JPH09191137A - 電圧変換積層型圧電アクチュエータ - Google Patents

電圧変換積層型圧電アクチュエータ

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JPH09191137A
JPH09191137A JP8019268A JP1926896A JPH09191137A JP H09191137 A JPH09191137 A JP H09191137A JP 8019268 A JP8019268 A JP 8019268A JP 1926896 A JP1926896 A JP 1926896A JP H09191137 A JPH09191137 A JP H09191137A
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piezoelectric
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Chiharu Watanabe
千晴 渡辺
Takashi Enomoto
隆 榎本
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 コア材32の片面側に複数の圧電セラミクス
の層2・・・を積層し、当該コア材32のもう一方の片
面側に複数の圧電セラミクスの層2・・・を積層し、当
該コア材32を境として積層された圧電セラミクスの層
への作動時印加電圧を順次大きくしてなる屈曲変位が可
能な電圧変換積層型圧電アクチュエータ。 【効果】 バイモルフ型素子に比較して、変位量は小さ
いが、応答速度が格段に速く、発生力、変換効率、共振
周波数が大きいという利点を有する積層型素子であっ
て、屈曲変位が可能なベンデング型の積層型圧電アクチ
ュエータを提供することができ、特に、繊維機械用に、
就中、機織り機の縦糸制御装置、靴下編み機の選針装置
において好適に使用出来る圧電アクチュエータを提供す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屈曲変位が可能な
繊維機械用積層型圧電アクチュエータに関し、特に、機
織り機の縦糸制御装置、靴下編み機の選針装置において
好適に使用できる圧電アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ジルコン酸鉛(PbZr
3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、チタン酸バリウム
(BaTiO3)、リン酸バリウム等の圧電物質(結
晶)は、圧力や引っ張り等の機械的なエネルギー(力)
が加わると、その結晶の表面に静電気(チャージ)が現
れて、プラス側、マイナス側というように、電気的に分
れる(分極、帯電)ことが知られている。このような機
械的な歪みによって分極、帯電する現象は、圧電気直接
効果といい、反対に電圧を加えると変形する現象は、圧
電気逆効果と称されている。この場合、加える電圧の極
性によって結晶に働く力が異なる。分極方向と力の方向
との関係において、その分極の方向と力の方向とが同じ
場合(同一軸線上)を、圧電気縦効果といい、その分極
の方向と力の方向とが直角の関係にある時は、圧電気横
効果という。
【0003】上記のような圧電セラミクスを利用した製
品は多岐にわたり広く各分野で利用されており、圧電現
象を介して発生する変位や力を機械的駆動源として利用
する圧電アクチュエータは、従来の磁性体にコイルを巻
いた電磁式のものと比較して、消費電力が少ない、応答
速度が速い、変位量が大きい、発熱が少ない、サイズ重
量が小さい等という優れた特徴を持っている。
【0004】圧電アクチュエータにおいて電気エネルギ
ーと機械的エネルギー相互の変換を行なう変換素子に
は、主に、バイモルフ型素子と積層型素子とがある。バ
イモルフ型素子は、一般に、例えば、図7(A)に示す
ように、金属のシム材1に伸縮特性の異なる2枚の圧電
セラミクス2を接着剤により接着したもので、当該バイ
モルフ型素子3に、電極(図示せず)を介して電圧を印
加すると、一方の圧電板2が伸び、他方の圧電板2が縮
み、同図に示すように、全体として屈曲変位を起こすよ
うになっている。尚、符号4は、分極の方向を示す。当
該バイモルフ型素子3は、変位量が大きいという利点が
ある一方で、電界に対する分極の関係から材料固有の履
歴特性、発生力、機械的強度、疲労特性に問題があり、
また、共振周波数を高くでき難い等の欠点がある。一
方、積層型素子5は、例えば、図7(B)に示すよう
に、一般に、圧電セラミクス2の薄板を数10枚〜数1
00枚積層したもので、一枚一枚は厚み方向の分極4が
逆になるように交互に積層固定したものである。尚、同
図にて、6は内部電極、7は外部電極である。当該積層
型素子5における電極の引き出しは分極4のプラス極同
士、マイナス極同士を並列接続する。これにより印加電
圧の向きに対し、全電圧セラミクスの分極の向きが同じ
になり、積層方向に変位するようになっている。当該積
層型素子5は、上記のようなバイモルフ型素子に比較し
て、変位量は小さいが、応答速度が格段に速く、発生
力、変換効率、共振周波数が大きいという利点を有して
いる。図8(A)に示す積層型圧電アクチュエータ5
は、縦型効果を利用した構造のもので、表裏面にメタル
電極膜を設け厚み方向に分極した圧電セラミクス板2と
メタルシート8を交互に積み重ねて接着剤等で一体化さ
れている。そして、各メタルシート8は、一層おきにリ
ードワイヤ9により外部で電気的に並列接続され、電気
端子10が取り出されている。電気端子10に電圧を印
加すれば、このアクチュエータ5は矢標の高さ方向に伸
縮運動を行なう。一方、図8(B)に示すようなグリン
シート法と呼ばれる積層セラミックコンデンサの技法を
用いた縦型効果を利用した構造の積層型圧電アクチュエ
ータ5も提案されている。このものは、圧電セラミクス
2の内部に層状に多数のメタル内部電極層11が埋め込
まれ、接着剤を用いずに、内部電極11とセラミクス2
が一体化されている。そして、各内部電極11は一層お
きに並列接続されている。この構造のものは積層コンデ
ンサと類似の製造方法が適用できるために、生産の自動
化ができ、大量かつ安価に製造できる。図8(C)に、
当該積層型圧電アクチュエータ5と積層セラミックコン
デンサとを対比するために、積層セラミックコンデンサ
の断面図を示す。これらの対比から、当該積層型圧電ア
クチュエータ5では、各内部電極層11の面積がセラミ
クス2の断面積と等しいのに対し、コンデンサ12の場
合は小さくなっている等の構造上の違いがある。また、
当該コンデンサ12の場合、接続する上下の内部電極1
3の重ならない部分が圧電的に不活性になり、応力発生
の元になり、これをアクチュエータとした場合には、長
時間繰り返し電圧を印加すると機械的に破壊する。
【0005】ところで、上記したことからも分るよう
に、セラミクスは、強誘電体であり、その圧電性を利用
するためには、分極しなければならない。分極は、前記
のようなバイモルフ型素子3の場合、2枚の圧電セラミ
クス2、2の各々に対し電界を加えて行なわれる。ま
た、積層型素子5の場合、積層体全体を通して、電界を
加えることにより行なわれ、例えば、一旦加熱後、電界
を印加したまま冷却する等の方法により、積層体全体を
通して、全電圧セラミクスを分極させ、その分極の向き
が同じになるように分極している。そして、分極による
素子の動きという面では、前記のようなバイモルフ型素
子3の場合には、そのバイモルフ変位素子3に、電極を
介して電圧を印加すると、一方の圧電板2が伸び、他方
の圧電板2が縮み、全体として屈曲変位を起こすように
なっているのに対し、積層型素子5の場合には、図8
(A)、(B)および(C)にも示すように、積層方向
に変位し、高さ方向に伸縮運動を行なうだけであり、バ
イモルフ型素子のような形態の屈曲変位を起こすように
はなっていないという相違もある。従って、こうした積
層型素子を圧電アクチュエータとして使用するような場
合、積層方向への変位を利用した用途向きにはそれはそ
れとして使用できることは確かであるが、積層型素子で
あって、しかも、バイモルフ型素子のような屈曲変位を
起こすようなベンデング型の積層型素子としての利用は
できないことになる。圧電アクチュエータが、例えば、
後で述べるような機織り機の縦糸制御装置や靴下編み機
の選針装置として使用される場合、当該圧電アクチュエ
ータが、バイモルフ型素子のように、屈曲変位し、ベン
デングすることにより、縦糸の制御や編み針の選択が高
速度になし得るようにすることが好ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術に鑑み、バイモルフ型素子に比較して、変位量は小
さいが、応答速度が格段に速く、発生力、変換効率、共
振周波数が大きいという利点を有する積層型素子であっ
て、屈曲変位が可能なベンデング型の積層型圧電アクチ
ュエータを提供することを目的とし、特に、繊維機械用
に、就中、機織り機の縦糸制御装置、靴下編み機の選針
装置において好適に使用出来る圧電アクチュエータを提
供することを目的としたものである。本発明の前記なら
びにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書全体の記
述からもあきらかになるであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、コア材の片面
側に複数の圧電セラミクスの層を積層し、当該コア材の
もう一方の片面側に複数の圧電セラミクスの層を積層
し、当該コア材を境として各々積層された圧電セラミク
スの層への印加電圧を内層から外層にかけて順次大きく
構成してなることを特徴とする屈曲変位が可能な電圧変
換積層型圧電アクチュエータに係るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面を参
照しつつ説明する。図1(A)は、本発明の実施例を示
す圧電アクチュエータの要部断面図、図1(B)は、本
発明の他の実施例を示す圧電アクチュエータの圧電動作
説明図である。図2は、本発明の実施例を示す当該圧電
アクチュエータが使用される靴下編み機の選針装置の断
面図である。図3(A)、(B)は、それぞれ、当該靴
下編み機の選針装置における圧電アクチュエータの選針
動作説明図である。図4は、靴下編み機の説明図であ
る。図5(A)は、本発明の実施例を示す当該圧電アク
チュエータが使用される機織り機の縦糸制御装置の平面
図、図5(B)は、本発明の実施例を示す当該圧電アク
チュエータが使用される機織り機の縦糸制御装置の断面
図である。図6(A)、(B)は、それぞれ、当該機織
り機の縦糸制御装置における圧電アクチュエータの制御
動作説明図である。
【0009】図4に示すように、柄編み丸編機や柄編み
横編機等の靴下柄編み機において、フロッピーディスク
等の記憶装置に記憶された柄編成手順を編成針の上下動
に伝達するために選針装置(選針圧電アクチュエータ)
が用いられる。編成針14の上下動をつかさどる選針装
置15を、編成シリンダ−16の周囲に多数配設し、当
該選針装置15を、柄出しコントローラ17に接続し、
当該柄出しコントローラ17から柄編成手順を送り込
み、編成針14の上下動を行って、靴下の柄編み編成を
行う。ここでは図示していないが、編成針の下部には、
バットを突設した選針ジャックを多数配設し、当該ジャ
ックの上部に編成針14を多数当接し、編成シリンダ−
16に編み糸18をボビン19から供給し、選針装置1
5を選針ジャックに作用させて上記のような編成針14
の上下動を行って靴下の柄編み編成を行う。尚、選針装
置15を、直接、編成針14に作用させてもよい。
【0010】当該選針装置15の一例は、図2に示すよ
うに、圧電アクチュエータ20を多段に支持体(ハウジ
ング)21に支持させ、圧電アクチュエータ20の端部
にフィンガ22を取り付け、フィンガ22の先端部を支
持体21のストッパ−部23の開口部24から外部に突
き出しさせて、柄出しコントローラ17からリード線2
5を介して当該圧電アクチュエータ20を動作させ、さ
らに、フィンガ22の作動により、前記のように、編成
針14の上下動を行って、靴下の柄編み編成を行う。
【0011】当該選針動作の一例を、圧電式のプレス方
式について説明するに、図3(B)に示すように、前記
柄出しコントローラ17からリード線25を介して圧電
アクチュエータ20に電圧を印加した時(あるいは正の
パルスを印加した時)には、圧電アクチュエータ20を
湾曲させ、フィンガ22を例えば下向きにし、選針ジャ
ック26のバット27をプレスせず、その為、選針ジャ
ック26は、垂直位置を保ち、その結果、選針ジャック
26の下端の上げカム用バット28が上げカム29に係
合し、選針ジャック26およびその上方に当接する編成
針14を上昇運動させ、その結果、編成針14による編
み目の形成が行われる。一方、図3(A)に示すよう
に、電圧を印加しない時(あるいは負のパルスを印加し
た時)には、圧電アクチュエータ20が湾曲せず、した
がって、選針ジャック26のバット27をプレスし、そ
の為、選針ジャック26の下端の上げカム用バット28
が上げカム29に係合せず、選針ジャック26の上方に
当接した網成針14に編成作動を与えないようになって
いる。
【0012】次に、図5および図6に従い、機織り機の
たて糸制御装置における圧電アクチュエータについて説
明する。織機の一般的な原理は、平織の場合、たて糸を
ヘルド(綜こう)に通し、該ヘルドの上下によって二つ
のグル−プに分け、開口を形成し、横糸をシャトルによ
って開口内に入れ、織前に押し付け、次いで、たて糸の
別の組み合わせを作り、これに横糸を入れ織り進んでい
く。当該ヘルド(綜こう)の制御、延ては、たて糸の制
御に、圧電アクチュエータが用いられる。図5および図
6に示すように、圧電アクチュエータ20の端部にフィ
ンガ22を取り付け、図示が省略されているが、当該圧
電アクチュエータ20と綜こう制御装置とを電気的に接
続し、当該圧電アクチュエータ20を動作させ、フィン
ガ22の作動により、制御棒31の下部に接続したヘル
ド(綜こう)(図示せず)の制御をし、延ては、たて糸
の制御を行う。その動作は、圧電アクチュエータ20に
電圧(パルス)を印加すると、圧電アクチュエータ20
は、屈曲変位し、当該圧電アクチュエータ20にはフィ
ンガ22が連結されているので、このフィンガ22も圧
電アクチュエータ20の屈曲変位(湾曲運動)に追従し
て動く。フィンガ22には、フック部30(フック穴で
もよい。)が設けられているので、同様にフック部また
は穴310が設けられている制御棒31を、当該フィン
ガ22により、係合し、一方、圧電アクチュエータ20
に電圧(パルス)が印加されていないときには、フィン
ガ22は、制御棒31と係合せず、離れた位置を保持
し、かくて、フィンガ22は、制御棒31を選択的に係
合保持することができる。上記のように、制御棒31
は、その図示が省略されているが、そのフック部または
穴310下部においてヘルド(綜こう)に接続されてい
る。制御棒31は、ヘルドに作動的に連動し、当該ヘル
ドを制御し、たて糸の制御を行なう。
【0013】本発明の積層型圧電アクチュエータは、上
記したような繊維機械における圧電アクチュエータ20
として使用することができる。図1(A)に示すよう
に、圧電アクチュエータ20は、積層型で、コア材32
の片面側に複数の圧電セラミクスの層2・・・を積層
し、当該コア材32のもう一方の片面側にも複数の圧電
セラミクスの層2・・・を積層し、当該コア材32を境
として各々積層された圧電セラミクスの層2・・・への
印加電圧を内層から外層にかけて順次大きく構成してな
る。
【0014】当該コア材32を境として各々積層された
圧電セラミクスの層2・・・への圧電アクチュエータ作
動時の印加電圧を内層から外層にかけて順次大きく構成
する。図示のように、当該コア材32を境として上下に
積層された圧電セラミクスの層2・・・において、その
内層から外層にかけて順次大きく構成する。例えば、コ
ア材32に接した圧電セラミクスの層2から外部にかけ
てのそれぞれの作動時の印加電圧を、仮に、V1、V2
3、V4、とすれば、これら圧電セラミクスの層2への
作動時の印加電圧は、V1<V2<V3<V4として、外側
に向かって順次印加電圧を大きくくする。これにより、
屈曲変位が可能な積層型圧電アクチュエータとする。
【0015】より好ましい屈曲変位が可能な積層型圧電
アクチュエータを得るには、コア材32の片面側に積層
された複数の圧電セラミクスの層2・・・と、当該コア
材32のもう一方の片面側に積層された複数の圧電セラ
ミクスの層2・・・とは、当該コア材32を境として、
各々の分極形態33を、例えば図示のように、逆分極と
するとよい。
【0016】上記圧電セラミクス2を構成する圧電物質
(結晶)には、各種圧電物質(結晶)を用いることがで
きる。例えば、その具体例としては、PZTと称される
ジルコン酸鉛(PbZrO3)とチタン酸鉛(PbTi
3)との固溶体、ジルコン酸鉛(PbZrO3)、チタ
ン酸鉛(PbTiO3)、チタン酸バリウム(BaTI
3)、リン酸バリウム等が挙げられる。当該圧電物質
には、Nb、Co、Mn等の添加物を添加することがで
きる。高分子物質との複合体等でもよい。積層された個
々の圧電セラミクスについての圧電定数d31を内層から
外層にかけて順次大きく構成するようにしてもよい。
【0017】より好ましい屈曲変位が可能な積層型圧電
アクチュエータを得るには、本発明におけるコア材32
は、分極せず、無分極の圧電不活性の層とすることが好
ましい。コア材32の例には、セラミクス、金属材等が
挙げられる。しかし、当該コア材32には、上記した圧
電物質を用いることが好ましい。すなわち、当該コア材
を境として各々積層された圧電セラミクスの層2・・・
を構成するセラミクスと同一材料とすることが好まし
い。これは、後でも述べるように、同一材料とすること
により、熱膨張係数をマッチングさせ、当該コア材32
と圧電セラミクス層2との界面における剥離を防止でき
るからであり、従来のバイモルフ型素子では、その製造
上金属のシム材に伸縮特性の異なる2枚の圧電セラミク
スを接着剤により接着するので、その界面において剥離
し易いという欠点があり、これを防止できる。
【0018】本発明による積層型圧電アクチュエータ
は、例えば、次のようにして得ることができる。圧電セ
ラミクスの仮焼粉末に有機溶剤、バインダ、可塑剤およ
び分散剤等を添加し、混合し、グリンシートを製造し、
適当な大きさに打ち抜き、Ag−Pd、Pd等よりなる
内部電極用導体ペーストをスクリーン印刷し、これらグ
リーンシートを必要枚数積層し、プレス成形し、一体化
させる。グリーンシートは、プレスにて加熱(通常50
0〜600℃)後、例えば1200℃程度で焼成し、セ
ラミクス積層体を得る。当該積層体を切断後、絶縁、外
部電極付けをする。内部電極を一層おきに電気的に並列
接続する。他、当該積層型圧電アクチュエータの製造に
は、前記グリンシート法と呼ばれる積層セラミックコン
デンサの技法を用いることができる。
【0019】得られた積層体は、その圧電性を利用する
ために、分極させる。分極は、例えば、空気中またはシ
リコンオイル中で行なうことができる。一旦、キューリ
点以上に加熱した後電界を印加したまま徐々に冷却する
電界冷却法等を用いてもよい。その際に、コア材32の
片面側に積層された複数の圧電セラミクスの層2・・・
と、当該コア材32のもう一方の片面側に積層された複
数の圧電セラミクスの層2・・・との各々の分極形態3
3を、当該コア材32を境として、逆分極とするとよ
い。また、その際に、コア材32は、分極せず、無分極
の圧電不活性の層とするとよい。
【0020】上記ベンデング型の積層型圧電アクチュエ
ータの製造は、接着剤により、一体化して行なってもよ
いが、上記のように、接着剤を用いずに、かつ、全体を
通して同一材料で構成して、それらを、内部電極用導体
ペーストを介在させて一体化することが好ましい。これ
により、バイモルフ型素子のように、その製造上、接着
剤により、金属のシム材に、伸縮特性の異なる2枚の圧
電セラミクスを接着すると、その界面において剥離し、
かつ、接着工程が加わり、コスト高になるという欠点が
あるが、これを回避することができる。接着剤を用いず
に、かつ、同一材料で構成して、一体化すれば、接着強
度が向上し、接着工程を省略でき、コストを安くでき、
しかも、同一材料で構成すれば、熱膨張係数を合わせる
ことができ、その点でも、接着強度が向上し、また、製
造上も金属材を別に用意しなくても済む。
【0021】当該圧電アクチュエータを前記のような機
織り機の縦糸制御装置や靴下編み機の選針装置に使用す
る場合、前記実施例に示すように、当該圧電アクチュエ
ータ20の湾曲運動を阻害しないような形態にすること
が好ましい。その方法は、靴下編み機の選針装置15の
例で言えば、圧電アクチュエータ20の後端部に球状体
34を取り付け、この球状体34を取付けた圧電アクチ
ュエータ20の当該後端部を、支持体21の圧電アクチ
ュエータ取付部35の溝部36内に嵌挿し、当該球状体
34の球状部が当該圧電アクチュエータ取付部35の溝
部36内で可動できるようにし、それに伴い、圧電アク
チュエータ20の後端部を可動可能とする。また、圧電
アクチュエータ20の先端部にも、上記と同様の球状体
34を取り付け、当該球状体34が当該フィンガ22の
後端部37内で可動することができるようにし、それに
より、圧電アクチュエータ20の先端部も可動可能とす
る。さらに、圧電アクチュエータ20の後端部と先端部
との中途位置に回転体38を固着して取付け、当該回転
体38の両端部を支持体21の回転体取付部(途中支点
部)39に回転可能に架設して、当該回転体38の回転
に伴い、圧電アクチュエータ20の後端部と先端部との
中途位置の動きを止めないようにする。この方式および
装置によれば、圧電アクチュエータ20が自由に可動
し、その動きを妨げず、途中支点が形成されので、格段
に選針スピードが早くすることができ、圧電アクチュエ
ータ20が長寿命のものとなるなどの優れた利点があ
る。この点、機織り機の縦糸制御装置についても同様で
あり、圧電アクチュエータ20の上端部に球状体34を
取り付け、当該球状体34を支持体(制御棒保持器)2
1に設けた溝部36に当該溝部36内において可動可能
に支持させるとともに、その下端部をフィンガ22に可
動可能に連結させ、かつ、圧電アクチュエータ20の上
端部と下端部との中途位置を、当該制御棒保持器21に
回転可能に付設した回転体38に固定させ、圧電アクチ
ュエータ20の上端部や下端部およびそれらの中途位置
を、圧電アクチュエータ20の湾曲運動に追従して可動
し得るようにし、圧電アクチュエータ20の湾曲運動を
阻害しないようにすると、制御棒31の制御動作、ヘル
ド、更には、たて糸の選択制御動作のスピードを向上さ
せることができ、また、圧電アクチュエータ20の寿命
も長くすることができ、印加電圧もより一層低くするこ
とができるなどの利点を有しさせることができる。
【0022】以上本発明によってなされた発明を実施例
にもとづき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるのもではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変更可能であることはいうまでもない。本発明の機
織り機の縦糸制御装置は、ジャガ−ドにより提唱された
紋様に応じて孔の開けられたカ−ドを用い、カ−ドの孔
に対応する位置の竪針だけを引上げ、通糸を介して、そ
の竪針に連結されている経糸だけを引上げ、引上げた経
糸と原位置にとどまる経糸との間にひぐちを作るように
したジャガ−ド装置において主に用いられる。本発明
は、靴下編み機の選針装置において、前記プレス方式に
代えてすくい上げ方式の圧電アクチュエータとしても適
用できる。上記実施例では、本発明を繊維機械に適用し
た例を示したが、本発明は、当該繊維機械以外の各種分
野の圧電アクチュエータとしても適用でき、例えば、ポ
ジショナ(位置決め具)、プリンタヘッド、超音波モー
タ、圧電リレー、圧電バルブ、電子計算機、関連機器
(パソコン、プリンタ)、民生用電子機器(TV、ラジ
オ、VTR)、事務機器、事務用品(複写機、タイプラ
イター)、精密機器(カメラ、時計)をはじめ各種分野
で使用出来る。
【0023】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。すなわち、本発明によれば、バイモ
ルフ型素子に比較して、変位量は小さいが、応答速度が
格段に速く、発生力、変換効率、共振周波数が大きいと
いう利点を有する積層型素子であって、屈曲変位が可能
なベンデング型の積層型圧電アクチュエータを提供する
ことができ、特に、繊維機械用に、就中、機織り機の縦
糸制御装置、靴下編み機の選針装置において好適に使用
出来る圧電アクチュエータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、本発明の実施例を示す圧電アク
チュエータの要部断面図、図1(B)は、本発明の他の
実施例を示す圧電アクチュエータの圧電動作説明図であ
る。
【図2】図2は、本発明の実施例を示す当該圧電アクチ
ュエータが使用される靴下編み機の選針装置の断面図で
ある。
【図3】図3(A)、(B)は、それぞれ、当該靴下編
み機の選針装置における圧電アクチュエータの選針動作
説明図である。
【図4】図4は、靴下編み機の説明図である。
【図5】図5(A)は、本発明の実施例を示す当該圧電
アクチュエータが使用される機織り機の縦糸制御装置の
平面図、図5(B)は、本発明の実施例を示す当該圧電
アクチュエータが使用される機織り機の縦糸制御装置の
断面図である。
【図6】図6(A)、(B)は、それぞれ、当該機織り
機の縦糸制御装置における圧電アクチュエータの制御動
作説明図である。
【図7】図7(A)は、従来例のバイモルフ型圧電素子
の構成図、図7(B)は、従来例の積層型圧電素子の構
成図である。
【図8】図8(A)、(B)および(C)は、それぞれ
従来例の積層型圧電素子の構成図である。
【符号の説明】
1…金属のシム材 2…圧電セラミクス 3…バイモルフ型素子 4…分極の方向 5…積層型素子 6…内部電極 7…外部電極 8…メタルシート 9…リードワイヤ 10…電気端子 11…メタル内部電極層 12…積層セラミックコンデンサ 13…内部電極 14…編成針 15…選針装置 16…編成シリンダ− 17…柄出しコントローラ 18…編み糸 19…ボビン 20…圧電アクチュエータ 21…支持体(ハウジング) 22…フィンガ 23…ストッパ−部 24…開口部 25…リード線 26…選針ジャック 27…バット 28…上げカム用バット 29…上げカム 30…フック部 31…制御棒 32…コア材 33…分極形態 34…球状体 35…圧電アクチュエータ取付部 36…溝部 37…フィンガ22の後端部 38…回転体 39…回転体取付部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア材の片面側に複数の圧電セラミクス
    の層を積層し、当該コア材のもう一方の片面側に複数の
    圧電セラミクスの層を積層し、当該コア材を境として各
    々積層された圧電セラミクスの層への印加電圧を内層か
    ら外層にかけて順次大きく構成してなることを特徴とす
    る屈曲変位が可能な電圧変換積層型圧電アクチュエー
    タ。
  2. 【請求項2】 コア材を境として各々積層された圧電セ
    ラミクスの複数層の分極形態を逆分極に構成してなるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の積層型圧電アクチュ
    エータ。
  3. 【請求項3】 コア材が、無分極の圧電不活性の層より
    なる、請求項1〜2いずれか一項に記載の積層型圧電ア
    クチュエータ。
  4. 【請求項4】 コア材が、セラミクスよりなる、請求項
    1〜3いずれか一項に記載の積層型圧電アクチュエー
    タ。
  5. 【請求項5】 コア材が、金属よりなる、請求項1〜4
    いずれか一項に記載の積層型圧電アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 積層型圧電アクチュエータが、繊維機械
    用積層型圧電アクチュエータであることを特徴とする、
    請求項1〜5いずれか一項に記載の積層型圧電アクチュ
    エータ。
  7. 【請求項7】 繊維機械用積層型圧電アクチュエータ
    が、機織り機の縦糸制御装置における圧電アクチュエー
    タであることを特徴とする、請求項1〜6いずれか一項
    に記載の積層型圧電アクチュエータ。
  8. 【請求項8】 繊維機械用積層型圧電アクチュエータ
    が、靴下編み機の選針装置における圧電アクチュエータ
    であることを特徴とする、請求項1〜7いずれか一項に
    記載の積層型圧電アクチュエータ。
JP8019268A 1996-01-11 1996-01-11 電圧変換積層型圧電アクチュエータ Withdrawn JPH09191137A (ja)

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EP96120998A EP0784349B1 (en) 1996-01-11 1996-12-30 Stacked piezoelectric actuator and method of operation
US08/774,779 US5834879A (en) 1996-01-11 1996-12-30 Stacked piezoelectric actuator
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003501810A (ja) * 1999-06-01 2003-01-14 リ、ホンギ 拡張振動式の多出力復合構造の圧電トランス
JP2012238669A (ja) * 2011-05-10 2012-12-06 Advantest Corp スイッチ装置および試験装置

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