JPH09193105A - 圧縮竹材の製造方法及びその装置 - Google Patents

圧縮竹材の製造方法及びその装置

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JPH09193105A
JPH09193105A JP2861096A JP2861096A JPH09193105A JP H09193105 A JPH09193105 A JP H09193105A JP 2861096 A JP2861096 A JP 2861096A JP 2861096 A JP2861096 A JP 2861096A JP H09193105 A JPH09193105 A JP H09193105A
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bamboo
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JP2861096A
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Junichi Sumiya
順一 角谷
Hiroshi Tokuda
博志 徳田
Takashi Nishimura
尚 西村
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UTSUDEI TEC CORP KK
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UTSUDEI TEC CORP KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 竹を圧縮して大きな強度と寸法安定性を有す
る平板状の竹材を安価に得るための圧縮竹材の製造方法
とその装置を提供する。 【解決手段】 繊維方向に分割して得た断面が円弧状の
竹材Aを、温度70℃〜120℃の湯で可塑化したの
ち、可塑化した竹材Aを竹材Aの両端部を拘束した状態
で圧縮できる下型2内にその内壁面を下側にして載置
し、下型2内に上型3を下降させて竹材Aを所定の厚さ
に圧縮成形して平板状となし、得た平板状の竹材をその
状態を維持しながら温度140℃〜200℃で所定の時
間、加熱することによって再度水や熱に接しても円弧状
に復帰することのない平板状に圧縮された竹材を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、モウソウチク、
マダケどの竹材を平板状に成形すると共に、成形した形
状を固定することによって住宅の内装用床材、壁材、外
部デッキ、エントランス(玄関)および歩道の舗装資
材、タイル、ブロックなど各種の用途に適用することが
できる圧縮竹材の製造方法とその装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】竹は、その形状が節を持つパイプである
ことから、軽量であると共に、曲げ特性および繊維方向
の割裂性に優れているという特徴を有している。しかし
ながら、その丸い形状から板としての利用が困難で、繊
維に垂直方向の引張力によって破壊しやすい性質を有す
るため、その需要が限られていた。そのため、竹材を有
効利用するためには、竹自体を平板にすることが不可欠
であるので、従来から竹の平板化のための工夫が種々検
討されている。
【0003】すなわち、繊維方向に複数に分割した断面
が円弧状の竹を煮沸、蒸煮、さらにはマイクロ波などに
よって加熱することによって可塑化させたのち、可塑化
した円弧状の竹をその内壁部がプレス装置の下型面と対
向するように載置したのち、上型を作動させて竹材を加
圧して平板状とすることが知られている。
【0004】しかしながら、従来の竹の平板加工方法
は、上記のように可塑化した断面が円弧状の竹材を上下
方向に加圧するプレス装置によって加圧し平板化する方
式であるため、加圧にしたがって皮部側部分には圧縮力
が、一方の内壁側部分には引張力が生じ、プレスの進行
とともに直線部分が増加したのち、最大曲げモーメント
が作用する中央部分に逆反りが生じて竹が破壊しやすく
なるので、平板加工がきわめて難しく、得られる製品の
歩留りも悪く実用的でない。
【0005】そこで、可塑化した竹を平板化するための
プレス加圧に際して、平板化せんとする竹の内壁部分を
強化することによって、あるいは円弧状の竹を内壁部分
が半分づつ重なるように下型上に載置し、互いの中央部
分の逆反りを押さえあうことによって竹の破壊を防ぐ方
法が提案されているが、いずれの方法も生産性が悪いた
め実用的でなく、しかも平板化された竹は水又は熱が加
わると元の円弧状に復帰するため形状を固定することが
できないという最大の欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明はかゝる現状
に鑑み、可塑化した竹材を平板状に加工するに際し、竹
に生ずる最大引張り応力を減少させることによって成形
時に生ずる円弧状の竹の中央部分の逆反りを押さえ、竹
の平板加工を簡単かつ容易に行うと共に、平板化した竹
をその状態に長期間にわたって確実に固定することので
きる圧縮竹材の製造方法と、これに用いる製造装置を提
供せんとするものである。この発明の他の目的は、圧縮
竹材の製造によって竹資源の有効利用と用途の拡大を図
り、もって竹林の環境保全に役立たせんとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】これらの目的を達成する
ため、この発明の請求項1記載の発明は、繊維方向に割
裂した断面が円弧状の竹材を、温度70〜120℃の湯
で可塑化したのち、可塑化した竹材の両端部を拘束した
状態で加圧しながら平板状に圧縮成形し、得た平板状の
竹材を温度140〜200℃で加熱することによって形
状固定することを特徴とする圧縮竹材の製造方法であ
る。
【0008】また、この発明の請求項6に記載の発明
は、繊維方向に割裂した断面が円弧状の竹材を、温度7
0〜120℃の湯で可塑化したのち、可塑化した竹材を
ロールフォーミングによって平板状に圧縮成形し、得た
平板状の竹材を温度140〜200℃で加熱することに
よって形状固定することを特徴とする圧縮竹材の製造方
法である。
【0009】また、この発明の請求項7に記載の発明
は、温度70〜120℃の湯で可塑化して得た断面が円
弧状の竹材を、底面の幅が前記竹材の円弧長さよりも短
く、かつ長さ方向に沿って底面両側部に側壁を形成した
断面がコ字状のケース本体の底面上にその内壁部を底面
側なるよう載置したのち、該ケース本体の一方側に、一
方の端面に形成された前記竹材の断面とほぼ同径の半円
状の孔から他方に端面に向けて次第に平坦面を形成し、
他方の端面に長方形状の孔を形成した貫通成形孔を有す
る成形金型の半円状の端面を位置させ、該成形金型をケ
ース本体に沿って他方側に水平移動させることによって
竹材の外周全面を貫通成形孔と圧接させながら所定の厚
みに圧縮変形させて平板状に成形し、得た平板状の竹材
を温度140〜200℃で加熱して形状固定することを
特徴とする圧縮竹材の製造方法である。
【0010】さらに、この発明の請求項11に記載の発
明は、平板化せんとする断面が円弧状の竹材の円弧長さ
よりも短い幅の板状の基材の両側面に長さ方向に沿って
側壁を形成した断面がコ字状のケース本体と、一方の端
面に形成された前記竹材の断面とほぼ同径もしくは径の
大きな半円状の孔から他方の端面に向けて次第に平坦面
を形成し、他方の端面に長方形状の孔を形成した貫通成
形孔を有する成形金型と、前記ケース本体の両側壁間を
覆う蓋部材とから構成されることを特徴とする圧縮竹材
の製造装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明において、竹材はどの種
類のものであってもよいが、好ましくは直径が12cm
〜15cmのモウソウチクあるいはマダケの3年物が使
用され、これらは繊維(長手)方向に2分割ないし3分
割したものがよい。その長さは、用途と製造方法によっ
て適当に定めることができ、長いものは節の隔壁を予め
除去し、またタイルなどの用途に利用する場合には節の
部分を隔壁と共に除去して節と節との間の短い部分を使
用することができ、いずれにしても節の隔壁のないもの
を使用する。
【0012】かゝる竹材の可塑化は、湯の中に浸漬する
いわゆる湯煎による処理によって行うもので、その可塑
化温度は70〜120℃の範囲であり、好ましい可塑化
時間はおおむね10〜30分間である。可塑化温度が7
0℃未満の場合には、セルロース、ヘミセルロースおよ
びリグニンで構成される竹の細胞壁の軟化が充分ではな
い。また、120℃を超える温度では過度な可塑化によ
って竹材の弾性率が減少して破壊歪みが生じ易くなる。
【0013】一般に竹は、予期以上の樹脂を含んでいる
ため、圧縮成形に際してこの樹脂分が多いと得られた圧
縮竹材の品質が悪くなる。そのため、使用せんとする竹
材の長さに適合する大きさの水槽内、たとえば底面上に
蒸気の噴出パイプを複数本配設し、水槽内に張られた水
又は湯を水蒸気によって加熱して温度70〜120℃に
保持すると共に、湯を槽から溢れ出させながら竹材の可
塑化を行えば、竹材の可塑化と同時に竹材に含まれる樹
脂が除去することができる。
【0014】可塑化した竹材は、これを加圧しながら平
板状に成形するものであるが、圧縮成形の手段として
は、特殊な形状の下型によって円弧状の竹材の両端部を
拘束した状態で加圧する方式と、ロールフォーミングに
よる方式および特殊な成形金型を使用して行う方式のも
のがあるが、いずれの場合も断面が円弧状の竹材を平板
状にしたのちは、これを温度140℃〜200℃に加熱
して平板状態を固定するものである。その際、板状に変
形させた竹材の変形を拘束する力を緩めると、元の円弧
状やその他の歪曲した状態に戻るため、竹材を板状のま
ゝで拘束しながら行うものである。
【0015】以下、可塑化した竹材の成形方法について
より具体的に述べる。まず、特殊な形状の下型によって
円弧状の竹材の両端部を拘束した状態で圧縮成形する手
段は、図1に示すように平板状に圧縮成形せんとする断
面が円弧状の竹材Aの円弧長さよりも短い長さの幅を有
する上面が平坦な基材2aの両端部に長さ方向に沿って
それぞれ側壁2b,2bを形成した断面がコ字状の下型
2と、前記下型2の両側壁2b,2b間に沿って昇降し
うる上型3とからなるプレス装置1を使用し、該下型2
の基材2a上に可塑化された竹材Aをその内壁部が基材
2aの表面と対面するように載置したのち、上型3を下
型2の左右の側壁2b,2b間に沿って下降させて竹材
Aを加圧することによって行うもので、かゝる手段によ
って得られた平板状に圧縮された竹材(図2のB)は、
プレス装置1全体を温度140℃〜200℃に加熱する
ことによって、あるいは後述の特殊なアルミニウム製の
ケース部材7を使用して形状固定を行うものである。
【0016】他の特殊な成形金型を使用して円弧状の竹
材の両端部を拘束した状態で圧縮成形する手段は、図6
で明らかなように平板状に圧縮成形せんとする断面が円
弧状の竹材Aの円弧長さよりも短い長さの幅を有する上
面が平坦な基材15aの両端部に長さ方向に沿ってそれ
ぞれ所要の高さの側壁15b,15bを一体的に形成し
た断面がコ字状の下型に相当するアルミニウム合金製の
ケース本体15と、特に図5で明らかなように一方の端
面に形成された前記竹材Aの断面とほぼ同径もしくは径
の大きな半円状の孔12aから他方の端面に向けて次第
に下り傾斜しながら平坦面12bを形成し、他方の端面
に長方形状の孔12cを形成した貫通成形孔13を有す
る上型に相当するステンレススチールからなる成形金型
12と、前記ケース本体15の両側壁15b,15b間
を覆うアルミニウム合金からなる蓋部材16とから構成
される製造装置11を使用して行うものである。
【0017】この製造装置11を使用して断面が円弧状
の竹材Aを平板状に圧縮成形するには、まず可塑化した
竹材Aをケース本体15の基材15a上にその内壁部を
下側にして載置してケース本体15を固定し、該ケース
本体15の一方側(図5においては右側)に、前記成形
金型12をその半円状の孔12cが位置した状態で跨設
させ、ついで、成形金型12を図5の矢印方向に水平状
態を保持しながら移動させ、成形金型12の貫通成形孔
13を竹材Aの外周面と全面において当接させて加圧す
ることによって竹材Aに等分布荷重を加えて所要の厚さ
を有する平板状の竹材Bとするものである。したがっ
て、成形金型12に設ける貫通成形孔13の形状を適宜
選択することによって得んとする平板状の竹材Bの厚さ
を自由に設定することができる。
【0018】かくして得られた平板状の竹材Bは、この
竹材Bをケース本体15内に載置した状態でケース本体
15に蓋部材16を装着し、この状態を保持しながらケ
ース本体15および蓋部材16を温度140℃〜200
℃に加熱しながら形状固定を行うものである。なお、こ
の形状固定に際して後述のケース部材7を使用して行っ
てもよい。
【0019】つぎに、ロールフォーミングによる竹材の
圧縮成形は、たとえば図3に示すように、繊維方向に分
割し可塑化させた竹材Aを、最初に竹材Aの円弧の状態
を緩く延ばすための表面が比較的大きい湾曲度合いの上
下一対の成形ロール4,4に通過させ、ついで、表面が
比較的小さな湾曲度合いを有する上下一対の成形ロール
5,5に通し、続いて均一な円形断面の上下一対の成形
ロール6,6に通過させて順次板状に圧縮して平板状の
竹材Bとするものである。なお、得られた平板状の竹材
Bは、これを後述のケース部材7を使用して形状固定を
行うものである。
【0020】上記の手段によって得られた平板化された
竹材Bを形状固定させるためのケース部材7は、いずれ
もアルミニウム合金製のケース本体8と蓋部材9とから
なるものであって、ケース本体8と蓋部材9を閉じ合わ
せたとき、内部に前記圧縮された平板状の竹材Bを装填
できる空洞を有するものである。前記ケース本体8は、
所定の長さと幅および厚みを有する上面が平坦な基材の
左右の端部にそれぞれ長さ方向に沿って所定の高さの側
壁を一体的に形成すると共に、各側壁の外周面に上下方
向に所定の間隔を存して複数の鋸歯型の係合凸条8a,
8bを形成したものである。
【0021】一方の蓋部材9は、前記ケース本体8の左
右の側壁の外周面と接する内壁を有する断面コ字状体か
らなるもので、前記内壁には上下方向に所定の間隔を存
して前記ケース本体8の係合凸条8a,8bと係合する
係合凹溝9a,9aが長さ方向に沿って一体的に形成さ
れ、ケース本体8および蓋部材9には加熱用の水蒸気を
通すための通孔8b,9bがそれぞれ長さ方向に沿って
設けられている。
【0022】かゝるケース部材7を使用して形状固定を
行うには、まず所定の厚みに平板化された竹材Bをケー
ス本体8内に載置したのち、該ケース本体8の上方の係
合凸条8aに蓋部材9の開放端側(下方)の係合凹溝9
aを係合させて両者を一体化し、水蒸気を通孔8b,9
bに供給することによってケース部材7の温度を140
℃〜200℃に高めた状態で約10〜30分間保持する
ことによって行うものである。その際、平板化された竹
材Bをさらに圧縮して所定の厚みにしたい場合には、ケ
ース部材7の加熱と同時に蓋部材9を加圧し、ケース本
体8の下方の係合凸条8aと蓋部材9の上方の係合凹溝
9aを係合させて行えばよい。
【0023】すなわち、ケース部材7を構成するケース
本体8の基材の幅および平板状に圧縮された竹材Bの幅
方向への移動を拘束する左右の両側壁の高さ、さらには
両側壁の外側に設ける係合凸状の形成する位置や上下方
向に設ける数などを適宜設定することによって一旦平板
状に圧縮成形された竹材をさらに所定の厚みにすること
ができる。
【0024】なお、形状固定に際しては、平板状に圧縮
した竹材Bはこのケース7部材に装填した状態で温度1
40〜200℃で約10〜30分間保持するものである
が、温度が140℃未満の場合には形状固定が不十分で
あり、200℃を超えると高温によって得られた竹材が
変色するなどのトラブルを招くおそれがある。その際、
ケース部材7の加熱手段は特に限定されないが、高周波
加熱、電熱もしくはオイル加熱などで行うことができ
る。また、この発明においては、竹材の可塑化は湯を使
用することによって行っているが、前記の図1に示すプ
レス装置1を高温高圧容器内に収容し、該高温高圧容器
内水蒸気を導入し、高圧水蒸気雰囲気による可塑化とプ
レスとを実施することも可能である。
【0025】
【作用】この発明の圧縮竹材の製造方法は、繊維方向に
分割して得た所定の長さの円弧状の竹材を湯によって可
塑化したのち、圧縮せんとする竹材の幅方向への移動を
規制した状態で加圧もしくは加熱加圧することによっ
て、あるいはロールフォーミング手段によって竹材を平
板状に圧縮成形し、ついで形状の戻りが生じないように
所定の時間平板状に保持して加熱又は加熱加圧すること
によって形状固定、もしくは形状固定と同時にさらなる
圧縮成形を行うことができる。かくて得られた平板状に
圧縮された竹材は、圧縮によって質密化し、形状固定に
よって変形などの生じない寸法安定性に優れたものであ
り、内装材のみならず外装材として充分な強度を有する
ものである。
【0026】
【実施例】以下、実施例を示してこの発明の圧縮竹材の
製造方法および製造装置をより具体的に説明する。実施例1 直径約150mmで肉厚約15mmのモウソウチクを長
手方向に三つ割りして節の隔壁を除去した円弧状の幅約
100mmの長さ約300mmの竹材Aを使用した。こ
の竹材Aを温度を80℃に維持した水槽(図示せず)内
に約20分間浸漬して可塑化させると同時に油抜きを実
施したのち、図1に示すプレス装置1の下型2内にその
内壁部を下にして配置し、上方から上型3をセットした
状態で上型3を降下させて竹材Aを圧縮した。この圧縮
によって厚みが約8mmの質密化された平板状の竹材B
を得た。この竹材Bを図4に示すケース部材7に装填
し、温度180℃で10分間形状固定処理することによ
って、元の円弧状に戻ることがない寸法安定性に優れた
硬質の圧縮竹材を得た。得られた圧縮竹材は、建築土木
用の資材として屋外において充分使用できるものであっ
た。
【0027】実施例2 実施例1における竹材Aを湯で可塑化することなく、図
1に示すプレス装置1の下型2内にその内壁面を下にし
て配置し、上方から上型3をセットした状態で高温高圧
容器内にプレス装置1と共に収容して、水蒸気により温
度90℃で15分間の可塑化を行った。この可塑化につ
いで、上型3を降下させて竹材Aを圧縮した。この圧縮
によって厚みが約5mmの質密化された平板状に圧縮さ
れた竹材Bを得た。この竹材Bを図4に示すケース部材
7に装填して温度180℃で10分間形状固定処理する
ことによって、元の円弧状に戻ることがない寸法安定性
に優れた硬質の圧縮竹材を得た。得られた圧縮竹材は、
実施例1と同様に建築土木用の資材として屋外において
充分使用できるものであった。
【0028】実施例3 実施例1と同様にして節の隔壁を除去した長さ約600
mmの三つ割りの竹材Aを、実施例1と同様にして可塑
化したのち、図3に示すロールフォーミング装置の各一
対の成形ロール4,4、5,5および6,6に通過させ
て厚みが約8mmの板状に圧縮された竹材Bを得た。こ
の竹材Bをケース本体8と蓋部材9からなるケース部材
7内に装填して、温度170℃で20分間の条件で形状
固定処理して戻りのない板状に圧縮された竹材を得た。
この圧縮竹材は、建築土木用の資材として屋外において
充分使用できるものであった。
【0029】実施例4 直径約150mmで肉厚約15mmのモウソウチクを長
手方向に二つ割りして節の部分を隔壁と共に切断した円
弧状の幅約120mmの長さ約150mmの短い竹材A
を使用した。この竹材Aを温度95℃の湯の中に20分
間浸漬して湯煎によって可塑化させた。可塑化した竹材
Aを図5および図6に示す製造装置11の下型に相当す
るケース本体15上にその内壁部を下にして載置し、ケ
ース本体15を固定した。ついで、ケース本体15の右
側に、上型に相当する成形金型12の貫通成形孔13が
前記竹材Aを跨設するようにして配置したのち、成形金
型12を図5の左方に移動させることによって、竹材A
の外周面の全面と成形金型12の貫通成形孔13内を圧
接せしめ竹材Aに等分布荷重を加えることによって、厚
み約8mmの圧縮された平板状の竹材Bを得た。平板状
に圧縮された竹材Bをケース本体15に載せた状態でケ
ース本体15の上方から蓋部材16を被せ、蓋部材16
の底面が竹材Bと当接した状態を保持しながら、温度1
90℃で10分間の雰囲気中に置いて形状固定させた。
得られた平板状に圧縮された竹材Bは、形状の戻りがな
く、優れた寸法安定性を有するものであり、これをその
まゝもしくは他の資材と組み合わせて住宅のエントラン
スや道路の舗装資材として使用して充分に通用するもの
であった。
【0030】
【発明の効果】この発明の圧縮竹材の製造方法は、繊維
方向に分割して得た断面が円弧状の竹材を湯煮によって
可塑化したのち、円弧状の竹材の両端部を拘束した状態
で竹材を圧縮成形するか、ロールフォーミングによって
圧縮成形することによって所定の厚みを有する平板状に
圧縮された竹材を得たのち、平板状の竹材を所定の温度
で加熱又は加熱加圧しながら形状固定するので、得られ
た平板状の竹材は水や熱に接しても再び元の円弧状に戻
ることのない圧縮竹材を容易かつ簡単に得ることができ
る。
【0031】特に、この発明の方法によって得た圧縮竹
材は、竹の弱点である繊維方向に割れ易いという欠点を
完全に解消し、圧縮による質密化で耐候性および耐水性
を大幅に向上して優れた強度と寸法安定性を有するもの
である。したがって、この圧縮竹材は、住宅の内装用床
材、壁材、外部デッキ、エントランス(玄関)および歩
道の舗装資材としての板材、タイル、ブロックなど内装
材および外装材として広く利用することができるもので
ある。また、この発明によって従来から利用分野の狭か
った竹材の有用性を拡大して竹資源の消費を促すことに
よって竹林の環境保全にも大きく貢献することができる
ものである。
【0032】また、この発明の圧縮竹材の製造装置は、
円弧状の竹材の両端部を拘束した状態で圧縮成形するこ
とができるので、圧縮の際竹に生ずる最大引張応力が減
少するので、得られた圧縮竹材は品質がよく、しかも装
置もきわめて構造が簡単であるなど実用上多大の利点を
有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の圧縮竹材の製造方法に使用するプレ
ス装置の一例を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるプレス装置の圧縮形成状態を示す
縦断面図である。
【図3】この発明の圧縮竹材の製造方法に使用するロー
ルフォーミング装置の一例を示す一部切欠斜視図であ
る。
【図4】この発明の圧縮竹材の製造方法に使用する製造
装置の一例を示す縦断面図である。
【図5】図4における成形状態を示す端面図である。
【符号の説明】
1 プレス装置 2 下型 3 上型 4,5,6 成形ロール 7 ケース部材 8,15 ケース本体 9,16 蓋部材 11 圧縮竹材の製造装置 12 成形金型 13 貫通成形孔 A 円弧状の竹材 B 平板状に圧縮された竹材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の圧縮竹材の製造方法に使用するプレ
ス装置の一例を示す縦断面図である。
【図2】図1おけるプレス装置の圧縮成形状態を示す縦
断面図である。
【図3】この発明の圧縮竹材の製造方法に使用するロー
ルフォーミング装置の一例を示す一部切欠斜視図であ
る。
【図4】ケース部材に装填された状態の圧縮竹材の斜視
図である。
【図5】この発明の圧縮竹材の製造方法に使用する製造
装置の一例を示す縦断面図である。
【図6】図5における成形状態を示す端面図である。
【符号の説明】 1 プレス装置 2 下型 3 上型 4,5,6 成形ロール 7 ケース部材 8,15 ケース本体 9,16 蓋部材 11 圧縮竹材の製造装置 12 成形金型 13 貫通成形孔 A 円弧状の竹材 B 平板状に圧縮された竹材
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月24日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図6
【補正方法】追加
【補正内容】
【図6】図5における成形状態を示す端面図である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維方向に割裂した断面が円弧状の竹材
    を、温度70〜120℃の湯で可塑化したのち、可塑化
    した竹材の両端部を拘束した状態で加圧しながら平板状
    に圧縮成形し、得た平板状の竹材を温度140〜200
    ℃で加熱することによって形状固定することを特徴とす
    る圧縮竹材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記竹材の可塑化は、槽内に蒸気の噴出
    パイプを配設し、槽内に張られた水又は湯を水蒸気によ
    って加熱して温度70〜120℃に保持すると共に、湯
    を槽から溢れ出させながら竹材の可塑化と同時に竹材に
    含まれる油を除去して行うことを特徴とする請求項1記
    載の圧縮竹材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記可塑化した断面が円弧状の竹材を平
    板状とする圧縮成形は、前記竹材の円弧長さよりも短い
    長さの幅の板状の基材の両端部に長さ方向に沿って側壁
    を形成した断面がコ字状の下型と、前記下型の両側壁間
    に沿って昇降しうる上型とからなるプレス装置によって
    行うことを特徴とする請求項1記載の圧縮竹材の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記平板状に圧縮成形した竹材は、これ
    をケース本体と、該ケース本体に対して着脱自在な蓋体
    からなるアルミニウム製のケース部材内に収容した状態
    で温度140〜200℃で加熱することによって行うこ
    とを特徴とする請求項1記載の圧縮竹材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記平板状に圧縮成形した竹材は、これ
    をケース本体と、該ケース本体に対して着脱自在な蓋体
    からなるアルミニウム製のケース部材内に収容した状態
    で温度140〜200℃で加熱すると同時に加圧するこ
    とによって、さらに所定の厚みに圧縮成形し、かつ形状
    を固定することを特徴とする請求項1記載の圧縮竹材の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 繊維方向に割裂した断面が円弧状の竹材
    を、温度70〜120℃の湯で可塑化したのち、可塑化
    した竹材をロールフォーミングによって平板状に圧縮成
    形し、得た平板状の竹材を温度140〜200℃で加熱
    することによって形状固定することを特徴とする圧縮竹
    材の製造方法。
  7. 【請求項7】 温度70〜120℃の湯で可塑化して得
    た断面が円弧状の竹材を、底面の幅が前記竹材の円弧長
    さよりも短く、かつ長さ方向に沿って底面両側部に側壁
    を形成した断面がコ字状のケース本体の底面上にその内
    壁部を底面側となるよう載置したのち、該ケース本体の
    一方側に、一方の端面に形成された前記竹材の断面とほ
    ぼ同径の半円状の孔から他方に端面に向けて次第に平坦
    面を形成し、他方の端面に長方形状の孔を形成した貫通
    成形孔を有する成形金型の半円状の端面を位置させ、該
    成形金型をケース本体に沿って他方側に水平移動させる
    ことによって竹材の外周全面を貫通成形孔と圧接させな
    がら所定の厚みに圧縮変形させて平板状に成形し、得た
    平板状の竹材を温度140〜200℃で加熱して形状固
    定することを特徴とする圧縮竹材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記成形金型による可塑化した竹材の圧
    縮成形は、成形金型内に所定の温度の水蒸気を供給しな
    がら行うことを特徴とする請求項7記載の圧縮竹材の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 前記成形金型によって平板化された竹材
    は、ケース本体内に平板化された竹材を保持した状態で
    蓋部材を装着し、この状態で温度140〜200℃に加
    熱して形状固定することを特徴とする請求項7又は8記
    載の圧縮竹材の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記成形金型によって平板化された竹
    材は、ケース本体内に平板化された竹材を保持した状態
    で蓋部材を装着し、この状態で温度140〜200℃に
    加熱すると同時に蓋部材を加圧することによって、さら
    に所定の厚みに圧縮成形すると同時に、その形状を固定
    することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載
    の圧縮竹材の製造方法。
  11. 【請求項11】 平板化せんとする断面が円弧状の竹材
    の円弧長さよりも短い幅の板状の基材の両側面に長さ方
    向に沿って側壁を形成した断面がコ字状のケース本体
    と、一方の端面に形成された前記竹材の断面とほぼ同径
    もしくは径の大きな半円状の孔から他方の端面に向けて
    次第に平坦面を形成し、他方の端面に長方形状の孔を形
    成した貫通成形孔を有する成形金型と、前記ケース本体
    の両側壁間を覆う蓋部材とから構成されることを特徴と
    する圧縮竹材の製造装置。
  12. 【請求項12】 前記ケース本体は、各側壁の外側に上
    下方向に所定の間隔を存し、かつ長手方向に沿って係合
    突条又は凹溝を形成し、該ケース本体を掩蔽する蓋部材
    の両側壁部には前記ケース本体に設けた係合突条又は凹
    溝と係合する係合凹溝又は係合突条を設けたことを特徴
    とする請求項11記載の圧縮竹材の製造装置。
  13. 【請求項13】 前記成形金型は、内部に形成した貫通
    成形孔に水蒸気を供給するための蒸気通路を有すること
    を特徴とする請求項11記載の圧縮竹材の製造装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004071729A1 (ja) * 2003-02-13 2004-08-26 Japan Science And Technology Agency 木質釘状接合具、および圧縮竹材、並びにその製造方法
CN100410037C (zh) * 2005-09-29 2008-08-13 胡云和 竹制茶叶罐体变形成型模具及变形成型工艺
CN102632532A (zh) * 2012-04-20 2012-08-15 湖南省林业科学院 一种竹块热整形方法及装置
CN110843059A (zh) * 2019-11-29 2020-02-28 徐州泓吉环锻科技有限公司 一种基于自动脱落的圆环形竹制品加工模具

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