JPH09196075A - ベアリング保持スリーブ及びベアリング保持構造 - Google Patents

ベアリング保持スリーブ及びベアリング保持構造

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JPH09196075A
JPH09196075A JP677596A JP677596A JPH09196075A JP H09196075 A JPH09196075 A JP H09196075A JP 677596 A JP677596 A JP 677596A JP 677596 A JP677596 A JP 677596A JP H09196075 A JPH09196075 A JP H09196075A
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bearing
housing
inner hole
sleeve
bearing holding
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JP677596A
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Masaki Shibuya
昌希 渋谷
Shinichi Tsuchiya
伸一 土屋
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JATCO Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トランスミッションハウジング等の比較的軟質
なベアリングハウジングでもその機能を損なうことな
く、ベアリングを確実に固定保持する。 【解決手段】オイルポンプ31の裏面隔壁部20を構成
し且つリダクションギヤシャフト26のベアリングハウ
ジング5を軸方向端部を形成するメイントランスミッシ
ョンハウジング33の肉厚が薄く、しかも前記ベアリン
グハウジング5のオイルポンプ31側の内孔外周壁5a
が肉厚部11に形成されている場合に、ボールベアリン
グ2とベアリングハウジング5の内孔6との間に介装さ
れる円筒形状の鋳鉄製スリーブ7のベアリング挿入側端
部に鉤状の係止部8を突設し、この係止部8を前記肉厚
部11に係止するようにスリーブ7をベアリングハウジ
ング5の内孔6内に隙間嵌めし且つその内孔7a内にベ
アリング2の外輪3を圧入固定する構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばトランスミ
ッションハウジングに取付けられるベアリングの保持ス
リーブ及びその保持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、トランスミッションハウジング
のオイルポンプカバーの裏面部分等に形成されたベアリ
ングハウジングは、そのベアリングハウジングが、当該
ラジアルベアリングの外輪より軟質なアルミニウム(A
DC12)等の素材で形成されているため、その内孔内
にラジアルベアリングの外輪を直接圧入すると、当該ベ
アリングハウジングの内孔及びその近傍に塑性変形が発
生して、当該内孔の内径が当該ラジアルベアリングの外
輪にのみ対応した寸法に変化してしまう虞れがある。
【0003】そこで、このようにラジアルベアリング
を、その外輪より軟質なベアリングハウジングに保持さ
せる場合には、当該ベアリングハウジングの内孔内にラ
ジアルベアリングの外輪を隙間嵌めすることとすれば、
少なくとも前記ベアリングハウジングの内孔及びその近
傍の塑性変形が発生しない。しかし、このようにラジア
ルベアリングの外輪をベアリングハウジングの内孔内に
隙間嵌めして、当該ラジアルベアリングに軸部材の回転
が供すると、当該ラジアルベアリングの内輪及び転動体
の回転に伴ってその外輪までもが回転されようとする或
いは実際に回転されてしまうため、ベアリングハウジン
グの内孔には摺動磨耗が発生してその内径寸法が変化
し、結果的に当該ハウジングの内孔とラジアルベアリン
グの外輪との隙間が変化し、ラジアルベアリングを固定
保持できなくなる場合もある。
【0004】そこで、このようなラジアルベアリング
を、その外輪より軟質なベアリングハウジングに固定保
持させるために、例えば特開昭62−188854号公
報に記載される当該ラジアルベアリングの保持スリーブ
や保持構造が提案されている。この公報に記載される発
明はトランスミッションハウジングそのものに関するも
のであるが、ここには基地組織がベイナイト、残留オー
ステナイト及び場合によりマルテンサイトの混合組織よ
りなる片状黒鉛鋳鉄によって形成されたスリーブを、ハ
ウジングの内孔に鋳ぐるむか、又は圧入することが提案
されている。つまり、この減衰性の良好な鋳鉄製スリー
ブは、前記軟質なベアリングハウジングに緊密に固定さ
れ、その内側にベアリングの外輪を圧入することにな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記鋳
鉄製スリーブを用いた従来のベアリング保持スリーブや
ベアリング保持構造にあっては、例えばベアリングハウ
ジングが前記トランスミッションハウジングの一部であ
る場合には、当該トランスミッションハウジングからな
るベアリングハウジングが、ラジアルベアリングの外輪
より軟質な素材であり、しかもトランスミッションハウ
ジングそのものに要求される小型化や軽量化のために、
例えば前記オイルポンプの裏面側に配設されるリダクシ
ョンギヤシャフトの回転支持部のように、特にベアリン
グハウジングの内孔外周部の肉厚の薄い部分があった
り、或いは前記オイルポンプとラジアルベアリングとの
隔壁部分に相当する肉厚が極端に薄かったりする場合に
は、その内孔内に前記スリーブを圧入することにより、
ベアリングハウジングに大きな変形や割れが発生した
り、或いは特に前記ベアリングハウジングの内孔外周部
の肉厚に薄い部分と厚い部分とが混在するような場合に
は、この内孔内に前記スリーブを圧入すると、当該ハウ
ジングの内孔外周部の変形量がその全周に渡って安定せ
ず、その変形が歪になって、当該ブッシュ自体の真円度
が低下するなどの変形が発生したりするため、ベアリン
グハウジングとしての機能が低下又は損なわれる。ま
た、特に前記ベアリングハウジングの内孔外周部の肉厚
が薄い場合には、その内孔外周部に前記スリーブを鋳ぐ
るみして成形することができないという実情もある。
【0006】このような問題を解決するためには、図
7,図8に示すようなベアリング保持構造が考えられ
る。即ち、図7に示すようにラジアルベアリング(図で
はラジアルボールベアリング)101の外輪102から
スパイロールピン103が径方向に突出するように当該
ベアリング101の外輪102にスパイロールピン10
3を圧入固定し、一方、図8に示すようにベアリングハ
ウジング104の内孔104aにはこのスパイロールピ
ン103が収納される凹部105を形成しておく。そし
て、前記スパイロールピン103が前記凹部105に収
納されるようにしてラジアルベアリング101の外輪1
02をベアリングハウジング104の内孔104a内に
隙間嵌めすれば、スパイロールピン103が凹部105
に係合するために、当該ベアリング101の内輪106
及び転動体107の回転に伴って外輪102を回転させ
ようとする回転力に対して当該外輪102の回転を規制
して固定保持することが可能となる。しかし、このベア
リング保持構造では、前記外輪102への回転力に対す
るスパイロールピン103の機械的強度の問題や、一般
にラジアルベアリング101の外輪102は肉厚が薄い
ために、この外輪102に前記スパイロールピン103
を圧入する深さを十分に確保することができず、結果的
に当該スパイロールピン103が抜け落ちてしまうとい
う問題もある。
【0007】本発明はこれらの諸問題を解決すべく開発
されたものであり、前記トランスミッションハウジング
等のように、ラジアルベアリングの外輪より軟質なベア
リングハウジングでも、そのベアリングハウジングとし
ての機能を損なうことなく、ベアリングを確実に固定保
持できるベアリング保持スリーブ及びベアリング保持構
造を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明のうち請求項1に係るベアリング保持スリー
ブは、ベアリングの外輪とベアリングハウジングの内孔
との間に介装される円筒形状のベアリング保持スリーブ
であって、ベアリングの内輪及び回転体の回転に伴って
当該ベアリングの外輪が回転しないためにベアリングハ
ウジングに係止する係止部が設けられたことを特徴とす
るものである。
【0009】また、本発明のうち請求項2に係るベアリ
ング保持スリーブは、前記円筒形状の内孔内側に鍔部を
設けたことを特徴とするものである。また、本発明のう
ち請求項3に係るベアリング保持構造は、前記請求項1
又は2に記載のベアリング保持スリーブの係止部をベア
リングハウジングに係止させて当該ベアリング保持スリ
ーブをベアリングハウジングの内孔内に隙間嵌めし、前
記ベアリング保持スリーブの内孔内にベアリングの外輪
を圧入したことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のベアリング保持スリーブ
及びベアリング保持構造では、例えば爪形状や鍔形状に
したベアリング保持スリーブの係止部をベアリングハウ
ジングに係止させて円筒形状のベアリング保持スリーブ
の内孔内にベアリングの外輪を圧入するために、例えば
このベアリング保持スリーブを前記黒鉛鋳鉄等で形成す
れば、ベアリングの外輪とベアリング保持スリーブとは
圧入によって固定され、ベアリング保持スリーブとハウ
ジングとは前記係止部がハウジングに係止して回転規制
され、結果的にベアリングの外輪はハウジングに固定保
持される。このとき、例えばベアリングハウジングが前
記アルミニウム等のように、ラジアルベアリングの外輪
より軟質な素材で形成され且つ肉厚の薄い部分と厚い部
分とが混在するトランスミッションハウジング等であっ
ても、前記ベアリング保持スリーブはベアリングハウジ
ングの内孔内に隙間嵌めされているだけであるから、当
該ハウジングに割れや変形が発生したり、ベアリング保
持スリーブ自体の真円度が低下するような変形が発生し
たりすることもなく、同時に当該スリーブは前記係止部
によって回転規制されているのでベアリングハウジング
の内孔に摺動磨耗が発生することもない。勿論、前記ベ
アリング保持スリーブは、ハウジングの内孔内に隙間嵌
めされているので、それが当該ハウジングの内孔内で振
動することもない。
【0011】また、前記円筒形状のベアリング保持スリ
ーブの内孔内側に鍔部を形成すれば、前記圧入されるベ
アリングの軸方向への位置決めが可能で、またベアリン
グ回転中に当該スリーブが前記ベアリングハウジングの
内孔内への差し込み逆方向への抜け止めにもなる。
【0012】
【実施例】次に本発明に係るベアリング保持スリーブ及
びベアリング保持構造の第1実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。本実施例のベアリング保持スリーブ及び
ベアリング保持構造は、図1に示すような、所謂横置き
エンジンの出力を前輪に回転力を伝達するための横置き
有段自動変速機(以下、オートマチックトランスミッシ
ョン,A/Tとも記す)に用いられたものである。な
お、図1では、この種のA/Tに用いられる自動変速機
構をなす遊星歯車列やトルクコンバータの内部構造のよ
うな周知の主要構成部材の描写を省略している。
【0013】ここで、このオートマチックトランスミッ
ションの主要な動力伝達について簡潔に説明する。ま
ず、トルクコンバータ21に入力されたエンジンの回転
力(トルク)は、当該トルクコンバータ21で適宜増幅
され又はそのままの大きさでインプットシャフト22に
伝達され、このインプットシャフト22とアウトプット
シャフト23との間に介装された前記遊星歯車列のうち
可動なギヤを適宜に選定することで変速され、つまり伝
達トルクの大きさが変更設定されて当該アウトプットシ
ャフト23に入力される。このアウトプットシャフト2
3に入力された回転力は、当該アウトプットシャフト2
3に固定されたアウトプットギヤ24からアイドラギヤ
25を介してリダクションギヤシャフト26に伝達さ
れ、更にこのリダクションギヤシャフト26に一体に形
成されたリダクションギヤ27からファイナルギヤ28
を介して周知のディファレンシャルギヤ29に伝達さ
れ、このディファレンシャルギヤ29で適宜分割された
回転力が、各前左右車軸(ドライブシャフト)30L,
30Rに入力されて、図示されない前左右輪から車両を
駆動する駆動力として路面に伝達されるようになってい
る。ちなみに、前記トルクコンバータ21とアウトプッ
トシャフト23との間のインプットシャフト22外周部
分にはオイルポンプ31が介装され、このオイルポンプ
31を内装するオイルポンプハウジング32が、当該ト
ルクコンバータ21と前記遊星歯車列との間の隔壁とし
てメイントランスミッションハウジング33に取付けら
れている。また、同図1において、このメイントランス
ミッションハウジング33の上部左方端部はサイドカバ
ー34で閉塞され、このメイントランスミッションハウ
ジング33の下方のディファレンシャルギヤ29の左方
端部はディファレンシャルカバー35で閉塞され、これ
ら全体でトランスミッションハウジング1をなし、これ
らカバー類34,35もメイントランスミッションハウ
ジング33も前記ADC12等の軟質なアルミニウムで
形成されている。
【0014】次に、前記図1において、本実施例のベア
リング保持スリーブ及びベアリング保持構造が採用され
たリダクションギヤシャフト26の右方支持部について
説明する。ここで、前記オイルポンプハウジング32を
メイントランスミッションハウジング33に液密に固定
保持するためには両者の接触面積を大きく確保する必要
があり、そのために前記リダクションギヤシャフト26
の右方支持部に相当するメイントランスミッションハウ
ジング33のオイルポンプハウジング32との間の隔
壁,つまりベアリングハウジング5の背面部20の肉厚
は大変薄くなっている。また、この部位の図1の左側面
からの投影図を図2に拡大してみると、前記リダクショ
ンギヤシャフト26の右方支持部に形成されて、そのボ
ールベアリング2を挿入するベアリングハウジング5の
内孔外周壁5aのうち、前記オイルポンプハウジング3
2の周壁32aに近い部位は、当該オイルポンプハウジ
ング周壁32aに向けて肉厚に形成され、結果的に当該
ベアリングハウジング5の内孔外周壁5aには肉厚の薄
い部分と厚い部分とが混在する。従って、前記従来の鋳
鉄製スリーブを当該ベアリングハウジング5の内孔6内
に圧入すると、例えば内孔外周壁5aの肉厚の薄い部分
ではそれが外側に変形する変形量が大きく、肉厚の厚い
部分ではその変形量が小さくなり、結果的にベアリング
ハウジング5の内孔外周壁5aの変形がその全周に渡っ
て均一とならず、従って前述のようにスリーブの真円度
が確保できなくなってベアリングハウジングとしての機
能が低下するのである。また、このように極端にベアリ
ングハウジング5の内孔外周壁5aが薄い場合には、前
記スリーブを鋳ぐるみすることさえできない。そこで、
本実施例では、このベアリングハウジング5の内孔6内
にスリーブを隙間嵌めする。なお、前記ベアリングハウ
ジング5の内孔外周壁5aのうち、前記オイルポンプハ
ウジング32の周壁32a側に突設された部位を肉厚部
11と称する。
【0015】図3に本実施例のベアリング保持スリーブ
を示す。このベアリング保持スリーブは、例えば前述の
ような黒鉛鋳鉄からなり、前記ボールベアリング2を収
納できるだけの軸方向長さを有する円筒形状に形成され
ている。また、この円筒形状のベアリング保持スリーブ
7の内径は、ボールベアリング2の外輪3が緊密に圧入
される内径としてあり、またその外径は、前記ベアリン
グハウジング5の内孔6内に緊密に隙間嵌めされる外径
としてある。そして、その一方の軸方向端部は、全円周
部分が内孔内側に向けて直角に折り曲げられて、鍔部9
が形成されている。ちなみに、その折り曲げ寸法は、ボ
ールベアリング2の外輪3を軸方向に規制する程度でよ
い。
【0016】また、このベアリング保持スリーブ7の他
方の軸方向端部は、全円周部分が所定の曲率半径で僅か
に外側に折り曲げられて案内部10が形成され、後述す
るボールベアリング圧入時にその案内を果たすように構
成されている。そして、この外側折り曲げ案内部10の
一部がベアリング保持スリーブ7の径方向に延長され、
その先端部が更にベアリング保持スリーブ7側に向けて
その軸方向に折り曲げられ、これにより鉤状の係止部8
が形成されている。この鉤状の係止部8の突出内側寸法
は、前記ベアリングハウジング5の内孔6内にこのベア
リング保持スリーブ7を隙間嵌めしたとき、当該係止部
8が、前記内孔6の近傍に形成されたハウジング5の肉
厚部11に緊密に係止する寸法としてある。
【0017】そして、図4に示すように、前記円筒形状
のベアリング保持スリーブ7の内孔7a内にボールベア
リング2の外輪3を圧入し、そのベアリング保持スリー
ブ7の前記鉤状係止部8が、前述のようにアルミニウム
等の軟質な素材からなるトランスミッションハウジング
1のベアリングハウジング5の内孔外周壁5aの肉厚部
11に係止するようにしながら、当該ベアリング保持ス
リーブ7をベアリングハウジング5の内孔6内に隙間嵌
めする。図5は、このようにしてベアリングハウジング
5に取付けられたボールベアリング2の内輪12内に、
前記リダクションギヤシャフト26のジャーナル26a
を圧入したものであるが、同図に示すように前記鉤状係
止部8の円周方向両端部が前記ベアリングハウジング5
の内孔外周壁5aの肉厚部11に係止するため、例えば
前記リダクションギヤシャフト26と共に回転するボー
ルベアリング2の内輪12及び転動体13の回転に伴っ
て、それらの摩擦力が発生する外輪3を回転させようと
する回転力に対して、前記鉤状係止部8が回り止めの作
用を果たし、一方、前記ベアリング保持スリーブ7とボ
ールベアリング2の外輪3とは圧入によって十分な押圧
力,即ち圧縮応力を得ているので、結果的にボールベア
リング2の外輪3は、その回転方向に固定保持される。
また、このベアリング保持スリーブ7は、ベアリングハ
ウジング5の内孔6内に隙間嵌めしてあるだけであるか
ら、当該ハウジング5に割れや変形が発生したり、ベア
リング保持スリーブ7自体が真円度を損なう等の変形を
生じたりすることもなく、ベアリングハウジングとして
の機能は損なわれない。また、前記ベアリング保持スリ
ーブ7の一方の軸方向端部に、その内孔7a内に突出す
る鍔部9を形成したことにより、当該内孔7a内にボー
ルベアリング2を圧入する際に、その圧入方向,即ち軸
方向への位置決めが可能となる。また、この鍔部9は、
振動等によってリダクションギヤ27側に抜けようとす
るベアリング保持スリーブ7に対して、ボールベアリン
グ2に係止して抜け止めの作用をもたらす。
【0018】次に、本発明のベアリング保持スリーブ及
びベアリング保持構造の第2実施例について図4を用い
て説明する。この実施例のベアリング保持スリーブは、
前述した係止部の形状が変更され、それに伴ってトラン
スミッションハウジングの内孔外周壁部の形状が変更さ
れている点を除いて、前記第1実施例のそれと同様又は
ほぼ同様であるために、同等の構成要件には同等の符号
を付して、その詳細な説明を省略する。
【0019】そして、本実施例のベアリング保持スリー
ブ7では、前記係止部8が、同一幅の鉤状から扇型の平
板状に変更されている。そして、この変更に伴ってベア
リングハウジング5の内孔6の深さが、当該平板状の係
止部8分だけ深く変更され、同時に当該ハウジング5の
内孔外周壁5aから前記肉厚部11にかけて、前記平板
状の係止部8を緊密に収納する収納凹部11aが形成さ
れている。従って、前述と同様に円筒形状のベアリング
保持スリーブ7内にボールベアリング2の外輪3を圧入
した後、そのベアリング保持スリーブ7の前記平板状の
係止部8が、前記ベアリングハウジング5の内孔外周壁
5aの肉厚部11に形成された収納凹部11aに緊密に
収納されるようにして、当該ベアリング保持スリーブ7
を前記ハウジング5の内孔6内に隙間嵌めする。そし
て、前述と同様に、ボールベアリング2の内輪12内に
リダクションギヤシャフト26のジャーナル26aを圧
入し、実際にリダクションギヤ27が回転されると、そ
の回転に伴う前記ボールベアリング2の外輪3への回転
力に対して、前記平板状の係止部8の円周方向両端面8
aが、前記収納凹部11aの円周方向両壁部11bに係
止し、これによりベアリング保持スリーブ7及びボール
ベアリング2の外輪3は回転方向に対して固定保持され
る。その他の作用効果は、前記第1実施例と同様又はほ
ぼ同様であるから、その詳細な説明を省略する。
【0020】なお、前記各実施例は、オートマチックト
ランスミッションハウジングに形成されたベアリングハ
ウジングにボールベアリングを固定保持する場合につい
てのみ詳述したが、このベアリングハウジングやベアリ
ングの種類はこれに限定されるものではない。また、前
記各実施例では、円筒形状のスリーブの軸方向端部を、
その内孔内に向けて折り曲げることにより鍔部を形成す
る場合についてのみ詳述したが、この鍔部の形成方法や
形成状態はこれに限定されるものではなく、例えば個別
に形成した鍔部形状の部材を、円筒形状のスリーブの内
孔内に溶接固定しても同様の効果が得られる。
【0021】また、前記各実施例で示した係止部以外の
係止部も採用することができ、例えばそれが単なる突起
でもよく、それをハウジングに形成した収納部や突起等
に係止してスリーブの回転を規制するようにしてもよ
い。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のベアリン
グ保持スリーブ及びベアリング保持構造によれば、ベア
リング保持スリーブの係止部がベアリングハウジングに
係止してその回転を規制し、ベアリングの外輪とベアリ
ング保持スリーブとは圧入によって固定され、結果的に
ベアリングの外輪はベアリングハウジングに固定保持さ
れるために、ベアリング保持スリーブをベアリングハウ
ジングの内孔内に隙間嵌めするだけでよく、従って当該
ハウジングに割れや変形が発生したり、ベアリング保持
スリーブ自体の真円度が低下するような変形が発生した
りすることもなく、同時にベアリングハウジングの内孔
に摺動磨耗が発生することもない。また、前記ベアリン
グ保持スリーブは、ハウジングの内孔内に隙間嵌めされ
ているので、それが当該ハウジングの内孔内で振動する
ことはない。
【0023】また、前記円筒形状のベアリング保持スリ
ーブの内孔内側に鍔部を形成すれば、前記圧入されるベ
アリングの軸方向への位置決めが可能で、またベアリン
グ回転中の当該スリーブ自体の抜け止めにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のベアリング保持スリーブ及びベアリン
グ保持構造の第1実施例を示すオートマチックトランス
ミッションの概略縦断面図である。
【図2】図1のオートマチックトランスミッションのリ
ダクションギヤシャフト右方支持部の左側面図である。
【図3】図2のリダクションギヤシャフト右方支持部に
用いられたベアリング保持スリーブを示すものであり、
同図(a)は縦断面図、同図(b)は正面図である。
【図4】図3のベアリング保持スリーブを用いたベアリ
ング保持構造の装着説明図である。
【図5】図4のベアリング保持構造の完成説明図であ
り、同図(a)は縦断面図、同図(b)は正面図であ
る。
【図6】本発明のベアリング保持スリーブ及びベアリン
グ保持構造の第2実施例を示す装着説明図である。
【図7】従来のベアリング保持構造におけるベアリング
の縦断面図である。
【図8】従来のベアリング保持構造におけるハウジング
の説明図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は同
図aのW−W断面図である。
【符号の説明】
1はトランスミッションハウジング 2はボールベアリング 3は外輪 5はベアリングハウジング 6は内孔 7はベアリング保持スリーブ 8は係止部 9は鍔部 10は案内部 11は肉厚部 12は内輪 13は転動体 23はアウトプットシャフト 26はリダクションギヤシャフト 27はリダクションギヤ 31はオイルポンプ 32はオイルポンプハウジング 33はメイントランスミッションハウジング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベアリングの外輪とベアリングハウジン
    グの内孔との間に介装される円筒形状のベアリング保持
    スリーブであって、ベアリングの内輪及び回転体の回転
    に伴って当該ベアリングの外輪が回転しないためにベア
    リングハウジングに係止する係止部が設けられたことを
    特徴とするベアリング保持スリーブ。
  2. 【請求項2】 前記円筒形状の内孔内側に鍔部を設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載のベアリング保持スリ
    ーブ。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は2に記載のベアリング
    保持スリーブの係止部をベアリングハウジングに係止さ
    せて当該ベアリング保持スリーブをベアリングハウジン
    グの内孔内に隙間嵌めし、前記ベアリング保持スリーブ
    の内孔内にベアリングの外輪を圧入したことを特徴とす
    るベアリング保持構造。
JP677596A 1996-01-18 1996-01-18 ベアリング保持スリーブ及びベアリング保持構造 Pending JPH09196075A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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