JPH09194818A - 遠赤外線放射具 - Google Patents

遠赤外線放射具

Info

Publication number
JPH09194818A
JPH09194818A JP459096A JP459096A JPH09194818A JP H09194818 A JPH09194818 A JP H09194818A JP 459096 A JP459096 A JP 459096A JP 459096 A JP459096 A JP 459096A JP H09194818 A JPH09194818 A JP H09194818A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
far
amphibole
fibers
fiber
infrared radiator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP459096A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeyuki Horie
茂幸 堀江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SERENE KK
Original Assignee
SERENE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SERENE KK filed Critical SERENE KK
Priority to JP459096A priority Critical patent/JPH09194818A/ja
Publication of JPH09194818A publication Critical patent/JPH09194818A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Luminescent Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】角閃石の放射する遠赤外線を効率よく利用でき
る遠赤外線放射具を提供すること。 【解決手段】布帛の表面に、合成樹脂シートの表面に、
又は天然繊維、合成繊維、混合繊維若しくは複合繊維か
らなる群より選ばれた繊維の表面に、角閃石の粉末が付
着(接着、溶着、融着)されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠赤外線放射具に
関するものであり、特には、布帛の表面に天然の角閃石
の粉末を付着させ、該角閃石が放射する優れた遠赤外線
の放射効果を有効活用できる遠赤外線放射具に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】遠赤外領域の波長を有する一般に遠赤外
線と呼ばれる電磁波はふく射熱線であり、被照射物のみ
を直接加熱でき、赤外線ストーブ、赤外線コンロ、赤外
線コタツなどの熱源として汎用されている。そして、遠
赤外線と呼ばれる電磁波は被照射物の内部に浸透するの
で、表面温度を不必要に上昇させずその内部を加熱する
ことができる。例えば薪・炭などで加熱料理すると火通
りのよいおいしい料理ができるといわれるのはその一例
であり、また、石焼芋のように、芋の表面温度を必要以
上に上昇させずに内部までホカホカに焼く手法や、天津
甘栗のように硬い殻中の内部をホカホカに焼く手法など
は、加熱された石から放射される遠赤外線を利用する加
熱料理法であり、これらはいずれも先人が経験的に見い
出した生活の知恵でもある。
【0003】従来、遠赤外線を放射する天然の鉱物は系
統的に検索されていないが、麦飯石や太陽石が遠赤外線
を放射するといわれている。
【0004】一方、近時、遠赤外領域の電磁波を効率よ
く放射する素材として、アルミナ系セラミック及びジリ
コン系セラミックに代表される遠赤外線放射セラミック
が知られており、アルミナ及びシリカに添加剤としてプ
ラチナを加えて成る遠赤外線放射用の粉末も公知である
(特開昭62−184088)。
【0005】遠赤外線は、その作用メカニズムの詳細は
未だ解明されておらず不明な点が多いものの、近時、物
質中を通過する際に電離作用を発現することから食品の
熟成や色味の向上などの食品関係の用途に有効であると
考えられており、又、遠赤外綿として寝具類や衣料品な
どに代表される防寒用品関係の用途、そして、遠赤外線
で皮膚表面が温められ末梢血管の血流量が大きくなるか
ら、肩こりや腰痛などの局所の改善あるいは疲労回復な
どに有効な健康具としての用途などが考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、角閃石の放
射する遠赤外線を効率よく利用できる遠赤外線放射具を
提供することをその目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、角閃石が遠
赤外線を効率よく放射する特性を有することを見い出
し、特には布帛や合成樹脂シートなどの素材に角閃石の
破砕粉末を付着、保持せしめることにより、角閃石から
放射される遠赤外線の具有するさまざまな特性を効率よ
く利用できる遠赤外線放射具を案出、本発明を完成した
ものである。
【0008】請求項1の発明は、「布帛の表面に角閃石
の粉末を付着した」処に特徴を有する遠赤外線放射具
を、請求項2の発明は、「前記布帛が不織布である」処
に特徴を有する請求項1記載の遠赤外線放射具を、それ
ぞれその要旨とするものである。
【0009】請求項3の発明は、「合成樹脂シートの表
面に角閃石の粉末を付着した」処に特徴を有する遠赤外
線放射具を、その要旨とするものである。
【0010】請求項4の発明は、「天然繊維、合成繊
維、混合繊維、又は複合繊維からなる群より選ばれた繊
維の表面に角閃石の粉末を付着した」処に特徴を有する
遠赤外線放射具を、請求項5の発明は、「前記遠赤外線
放射具が多層構造体である」処に特徴を有する請求項1
〜4のいずれか記載の遠赤外線放射具を、それぞれその
要旨とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】したがって、本発明の遠赤外線放
射具にあっては、布帛特には不織布、合成樹脂シート、
又は天然繊維、合成繊維、混合繊維、若しくは複合繊維
からなる群より選ばれた繊維の表面に粉末状の角閃石が
着され、該粉末状の角閃石から常温状態で効率よく遠赤
外線を放射するように構成され、その遠赤外線が具有す
るさまざまな特性の有効利用を可能としている。なお、
前記「繊維」は、フィラメントファイバー、ステープル
ファイバー及び紡績糸等を含む総称として使用されてお
り、これらの単独であっても複数を含むものであっても
よい。加工時や取り扱い時に容易に切断されたり破損し
ない程度であればよく、目的によって適宜設定可能であ
る。
【0012】角閃石は、壁開が発達した火成岩や変化岩
の造岩鉱物で、カルシウム、マグネシウム、アルミニウ
ム等を含む暗灰緑色乃至灰褐色、単斜晶系の柱状の珪酸
塩鉱物である。本発明の遠赤外線放射具に使用した角閃
石は、山梨県で採石されたものであり、採石された原石
を真空破砕機で破砕し微粉末化した粒径が50μm以下
の微粉末状のものを使用した。
【0013】岩手県工業試験場によって測定された角閃
石の蛍光X線分析結果によると、角閃石から検出された
金属系の元素は、カリウム、カルシウム、珪素、アルミ
ニウム、鉄、チタン、ストロンチウムであり、また、岩
手県工業試験場によって測定された角閃石の化学分析結
果によると、シリカ60.20%、酸化第二鉄6.27
%、酸化チタン0.58%、アルミナ17.51%、酸
化カルシウム5.79%、酸化マグネシウム2.36
%、酸化ナトリウム4.40%、酸化カリウム1.81
%、及び強熱残渣1.40%を含むものであった。
【0014】図1は、長野県工業試験場で測定された角
閃石の遠赤外線放射率と波長との関係を示すグラフであ
る。図から、250℃に加熱された角閃石から5μm以
上の波長領域の遠赤外線、特には6.5μm付近及び8
〜15μmの波長領域の遠赤外線が放射されていること
がわかり、しかも低温度領域において十分なエネルギー
放射量が得られることがわかる。
【0015】物体の表面から放射される遠赤外線の波長
を、ウィーンの変位則にしたがって算定し、表1に示し
た。
【0016】 表1 物体の表面温度(℃) 遠赤外線の波長(μm) 肉や魚を焼く 280 5.2 揚げ物の油 180 6.4 熱湯の温度 100 7,8 人体の体温 36.5 9.36 水温 20 10.0 冷蔵庫 5 10.4 冷凍庫 −30 11.9 冷凍まぐろ −55 13.3
【0017】表から、物体の表面から放射される遠赤外
線の波長は、いずれも5〜14μmの波長領域に集約さ
れ、角閃石から放射される遠赤外線の波長領域内である
ことから、角閃石から放射される遠赤外線は、多くの用
途に適合するものであることがわかる。また、上述した
麦飯石や太陽石のα、β線放出をガイガーミラーカウン
ター(ビクトリン社製、290ーS1型)で計測したが
α、β線の応答を認めることはできなかったが、角閃石
にあってはガイガーミラーカウンターでα、β線の応答
が認められた。すなわち、角閃石にあっては、光子の共
鳴効果によるエネルギージャンプが加わり、その熱効果
によりα、β線が誘導放射され、体内外に作用して大き
な効力となると考えられる。
【0018】以下、本発明の遠赤外線放射具を、実施例
に基づいて説明する。まず、最初の実施例の遠赤外線放
射具10は、図2に示すように、基布11と、基布11
上に付着した角閃石の微粉末のドット12(プリント
層)とから構成されているものであり、前記基布11
は、不織布或いは布地等いずれであってもよく、或いは
それらを重ね合わせたものであっても良い。
【0019】前記基布として不織布を使用する場合、ナ
イロン繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維等
に代表される合成繊維のウエブにアクリル系のバインダ
ーを含浸させて成るものが好ましい。又、基布として布
地を使用する場合、軽量で強度が大きいという性質を有
する繊維、例えば綿繊維や麻繊維等に代表される天然繊
維、アセテート、ポリエステル、ポリプロピレン、アク
リル等に代表される合成繊維を素材とした織物や編物が
使用に適しているが、布地としてはどんな素材であって
も良く、また、どんな組織のものであっても構わない。
また、所謂フェルトと呼ばれるものであっても或いは抄
紙であってもよい。要する処、前記基布11は、角閃石
の微粉末を付着せしめることができる繊維からなるもの
であり、該繊維は、天然繊維、合成繊維、混合繊維、又
は複合繊維のフィラメントファイバー、ステープルファ
イバー及び紡績糸等を含む総称であり、角閃石の微粉末
を付着せしめることができ、加工時や取り扱い時に破損
しない程度の機械的強度を有するものであればすべて使
用できる。この基布11の表面に角閃石の微粉末よりな
るプリント層12が施されている。
【0020】前記天然繊維としては、綿繊維や麻繊維等
に代表される植物繊維、羊毛繊維や蚕絹繊維等に代表さ
れる動物繊維、及びこれらの混合繊維を例示することが
でき、前記合成繊維としては、ポリエステル、ナイロ
ン、アクリル、ビニロン、レーヨン、ウレタン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ビニリデン、ベンゾエート、ポリクラール等に代表
される合成繊維を例示することでき、また、前記複合繊
維としては、ナイロン6とナイロン66の組み合せ、2
種のポリエステルの組み合せ等に代表される各種の組み
合わせ、ポリスチレンを鞘成分にポリエチレンテレフタ
ーレートを芯成分とする繊維等を例示することができ
る。これら以外にも、例えばアクリロニトリルと牛乳蛋
白をグラフト重合してつくるプロミックスの様な半合成
繊維や、例えばテフロン繊維に代表されるふっ素繊維、
或いは例えばノボロイドと一般に呼ばれているフェノー
ル系繊維等であってもよい。
【0021】また、角閃石の微粉末よりなるプリント層
12は前記基布11の片側の全面のすべてに均一に施し
てもよく、前記基布11の表面と裏面との両面に設けて
もよい。また、かかる角閃石の微粉末よりなるプリント
層12の上に、該プリント層を覆う合成樹脂シート等を
備えることにより、所謂多層構造体とすることもでき
る。
【0022】プリント層12の角閃石は、その粒径が
0.5〜50μm好ましくは1.0〜10μm程度のも
のが使用に適している。微粉末状の角閃石を用いるの
は、これがバインダーの中に分散しやすく、加工された
ときに風合いの硬化が生じ難く、しかも脱落し難いから
である。この角閃石の微粉末にアクリル系バインダー等
のバインダーを重量比で7:3の割合で混合したものが
基布の表面の全体にプリントされている。プリントに際
しては、直線状、渦巻状、円弧状の不連続なパターンの
孔または凹部を形成してプリント面積が全体の50%と
なるようにしたスクリーン(図示しない)が使用され、
バインダーと混合した角閃石が基布11の片側表面に全
体にドット状にプリントされ乾燥されて、基布の片側表
面に全体に固着されている。
【0023】なお、角閃石の微粉末の乾燥温度は、バイ
ンダーの種類、使用する基布の種類等を考慮して適宜決
定する。そして、角閃石は破砕した原石そのままでも使
用でき、原石の粉末を例えばふるい分けすることなくそ
のまま使用することもでき、また粉末をペレット状に形
成して使用することもできる。
【0024】また、例えば合成繊維のウエブにビスコー
ス液を飽充し酸で凝固させ水洗してなるものであっても
よく、ビスコースのランダムウエブをアクリル系のバイ
ンダーで接着してなるものであってもよく、綿繊維、麻
繊維、羊毛繊維、蚕絹繊維等に代表される天然動植物繊
維のウエブにあっては、デンプン、カゼイン、膠、天然
ゴムなどに代表されるのり剤で接着してもよい。
【0025】次の実施例の遠赤外線放射具20は、図3
に示したように、合成樹脂シート(基材シート)21
と、合成樹脂シート(基材シート)21の片側の全体に
接着された角閃石の微粉末23とから構成されているも
のであり、前記合成樹脂シート(基材シート)21上に
ポリビニールアルコール(ポバール、PVA)22溶液
を全面に均等に流延し、ついで、ポリビニールアルコー
ル22溶液が乾燥する前に角閃石の微粉末23を全面に
均等に散布した後、乾燥して作製したものである。
【0026】前記合成樹脂シート(基材シート)21と
しては、ポリエステルエラストマー以外の他の合成樹脂
シートを使用することができ、より具体的には、ポリビ
ニールアルコール(PVA)、熱可塑性ポリ塩化ビニー
ル(軟質)、セロファン、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニリデン、セルロース等のよう
な軟質樹脂フィルム若しくは発泡体等を例示することが
でき、更に、これらの単独の素材であっても複数の集層
体であってもよい。すなわち、基材シート21は角閃石
の微粉末23を付着することができるものであればよ
く、その厚さや柔軟性等は加工時や取り扱い時に容易に
変形したり破損しない程度であればよく、目的によって
適宜設定可能である。
【0027】なお、基材シート21上に角閃石の微粉末
を付着、固定する際に使用する溶着剤は、基材シート2
1の種類等により適宜決定されるものであり、溶着剤に
代えて、ポリビニールアクリル系、ポリエステル系若し
くはポリエーテル系の接着剤等を使用することにより接
着固定してもよい。
【0028】また、所謂コーティグ樹脂と呼ばれる樹
脂、或いは、所謂アンカーコーティング剤と呼ばれる樹
脂に角閃石の微粉末を混練し、そのペーストを基材シー
ト上に塗布して乾燥することにより基材シート上に角閃
石の微粉末を付着させるようにしてもよい。前記コーテ
ィグ樹脂としては、塩ビー酢ビ共重合体、塩化ビニリデ
ン系樹脂、セルロース系樹脂、スチレンブタジエン系ゴ
ム、アルキッド樹脂等を例示することができ、前記アン
カーコーティング剤としては、塩化チタネート系、ポリ
エチレンイミン系、イソシアネート系若しくはポリエス
テル系の樹脂等を例示することができる。
【0029】さらに、例えば基材シートに綿布を使用し
この綿布の表面に、溶融押出法、カレンダー法、ラミネ
ート法等により合成樹脂シートを作製した後、これら合
成樹脂シートを軟化状態に保持しつつこの合成樹脂シー
トの上に粒状の各閃石を散布しついで散布面をゴム弾性
を有する材料からなる押圧材で押圧する方法により、又
は、基材シートの表面に未硬化の合成樹脂の上に粒状の
各閃石を散布し、熱又は熱エレルギー光線により硬化す
る方法等により製造することもできる。かかる方法によ
れば、基材シートの上面に、粒状の角閃石をその一部が
露出した状態で固着させることができる。
【0030】さらに、加工時や取り扱い時に破損しない
機械的強度を有していれば、基材シートとして、澱粉、
デキストラン、アガロース、寒天末或いはセルロース等
のような天然炭水化物系化合物からなる基材シートを用
い、これら基材シート表面に、微粉末状の角閃石を接着
剤を介して接着、固定した後、角閃石が備えられたシー
ト面に例えばポリエチレンを構成繊維とする不織布を重
ね合わせ、その周縁部を接着剤で接着、有機剤で溶着、
又は周縁部を縫合することにより、一体に形成してもよ
い。
【0031】すなわち、得られた遠赤外線放射具20
は、基材シート21上に角閃石の微粉末23が均等に付
着(接着、溶着、又は、熱融着)固定されている。な
お、角閃石の付着量や付着剤(接着剤、溶着剤)の種類
等は、使用する基材シートの種類等を考慮して適宜決定
する。
【0032】また、角閃石の微粉末は、基材シートの表
面と裏面との両面の全面に均一に施してもよいことや、
角閃石は破砕した原石そのままでも使用できること、粉
末をペレット状に形成して使用できることなどは上述し
た通りである。
【0033】次の実施例の遠赤外線放射具30は、図4
に模式的に示した断面図のように、ポリスチレン共重合
体を鞘成分31にポリエチレンテレフターレート共重合
体を芯成分32とする複合繊維の表面に、角閃石の微粉
末33を付着させてなるものであり、複合紡糸する際
に、紡糸口金面より下方10〜30cmにおいて、鞘成
分31の融点より高い温度で微粉末状の角閃石を融着固
定させることにより作製することができる。
【0034】前記複合繊維として、融点に相違のある重
合体を張り合わせるようにした所謂張り合わせ型複合繊
維、又は高融点成分の周りを低融点成分が取り囲むよう
に接合された所謂芯鞘型複合繊維を挙げることができ
る。
【0035】また、融点に相違のある重合体を張り合わ
せるようにした所謂張り合わせ型複合繊維、又は高融点
成分の周りを低融点成分が取り囲むように接合された所
謂芯鞘型複合繊維である場合には、複合紡糸する際に、
紡糸口金面より10cm〜30cm下方の位置におい
て、鞘成分重合体の融点より高い温度で吹き出し可能な
乾燥空気に微粉末状の角閃石を含ませ、紡出糸状に対し
て直角に吹き付けながら融着、固定させることもでき
る。
【0036】角閃石の微粉末をペレット状に形成して使
用することもできるが、粒径はなるべく小さいことが好
ましくは5.0μm以下であることが好ましい。また、
角閃石の繊維に対する付着量は10〜30%が適当な範
囲であり、あまり多く付着させると使用中にボロボロと
脱落するようになる。
【0037】角閃石の微粉末33の付着温度は、低融点
成分の融点以上乃至低融点成分の融点よりも50℃高い
温度以下好ましくは融点より30℃高い温度である。な
お、付着温度が、融点以下では強固な角閃石の固着が得
られず繊維集合体の表面より脱落してしまうが、低融点
成分の融点より60℃以上200℃以下であると、低融
点成分は溶融し粘度が低下して膜状に繊維集合体上を覆
い、且つ角閃石をも包み込むことができるので、複合繊
維上に角閃石を遠赤外線放射活性を保持させたままの状
態で且つ使用中にボロボロと脱落することもなく確実に
固着することができる。
【0038】また、接着剤を溶解した溶媒中に浸漬させ
た微粉末状の角閃石と繊維とを噴霧乾燥装置に入れ、こ
れに高温ガスを接触させ乾燥することにより、繊維の表
面の全体に微粉末状の角閃石を接着固定してもよい。
【0039】前記繊維は、角閃石の微粉末が接着固定さ
れるものであればよく、天然繊維、合成繊維、混合繊
維、又は複合繊維のフィラメントファイバー、ステープ
ルファイバー及び紡績糸等を含む総称として使用する。
【0040】前記天然繊維としては、綿繊維や麻繊維等
に代表される植物繊維、羊毛繊維や蚕絹繊維等に代表さ
れる動物繊維、及びこれらの混合繊維を例示することが
でき、前記合成繊維としては、ポリエステル、ナイロ
ン、アクリル、ビニロン、レーヨン、ウレタン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ビニリデン、ベンゾエート、ポリクラール等に代表
される合成繊維を例示することでき、また、前記複合繊
維としては、ナイロン6とナイロン66の組み合せ、2
種のポリエステルの組み合せ等に代表される各種の組み
合わせ、ポリスチレンを鞘成分にポリエチレンテレフタ
ーレートを芯成分とする繊維等を例示することができ
る。なお、これら以外にも、例えばアクリロニトリルと
牛乳蛋白をグラフト重合してつくるプロミックスの様な
半合成繊維や、例えばテフロン繊維に代表されるふっ素
繊維、或いは例えばノボロイドと一般に呼ばれているフ
ェノール系繊維等であってもよい。
【0041】なお、乾燥温度や、繊維表面上に角閃石を
接着、固定ための接着剤の種類、或いは角閃石の噴霧量
等は、角閃石の微粉末を接着せしめる繊維の種類等を考
慮して適宜決定する。
【0042】遠赤外線を放射するという特性を有する所
謂「綿」に相当するものである。寝具や健康マット、腹
帯、足芯等の製造にも使用できる。
【0043】
【実施例】実施例の赤外線放射具を実施例に基いてさら
に詳細に説明する。まず、実施例1の赤外線放射具10
は、請求項1又は2に記載の発明に対応するものであ
る。基布11としては、3dx51mmのポリエステル
繊維(70%)と5dx51mmのポリエステル繊維
(30%)とからなるウエブをアクリル系バインダー
(DICボンコートJV−500)に含浸し、乾燥キュ
アーして得られた目付60g/m2、厚み0.7mm
(不織布を10cmx10cmの大きさに切断したもの
を10枚重ねた後、100gのプレートを載せたときの
厚み)、見掛け密度0.8g/cm2の不織布を使用し
た。
【0044】粒径が5μmの角閃石の微粉末をアクリル
系バインダー(DICボンコートJV−500)に重量
比で30%を混合し、この混合液を35%のプリント面
積を有するスクリーン(図示しない)に通すことによ
り、基布11表面に角閃石の微粉末をプリントしドット
を形成した。この後、乾燥キュアーさせることにより得
られる。
【0045】得られた遠赤外線放射具10の組成は、目
付け135g/m2、ポリエステル繊維45g/m2、ア
クリル系バインダー(含浸用)15g/m2、アクリル
系バインダー(プリント用)45g/m2、角閃石25
g/m2であった。
【0046】次に、実施例2の遠赤外線放射具20は、
請求項3又は4に記載の発明に対応するものである。基
材シート21としてのポリエステルエラストマーシート
の片側の全面に、ポリビニールアルコール(ポバール、
PVA)22溶液を全面に均等に流延し、ついで、ポリ
ビニールアルコール溶液が乾燥する前に1m2あたり約
50から600g好適には500gの角閃石の微粉末2
3(粒径10〜30μm)を全面に均等に散布した後、
乾燥することにより得られる。
【0047】次に、実施例3の遠赤外線放射具30は、
請求項4又は5に記載の発明に相当するものである。そ
の製造方法を説明する。まず、融点151℃をもつポリ
スチレンを鞘成分31に融点が259℃のポリエチレン
テレフターレートを芯成分32に使用し、芯成分32が
繊維断面の70%を占めるように吐出量を規制し、紡糸
口金孔径0.3mm、孔数36Hで1.000m/mi
nで複合紡糸した。一方、6g/min吹き出し可能な
温度が150℃の乾熱空気中に粒径が5μm以下の角閃
石の微粉末33を含有せしめ、紡糸口金具より下方の位
置で紡出糸状に対して直角に吹き付けながら巻取った。
巻取った未延伸糸を、温度が160℃で3.0倍に延伸
した後、温度140℃で10%収縮処理した。
【0048】このようにして製造された繊維は、山数T
/cmを持つ巻縮した且つ表面に角閃石が付着した嵩の
ある複合繊維として得られた。角閃石の付着量は繊維重
量に対して30〜35重量%であった。なお、上記の製
造方法で熔融紡糸する際、例えば特開平4−35287
8合公報に記載の紡糸油剤等を使用することができ、更
にエポキシ化植物油等を安定剤として添加することがで
きる。
【0049】実施例3の遠赤外線放射具は、遠赤外線を
放射するという特性を有する所謂「綿」に相当するもの
であり、寝具、健康マット、腹帯、或いはパット等の素
材として使用できる。
【0050】以下角閃石の単独使用と、実施例の遠赤外
線放射具の使用例を以下に示す。まず、角閃石単独の使
用例を示すが、角閃石そのものは、食品衛生法第十条に
基づく「食品・添加物等の規格基準、第三条「器具及び
容器包装」による溶出試験に適合することが確認されて
いる(岩手県工業試験場 第2−175号)。
【0051】(1) 水道水200ml中に5個(25g)
の角閃石を入れて放置し、2分及び5分経過後の水道水
中の塩素濃度を測定した結果を次の表2に示す。5分後
に水道水中の塩素は約70%除去できた。 表2 水道水 角閃石 塩素濃度(mg/l) 5分後の除去率 (g) 2分後 5分後 (%) 200 ml 0 0.33 0.32 200 ml (5ケ) 25 0.10 0.09 72
【0052】(2) 水100mlに角閃石の粉末50gを
入れ24時間経過後の細菌数をカウントした結果を、表
3に示した。角閃石を入れることにより、黄色ブドウ球
菌及び大腸菌群数は顕著に減少することが解った(岩手
県医薬品衛生検査センター第724−N・2010−
N)。 表3 菌数(個/ml) No.1 角閃石なしの当初黄色ブドウ球菌数 300 No.2 No.1に角閃石を入れ1昼夜培養後の 黄色ブドウ球菌数 10以下 No.3 角閃石なしの当初大腸菌群数 200 No.4 No.3に角閃石を入れ1昼夜培養後の 大腸菌群数 3
【0053】(3) サラダ油5mlと角閃石の粉末0.5
gとを入れた試験管を180℃で加熱しながら油変質の
目安を示す過酸化物価とカルボニル価を経時的に測定し
た。過酸化物価の経時変化は図5に、カルボニル価の経
時変化は図6にそれぞれ示した。図5及び図6から明ら
かなように、サラダ油に角閃石を入れておくと過酸化物
価とカルボニル価はサラダ油を単独で使用した場合より
も小さくなり、角閃石の対熱変性力はきわめて顕著であ
り、油の劣化を防止することが解った(静岡県立大学食
品栄養科公衆衛生学教室)。
【0054】次いで、実施例の遠赤外線放射具の使用例
を示す。 (1) 実施例1の遠赤外線放射具10を底面に敷設したク
ラー内に、川で釣り上げた魚(鮒)を氷とともに収納し
た場合、魚が腐敗するまでの時間が約3倍遅延されるこ
とが解った。 (2) 実施例1の遠赤外線放射具10を冷蔵庫の内壁面に
貼布した冷蔵庫内に、マーケットで購入した海老を保存
した場合、海老の頭部が黒ずんでくるまでの時間が約3
倍遅延できることが解った。また、冷蔵庫内を脱臭する
効果も認められた。 (3) 冷蔵庫の内壁面に実施例1の遠赤外線放射具10を
貼布した冷蔵庫内に、マーケットで購入した豆腐、納豆
等を保存した場合 熟成が進み入庫時よりも美味になる
ことが解った。また、冷蔵庫内を脱臭する効果も認めら
れた。 (4) 実施例1の遠赤外線放射具10で剃刀や包丁などの
刃物を包んでおくと、刃物は錆難く、切れ味も向上する
ことが解った。
【0055】(5) 実施例2の遠赤外線放射具20を製袋
してなるポリ袋と市販のポリ袋(ポリプロピレン製)と
の両方にそれぞれ検体としてマーメットで購入したホウ
レン草を入れて、結露防止のため乾燥した新聞紙で検体
を巻き、冷蔵庫に入れて1週間保存した。その結果、市
販のポリ袋に入れたホウレン草は、茎や葉は黒ずんでし
おれているのに対して、実施例2の遠赤外線放射具を袋
製してなるポリ袋に入れたホウレン草の茎や葉の色変化
はほとんど認められずしっかりとしていた。また、市販
のポリ袋に入れたホウレン草の導管は崩れていたが、実
施例2の遠赤外線放射具を袋製してなるポリ袋に入れた
ホウレン草の導管は原形を留めていた。 (6) 実施例2の遠赤外線放射具20を製袋してなるテト
ラパック内にアンモニアガスと硫化水素をそれぞれ封入
し、3時間経過後のガス濃度を測定した。表4に示した
試験結果から明らかなように、実施例2の遠赤外線放射
具には防臭効果があることが判明した。
【0056】(7) 冷所で作業している人々の靴底に実施
例3の遠赤外線放射具30を入れさせたところ、10人
中8名から「疲れや足のひえが気にならなくなった」と
いう使用感が報告された。 (8) 実施例3の遠赤外線放射具30を使用して作製した
パットを背中に当てた人々から、「肩や腰の不快感が改
善された」という使用感が報告された。中枢に相当する
背中に当てたにもかかわらず肩や腰の不快感が改善され
たことから、肩や腰に不快感を訴える人々が直接肩や腰
に装着すればその部位ばかりでなく周辺部まで血行が良
くなり局所が改善されると考えられた。 (9) 実施例3の遠赤外線放射具30を使用して作製した
敷マットを使用した人々から、「体が芯から温まり、心
地よく安眠ができた」という使用感が報告された。 (10)底面に実施例3の遠赤外線放射具30を入れた素焼
の植木鉢にシャコサボテンを植え付け育成効果を検討し
たところ、素焼鉢に植え付けた場合よりも約1. 5倍
大きく育成することができた。
【0057】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明に係る遠赤
外線放射具は、対象物質の形状、材質等に合わせどの様
な形状にでも加工できて使用し易い上に、遠赤外線とし
て波長域の大きいそして十分なエネルギー放射量を得る
ことができるので、その用途は多様且つ多方面的であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用した角閃石の赤外線放射率と波長
との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の一実施例の遠赤外線放射具を模式的に
示した断面図である。
【図3】本発明の他の実施例の遠赤外線放射具を模式的
に示した断面図である。
【図4】本発明の他の実施例の遠赤外線放射具を模式的
に示した断面図である。
【図5】サラダ油に角閃石の粉末を加えて180℃で加
熱した時、サラダ油の過酸化物価の経時変化を示すグラ
フである。
【図6】サラダ油に角閃石の粉末を加えて180℃で加
熱した時、サラダ油のカルボニル価の経時変化を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
10…遠赤外線放射具 11…布帛 12…角閃石の微粉末のドット(プリント層) 20…遠赤外線放射具 21…基材シート 22…ポバール(溶着剤) 23…角閃石の微粉末 30…遠赤外線放射具 31…鞘成分(ポリスチレン共重合体) 32…芯成分(ポリエチレンテレフターレート共重合
体) 33…角閃石の微粉末

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 布帛の表面に角閃石の粉末を付着したこ
    とを特徴とする遠赤外線放射具。
  2. 【請求項2】 前記布帛が不織布であることを特徴とす
    る請求項1記載の遠赤外線放射具。
  3. 【請求項3】 合成樹脂シートの表面に角閃石の粉末を
    付着したことを特徴とする遠赤外線放射具。
  4. 【請求項4】 天然繊維、合成繊維、混合繊維、又は複
    合繊維からなる群より選ばれた繊維の表面に角閃石の粉
    末を付着したことを特徴とする遠赤外線放射具。
  5. 【請求項5】 前記遠赤外線放射具が多層構造体である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の遠赤外
    線放射具。
JP459096A 1996-01-16 1996-01-16 遠赤外線放射具 Pending JPH09194818A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP459096A JPH09194818A (ja) 1996-01-16 1996-01-16 遠赤外線放射具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP459096A JPH09194818A (ja) 1996-01-16 1996-01-16 遠赤外線放射具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09194818A true JPH09194818A (ja) 1997-07-29

Family

ID=11588265

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP459096A Pending JPH09194818A (ja) 1996-01-16 1996-01-16 遠赤外線放射具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09194818A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005310728A (ja) * 2004-04-20 2005-11-04 Toyo Kanken Kogyo:Kk 固体高分子型燃料電池の発電損失を低減する方法
JP2012228188A (ja) * 2011-04-25 2012-11-22 Junshaku Nakagawa 炭化状粉末食品
US10398625B2 (en) 2013-03-13 2019-09-03 Fenwal, Inc. Medical containers with terephthalate plasticizer for storing red blood cell products
US11160728B2 (en) 2014-02-20 2021-11-02 Fresenius Kabi Deutschland Gmbh Medical containers and system components with non-DEHP plasticizers for storing red blood cell products, plasma and platelets

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005310728A (ja) * 2004-04-20 2005-11-04 Toyo Kanken Kogyo:Kk 固体高分子型燃料電池の発電損失を低減する方法
JP2012228188A (ja) * 2011-04-25 2012-11-22 Junshaku Nakagawa 炭化状粉末食品
US10398625B2 (en) 2013-03-13 2019-09-03 Fenwal, Inc. Medical containers with terephthalate plasticizer for storing red blood cell products
US11957639B2 (en) 2013-03-13 2024-04-16 Fenwal, Inc. Medical containers with terephthalate plasticizer for storing red blood cell products
US11160728B2 (en) 2014-02-20 2021-11-02 Fresenius Kabi Deutschland Gmbh Medical containers and system components with non-DEHP plasticizers for storing red blood cell products, plasma and platelets

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106715125B (zh) 提供改进的红外发射率的聚合材料
US8844158B2 (en) Super absorber polymer felt and method for the production thereof
ES2280224T3 (es) Materiales en forma de lamina, multiuso, absorbentes y resistentes a los cortes.
TWI614381B (zh) 含金屬氧化物及/或金屬氫氧化物之片材
WO2006006652A1 (ja) 発熱体
CN1798536A (zh) 简易保温体及保温布
JPWO2016163128A1 (ja) シクロデキストリン含有シート
ITMI971254A1 (it) Prodotto fibroso fatto di elvan
JPH09194818A (ja) 遠赤外線放射具
JP5366267B2 (ja)
US5607746A (en) Cloth for waterproof suits
JP2011011029A (ja) 3次元網目構造マットの製造方法
JP2008114374A (ja) 機能性シートおよびその製造方法
JP3078249B2 (ja) 健康枕及びその製造法
JP4150865B2 (ja) 履物用インソール
JPH04276217A (ja) 敷寝具及び寝具セット
JP2004041385A (ja) 防臭加工した靴中敷
CN216147271U (zh) 一种抗菌防潮湿的男性内裤
TW583230B (en) Protective film product capable of irradiating far infrared waves with wavelength of 4 to 14 mum
CN210540414U (zh) 一种编织席
JP2006015597A (ja) 消臭性多層シートおよびこれを使用した履物の中敷
JPH0257330A (ja) 吸水性シート
KR200293924Y1 (ko) 침구용품
CN205625438U (zh) 一种新型远红外线蚕丝被
KR0128821B1 (ko) 주방용 위생수세미 및 제조방법