JPH09193034A - 自動ドライバーにおけるストッパー体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は自動ドライバーの作業性を向上させ
ることを目的とする。 【構成】 自動ドライバー１に装着し先端にビット部２
ａを形成したビット体15に被嵌されるストッパー体３で
あって、このストッパー体３はビット体15に被嵌する貫
通孔21を有し、この貫通孔21にビット体15を挿入した
際、該ビット体15の回動を許容し且つビット体15の軸芯
線方向への移動を不能とするように構成され、ストッパ
ー体３にビス，ネジ４等が螺入される螺入部材５の螺入
面５ａに当接するストッパー面３ａを形成し、このスト
ッパー面３ａをストッパー体３の軸芯線に対して直交す
る面に形成し、該ストッパー体３は、ビット体15に被嵌
した際、ビット部２ａがストッパー面３ａからわずかに
突出するように構成され、ストッパー面３ａの近傍にし
てストッパー体３の外周面に前記貫通孔21と連通する貫
通横孔22を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動ドライバーにおける
ストッパー体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、ビス止め作業を行う際にドライバーを使用するのは
周知の通りであり、該ドライバーにはその用途に合わせ
て種々のものが提案されている。

【０００３】その一つに例えば電動式ドライバーがあ
る。この電動式ドライバーは、回動軸を有する本体の該
回動軸にビット体を連設して使用するもので、作業効率
を向上させる点で大変秀れているものである。

【０００４】しかしながら、この電動式ドライバーはビ
ット体の回動の制御が難しく、例えばビス締め終了の
為、本体のスイッチを切ったとしても回動軸がすぐには
止まらず、ビスを必要以上に例えば板材に没入せしめて
しまうことが往々にして生じる。

【０００５】従って、電動式ドライバーは、熟練者でな
いとその特性を活かしきれないという欠点がある。

【０００６】本発明者は上記欠点を解決する為、既に特
願平７−１３３６６６号の出願を行っている。本発明は
この先願である特願平７−１３３６６６号の改良発明に
係る自動ドライバーにおけるストッパー体を提供するも
のである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。

【０００８】自動ドライバー１に装着し先端にビット部
２ａを形成したビット体15に被嵌されるストッパー体３
であって、このストッパー体３はビット体15に被嵌する
貫通孔21を有し、この貫通孔21にビット体15を挿入した
際、該ビット体15の回動を許容し且つビット体15の軸芯
線方向への移動を不能とするように構成され、ストッパ
ー体３にビス，ネジ４等が螺入される螺入部材５の螺入
面５ａに当接するストッパー面３ａを形成し、このスト
ッパー面３ａをストッパー体３の軸芯線に対して直交す
る面に形成し、該ストッパー体３は、ビット体15に被嵌
した際、ビット部２ａがストッパー面３ａからわずかに
突出するように構成され、ストッパー面３ａの近傍にし
てストッパー体３の外周面に前記貫通孔21と連通する貫
通横孔22を設けたことを特徴とする自動ドライバーにお
けるストッパー体に係るものである。

【０００９】

【作用並びに効果】ビット体15にストッパー体３を付設
し、ストッパー面３ａからわずかに突出しているビット
部２ａをビス，ネジ４等に嵌入し、ビット体15を回動せ
しめると、該ビス，ネジ４等は螺入部材５に螺入せしめ
られる。

【００１０】ストッパー体３のストッパー面３ａが螺入
部材５の螺入面５ａに当接すると、該螺入面５ａからの
反力により、該ビット部２ａはビス，ネジ４等から自然
に外れる。

【００１１】ストッパー面３ａの近傍にしてストッパー
体３の外周面には貫通孔21に連通する貫通横孔22が設け
られているから、ビス，ネジ４等の回動により螺入部材
５から出る屑（螺入部材５が木製板材の場合には木屑）
は、ビット部２ａの回動により貫通孔21内に導入せしめ
れ、遠心力により貫通横孔22から外部へ導出される。本
発明は上述のように構成したから、螺入部材にビス，ネ
ジ等を没入させてしまうことが確実に防止され、従来の
作業時における煩わしさを完全に解消でき、それだけ作
業の効率を向上させることを可能となるなど、秀れた特
徴を発揮する自動ドライバーにおけるストッパー体とな
る。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１，２，３は本発明の実施例を
図示したもので、以下に説明する。

【００１３】図示した自動ドライバー１は公知の電動式
ドライバーで、符号11は本体、12は握柄、14はビット体
15を把持するチャック部である。

【００１４】ビット体15を設ける。このビット体15は断
面六角形状の杆体で、一方が摩耗した場合を考慮して両
端にビス，ネジ４等の溝４ａへ嵌入するビット部２ａ，
２ａ'（プラスネジ用のビット部２ａ）が形成されてい
るビット杆２である。このビット杆２の両ビット部２ａ
近傍には湾曲係止溝２ｂ，２ｃが繞設されている。この
湾曲係止溝２ｂは後記のストッパー体３と連結する際に
使用されるもの、また、湾曲係止溝２ｃは自動ドライバ
ー１のチャック部14と連結（具体的にはチャック部14内
の鋼球20が湾曲係止溝２ｃに嵌入係止される。）される
ものである。

【００１５】ストッパー体３を設ける。このストッパー
体３は前記ビット杆２の貫挿を可能とする径の内孔（貫
通孔21の一部）を有する金属製の内筒10と該内筒10に被
嵌され内筒10より短い長さの金属製の外筒９とで構成さ
れ、内筒10の下端には合成樹脂製の環状体23（この環状
体23の内孔と上記内筒10の内孔とで貫通孔21となる。）
が被嵌固着されている。この環状体23は周壁の２カ所に
該環状体23の内孔に貫通する貫通横孔22が穿設されてい
る。

【００１６】この内筒10にして外筒９位置には貫通孔10
ａが120°間隔で３個同一平面上に穿設されており、こ
の各貫通孔10ａには鋼球７が遊嵌されている。該貫通孔
10ａは外方向へ開拡状態に設けられ（貫通孔10ａの内側
と外側とでは径の大きさが違い、外側の方が大きくなる
ように設計されている。）、最も内側に鋼球７が位置し
た際、該鋼球７は貫通孔10ａからわずかに突出するよう
に設計されている。即ち、この鋼球７は貫通孔10ａの内
側の径より大きく外側の径より小さい径を有し、貫通孔
10ａの最も内側位置から一部が突出するように設けられ
ている。

【００１７】また、内筒10の下端面は水平にして表面平
滑な平坦面に形成され、この平坦面がストッパー面３ａ
となり、また、内筒10の下端寄りには発条６が被嵌され
ている。

【００１８】尚、符号10ｂは発条６を受ける段部、８は
外筒９を係止するストッパー環である。

【００１９】外筒９を設ける。この外筒９は上下端寄り
に前記内筒10の発条６を配置する凹部９ａが設けられ、
該発条６は該凹部９ａの段部９ｂと前記内筒10の段部10
ｂとで支承される。

【００２０】また、外筒９の下部寄り内面は前記鋼球７
の逃げを防止する支持面９ｃに設定され、また、この支
持面９ｃの下方には鋼球７の逃げを許容する逃げ凹部９
ｄが繞設されている。この逃げ凹部９ｄは鋼球７が該逃
げ凹部９ｄに位置した際内筒10へのビット杆２の挿入が
支障ない大きさに設定されている。

【００２１】符号９ｅは前記内筒10に被嵌固着されたス
トッパー環８と係止する段部である。

【００２２】上記のような外筒９と内筒10とから成るス
トッパー体３は、該内筒10の内孔にビット杆２を挿入
し、鋼球７を湾曲係止溝２ｂに位置させると、ストッパ
ー面３ａ（環状体23の下面）からビット部２ａがわずか
に突出するように設計されている。この突出量はビス，
ネジ４等の溝４ａにビット部２ａを嵌入した際、ストッ
パー面３ａとビス，ネジ４等の平坦な溝形成面４ｂとが
当接する突出量に設定されている。

【００２３】本実施例は上述のように構成したから、外
筒９を発条６に抗して図２中下方にスライドさせ、鋼球
７が逃げ凹部９ｄに位置したら内筒10にビット杆２を挿
入すると、ビット杆２により鋼球７は外方に押圧されて
逃げ凹部９ｄに位置し、続いて、外筒９を発条６により
復帰動させると、鋼球７は貫通孔10ａに位置し、該鋼球
７の一側は支持面９ｃにより移動が阻止され、他側は貫
通孔10ａから突出し、該突出部がビット杆２の湾曲係止
溝２ｂ内に嵌入し、ビット杆２は内筒10に対して回動可
能にしてビット杆２の軸芯線方向への移動が不能な状態
となる。そして、この状態でストッパー面３ａ（環状体
23の下面）からビット部２ａのみがわずかに突出した状
態となる。

【００２４】このストッパー体３付のビット杆２を電動
式ドライバーのチャック部14に湾曲係止溝２ｃと鋼球20
を利用して装着し（湾曲係止溝２ｃと鋼球20とによりビ
ット杆２は抜け止め状態となり、また、ビット杆２は断
面六角形状であり、チャック部14も断面六角形状である
為、ビット杆２は回動軸13に対して回り止め状態とな
る。）、ストッパー面３ａからわずかに突出するビット
部２ａをビス，ネジ４等の溝４ａに嵌入し、電動式ドラ
イバーを作動させて該ビット部２ａを回動させるとビ
ス，ネジ４等は、螺入部材５（例えば板材）に螺入し始
め、板材の螺入面５ａにストッパー体３のストッパー面
３ａが当接した時点で、該板材からの反力を受け、ビッ
ト部２ａはビス，ネジ４等から外れ、従って、必要以上
にビス，ネジ４等を回動し過ぎることはなくなり、ビ
ス，ネジ４等を板材に没入せしめてしまうことが確実に
防止される。

【００２５】そして、更に、本実施例は、ビス，ネジ４
等の螺入が終了した後、ビット部２ａが該ビス，ネジ４
等から外れる為、ビット部２ａやビス，ネジ４等の溝４
ａの損傷が防止される。即ち、ストッパー体３が存しな
い場合にはビス，ネジ４等の螺入が完了してもビット部
２ａはビス，ネジ４等から外れない為、そのままトルク
が作用し、ビット部２ａやビス，ネジ４等の溝４ａを損
傷してしまう恐れがあるが、本実施例においてはこのよ
うな問題は生じない。

【００２６】また、本実施例は、内筒10の下端に環状体
23が被嵌されており、この環状体23には横貫通孔22が設
けられているから、ビス，ネジ４等の回動により螺入部
材５から出る屑（螺入部材５が木製板材の場合には木
屑、螺入部材５が石膏ボードの場合には石膏屑）は、ビ
ット部２ａの回動により貫通孔21（環状体23の内孔）内
に導入せしめれ、遠心力により貫通横孔22から外部へ導
出され、よって、貫通孔21内が詰まることを確実に防止
できることになる。

【００２７】また、本実施例は、ストッパー面３ａから
のビット部２ａの突出量を、ビット部２ａをビス，ネジ
４等の溝４ａに嵌入した際、ストッパー面３ａとビス，
ネジ４等の平坦な溝形成面４ｂとが当接する突出量に設
定したから、ビス，ネジ４等の垂直度が確実に保持され
る。ビット部２ａがビス，ネジ４等の溝４ａに斜めに嵌
入されていると、良好な締付が不能となり、また、ビッ
ト部２ａが溝４ａからカムアウトしてしまうが、本実施
例によればこのような問題は生じないことになる。

【００２８】また、本実施例は、ストッパー面３ａとな
る環状体23の下面が表面平滑にして平坦面に形成されて
おり、且つ、該環状体23は合成樹脂製である為、該スト
ッパー面３ａが螺入部材５（例えば壁面）に当接しても
該壁面を傷つけることはなく、また、ストッパー面３ａ
即ち、内筒10はビット体２に対して回動可能な為、スト
ッパー面３ａは螺入部材５（壁面）に当接しても回動せ
ず、よって、この点においても壁面は傷つくことはな
い。

【００２９】更に、本実施例は、ビット杆２に対するス
トッパー体３の係止手段として鋼球７と湾曲係止溝２ｂ
を採用したから、ビット杆２の回動は良好に行え、更
に、本実施例は非常に簡単な構造のため、故障時の補修
が容易に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の使用状態を示す正面図である。

【図２】本実施例の使用状態を示す縦断面図である。

【図３】図２におけるＡ−Ａ指示線の断面図である。

【符号の説明】

１ 自動ドライバー ２ａ ビット部 ３ ストッパー体 ３ａ ストッパー面 ４ ビス，ネジ ５ 螺入部材 ５ａ 螺入面 15 ビット体 21 貫通孔 22 貫通横孔

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動ドライバーに装着し先端にビット部
   を形成したビット体に被嵌されるストッパー体であっ
   て、このストッパー体はビット体に被嵌する貫通孔を有
   し、この貫通孔にビット体を挿入した際、該ビット体の
   回動を許容し且つビット体の軸芯線方向への移動を不能
   とするように構成され、ストッパー体にビス，ネジ等が
   螺入される螺入部材の螺入面に当接するストッパー面を
   形成し、このストッパー面をストッパー体の軸芯線に対
   して直交する面に形成し、該ストッパー体は、ビット体
   に被嵌した際、ビット部がストッパー面からわずかに突
   出するように構成され、ストッパー面の近傍にしてスト
   ッパー体の外周面に前記貫通孔と連通する貫通横孔を設
   けたことを特徴とする自動ドライバーにおけるストッパ
   ー体。