JP2021095928A - 配管構造及びその配管構築方法 - Google Patents
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Abstract
Description
これに対し、樹脂管は、長尺管を製造することは比較的容易であり、接続箇所も少なくなり、また、軽量であることから、作業性はよい。しかし、樹脂管は、ダクタイル鋳鉄管等の金属管に比べて耐熱性を有しないため、火災時に送水配管自体の強度低下等によって、内圧で送水配管が敗れる等の恐れがある。特に、トンネルT内は閉空間となるため、トンネルT内が高温となって前記恐れが生じ易い。
このため、トンネルT内の消火配管として、耐熱性を高めた樹脂管が提案されている(特許文献2、3参照)。
また、消火配管構造は、図12に示す、トンネルTの内壁の高所に構築する場合、トンネルTの内壁頂部はアーチ状となっているため、管材を吊り上げるクレーンのビームC等がそのアーチ状頂部に干渉する恐れがあり、配管位置に管材を直接に吊り下ろすことが困難である。このため、図13に示すように、配管位置に対峙する仮設の支え梁Fに管材を吊り下ろしてから管材の転動等による横持ちを行って配管位置にセットする必要がある。すなわち、横方向(同図矢印)に移動させる必要があり、管接続時に管の軸方向移動が必要となる挿し込み式(インロウ形)の継手方式は採用し難い。このため、管接続時(及び管取り外し時)に管の軸方向移動が最小限となる(管端面が対向又は近接する)ハウジング形式の継手を採用する場合が多くなる(図4参照)。図13中、Eは支え突出梁である。
因みに、配管構築においては、異形管の前後で長さ調整をする場合が多く、その場合、異形管、甲短管及び乙短管を使用し、異形管の直部である挿し口と甲短管の挿し口をハウジング継手で接続し、甲短管の受口と乙短管とはその乙短管の挿し口を甲短管の受口内にゴム輪を介し挿し込み、その挿し込み量で長さ調整する。
その非常用設備以外の配管は、できる限り直管を使用し、直管では長すぎて対応し得ない場合、乙短管と甲短管を使用する。例えば、非常用設備への分水用分岐管(T字管)が介設された箇所においては、T字管が介設されることから、そのT字管の両端の一方は、直管が長すぎて切管しなくてはならない場合が多い。この場合、ハウジング継手によって行うと、その切管の切り端部に防錆処理を施す必要があるとともに、突条を形成しなくてはならない。防錆処理は防錆塗料の塗布の場合は、比較的容易であるが、メッキ処理の場合は現場施工は困難であり、また、突条の形成は、溶接等を必要として現場施工は困難である。
このため、乙短管と甲短管を使用し、乙短管の一端を切除して所要長さの挿し口とし、その切断端に塗料塗布等による防錆処理を行った後、乙短管と甲短管とを受口への挿し口の挿入で連結することとしたのである。この挿し込み接続は比較的長い長さ調整が容易である。
この長さ調整が容易であること、及び乙短管を任意の長さにできることから、この乙短管の挿し口と甲短管の受口の接続(継手)構造は、直管同士、又は直管と異形管の直部との接続において、適宜な位置に介在して直管等では配管できない箇所の接続長さの調整をすることができる。
この乙短管の挿し口と甲短管の受口を連結して一体とした乙短管と甲短管を配管に嵌め込み接続するようにすれば、その連結した乙短管と甲短管の長さ調整を行った管材を配管の接続空間に位置することができるため、管接続時に管の軸方向移動がほとんど不要となり、作業性が良いものとなる。
その送水配管(以下、単に「配管」と言う。)Pは、図12と同様に、トンネルTの側壁上部全長にその長さ方向に設けられ、図1に示すように、全長同一径の直管10、その直管10等を一定長さに切断した乙短管20、一端が受口31、他端が挿し口32となった甲短管30、及びT字管40からなる。直管10、乙短管20はダクタイル鋳鉄による遠心力鋳造(遠心鋳造)によって製造し、甲短管30、T字管(分岐管)40はダクタイル鋳鉄による砂型鋳造による。その直管10、乙短管20、甲短管30の挿し口32及びT字管40の直部41は同一外径となっている。
この実施形態においては、直管10はダクタイル鋳鉄管とし、全長:5200mm、外径:271.6mmとした。
また、このとき、対の半割カップリング51の内面と対向する直管10、10の両突起12の外周面とはメタルタッチとなり、直管10の突条12と剛性の高いハウジング継手50が密着しているので、継手部の剛性が高まり、外力が作用した場合でも真円度を保ち、止水性能の低下を防ぐ効果を有する(図4(a)参照)。この効果は、直管10同士の接続に限らず、直管10と異形管の直部、直管10と甲短管の挿し口、及び異形管の直部(挿し口)と甲短管の挿し口等の接続においても発揮する。
直管10以外にも、直部を有する各種の、K形、T形等のダクタイル鋳鉄管の受口側を適宜な長さに切断することによって所要長さの直部からなる乙短管20を得ることができる。このとき、それらの管を遠心鋳造によって製造した場合は、その乙短管20の両端部の突条12は同様に図3(a)、(b)に示す手段によって形成する。
乙短管20の長さは、後述の図10(a)に示す、直管10とT字管40の間隙Lに応じて、例えば、(L+28)mm以内(>0)とする。この実施形態の乙短管20は、外径:271.6mmであって、長さは適宜に設定した。
このK形継手の甲短管30の受口31は、乙短管20の突条12を有しない挿し口21を支障なく挿し込むことができる(図6(c)参照)。また、この甲短管30は、規格品のK形継手管の直部を切断して形成することができる。この実施形態の甲短管30は、長さ:380mm、挿し口32の外径:271.6mmである。
このため、図10に示すように、乙短管20と甲短管30をK形継手で接続するとともに、その接続した長さが配管された直管10とT字管40の間隙Lに嵌るようにそのK形継手における挿し口21の挿し込み度合いを調整し、その調整した乙短管20と甲短管30のK形継手による接続(一体)管材を同図(b)に示すように嵌めて、直管10、乙短管20、甲短管30、T字管40の芯出しを行った後、同図(c)、図6(c)に示すように、直管10と乙短管20、甲短管30とT字管40をハウジング継手50によって水密に強固に接続する。
この配管Pは、図12に示すように、トンネルTの内壁の高所に構築する場合であり、図13に示すように、配管位置の横に各管材(直管10等)を吊り下ろしてから管材の転動等による横持ちを行って配管位置にセットする。セットした直管10同士等は芯出しした後、ハウジング継手50でもって図4に示すように水密に接続する。
このとき、仮に、乙短管20と甲短管30の一体管材が直管10とT字管40の間にぴったり嵌らなくても、乙短管20と甲短管30とのK形継手及びハウジング継手50は、軸方向の移動許容値:8+20mmで、施工上の精度に余裕があるため、乙短管20の挿し口21の甲短管30への受口31への挿し込み度合いを調整して乙短管20と甲短管30の一体管材を直管10とT字管40の間に確実に嵌めて接続する。
なお、この実施形態においては、T字管40が配置された後に、乙短管20、甲短管30を接続したが、乙短管20、甲短管30、T字管40、直管10・・の順で接続することもできる。このとき、配管長さ調整は、乙短管20と甲短管30のK形継手における挿し口21の挿し込み調整によって行うことができる。
また、この消火配管構造において、その配管Pが、図11(a)に示すように、鋼管の工区とダクタイル鋳鉄管の工区に分かれた場合、同図(b)に示す片フランジ短管70を使用する。この片フランジ短管70はダクタイル鋳鉄による砂型鋳造によって製造すれば、フランジ71及び突条72は鋳込みによって形成することができる。遠心鋳造によって製造すれば、突条72は、図3(a)、(b)の手段による。
この片フランジ短管70は、例えば、図11(a)に示すように、フランジ付鋼管10’にこのダクタイル鋳鉄の直管10を接続する際、その両管10,10’の間に片フランジ短管70を介設し、両フランジ71、71’をパッキン73を介在してボルト・ナット74によって締結する。この実施形態の片フランジ短管70の長さ:300mm、直部(フランジ71の反対側)の外径:271.6mmである。
上記乙短管20と甲短管30の接続構造や片フランジ短管70の接続構造は、T字管40を介設した箇所や鋼管10’との接続箇所のみならず(T字管40の隣り等でなくても)、直管10を連続して接続した配管において、直管10等と曲がり管(曲管)、片落ち管等の異形管との接続に採用し得る。
また、上記乙短管20と甲短管30の接続構造は、直管10同士、又は直管と異形管の直部との接続において、接続長さの調整をしたい場合、その直管10、10の間に介設したり、直管と異形管の直部との間に介設したりしてその長さ調整を行うことができる。
さらに、モルタルライニング11は、直管10のみならず、他の乙短管20、甲短管30、T字管40、片フランジ短管70等にも設けることができる。一方、それらの各管10、20、30、40、70において、モルタルライニング11を省略することもできる。
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 直管
11 モルタルライニング
12 突条
13 溝
14 溶接
20 乙短管
21 乙短管の挿し口
30 甲短管
31 甲短管の受口
32 同挿し口
40 T字管
41 T字管の直部
42 同枝管
43 消火栓への配管
50 ハウジング継手
51 ハウジング継手の半割カップリング
52 半割カップリングの締結ボルト・ナット
53 ゴムリング
60 K形継手
61 押し輪
62 ゴム輪
63 Tボルト
70 片フランジ短管
Claims (6)
- ダクタイル鋳鉄管からなる配管構造であって、
その配管(P)は、両端部にハウジング継手(50)用の突条(12)を有する直管(10)、一端部にハウジング継手(50)用の突条(12)を有する乙短管(20)、一端が受口(31)、他端がハウジング継手(50)用の突条(12)を有する挿し口(32)となった甲短管(30)、及び両端部にハウジング継手(50)用の突条(12)を有するT字管等の異形管(40)を有し、
上記直管(10、10)同士、直管(10)と異形管(40)の直部(41)、直管(10)と甲短管(30)の挿し口(32)又は異形管(40)の直部(41)と甲短管(30)の挿し口(32)はハウジング継手(50)で接続され、甲短管(30)の受口(31)と乙短管(20)とはその乙短管(20)の他端部の挿し口(21)を甲短管(30)の受口(31)内にゴム輪(62)を介し挿し込んで水密に接続された配管構造。 - 上記甲短管(30)の受口(31)と乙短管(20)とは、乙短管(20)の挿し口(21)を甲短管(30)の受口(31)内にゴム輪(62)を介在して挿し込み、甲短管(30)の受口フランジ(33)と前記ゴム輪(62)を押し込む押し輪(61)をボルト(63)止めして水密に接続されている請求項1に記載の配管構造。
- 上記直管(10)同士、又は直管(10)と異形管(40)の直部(41)との接続において、請求項2に記載の継手構造を介在して前記接続長さの調整可能とした請求項1に記載の配管構造。
- ダクタイル鋳鉄からなる、両端部にハウジング継手(50)用の突条(12)を有する直管(10)、一端部にハウジング継手(50)用の突条(12)を有する乙短管(20)、一端が受口(31)、他端がハウジング継手(50)用の突条(12)を有する挿し口(32)となった甲短管(30)、及び両端部にハウジング継手(50)用の突条(12)を有するT字管等の異形管(40)によって配設する配管構築方法であって、
上記直管(10、10)同士、直管(10)と異形管(40)の直部(41)、直管(10)と甲短管(30)の挿し口(32)又は異形管(40)の直部(41)と甲短管(30)の挿し口(32)はハウジング継手(50)で接続し、甲短管(30)の受口(31)と乙短管(20)とはその乙短管(20)の他端部の挿し口(21)を甲短管(30)の受口(31)内にゴム輪(62)を介し挿し込んで水密に接続する配管構築方法。 - 上記直管(10)同士、又は直管(10)と異形管(40)の直部(41)との接続において、一方の直管(10)が長くて、又は短くて、その直管(10)では接続する両管を接続し得ない場合、上記乙短管(20)の挿し口(21)を甲短管(30)の受口(31)内にゴム輪(62)を介在して挿し込み、甲短管(30)の受口フランジ(33)と前記ゴム輪(62)を押し込む押し輪(61)をボルト(63)止めして水密に接続する継手構造を採用して前記接続長さの調整をする請求項4に記載の配管構築方法。
- 上記乙短管(20)の挿し口(21)を甲短管(30)の受口(31)内にゴム輪(62)を介在して挿し込んで継手構造を成した後、その接続された乙短管(20)と甲短管(30)とを一体にして配管に嵌め込み接続する請求項4又は5に記載の配管構築方法。
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