JPH09189870A - 透過光量制御素子 - Google Patents

透過光量制御素子

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JPH09189870A
JPH09189870A JP1700896A JP1700896A JPH09189870A JP H09189870 A JPH09189870 A JP H09189870A JP 1700896 A JP1700896 A JP 1700896A JP 1700896 A JP1700896 A JP 1700896A JP H09189870 A JPH09189870 A JP H09189870A
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movable electrode
electrode
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light
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JP1700896A
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Nobuyuki Yamamura
信幸 山村
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 クーロン力により可動電極を開閉して透過光
量を制御できる透過光量制御素子を提供する。 【解決手段】 基本的には可動電極5と固定電極3で構
成される。2つの電極間にクーロン引力が働いていない
時には可動電極5を基板1の面に対し逆方向に湾曲させ
ることにより、開口部9を大きく露出させ、光を透過さ
せる。2つの電極間にクーロン引力が働かせた時には、
可動電極が固定電極面に対し引き寄せられ、開口部9を
被覆して、遮光状態を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透過光量制御素子に関す
るものであり、産業上の応用分野は印刷装置や表示装置
である。ここで言う透過光量制御素子とは、素子が形成
されている基板を透過する光の光量を電気的に制御する
素子を言う。
【0002】また、ここで言う透過光量制御素子を用い
た印刷装置とは、帯電した感光ドラム上に所望のパター
ンの光を照射し、光が照射されなかった部分にトナーを
静電気により吸着させ、さらに、このトナーを紙に転写
させて所望の画像や文字を印刷する装置のことである。
【0003】また、ここで言う透過光量制御素子を用い
る表示装置とは、背後に冷陰極管やエレクトロルミネッ
センスなどの発光体(以下バックライトと言う)を置い
て、その発光体からの透過光量を制御する装置をバック
ライトの前面に置くことにより画像や文字を表示させる
装置のことである。あるいは、バックライトを用いず、
透過光量制御素子により透太陽光や電灯などの外部から
の光の透過光量と反射光量を制御して、画像や文字を表
示させる装置のことである。
【従来の技術】
【0004】従来より、クーロン力により可動電極を動
かすことを利用した表示装置が提案されている。
【0005】周知のように、クーロン力とは、正と負の
電荷の間には引力(以下、クーロン引力と言う)が働
き、正電荷同士あるいは負電荷同士の間には斥力(以
下、クーロン斥力と言う)が働くものである。
【0006】図47はクーロン力を利用した公知の表示
装置である。基板51の上に固定電極52が形成されて
いる。可動電極54は絶縁体55と共に支柱53の上に
形成されている。支柱53により固定電極52と可動電
極54とは隔離されている。
【0007】動作原理は、固定電極52と可動電極54
の間に電圧を印可し、それぞれ正と負の電荷を発生させ
る。
【0008】正と負の電荷が発生すると、クーロン引力
によって可動電極54が固定電極52側に引き寄せられ
る。動作原理は、この可動電極54の機械的変位を利用
して、光の進路を制御して、それを表示装置として利用
しようと言うものである。
【0009】この素子を、透過光量制御素子として使う
ためには多くの制限があった。第1に、可動電極54も
固定電極52も不透明体でなければならない。何故なら
ば、図47の構造では、可動電極54や固定電極52が
透明であると、可動電極54の動作に関わらず、光は透
過するだけで、透過光量を制御できないからである。第
2に、図47から分かるように、可動電極54と固定電
極52間の間隔が5μm以下と狭いために光の絶対透過
量が少ない。従って、印刷装置や表示装置用の透過光量
制御素子としての応用は困難であるのが実情であった。
【発明が解決しようとする課題】
【0010】本発明は、クーロン力で可動電極を動かす
ことを利用した透過光量制御素子において、透過光量を
増大させ、かつ透過光量を印可電圧で制御させることを
課題とした。
【課題を解決する手段】
【0011】本発明は、クーロン引力が働いていない時
には、可動電極を固定電極面に対し逆方向に湾曲させる
ことにより開口部を増やし、透過光量を増やそうとする
ものである。
【0012】さらに、可動電極あるいは固定電極の形状
を変化させることにより、印可電圧による透過光量制御
を容易にしようとするものである。
【0013】あるいは、固定電極の表面に厚みに変化を
持たせた絶縁層を設けることにより、同一電圧でそれぞ
れの場所で生ずるクーロン力に差を持たせ、印可電圧に
よる透過光量制御を容易にしようとするものである。
【作用】
【0014】図1と図2を用いて、本発明に基づく透過
光量制御素子の基本動作を説明する。図1は、本素子の
平面図である。図2は、図1のA−B断面図である。
【0015】本発明による透過光量制御素子は、図1に
示すように、基本的に固定電極3と可動電極5からな
る。素子全体は、クーロン力による安定な動作を確保す
るため、低湿度のセルの中に封入されていることが好ま
しい。
【0016】図2に示すように、固定電極3は、基板1
に直接あるいは任意の膜を介して固定されている電極で
ある。固定電極3は、固定遮光部2と透明絶縁層4によ
って被覆されている。可動電極5は可動電極可動部6、
可動電極固定部8から構成される。可動電極可動部6は
可動部分である。可動電極固定部8は、透明絶縁層4を
介して基板1あるいは固定電極3の上に固定されてい
る。この可動電極5において、可動電極固定部8の反対
側を可動電極先端部7と言う。
【0017】図1及び図2は、可動電極5と固定電極3
が等電位、すなわちクーロン引力が働いていない状態で
の基本形状を示す。透明絶縁層4の部分が、光が透過で
きる開口部8となる。
【0018】従来技術の欠点を解決する本発明の主眼
は、図2に示すように可動電極5を固定電極3の面の反
対側に湾曲させて透過光量を大きし光透過状態を実現さ
せるものである。さらに、可動電極5と固定電極間3の
間に電圧を印可し、それぞれに正と負の逆の電荷を発生
させることにより、可動電極5は固定電極3の側にクー
ロン引力によって引きつけられ遮光状態を実現させるも
のである。
【0019】
【実施例1】図3から図18を用いて、本素子の製造お
よび動作の実施例1を示す。実施例1は、本発明に基づ
く透過光量制御素子の基本構造と製法を示す。
【0020】図3は、基板11の上に透明樹脂12、遮
光樹脂13および保護膜14を形成した時の平面図であ
る。図4は、図3のA−B断面図である。
【0021】基板11の材料はガラスである。透明樹脂
12の材料には、紫外線硬化型のアクリル樹脂を用い
た。遮光樹脂13は黒色顔料を分散した感光性アクリル
樹脂である。保護膜14は透明アクリル樹脂である。
【0022】遮光樹脂13はスピンコート法で形成し、
厚さは1.5μmである。遮光樹脂13のパターン形成
には、半導体製造工程で良く知られているフォトリソグ
ラフィ法(以下、PL法と言う)を用いて形成した。次
に、透明樹脂12はスピンコート法で形成し、厚さは
1.5μmである。この透明樹脂12に基板面側から紫
外線を照射させて、遮光樹脂13が無い部分のカラーフ
ィルター12を硬化させ、硬化しなかった部分は溶剤で
除去した。保護膜14は遮光樹脂13の保護と平坦化の
目的のために形成した。製法は、スピンコート法で形成
し、厚さは0.5μmである。
【0023】図5は、次に固定電極14のパターンを形
成した時の平面図である。図6は図5のA−B断面図で
ある。
【0024】固定電極15は透明電極で材料は酸化イン
ジウムである。
【0025】固定電極15の形成方法にはスパッタリン
グ法を用い、形成温度は100℃、厚さは200nmで
ある。
【0026】図7は、絶縁膜16のパターンを形成した
時の平面図である。図8は、図7のA−B断面図であ
る。
【0027】絶縁膜16の材料は酸化タンタルである。
酸化タンタルの形成にはスパッタリング法を用い、形成
温度は150℃、厚さは400nmである。
【0028】図9は、除去膜17のパターンを形成した
時の平面図である。図10は、図9のA−B断面図であ
る。
【0029】除去膜17の材料は、フォトレジストであ
る。
【0030】除去膜17の形成にはスピンコート法を用
い、厚みは0.5μmである。パターン形成は、除去膜
17を露光した後、現像し熱乾燥させた。
【0031】図11は、可動電極18のパターンを形成
した時の平面図である。図12は、図11のA−B断面
図である。
【0032】可動電極18の材料はクロムである。
【0033】可動電極の形成方法にはスパッタリング法
を用い、形成温度は150℃、厚さは300nmであ
る。パターン形成にはPL法を用いた。
【0034】図13は可動電極固定部19と可動電極可
動部20を明示するための参考図である。図14は図1
3のA−B断面図である。
【0035】図15は、図9で示した除去膜17を除去
した直後の平面図である。図16は、図15のA−B断
面図である。
【0036】図9で示す除去膜17の除去には、酸素プ
ラズマの中で除去膜17を灰化処理して除去した。除去
後、可動電極18は、材料であるクロムの内部応力のた
め、図16に示すように基板の反対側に大きく湾曲し
た。
【0037】この状態は、図5で示す固定電極15と可
動電極18が等電位の状態と同等である。そして、光
は、開口部21を通して透過できる。
【0038】図17は、遮光状態を示す平面図である。
図18は、図17のA−B断面図で、遮光状態を示す。
【0039】可動遮光部22は図11で示した可動電極
18で構成されている。固定遮光部23は、図3で示し
た遮光樹脂13と図5で示した固定電極15で構成され
ている。固定電極15と可動電極18の間に電圧を印可
すると、クーロン引力により可動遮光部22が基板側に
引きつけられる。この動作によって光透過を遮断させる
ことができた。
【0040】図15と図16の光透過状態から分かるよ
うに分かるように、図1に示す従来技術では光透過は困
難であったが、本発明による透過光量制御素子を用いれ
ば、無電界状態で光を多量に透過できた。そして、図1
7と図18で示すように電圧印可により遮光状態も実現
できた。
【0041】
【実施例2】図19から図34を用いて、本素子の製造
および動作の実施例2を示す。実施例2は、可動電極を
多層構造として湾曲を大きくし、かつ固定電極の形状を
変えて、中間調表示を容易にしたものである。
【0042】図19は、基板24の上にカラーフィルタ
ー25、遮光樹脂26および保護膜27を形成した時の
平面図である。図20は、図19のA−B断面図であ
る。
【0043】基板24の材料はガラスである。実施例2
では、カラーフィルター25の材料は赤の波長の光を透
過する顔料を分散した感光性アクリル樹脂を用いたが、
波長そのものが何であるかは本発明とは関係は無く、顔
料は所望の波長の光を透過できるものを自由に選択でき
る。遮光樹脂26は黒色顔料を分散した感光性アクリル
樹脂である。保護膜27は透明アクリル樹脂である。
【0044】遮光樹脂26の形成には、スピンコート法
を用い、厚さは1.5μmである。遮光樹脂26のパタ
ーン形成にはPL法を用いて形成した。次に、カラーフ
ィルター25の形成にはスピンコート法を用い、厚さは
1.5μmである。このカラーフィルター12に基板面
側から紫外線を照射させて、遮光樹脂26が無い部分の
カラーフィルター25を硬化させ、硬化しなかった部分
は溶剤で除去した。保護膜27の形成には、スピンコー
ト法を用い、厚さは0.5μmである。
【0045】図21は、次に固定電極28のパターンを
形成した時の平面図である。図22は図21のA−B断
面図である。
【0046】固定電極28は透明電極で材料は酸化イン
ジウムである。
【0047】固定電極28の形成方法にはスパッタリン
グ法を用い、形成温度は100℃、厚さは200nmで
ある。パターンはPL法で形成した。パターンの形状に
ついては、図33で説明する。
【0048】図23は、絶縁膜29を形成した時の平面
図である。図24は、図23のA−B断面図である。
【0049】絶縁膜29の材料は酸化タンタルである。
【0050】絶縁膜29の形成には陽極酸化法を用い
た。製造方法は、まず、スパッタリング法によって金属
タンタルを形成する。形成温度は150℃、厚さは40
0nmである。次に図21に示す固定電極28を陽極電
極として、陽極酸化液中で表面の金属タンタルを陽極酸
化したものである。
【0051】図25は、除去膜30のパターンを形成し
た時の平面図である。図26は、図25のA−B断面図
である。
【0052】除去膜30の材料は、フォトレジストであ
る。
【0053】除去膜30の形成にはスピンコート法を用
い、厚みは0.5μmである。パターン形成は、除去膜
30をパターン露光した後、現像したものである。
【0054】図27は、可動電極31のパターンを形成
した時の平面図である。図28は、図27のA−B断面
図である。
【0055】可動電極31は、図28に示すように、下
部可動電極33と上部可動電極32の2層で構成されて
いる。下部可動電極33の材料はタンタルである。上部
可動電極32の材料はアルミニウムである。
【0056】下部可動電極33の形成にはスパッタリン
グ法を用い、形成温度は150℃、厚さは200nmで
ある。上部可動電極32の形成にはスパッタリング法を
用い、形成温度は150℃、厚さは300nmである。
下部可動電極33と上部可動電極32は、2層連続スパ
ッタリングで形成した。パターン形成にはPL法を用
い、クロムとアルミニウムを2層連続エッチングした。
【0057】図29は可動電極固定部34と可動電極可
動部35を明示するための参考図である。図30は図2
9のA−B断面図である。
【0058】図31は、図24で示した除去膜30を除
去した直後の平面図である。図32は、図31のA−B
断面図である。
【0059】除去膜の除去には、酸素プラズマの中で除
去膜を灰化処理して除去した。除去後、可動電極31
は、材料であるタンタルとアルミニウム間の機械的応力
のため、図32に示すように基板の反対側に巻物状に大
きく湾曲した。
【0060】図31の状態は、図21で示す固定電極2
8と可動電極31が等電位の状態と同等である。そし
て、光は開口部36を通して透過できる。
【0061】図33は、遮光状態を示した平面図であ
る。図34は、図33のA−B断面図である。
【0062】図33で示す可動遮光部38の遮光材料
は、図27で示した上部可動電極32と下部可動電極3
3の2層からなる可動電極31で構成されている。固定
遮光部37の主たる遮光材料は図19で示した遮光樹脂
26である。図21で示す固定電極26と図27で示す
可動電極31の間に電圧を印可すると、クーロン引力に
より可動遮光部38が基板側に引きつけられる。この動
作では、光の透過は遮断された。
【0063】固定電極29のパターンの形状は、可動電
極固定部近傍からから可動電極先端部近傍にかけて、単
位長当たりの固定電極29の面積が小さくなるような構
造とした。この構造により、可動電極31が基板側に引
き寄せられ始める遮光開始電圧と、完全に遮光される遮
光完了電圧の間の電圧差が実施例1より大きくなった。
これにより、透過光量を電圧で制御するための設計を、
つまり中間調表示を容易にすることができる。
【0064】遮光開始電圧と、遮光完了電圧の間の電圧
差を大きくするには、可動電極固定部から可動電極先端
部に向かって、図23の絶縁膜29の厚さを増すことに
よっても得ることができる。
【0065】
【実施例3】図35から図46を用いて、本素子の製造
および動作の実施例3を示す。実施例3は、透明樹脂を
固定電極と可動電極の間の層間絶縁層として用い、工程
を簡略化した例である。
【0066】図35は、基板39の上に、配線金属41
と固定電極40のパターンを形成した時の平面図であ
る。図36は、図35のA−B断面図である。
【0067】基板39の材質はプラスチックである。配
線金属41の材質はタンタルである。配線金属41を用
いた理由は配線抵抗を低減する目的であり、タンタル以
外の金属でも良い。固定電極40は透明電極で材料は酸
化インジウムである。
【0068】配線金属41の形成にはスパッタリング法
を用い、形成温度は100℃、厚さは200nmであ
る。パターンはPL法で形成した。次に、固定電極40
の形成にはスパッタリング法を用い、形成温度は100
℃、厚さは100nmである。パターンはPL法で形成
した。
【0069】図37は、遮光樹脂42、透明樹脂43お
よび保護膜44を形成した時の平面図である。図38
は、図37のA−B断面図である。
【0070】遮光樹脂42は黒色顔料を分散した感光性
アクリル樹脂である。透明樹脂43の材料は、透明な感
光性アクリル樹脂である。保護膜44は酸化タンタルで
ある。
【0071】遮光樹脂42の形成にはスピンコート法を
用い、厚さは1.5μmである。遮光樹脂42のパター
ン形成にはPL法を用いた。次に、透明樹脂43の形成
にはスピンコート法を用い、厚さは1.5μmである。
この透明樹脂43に基板面側から紫外線を照射させて、
遮光樹脂42が無い部分の透明樹脂43を硬化させ、硬
化しなかった部分は溶剤で除去した。保護膜44の形成
には、酸素プラズマ内での反応性スパッタリング法を用
い、厚さは0.3μmである。
【0072】図39は、除去膜45のパターンを形成し
た時の平面図である。図40は、図39のA−B断面図
である。
【0073】除去膜45の材料は、ポリビニルアルコー
ルである。
【0074】除去膜45の形成にはスピンコート法を用
い、厚みは0.5μmである。パターン形成には、UV
(ウルトラバイオレット)レーザー光を不要な部分に照
射しポリビニルアルコールを気化して除去した。
【0075】図41は、順に、可動遮光膜46と可動電
極47のパターンを形成した時の平面図である。図42
は、図41のA−B断面図である。
【0076】可動遮光膜46の材料は黒色顔料を分散し
た感光性アクリル樹脂である。可動電極47の材料はア
ルミニウムである。
【0077】可動遮光膜46の形成にはスピンコート法
を用い、厚さは1.5μmである。可動遮光膜46のパ
ターン形成には、直接可動遮光膜46にパターン露光し
て硬化させ、非露光部を溶剤で除去することによって形
成した。可動電極47の形成方法にはスパッタリング法
を用い、形成温度は150℃、厚さは300nmであ
る。パターン形成にはPL法を用いた。可動電極の形状
は、可動電極固定部から、可動電極先端部にかけて、図
41に示すような線状のパターンを用い、可動電極が巻
物状に巻き込まれる時の巻き込み動作を安定化させた。
【0078】図43は、図39で示した除去膜45を除
去した直後の平面図である。図44は、図43のA−B
断面図である。
【0079】除去膜45の除去には、水中で洗浄するこ
とによって除去膜45の材料であるポリビニルアルコー
ルを水に溶解させることによって除去した。除去後、可
動電極47は、材料である可動遮光膜46と可動電極4
7の間の機械的応力のため、図44に示すように基板面
の反対側に巻物状に大きく湾曲した。
【0080】この状態は、図35で示す固定電極40と
可動電極46が等電位の状態と同等である。そして、光
は開口部48を通して透過する。
【0081】図45は、遮光状態を示した平面図であ
る。図46は、図45のA−B断面図である。
【0082】実施例3から分かるように、図37で示し
た遮光樹脂42と図41で示した可動遮光膜が同色にで
きる。実施例3では黒色樹脂を用いたが、所望の色の顔
料が分散された樹脂を用いることができる。これは、実
施例6に示すような反射型の表示装置に利用可能であ
る。
【0083】
【実施例4】図48は、本発明に基づく透過光量制御素
子を1次元状に複数個配した例を示す。図49は、本構
造を印刷装置に応用した例を示す。
【0084】図48に用いた本素子は、実施例1で示し
た構造の素子を用いたものである。電源58とスイッチ
56により個々のセルに電圧を印可した。固定電極59
は共通電極である。スイッチ56は、電子回路によって
構成した。各セルの可動電極と固定電極59が等電位で
あると可動電極は湾曲して開口セル60となり光を透過
する。電圧が印可されると可動電極が固定電極側に引き
寄せられ遮光セル61となり光を遮断する。開口セル6
0で示す2つの開口部以外は図3で示す遮光樹脂以外1
3で被覆され、遮光部57となり光は透過できない。
【0085】印刷の原理は、図49で示すように、光源
62の光を本発明に基づく透過光量制御素子63によっ
て透過光を制御しレンズで感光ドラム66の上に焦点を
結ぶ。感光ドラムは放電器65で帯電される。この帯電
した感光ドラムに、透過光量制御素子によって透過され
た光が照射されると、光が照射された部分は光電効果に
よって電子が発生し、帯電状態から非帯電状態に中和さ
れる。この感光ドラムにトナー供給器68から帯電状態
部に、静電気によってトナーを吸着させ、そのトナーを
紙69に転写することによって印刷するものである。ク
リーナー68は紙69に転写されなかったトナーを除去
するものである。
【0086】
【実施例5】図50は、本発明に基づく透過光量制御素
子を2次元状に複数個配した例を示す。図51は、本構
造をバックライトを用いるカラー表示装置に応用した例
を示す。
【0087】図50に用いた本素子は、実施例2で示し
た構造の素子を用いたものである。個々のセルは、薄膜
トランジスター76で駆動した。個々のセルの可動電極
は薄膜トランジスターの出力端子に、可動電極接続部7
4によって、結線され電圧が印可される。個々のセルの
固定電極は前段ゲートに、固定電極接続部75によっ
て、結線されている。薄膜トランジスターのゲートは、
ゲート駆動回路71からの信号のよりゲート線73を通
じて制御される。データ信号は、データ信号駆動回路7
0によって供給され、データ線72を通じて薄膜トラン
ジスターの入力端子に供給される。各セルは個々のカラ
ーフィルターを有し、全体では赤配列77、緑配列78
および青配列79の列状に配されている。
【0088】表示の原理は、図51に示すように、表示
パネル82の背面に面状光源であるバックライト面80
を有している。バックライト面80と表示パネル82は
接続部84で接続されている。間隙は0.5mmであ
る。間隙は、封入部81となり本発明に基づく透過光量
制御素子は封入部81側に形成されている。観測側83
から見るとバックライト面の光が表示パネル82に配さ
れた透過光量制御素子によって制御され画像や文字を表
示するものである。
【0089】
【実施例6】図52は、本発明に基づく透過光量制御素
子を2次元状に複数個配した例を示す。図53は、本構
造をバックライトを用いない反射型表示装置に応用した
例を示す。
【0090】図52に用いた本素子は、実施例3で示し
た構造の素子を用いたものである。そして、図38で示
した遮光樹脂42と、可動遮光膜46には、白色顔料を
分散したアクリル樹脂を用いている。個々のセルは、単
純なマトリックス状に配されている。個々のセルの固定
電極は走査線88を兼ねており、走査信号駆動回路86
に結線されている。 個々のセルの可動電極はデータ線
87を兼ねており、走査信号駆動回路86に結線されて
いる。
【0091】表示の原理は、図53に示すように、表示
パネル91の背面に黒色パネル89を有している。黒色
ぱねる89と表示パネル91は接続部93で接続されて
いる。間隙は0.5mmである。間隙は、封入部90と
なり本発明に基づく透過光量制御素子は封入部90側に
形成されている。観測側92から見ると、可動電極が固
定電極側に引き寄せられると白色になり、逆方向に湾曲
して開口すると背面の黒色がパネルが観測できるため。
これによって画像や文字を表示するものである。
【0092】
【発明の効果】本発明による透過光量制御素子は、線状
あるいはマトリックス状に多数配することにより、印刷
装置や表示装置として利用できる。液晶表示装置のよう
に偏光板を用いる必要が無いため、光の利用効率が高
く、コントラストの視野角依存も無い理想的な表示装置
を提供できる。また、プラスチックの単一基板の上にも
形成できるため、大型で軽量の表示装置も提供できる。
【0093】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による透過光量制御素子の平面図であ
る。
【図2】図1の断面図である。
【図3】実施例1の製造工程の一部を示す平面図であ
る。
【図4】図3の断面図である。
【図5】実施例1の製造工程の一部を示す平面図であ
る。
【図6】図5の断面図である。
【図7】実施例1の製造工程の一部を示す平面図であ
る。
【図8】図7の断面図である。
【図9】実施例1の製造工程の一部を示す平面図であ
る。
【図10】図9の断面図である。
【図11】実施例1の製造工程の一部を示す平面図であ
る。
【図12】図11の断面図である。
【図13】実施例1の製造工程の一部を示す平面図であ
る。
【図14】図13の断面図である。
【図15】実施例1の製造工程の製造完了と素子の光透
過状態を示す平面図である。
【図16】図15の断面図である。
【図17】実施例1の素子の遮光状態を示す平面図であ
る。
【図18】図17の断面図である。
【図19】実施例2の製造工程の一部を示す平面図であ
る。
【図20】図19の断面図である。
【図21】実施例2の製造工程の一部を示す平面図であ
る。
【図22】図21の断面図である。
【図23】実施例2の製造工程の一部を示す平面図であ
る。
【図24】図23の断面図である。
【図25】実施例2の製造工程の一部を示す平面図であ
る。
【図26】図25の断面図である。
【図27】実施例2の製造工程の一部を示す平面図であ
る。
【図28】図27の断面図である。
【図29】実施例2の製造工程の一部を示す平面図であ
る。
【図30】図29の断面図である。
【図31】実施例2の製造工程の製造完了と素子の光透
過状態を示す平面図である。
【図32】図31の断面図である。
【図33】実施例2の素子の遮光状態を示す平面図であ
る。
【図34】図33の断面図である。
【図35】実施例3の製造工程の一部を示す平面図であ
る。
【図36】図35の断面図である。
【図37】実施例3の製造工程の一部を示す平面図であ
る。
【図38】図37の断面図である。
【図39】実施例3の製造工程の一部を示す平面図であ
る。
【図40】図39の断面図である。
【図41】実施例3の製造工程の一部を示す平面図であ
る。
【図42】図41の断面図である。
【図43】実施例3の製造工程の製造完了と素子の光透
過状態を示す平面図である。
【図44】図43の断面図である。
【図45】実施例3の素子の遮光状態を示す平面図であ
る。
【図46】図45の断面図である。
【図47】従来技術の素子の構造を示す側面図である。
【図48】プリンターへの応用例の基本概念図である。
【図49】プリンターの全体構成図である。
【図50】バックライトを用いてカラー表示をする時の
基本概念図である。
【図51】カラー表示の全体構成図である。
【図52】反射型表示装置のの基本概念図である。
【図53】反射型表示装置の全体構成図である。
【符号の説明】
1 基板 2 固定遮光部 3 固定電極 4 透明絶縁層 5 可動電極 6 可動電極先端部 7 可動電極固定部 8 開口部 11 基板 12 カラーフィルター 13 遮光樹脂 14 保護膜 15 固定電極 16 絶縁膜 17 除去膜 18 可動電極 19 可動電極の固定部 20 可動電極の可動部 21 開口部 22 可動遮光部 23 固定遮光部 24 基板 25 遮光樹脂 26 カラーフィルター 27 保護膜 28 固定電極 29 絶縁膜 30 除去膜 31 可動電極 32 上部可動電極 33 下部可動電極 34 可動電極の固定部 35 可動電極の可動部 36 開口部 37 固定遮光部 38 可動遮光部 39 基板 40 固定電極 41 配線金属 42 遮光樹脂 43 透明樹脂 44 保護膜 45 除去膜 46 可動遮光膜 47 可動電極 48 開口部 51 基板 52 固定電極 53 支柱 54 可動電極 55 絶縁体 56 スイッチ 57 遮光部 58 電源 59 固定電極 60 開口セル 61 遮光セル 62 光源 63 透過光量制御素子 64 レンズ 65 放電器 66 感光ドラム 67 クリーナー 68 トナー供給器 69 紙 70 データ信号駆動回路 71 ゲート駆動回路 72 データ線 73 ゲート線 74 可動電極接続部 75 固定電極接続部 76 薄膜トタンジスター 77 赤色列 78 緑色列 79 青色列 80 バックライト面 81 封入部 82 表示パネル 83 観測側 84 接着部 85 データ駆動回路 86 走査線駆動回路 87 データ線 88 走査線 89 黒色背面 90 封入部 91 表示パネル 92 観測側 93 接着部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不透明体である可動電極と、一部あるい
    は全部が透明体である固定電極を有することを特徴とす
    る透過光量制御素子の構造
  2. 【請求項2】 該可動電極の固定部から該可動電極の可
    動部先端にいくに従って、該可動電極と該固定電極の間
    の面間隔が大きくなる部分を有することを特徴とする透
    過光量制御素子の構造
  3. 【請求項3】 該可動電極の固定部から該可動電極の可
    動部先端にいくに従って、該可動電極と該固定電極の対
    向する単位長当たりの電極の面積が小さくなる部分を有
    することを特徴とするを透過光量制御素子の構造
  4. 【請求項4】 該可動電極表面と該固定電極表面の少な
    くとも片方の電極において、その一部あるいは全面が電
    気絶縁層で被覆されていることを特徴とする透過光量制
    御素子の構造
  5. 【請求項5】 該固定電極表面の一部あるいは全面を被
    覆している電気絶縁層において、その電気絶縁層の厚み
    に変化を持たせた部分を持つことを特徴とする透過光量
    制御素子の構造
  6. 【請求項6】 該可動電極が少なくとも1層は不透明体
    である2層以上の層で構成されていることを特徴とする
    を透過光量制御素子の構造
  7. 【請求項7】 2層以上の層から構成された該可動電極
    において、少なくとも1層は、該可動電極の固定部から
    該可動電極の先端部に向う線状のパターン形状を有して
    いることを特徴とする透過光量制御素子の構造
  8. 【請求項8】 該可動電極と基板の間に、特定の波長幅
    の光を透過させるカラーフィルターを設けたことを特徴
    とする透過光量制御素子の構造
  9. 【請求項9】 該可動電極と該固定電極の間に印可され
    る電圧によって、該透過光量制御素子の開口部を透過す
    る量を制御された光を利用することにより、画像や文字
    を表示させることを特徴とする表示装置。
  10. 【請求項10】該可動電極と該固定電極の間に印可され
    る電圧によって、該透過光量制御素子の開口部を透過す
    る量を制御された光を利用することにより、感光ドラム
    へ画像や文字情報を転送することを特徴とする印刷装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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