JPH09196563A - 乾燥機制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、燃焼状態が異常であるか否かの判
断を、初期燃焼時間である所定時間が経過した後に瞬時
に行い、判断結果をすぐに得ることができ、使い勝手を
向上し得ることを目的としている。 【構成】 このため、バーナの駆動状態を制御する燃焼
制御手段を設け、燃焼制御手段と運転スイッチと周囲温
度センサと熱風温度センサとを連絡させ乾燥機の乾燥状
態を制御する乾燥制御手段を設け、乾燥制御開始時から
所定時間が経過した際に瞬時に熱風温度が所定上昇温度
範囲内にあるか否かを判断し熱風温度が所定上昇温度範
囲内にある場合には燃焼状態が正常であると判断して乾
燥制御を継続させるとともに熱風温度が所定上昇温度範
囲外にある場合には燃焼状態が異常であると判断して燃
焼を停止し乾燥制御を停止する機能を前記乾燥制御手段
に付加して設けている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は乾燥機制御装置に
関し、特に燃焼状態が異常であるか否かの判断を、初期
燃焼時間である所定時間が経過した後に瞬時に行い、判
断結果をすぐに得ることができ、使い勝手を向上し得る
乾燥機制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】乾燥機、例えば籾を乾燥させる穀物乾燥
機においては、籾を乾燥させて籾の含水率を所定値まで
低下させる際に、籾の劣化を防止するために、籾の含水
率を徐々に低下させる必要があり、長時間の乾燥作業が
必要であった。そしてこのとき、穀物乾燥機に自動温度
制御機能が付与され、使い勝手の向上が図られている。

【０００３】乾燥機制御装置としては、特開昭５８−２
０５０８０号公報に開示されるものがある。この公報に
開示される穀物乾燥機は、燃焼装置の点火時には点火用
供給油量を所定量以内に制限するとともに、点火後の所
定時間に亘っては、燃焼用供給油量調節を行わず、かつ
排気ファンを不作動にし、点火後の所定時間経過後から
燃焼用供給油量調節および排気ファンの制御を自動的に
行う手段を設け、燃焼装置の点火時から乾燥行程に至る
燃料油供給および熱風発生を総合的に自動制御して、も
って、点火時より連続して安全に自動運転可能としてい
る。

【０００４】また、特開昭５９−５６０７６号公報に開
示されるものがある。この公報に開示される穀物乾燥機
のバーナ燃焼制御方式は、ポット式バーナの燃焼状態を
点火行程から燃焼制御行程に移行させるに先だって、パ
ルス信号を所定周波数に維持し、当該周波数でバーナに
燃料を供給して所定時間初期燃焼を行わせ、バーナの燃
焼体が十分熱せられた後、燃焼制御行程に移行させ、安
定した自動制御を確保している。

【０００５】更に、特開昭６０−２２８８８８号公報に
開示されるものがある。この公報に開示される穀物乾燥
機は、送風温度変化に応じて熱風発生部に供給する燃料
量を増減して穀物乾燥を制御する穀物乾燥機において、
点火開始から点火直後の所定期間と、その所定期間経過
以降の期間を判定し、前者の期間経過後における燃料供
給量の制限幅を段階的に漸増させて燃料を供給する燃料
供給制御手段を有し、バーナへの燃料の過剰供給を防止
し、最適な燃料供給で熱風乾燥を行っている。

【０００６】更にまた、特開昭６２−１６２８８１号公
報に開示されるものがある。この公報に開示される穀物
乾燥機の安全装置は、穀物乾燥機の熱風発生用バーナの
温度検出手段と、外気温検出手段と、バーナの比較温度
設定手段と、外気温検出手段による外気温測定値に応じ
て比較温度設定手段の設定温度に補正を加える比較温度
補正手段と、バーナ温度検出手段によるバーナ温度測定
値を比較温度補正手段による補正設定温度と比較する比
較手段と、バーナ温度測定値が補正設定温度を超えた時
にバーナを停止させる異常停止手段とを備え、外気温度
によりバーナの比較温度設定値を高低補正し、実際のバ
ーナ温度測定値と補正後の比較温度設定値とを比較して
異常燃焼を検出するようにし、バーナの異常燃焼を的確
に判断している。

【０００７】また、特開平１−３１２３８３号公報に開
示されるものがある。この公報に開示される穀物乾燥制
御方法は、穀物流下通路をはさんで熱風室と排風室とを
配設しバーナと乾燥ファンによる発生熱風によって流下
穀物を乾燥する穀物乾燥機において、熱風室内の熱風温
度検出器が所定時間継続して、張込量や外気温度によっ
て求められる設定温度を越えるときに、検出熱風温度に
応じてバーナを間欠的にＯＮ、ＯＦＦさせ、バーナを継
続ＯＮすることによる胴割れ等の穀物品質劣化を少なく
し、効率乾燥を維持している。

【０００８】更に、特開平４−２６３７８１号公報に開
示されるものがある。この公報に開示される穀物乾燥機
等の燃料供給制御方式は、乾燥初期に燃焼装置へ供給す
る燃料量を複数段に区分したテーブルを設定し、穀粒の
張込量を設定する張込量設定装置の操作位置と外気温セ
ンサが検出する外気温度とによって、設定したテーブル
から供給燃料量が設定されて所定時間初期燃焼後に本燃
焼に移行させ、初期燃焼温度と本燃焼温度との温度差を
少なくしている。

【０００９】更にまた、実開昭５６−１５３７９９号公
報に開示されるものがある。この公報に開示される穀物
乾燥機の点火制御装置は、乾燥機の熱風を導入する風胴
内に熱風温度を検知する感温素子を設け、感温素子の出
力には設定温度に対して電磁ポンプを駆動する信号を出
力する温度制御回路を接続し、電磁ポンプを駆動する信
号をカウンタ回路に接続するとともに予熱中の燃料油供
給量を規制する回路素子を設け、点火時には電磁ポンプ
を予め定められたサイクルで作動させると同時に点火ヒ
ータをオンし、所定時間経過後は回路素子で規制される
サイクルで電磁ポンプを作動させて予熱時間経過後は回
路素子による規制を解いて感温素子の出力に基づく温度
制御回路の出力により電磁ポンプを作動させて熱風を設
定温度に保つようにしている。

【００１０】

【発明が解決しょうとする課題】ところで、従来の乾燥
機制御装置においては、自動温度制御を行う際に、乾燥
制御開始時から３分間程度の初期燃焼時間である所定時
間が経過するまでの間は一定燃料量による点火制御が行
われるとともに、所定時間が経過した後に自動温度制御
が行われるものである。

【００１１】このとき、前記乾燥機制御装置の自動温度
制御機能は、乾燥機内の熱風温度を略一定に維持すべ
く、予め設定される設定熱風温度とサーミスタにて検出
した熱風温度とを比較し、これらの差が所定値を越えた
際に、乾燥状態が異常であると判断し、燃焼を停止させ
ている。

【００１２】また、燃焼器具の近傍にサーモスタットを
配設し、このサーモスタットにて異常加熱状態を検出
し、異常加熱時に燃焼を停止させている。

【００１３】しかし、前記乾燥機制御装置の自動温度制
御機能によって乾燥状態の異常を判断する場合には、燃
焼器具の応答性を考慮し、例えば乾燥制御開始時から初
期燃焼時間である所定時間が経過した後に、更に５〜１
０分間程度の判断猶予時間を設定し、この判断猶予時間
の経過後に、乾燥状態が異常であるか否かの判断を行っ
ている。

【００１４】この結果、乾燥状態が異常であるか否かの
判断が、初期燃焼時間である所定時間が経過した後に瞬
時に行われないので、判断結果が出るまでに時間がかか
り、使い勝手が悪いとともに、例えば判断結果が出るま
で、オペレータが乾燥機制御装置に付いていなくてはな
らず、実用上不利であるという不都合がある。

【００１５】また、設定熱風温度とサーミスタにて検出
した熱風温度との差によって乾燥状態が異常であるか否
かを判断することにより、設定熱風温度の高い乾燥条件
の際には、異常検出を行うことができず、制御の信頼性
が低下することとなり、改善が望まれていた。

【００１６】

【課題を解決するための手段】本発明は上述の要因を除
去するために、乾燥制御開始時から初期燃焼時間である
所定時間が経過するまでの間は一定燃焼量による点火制
御を行うとともに所定時間が経過した後に自動温度制御
に移行する乾燥機制御装置において、バーナの駆動状態
を制御する燃焼制御手段を設け、この燃焼制御手段と運
転スイッチと周囲温度センサと熱風温度センサとを連絡
させ乾燥機の乾燥状態を制御する乾燥制御手段を設け、
乾燥制御開始時から所定時間が経過した際に瞬時に熱風
温度が所定上昇温度範囲内にあるか否かを判断し熱風温
度が所定上昇温度範囲内にある場合には燃焼状態が正常
であると判断して乾燥制御を継続させるとともに熱風温
度が所定上昇温度範囲外にある場合には燃焼状態が異常
であると判断して燃焼を停止し乾燥制御を停止する機能
を前記乾燥制御手段に付加して設けたことを特徴とす
る。

【００１７】

【発明の実施の形態】上述の如く発明したことにより、
乾燥制御開始時から所定時間が経過した際には、乾燥制
御手段によって瞬時に熱風温度が所定上昇温度範囲内に
あるか否かを判断し、熱風温度が所定上昇温度範囲内に
ある場合には、燃焼状態が正常であると判断して乾燥制
御を継続させるとともに、熱風温度が所定上昇温度範囲
外にある場合には、燃焼状態が異常であると判断して燃
焼を停止し乾燥制御を停止し、燃焼状態が異常であるか
否かの判断が、初期燃焼時間である所定時間が経過した
後に瞬時に行われ、判断結果をすぐに得ることができ、
使い勝手を向上させている。

【００１８】

【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
に説明する。

【００１９】図１〜図３はこの発明の実施例を示すもの
であり、図２において、２は乾燥機制御装置である。

【００２０】この乾燥機制御装置２は、図２に示す如
く、バーナ４と、このバーナ４の駆動状態を制御する燃
焼制御手段６と、各種の選択スイッチ８や運転スイッチ
１０と、周囲温度センサ１２と、熱風温度センサ１４
と、前記燃焼制御手段６と選択スイッチ８と運転スイッ
チ１０と周囲温度センサ１２と熱風温度センサ１４とを
連絡させ図示しない乾燥機の乾燥状態を制御する乾燥制
御手段１６とを有する。

【００２１】そして、前記乾燥機制御装置２は、乾燥制
御開始時から３分間程度の初期燃焼時間である所定時間
が経過するまでの間は、バーナ４を制御して一定燃料量
による点火制御を行い、所定時間が経過した後には、熱
風温度を設定温度に指向させる自動温度制御に移行する
ものである。

【００２２】そしてこのとき、前記乾燥制御手段１６
に、乾燥制御開始時から所定時間が経過した際に瞬時に
熱風温度が所定上昇温度範囲内にあるか否かを判断し熱
風温度が所定上昇温度範囲内にある場合には燃焼状態が
正常であると判断して乾燥制御を継続させるとともに熱
風温度が所定上昇温度範囲外にある場合には燃焼状態が
異常であると判断して燃焼を停止し乾燥制御を停止する
機能を付加して設ける構成とする。

【００２３】詳述すれば、乾燥制御開始時から所定時
間、例えば３分間が経過した際には、熱風温度ＴＢが所
定上昇温度範囲内、つまり以下の範囲内にあるか否かを
瞬時に判断する。 ＴＡ＋△Ｔ−ａ＜ＴＢ＜ＴＡ＋△Ｔ＋ｂ ＴＡ ：周囲温度 △Ｔ ：所定上昇温度（例えば２０度） ａ、ｂ：正常燃焼範囲の所定値 （ａ、ｂの値は、ａ＝ｂあるいはａ≠ｂのいずれでも良
い） （また、不必要な検知防止と安全性との両方を考慮する
場合には、ａ、ｂの値を略等しくするとともに、、△Ｔ
×０．２≦ａ≦△Ｔ×０．４としても良い。）

【００２４】すなわち、３分間が経過して設定温度に向
かって自動温度制御を開始する前に、熱風温度ＴＢが正
常な状態の所定上昇温度範囲内にあるか否かを判断する
ものである。

【００２５】そして、前記熱風温度ＴＢが所定上昇温度
範囲内にある場合には、燃焼状態が正常であると判断
し、乾燥制御を継続させるとともに、熱風温度ＴＢが所
定上昇温度範囲外にある場合には、燃焼状態が異常であ
ると判断し、燃焼を停止し乾燥制御を停止する。

【００２６】なお符号１８は、前記所定時間である３分
間を計測すべく前記乾燥制御手段１６に設けられるタイ
マ、２０はモータ、２２はこのモータ２０を駆動すると
ともに前記乾燥制御手段１６に連絡する駆動回路であ
る。

【００２７】次に、図１の制御用フローチャートに沿っ
て作用を説明する。

【００２８】制御用フローチャートがスタート（１０
０）すると、一定燃料量による点火制御を開始させ（１
０２）、乾燥制御開始時から３分間が経過したか否かの
判断（１０４）を行う。

【００２９】この判断（１０４）がＮＯの場合には、判
断（１０４）がＹＥＳとなるまで繰り返し行い、判断
（１０４）がＹＥＳとなった場合には、熱風温度ＴＢが
所定上昇温度範囲内にあるか否かの判断（１０６）を瞬
時に行う。

【００３０】つまり、熱風温度ＴＢが以下の範囲内にあ
るか否かの判断（１０６）を行うものである。 ＴＡ＋△Ｔ−ａ＜ＴＢ＜ＴＡ＋△Ｔ＋ｂ

【００３１】そして、判断（１０６）がＹＥＳ、つまり
熱風温度ＴＢが所定上昇温度範囲内にある場合には、燃
焼状態が正常であると判断し、乾燥制御を継続させ（１
０８）、制御用フローチャートをエンド（１１２）とす
るとともに、上述の判断（１０６）がＮＯ、つまり熱風
温度ＴＢが所定上昇温度範囲外にある場合には、燃焼状
態が異常であると判断し、燃焼を停止し乾燥制御を停止
させ（１１０）、制御用フローチャートをエンド（１１
２）とする。

【００３２】これにより、乾燥状態が異常であるか否か
の判断が、初期燃焼時間である所定時間、つまり３分間
が経過した後に瞬時に行われることとなり、判断結果を
すぐに得ることができ、使い勝手を向上し得るととも
に、判断結果が出るまでに時間がかからず、オペレータ
が乾燥機制御装置からすぐに離れて別の作業を開始させ
ることができ、実用上有利である。

【００３３】また、従来の設定熱風温度とサーミスタに
て検出した熱風温度との差によって乾燥状態が異常であ
るか否かを判断するものに比し、設定熱風温度の高い乾
燥条件の際にも、確実に異常検出を行うことができ、制
御の信頼性を向上し得て、特に燃料量の多い（空気量は
正常状態）場合の異常燃焼状態を確実に検出できるもの
である。

【００３４】

【発明の効果】以上詳細に説明したごとくこの発明によ
れば、乾燥制御開始時から初期燃焼時間である所定時間
が経過するまでの間は一定燃焼量による点火制御を行う
とともに所定時間が経過した後に自動温度制御に移行す
る乾燥機制御装置において、バーナの駆動状態を制御す
る燃焼制御手段を設け、燃焼制御手段と運転スイッチと
周囲温度センサと熱風温度センサとを連絡させ乾燥機の
乾燥状態を制御する乾燥制御手段を設け、乾燥制御開始
時から所定時間が経過した際に瞬時に熱風温度が所定上
昇温度範囲内にあるか否かを判断し熱風温度が所定上昇
温度範囲内にある場合には燃焼状態が正常であると判断
して乾燥制御を継続させるとともに熱風温度が所定上昇
温度範囲外にある場合には燃焼状態が異常であると判断
して燃焼を停止し乾燥制御を停止する機能を前記乾燥制
御手段に付加して設けたので、乾燥状態が異常であるか
否かの判断が、初期燃焼時間である所定時間が経過した
後に瞬時に行われることとなり、判断結果をすぐに得る
ことができ、使い勝手を向上し得るとともに、判断結果
が出るまでに時間がかからず、オペレータが乾燥機制御
装置からすぐに離れて別の作業を開始させることがで
き、実用上有利である。また、従来の設定熱風温度とサ
ーミスタにて検出した熱風温度との差によって乾燥状態
が異常であるか否かを判断するものに比し、設定熱風温
度の高い乾燥条件の際にも、確実に異常検出を行うこと
ができ、制御の信頼性を向上し得て、特に燃料量の多い
（空気量は正常状態）場合の異常燃焼状態を確実に検出
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示す乾燥機制御装置の制御
用フローチャートである。図である。

【図２】乾燥機制御装置のブロック図である。

【図３】時間と熱風温度との関係を示すタイムチャート
である。

【符号の説明】

２ 乾燥機制御装置 ４ バーナ ６ 燃焼制御手段 １０ 運転スイッチ １２ 周囲温度センサ １４ 熱風温度センサ １６ 乾燥制御手段 １８ タイマ ２０ モータ ２２ 駆動回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 乾燥制御開始時から初期燃焼時間である
   所定時間が経過するまでの間は一定燃焼量による点火制
   御を行うとともに所定時間が経過した後に自動温度制御
   に移行する乾燥機制御装置において、バーナの駆動状態
   を制御する燃焼制御手段を設け、この燃焼制御手段と運
   転スイッチと周囲温度センサと熱風温度センサとを連絡
   させ乾燥機の乾燥状態を制御する乾燥制御手段を設け、
   乾燥制御開始時から所定時間が経過した際に瞬時に熱風
   温度が所定上昇温度範囲内にあるか否かを判断し熱風温
   度が所定上昇温度範囲内にある場合には燃焼状態が正常
   であると判断して乾燥制御を継続させるとともに熱風温
   度が所定上昇温度範囲外にある場合には燃焼状態が異常
   であると判断して燃焼を停止し乾燥制御を停止する機能
   を前記乾燥制御手段に付加して設けたことを特徴とする
   乾燥機制御装置。