JPH09189892A - 回折光学系およびこれに用いる液晶回折レンズ - Google Patents

回折光学系およびこれに用いる液晶回折レンズ

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JPH09189892A
JPH09189892A JP114996A JP114996A JPH09189892A JP H09189892 A JPH09189892 A JP H09189892A JP 114996 A JP114996 A JP 114996A JP 114996 A JP114996 A JP 114996A JP H09189892 A JPH09189892 A JP H09189892A
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liquid crystal
wavelength
light
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diffractive
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JP114996A
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Hisashi Oide
寿 大出
Ichiji Ohashi
一司 大橋
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回折効率の波長依存に伴う光学系の性能低下
を低減し、不要次数光によるフレア等の発生を有効に防
止できる回折光学系を提供する。 【解決手段】 異なる波長域を有する帯域光を選択的に
順次入射させる波長選択手段30と、この波長選択手段30
による入射帯域光の切り換えに同期して、液晶への印加
電圧を制御することにより、前記帯域光の各所定の波長
に対して回折効率が最大となるように位相シフト関数を
順次変化させる回折面をもつ液晶回折レンズ20とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回折光学素子を
含む光学系、とりわけ撮像光学系、および該光学系の回
折光学素子として使用可能な液晶回折レンズに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】回折光学素子、例えば、回折レンズを用
いる光学系には、従来の屈折レンズを用いる場合に比べ
て、以下のような特長を有することが知られている。 回折レンズは非球面波を容易に生成できるので、収差
補正上効果的である。 回折レンズは、実質的に厚みを持たないので、光学系
をコンパクトにできると共に、設計の自由度を上げるこ
とができる。 屈折レンズで言うアッベ数に相当する量が、回折レン
ズでは負の値を有するので、屈折素子と組み合わせるこ
とによって、色収差を効果的に補正することができる。
【0003】このような回折レンズの特長を利用して、
光学系の性能を向上させることに関しては、例えば、Bi
nary Optics Technology; The Theory and Design of M
ulti-level Diffractive Optical Element, Gary J.Swa
son, Technical Report 854,MIT Lincoln Laboratory,
August 1989.に詳しく記述されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、回折
光学素子には、従来の屈折素子にはない多くの特長があ
るが、他方では、回折効率が波長に依存するために、以
下に説明するような問題がある。例えば、光学系に適用
する回折光学素子は、レンズ素子として利用する場合が
多いが、このような用途においては、複数の回折光が発
生するのは、一般に好ましくない。そこで、回折レンズ
においては、一般に、図1に示すように、使用する波長
で透明な基材1に、断面形状が鋸歯状のレリーフパター
ン2を形成して、特定の回折次数の回折光にエネルギー
を集中させるようにしている。すなわち、その回折次数
に対して、回折効率を最適化している。
【0005】しかしながら、図1に示すように、断面形
状を鋸歯状に加工すると、その溝深さによってエネルギ
ーを最大限に集中できる波長が異なるため、波長幅を有
する帯域光のエネルギー全てを特定次数の回折光に集中
させることができなくなる。このような現象は、例え
ば、レーザのような、単色とみなせる光を利用するよう
な場合は問題とならないが、カメラのように、白色光を
利用する光学系においては無視できない問題となる。
【0006】すなわち、ある波長に対して回折効率を最
適化すると、その他の波長では回折効率が低下し、可視
域帯で撮像するカメラのような撮像光学系に適用した場
合には、回折効率の波長依存によって多くの不要次数光
が発生し、これによりフレアが生じるという問題があ
る。
【0007】図2は、図1に示した断面形状を有する回
折光学素子において、基材1としてBK7を用い、レリ
ーフパターン2を、波長λ=510nmにおいて1次回
折効率が100%となるような溝深さで形成した場合の
1次回折効率の波長依存性を示すものである。図2から
明らかなように、一般に可視波長領域とみなせるλ=4
00nmからλ=700nmにおいて、回折効率は、最
適化した波長λ=510nmから離れるに従って減少
し、特に、短波長領域での低下が著しくなる。このよう
な所望次数における回折効率の低下は、不要次数光の増
加として、光学系に悪影響を与えることになる。
【0008】図3は、図2に示した回折効率の波長依存
性を有する回折光学素子について、0次回折効率およ
び2次回折効率の波長依存性をそれぞれ示すものであ
る。図3から明らかのように、1次回折効率が低下する
と、最適化波長よりも短波長側では2次回折効率が増加
し、また、最適化波長よりも長波長側では0次回折効率
が増加することがわかる。
【0009】この発明は、上述した問題点に着目してな
されたもので、回折効率の波長依存に伴う光学系の性能
低下を低減し、不要次数光によるフレア等の発生を有効
に防止し得るよう適切に構成した回折光学系およびこれ
に使用可能な液晶回折レンズを提供することを目的とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の回折光学系は、異なる波長域を有する帯
域光を選択的に順次入射させる波長選択手段と、この波
長選択手段による入射帯域光の切り換えに同期して、液
晶への印加電圧を制御することにより、前記帯域光の各
所定の波長に対して回折効率が最大となるように位相シ
フト関数を順次変化させる回折面をもつ液晶回折レンズ
とを有することを特徴とするものである。
【0011】さらに、この発明の回折光学系は、異なる
波長域を有する帯域光から構成される画像を選択的に順
次取り込む撮像機構と、この撮像機構による画像取り込
みに同期して、液晶への印加電圧を制御することによ
り、前記画像を構成する帯域光の各所定の波長に対して
回折効率が最大となるように位相シフト関数を順次変化
させる回折面をもつ液晶回折レンズとを有することを特
徴とするものである。
【0012】この発明の液晶回折レンズは、電極間に設
けた光学的に一軸性の異方性を有する液晶を含む液晶セ
ルを複数有し、各液晶セルの前記電極間に印加する電圧
を制御することにより、各々の液晶セルの屈折率を制御
して、所望の位相シフト関数を近似的に実現し得るよう
構成したことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】先ず、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。図4(a)および(b)
は、この発明の一実施形態における回折光学系の原理を
説明するための図である。この光学系は、時間ごとに異
なる波長域を持つ帯域光を透過させる波長選択手段30
と、電気信号によって回折面上の位相シフト関数を変化
させる液晶回折レンズ20とを有する。波長選択手段3
0は、図4(a)に示すように、時間領域Aにおいて波
長範囲ΔλA (中心波長λA )の光を選択的に透過する
バンドパスフィルタ31と、図4(b)に示すように、
時間領域Bにおいて波長範囲ΔλB (中心波長λB )の
光を選択的に透過するバンドパスフィルタ32とを有
し、順次波長範囲の切り換えを行う。
【0014】ここで、波長範囲ΔλA およびΔλB は、
光学系が利用する全波長範囲よりも狭く、また、この2
つの波長範囲の合計が全波長を満たすようにする。ま
た、中心波長とは、ある波長範囲において総合的な回折
効率が最大となるとき、その範囲内で回折効率が最大と
なる波長をいうものとする。
【0015】液晶回折レンズ20は、液晶への印加電圧
を制御することにより、回折面上での位相シフト関数を
変化させ、回折効率が最大となる波長を順次切り換え得
るよう構成する。このようにして、波長選択手段30に
よる帯域光の切り換えに同期して、時間領域Aでは中心
波長λA に対し回折効率が100%となるように最適化
された位相シフト関数を液晶回折レンズ20の回折面上
に実現し、時間領域Bでは中心波長λB に対し回折効率
が100%となるように最適化された位相シフト関数を
液晶回折レンズ20の回折面上に実現するように制御す
る。
【0016】図4に示す構成によれば、各時間領域にお
いて、波長範囲が中心波長近傍の比較的狭い波長範囲に
制限され、さらにその制限された波長範囲について回折
面の位相シフト関数が最適化されているので、波長幅に
よる回折効率の低下を有効に低減することが可能とな
り、これにより中心波長から離れた波長域の光による不
要次数光の発生およびこれによるフレアの発生を有効に
低減することが可能となる。
【0017】以上のことから、この実施形態による回折
光学系によれば、複数の波長、あるいは帯域光で使用す
る場合において、回折効率の波長依存に伴う光学系の性
能低下を低減することが可能となる。
【0018】かかる実施形態の好適例においては、図4
に示す回折光学系において、波長選択手段30として、
多数の画素を有する液晶ライトバルブと、この液晶ライ
トバルブの各画素に対応して配置した異なる透過域を有
するカラーフィルタよりなるカラーモザイクフィルタを
用いる。ここで、各カラーフィルタの透過光の波長範囲
は、光学系が利用する全波長範囲よりも狭く、また、各
透過光の波長範囲の合計が全波長を満たすようにする。
液晶バルブは、電気信号によって入射光の透過/遮蔽を
制御して、各画素に対応して配置された同じ透過域を有
するカラーフィルタ毎に透過光の波長域を選択するよう
にする。また、液晶回折レンズ20は、波長選択手段3
0による波長域の切り換えに同期して、その波長域の中
心波長に対し最適化された位相シフト関数を順次実現さ
せるようにする。
【0019】このように、波長選択手段30を、液晶ラ
イトバルブとカラーモザイクフィルタとを用いて構成す
れば、外部信号によって透過する帯域光の波長域の切り
換えが可能であるので、その帯域光の波長域の切り換え
と、液晶回折レンズ20の位相シフト関数の最適化との
同期を容易にとることが可能となる。
【0020】なお、図4では、波長選択手段30を液晶
回折レンズ20の入射側に配置しているが、液晶回折レ
ンズ20の出射側に配置した場合でも同様に作用する。
【0021】この発明の回折光学系の他の実施形態で
は、上記の電気信号によって回折面上の位相シフト関数
が変化する液晶回折レンズと、異なる波長域を有する帯
域光から構成される画像を選択的に順次取り込む撮像機
構とを有する。ここで、撮像機構は、それぞれ異なる波
長域を含む比較的狭い波長幅の像を取り込むことが可能
であり、例えば、波長範囲ΔλA (中心波長λA )の像
を選択的に取り込む機構と、波長範囲ΔλB (中心波長
λB )の光を選択的に取り込む機構とを有し、時分割し
て異なる波長域からなる画像を順次取り込むようにす
る。なお、波長範囲ΔλA およびΔλB は、光学系が利
用する全波長範囲よりも狭く、また、この2つの波長範
囲の合計が全波長を満たすようにする。
【0022】このようにして、撮像機構の波長域の切り
換えに同期して、液晶回折レンズの液晶への印加電圧を
制御し、取り込まれる波長範囲の中心波長に対して回折
効率が最大となるような位相シフト関数を回折面上に順
次実現する。
【0023】このように構成すれば、各時間領域におい
て、取り込み用画像の波長範囲が中心波長近傍の比較的
狭い波長範囲に制限され、さらにその制限された波長範
囲について回折面の位相シフト関数が最適化されるの
で、波長幅による回折効率の低下を有効に低減すること
が可能となり、これにより中心波長から離れた波長域の
光による不要次数光の発生およびこれによるフレアの発
生を有効に低減した画像を取り込むことが可能となる。
したがって、かかる光学系によれば、複数の波長、ある
いは帯域光を使用する画像取り込みにおいて、回折効率
の波長依存に伴う画像品質の低下を低減することが可能
となる。
【0024】かかる実施形態の好適例においては、撮像
機構として、単板式カラーカメラのようなカラーモザイ
クフィルタと光電変換型撮像素子とを組み合わせたもの
を用いる。ここで、カラーモザイクフィルタは、上述し
たと同様に、異なる中心波長を透過するカラーフィルタ
をモザイク状に並べたもので、波長選択手段として作用
する。したがって、液晶回折レンズの位相シフト関数
が、例えば、波長λA に対して最適化されている時、波
長範囲ΔλA を透過するカラーフィルタを通った画像を
取り込むことが可能となる。
【0025】この発明の回折光学系のさらに他の実施形
態では、上記の電気信号によって回折面上の位相シフト
関数が変化する液晶回折レンズと、異なる波長域からな
る帯域光ごとに分割してそれぞれ異なる位置に結像させ
る光学部材と、この光学部材によって分割された帯域光
の各結像位置に配置して画像を取り込む撮像機構とを有
する。ここで各結像位置に配置される撮像機構は、時分
割して制御することにより、帯域光からなる画像を順次
取り込むようにする。なお、光学部材によって分解され
る波長範囲は、光学系が利用する全波長範囲よりも狭
く、また、これらの波長範囲の合計が全波長を満たすよ
うにする。また、液晶回折レンズは、各撮像機構の画像
取り込みの切り換えに同期して、光学部材によって分割
された帯域光の中心波長に対して、回折効率が最大とな
るような位相シフト関数を回折面上に順次実現させるよ
うにする。
【0026】このように構成によれば、上述した実施形
態におけると同様の効果を得ることが可能になると共
に、多板式光学系とすることにより像の解像力を格段に
向上させることが可能となる。
【0027】かかる実施形態の好適例においては、上記
の異なる中心波長を有する帯域光ごとに分割して各帯域
光を異なる位置に結像させる光学部材として、ダイクロ
イックプリズムを用いる。ここで、ダイクロイックプリ
ズムは、ダイクロイック面と反射面とを有するプリズム
を複数個用いて構成され、異なる中心波長からなる帯域
光毎に分離する作用を有するので、その各帯域光の結像
位置に固体撮像素子を配置して時分割して順次画像の取
り込みを行うようにする。
【0028】このように構成すれば、固体撮像素子によ
る画像の取り込みと、液晶回折レンズの位相シフト関数
の最適化との同期を容易にとることが可能となり、これ
により液晶回折レンズの位相シフト関数を、ダイクロイ
ックプリズムによって分割される帯域光の中心波長につ
いて最適化するように順次実現させることが可能とな
る。
【0029】この発明の液晶回折レンズの一実施形態で
は、輪帯状電極とそれに対応する光学的に一軸性の異方
性を有する液晶を含むセルを複数有する。ここで、液晶
の屈折率は、印加電圧によって特定の範囲で可変にでき
るので、各輪帯状電極毎に印加電圧を制御すれば、輪帯
状に屈折率分布を変化させることが可能となる。
【0030】したがって、かかる構成によれば、各輪帯
状電極毎に適当な電圧を印加することにより、所定の位
相シフト関数を近似的に実現することが可能となる。ま
た、電気信号によって位相シフト関数の制御を行うの
で、位相シフト関数の形状を順次変化させることが可能
となる。
【0031】かかる実施形態の好適例においては、所定
の回折レンズの位相シフト関数の1周期内に複数の輪帯
状電極およびそれに対応する液晶セルを割り当てる。所
定の位相シフト関数を複数の輪帯状電極を用いて形成す
る場合には、離散的に近似することになるが、1周期に
対して十分細い幅の輪帯状電極を複数用いれば、高い回
折効率を実現することが可能となる。
【0032】さらに好適例においては、上記の液晶回折
レンズにおいて、所定の回折レンズの位相シフト関数の
1周期内で、0からほぼ2mπ(mは整数)までの位相
分布を有するようにする。このように構成すれば、ブレ
ーズ化位相格子として作用することになるので、高い回
折効率を実現することが可能となる。
【0033】この発明の回折光学系のさらに他の実施形
態では、多数の画素を有し、波長域の異なる帯域光から
なる像を順次表示する液晶パネルと、印加電圧を制御す
ることにより、所定の波長に対し回折効率が最大となる
ような位相シフト関数が変化する回折面をもつ液晶回折
レンズを含む投影光学系とを有し、液晶パネルに表示す
る画像の波長域の切り換えに同期して、その波長域の中
心波長に対して回折効率が最大となるような位相シフト
関数を液晶回折レンズの回折面上に順次実現するように
する。
【0034】したがって、かかる回折光学系によれば、
任意の時点において液晶回折レンズを透過する光は限定
された波長域の帯域光となり、液晶回折レンズの位相シ
フト関数は、その中心波長に対して最適化されているの
で、上述した回折光学系の場合と同様の作用により、投
影光学系の像面、例えばスクリーン上に、フレアのない
高解像度の投影像を得ることが可能となる。
【0035】この発明の回折光学系のさらに他の実施形
態では、異なる波長域を有する帯域光によって物体を順
次照明する照明手段と、その帯域光の切り換えに同期し
て液晶への印加電圧を制御することにより、当該帯域光
の各所定の波長に対して回折効率が最大となるように位
相シフト関数が順次変化する回折面をもつ液晶回折レン
ズとを有する。
【0036】したがって、かかる回折光学系によれば、
照明手段によってのみが物体を照明する環境において
は、任意の時点において液晶回折レンズを透過する光は
限定された波長域の帯域光となり、液晶回折レンズの位
相シフト関数は、その中心波長に対して最適化されてい
るので、上述したと同様に、フレアのない高解像度の像
を得ることが可能となる。
【0037】
【実施例】次に、この発明の実施例について、図面を参
照して説明する。図5は、この発明に係る液晶回折レン
ズの一例の構成およびその動作を説明するための図であ
る。この液晶回折レンズ20は、図5(a)に平面図
を、図5(b)に一部断面図を示すように、複数の輪帯
状の液晶セル21を有する。これら液晶セル21は、同
心円状に互いに電気的に絶縁して設けたもので、各液晶
セル21は、透明な一対の輪帯状電極22と、これら一
対の輪帯状電極間に設けた液晶23とを有し、その一対
の輪帯状電極22間に対応する電極引出線24を介して
所要の電圧を印加し得るよう構成する。なお、図5
(a)および(b)では、一部の液晶セル群を示してお
り、また、各液晶セル21の電極引出線24も簡略して
示している。
【0038】ここで、液晶23は、その特徴の1つとし
て、光学的一軸結晶と同様な屈折率異方性に基づく複屈
折性がある。一軸性結晶においては、光の偏光方向と結
晶の光軸とが直交するように入射する常光に対する屈折
率nO と、光の偏光方向と結晶の光軸とが平行となるよ
うに入射する異常光に対する屈折率ne とがそれぞれ異
なる値となる。ネマティック液晶およびスメクティック
液晶の場合、一軸性結晶としての光軸は、分子長軸方向
の分子配向(ディレクタ)の方向に相当する。また、ネ
マティック液晶およびスメクティック液晶における種々
の空間方向における屈折率の大きさは、常光に対しては
球面、異常光に対しては回転楕円体で表される。したが
って、液晶23への印加電圧を制御して、分子配向を回
転させれば、分子の光軸が回転することになるので、異
常光に対する屈折率を可変にすることが可能となる。
【0039】この実施例の液晶回折レンズ20では、図
5(b)に示すように、入射側に偏光板25を設置し
て、輪帯状電極22に挟持された液晶23に対し異常光
線として入射するように、入射光の偏光方向を選択す
る。このように、入射光を異常光として液晶回折レンズ
20に入射させれば、各液晶セル21の一対の輪帯状電
極22間に適当な電圧を印加することにより、所望の屈
折率を実現することが可能となる。また、隣接する液晶
セル21は、電気的に互いに絶縁されているので、各液
晶セル21ごとに異なる電圧を印加すれば、それぞれ異
なる屈折率を得ることが可能となる。
【0040】この実施例では、径方向(R)に並ぶ複数
の液晶セルを一組とし、これを実現すべき液晶回折レン
ズのリングパターンの1つのリング(周期)に対応させ
て、各周期内の径方向の順次の液晶セル21への印加電
圧を、図5(c)に示すように、段階的にわずかに異な
らせて、一周期内で、図5(d)に示すような屈折率分
布を得るようにする。これにより、液晶回折レンズ20
は、レリーフ型の回折レンズと同様の作用を持つことに
なる。
【0041】ただし、一般に、回折レンズでは、ある波
長に対して最も高い回折効率を得るため、リングパター
ンの一周期内で0から2mπ(mは整数で、回折次数)
までの位相分布を持たせるが、この実施例では電極毎に
屈折率を制御するため、屈折率分布は離散的となり、図
5(e)に示すように、回折レンズ本来の位相分布を階
段状に近似する形となる。しかし、一周期に4個の電極
および液晶セルを割り当てることで、80%以上の回折
効率が、また、同様に8個を割り当てることで約95%
の回折効率が、さらに、16個を割り当てることで約9
9%の高い回折効率が得られる。ただし、液晶回折レン
ズとしての有効開口率を考慮すると、実際の光の利用効
率は、これより幾分低いものとなる。
【0042】また、レンズ系を構成する一素子として回
折レンズを用いる場合、そのリングピッチ分布はレンズ
系の設計によって決まるが、一般的には、中心から周辺
に行くに従ってピッチが狭くなる。この実施例の液晶回
折レンズにおいても、全てのリングに同一数、例えば1
6個の輪帯状電極および液晶セルを割り当てるとする
と、周辺ほどそれらの幅が狭くなる。この場合におい
て、その幅が製作上の制限よりも狭くなる場合には、そ
のリングに割り当てる輪帯状電極および液晶セルの数を
減らすこともできる。なお、図5(b)では、各輪帯状
電極22で挟持する液晶23を異なる模様のハッチング
で示したが、これは各電極ごとにそれぞれ異なる屈折率
であることを示している。
【0043】上記のように液晶回折レンズ20を構成す
ることにより、特定の波長の光に対してだけでなく、所
定範囲内の任意の波長の光に対して高い回折効率を得る
ことができる。
【0044】ここで、液晶として、光学的に正の一軸性
結晶であって、異常光線に対する屈折率ne が1.7か
ら1.5まで可変であり、常光線に対する屈折率no
1.5のものを用い、さらに分かり易くするために、回
折レンズの一周期内でne を連続的に制御できるものと
して、液晶層の厚さd、波長λに対するne の分布範囲
について説明する。
【0045】波長λの光の一次回折光に対して最大回折
効率を得るための条件は、
【数1】dne −dno =λ (1) で与えられる。(1)式より、
【数2】d=λ/(ne −no ) (2) であるから、回折効率を最適化する波長のうち、最長の
波長をλmax とすると、
【数3】d=λmax /(1.7−1.5) となるので、これにより液晶層の厚さdを決定する。例
えば、λmax を0.62μmとすると、d=3.1μm
となる。これより短い波長の光に対しては、(1)式か
ら、
【数4】ne =no +λ/d (3) となるので、例えば、λ=0.53μmに対しては、回
折レンズの一周期内で、ne を1.67から1.5の範
囲で回折レンズの位相関数を反映した形で分布させる。
同様に、λ=0.45μmに対しては、ne を1.65
から1.5の範囲で分布させる。
【0046】図5に示した構造の液晶回折レンズ20で
は、屈折率は離散的に分布することになるが、上記と同
様の考え方で、液晶層の厚さd、λ<λmax となる波長
λに対するne の分布範囲を決めることができる。ただ
し、厳密には、屈折率分布を階段状に近似しているの
で、ne の分布範囲は一段分だけ狭くなる。
【0047】図6は、この発明に係る液晶回折レンズの
他の例を示すものである。この液晶回折レンズ20は、
互いに電気的に分離してマトリックス状に配列した複数
の液晶セル21を有し、各液晶セル21に、対応する電
極引出線24を介してそれぞれ異なる電圧を印加し得る
ようにしたものである。なお、図6は、液晶回折レンズ
20の平面図の一部のみを示している。
【0048】図6に示す構成の液晶回折レンズ20にお
いても、上述したと同様に、入射側に偏光板を設置し
て、液晶に対して異常光線として入射させると共に、液
晶セル21ごとに印加電圧を制御して近似的に同心円上
の屈折率分布パターンを形成して、所望の位相シフト関
数を回折面上に実現することができる。この場合の液晶
の異常光線に対する屈折率ne の分布範囲は、図5の場
合と同様にして決定することができる。なお、図6にお
いて、液晶セル21を異なる模様のハッチングで示して
いるが、これは各液晶セルがそれぞれ異なる屈折率であ
ることを示している。
【0049】かかる液晶回折レンズ20は、円形のリン
グパターンを図6に示すように近似しているので、高精
度の像形成が必要なレンズ系への適用が必ずしも適当で
ない場合もあるが、図5に示した液晶回折レンズのよう
に、特定の電極パターンを持ったものを作る必要がない
ので、コスト的に有利となる利点がある。
【0050】図5および図6で説明した各液晶回折レン
ズ20では、分割された液晶セル21への印加電圧によ
って回折面での位相シフト関数を制御するので、位相シ
フト関数を順次変化させることができる。また、各液晶
セル21における液晶層の厚さが一定なので、印加電圧
に対する応答時間も一定となる。したがって、外部信号
と同期して回折面での位相シフト関数を順次変化させる
ことが容易かつ高速に行うことが可能となる。なお、図
5および図6では、各液晶セルごとに独立して一対の電
極を設けるように説明したが、各液晶セルの一方の電極
は、セルごとに分離することなく、全ての液晶セルに対
する共通電極とすることも、勿論可能である。
【0051】図7は、この発明に係る回折光学系に使用
可能な液晶回折レンズのさらに他の例の構成を示す断面
図である。この液晶回折レンズ20は、所定の鋸歯状レ
リーフを有する基板26を有し、この基板26上に、薄
膜透明電極27と対向電極28とにより挟持して液晶2
3を設けて、薄膜透明電極27と対向電極28との間に
電極引出線24を介して所望の電圧を印加するようにし
たものである。
【0052】この液晶回折レンズ20を用いる場合に
は、上述したと同様に、入射側に偏光板25を設置し
て、液晶23に対して異常光線として入射させるよう
に、入射光の偏光方向を選択して、液晶23に所望の電
圧を印加する。なお、この液晶回折レンズ20の場合、
液晶層が一般の鋸歯状レリーフ構造を持った回折レンズ
と同様の形となるので、全面に亘って同一の電圧を印加
する。
【0053】ここで、図7に示す液晶回折レンズ20に
おいて、液晶として、光学的に正の一軸性結晶であっ
て、異常光線に対する屈折率ne が1.7から1.5ま
で可変であるものを用い、鋸歯状レリーフ構造を持った
基板26として、屈折率n1 が1.46の石英ガラスを
用いた場合について、鋸歯状レリーフの溝深さd、波長
λに対するne の値について説明する。
【0054】この場合、波長λの光の一次回折光に対し
て、最大回折効率を得るための条件は、
【数5】dne −dn1 =λ (4) で与えられる。(4)式より、
【数6】d=λ/(ne −n1 ) (5) であるから、回折効率を最適化する波長のうち、最長の
波長λmax は、
【数7】d=λmax /(1.7−1.46) となるので、これにより鋸歯状レリーフの溝深さdを決
定する。例えば、λmaxを0.62μmとすると、d≒
2.6μmとなる。これより短い波長の光に対しては、
(4)式から、
【数8】ne =n1 +λ/d (6) となるので、例えば、λ=0.53μmに対しては、鋸
歯状レリーフを満たす液晶の屈折率ne を1.67とな
るようにする。同様に、λ=0.45μmに対しては、
e を1.63となるようにする。
【0055】図7に示した構造の液晶回折レンズ20に
よれば、基板上のレリーフパターン構造によって理想的
な位相関数を実現することが可能であり、上記と同様の
考え方で、鋸歯状レリーフの溝深さd、λ<λmax とな
る波長λに対するne の値を決めることができる。ま
た、一対の電極を介して印加電圧を制御するだけで、波
長毎に最適化が可能であるので、複雑な操作を必要とせ
ず、構成が簡単になる利点がある。
【0056】なお、図7に示す液晶回折レンズ20は、
レリーフ面上に液晶を満たす構成となっているので、液
晶層の厚さが空間的に異なることになる。このため、液
晶層は、液晶の応答が空間的にほぼ一様になるように、
できるだけ薄く形成するのが望ましい。
【0057】以下、液晶回折レンズを含むこの発明に係
る回折光学系の実施例について説明する。なお、以下に
説明する実施例では、液晶回折レンズが固有レリーフパ
ターン面を有するように図示するが、上述したような作
用を有する液晶回折レンズであれば、任意のものを選択
して用いることができる。
【0058】図8は、この発明に係る回折光学系の基本
的構成を説明するための図である。この回折光学系は、
平行光束を集光する集光光学系で、波長選択手段30
と、液晶への印加電圧を制御することにより、回折面で
の屈折率分布を変化させて、位相シフト関数の様子を変
化させることができる液晶回折レンズ20と、カラー画
像撮像素子40とを有する。カラー画像撮像素子40
は、カラー写真フィルム、例えば、R(赤)、G
(緑)、B(青)に分けて入射光を光電変換する撮像素
子を含む。液晶回折レンズ20は、時分割して液晶23
への印加電圧を制御することより、回折面上の位相シフ
ト関数を順次変化させ、それぞれ異なる中心波長、例え
ば、時間領域Aで中心波長λA =0.45μm、時間領
域Bで中心波長λB=0.53μm、および時間領域C
で中心波長λC =0.62μmで、それぞれ回折効率が
100%となるよう、位相シフト関数を順次最適化す
る。また、波長選択手段30は、各時間領域ごとに透過
波長幅を制限するバンドパスフィルタを形成し、その時
間領域において中心波長を含む比較的狭い波長幅の光が
ほぼ一様に透過するように構成する。
【0059】図9は、一般に可視波長域とみなせる波長
幅Δλ(0.40〜0.70μm)において、図8に示
した集光光学系の回折効率の波長依存特性を示すもので
ある。図9において、はλA =0.45μmの場合、
はλB =0.53μmの場合、はλC =0.62μ
mの場合をそれぞれ示す。ここで、図8に示した波長選
択手段30におけるバンドパスフィルタの透過波長幅
を、時間領域A,BおよびCについて、それぞれ図9に
示すように、ΔλA ,ΔλB およびΔλC のように設定
すれば、液晶回折レンズ20を透過する光は、時間領域
A,BおよびCのそれぞれにおいて、実質的に回折効率
が100%となる波長近傍の光となる。
【0060】また、カラー画像撮像素子40が、光電変
換型撮像素子の場合には、波長選択手段30を用いず、
液晶回折レンズ20の順次時分割的に切り換えられる最
適化波長に対応する色の光電信号、例えば、λA =0.
45μmに対してはB、λB=0.53μmに対しては
G、λC =0.62μmに対してはRに対応する光電信
号のみを液晶回折レンズ20の最適化波長の変化に同期
して取り込むようにしてもよい。
【0061】言うまでもなく、カラー画像撮像素子40
を介して得られる画像は、各波長帯域ΔλA ,ΔλB
よびΔλC を集積したものであり、必要な波長成分をす
べて含む。したがって、カラー画像撮像素子40が、例
えば、カラー写真フィルムの場合には、露光時間内に各
波長帯域ΔλA ,ΔλB およびΔλC による露光を、順
次、最低一回ずつ行えばよい。また、光電変換型撮像素
子を用いて、例えば動画をカラーモニタ上に表示する場
合には、ΔλA ,ΔλB ,ΔλC の順次の切り換えを1
周期として、1秒間に少なくとも30周期程度切り換え
を行えば、自然なカラーの動画として観察することがで
きる。さらに、光電変換型撮像素子を用いて静止画を記
録する場合には、ΔλA ,ΔλB ,ΔλC に対応する画
像情報を記録手段に記録し、表示の際にそれらを合成す
ればよい。
【0062】なお、図9において、それぞれ2曲線の交
わる境界波長λO は、2曲線のそれぞれの最適波長(回
折効率が100%となる波長)をλ1 およびλ2 とし、
基材の屈折率の波長分散を無視すると、それらの最適波
長の平均値、即ち、λ0 =(λ1 +λ2 )/2で与えら
れる。したがって、λA とλB との境界波長は、0.4
9μmとなり、λB とλC との境界波長は、0.575
μmとなる。
【0063】このように構成すれば、波長選択手段30
および液晶回折レンズ20を透過する光は、図9に太線
で示すように、実質的に高い回折効率で集光されること
になるので、不要次数光によるフレアの発生を有効に低
減することができる。なお、この不要次数光によるフレ
アの発生を有効に低減する効果は、この発明の基本的構
成を具える、以下に説明する実施例すべてに共通するも
のである。
【0064】なお、図8および図9を用いた説明では、
対象波長を可視域の0.49μmから0.70μmと
し、これをΔλA ,ΔλB ,ΔλC の3つの領域に分け
たが、この発明はこれに限られるものではなく、対象波
長は、赤外光、紫外光であってもよく、また分ける領域
の数も、対象波長域の広さなどにより2つ、あるいは4
つ以上とすることもできる。
【0065】図10は、この発明の回折光学系の第1実
施例を説明するための図である。この実施例は、図10
(a)に示すように、光源10からの照明光を、コレク
ターレンズ11およびコンデンサーレンズ12を有する
ケーラー照明光学系100を介して対象物13に照射
し、液晶回折レンズ20を含む結像光学系14によって
像面16に結像するよう構成したものである。
【0066】照明光学系を構成するコレクターレンズ1
1とコンデンサーレンズ12との間には、波長選択手段
30を設ける。この実施例では、波長選択手段30とし
て、図10(b)に示すような回転カラーフィルタを用
いる。この回転カラーフィルタには、透過波長域の異な
る3種類のバンドパスフィルタ38A,38B,38C
を、それぞれ照明光の光束33よりも大きな領域を有
し、かつ等角度の中心角をもつように扇型に設ける。な
お、各バンドパスフィルタは、例えば、複数の光学薄膜
を積層した干渉フィルタ、より簡単には特定の波長幅で
吸収を有するカラーフィルタをもって構成すると共に、
その透過波長範囲は、当該回折光学系が利用する全波長
範囲よりも狭く、また、3種類のバンドパスフィルタの
波長範囲の合計が、回折光学系が利用する全波長を満た
すようにする。
【0067】回転カラーフィルタは、ある回転角度で照
明光束が1つのバンドパスフィルタのみを透過するよう
に、照明光束の光軸に対し垂直で、かつその回転中心O
を照明光束の光軸からずらして配置して、例えばモータ
等の図示しない回転機構により一定速度で回転させ、こ
れにより3種類のバンドパスフィルタ38A,38B,
38Cを、一定時間領域ごとに照明光路内に順次挿入し
て、各バンドパスフィルタを透過する波長域ごとに照明
光の波長範囲を切り換えるようにする。なお、これらの
フィルタのバンドパス特性は、理想的には矩形である
が、一般的には図10(c)に示すように山形になる。
しかし、これは実質的にこの発明の効果に影響するもの
ではない。
【0068】この実施例の回折光学系の基本的動作は、
図8で説明した動作と同じである。すなわち、照明光
が、例えば回転カラーフィルタのバンドパスフィルタ3
8Aを透過している間は、電気的制御により液晶回折レ
ンズ20の回折効率が波長λAに対して最大となるよう
にする。ここで、バンドパスフィルタ38Aは、実質的
に波長範囲ΔλA の光しか透過させないので、液晶回折
レンズ20からは、図9に示したように、波長範囲Δλ
A において不要な回折次数の光がほとんど発生しない。
同様に、照明光がバンドパスフィルタ38Bあるいは3
8Cを透過している間は、液晶回折レンズ20の回折効
率がそれぞれ波長λB あるいはλC に対して最大になる
ようにする。
【0069】なお、波長選択手段30として、図10
(b)に示したように、バンドパスフィルタ38A〜3
8Cを直接隣接させると、照明光が2つの領域にまたが
って透過する瞬間が存在することになる。この瞬間が、
各バンドパスフィルタのみを透過している期間に比べて
十分短ければ実質的には問題ないが、そうでない場合に
は、液晶回折レンズ20で幾らかのフレアが発生するこ
とになる。このような場合には、図10(d)に示すよ
うに、バンドパスフィルタ38A〜38Cを不透明領域
36で分離して、照明光が2つのバンドパスフィルタに
またがる瞬間をなくすようにすればよい。
【0070】また、他の波長選択手段30として、図1
0(e)に示すように、各々透過波長域の異なる3種類
のバンドパスフィルタ38A〜38Cを同一面にモザイ
ク状に組み合わせて構成したものを用いることもでき
る。この場合、各バンドパスフィルタは、液晶ライトバ
ルブとカラーフィルタとを含む構成とする。ここで、液
晶ライトバルブは、偏光方向を直交させた2枚の偏光フ
ィルタ間にねじれた液晶を挟持し、液晶に適当な電圧を
印加できるように構成する。
【0071】このように構成すれば、液晶として、例え
ばTN型液晶を用いた場合、液晶のねじれに沿って偏光
方向が回転するため、偏光フィルタ間を光が透過する
が、液晶間に電圧を印加して液晶分子を偏光フィルタに
対して直立させると、入射光の偏光方向は液晶を透過し
ても保ち続けるので、2枚の偏光フィルタによって光は
遮蔽されることになる。したがって、各液晶への印加電
圧によって、入射光の透過と遮蔽とを制御することがで
きる。なお、各々透過波長域の異なる3種類のカラーフ
ィルタは、液晶ライトバルブの入射側もしくは射出側に
配置する。
【0072】図10(e)に示す波長選択手段30を用
いる場合には、同じカラーフィルタによって構成された
バンドパスフィルタ毎に印加電圧を制御して、一定時間
において特定のバンドパスフィルタのみが光を透過し、
他のフィルタは光を遮蔽するようにして、透過するバン
ドパスフィルタを順次切り換えることにより、照明光の
透過波長域を順次切り換える。この場合も、各バンドパ
スフィルタの大きさを照明光束に対して十分小さくする
ことにより、上記の回転カラーフィルタの場合と同様の
効果を得ることができる。
【0073】このように、波長選択手段30としてモザ
イクフィルタを用いた場合には、液晶回折レンズ20へ
の印加電圧を制御するのに用いる電気信号に同期した外
部信号によって、帯域光の切り換えを制御できるので、
液晶回折レンズ20との同期を容易にとることができ、
さらに、機械的可動部がないので、波長選択に伴う振動
による光学系への影響を抑えることができる。また、す
べての光束が全領域を満たす程度の大きさを有すれば良
いので、回転カラーフィルタを用いる場合に比べて、光
学系のコンパクトが可能となる。さらに、モザイクフィ
ルタよりなる波長選択手段30は、照明光学系または結
像光学系内の所望の位置に配置することができるので、
既存の光学系にも容易に適用できる利点がある。
【0074】以上説明した第1実施例による回折光学系
によれば、所定波長範囲に亘って、例えば可視域につい
ては図9に示したように、高い回折効率を実現できるの
で、不要回折次数光によるフレアの発生を実質的に無視
し得る程度まで抑えることができる。したがって、例え
ば、顕微鏡光学系、スライドプロジェクタ光学系、液晶
ビデオプロジェクタ光学系などに有効に適用することが
できる。
【0075】なお、図10(a)では、波長選択手段3
0をケーラー照明光学系100内に配置したが、原理的
には光源10と像面16との間の任意の位置に配置する
ことができるので、適用する光学系およびそれを含む光
学機器に応じて適当な位置に配置すればよい。
【0076】図11は、この発明の回折光学系の第2実
施例を示すもので、液晶回折レンズを液晶プロジェクタ
の光学系に適用したものである。この液晶プロジェクタ
は、光源10を含む照明光学系100によりカラー画像
を表示する液晶パネル37を照明し、その表示画像を液
晶回折レンズ20を含む結像光学系14によって像面1
6に投影するもので、基本的な構成は、図10(a)に
示した光学系と同様であるが、この実施例では、独立し
た波長選択手段を有していない。液晶パネル37は、カ
ラー液晶テレビに用いられている液晶ディスプレイのよ
うに、複数の波長域、例えば光の三原色、赤、緑、青
(各々の波長域をR,G,Bとする)に対応する多数の
画素によって構成し、例えばアクティブマトリクス方式
で駆動することにより、各画素毎に光の透過、遮蔽を制
御するようにする。
【0077】以下、液晶パネル37の各画素が、波長域
R、波長域G、波長域Bに対応し、各波長域の中心波長
を各々λR ,λG ,λB として、この実施例の動作を説
明する。上述したように、液晶パネル37は、各画素毎
に制御できるので、例えば波長域Rに対応する画素のみ
を透過状態にする。ただし、言うまでもなく、実際の使
用時においては、液晶パネル37には映像信号が加えら
れているので、波長域Rに対応する画素全てが透過状態
になるわけではない。この液晶パネル37の動作に同期
して、液晶回折レンズ20を、波長λR について最大の
回折効率となるように制御する。同様に、液晶パネル3
7の波長域Gあるいは波長域Bに対応する画素のみを透
過状態にすると共に、その液晶パネル37の動作に同期
して液晶回折レンズ20の位相シフト関数を、波長λG
あるいは波長λB について、最大の回折効率となるよう
に制御する。
【0078】このように動作させれば、任意の時点にお
いては、所定の波長域R,GまたはBのいずれかの光し
か液晶回折レンズ20を透過せず、また、そのとき液晶
回折レンズ20はその波長域の中心波長に対して回折効
率が最大となるように制御されるので、不要回折次数光
が殆ど発生しない。したがって、液晶パネル37を透過
する光の波長域と、それに対応した液晶回折レンズ20
が最大回折効率となる中心波長とを同期して高速に切り
換えれば、上述した実施例と同様に、不要回折次数光に
よるフレアのない高画質のカラー動画像を得ることがで
きる。
【0079】図12は、この発明の回折光学系の第3実
施例を示すものである。この実施例は、電子撮像光学系
を示すもので、異なる波長域を有する帯域光から構成さ
れる画像を選択的に順次取り込む撮像機構と、電気信号
によって回折面上の位相シフト関数を変化させる液晶回
折レンズ20とを有する。撮像機構は、それぞれ異なる
波長域を含む比較的狭い波長幅の像を取り込むことが可
能であり、例えば、光の三原色、赤、緑、青(各々の波
長域をR,G,Bとする)の光を選択的に取り込む機構
を有し、時分割して異なる波長域からなる画像を順次取
り込むようにする。
【0080】この実施例では、上記の撮像機構として、
単板式カラーカメラのようなカラーモザイクフィルタ3
5と光電変換型撮像素子(固体撮像素子)17とを組み
合わせたものを用いる。カラーモザイクフィルタ35
は、異なる中心波長を透過するカラーフィルタをモザイ
ク状に並べたもので、波長選択手段として作用する。
【0081】ここで、液晶回折レンズ20の位相シフト
関数が、例えば、波長域Rの中心波長λR に対して最適
化されているとき、すなわち、液晶回折レンズ20が波
長域Rの中心波長λR に関して回折効率が最大となるよ
うに印加電圧が制御されているとき、波長域Rに対応す
る画像信号のみを取り込むようにする。同様に、液晶回
折レンズ20が波長域GあるいはBの中心波長に関して
回折効率が最大となるように印加電圧が制御されている
とき、各々の波長域に対応する画像信号のみを取り込む
ようにする。
【0082】このようにして、撮像機構によって取り込
んだ画像は、それぞれ信号処理した後、各画像の取り込
みに同期して対応するフレームメモリに蓄える。各フレ
ームメモリには、1周期の波長域の切り換えで、各波長
域の画像が1枚ずつ得られるので、これらの各画像を重
ね合わせて、1枚(静止画)もしくは1フィールド(動
画)のカラー画像として、図示しないモニタ上に表示す
る。ただし、1枚(静止画)もしくは1フィールド(動
画)のカラー画像を得る際の各波長域の切り換えは、1
周期に限定されるものではなく、2周期以上行ったほう
が、時間平均化効果が高まるので好ましい。
【0083】この実施例によれば、各時間領域におい
て、取り込み用画像の波長範囲が、中心波長近傍の比較
的狭い波長範囲に制限され、さらにその制限された波長
範囲について、回折面の位相シフト関数が最適化されて
いるので、波長幅による回折効率の低下を有効に低減す
ることができる。したがって、撮像機構によって取り込
まれる波長域と、それに対応した液晶回折レンズ20の
最大回折効率となる中心波長とを同期して高速に切り換
えれば、上述した実施例と同様に、複数の波長、あるい
は帯域光を使用する画像取り込みにおいて、不要回折次
数光によるフレアのない高画質のカラー画像を得ること
ができる。
【0084】図13は、この発明の回折光学系の第4実
施例を示すものである。この実施例は、図12に示した
電子撮像光学系において、撮像系に多板式の撮像方式を
採用したものである。すなわち、撮像系を、異なる波長
域を有する帯域光毎に像を分離する光学部材、例えばダ
イクロイックプリズム18と、このダイクロイックプリ
ズム18で分離された各像の結像位置にそれぞれ配置し
た撮像機構、例えば固体撮像素子19とをもって構成し
て、各波長域の像を取り込むようにしたものである。各
像の取り込みは、一定時間内で1つの固体撮像素子19
を用いて像を取り込むようにし、像を取り込む固体撮像
素子19を順次切り換えるように制御する。
【0085】各波長域の像は、それぞれ信号処理した
後、各像の取り込みに同期してフレームメモリに格納す
る。各フレームメモリには、1周期の波長域の切り換え
で、各波長域の画像が1枚ずつ得られるので、これらの
各画像を重ね合わせて、1枚(静止画)もしくは1フィ
ールド(動画)のカラー画像として、図示しないモニタ
上に表示する。ただし、1枚(静止画)もしくは1フィ
ールド(動画)のカラー画像を得る際の各波長域の切り
換えは、1周期に限定されるものではなく、2周期以上
行ったほうが、時間平均化効果が高まるので好ましい。
【0086】液晶回折レンズ20は、図4において説明
したと同様に、固体撮像素子19による像の取り込みに
同期して、各像を構成する波長域の中心波長に関して回
折効率が100%となるように、液晶への印加電圧を制
御する。このようにすれば、上述した実施例と同様に、
各時間領域において、入射光は対応する結像面に実質的
に高い回折効率で集光されるので、不要回折次数光によ
るフレアの発生を有効に低減することができる。したが
って、各像を合成したカラー画像においても、同様にフ
レアの発生を有効に低減することができる。また、この
実施例では、多板式により各像を得ているので、像の解
像力を向上できる。
【0087】図14は、この発明の回折光学系の第5実
施例を示すものである。この実施例は、照明光学系10
0により異なる波長域を有する帯域光からなる光で物体
を順次照明し、その各像を液晶回折レンズ20を含む結
像光学系14によって固体撮像素子19に結像し、各波
長域毎に得られる画像を合成することにより、すなわち
面順次方式によりカラー画像を得るようにしたものであ
る。照明光学系100は、光源10から射出された光、
例えば白色光を、図10で説明した回転カラーフィルタ
やモザイクフィルタを有する波長選択手段30を用いて
複数の波長域、例えば光の三原色、赤、緑、青(各々の
波長域を、R,G,Bとする)に分割して、物体を順次
照明するように構成する。また、液晶回折レンズ20
は、照明光の波長域R,G,Bに応じて、それぞれ中心
波長λR ,λG ,λB について最大の回折効率となるよ
うに位相シフト関数を制御する。
【0088】このようにして、固体撮像素子19上に結
像される画像を、照明光の切り換えに同期して取り込ん
でそれぞれフレームメモリに格納し、各フレームメモリ
に格納した画像を重ね合わせて1枚のカラー画像として
モニタ上に表示する。なお、固体撮像素子19に代え
て、カラー写真フィルムやカラー写真乾板を用いること
もできる。これらの場合には、各波長域の光で順次露光
することにより、カラー画像を記録することができる。
【0089】この実施例によれば、任意の時点において
所定の波長域R,GまたはBのいずれかの光によって物
体が照明され、その波長域の中心波長に対して回折効率
が最大となるように液晶回折レンズ20が制御されるの
で、不要回折次数光が殆ど発生しない。したがって、照
明光の波長域と、それに対応した液晶回折レンズ20の
最大回折効率となる中心波長とを同期して高速に切り換
えれば、上述した実施例と同様に、不要回折次数光によ
るフレアのない高画質のカラー動画像を得ることができ
る。なお、この実施例は、光源10からの射出光以外の
照明光がない環境において有効であるので、例えば、胃
や大腸の内部等を観察する医療用内視鏡、エンジン内部
や各種配管の内部等を観察する工業用内視鏡に有効に用
いることができる。
【0090】付記 1.請求項1記載の回折光学系において、前記波長選択
手段は、多数の画素を有する液晶ライトバルブと、前記
画素に対応して配置されたカラーモザイクフィルタとを
含むことを特徴とする回折光学系。 2.請求項2記載の回折光学系において、前記撮像機構
は、カラーモザイクフィルタおよび光電変換型撮像素子
を含むことを特徴とする回折光学系。 3.入射光を異なる中心波長を有する帯域光ごとに分割
して、各帯域光を異なる位置に導く光学部材と、この光
学部材によって分割された帯域光から構成される画像を
順次取り込む撮像機構と、この撮像機構による画像取り
込みに同期して、液晶への印加電圧を制御することによ
り、前記画像を構成する帯域光の波長に対して回折効率
が最大となるように位相シフト関数の振幅を順次変化さ
せる回折面を持つ液晶回折レンズとを有することを特徴
とする回折光学系。 4.付記項3記載の回折光学系において、前記光学部材
は、ダイクロイックプリズムを含むことを特徴とする回
折光学系。 5.請求項3記載の液晶回折レンズにおいて、前記液晶
セルを、所定の回折レンズの位相シフト関数の一周期内
に複数割り当てて設けたことを特徴とする液晶回折レン
ズ。 6.付記項5記載の液晶回折レンズにおいて、所定の回
折レンズの位相シフト関数の一周期内で、0から2mπ
(m:整数)までの位相分布を有することを特徴とする
液晶回折レンズ。 7.多数の画素を有し、波長域の異なる帯域光から構成
される像を順次表示する液晶パネルと、印加電圧を制御
することにより所定の波長に対して回折効率が最大とな
るような位相シフト関数が変化する回折面を持つ液晶回
折レンズを含む投影光学系とを有し、前記液晶パネルを
透過する光の波長域と、前記液晶回折レンズの位相シフ
ト関数とを同期して切り換えるよう構成したことを特徴
とする回折光学系。 8.異なる波長域を有する帯域光によって、物体を順次
照明する照明手段と、その照明帯域光の切り換えに同期
して液晶への印加電圧を制御することにより、前記帯域
光の各所定の波長に対して回折効率が最大となるように
位相シフト関数が順次変化する回折面をもつ液晶回折レ
ンズとを有することを特徴とする回折光学系。
【0091】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、複数の波
長、あるいは帯域光で使用する場合において、不要次数
光によるフレアの発生を有効に防止することができ、回
折効率の波長依存に伴う光学系の性能低下を低減するこ
とができる。
【0092】請求項2記載の発明によれば、複数の波
長、あるいは帯域光からなる画像を取り込む場合におい
て、不要次数光によるフレアの発生を有効に防止するこ
とができ、回折効率の波長依存に伴う画像品質の低下を
低減することができる。
【0093】請求項3記載の発明によれば、各液晶セル
への印加電圧を適切に制御することにより、所望の回折
レンズの位相シフト関数を近似的に簡単に実現すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の回折光学素子を示す断面図である。
【図2】図1に示した回折光学素子における1次回折効
率の波長依存特性を示す図である。
【図3】図1に示した回折光学素子における0次回折効
率と2次回折効率との波長依存特性をそれぞれ示す図で
ある。
【図4】この発明の一実施形態における回折光学系の原
理を説明するための図である。
【図5】この発明に係る液晶回折レンズの一例の構成お
よびその動作を説明するための図である。
【図6】この発明に係る液晶回折レンズの他の例を示す
平面図である。
【図7】この発明に係る回折光学系に使用可能な液晶回
折レンズのさらに他の例の構成を示す断面図である。
【図8】この発明に係る回折光学系の基本的構成を説明
するための図である。
【図9】図8に示した集光光学系の回折効率の波長依存
特性を示すものである。
【図10】この発明の回折光学系の第1実施例を説明す
るための図である。
【図11】同じく、第2実施例を説明するための図であ
る。
【図12】同じく、第3実施例を示す図である。
【図13】同じく、第4実施例を示す図である。
【図14】同じく、第5実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 基材 2 レリーフパターン 10 光源 11 コレクターレンズ 12 コンデンサーレンズ 13 対象物 14 光学系 15 開口 16 像面 17,19 固体撮像素子 18 ダイクロイックプリズム 20 液晶回折レンズ 21 液晶セル 22 輪帯状電極 23 液晶 24 電極引出線 25 偏光板 26 基板 27 薄膜透明電極 28 対向電極 30 波長選択手段 31,32,38A,38B,38C バンドパスフィ
ルタ 33 照明光 35 モザイクフィルタ 36 不透明領域 37 液晶パネル 39A,39B,39C 液晶カラー画素 40 カラー画像撮像素子 100 照明光学系

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる波長域を有する帯域光を選択的に
    順次入射させる波長選択手段と、 この波長選択手段による入射帯域光の切り換えに同期し
    て、液晶への印加電圧を制御することにより、前記帯域
    光の各所定の波長に対して回折効率が最大となるように
    位相シフト関数を順次変化させる回折面をもつ液晶回折
    レンズとを有することを特徴とする回折光学系。
  2. 【請求項2】 異なる波長域を有する帯域光から構成さ
    れる画像を選択的に順次取り込む撮像機構と、 この撮像機構による画像取り込みに同期して、液晶への
    印加電圧を制御することにより、前記画像を構成する帯
    域光の各所定の波長に対して回折効率が最大となるよう
    に位相シフト関数を順次変化させる回折面をもつ液晶回
    折レンズとを有することを特徴とする回折光学系。
  3. 【請求項3】 電極間に設けた光学的に一軸性の異方性
    を有する液晶を含む液晶セルを複数有し、各液晶セルの
    前記電極間に印加する電圧を制御することにより、各々
    の液晶セルの屈折率を制御して、所望の位相シフト関数
    を近似的に実現し得るよう構成したことを特徴とする液
    晶回折レンズ。
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