、色劣化が少
なく、温度上昇が低く、光利用効率を改善した、高画
質、小型、低価格、高信頼性の投写型液晶表示装置を得
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る液晶表示装置を示
す断面図。
【図2】本発明の第1〜5の実施例で用いられる第2の
カラーフィルターの平面パターンを示す平面図。
【図3】本発明の第2の実施例に係る液晶表示装置を示
す断面図。
【図4】本発明の第3の実施例に係る液晶表示装置を示
す断面図。
【図5】本発明の第4の実施例に係る液晶表示装置を示
す断面図。
【図6】本発明の第5の実施例に係る液晶表示装置を示
す断面図。
【図7】本発明の第1カラーフィルターと、第2のカラ
ーフィルターの単独での透過スペクトルを示す特性図。
【図8】本発明のカラーフィルターの赤、緑、青の透過
スペクトルを示す特性図。
【図9】本発明のカラーフィルターの赤、緑、青の色度
を示すxyグラフ図。
【図10】本発明の液晶表示装置に対して行った耐光性
試験のカラーフィルターの赤、緑、青の色差の時間依存
性を表す特性図。
【図11】従来の液晶表示装置を示す断面図。
【図12】従来の液晶表示装置に対して耐光性試験を行
った際の、カラーフィルターの赤、緑、青の各透過スペ
クトルの変化を表す特性図。
【図13】従来の液晶表示装置に対して耐光性試験を行
った際の、カラーフィルターの赤、緑、青の各色劣化の
時間依存性を表す特性図。
【符号の説明】
1…アレイ基板、2…ポリシリコン膜、3…ゲート絶縁
膜、4…ゲート電極、5…第1の層間絶縁層、6…金属
配線、7…第2の層間絶縁膜、8…画素電極、9…TF
T、10…対向基板、11…遮光層、12…顔料分散式
カラーフィルター、13…保護膜、14…対向電極、1
5…第2のカラーフィルター、16…第1のカラーフィ
ルター、17…第1のカラーフィルター(伝導性を有す
る)、30…マイクロレンズアレイ基板、31…マイク
ロレンズ、32…接着層。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光側に配置された第1の基板と、こ
    の第1の基板に対向配置された第2の基板と、これら第
    1及び第2の基板間に挟持された液晶層と、光源からの
    光を分光して透過させる色分離手段とを具備する液晶表
    示装置において、前記色分離手段は、有機材料からなる
    第1のカラーフィルター層と、誘電体多層膜からなる第
    2のカラーフィルター層とを含むことを特徴とする液晶
    表示装置。
  2. 【請求項2】 前記第2のカラーフィルター層は、前記
    第1のカラーフィルター層よりも、入射光側に形成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第2のカラーフィルター層は、透過
    波長が480nm付近より長波長側を透過する分光スペ
    クトルを有することを特徴とする請求項1に記載の液晶
    表示装置。
  4. 【請求項4】 前記第1のカラーフィルター層及び前記
    第2のカラーフィルター層が、前記第1及び第2の基板
    のいずれか一方に形成されていることを特徴とする請求
    項1に記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記第1のカラーフィルター層及び前記
    第2のカラーフィルター層とが、前記第1及び第2の基
    板の各々に別々に配置されていることを特徴とする請求
    項1に記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の基板の側に、光源光を画素の
    開口部に集光させる光学手段を更に具備することを特徴
    とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 前記第1のカラーフィルター層と前記第
    2のカラーフィルター層の少なくとも一方が、前記第1
    の基板と前記液晶層との間に配置されていることを特徴
    とする請求項6に記載の液晶表示装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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