JPH09196261A - 管継手構造 - Google Patents

管継手構造

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JPH09196261A
JPH09196261A JP8004079A JP407996A JPH09196261A JP H09196261 A JPH09196261 A JP H09196261A JP 8004079 A JP8004079 A JP 8004079A JP 407996 A JP407996 A JP 407996A JP H09196261 A JPH09196261 A JP H09196261A
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JP
Japan
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pipe
joint structure
thickened
pipes
couplings
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Application number
JP8004079A
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English (en)
Inventor
Yoshimi Ono
芳美 小野
Nobuhisa Suzuki
信久 鈴木
Akihiko Kato
昭彦 加藤
Taku Nasu
卓 那須
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工能率が良好であり、且つ、施工品質が安
定しており、耐震性に優れた管継手構造を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 配管32の端部に増厚管部32b及び鍔
31が形成され、両鍔31がテーパ状溝36が設けられ
た上下カップリング34,35を、テーパ状溝36に両
鍔31を嵌合して締結することによって両配管32を継
手する管継手構造である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐震性に優れた管
継手構造に関し、詳しくは、金属管、樹脂管、複合材料
管、複合構造管などの種々の管継手に用いられ、管口
径、管内流体、内圧及び敷設環境などの配管条件によら
ず広く適用できる耐震性を有する管継手構造に係るもの
である。
【0002】
【従来の技術】以下、従来の管継手構造について図を参
照して説明する。図14の管継手構造は、鋳鉄管用の耐
震管継手であり、特開昭50−82622号公報に開示
されたものである。同図は、挿口管1と受口管2とが継
手された状態を示し、挿口管1と受口管2の内面はセメ
ントモルタル層1a,2aが施され、挿口管1の先端の
外面にはリング溝3が設けられ、そのリング溝3にロッ
クリング4が嵌合し挿口管1と溶接されている。一方、
受口管2の先端内面にはリング溝6が形成され、リング
溝6にリング状ストッパ7が嵌合して、リング溝6内に
貫通するボルト5によって押圧されている。押具10を
締め付けボルト12によって環状シール材9を押圧し、
バックアップロックリング8を介してリング状ストッパ
7に当接している。このような管継手構造とすることに
より、挿口管1と受口管2とが配管軸方向に振動が加わ
っても挿口管1と受口管2はロックリング4とリング状
ストッパ7とが当接して振動に耐え得る構造となってい
る。
【0003】図15の管継手構造は、消火配管等に用い
られるグルーブ管継手の断面図である。同図に於いて、
グルーブ加工した両管1A,1Bのそれぞれの端部を覆
うようにゴムパッキング12が装着され、上下に分割し
たハウジング13内にゴムパッキング12が収納され、
ボルトで上下ハウジング13を締め付けて、ハウジング
13の内周端部がグルーブにセットされた継手構造であ
る。
【0004】図16の管継手構造は、水道管鋼管用メカ
ニカル継手であり、同図(a)は配管軸方向から見た一
部切欠き図であり、同図(b)は一部切欠き側面図であ
る。同図に於いて、両管1A,1Bの端部にはOリング
14が配設され、その両管1A,1Bの端部を覆うよう
にゴムパッキング15で被覆され、更に、Oリング14
とゴムパッキング15を上下ハウジング16a,16b
で被覆して、ボルト17により上下ハウジング16a,
16bを締結している。ハウジング16a,16bの内
周側端部にセットされた抜き止め用のOリング14が管
1A,1Bに食い込み両管1A,1Bが継手されてい
る。
【0005】図17の管継手構造は、ガス導管用電気絶
縁継手であり、両管1A,1Bの端部に配管軸対称状の
テーパ面を持つ段付部20を有し、他方の管端の外面に
直角の段付部21が設けられている。両管1A,1Bの
両端面にはOリング19が配置され、絶縁ガスケット1
8を介して両者が接合し、テーパ面20aを除く管端外
周面に絶縁ガスケット22が配置されている。半割状の
クランプ23の片側内周面がテーパ面となっており、上
下クランプ23に形成された溝に段付部20,21が収
納され、上下クランプ23をボルト締めして継手する構
造である。
【0006】更に、管突き合わせ溶接継手と呼ばれる管
継手がある。この管継手は現地で管と管の端面に開先を
設けて円周溶接して一体化するものである(図示な
し)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図14
の管継手は、地震に伴う管路の軸方向変位を挿口管1と
受口管2で吸収するようにした耐震管継手である。しか
し、地震による変位吸収が局部的であり、即ち、管軸方
向の相対すべり変位を吸収できる範囲はロックリング4
とリング状ストッパ7が当接し得る範囲であり、それ以
上の変位を吸収することはできない。更に、管軸方向に
対して直角方向の変位は吸収することが困難である。従
って、この種の埋設管では、小さい地盤変位で挿口管、
受口管が抜脱による破壊が生じて、急激に大規模な輸送
流体の漏洩が発生するおそれがある。又、この管継手で
は、小規模な地震であってもその繰返しすべり変位によ
り、シール部材9が摩擦によって発熱し、シール部材9
が磨耗劣化して継手部からの漏洩が発生するおそれがあ
る。
【0008】又、図15のグルーブ管継手では、本管1
A,1Bの端部にグルーブ加工が施されており、有効管
厚が減少する欠点があり、形状不連続部の応力集中及び
局部的な硬度の上昇などが生じて、継手部の強度を本管
同等以上とすることは極めて困難である。又、地震の繰
り返し荷重に対する十分な疲労強度が得られない欠点が
ある。更には、外径対管厚比の条件によっては継手から
管の抜脱が生じて、地震荷重に対する十分な強度が得ら
れない欠点がある。
【0009】又、図16の水道鋼管用メカニカル継手で
は、両管1A,1Bに食い込むOリング14により管体
の有効管厚の減少や食い込み部の変形、更には形状不連
続部の応力集中、局部的な硬度の上昇などが生じる欠点
があり、継手部の静的強度を本管同等以上とすることは
極めて困難である。又、地震の繰返し荷重に対しても十
分な疲労強度が得られない欠点がある。又、外径対管厚
比の条件によっては、継手部から管体の抜け出しが生
じ、地震による大規模変位に対する十分な強度が得られ
ない欠点がある。
【0010】又、図17のガス導管用電気絶縁継手で
は、一方の管端部に締結テーパが形成され、ガスケット
等の各継手部品の寸法精度によって最終的な継手の締結
力が依存するおそれがあり、地震荷重に対して十分な強
度が得られない欠点がある。又、他方の管端部の外面形
状は直角であり、この部分に大きな応力集中を生する欠
点がある。又、継手部の厚みは一定であり、テーパ部の
接触応力と形状不連続部の応力集中が重畳し、地震の繰
り返し荷重に対する疲労強度が本管部分より低くなる欠
点がある。又、継手部の荷重伝達系に弾性係数の小さい
高分子系材料が介在しており、継手全体の剛性が相対的
に低くなり、地震荷重に対する十分な強度が得られない
欠点がある。更に、継手部に高分子系材料が介在してお
り、長期荷重と繰り返し荷重に対する強度や経年劣化等
の長期信頼性が相対的に低い欠点がある。
【0011】更に、管突合わせ溶接継手は熟練を要する
欠点があり、現地に溶接用機材、電源、シールドガス等
を持ち込み、芯出し、溶接、検査、防食等の各作業を平
行して行わねばならず、施工能率が悪い欠点がある。
又、現地施工時の溶接熱による管材料及び塗覆装材料へ
の影響が大きく、溶接作業を行うための位置を確保する
ために土木掘削作業も施工能率に悪い影響を与える欠点
がある。
【0012】本発明は、上述のような課題に鑑みなされ
たものであり、施工能率が良好であり、且つ、施工品質
が安定しており、耐震性に優れた管継手構造を提供する
ことを目的とするものである。更に、本発明は、管材料
が延性に富み、継手部が引張・圧縮の軸変位や曲げ変位
に対する延性強度、座屈強度及び疲労強度が本管と同等
以上であり、埋設配管として用いられた場合、大規模な
地震にも耐え得る構造であって、施工能率が良好であ
り、且つ、施工品質が安定している管継手構造を提供す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するためになされたものであり、請求項1に記載の発
明は、周方向に分割され、テーパ状溝が形成されたカッ
プリングと、管接合方向に向かうに従って管の厚みが増
し、且つその外面が接触テーパ面である増厚管部を設け
た両配管とを備え、前記カップリングに設けられた前記
テーパ状溝に、前記両配管の増厚管部を嵌合させて締結
することにより、前記両配管を継手することを特徴とす
る管継手構造である。
【0014】又、請求項2に記載の発明は、両配管の管
端部に、前記配管の端部に向かって肉厚が増す増厚管部
がそれぞれ設けられ、前記増厚管部のそれぞれの端部が
接触テーパ面を有する鍔であり、周方向に分割したカッ
プリングにそれぞれテーパ状溝が形成され、前記増厚管
部のそれぞれに設けられた鍔を前記テーパ状溝に前記両
鍔を嵌合させて前記カップリングを締結することによ
り、前記両配管を継手することを特徴とする管継手構造
である。
【0015】又、請求項3に記載の発明は、請求項1又
は2の発明に於いて、前記配管の管端部に形成された増
厚管部が前記配管と一体であることを特徴とする管継手
構造である。
【0016】又、請求項4に記載の発明は、請求項1又
は2に発明に於いて、前記配管の管端部に形成された増
厚管部が前記配管と別体であり、前記増厚管部と前記配
管とを接合して一体化したことを特徴とする管継手構造
である。
【0017】又、請求項5に記載の発明は、請求項1乃
至4の何れかの発明に於いて、前記カップリングが上下
カップリングからなり、前記上下カップリングにヒンジ
状連結部を一箇所設けたことを特徴とする管継手構造で
ある。
【0018】又、請求項6に記載の発明は、請求項1乃
至5の何れかの発明に於いて、前記カップリングが複数
に分割され、前記複数に分割したカップリングがヒンジ
状連結部で連鎖していることを特徴とする管継手構造で
ある。
【0019】又、請求項7に記載の発明は、請求項1乃
至6の何れかに記載の管継手構造に於いて、前記増厚管
部がシール部材の介在によって接合したことを特徴とす
る管継手構造である。
【0020】又、請求項8に記載の発明は、請求項1乃
至6の何れかに記載の管継手構造に於いて、前記増厚管
部が互いに接する一方の増厚管部の接触面に溝が形成さ
れ、前記溝にシール部材が設けられたことを特徴とする
管継手構造である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態に
ついて、図面を参照して説明する。図1は、本発明に係
る管継手構造の一実施形態を示す分解斜視図であり、両
配管32は溶接部Mによって管端部32aと接続されて
いる。管端部32aには、配管の接合方向に向かって肉
厚が増す増厚管部32bが設けられている。増厚管部3
2bの端部が接触テーパ面31aを有する鍔31が形成
されている。両鍔31の接触面31bには用途に応じて
シール部材33が設けられる。両配管32の管端部を締
結するカップリング30は、配管軸に対して周方向に分
割した上下カップリング34,35から構成され、それ
ぞれのカップリング34,35にはテーパ状溝36が形
成されている。カップリング34,35にそれぞれ設け
たテーパ状溝36に両鍔31aを嵌合させて、カップリ
ング34,35に設けられた貫通孔34a,35a及び
34b,35bにそれぞれボルト37を貫通させて、ボ
ルト37とナット38により上下カップリング34,3
5を締め付けて両配管32を締結する継手構造である。
尚、鍔31は増厚部分であり、増厚管部32bとみなし
得る。従って、鍔31のような突出した場合と、以下の
実施形態で説明するような増厚管部32b自体が接触テ
ーパ面を形成している場合とがある。
【0022】図2(a)は、図1の管継手部のX−Y線
に沿った断面図であり、同図(b)は同図(a)に対応
する変形実施例である。同図(a)は配管32の先端に
管端部32aが溶接部Mによって接続され、管端部32
aには増厚管部32bが形成されている。上下カップリ
ング34,35の内部は接触テーパ面36aを有するテ
ーパ状溝36が設けられている。シール部材33を介装
させた両鍔31がテーパ状溝36に接触テーパ面36
a,31aが接触して嵌合されている。一方、同図
(b)の管継手構造では、配管32の先端を増厚管部3
2bに挿入して、その先端部と増厚管部32bとを溶接
部Mによって別体のものを一体化している。
【0023】又、図1,図2の管継手構造は、以下に説
明する実施形態においても同様であるが、配管32及び
増厚管部32bは延性が優れた材質によって形成され
る。カップリング34,25の材質は配管32の材質と
同様に延性に富むものが選ばれる。更に、詳しく説明す
れば、管継手部は引張・圧縮の軸変位や曲げ変位に対す
る延性強度、座屈強度及び疲労強度が管本体と同等以上
の材質が選ばれる。
【0024】更に、以下に説明する管継手構造において
も同様であるが、増厚管部32bの外面の勾配は、例え
ば、管軸方向で1/3〜1/5に設定する。鍔31の接
触テーパ面31aは管半径方向に3〜5°(摩擦角以
下)に設定する。接触テーパ面31aと増厚管部32b
との接する部分の管厚は配管32の厚みの2〜5倍と
し、鍔31の接合面の厚みは配管32の厚みの3〜9倍
とする。鍔31の接合面の厚みが配管32の厚みの3倍
の場合は鍔31が認識できない場合がある。
【0025】次に、本実施形態に於ける締結構造につい
て、図3及び図4を参照して説明する。図3は上下カッ
プリング34,35にそれぞれの両側に設けられた耳部
39に貫通孔39a,39bが設けられ、四本のボルト
により締結する構造である。図4は一本のボルトによっ
て上下カップリング34,35を締結する構造であり、
上下カップリング34,35に設けられた耳部39にそ
れぞれ一個の貫通孔39aが設けられている。この締結
構造は配管の直径により選択し、図3は図4より配管口
径が大きいものに適応される締結構造である。
【0026】次に、本実施形態に於ける二つ以上に分割
したカップリングによる締結構造について、図5を参照
して説明する。同図(a),(b)は、上下カップリン
グ34,35がピン41を軸として回動するヒンジ状連
結部40が設けられ、耳部39に貫通孔39aが設けら
れ、ボルト37で締結する継手構造である。同図(c)
は大口径の配管の締結に用いられる継手構造である。こ
の継手構造は、複数に分割されたカップリング341
344 からなり、ヒンジ状連結部401 〜40 3 が設け
られ、カップリング341 ,344 に貫通孔39aが設
けられた耳部39が形成され、貫通孔39aにボルトを
挿通して締結する構造である。無論、ヒンジ状連結部4
1 〜403 の構造は種々公知の形状が用いられる。
【0027】次に、本発明の管継手構造の他の実施形態
について、図6乃至図10を参照して順次説明する。
尚、これらの管継手構造は図3乃至図5に示した締結構
造が用いられる。図6は、配管32の管端部に形成され
た増厚管部32bが配管32と延性に富む同一材料によ
る一体化した管継手構造である。鍔31の接合面には接
着剤Nが塗布されて接合され、両鍔31がカップリング
34のテーパ状溝36に嵌合されている。
【0028】図7の管継手構造は、配管32と増厚管部
32bとが溶接部Mで接続された形状であり、増厚管部
32bと鍔31が連続的に管の厚みを厚くして鍔31を
形成した形状である。両鍔31はカップリング34のテ
ーパ状溝36に嵌合されている。この実施例では継手部
が連続厚肉化した形状であるので、この管継手部に加わ
る応力を分散させることができ、引張・圧縮の軸変位や
曲げ変位に対する延性強度、座屈強度及び疲労強度が向
上し得る利点がある。
【0029】図8の管継手構造は、配管32と増厚管部
32bとが溶接部Mで接続された形状であり、鍔31の
一方の接触面に軸対称状の環状溝31dが設けられ、そ
の環状溝31d内にその用途に応じて、例えばゴム系の
Oリング等をシール部材33として設けられた継手構造
である。シール部材33としOリングを用いた場合、圧
縮率は10〜30%となるように環状溝31dの深さ及
びシール部材33の厚みを設定する。
【0030】図9の管継手構造は、増厚管部32bが接
触テーパ面32cを形成し、カップリング34に形成さ
れたテーパ状溝36には勾配の滑らかな接触テーパ36
aが形成されている。増厚管部32b自体が勾配の滑ら
かな接触テーパ面32cである。又、この増厚管部32
bの接触面には環状溝31dが形成され、その環状溝3
1dにはOリング等のシール部材33が設けられてい
る。カップリング34の締結構造は上記実施形態と同じ
ものが用いられる。
【0031】図10は図6の管継手構造の変形実施例で
あり、鍔31の一方に軸対称状の突出部31eが形成さ
れ、突出部31eが形成された鍔31に、他方の鍔31
が係合する。他の構造は図6と同等である。無論、両鍔
31の位置決めのための形状は、突出部31による方法
に限定することなく、種々公知の形状によってなし得
る。
【0032】次に、塗覆装による防食処理を施した管継
手構造について、図11を参照して説明する。同図に於
いて、配管32と増厚管部32bとが溶接部Mで接続さ
れており、鍔31の一方の接触面に環状溝31dが設け
られ、その環状溝31d内にその用途に応じてOリング
等のシール部材33が設けられ、カップリング34Aに
はスカート部34Bが形成されている。収縮チューブ等
の塗覆装42が継手部分を除いて被覆され、更に、塗覆
装43がカップリング34A及びスカート部34Bを覆
って塗覆装42に延在している。
【0033】次に、本発明の管継手構造は、次のような
結果に基づいてなされたものである。図12は鋳鉄鋼管
と鋼管の応力に対するひずみの差を示す図であり、破断
曲線(a)は延性の小さい鋳鉄管を示し、破断曲線
(b)は鋳鉄管より延性が高い鋼管を示し、P1 ,P2
は破断点を示している。この図から明らかなように、鋳
鉄鋼管より延性に優れた鋼管が大きな応力に耐え得るこ
とを示している。
【0034】又、図13は管の材質による変位吸収量の
比較をするための図である。同図(a)は管継手部が管
本体と同等以上の強度を有する場合を示し、全体の伸び
によって変位を吸収していることを示している。同図
(b)は、例えば、図14に示した管継手構造の場合を
示すものであり、相対すべりのみで変位を吸収する構造
である。
【0035】同図(a)では、元の配管長がL、最大圧
縮等による配管長がL0 である場合を示し、その伸び率
は(L−L0 )/L0 で表される。実験結果では、その
伸び率は10〜15%の伸び率となった。同図(b)
は、元の配管長がlであり、最大圧縮等による配管長が
0 である場合を示し、その伸び率は(l−l0 )/l
0 で表され、実験結果では吸収率が1〜2%であった。
即ち、伸び率の関係は、(L−L0 )/L0 ≫(l−l
0 )/l0 で表され、同図(b)の継手構造には耐震性
に問題があることを示している。尚、鋼管ではこの破断
延性が30%程度であり、最高荷重が生する一様伸びも
15%程度であるので、継手強度が配管本体と同等であ
れば、この特性を享受することができる。
【0036】本発明の管継手構造は、上述のような観点
からなされており、配管本体に対して相対的に高剛性で
あるとともに、延性に富む材質によるカップリング構造
と増厚管部からなり、且つ、継手部が配管部と同等の破
断延性を有するもので形成されているものである。上記
に開示した形状によって、以下の特性を満足する配管継
手構造が形成された。即ち、継手部の静的強度(引張,
圧縮,曲げ等)、低サイクル疲労強度、及び座屈(圧
縮,曲げ)が管体と同等以上であり、完全はシール性を
達成し得る管継手構造とすることができる。
【0037】又、大規模地震時の埋設管に要求される特
性である地震動(繰返し地盤ひずみ、すべり)、及び地
盤変状(液状化による浮力、すべり)に変え得る構造と
することができる。又、厚さの一様な配管では管端部の
剛性は、管体中央部に比較してかなり低下するので、機
械的継手により管端部を実質的に厚くすることによって
補強することにより、継手部を含めた配管全体の剛性を
高めて、耐震性の優れた管継手構造とすることができ
る。
【0038】更に、配管の管端部がカップリングで接合
され、常時拘束されるので、配管と継手部が一体化して
おり、増厚管部が接合部に向かうに従って滑らかに肉厚
が厚くなる形状を有することによって、大規模地震時に
想定される繰返し負荷(繰り返し数100回以下)に対
する極低サイクル疲労強度を向上させることができる。
【0039】無論、上記実施形態において、配管に増厚
管部を溶接したものが示されているが、この溶接作業は
現場で行うことも可能であるが、予め溶接して現場に搬
送し、現場でカップリングの締結作業で施工することが
できる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
カップリングを配管端部の増厚部に締結するのみで配管
の継手ができる管継手構造であり、現地で管体を接合す
るための溶接作業が不要であり、溶接継手による施工に
おける問題点が解消できる利点がある。
【0041】又、本発明によれば、管継手部の剛性及び
延性強度が管体と同等以上であり、大規模な地震に伴う
断層変位、液状化による地盤の側方流動及び浮力によっ
て配管に作用する変位負荷に対して、配管全体として管
体が有する延性強度を十分に発揮し得ることができるの
で、震災時にも配管機能を十分に維持できる利点があ
る。
【0042】又、本発明によれば、現地で管体を接合す
るための溶接作業が不要であるために、カップリングを
接合部に締結するのみで継手できるので、熟練作業者を
必要とせず、溶接に必要な機材が不要であり、施工能率
が高い利点がある。又、防食等の塗覆装鋼管の継手では
溶接による塗覆装材への影響が少ない利点がある。又、
現地における作業環境による制約、土木掘削量を最少限
に抑えることができる等の種々の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管継手構造の一実施形態を示す分解斜
視図である。
【図2】(a)は図1のX−Y線に沿った断面図、
(b)は他の実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明におけるカップリングの一実施例を示す
図である。
【図4】本発明におけるカップリングの他の実施例を示
す図である。
【図5】本発明におけるカップリングの他の実施例を示
す図である。
【図6】本発明の管継手構造の他の実施形態を示す断面
図である。
【図7】本発明の管継手構造の他の実施形態を示す断面
図である。
【図8】本発明の管継手構造の他の実施形態を示す断面
図である。
【図9】本発明の管継手構造の他の実施形態を示す断面
図である。
【図10】本発明の管継手構造の他の実施形態を示す断
面図である。
【図11】本発明に係る塗覆装を施した管継手構造の実
施形態を示す断面図である。
【図12】管材料の延性の差の比較によって、その原理
を説明するための図である。
【図13】管材料の変位吸収量の差の比較によって、そ
の原理を説明するための図である。
【図14】従来の管継手構造の一例を示す断面図であ
る。
【図15】従来の管継手構造の他の例を示す断面図であ
る。
【図16】従来の管継手構造の他の例を示す断面図であ
る。
【図17】従来の管継手構造の他の例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
30 カップリング 31 鍔 31a 接触テーパ面 31b 接触面 32 配管 32a 管端部 32b 増厚管部 33 シール部材 34 上カップリング 35 下カップリング 36 テーパ状溝 36a 接触テーパ面 37 ボルト 39 耳部 40 ヒンジ状連結部(401 〜403 ) M 溶接部 N 接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 那須 卓 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周方向に分割され、テーパ状溝が形成さ
    れたカップリングと、管接合方向に向かうに従って管の
    厚みが増し、且つその外面が接触テーパ面である増厚管
    部を設けた両配管とを備え、前記カップリングに設けら
    れた前記テーパ状溝に、前記両配管の増厚管部を嵌合さ
    せて締結することにより、前記両配管を継手することを
    特徴とする管継手構造。
  2. 【請求項2】 両配管の管端部に、前記両配管の接合方
    向に向かって肉厚が増す増厚管部がそれぞれ設けられ、
    前記増厚管部のそれぞれの端部に接触テーパ面を有する
    鍔が形成され、周方向に分割したカップリングにそれぞ
    れテーパ状溝が形成され、前記増厚管部のそれぞれに設
    けられた鍔を前記テーパ状溝に嵌合させて前記カップリ
    ングを締結することにより、前記両配管を継手すること
    を特徴とする管継手構造。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の管継手構造に於
    いて、 前記配管の管端部に形成された増厚管部が前記配管と一
    体であることを特徴とする管継手構造。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の管継手構造に於
    いて、 前記配管の管端部に形成された増厚管部が前記配管と別
    体であり、前記増厚管部と前記配管とを接合して一体化
    したことを特徴とする管継手構造。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れかに記載の管継手
    構造に於いて、 前記カップリングが上下カップリングからなり、前記上
    下カップリングにヒンジ状連結部を一箇所設けたことを
    特徴とする管継手構造。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れかに記載の管継手
    構造に於いて、 前記カップリングが複数に分割され、前記複数に分割し
    たカップリングがヒンジ状連結部で連鎖していることを
    特徴とする管継手構造。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れかに記載の管継手
    構造に於いて、 前記増厚管部がシール部材の介在によって接合したこと
    を特徴とする管継手構造。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至6の何れかに記載の管継手
    構造に於いて、 前記増厚管部が互いに接する一方の増厚管部の接触面に
    溝が形成され、前記溝にシール部材が設けられたことを
    特徴とする管継手構造。
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