JPH09193168A - 光造形簡易型及びその製造方法 - Google Patents

光造形簡易型及びその製造方法

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JPH09193168A
JPH09193168A JP9036923A JP3692397A JPH09193168A JP H09193168 A JPH09193168 A JP H09193168A JP 9036923 A JP9036923 A JP 9036923A JP 3692397 A JP3692397 A JP 3692397A JP H09193168 A JPH09193168 A JP H09193168A
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photocurable resin
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高邦 上野
Junichi Tamura
順一 田村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低工数・低コストで作成でき、短納期かつ精
度の高い簡易型、及び、その製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の光造形簡易型1、3は、光硬化
された光硬化樹脂と、この光硬化樹脂中に分散配合され
た強化粒子と、から構成されていることを特徴とする。
本発明の光造形簡易型は、従来の光造形プロセスにおけ
る絶対的な常識とは異なり、型そのものが基本的に光硬
化樹脂によって構成されている。そのため、いわゆるC
AD・CAMシステムと連携としうる光造形プロセスに
よって、簡易型を直接的に(モデル無しに)作ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試作品の製作等に
用いられる簡易型及びその製造方法に関する。
【0002】なお、ここでいう光造形には、光(可視光
線、レーザ光線、紫外線等)硬化樹脂に光を当てて固化
させることにより所定の形の物を得る、狭義の光造形の
他、電子線、X線、高エネルギー粒子線等の反応性エネ
ルギーに応答して硬化する適当な流体媒質を用いる造形
システムを含む。さらには、反応性化学物質に応答して
硬化するような流体媒質に、該反応性化学物質の小単位
を正確に位置決めして投射する手法を用いる造形システ
ムをも含む。また、マスクを介してそのようなエネルギ
ーや物質を投射するいわゆるリソグラフィー手法を用い
る造形システムを含む。
【0003】
【従来の技術】製品マスタモデルを光造形する方法は公
知である(特開昭56−144478、特公平2−48
422等)。また、このモデルを用いて、樹脂モールデ
ィング法等により型(簡易型等)を作成することも公知
である。
【0004】樹脂モールディング法による従来の型作成
工程を、図2を参照しつつ説明する。図2(A)は、モ
デル101と見切り治具103とを合わせようとしてい
る状態を、図2(B)は両者が合わさった状態を示す。
このモデル101は、光造形されたものである。見切り
治具103は、機械加工・手仕上げ等により成形された
ものである。
【0005】次いで、図2(C)、(D)に示すよう
に、合わされたモデル101と見切り治具103との回
りをワク105(アクリル板等)で囲み、モデル101
のパーティング面111及び見切り治具103のパーテ
ィング面131上に、樹脂モールディング法(アルミ粉
添加エポキシ樹脂等)によりキャビティ型107を形成
・固化する。次いで、図2(E)に示すようにワクを外
して、上下反転させ、見切り治具103を外す。その
後、コア型、キャビティ型住置合せ用のドリル穴(ダボ
穴175)をキャビティ型107のパーティング面17
1上にあける。
【0006】次いで、図F、Gに示されているように、
モデル101とキャビティ型107とが合わさったもの
の回りをワク105を立て、モデル101の内面11
5、パーティング面111に離型剤を塗布した上に、樹
脂モールディング法によりコア型108を形成・固化す
る。次いで、コア型108とキャビティ型107とを分
離してモデル101を取外し、図2(H)に示されてい
るように、両型を合わせた後、拘束治具109で拘束し
た後に熱処理して型が完成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の型作成
工程では、光造形されるのはマスターモデルのみであっ
た。型は、モデルを転写するプロセス(上述の樹脂モー
ルディングの他、石膏鋳込み、溶射デポジット等)を経
て、作られていた。というのは、従来は、光硬化樹脂は
あまり硬く(強く)ないので、型そのものを光造形プロ
セスで作ることはできないと思われていたからである。
【0008】上述のように、従来の簡易型は転写プロセ
スを経て作られていたため、次のような問題があった。 マスターモデルが必要でその作成に手間がかかって
いた。 マスターモデルから転写して型を作る際に、転写に
伴い寸法・形状精度が悪くなっていた。
【0009】 マスターモデルの転写に手間がかかっ
ていた。 マスターモデルの転写には、熟練者の特別な技能を
要していた。特別な技能とは、例えばパ−ティング面の
決定や、見切り治具の作成、樹脂の温度管理、混合・脱
泡などである。 マスターモデル作成と転写作業のため型製作工程が
長くなっていた。
【0010】本発明は、低工数・低コストで作成でき、
短納期かつ精度の高い簡易型、及び、その製造方法を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の技術
常識、すなわち「光造形プロセスによって作れるのはマ
スターモデルであって、型そのものではない」という考
え方を打ち破る、新しい技術的基本概念を生み出すに至
り、本発明を完成させた。
【0012】本発明の光造形簡易型は、光硬化された光
硬化樹脂と、この光硬化樹脂中に分散配合された強化粒
子と、から構成されていることを特徴とする。
【0013】本発明の光造形簡易型は、従来の光造形プ
ロセスにおける絶対的な常識とは異なり、型そのものが
基本的に光硬化樹脂によって構成されている。そのた
め、いわゆるCAD・CAMシステムと連携としうる光
造形プロセスによって、簡易型を直接的に(モデル無し
に)作ることができる。したがって、従来技術(モデル
作成→転写)による型の有する上述の問題点を解決する
ことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の光造形簡易型は、上記簡
易型を構成する材料が、ロックウェル表面硬度M−30
以上、及び、曲げ弾性率400kg/mm2 以上、であ
ることが望ましい。この程度の機械的特性を有していれ
ば、比較的低負荷しか受けない簡易型としては十分であ
る。そのような簡易型の一例としては、アルミ板プレス
型、プラスチック射出成形型、発泡成形型、RIM(Re
action Injection Molding)成形型、真空注型型を挙げ
ることができる。さらに、型の耐久性や成形精度を上げ
るためには、硬度はM−50以上、曲げ弾性率は600
Kg/mm2以上が好ましい。
【0015】本発明の光造形簡易型は、上記簡易型を構
成する材料が、熱伝導率0.3kcal/m・Hr・℃以上である
ことが望ましい。特に射出成形型等のように、型内から
外へ熱を逃がしてやる必要のある型においては、このよ
うな熱伝導率特性を簡易型に付与することが望ましい。
さらに、成形速度を速くするためには、熱伝導率は0.
4Kcal/m・Hr・℃以上であることが好ましい。
【0016】本発明の簡易型中に分散配合する上記強化
粒子は、無機材料粒子であり、その粒子の平均粒径が3
〜70μmであり、その粒子の配合率が5〜70容量%
としてよい。
【0017】本発明の簡易型中に分散配合する上記強化
粒子は、有機高分子材料粒子であり、その粒子の平均粒
径が3〜70μmであり、その粒子の配合率が5〜70
容量%としてよい。また、上記無機材料粒子及び有機高
分子材料の両者が分散配合されていてもよい。
【0018】上記強化粒子の平均粒径が3〜70μmが
好ましい理由を説明する。平均粒径が3μm未満の場合
には、強化粒子の配合された未硬化の光硬化樹脂の粘度
が高くなりすぎるため、造形(層形成)が困難になる。
平均粒径が70μmを超えると、硬化のための照射エネ
ルギー(光等)が散乱して、造形の精度が低下する。
【0019】上記強化粒子の平均粒径は、さらに好まし
くは10〜60μm、最も好ましくは15〜50μmで
ある。その理由は、その範囲において、造形性と精度の
バランスが良いからである。
【0020】上記強化粒子の配合率が5〜70容量%
(光硬化樹脂と強化粒子の合計体積に対して)が好まし
い理由について説明する。5%未満では、曲げ弾性率が
400kg/mm2 に達せず、また熱伝導率も低い。70%
を超えると、未硬化段階の配合物の粘度が高くなり過ぎ
るため、造形が困難になる。なお、未硬化配合後におけ
る配合物(樹脂+粒子)の粘度は5,000 〜100,000 CP
Sであることが、製造上好ましい。
【0021】強化粒子の配合割合は、さらに好ましく
は、20〜65%、最も好ましくは30〜60%であ
る。その範囲において、機械的特性と造形性のバランス
が良いからである。
【0022】本発明の光造形簡易型における強化粒子の
その他の性質について説明する。透光性はあった方が良
い。しかし必須の条件ではない。硬化用エネルギ線は、
粒子の裏側へも反射等により、回り込むからである。粒
子の形状は、滑らかな球状に近い方が良い。配合物の流
動性が良くなるからである。
【0023】強化粒子用の有機高分子材料の例としては
以下を挙げることができる:架橋ポリスチレン系高分
子、架橋型ポリメタアクリレート系高分子、ポリエチレ
ン系高分子、ポリプロピレン等高分子。
【0024】無機系の強化粒子の例としては、ガラスビ
ーズ、タルク粒子、SiO2粒を挙げることができる。
【0025】本発明の光造形簡易型においては,上記強
化粒子に替えて、径0.3〜1μm、長さ10〜70μ
m、アスペクト比10〜100のウィスカ−が、上記光
硬化樹脂中に、5〜30容量%分散配合されていること
としてもよい。
【0026】本発明の光造形簡易型においては、光硬化
された光硬化樹脂と、この光硬化樹脂中に分散配合され
た無機材料強化粒子及びウイスカーと、から構成されて
おり、上記無機材料強化粒子の平均粒径が3〜70μm
であり、その配合率が5〜65容量%であり、上記ウイ
スカーが、径0.3〜1μm、長さ10〜70μm、ア
スペクト比10〜100であり、その配合率が5〜30
容量%であり、無機材料強化粒子及びウイスカーの合計
配合率が10〜70容量%であることとしてもよい。こ
こで、粒子は主に熱伝導率と表面硬度の向上に、ウイス
カーは主に表面硬度と曲げ弾性率の向上に寄与する。
【0027】本発明に使用されるウイスカーは、ホウ酸
アルミニウム系化合物、水酸化硫酸マグネシウム系化合
物、酸化アルミニウム、酸化チタン系化合物及び酸化珪
素系化合物の少なくとも1種以上からなることが好まし
い。さらに、好ましくはホウ酸アルミニウム系化合物、
水酸化硫酸マグネシウム系化合物、酸化アルミニウム及
び酸化チタン系化合物である。
【0028】本発明に使用されるウイスカーの径(また
は幅)は、0.3μm〜1μmの範囲が好適であり、さ
らに好ましくは0.3μm〜0.7μmである。また、
長さは、10μm〜70μmの範囲が好適であり、さら
に好ましくは20μm〜50μmである。また、アスペ
クト比は10〜100の範囲が好適であり、さらに好ま
しくは20〜70である。
【0029】本発明に用いられるウイスカーのアスペク
ト比が10より小さい時は、ウイスカーを添加した場合
の本発明の効果、すなわち特段の機械的強度の向上効果
が得られず、樹脂の粘度がいたずらに上昇するのみであ
って好ましくない。また反面、ウイスカーのアスペクト
比が大きくなれば機械的強度の向上及び体積収縮率の低
下効果は期待されるが、アスペクト比が100を超える
ほどに大きくなると樹脂の粘度が高くなり過ぎたり、あ
るいは樹脂の流体弾性が高くなり造形操作が困難になる
ばかりでなく同時にウイスカーの長さが長くなり、造形
物の側面精度が低下するので、アスペクト比の大きさに
は限界があり、好ましくはアスペクト比は100以下、
更に好ましくは70以下である。
【0030】本発明に使用されるウイスカーの液状光硬
化性樹脂に対する配合割合は、5〜30容量%が好適で
ある。さらに、好ましくは7〜20容量%である。この
ウイスカーの配合割合が、5容量%より少ない場合には
本発明の効果が十分発現されず、一方その配合割合が、
30容量%を超える場合には、光学的立体造形用樹脂組
成物の粘度が高くなり過ぎ、使用上困難をきたすばかり
でなく光の浸透が阻害され、造形に困難を伴う。
【0031】無機材料粒子及びウイスカーを使用する場
合においては、強化粒子の配合率が30〜50%、ウイ
スカーの配合率が10〜20%、両者合計配合率が40
〜60%であることが、より好ましい。この範囲におい
て、機械的特性と造形性のバランスが良いからである。
【0032】本発明に用いられる液状光硬化樹脂は、重
合性のビニル系化合物、エポキシ系化合物等のいずれで
もよく、単官能性化合物、多官能性化合物のいずれのモ
ノマー及びまたはオリゴマーが用いられる。これらの単
官能性化合物、多官能性化合物は、特に限定されるもの
ではなく、以下に液状光硬化性樹脂の代表的なものを挙
げる。
【0033】〔重合性のビニル系化合物〕 1) 単官能性化合物としては、イソボルニルアクリレー
ト、イソボルニルメタクリレート、ジンクロペンテニル
アクリレート、ボルニルアクリレート、ボルニルメタク
リレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、プロピレングリコール
アクリレート、ビニルピロリドン、アクリルアミド、酢
酸ビニル、スチレン等が挙げられる。
【0034】2) 多官能性化合物としては、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、エチレングリコールジア
クリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−
ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、ジシクロペンテニルジアクリレート、ポリエス
テルジアクリレート、ジアリルフタレート等が挙げられ
る。
【0035】かかる単官能性化合物及び/又は多官能性
化合物を1種類以上を単独または混合物の形で使用する
ことができる。
【0036】本発明に使用されるビニル系化合物の重合
開始剤としては、光重合開始剤及び熱重合開始剤が用い
られるが、光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ
−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェ
ノン、キサントン、フルオレノン、ベズアルデヒド、フ
ルオレン、アントレキノン、トリフェニルアミン、カル
バゾール、3−メチルアセトフェノン、ミヒラーケトン
等が代表的なものとして挙げることができるが、これら
に限定されるものではなく、又これらの開始剤は1種ま
たは2種以上を組み合わせて使用することもできる。さ
らに必要に応じてアミン系化合物等の増感剤を併用する
ことも可能である。
【0037】また熱重合開始剤としては、ベンゾイルパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ
クミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート、t−ブチルパーオキサイド、アゾビスイソ
ブチロニトリル等が代表的なものとして挙げられること
ができる。本発明に使用される重合開始剤又は熱重合開
始剤の使用量は、ビニル系化合物に対してそれぞれ0.
1〜10重量%である。
【0038】〔エポキシ系化合物〕この代表的な例とし
ては、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,
4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4
−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス
(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート
等が挙げられる。これらのエポキシ系化合物を用いる場
合には、トリフェニルズルホニウムヘキサフルオロアン
チモネード等のエネルギー活性カチオン開始剤が用いら
れる。
【0039】本発明に用いられる液状光硬化性樹脂に
は、必要に応じて、レベリング剤、界面活性剤、有機高
分子化合物、有機可塑剤、前記以外の有機ビーズ等の充
填剤、及び前記以外のガラスビーズ等の無機充填剤等を
配合してもよい。本発明の樹脂組成物としては、前記ビ
ニル系化合物、エポキシ系化合物を単独にあるいは併用
混合して使用してもよく、さらに必要に応じて他の成分
を配合してもよいが、各成分の混合方法は特に限定され
るものではない。
【0040】本発明の光造形簡易型の上記強化粒子又は
ウィスカーは、アミノシラン、エポキシシラン、アクリ
ルシランの少なくとも1種以上のシランカップリング剤
で表面処理したものであることが好ましい。このような
シランカップリング剤で使用した強化粒子やウイスカー
を用いるときは、特段機械的強度の優れた好ましい簡易
型が得られる。
【0041】このシランカップリング剤の種類は、用い
られる液状光硬化性樹脂によって適当に選択することが
好ましい。例えば、液状光硬化性樹脂としてビニル系不
飽和化合物を用いる場合には、アクリルシラン系シラン
カップリング剤が最も好ましい。また、液状光硬化性樹
脂としてエポキシ系化合物を用いる場合には、エポキシ
シラン系シランカップリング剤を用いるのが最も効果的
である。
【0042】本発明の光造形簡易型の製造方法は、型の
形状データを構築する工程と、未硬化の光硬化樹脂を段
階的に配置する工程と、上記型の形状データを用いて選
択された部位にある光硬化樹脂層を選択的に露光する工
程と、を含むことを特徴とする。
【0043】上記の型データ構築工程は、いわゆるCA
Dシステムを用いて行われることが好ましい。未硬化の
光硬化樹脂(強化粒子が分散配合された物を含む)を階
層的に配置する方法としては、流動性の光硬化樹脂を薄
く流し込む方法(特開平3-227222、 特開平2-212131参
照)やシート状の光硬化樹脂を重ねる方法を採用でき
る。その他、同一出願人に係る特願平5−25620
5、特願平6−5519に記載されている方法も採用で
きる。
【0044】光硬化樹脂層を選択的に露光する方法とし
ては、レーザ走査法やマスク法を採用できる。露光する
際の光硬化樹脂層厚は、特に限定されるものではない
が、75μm〜0.5mm程度の範囲内で、型の形状精度
や生産性を考慮して選択できる。
【0045】
【実施例】実施例1(強化粒子・ウイスカー入り) 以下、本発明の実施例を説明する。図1は、本発明の一
実施例に係る射出成形用の光造形簡易型の構造を示す図
である。(A)はコア型の平面図、(B)はコア・キャ
ビティ型の断面図である。
【0046】この簡易型は、プラスチック射出成形用の
型である。コア型1の下面中央部には、コア部11が設
けられている。また、キャビティ型3の上面中央部に
は、キャビティ部31が設けられている。コア部11と
キャビティ部31には、図の右側から、ゲート13、3
3が入っていおり、このゲート13、33からプラスチ
ックが射出される。コア型1、キャビティ型3の四角に
は位置決め用のピン穴15、35が開けられている。こ
の穴15、35には、位置決めピン(鋼製、図示され
ず)が通される。
【0047】次に、図1の光造形簡易型の製造工程を説
明する。 (1) 設計:三次元CADシステムを用いて型を設計し
た。なお、用いたCADシステムは、設計された三次元
の型について、光造形装置に入力するためのSTLデー
タを作成することができるものである。
【0048】(2) 光硬化樹脂と強化粒子の配合: (2・1)光硬化樹脂の合成例 (ウレタンアクリレートオリゴマーの合成)攪拌後、冷
却管及び側管付き滴下ロートを備えた5リットルの三口
フラスコにイソホロンヂイソシアナートを3量化したI
PDIターポリマー(住友バイエル社製;ディスモジュ
ールZ−4372)1023gとジブチルスズラウレー
ト0.076gを仕込み、オイルバスで内温を65℃に
する。
【0049】予め50℃度に保温した側管付き滴下ロー
トにポリネオペンチレンアジペート(旭電化社製;アデ
カニューエースY9−10)420.1gを仕込む。系
内全体を減圧にし、窒素ガスで常圧に戻す操作を繰り返
し、脱気および窒素置換を行う。系内全体を常圧にし、
窒素雰囲気中フラスコ内容物の温度を65℃に保ちなが
ら内容物を攪拌しながら滴下ロートより1時間をかけて
ポリネオペンチレンアジペートを滴下する。滴下後更に
1時間内容物を65℃に保ち攪拌下反応を継続する。
【0050】フラスコ内容物の温度を50℃に冷却した
後、滴下ロートに2−ヒドロキシエチルアクリレート2
54.5gにメチルヒドロキノン0.90gを均質に溶
解混合した液を仕込み、フラスコ内容物の温度が55℃
と越えない範囲で素早く滴下し、その後2時間攪拌下、
反応を継続する。得られたウレタンアクリレートオリゴ
マーを内容物が暖かい内にフラスコより取り出す。ここ
で得られたウレタンアクリレートオリゴマーはIR及び
元素分析の結果以下の構造式であることを確認した。
【0051】
【化1】
【0052】ここでnは平均値が4であり、またRは以
下の基を表す。
【0053】
【化2】
【0054】(2・2)光学的造形用組成物の調合 攪拌機、冷却管及び側管付き滴下ロートを備えた5リッ
トルの三口フラスコに合成例で合成したウレタンアクリ
レート1320g、ポリエチレングリコール200ジア
クリレート(ソマール社製;サートマーSR259)1
080g及びエトキシ変性トリメチロールプロパントリ
アクリレート(ソマール社製;サートマーSR454)
480gを仕込み、減圧脱気窒素置換した。内容物を5
0℃に加熱し、約1時間攪拌混合した。
【0055】紫外線カットした環境下、2,2−ヂメト
キシ−2−フェニルアセトフェノン(チバカイギー社
製;イルガキュア−651)120gを添加し、完全溶
解するまで混合攪拌する。得られた樹脂組成物に、レベ
リング剤としてスーパーダインV201(竹本油脂社
製)14g、及び、アクリルシランカップリング剤で処
理したホウ酸アルミニウムウイスカー(アルボレックY
S−4;四国化成工業社製)1600gを添加し、5時
間室温攪拌、脱泡した。これにアクリルシランカップリ
ング剤で処理した、平均粒径30μmのガラスビーズ5
333g(東芝バロティーニ社製 GP−731C)を
添加し、さらに室温で攪拌脱泡した。得られた、光造形
用樹脂組成物の粘土は25℃において40、000cpsであ
った。
【0056】(3) 積層及び選択露光:本出願人の出願に
係る特願平6−5519の方法(塗付→レーザ走査露
光)により、光硬化樹脂積層と選択露光を行い型を造形
した。この際の諸条件は以下のとおりであった。 光硬化樹脂層厚:0.15mm 露光条件:アルゴンレーザ(波長368μm)、レーザ
パワー350mW、走査速度6m/sec
【0057】(4) 二次硬化:造形した型を、イソプロピ
ルアルコールで洗浄した後、紫外線(メタルハライドラ
ンプ、4KW)を10分間照射した。
【0058】(5) 機械的性質チェック:型の一部よりテ
ストピースを採取して型材の機械的性質をチェックした
ところ以下のとおりであった。 ロックウエル表面硬度:M−60 曲げ弾性率:692Kg/mm2 熱伝導率:0.43Kcal/m・Hr・℃
【0059】(6) 機械加工:押し出しピン、ゲート孔等
を機械加工した。
【0060】(7) ダイセット組立:光造形簡易型をダイ
セットに組立て、射出成形機にセットした。
【0061】(8) 射出成形:光造形簡易型を用いてAB
S樹脂製品を50個射出成形した。成形条件は、温度1
70℃、圧力95Kgf/cm2 とした。この時点で型の損傷
・変形は見られず、100個程度の成形は可能と判断さ
れた。また、成形品のバリも無かった。寸法精度も、図
寸30mmに対して±0.1mm程度であった。全体とし
て、簡易型としては満足のいくものであった。なお、上
記各工程は、1週間以内に十分に行えるものであった。
【0062】上述の実施例中で述べた型材料の他、本出
願と同一出願人の特願平5−196691および特願平
5−196692に記載されている材料も、本発明の簡
易型作成に用いられる。
【0063】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の光造形簡易型及びその製造方法は以下の効果を発揮す
る。 マスターモデル作成の手間や、それを転写して型を
作る手間が係らないので、低工数・低コストの型が得ら
れる。また、納期も短い。 転写工程無く製造可能なので、型の寸法・形状精度
が良い。 型としての耐久性、生産性も、簡易型レベルとして
は満足できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る射出成形の光造形簡易
型の構造を示す図である。
【図2】従来のモデル転写式簡易型製造工程を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 コア型 13、33 ゲート 3 キャビティ型 15、33 位置き
めピン穴 11 コア部 31 キャビティ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光硬化された光硬化樹脂と、この光硬化
    樹脂中に分散配合された強化粒子と、から構成されてい
    ることを特徴とする光造形簡易型。
  2. 【請求項2】 上記簡易型を構成する材料が、ロックウ
    ェル表面硬度M−30以上、及び、曲げ弾性率400k
    g/mm2 以上、である請求項1記載の光造形簡易型。
  3. 【請求項3】 上記簡易型を構成する材料が、熱伝導率
    0.3kcal/m・Hr・℃以上である請求項1又は2記載の光
    造形簡易型。
  4. 【請求項4】上記強化粒子が無機材料粒子であり、その
    粒子の平均粒径が3〜70μmであり、その粒子の配合
    率が5〜70容量%である請求項1、2又は3記載の光
    造形簡易型。
  5. 【請求項5】 上記強化粒子が、有機高分子材料粒子で
    あり、その粒子の平均粒径が3〜70μmであり、その
    粒子の配合率が5〜70容量%である請求項1又は2記
    載の光造形簡易型;
  6. 【請求項6】 上記強化粒子に替えて、径0.3〜1μ
    m、長さ10〜70μm、アスペクト比10〜100の
    ウィスカ−が、上記光硬化樹脂中に、5〜30容量%分
    散配合されている請求項1、2又は3記載の光造形簡易
    型。
  7. 【請求項7】 上記強化粒子又はウィスカーが、アミノ
    シラン、エポキシシラン、アクリルシランの少なくとも
    1種以上のシランカップリング剤で表面処理されたもの
    である請求項1〜6いずれか1項記載の光造形簡易型。
  8. 【請求項8】 型の形状データを構築する工程と、 未硬化の光硬化樹脂を階層的に配置する工程と、 上記型の形状データを用いて、選択された部位にある光
    硬化樹脂層を選択的に露光する工程と、 を含むことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載
    の光造形簡易型の製造方法。
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