JPH09194965A - アルミニウム共存水溶液からのニッケルおよび/またはコバルトの選択的分離回収方法 - Google Patents

アルミニウム共存水溶液からのニッケルおよび/またはコバルトの選択的分離回収方法

Info

Publication number
JPH09194965A
JPH09194965A JP2612496A JP2612496A JPH09194965A JP H09194965 A JPH09194965 A JP H09194965A JP 2612496 A JP2612496 A JP 2612496A JP 2612496 A JP2612496 A JP 2612496A JP H09194965 A JPH09194965 A JP H09194965A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nickel
cobalt
aluminum
aqueous solution
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2612496A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsutoshi Inoue
勝利 井上
Yuji Koga
裕司 古賀
Kazuharu Yoshizuka
和治 吉塚
Keisuke Owatari
啓介 大渡
Hiromi Tsuyama
弘己 津山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JGC Catalysts and Chemicals Ltd
Original Assignee
Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd filed Critical Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
Priority to JP2612496A priority Critical patent/JPH09194965A/ja
Publication of JPH09194965A publication Critical patent/JPH09194965A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニッケルおよび/またはコバルトと、アルミ
ニウムが共存する水溶液、特に多量のアルミニウムが共
存する酸性の水溶液からでも比較的安定な抽出溶媒を用
いてニッケルおよび/またはコバルトを迅速かつ効率的
に分離回収する方法の提供。 【解決手段】 ニッケルおよび/またはコバルトと、ア
ルミニウムが共存する水溶液からニッケルおよび/また
はコバルトを選択的に分離回収する方法において、下記
一般式(I)で示されるジアルキルナフタリンスルホン
酸と、下記一般式(II)で表されるピコリルアミン化合
物との混合物を抽出剤として含有する抽出溶媒に、前記
水溶液を接触させて、ニッケルおよび/またはコバルト
を前記抽出剤に選択的に担持させる工程を有することを
特徴とするニッケルおよび/またはコバルトの分離回収
方法。 【化1】 【化2】 (前式中、R1、R2およびR3は、炭素数4〜25の2
重結合を含んでいてもよい直鎖または側鎖を有するアル
キル基であり、互いに同一または相異なっていてもよ
い。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶媒抽出法によるニッ
ケルおよび/またはコバルトの分離回収方法に関する。
特に、比較的多量のアルミニウムと比較的少量のニッケ
ルおよび/またはコバルトを含む酸性水溶液中から、ニ
ッケルおよび/またはコバルトを選択的・効率的に分離
回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コバルトには耐熱、耐摩耗性があり、特
にタングステン、クロム、ニッケル等との合金には強い
耐性がある。このため、コバルトは高速度鋼、耐熱合金
ならびに超硬工具材料の原料として広く使用されてい
る。また磁性材料、触媒材料の原料として広く利用され
ている。一方ニッケルは特殊鋼、特殊合金、めっき材料
として広く用いられている他、電池、触媒、水素吸蔵、
形状記憶合金等にも欠かせない金属になっている。この
様に両者とも現在の産業社会に欠かすことのできない金
属であるが、その産地は遍在しており、産出国の政治、
社会情勢によりたえず供給の不安定性に悩まされてい
る。このためこれらの金属の資源を持たないわが国にあ
っては2次資源としての各種の産業廃棄物からのこれら
金属の回収が求められている。使用済みの廃脱硫触媒も
そのような2次資源の一つである。触媒はアルミナやシ
リカの担体に少量の触媒金属を担持させたものであるた
め、廃脱硫触媒から金属を回収する場合には常にこのア
ルミニウムの存在を考慮に入れる必要がある。現在、硫
酸水溶液からのニッケル、コバルトの金属回収にはカル
ボン酸化合物やD2EHPA〔ジ−(2−エチルヘキシ
ル)燐酸〕などの酸性燐化合物を用いて行われている
が、この様な抽出剤を用いると、抽出の起こるpH領域
は約3〜4以上であり、廃触媒の硫酸浸出液のような多
量のアルミニウムを含む水溶液からのニッケルやコバル
トの分離回収には適しない。すなわち、この様なpHで
はアルミニウムは水酸化物として沈殿し、これに伴って
ニッケルやコバルトの一部も共沈する。さらに前記の酸
性抽出剤を用いた場合には、ニッケルやコバルトよりも
アルミニウムの方が優先的に抽出され、すなわち、より
低いpH領域で抽出されるため目的を達成できない。A
max社の特許(特開昭53−86621号)によれば
α−ヒドロキシオキシム化合物である5,8−ジエチル
−7−ヒドロキシ−6−ドデカノンオキシムを活性成分
とするLIX63(商品名)とジノニルナフタリンスル
ホン酸のようなスルホン酸化合物の混合物はpHが2.
5以下の酸性の水溶液からでもニッケルとコバルトをア
ルミニウムに対して選択的に抽出することができると述
べられている。しかしながらスルホン酸は非常に強い酸
性化合物であり、LIX63のようなオキシムはこのよ
うに酸性の強い物質と長時間共存すると劣化してその機
能を失う恐れがある。また、液/液接触時に界面に安定
なエマルジョン相を発生させ、相分離を困難にさせると
言う大きな欠陥もある。先に出願した発明(特開平6−
264156号)において、本発明者等はスルホン酸の
代わりにそれぞれジ(2,4,4′−トリメチルペンチ
ル)ホスフィン酸(CYANEX272)およびジ(2
−エチルヘキシル)ホスフィン酸(PIA−8)等のホ
スフィン酸化合物とLIX63等のオキシム化合物との
混合物を用いれば界面にエマルジョン相を発生させるこ
ともなく、また、LIX63等のオキシム化合物を劣化
させることもなく上記の目的が達成できることを示し
た。しかしながら、LIX63等のオキシム化合物との
混合物はその一例を後述の比較例1に示すように、ニッ
ケルの抽出速度が非常に遅く工業的に利用するには大き
な問題がある。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ニ
ッケルおよび/またはコバルトと、アルミニウムが共存
する水溶液、特に上記のように従来不可能であった多量
のアルミニウムが共存する酸性の水溶液からでも比較的
安定な抽出溶媒を用いてニッケルおよび/またはコバル
トを迅速かつ効率的に分離回収する方法を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討し
た結果、下記一般式(I)で示される化学構造を有する
ジアルキルナフタリンスルホン酸と下記一般式(II)で
示される化学構造を有するピコリルアミン化合物化合物
との混合物を抽出剤として含有する抽出溶媒を用いれば
多量のアルミニウムが共存するpHが4以下の水溶液か
らニッケルおよび/またはコバルトを迅速分離回収が可
能であることを見い出した。
【化3】
【化4】 (前式中、R1、R2およびR3は、炭素数4〜25の2
重結合を含んでいてもよい直鎖または側鎖を有するアル
キル基であり、互いに同一または相異なっていてもよ
い。)
【0005】前記一般式(I)および(II)において、
1、R2およびR3の炭素数が4未満のものは水に溶け
やすく抽出のコスト、ならびに抽出後の廃水の処理の点
からも好ましくない。また、R1、R2およびR3の炭素
数が26個以上のものは、液が非常に粘稠となり、ミキ
サ−セトラ−による円滑な操業を困難にすることになる
ので好ましくない。さらにはR1およびR2がβ位置の場
合、より一層好ましくは2,6の位置の場合が好まし
い。本発明で使用される前式(I)で表されるジアルキ
ルナフタリンスルホン酸におけるスルホン酸基はα位置
にあり、アルキル基の置換位置は任意の位置であっても
よい。前記ジアルキルナフタリンスルホン酸の例として
は、ジ−(2,4,4−トリメチルペンチル)−ナフタ
リンスルホン酸、ジ−(2−エチルヘキシル)−ナフタ
リンスルホン酸、ジ−(n−オクチル)−ナフタリンス
ルホン酸、ジ−(ノニル)−ナフタリンスルホン酸、ジ
−(ドデシル)−ナフタリンスルホン酸、(ノニル)
(ドデシル)−ナフタリンスルホン酸などが例示され
る。特に市販されている2,6−ジ−(ノニル)−ナフ
タリンスルホン酸および2,6−ジ−(ドデシル)−ナ
フタリンスルホン酸は市販されており、コストの面など
からも好適である。
【0006】本発明で使用するピコリルアミン化合物
は、例えば下式(III)に示す様な方法で、第一級アミン
と6−クロロメチルピリジンを出発原料として、テトラ
ヒドロフラン溶媒中でNaOHの存在下で容易に合成す
ることができる。
【化5】 (式中、R3は、炭素数4〜25の2重結合を含んでい
てもよい直鎖または側鎖を有するアルキル基である。) 前式(II)で表されるピコリルアミン化合物に対する前
式(I)で表されるジアルキル基ナフタリンスルホン酸の
混合割合は、容量比で5/95〜95/5、好ましくは
20/80〜80/20の範囲であることが望ましい。
前記割合が5/95未満ではニッケルやコバルトの抽出
率が小さくなり、また、95/5を越える場合にも、ニ
ッケルやコバルトの抽出率が低下する傾向にある。
【0007】前記ジアルキルナフタリンスルホン酸とピ
コリルアミン化合物よりなる混合抽出剤は、適当な希釈
剤に溶解させて抽出溶媒として用いるのが好ましい。工
業的に使用可能な希釈剤としてはケロシン等の脂肪族系
希釈剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系希釈剤など通
常使用される水に不溶な有機溶媒が使用可能であるが、
コバルトを抽出する場合には、芳香族系の希釈剤は長期
間の使用においてコバルトのために酸化されて安息香酸
等の芳香族カルボン酸となり、2相分離を困難にする等
の様々なトラブルを発生させることが知られているた
め、脂肪族系希釈剤を利用することが好ましい。上記抽
出剤と希釈剤との混合比は、1:99〜99:1の範囲
が好ましく、特に好ましくは5:95〜50:50の範
囲である。また、スム−ズな相分離を達成するためには
例えばオクチルアルコ−ルのような高級アルコ−ルを
0.5〜9%程度添加しておくことが好ましい。
【0008】本発明の分離回収方法では、ニッケルおよ
び/またはコバルトとアルミニウムが共に共存する水溶
液のpHが4よりも高い場合には、ニッケルおよび/ま
たはコバルトとアルミニウムが前述の抽出溶媒に担持さ
れることもあり、また水溶液中にアルミナ水和物の沈殿
が生成するので好ましくない。好ましい水溶液のpHは
3.0以下、更に好ましくは1.5〜3.0の範囲であ
る。本発明の分離回収方法を用いて、ニッケルおよび/
またはコバルトを分離回収するには、前記の混合抽出溶
媒と対象の水溶液とを液−液接触させる。液−液接触の
方法は、溶媒抽出法において用いられている周知の方法
のいずれもが使用されうる。この場合の抽出溶媒と水溶
液との容積比は特に限定されるものではないが、通常、
1:10〜10:1の範囲である。この比率は抽出溶媒
中の各抽出剤の濃度、水溶液中のニッケルおよび/また
はコバルトの濃度、液−液接触の方法等を考慮して決定
される。なお、上記抽出工程でニッケルおよび/または
コバルトを抽出した抽出溶媒は水溶液から分離し、通常
の方法によりニッケルおよび/またはコバルトは回収さ
れる。また、該抽出溶媒は繰り返し使用することができ
る。
【0009】
【実施例】以下に本発明の実施例を述べるが、本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。
【0010】実施例1(ニッケルの抽出速度) パラフィン成分を主成分とする希釈剤であるEXXSO
LD80(エクソン化学社製、商品名)中に50mMの
N−テトラデシル−ビスピコリルアミン(以後TDPA
と略す)と同じく50mMのジノニルナフタリンスルホ
ン酸(以後DNNSAと略す)、ならびに4%のオクタ
ノールを含む抽出溶媒を用いて0.5Mの硫酸ナトリウ
ムと158.5ppmのニッケルとを含む硫酸水溶液
(pH:1.5)からO/A比が1:1で比較的穏やか
な振り混ぜ速度の振とう器を用いてニッケルの抽出率
(%)と振とう時間との関係を調べたところ図1のよう
な結果を得た。図1から約3時間の振とうでほぼ平衡に
達することが分かる。
【0011】比較例1(ニッケルの抽出速度) 同じくEXXSOLD80を希釈剤として21%のα−
ヒドロキシオキシム化合物である5,8−ジエチル−7
−ヒドロキシ−6−ドデカノンオキシムを活性成分とす
るLIX63(商品名)と図2に示す各種の酸性有機燐
化合物よりなる混合抽出剤を用いて266ppmのニッ
ケルを含む硫酸水溶液から同様の条件で抽出を行ったと
ころ図2のような結果を得た。先の例とは大きく異なり
40時間経っても平衡には達しないことが判る。なお図
2中(○)は、8%CYANEX272〔商品名:ジ
(2,4,4′−トリメチルペンチル)ホスフィン酸〕
+21%LIX63のEXXSOLD80溶液(pH
2.0)、(□)は、7%PC−88A〔商品名:2−
エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシルエ
ステル〕+21%LIX63のEXXSOLD80溶液
(pH1.5)および(▽)は、11%OPEHPA
〔商品名:ターシャリーオクチルフェニル−2−エチル
ヘキシルリン酸〕+21%LIX63のEXXSOLD
80溶液(pH0.7)を示す。
【0012】実施例2〔ニッケル、コバルト、アルミニ
ウムの抽出に及ぼす抽出剤の混合割合の効果(その
1)〕 EXXSOLD80を希釈剤として50mMのTDPA
と様々な濃度のDNNSAと4%のオクタノールを含む
溶媒を用いてpHが2.0で2.50mMのニッケル、
2.50mMのコバルト、18.6mMのアルミニウム
および0.5mMの硫酸ナトリウムを含む硫酸水溶液中
からニッケル、コバルト、アルミニウムの抽出を行った
ところ図3に示す結果を得た。図3よりニッケルはどの
混合比でもほぼ100%抽出される。また、TDPA/
DNNSA(モル比)の混合比が0.5以上になるとア
ルミの抽出は無視できることが分かる。
【0013】実施例3〔ニッケル、コバルト、アルミニ
ウムの抽出に及ぼす抽出剤の混合割合の効果(その
2)〕 EXXSOLD80を希釈剤として50mMのN−オレ
イル−ビスピコリルアミン(OLPA)と様々な濃度の
DNNSAと4%のオクタノールを含む溶媒を用いてp
Hが2.0で2.50mMのニッケル、2.50mMの
コバルト、18.6mMのアルミニウムおよび0.5m
Mの硫酸ナトリウムを含む硫酸水溶液中からニッケル、
コバルト、アルミニウムの抽出を行ったところ図4に示
す結果を得た。図4より先の例と同様にニッケルはどの
混合比でもほぼ100%抽出される。また、混合比が
0.5以上になるとアルミニウムの抽出は無視できる。
【0014】実施例4〔ニッケル、コバルト、アルミニ
ウムの抽出に及ぼすpHの効果(その1)〕 EXXSOLD80を希釈剤として50mMのTDPA
と100mMのDNNSAと4%のオクタノールとを含
む溶媒を用いて2.50mMのニッケル、2.50mM
のコバルト、18.6mMのアルミニウムおよび0.5
mMの硫酸ナトリウムを含む様々なpHの硫酸水溶液か
らニッケル、コバルト、アルミニウムの抽出を行ったと
ころ図5に示す結果を得た。ニッケルは2以上のpHに
おいて、またコバルトは2.5以上においてほぼ100
%抽出されるのに対してアルミニウムの抽出は全ての領
域で無視できる。
【0015】実施例5〔ニッケル、コバルト、アルミニ
ウムの抽出に及ぼすpHの効果(その2)〕 EXXSOLD80を希釈剤として50mMのOLPA
と100mMのDNNSAと4%のオクタノールとを含
む溶媒を用いて2.50mMのニッケル、2.50mM
のコバルト、18.6mMのアルミニウムおよび0.5
mMの硫酸ナトリウムを含む様々なpHの硫酸水溶液か
らニッケル、コバルト、アルミニウムの抽出を行ったと
ころ図6に示す結果を得た。ニッケルは1.5以上のp
Hにおいてほぼ100%、またコバルトは2.0以上に
おいてほぼ90%以上抽出されるのに対してアルミニウ
ムの抽出は全ての領域で非常に少ない。
【0016】実施例6(混合抽出剤からのニッケルとコ
バルトの剥離) 先に示した混合抽出剤に抽出されたコバルトとニッケル
の剥離は硫酸や塩酸を用いて容易に達成することが可能
である。約150ppmのニッケルまたはコバルトと5
0mMのTDPAとDNNSAと4%のオクタノールを
含むEXXSOLD80の溶媒を1Nの塩酸または硫酸
とO/A比が1:1で約1時間振り混ぜたところ1Nの
硫酸ではニッケルが81%、コバルトが99%以上剥離
された。また1Nの塩酸ではそれぞれ71%および95
%剥離された。
【0017】実施例7(複合系の抽出) EXXSOLD80中に50mMのN−オクタデシル−
ビスピコリルアミン(ODPA)と様々な濃度のDNN
SA、ならびに4%のオクタノールを含む溶媒と214
ppmのニッケル、971ppmのコバルト、ならびに
16033ppmのアルミニウムを含むpHが約2の希
硫酸水溶液とを約1時間振り混ぜたところ図7および表
1、2に示す結果が得られた。この結果よりこのような
混合抽出剤を用いることにより比較的低いpHにおいて
もピコリルアミン化合物とDNNSAの混合割合が0.
5以上であればニッケルは100%近く抽出されるのに
対してアルミニウムの抽出は無視できる程度であること
が判る。
【0018】
【表1】
【表2】
【0019】以下、本発明の具体的実施態様を記載す
る。
【0020】1.ニッケルおよび/またはコバルトと、
アルミニウムが共存する水溶液からニッケルおよび/ま
たはコバルトを選択的に分離回収する方法において、前
記一般式(I)で示されるジアルキルナフタリンスルホ
ン酸と、前記一般式(II)で表されるピコリルアミン化
合物との混合物を抽出剤として含有する抽出溶媒に、前
記水溶液を接触させて、ニッケルおよび/またはコバル
トを前記抽出剤に選択的に担持させる工程を有すること
を特徴とするニッケルおよび/またはコバルトの分離回
収方法。 2.前式(II)で表されるピコリルアミン化合物に対す
る前式(I)で表されるジアルキル基ナフタリンスルホ
ン酸の混合割合は容量比で5/95〜95/5、好まし
くは20/80〜80/20の範囲であるニッケルおよ
び/またはコバルトの分離回収方法。 3.ジアルキルナフタリンスルホン酸がジノニルナフタ
リンスルホン酸および/またはジドデシルナフタリンス
ルホン酸である前記1ないし2のニッケルおよび/また
はコバルトの分離回収方法。 4.上記抽出剤に希釈剤を、1:99〜99:1、特に
好ましくは5:95〜50:50の範囲での混合比で混
合した混合した抽出剤混合物を抽出剤として使用する前
記1ないし3のニッケルおよび/またはコバルトの分離
回収方法。 5.抽出剤混合物に、更に例えばオクチルアルコ−ルの
ような高級アルコ−ルを0.5〜9%程度添加したもの
を抽出剤として使用する前記1ないし4のニッケルおよ
び/またはコバルトのの分離回収法。 6.ニッケルおよび/またはコバルトとアルミニウムが
共に共存する水溶液のpHが4未満である前記1ないし
5のニッケルおよび/またはコバルトの分離回収法。 7.前記4ないし6の抽出剤混合物とニッケルおよび/
またはコバルトとアルミニウムが共に共存する水溶液の
容積比が、1:10から10:1の範囲である前記1な
いし6のニッケルおよび/またはコバルトの分離回収
法。
【0021】
【効果】本発明は新らしい混合抽出剤による抽出方法に
より、多量のアルミニウムが共存する水溶液から極めて
選択的に、かつ効率的にニッケルおよび/またはコバル
トを分離回収することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】モル比が1:1のTDPA/DNNSAの抽出
剤を使用した実施例1の抽出時間とニッケル抽出率との
関係を示す図である。
【図2】LIX63(商品名)と各種の酸性有機燐化合
物を使用した比較例1の接触時間と抽出媒体中のニッケ
ル濃度との関係を示す図である。
【図3】TDPAとDNNSAの混合割合を変えた抽出
剤を使用した実施例2の前記混合割合とニッケル、コバ
ルトおよびアルミニウムの抽出率との関係を示す図であ
る。
【図4】OLPAとDNNSAの混合割合を変えた抽出
剤を使用した実施例3の前記混合割合とニッケル、コバ
ルトおよびアルミニウムの抽出率との関係を示す図であ
る。
【図5】TDPAとDNNSAの混合物を主成分とする
抽出剤を用いて、pHを変えて行った実施例4の前記p
Hとニッケル、コバルトおよびアルミニウムの抽出率と
の関係を示す図である。
【図6】OLPAとDNNSAの混合物を主成分とする
抽出剤を用いて、pHを変えて行った実施例5の前記p
Hとニッケル、コバルトおよびアルミニウムの抽出率と
の関係を示す図である。
【図7】OPDAとDNNSAの混合割合を変えた抽出
剤を使用した実施例7の前記混合割合とニッケル、コバ
ルトおよびアルミニウムの抽出率との関係を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大渡 啓介 佐賀県佐賀市本庄町1 佐賀大学理工学部 内 (72)発明者 津山 弘己 福岡県北九州市若松区北湊町13−2 触媒 化成工業株式会社若松工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケルおよび/またはコバルトと、ア
    ルミニウムが共存する水溶液からニッケルおよび/また
    はコバルトを選択的に分離回収する方法において、下記
    一般式(I)で示されるジアルキルナフタリンスルホン
    酸と、下記一般式(II)で表されるピコリルアミン化合
    物との混合物を抽出剤として含有する抽出溶媒に、前記
    水溶液を接触させて、ニッケルおよび/またはコバルト
    を前記抽出剤に選択的に担持させる工程を有することを
    特徴とするニッケルおよび/またはコバルトの分離回収
    方法。 【化1】 【化2】 (前式中、R1、R2およびR3は、炭素数4〜25の2
    重結合を含んでいてもよい直鎖または側鎖を有するアル
    キル基であり、互いに同一または相異なっていてもよ
    い。)
  2. 【請求項2】 ジアルキルナフタリンスルホン酸がジノ
    ニルナフタリンスルホン酸および/またはジドデシルナ
    フタリンスルホン酸である請求項1記載のニッケルおよ
    び/またはコバルトの分離回収方法。
  3. 【請求項3】 ニッケルおよび/またはコバルトとアル
    ミニウムが共に共存する水溶液のpHが4未満である請
    求項1または2記載のニッケルおよび/またはコバルト
    の分離回収方法。
JP2612496A 1996-01-19 1996-01-19 アルミニウム共存水溶液からのニッケルおよび/またはコバルトの選択的分離回収方法 Pending JPH09194965A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2612496A JPH09194965A (ja) 1996-01-19 1996-01-19 アルミニウム共存水溶液からのニッケルおよび/またはコバルトの選択的分離回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2612496A JPH09194965A (ja) 1996-01-19 1996-01-19 アルミニウム共存水溶液からのニッケルおよび/またはコバルトの選択的分離回収方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09194965A true JPH09194965A (ja) 1997-07-29

Family

ID=12184824

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2612496A Pending JPH09194965A (ja) 1996-01-19 1996-01-19 アルミニウム共存水溶液からのニッケルおよび/またはコバルトの選択的分離回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09194965A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5161379B1 (ja) * 2012-03-01 2013-03-13 Jx日鉱日石金属株式会社 金属の混合溶液の分離方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5161379B1 (ja) * 2012-03-01 2013-03-13 Jx日鉱日石金属株式会社 金属の混合溶液の分離方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2760956B2 (ja) ニッケルおよびコバルトの湿式精錬法
JPH07252548A (ja) 廃触媒からの有価金属の回収方法
US3923615A (en) Winning of metal values from ore utilizing recycled acid leaching agent
JPS61159538A (ja) 亜鉛回収法
US4104359A (en) Regeneration of organic extractants containing α-hydroxyoximes
US9404169B2 (en) Method for recovering scandium
US4599153A (en) Selective extraction of rhenium from aqueous sulfuric acid solutions
US3936494A (en) Naphthenohydroxamic acid preparation
US5976218A (en) Process for the recovery of nickel
US4718995A (en) Recovery of tungsten, scandium, iron, and manganese from tungsten bearing material
JPH09194965A (ja) アルミニウム共存水溶液からのニッケルおよび/またはコバルトの選択的分離回収方法
JP2005510625A (ja) ニッケルについての統合されたアンモニア性溶媒抽出および水素還元
JPH06264156A (ja) ニッケル及び/又はコバルトの分離回収方法
Ola et al. Extraction of Co (II), Ni (II), Cu (II) and Mn (II) with deep eutectic solvents dissolved in heptane as extractants
Jacobs et al. Nickel & Cobalt Extraction Using Organic Compounds
JPH06248368A (ja) ニッケルおよび/またはコバルトの分離回収方法
US3930974A (en) Two stage selective leaching of metal values from ocean floor nodule ore
JPH09235628A (ja) 使用済み脱硫触媒からの有用金属の分離、回収方法
JP3479677B2 (ja) アルカリ性溶液から銅イオンを選択的に回収する方法
JPH06248369A (ja) モリブデン含有アルミニウム溶液からのモリブデンの分離方法
JPH07138670A (ja) ニッケルおよび/またはコバルトの分離回収方法
JPH06192761A (ja) モリブデンの分離回収方法
CA2381691A1 (en) Method for separating copper from iron
JP4321929B2 (ja) 銀の分離・回収方法
JP2021037438A (ja) 金属塩の分離方法