JPH09194856A - ディ−ゼルエンジン用燃料油組成物 - Google Patents

ディ−ゼルエンジン用燃料油組成物

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JPH09194856A
JPH09194856A JP8020598A JP2059896A JPH09194856A JP H09194856 A JPH09194856 A JP H09194856A JP 8020598 A JP8020598 A JP 8020598A JP 2059896 A JP2059896 A JP 2059896A JP H09194856 A JPH09194856 A JP H09194856A
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JP
Japan
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fuel oil
alkyl group
diesel engine
substituted
group
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JP8020598A
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Keiichi Koseki
惠一 古関
Hiroshi Ueno
廣 上野
Tei Ito
禎 伊藤
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10LFUELS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NATURAL GAS; SYNTHETIC NATURAL GAS OBTAINED BY PROCESSES NOT COVERED BY SUBCLASSES C10G, C10K; LIQUEFIED PETROLEUM GAS; ADDING MATERIALS TO FUELS OR FIRES TO REDUCE SMOKE OR UNDESIRABLE DEPOSITS OR TO FACILITATE SOOT REMOVAL; FIRELIGHTERS
    • C10L10/00Use of additives to fuels or fires for particular purposes
    • C10L10/02Use of additives to fuels or fires for particular purposes for reducing smoke development

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)
  • Solid Fuels And Fuel-Associated Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼の際に生ずる排気ガス中への粒子状物質
(パティキュレートともいう)の排出量を低減した環境
汚染対策ディ−ゼルエンジン用燃料油を提供すること。 【解決手段】 鉱油を主成分とし、(A)3−置換もし
くは非置換−γ−ラクトンまたは4−置換もしくは非置
換−δ−ラクトンの1種以上0.1〜3.0重量%、
(B)マレイン酸エステルまたはフマル酸エステルの1
種以上1〜15重量%、および(C)2−エチルヘキサ
ノ−ル0.1〜10.0重量%のうちの2種以上を含有
することを特徴とするディ−ゼルエンジン用燃料油組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なディ−ゼル
エンジン用燃料油組成物に関する。さらに詳しくは、鉱
油を主成分とし、ラクトン系化合物を0.1〜3.0重
量%、エステル系化合物1〜15重量%および2−エチ
ルヘキサノ−ル0.1〜10重量%のうちの2種以上を
含有してなるディ−ゼルエンジン用燃料油組成物に関す
る。このようなディ−ゼルエンジン用燃料油組成物は、
燃焼の際に生ずる排気ガス中への粒子状物質(以下、パ
ティキュレートまたはPtc.ともいう)の排出量を低
減した環境汚染対策ディ−ゼルエンジン用燃料油として
極めて有用である。
【0002】
【従来の技術】大気中の浮遊粒子状物質は、大気汚染防
止法では、大気中に浮遊する粒子状物質であって、その
粒径が10μm以下のもの、と定義されている。これら
の粒子状物質は地球規模でみると、海塩粒子や土砂のま
き上げなどからできる風塵、森林火災による煙、火山の
噴火に伴う火山灰のような自然発生によるものが多い。
しかし都市部などの人口密集地域の大気汚染の原因とな
っている浮遊粒子状物質は、自動車などのディーゼルエ
ンジンの排気ガス中のPtc.に由来するものがかなり
の割合を含めている。
【0003】Ptc.は、主として炭化物、未燃焼の燃
料油および未燃焼の潤滑油、硫酸ミストを主体にした硫
黄化合物などが混在したものである。またPtc.中の
炭化物などの成分は、黒煙の原因物質でもある。したが
って排気ガスの排気煙濃度(以下、スモ−クともい
う。)を低減することは、Ptc.の低減に繋がる。P
tc.の排出量を低減するために、燃焼室の構造、エン
ジンの機構、排気ガス浄化用触媒装置、Ptc.の補集
装置、燃料油、潤滑油などの多方面からの努力がなされ
てきたが、経済性においても、長期間に渡る性能の安定
性においても、いまだ充分な低減効果を得るに至ってい
ない。
【0004】しかし、燃料油を改良する方法は、ディー
ゼルエンジンの変更を殆ど必要としないことから、低減
方法として重要である。たとえば特開昭59−1153
90には、ジ−ゼル燃料に、水と脂肪族アルコ−ルを添
加してなる、相安定性、熱力学的安定性に優れ、媒煙粒
子およびNOxの発生を低減させるジーゼル燃料が記載
されている。
【0005】特開昭59−232176号公報には、軽
油に特定のポリオキシアルキレン化合物を必須成分とし
て含有させて得られ、かつ排気ガス中のHC濃度、CO
濃度およびパティキュレ−ト量の低減されたディーゼル
エンジン用燃料組成物が記載されている。ここで特定の
ポリオキシアルキレン化合物は、その分子構造内に有機
残基、アルキル基および炭化水素基を含み、かつ平均分
子量400〜6000を有する。
【0006】特開平7−18271号公報には、ディー
ゼルエンジンからの燃焼排気ガス中のNOxおよびHC
を顕著に減少させることができ、さらに燃焼排気ガスの
臭気および黒色煙をも大幅に減少できる燃料油用添加剤
として、グリコ−ル・エ−テル化合物を含有するディー
ゼル機関用燃料改質剤が記載されている。
【0007】特願平6−141192号明細書には、特
に高負荷時の運転においてディーゼルエンジンより大気
中に排出される黒煙を含む浮遊粒子状物質を顕著に減少
することができるディーゼルエンジン用燃料油として、
2−ヒドロキシ−2−メチル脂肪族カルボン酸またはそ
のエステル、ポリオキシアルキレングリコ−ルもしくは
その両末端基がエ−テル結合、エステル結合またはアシ
ル結合のいずれかを含む該誘導体、ポリメチレンジカル
ボン酸のジエステル、β−アルコキシイソ酪酸のエステ
ル、1,3−ジオキソランまたはその誘導体、1,4−
ジオキサンまたはその誘導体、1,3−ジオキサンまた
はその誘導体、およびポリオキシアルキレン基またはポ
リオキシフェニルアルキレン基を骨格とする含酸素化合
物の1種以上を添加したディーゼルエンジン用燃料組成
物が記載されている。
【0008】また、燃焼助剤を添加したものとして、特
開平4−213391号公報には、過塩基化カルシウム
スルホネ−トを有機溶媒に分散したデイーゼル燃料用添
加剤を用いたものが記載されている。特開7−7057
0号公報には、わずかな量で燃料油のすすの排出を著し
く低減することができ、かつセタン価を向上することを
目的として、有機過酸化物であり、かつ有機酸の金属塩
の過塩基化物である化合物を含有する燃料添加剤を用い
たものが記載されている。しかし金属を含有する添加剤
は、それ自体が灰分、すなわちアッシュとなって排気ガ
ス中へ排出され、人体に害を及ぼす。
【0009】さらに、特開平3−234793号公報に
は、従来の鉱油燃料に較べて黒煙発生量および排ガスの
NOxが極めて少なく、着火性、熱効率も良いディーゼ
ルエンジン用燃料油として、有効成分がジメチルアセタ
ールである燃料油、および鉱油にジメチルアセタールを
50〜100容量%含有する燃料油が記載されている。
しかし多量のジメチルアセタールを含有するディーゼル
エンジン用燃料油を日常的に輸送用車両の燃料油として
使用することは、経済的な観点から困難である。
【0010】特開平7−145390号公報には、ガソ
リン・軽油・重油などの燃料油に非イオン性界面活性剤
を添加して表面張力を低下させ、その燃料油をエンジン
ル−ムに噴射し、油の粒子径を微細化させることによ
り、またこの非イオン性界面活性剤が酸素を含有してい
る含酸素化合物であることから、燃料油の燃焼効率を改
善し、燃焼時の排ガス中のNOx・CO・パティキュレ
ートを低減することを特徴とする燃料油用添加剤が記載
されている。
【0011】しかし、上記の従来の技術のいずれにおい
ても、軽油を主成分とし、かつ排気ガス中へのPtc.
の排出量をさらに低減したディーゼルエンジン用燃料油
組成物を得ることができなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来の技術を改善し、燃焼の際に生ずる排気ガス中への
粒子状物質の排出量を低減した環境汚染対策ディ−ゼル
エンジン用燃料油を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】我々は、燃料油添加剤と
して、含酸素化合物に着目して鋭意検討を重ねた結果、
鉱油に、ラクトン系化合物を0.1〜3.0重量%、エ
ステル系化合物を1〜15重量%および2−エチルヘキ
サノ−ル0.1〜10.0重量%のうちの2種以上を添
加することによって、燃焼の際に生ずる排気ガス中への
粒子状物質の排出量が著しく低減することを見い出し、
本発明を完成するに至った。
【0014】したがって本発明は、鉱油を主成分とし、
(A)化学式(1)または(2)
【0015】
【化4】 (ただしR1は、H、アルキル基、アルケニル基または
アルキル基で置換されていてもよいフェニル基であ
る。)
【0016】
【化5】 (ただしR1は、H、アルキル基、アルケニル基または
アルキル基で置換されていてもよいフェニル基であ
る。)で表わされるラクトン系化合物の1種以上0.1
〜3.0重量%、(B)化学式(3)
【0017】
【化6】R3OOCCH=CHCOOR4………(3) (ただしR3は、H、アルキル基、アルケニル基または
アルキル基で置換されていてもよいフェニル基であり、
4は、アルキル基、アルケニル基またはアルキル基で
置換されていてもよいフェニル基である。)で表わされ
るエステル系化合物の1種以上1〜15重量%、および
(C)2−エチルヘキサノ−ル0.1〜10.0重量%
のうちの2種以上を含有することを特徴とするディ−ゼ
ルエンジン用燃料油組成物を提供するものである。
【0018】本発明は上記のようなディ−ゼルエンジン
用燃料油組成物に係るものであるが、その好ましい態様
として、次のものを包含する。 (1)前記アルキル基が、炭素数1〜10のアルキル基
であり、前記アルケニル基が、炭素数2〜8のアルケニ
ル基であり、前記アルキル基で置換されていてもよいフ
ェニル基が、アルキル基で置換されていてもよいフェニ
ル基(ただし炭素数の合計は6〜10)である前記ディ
−ゼルエンジン用燃料油組成物。 (2)前記ラクトン系化合物の配合割合が0.2〜2.
5重量%であり、前記エステル系化合物の配合割合が3
〜9重量%であり、かつ前記2−エチルヘキサノ−ルの
配合割合が0.1〜5.0重量%である前記ディ−ゼル
エンジン用燃料油組成物、または上記(1)記載のディ
−ゼルエンジン用燃料油組成物。 (3)前記ラクトン系化合物が、γ−ブチロラクトンで
ある前記ディ−ゼルエンジン用燃料油組成物、または上
記(1)もしくは上記(2)記載のディ−ゼルエンジン
用燃料油組成物。 (4)前記エステル系化合物が、マレイン酸エチルであ
る前記ディ−ゼルエンジン用燃料油組成物、または上記
(1)〜上記(3)記載のうちのいずれか1のディ−ゼ
ルエンジン用燃料油組成物。
【0019】以下に、本発明を詳細に説明する。 (ディ−ゼルエンジン用燃料油組成物)本発明のディ−
ゼルエンジン用燃料油組成物は、鉱油に、ラクトン系化
合物0.1〜3.0重量%、エステル系化合物1〜15
重量%、および2−エチルヘキサノ−ル0.1〜10.
0重量%のうちの2種以上を添加したものである。ラク
トン系化合物の添加量は、好ましくは0.2〜2.5重
量%である。エステル系化合物の添加量は、好ましくは
3〜9重量%である。2−エチルヘキサノ−ルの添加量
は、好ましくは0.1〜5.0重量%である。ラクトン
系化合物およびエステル系化合物は、それぞれ単独また
は2種以上を併用することができる。ラクトン系化合
物、エステル系化合物または2−エチルヘキサノ−ルの
添加量が、燃料油組成物に対して、上記範囲未満の場合
にはPtc.を低減する効果が得られず、上記範囲を超
える場合にはディ−ゼルエンジン用燃料油組成物が均一
の液相を形成せず、また添加量に見合うだけの低減効果
が得られず、経済的でない。
【0020】(1)鉱油 本発明で使用する鉱油は、引火点が40℃以上、かつ蒸
留性状の90%留出温度が360℃以下の石油留分を5
0%以上含有するディーゼルエンジン用燃料油を使用す
ることができる。たとえば灯油、JIS K2204に
規定する軽油、JIS K2205に規定するA重油な
どである。上記の石油留分は、原油を常圧蒸留して製造
した石油留分のほか、原油を常圧蒸留して製造した石油
留分をさらに水素化分解、熱分解などの処理をした石油
留分などを使用することができる。
【0021】(2)ラクトン系化合物 本発明で使用するラクトン系化合物は、化学式(1)ま
たは(2)
【0022】
【化7】 (ただしR1は、H、アルキル基、アルケニル基または
アルキル基で置換されていてもよいフェニル基であ
る。)
【0023】
【化8】 (ただしR2は、H、アルキル基、アルケニル基または
アルキル基で置換されていてもよいフェニル基であ
る。)で表わされる3−置換もしくは非置換−γ−ラク
トンまたは4−置換もしくは非置換−δ−ラクトンの1
種以上を含むものである。好ましくは、アルキル基の炭
素数は1〜10であり、アルケニル基の炭素数は2〜8
であり、アルキル基で置換されていてもよいフェニル基
の炭素数は6〜10である。またアルキル基およびアル
ケニル基は、直鎖状であっても分枝状であってもよい。
このようなラクトン系化合物は、例えばγ−ブチロラク
トン、アルドノラクトンなどを挙げることができる。好
ましくはγ−ブチロラクトンである。 (3)エステル系化合物 本発明で使用するエステル系化合物は、化学式(3)
【0024】
【化9】R3OOCCH=CHCOOR4………(3) (ただしR3は、H、アルキル基、アルケニル基または
アルキル基で置換されていてもよいフェニル基であり、
4は、アルキル基、アルケニル基またはアルキル基で
置換されていてもよいフェニル基である。)で表わされ
るマレイン酸エステルまたはフマル酸エステルの1種以
上を含むものである。R3およびR4は、同じであっても
異なっていてもよい。好ましくは、アルキル基の炭素数
は1〜10であり、アルケニル基の炭素数は2〜8であ
り、アルキル基で置換されていてもよいフェニル基の炭
素数は6〜10である。またアルキル基およびアルケニ
ル基は、直鎖状であっても分枝状であってもよい。この
ようなエステル系化合物としては、マレイン酸エステル
およびフマル酸エステルを挙げることができる。例えば
マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエス
テル、マレイン酸ジブチルエステル、マレイン酸モノエ
チルエステル、マレイン酸モノフェニルエステル、マレ
イン酸2−エチルヘキシルエステル、フマル酸ジメチル
エステル、フマル酸ジエチルエステル、フマル酸ジブチ
ルエステル、フマル酸モノエチルエステル、フマル酸モ
ノフェニルエステル、フマル酸2−エチルヘキシルエス
テルなどを挙げることができる。好ましくはマレイン酸
エチルであり、モノエステルまたはジエステルのいずれ
をも含む。 (4)2−エチルヘキサノ−ル 本発明で使用する2−エチルヘキサノ−ルは、公知のも
のを使用することができる。
【0025】また、ラクトン系化合物、エステル系化合
物および2−エチルヘキサノ−ルは、所望により、稀釈
剤に溶解して使用することができる。稀釈剤としては、
公知の有機溶媒を使用することができ、たとえばn−ヘ
キサン、n−ドデカンなどの飽和脂肪族炭化水素、キシ
レン、トルエンなどの芳香族炭化水素、軽油などの燃料
油などである。これらの希釈剤の使用量は、本発明のデ
ィ−ゼルエンジン用燃料油組成物の性能の障害にならな
い範囲であれば特に限定されないが、通常ラクトン系化
合物、エステル系化合物および2−エチルヘキサノ−ル
の合計量100重量部に対して、10〜1000重量部
である。
【0026】(5)燃料油添加剤 所望により、本発明のディ−ゼルエンジン用燃料油組成
物の性能を損なわない範囲で、公知の燃料油添加剤を使
用することができる。たとえばセタン価向上剤、酸化防
止剤、金属不活性化剤、清浄剤、腐食防止剤などであ
る。これらの添加剤は、たとえば桜井俊男編著「石油製
品添加剤」(幸書房)に記載されている。これらの添加
剤の添加量は、例えばセタン価向上剤の場合は、0.1
〜2.0重量%であるが、この添加量に限定するもので
はない。これらの添加剤は、1種または2種以上を適宜
組み合わせて使用することができる。
【0027】本発明のディ−ゼルエンジン用燃料油組成
物は、燃焼の際に生ずる排気ガス中への粒子状物質の排
出量を低減した環境汚染対策ディ−ゼルエンジン用燃料
油として極めて有用である。
【0028】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて、本発
明をさらに詳細に説明する。なお本発明は、以下の実施
例によって何等限定されるものではない。また以下の実
施例および比較例では、次の鉱油、ラクトン系化合物、
エステル系化合物および2−エチルヘキサノ−ルを使用
した。 (1)鉱油 表1に示す物理性状を有する鉱油を使用した。
【0029】
【表1】 (2)ラクトン系化合物 GBL:γ−ブチロラクトン(東京化成工業(株)社
製)を使用した。 (3)エステル系化合物 DEM:マレイン酸ジエチル(東京化成工業(株)社
製)を使用した。 (4)2−エチルヘキサノ−ル 2EHL:2−エチルヘキサノ−ル(東京化成工業
(株)社製)を使用した。
【0030】(実施例および比較例)表2に示した添加
量でGBL、DEMおよび2EHLのうちの2種を、鉱
油に添加した後、良く混合して燃料油を調製した。比較
のため、表3に示した添加量でこれらの化合物の1種の
みを鉱油に添加して燃料油を調製した。各燃料油につい
て、それぞれエンジン試験を行い、スモ−ク低減率を測
定した。測定結果を表2および表3に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】エンジン試験の方法は、次に示すとおりで
ある。 (a)試験エンジン:三菱自動車(株)製の直噴式ディ
ーゼルエンジン(4D33型)を使用した。その主要諸
元を表4に示す。
【0034】
【表4】
【0035】(b)エンジン試験装置および運転条件:
エンジン試験装置の系統図は、図1のようである。図1
において、燃料油は、燃料タンク(1)よりバルブ
(2)を経由して燃料ポンプ(3)によりエンジン
(4)へ送り込まれる。燃料ポンプ(3)において、燃
料油の一部は、エンジンの燃焼室に噴射されずにリター
ンライン(5)を経由して燃料タンク(1)に戻され
る。またリターンライン(5)の途中より、燃料油の一
部を回収することができる。エンジン試験用の燃料油
は、それぞれ異なる燃料タンクに貯油される。燃焼用の
空気は、吸気管(6)からエンジン(4)に吸気され
る。エンジンの排気管(7)より排出された排気ガスの
一部は、スモークメータ(8)へ導き、排気煙濃度、す
なわちスモ−クが測定される。エンジンの運転条件は、
表5のとおりである。エンジン(4)に送られる燃料油
の種類は、バルブ(2)により切り替えた。エンジンの
回転数および負荷(トルク)はダイナモメータ(9)に
より、所定の運転条件に調整した。
【0036】
【表5】
【0037】(c)スモ−ク低減率の測定方法:エンジ
ン試験装置において、燃料油として、鉱油を使用してエ
ンジンを始動し、最初の10分間はエンジン回転数19
20rpm、トルク16kg・mで、次の60分間はエ
ンジン回転数1920rpm、トルク28kg・mで、
暖気運転を行った。さらに同じ運転条件で15分間定常
運転を行った後、スモ−クを測定した。測定開始時、5
分、10分および15分経過後に、スモークを各3回ず
つ測定し、それらの全平均値を、鉱油のスモ−クとし
た。次に同じ定常運転のまま、燃料油の種類を切り替
え、リターンラインからの燃料油の回収量が2リットル
に達した時、上記と同様にして、燃料油のスモ−クを測
定した。以下同様に、燃料油の種類を切り替えてスモ−
クを測定をした。最後に再び鉱油に切り替えて、同様に
スモ−クを測定をした。燃料油のスモーク低減率は、次
式にしたがって求めた。
【0038】
【数1】 (ただし鉱油のスモ−クは、鉱油について測定したスモ
−クの全平均値である。) (d)スモ−クの測定方法:JIS D8004および
JIS D1101により、測定した。
【0039】表2および表3から明らかなように、GB
L、DEMおよび2EHLのうちの2種を鉱油に添加し
た燃料油のスモーク低減率は、添加量の増加とともに大
きくなる。しかし添加量がほぼおなじ場合には、1種を
添加した燃料油に較べて優れたスモーク低減率が認めら
れた。すなわちラクトン系化合物、エステル系化合物お
よび2−エチルヘキサノ−ルのうちの2種以上を添加し
た本発明のディーゼルエンジン用燃料油組成物は、排気
ガス中のPtc.量が顕著に低減した。
【0040】
【発明の効果】以上詳細かつ具体的に説明したように、
本発明によれば、鉱油に、ラクトン系化合物0.1〜
3.0重量%、エステル系化合物1〜15重量%および
2−エチルヘキサノ−ル0.1〜10.0重量%うちの
2種以上を添加することによって、燃焼の際に生ずる排
気ガス中への粒子状物質の排出量が著しく低減したディ
ーゼルエンジン用燃料油組成物が提供され、環境汚染対
策ディ−ゼルエンジン用燃料油として極めて有用であ
る。
【0041】本発明のディ−ゼルエンジン用燃料油組成
物が、上述のように燃焼の際に生ずる排気ガス中への粒
子状物質の排出量が著しく低減するという、優れた効果
を発現する理由について、我々は、次のように考えた。
すなわちエンジンの運転条件の変動に伴って変化するダ
イナミックな燃焼反応において、生成し成長した炭化物
などの黒煙の原因物質が、効果的に酸化されるためと、
我々は考えた。しかし我々は、本発明の効果に関するこ
のような機構の当否にこだわるものではない。結果とし
て、鉱油に、ラクトン系化合物0.1〜3.0重量%、
エステル系化合物1〜15重量%および2−エチルヘキ
サノ−ル0.1〜10.0重量%のうちの2種以上を添
加することによって、燃焼の際に生ずる排気ガス中への
粒子状物質の排出量が著しく低減したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、エンジン試験装置の系統図である。
【符号の説明】
1 燃料タンク 2 バルブ 3 燃料ポンプ 4 エンジン 5 リタ−ンライン 6 吸気管 7 排気管 8 スモ−クメ−タ 9 ダイナモメ−タ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱油を主成分とし、(A)化学式(1)
    または(2) 【化1】 (ただしR1は、H、アルキル基、アルケニル基または
    アルキル基で置換されていてもよいフェニル基であ
    る。) 【化2】 (ただしR2は、H、アルキル基、アルケニル基または
    アルキル基で置換されていてもよいフェニル基であ
    る。)で表わされるラクトン系化合物の1種以上0.1
    〜3.0重量%、(B)化学式(3) 【化3】R3OOCCH=CHCOOR4………(3) (ただしR3は、H、アルキル基、アルケニル基または
    アルキル基で置換されていてもよいフェニル基であり、
    4は、アルキル基、アルケニル基またはアルキル基で
    置換されていてもよいフェニル基である。)で表わされ
    るエステル系化合物の1種以上1〜15重量%、および
    (C)2−エチルヘキサノ−ル0.1〜10.0重量%
    のうちの2種以上を含有することを特徴とするディ−ゼ
    ルエンジン用燃料油組成物。
JP8020598A 1996-01-12 1996-01-12 ディ−ゼルエンジン用燃料油組成物 Pending JPH09194856A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6215034B1 (en) 1998-12-25 2001-04-10 Tonen Corporation Base fuel oil for diesel fuel oil and diesel fuel oil composition comprising the same

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