JPH09195072A - 地表及び土中包気帯で土に接触させた鋼材の防食方法 - Google Patents

地表及び土中包気帯で土に接触させた鋼材の防食方法

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JPH09195072A
JPH09195072A JP8003583A JP358396A JPH09195072A JP H09195072 A JPH09195072 A JP H09195072A JP 8003583 A JP8003583 A JP 8003583A JP 358396 A JP358396 A JP 358396A JP H09195072 A JPH09195072 A JP H09195072A
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soil
steel
steel material
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underground
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Application number
JP8003583A
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English (en)
Inventor
Yoichi Ito
陽一 伊藤
Shinichi Yamaguchi
伸一 山口
Kiyoshi Nishida
清 西田
Hidekazu Endo
英一 遠藤
Nobuhiro Goto
信弘 後藤
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地下燃料タンク、地上タンク底板、鉄塔類脚
部、鋼構造物土中基礎等の地表及び土中包気帯で土に接
触させて鋼材を使用し実構造物を制作するにあたり、鋼
材部分全体の耐用年数を大幅に向上させることができる
防食方法を提供する。 【解決手段】 鋼材よりも電位的に卑な金属からなる4
0μm〜500μm厚みの被膜を鋼材に被覆し、かつ前
記鋼材の被膜が全面にわたって土と接することを特徴と
するようにする。鋼材よりも電位的に卑な金属として
は、亜鉛、亜鉛−アルミニウム合金あるいはアルミニウ
ム等が有効であり、これらの金属は溶射によって被膜を
形成することが適している。このような方法により、地
表及び土中包気帯で鋼材を使用し実構造物を制作するに
当たり、耐用年数を大幅に向上させることができる。そ
して、従来の方法に比べて簡易に、コスト上昇無く構造
物全体としての長期の耐久性を得ることができ、トータ
ルとしての経済効果は非常に大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下燃料タンク、
地上タンク底板、鉄塔類脚部あるいは鋼構造物土中基礎
等の地表及び土中包気帯で鋼材を土に接触させて使用す
る際の鋼材の防食方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】文明や経済の発達と共に、安価で信頼性
高く各種社会資本材の構造を支える材料としての鋼材の
使用量は大きく伸びてきた。その使われる環境には陸上
や海中、海上を始め多くのものがある。その中で、例え
ば、地下燃料タンク、地上タンク底板、鉄塔類脚部、鋼
構造物土中基礎等の地表及び土中包気帯で土に接触させ
て使用されるケースが多数存在する。鋼材は、特殊な環
境を除くと腐食することが欠点の一つであり、これを克
服し、できるだけ長期間に渡って必要な構造保持能力を
保たせることが防食技術の大きな目的である。土と接触
する環境の場合にも鋼材は腐食から免れることはでき
ず、土壌腐食という問題がある。
【0003】従来、例えば、鋼杭に関する調査研究等の
結果によると、地下水位より上になる包気帯での腐食は
比較的小さいとされていた。しかし、地上タンクの底板
などの例では、必ずしも常に腐食は小さいとは限らない
ことが知られている。これら土中あるいは土壌表層腐食
に関しては、必ずしも多くのことがわかっているとは言
い難い。特に地表や土中包気帯と呼ばれる地表に近い部
分で鋼材を使用する場合には、構造的な特徴から、土と
鋼材間に一部空間を生じ、これが腐食に影響することも
懸念される。
【0004】これらの環境での鋼材の防食方法について
は、近年、例えば特開昭57−171658号公報、特
開平5−33969号公報等には、アルミニウムや亜鉛
+アルミニウム亜鉛被覆等を溶射によって施す方法が開
示されている。これらは、被覆をすれば例えば電気防食
などが必須ではなく簡易な方法と考えられるが、より長
期のメンテフリーを得るという点からは、さらに寿命を
のばす方法が必要とされる。溶射被膜を使用する方法と
しては、この他に特開平6−33276号公報に、亜鉛
溶射をし、土中の水分濃度(含水比)を制御する方法も
開示されている。しかしながら、これらいずれの方法
も、構造的な特徴から生じる空間近傍での腐食特性につ
いては不明であり、期待される効果を発揮できるか懸念
される面もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、地表
及び土中包気帯で土に接触させて鋼材を使用する場合に
構造的な特徴から生じる空間近傍での腐食特性について
は不明であり、実構造物としてより信頼性のある防食方
法を確立することが重要である。本発明の目的は、上述
の問題を明らかにし、地表及び土中包気帯で鋼材を使用
して実構造物を製作するにあたり、より長期間信頼性を
保ちメンテフリー期間を延長可能な防食方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための本発明の要旨は、地表及び土中包気帯で土に接
触させて鋼材を使用する際に、鋼材よりも電位的に卑な
金属からなる40μm〜500μm厚みの被膜を鋼材に
被覆し、かつ前記鋼材の被膜が全面にわたって土と接す
ることを特徴とする地表及び土中包気帯で土に接触させ
た鋼材の防食方法である。前記金属は、亜鉛、アルミニ
ウムあるいは亜鉛−アルミニウム合金のいずれかとする
ことが好ましい。また、前記被覆を鋼材に設ける方法と
しては、鋼材よりも電位的に卑な金属を溶射して被膜を
形成することが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明につき詳細に説明す
る。本発明者らは、包気帯で土と接触させた場合の鋼材
の腐食を土中の土との接触状態に着目して研究した。そ
の結果、腐食は土の粒と鋼材が接触する部分での局部腐
食であることを見いだした。すなわち土中に含まれる水
分が、毛管現象をおこし易い小さな隙間である土と鋼材
の接触部で水膜を形成し、鋼材表面の水膜部分と土との
接触部分の間にミクロな通気差腐食セルを生じ腐食が進
展するものと考えられる。この機構からすると鋼材に対
し、電位的に卑な金属をミクロなセル以内の位置で電気
的に接触することで、鋼材が露出した場合でも犠牲防食
作用により鋼材が腐食から守られることになる。また、
この環境下で保護的被膜を生成するような被覆をするこ
とで被覆自身の腐食速度も小さく、長期の防食が期待で
きる。
【0008】そこで、本発明者らは、空間構造とこれら
の被覆鋼材の腐食との関係をいろいろと研究した。以
後、図1を参照しながら説明する。図1において被覆鋼
材4と土2との関係を調査した結果、その間に空間が存
在した場合に、腐食が大きくなる一方、被覆鋼材と土と
が全面にわたって隙間無く接触している場合にもっとも
耐食性がよいという事実を見いだした。この理由として
は、熱伝導性のよい鋼材と一定の水分を含む土および同
様に水分を含んだ空気の関係から、鋼材表面に結露を生
じるような条件が成り立つことにより、被覆の表層に生
じる保護性のある被膜が保護性を失ってしまう一方、土
と均一に接した場合には、この保護性のある被膜が生成
保持されることが考えられる。
【0009】本発明においては、上述のように地表及び
土中包気帯で土に接触させて鋼材を使用する際に、鋼材
よりも電位的に卑な金属からなる40μm〜500μm
厚みの被膜を鋼材に被覆し、かつ前記鋼材の被膜が全面
にわたって土と接することを特徴としている。まず、被
覆鋼材4の被膜を形成するための、鋼材よりも電位的に
卑な金属としては、亜鉛あるいは亜鉛−アルミニウム合
金等が好適である。また、鋼材よりも電位的に卑な金属
としてアルミニウムを用いても効果がある。被覆鋼材の
被膜全体の被膜厚みは40〜500μmとする。被膜厚
みは大きいほど効果が期待できるが、膜厚が40μm以
上になると効果が顕著であるので40μmを下限とす
る。一方、膜厚があまり厚くなると、最低限必要な密着
力が得られなくなるために上限は500μmとする。
【0010】上記被膜の形成は、溶射法で行うのが好適
である。溶射法は、溶滴を飛ばして被膜を形成する方法
であり、本被膜を作製するために非常に好都合な方法で
ある。方式としては、通常のアーク溶射(線材、粉
体)、フレーム溶射、プラズマ溶射等いずれの方法によ
ってもよい。被膜の制御方法としては、各方法の通常の
パラメーターを制御することにより容易に実施できる。
なお、本発明による防食法と電気防食との併用は特には
問題ない。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1を参照しながら
具体的に説明する。被覆の種類と厚みを変化させた種々
の被覆鋼材4を作製した。試験材の母材は、普通綱でサ
イズ100×100×3mmを用いた。この母材に表1
に示すような条件で金属を溶射し被膜を形成させた。そ
の後、鋼材を、図1に示すように、ガラスケース1に入
れた土2の表面に一定厚みのテフロン製のスペーサー3
を端部に挟んで設置し鋼材と土との隙間角度θを変化さ
せた。土の含水比は12%と一定にし、風雨の当たらな
い屋外に設置し、毎週含水比の測定と制御を繰り返し、
2年間経過させた。その後試験材を取り出し、目視で耐
食性を評価した。
【0012】耐食性は、 ☆:腐食ほとんど認められず ◎:一部極軽微な腐食あり 〇:一部軽微な腐食あり △:腐食あり ×:一部鉄の溶出あり で評価した。
【0013】結果を表1に示す。これにより明らかなよ
うに、全面が土と被覆面が接したNo.1〜7では、ほ
とんど腐食が認められず非常に良好な結果が得られた。
これに対し、比較例No.8、11〜14では、隙間角
を有し、本発明の土と前面接した場合に比較して耐食性
が劣っている。また、比較例No.9は、本発明例に比
較すると劣るものの他の比較例よりも良好な結果であっ
た。これは空間が非常に大きかったために、単純に外気
に暴露したのと同様な結果を示したものと考えられる。
これほどの空間を有する使用法は、本発明の対象とする
ものからははずれている。また比較例No.10は土と
全面が接しているものの、膜厚が本発明の値以下であり
耐食性は劣る。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、地表及び土中包気帯で
土に接触させて鋼材を使用する際に、鋼材よりも電位的
に卑な金属からなる40μm〜500μm厚みの被膜を
鋼材に被覆し、かつ前記鋼材の被膜が全面にわたって土
と接することで、地表及び土中包気帯で土に接触させて
実構造物を制作するにあたり鋼材部分全体の耐用年数を
大幅に向上させることができ、メンテナンス管理に関し
てトータルしての経済効果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】被覆鋼材と土との接触状態を変化させる試験の
断面模式図である。
【符号の説明】
1 ガラスケース 2 土 3 テフロンスペーサー 4 被覆鋼材 5 隙間角度θ
フロントページの続き (72)発明者 遠藤 英一 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 後藤 信弘 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地表及び土中包気帯で土に接触させて鋼
    材を使用する際に、鋼材よりも電位的に卑な金属からな
    る40μm〜500μm厚みの被膜を鋼材に被覆し、か
    つ前記鋼材の被膜が全面にわたって土と接することを特
    徴とする地表及び土中包気帯で土に接触させた鋼材の防
    食方法。
  2. 【請求項2】 鋼材よりも電位的に卑な金属が、亜鉛、
    アルミニウムあるいは亜鉛−アルミニウム合金のいずれ
    かであることを特徴とする請求項1記載の地表及び土中
    包気帯で土に接触させた鋼材の防食方法。
  3. 【請求項3】 鋼材よりも電位的に卑な金属を溶射する
    ことによって被膜を形成することを特徴とする請求項
    1、2のいずれかに記載の地表及び土中包気帯で土に接
    触させた鋼材の防食方法。
JP8003583A 1996-01-12 1996-01-12 地表及び土中包気帯で土に接触させた鋼材の防食方法 Withdrawn JPH09195072A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007297716A (ja) * 2007-06-22 2007-11-15 Tocalo Co Ltd 耐食性と環境浄化特性に優れる溶射被覆部材
CN108265262A (zh) * 2018-04-10 2018-07-10 上海大学 一种等离子喷涂锌铝高强钢及其制备方法和应用

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007297716A (ja) * 2007-06-22 2007-11-15 Tocalo Co Ltd 耐食性と環境浄化特性に優れる溶射被覆部材
JP4603016B2 (ja) * 2007-06-22 2010-12-22 トーカロ株式会社 耐食性と環境浄化特性に優れる溶射被覆部材
CN108265262A (zh) * 2018-04-10 2018-07-10 上海大学 一种等离子喷涂锌铝高强钢及其制备方法和应用

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