JPH09188293A - 海苔養殖作業用船 - Google Patents

海苔養殖作業用船

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JPH09188293A
JPH09188293A JP398696A JP398696A JPH09188293A JP H09188293 A JPH09188293 A JP H09188293A JP 398696 A JP398696 A JP 398696A JP 398696 A JP398696 A JP 398696A JP H09188293 A JPH09188293 A JP H09188293A
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JP
Japan
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hull
seaweed
net
center position
acid treatment
Prior art date
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JP398696A
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English (en)
Inventor
Ginga Yamashita
銀河 山下
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸処理槽内で処理液が外気に触れる時間を短
くして処理液の劣化を軽減させるようにして、酸処理効
率の向上を図った。 【解決手段】 船体前後方向に延在するとともに船体前
部から船体1上に導いた海苔網9を船体後方に案内する
ガイドレール4と、上記海苔網9を酸処理するための酸
処理槽7とを設け、この酸処理槽7は、その前部に処理
液を供給する処理液噴射管72を有するとともに、後部
に処理液を回収する回収パイプ71を有している海苔養
殖作業用船において、船体1が海苔網9から受ける荷重
の荷重中心位置18を、船体1の浮力中心位置16より
も後方に位置させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、海苔養殖作業用
船に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の海苔養殖用作業船とし
て、船体上部に海苔網用ガイドが取付けられ、このガイ
ドの前端部を船首より前方に突出させるとともにその前
端を海面下に水没させた状態で海苔網に向かって前進す
ることによって、海苔網を船上に導いて船上で海苔を連
続的に採取するようにしたものが知られている。すなわ
ち、海苔養殖用作業船はその船体上に海苔網用ガイドが
設けられ、このガイドは船体前部の海苔刈り取り装置の
直上およびブリッジの上側を通って船尾側へ延在されて
おり、この海苔網用ガイドに沿って酸処理槽が設けられ
ている。そしてポンプによりこの処理液タンク中の処理
液(酸液)を酸処理槽の上流端に供給するとともに、酸
処理槽の下流端から処理液を処理液タンクに回収するよ
うにしている。そして船を前進させることにより海上の
海苔網を掬い上げて海苔網用ガイドに沿って船尾方向に
移動させつつ海苔刈り取り装置によって海苔網に付着し
ている海苔を刈り取り、ついで酸処理槽を通過させるこ
とにより海苔網を処理液に浸漬させて酸処理するように
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記構成では、酸処理
槽を流れる処理液は、海苔網の移動に伴って前部から後
部に向かって流れることになり、この間に長時間外気に
触れることによって徐々に劣化することになる。また海
中から掬い上げられて酸処理槽に到達した海苔網には海
水が含まれているために、酸処理槽の後部には海水が溜
りがちになり、これによって酸濃度が低下して酸処理効
率が低下するという問題がある。
【0004】この発明は、このような従来の課題を解決
するためになされたものであり、酸処理槽内で処理液が
外気に触れる時間を短くして処理液の劣化を軽減させる
ようにし、また酸処理槽後部での酸処理効率の低下を防
止するようにした海苔養殖用作業船の酸処理装置を提供
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、船体
前後方向に延在するとともに船体前部から船体上に導い
た海苔網を船体後方に案内するガイド部材と、上記海苔
網を酸処理するための酸処理槽とを設け、この酸処理槽
は、その前部に処理液を供給する供給口を有するととも
に、後部に処理液を回収する回収口を有している海苔養
殖作業用船において、船体が海苔網から受ける荷重の荷
重中心位置を、船体の浮力中心位置よりも後方に位置さ
せたものである。
【0006】この発明では、酸処理槽はその前部に処理
液を供給する供給口を有するとともに、後部に処理液を
回収する回収口を有しているために、処理液は酸処理槽
内を前部から後部に向かって流れることになるが、船体
が海苔網から受ける荷重の荷重中心位置を船体の浮力中
心位置よりも後方に位置させ、船体が海苔網の下方に潜
り込んだ際、船尾側が船首側に比べてより低くなるよう
に船体が後傾するようにし、処理液がその重力によって
酸処理槽内を前部から後部に向かって流れやすくしてい
る。このため処理液が酸処理槽の表面上を流れている時
間が短くなって処理液が外気に触れる時間が短くなり
(酸処理槽内から処理液を素早く回収することがで
き)、これによって処理液の劣化を防止することができ
る。
【0007】なお、上記ガイド部材とは、海苔網が船体
上を移動する際に接触する船体上の部材、すなわち、船
体長さ方向に延在するガイドレールは勿論、酸処理槽も
含む概念である。また海苔網作業用船は、海苔を刈り取
るための刈り取り装置を搭載していなくてもよい。さら
に、上記各請求項でいう船体の浮力中心位置とは、船体
が海苔網の下に潜る前の状態における船体の浮力中心位
置をいう。
【0008】請求項2の発明は、船体前後方向に延在す
るとともに船体前部から船体上に導いた海苔網を船体後
方に案内するガイド部材と、上記海苔網を酸処理するた
めの処理液を溜めた処理液溜とが設けられ、かつこの処
理液溜には船幅方向に延在するとともに海苔網上面に当
接するガイド部材が設けられた海苔養殖作業用船におい
て、船体が海苔網から受ける荷重の荷重中心位置を、船
体の浮力中心位置よりも後方に位置させたものである。
【0009】この発明では、海苔網を酸処理するための
処理液を溜めた処理液溜を設け、かつ船体が海苔網から
受ける荷重の荷重中心位置を、船体の浮力中心位置より
も後方に位置させたので、船体が海苔網の下方に潜り込
んだ際、船体は海苔網から受ける荷重によって船尾側が
船首側に比べて低くなるように後傾することになる。こ
のため、処理液溜内の液は、船尾側に行くにしたがって
深くなるようにその液面が処理液溜の底面に対して傾斜
し、ガイド部材よりも後方の処理液の深さはガイド部材
よりも前方の処理液の深さに比べて深くなる。
【0010】ところで、海苔網上面にはガイド部材が当
接しており、海苔に付着している海水がここで絞られる
ために、ガイド部材よりも後方において海苔網が処理液
に浸っている時間を長くとることが酸処理を効果的に行
なう上で好ましい。
【0011】この発明では上記のように、船体が海苔網
の下方に潜り込んだ際にガイド部材よりも後方の処理液
の深さがガイド部材よりも前方の処理液の深さに比べて
深くなることによって、海苔に付着している海水をガイ
ド部材によって絞り取った後において海苔網が処理液に
浸っている時間を長くとることができ、酸処理を効果的
に行なうことができる。
【0012】請求項3の発明は、上記海苔養殖作業用船
は船体前部に海苔を収容する海苔庫を備え、この海苔庫
の前後方向中心位置が上記浮力中心位置よりも前方に位
置しており、海苔庫の前後方向中心位置と、船体が海苔
網から受ける荷重の荷重中心位置とを、上記浮力中心位
置の前後に振り分けて配置したものである。
【0013】この発明では、海苔を海苔庫に収容した状
態では、収容した海苔による下向きの荷重が、ほぼ海苔
庫の前後方向中心位置に作用するために、船体は前部が
沈み込んで前傾した状態になろうとするが、上記構成で
は海苔庫の前後方向中心位置と、船体が海苔網から受け
る荷重の荷重中心位置とを、船の浮力中心位置の前後に
振り分けて配置したので、海苔庫に海苔を収容している
状態であっても、船体が海苔網の下方に潜り込めば船尾
側が船首側に比べてより低くなるように船体が後傾し
て、処理液がその重力によって酸処理槽内を前部から後
部に向かって流れやすくなったり、処理液溜の後部に溜
る処理液の量が前部に溜るそれよりも多くなったりし
て、酸処理を効果的に行なうことが可能になる。
【0014】なお、船体が海苔網から受ける荷重の荷重
中心位置が、船体の浮力中心位置よりも後方に位置して
いることは、船体が海苔網の直前の位置から海苔網の下
方に潜り込んだ位置に移動した際に、船尾側が船首側に
比べて低くなるように船体が後傾することによって目視
できる。
【0015】すなわち、船体が海苔網の直前の位置から
海苔網の下方に潜り込んだ位置に移動した際に、船尾側
が船首側に比べて低くなるように船体が後傾すれば、船
体が海苔網から受ける荷重の荷重中心位置が、船体の浮
力中心位置よりも後方に位置しているとみなすものとす
る。
【0016】また、「海苔庫の前後方向中心位置と、船
体が海苔網から受ける荷重の荷重中心位置とが、浮力中
心位置の前後に振り分けて配置されている」ことは、海
苔庫の容積の半分以上の量の海苔を海苔庫に収容してい
る状態であっても、船体が海苔網の直前の位置から海苔
網の下方に潜り込んだ位置に移動した際に、船尾側が船
首側に比べてより低くなるように船体が後傾することに
よって目視できる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の実施形態を示す
側面図であり、上側に船体の後半分、下側に船体の前半
分を示し、また図2は上側に船体の後半分の図1の平面
図、下側に船体の前半分の図1の平面図を示している。
これらの図において、海苔養殖作業船1はその船体の後
部にブリッジ3を備え、このブリッジ3の床300は前
方のデッキ19および後方の船尾デッキ14より低く形
成し、これによってブリッジ3中の人100が立つこと
もできるようにしている。その前側船底部にはエンジン
10が設置され、このエンジン10によりプロペラシャ
フト11を介して回転駆動されるプロペラ12が船尾船
底に配置され、その後側には舵板13が配置されてい
る。このプロペラシャフト11は保持ブラケット15に
より回転可能に保持されている。また船尾船底には船幅
方向のスラストを生じさせる左右一対の船尾スラスター
61が設けられ、船首船底には船首スラスター62が設
けられている。なお、図1において仮想線は船体1が海
苔網9の下に潜り込む前における通常のトリム状態を示
し、実線は海苔網9の下に潜り込んだ際に後傾した状態
を示している。
【0018】また船上にはパイプ材からなる海苔網用ガ
イドレール4が設けられ、この海苔網用ガイドレール4
の前端部にはガイド延長部41が設けられている。この
ガイド延長部41の基端部には跳ね上げ手段48が設け
られ、この跳ね上げ手段48を中心として、図1実線の
状態から仮想線の状態まで回転させてガイド延長部41
を水中への没入状態から船体上に跳ね上げることができ
るようにしている。
【0019】また左右一対のガイドレール4を互いに連
結することによって補強する連結部材49が取付けら
れ、これらの上面を摺動して海苔網が通過することにな
る。この際、摺動抵抗を小さくするために、ガイドレー
ル4および連結部材49は摺動抵抗の小さい減摩部材
(磨いたステンレス鋼)で構成する。
【0020】上記ガイドレール4の下側には船首部付近
で海苔刈り取り装置5が配置され、この刈り取り装置5
の前方の船体1上に、前方を照射するライト25が設置
されている。これによって夜間作業時に、刈り取り機5
が邪魔にならずに、船首端に対する海苔網9の位置を確
認することができるようにしている。またブリッジ3の
前端部近傍にも、ブリッジ3の前方のデッキ上などを照
射するためのライト26が設けられている。さらに、ブ
リッジ3の前方のデッキから上方に延在して上端がガイ
ドレール4に当接した支柱43の少なくとも後面には、
このライト26の反射を防止するための処理(黒ペンキ
塗布など)を施している。さらに刈り取り装置5の下面
と船体前端縁との間(視線101と102との間)から
前方が見えるような(前方視界が確保されるような)高
さに刈り取り装置5が設置されている。
【0021】上記海苔網用ガイドレール4は、両船側部
に沿って船首端から船尾端の後方まで延び、両船側部に
おいてそれぞれ支柱43によって支持されており、船首
端からブリッジ3付近までは徐々に上昇し、ブリッジ3
より後方では徐々に下降して船尾端の後方まで延びてい
る。
【0022】また後述するように、船体1が海苔網9か
ら受ける荷重の荷重中心位置18が船体1の浮力中心位
置16よりも後方に位置するようにするために、船体1
の浮力中心位置16よりも後方において船体1が海苔網
9から大きな荷重を受けるようにガイドレール4のデッ
キからの高さを設定している。これはガイドレール4が
デッキから上方に離れるほど、船体1が海苔網9から受
ける荷重がより大きくなる点を利用している。
【0023】上記ブリッジ3中には、運転者用座席シー
ト30、同乗者用座席シート31が並置され、その前側
には操舵ハンドル33、エンジンのスロットルおよび前
後進の切換レバー34、エンジン停止スイッチなどが配
置された操作盤35およびスラスター操作レバー36が
配置されている。このスラスター操作レバー36は船尾
スラスター61および船首スラスター62を同時に操作
するように構成されている。また操舵ハンドル33とス
ラスター操作レバー36とを操作盤35を挟んで左右に
振り分け配置し、これによって運転者100が一方を操
作するときに他方が邪魔にならないようにして操作性を
よくしている。
【0024】上記海苔網用ガイドレール4の下側におい
て、デッキ19の下側には海苔刈り取り装置5によって
刈り取られた海苔を貯留する海苔庫50が形成されてい
る。またブリッジ3上には酸処理槽7が設けられ、この
酸処理槽7はほぼ平坦な面からなって海苔網が近接して
通過する洗浄面73と、図3に示すようにその下流側に
形成された凹部からなる処理液溝(回収口)74とを備
え、海苔網用ガイドレール4に沿ってブリッジ3の前端
部から後側まで延びている。そして洗浄面73の上流端
には船幅方向に延びる処理液噴射管72が設置され、こ
の処理液噴射管72には後述の処理液タンク70からポ
ンプ791により供給管を通して処理液(酸液)が供給
され、処理液噴射管72に船幅方向所定のピッチで形成
された噴射口から洗浄面73上に処理液を噴射するよう
にしている。
【0025】上記処理液溝74の下面には幅方向2個所
に回収パイプ71が接続され、この回収パイプ(排出
管)71の先端部はその下方に設置された処理液タンク
70に接続され、この回収パイプ71を通して処理液が
処理液タンク70中へ回収されるようにしている。すな
わち、図4に示すように、処理液タンク70の一側面に
はポンプ791が取付けられてその処理液取入れ管79
0が接続され、また回収パイプ71の下流端は、処理液
タンクの蓋700に設けられた回収部710に開口し、
この回収部710には図示しないフィルタが設けられ、
回収パイプ71からの回収液はこのフィルタを通される
ことにより海苔などが濾過されて処理液タンク70中に
回収されるようにしている。
【0026】また側壁76は断面形状が逆U字形に形成
され、その下向きに開口する溝部中には塩化ビニール、
FRPなどによって形成された処理液供給パイプ721
が配置され、その先端部には洗浄面73の上流端に船幅
方向に配置される上記処理液噴射管72が接続されてい
る。また洗浄面73の両側に形成された側溝741の下
流端には両側溝741が合流する処理液溝74が形成さ
れ、この処理液溝74の一番低くなる部分に、処理液の
排出路となる左右一対の回収パイプ71が接続されてい
る。図3仮想線は船体1が海苔網9の下側に潜り込む前
の通常のトリム状態における酸処理槽7の位置を示し、
実線は海苔網9の下側に潜り込んで後傾した酸処理槽7
の位置を示している。このように船体1が海苔網9の下
側に潜り込んで酸処理槽7が後傾すると、洗浄面73に
供給された処理液は速やかに下流側へ流されることにな
る。
【0027】図8は酸処理槽7の別の実施形態を示し、
処理液溜以外の構成は上記図1〜図7の構成と同じであ
る。ブリッジ3の後方には、上記実施形態の酸処理槽7
に代えて処理液溜75が形成され、ここに船幅方向に延
びるガイドローラ(ガイド部材)79が載置され、この
ガイドローラ79によって海苔網9を押え付けるように
している。この処理液溜75は酸処理槽7よりも深さが
深くなっていて、その中に処理液が溜められ、この溜め
られた処理液中を移動する海苔網9の上にガイドローラ
79が回転しつつ海苔網9を押さえ込むようにしてい
る。海苔網9は、側面形状が湾曲したV字状になってガ
イドローラ79の下側を通過することになり、ガイドロ
ーラ79は単に海苔網9上に載置されているだけである
が、下流側の壁により後方に移動することは阻止され、
一定の位置を保つ。図8の仮想線は船体1が海苔網9の
下側に潜り込む前の通常のトリム状態における酸処理槽
7の位置を示し、実線は海苔網9の下側に潜り込んで後
傾した酸処理槽7の位置を示している。船体1の後傾に
より処理液溜75の後部、すなわちガイドローラ79よ
りも後方における処理液の深さが、処理液溜75の前
部、すなわちガイドローラ79よりも前方における処理
液の深さよりも深くなる。
【0028】上記ガイド部材としては、ガイドローラ7
9のような回転式のものに限らず、処理液溜75などに
固定されているパイプ部材など、非回転式の部材でもよ
く、要するに、海苔網9が処理液溜内の処理液に浸るよ
うに海苔網9の上面に当接している部材であればよい。
【0029】上記ガイドローラ79は海苔網9上に載置
されているだけであり、海苔網の移動に伴って若干前後
に動くが、この前後の動きを防止するためにガイドロー
ラ79を軸支する受け部を処理液溜75に設けてもよ
い。この受け部としては、海苔網9の両側部に伸びる吊
り綱92が通過できるようにした公知の受け部構造を採
用すればよい。
【0030】また酸処理槽7の後端部にはレーダー21
が取付けられ、このレーダー21は基端部を中心に後方
に傾倒するように構成され、その上部がガイドレール4
より上側と下側との間を上下動するように構成されてい
る。そして、図9に示すように、下降位置におけるレー
ダー21とその上方を通過する海苔網9との間に、レー
ダー21を覆う覆い板22が設けられている。すなわ
ち、両側のガイドレール4間には前後方向に互いに平行
に伸びる支持部材23が設けられ、この支持部材23に
はそれぞれ相対向する溝24が形成され、この溝24に
覆い板22の両側部が嵌入されて前後方向に摺動するよ
うに構成されている。
【0031】また図5〜7に示すように、下端部が海底
に埋められた支柱91が一定間隔で複数個並べられ、こ
れらの支柱91間に海苔網9が吊り綱92を介して結合
されている。この海苔網9は、長さ方向に一定間隔で伸
糸棒93を備えており、これによって網を張った状態に
保つようにしており、図7(a)に示すように海面90
上に浮かぶように斜め上方から吊り綱92によって保持
されている。一方、船体1上の刈り取り装置5の前方近
傍の左右のガイドレール4上には、上方に向かって突出
する可撓性(グラスファイバー製)のアンテナ2が設置
されている。そして図7(b)に示すように、船体1が
海苔網9の下に潜り込んで海苔網9が海苔網ガイドレー
ル4上を移動するようになると、吊り綱92がたるんで
刈り取り装置5の部分を通過する際に、刈り取り機5に
巻き込まれるおそれが生じることになる。ところが、刈
り取り機5の前側にはアンテナ21が設置されており、
このアンテナ21は吊り綱92がひっかかることにより
撓んで、吊り綱92を持ち上げた状態で吊り綱92を刈
り取り装置5上を通過させるようにしている。すなわ
ち、アンテナ21が後方に大きく撓んだ際に、図5,6
に示すように、アンテナ2の先端が刈り取り装置5の前
端よりも後方に位置している。これにより、アンテナ2
に引っ掛かった吊り綱92がアンテナ2から外れた際、
吊り綱92は刈り取り装置5よりも後方のガイドレール
4上に落下するようにし、吊り綱92が刈り取り装置5
に巻き込まれることを確実に防止することができるよう
にしている。
【0032】なお、アンテナ21の取付け位置および長
さは、吊り綱92がアンテナ2から外れた際に、吊り綱
92が刈り取り装置5よりも後方のガイドレール4上に
落下するように設定されていればよく、アンテナ21が
後方に大きく撓んだ際にその先端部が刈り取り装置5の
後端よりも後方に位置している必要はない。
【0033】上記構成において、通常の走行時にはガイ
ド延長部41は、図1中二点鎖線で示すように船上に位
置させ、その状態で船を前進走行させる。そして養殖場
での海苔刈り取り作業時には、ガイド延長部41を跳ね
上げ手段48によって船首前方に突出させて先端部を海
面90下に没入させ、船を微速で前進させつつ海面90
上の海苔網9に向かう。この際、プロペラ12および舵
板13は上昇させておき、船首スラスター62および船
尾スラスター61を作動させて船の微速前進および進路
調整を行なうようにする。また刈り取り装置5の前方の
船体1上に、前方を照射するライト25を設け、これに
よって夜間作業時に、刈り取り装置5が邪魔にならず、
船首端の海苔網9の位置を確認するために船首部回りを
照射することができるようにしている。
【0034】船体1の進行に伴ってガイド延長部41に
よって海面90上の海苔網9を掬い上げ、船体1上を海
苔網用ガイドレール4に沿って船尾方向に移動させるこ
とになる。この際、ガイドレール4などの少なくとも上
面は、摺動抵抗の小さい減摩部材で構成されているため
に、海苔網9がガイドレール4上を移動する際に海苔網
に付着した海苔がガイドレール4などの摺動抵抗によっ
てちぎれることを防止することができ、海苔が海苔網9
から不均一にちぎれて、その成長に悪影響が及ぶことを
防止することができる。海苔網9がガイドレール4上を
移動する間に、海苔刈り取り装置5によって海苔網9に
付着している海苔を刈り取り、刈り取った海苔をその下
側の海苔庫50中に落下させる。
【0035】なお、船幅方向に延在する連結部材49
は、海苔網9が船体長さ方向に移動する際に海苔網9の
抵抗になり易いため、船幅方向に延在する連結部材の少
なくとも上面を上記減摩部材で構成することは海苔が海
苔網9から不均一にちぎれることを防止する上で好まし
い。またガイドレール4あるいは連結部材49の上面を
減摩部材で構成するに当っては、上記実施形態のように
ガイドレール4あるいは連結部材49全体を磨いたステ
ンレス鋼製のパイプで形成する必要はなく、ガイドレー
ル4あるいは連結部材49の上面のみを磨いたり、上面
のみに摺動抵抗を低減する塗料を塗布したりしてもよ
い。
【0036】海苔が刈り取られた海苔網9はブリッジ3
上で酸処理槽7上を通過することにより酸処理される。
この際、船体1が海苔網9の下側に潜り込んで海苔網9
の荷重中心位置18が、船体1の浮力中心位置16より
も後方に作用して船体1は後傾した状態となっているた
めに、洗浄面73に供給された処理液は速やかに下流側
へ流されることになり、海苔網9に充分な処理液が供給
されて良好に酸処理がなされる。
【0037】また上記構成では、海苔を海苔庫50に収
容した状態では、収容した海苔による下向きの荷重が、
ほぼ海苔庫50の前後方向中心位置17に作用するため
に、船体1は前部が沈み込んで前傾した状態になろうと
するが、海苔庫50の前後方向中心位置17と、船体1
が海苔網9から受ける荷重の荷重中心位置18とを、船
体1の浮力中心位置16の前後に振り分けて配置したの
で、海苔庫50に海苔を収容している状態であっても、
船体1が海苔網9の下方に潜り込めば船尾側が船首側に
比べてより低くなるように船体1が後傾して、処理液が
その重力によって酸処理7槽内を前部から後部に向かっ
て流れやすくなって、酸処理を効果的に行なうことが可
能になる。
【0038】酸処理を行なった処理液は、処理液溝74
から回収パイプ71を通して処理液タンク70に戻さ
れ、またポンプ791により処理液タンク70中の処理
液が配管790,792,721を通して酸処理液噴射
管72に送られて、洗浄面73上に噴射される。なお、
上記のように船体1が海苔網の下に潜ることによって船
体1が後傾し、浮力中心位置16は16Aに、船体1の
重心位置160は160Aに、それぞれ後方に移動する
ことになる。
【0039】また図8の構成においては、船体が海苔網
9の下方に潜り込んだ際、海苔網9から下向きの荷重を
受けるために、処理液溜75内の液は、船尾側に行くに
したがって深くなるようにその液面が処理液溜75の底
面に対して傾斜し、ガイド部材よりも後方の処理液の深
さはガイド部材よりも前方の処理液の深さに比べて深く
なる。
【0040】ところで、海苔網上面にはガイド部材が当
接しており、海苔に付着している海水がここで絞られる
ために、ガイド部材よりも後方において海苔網が処理液
に浸っている時間を長くとることが酸処理を効果的に行
なう上で好ましい。
【0041】この発明では上記のように、船体が海苔網
の下方に潜り込んだ際にガイド部材よりも後方の処理液
の深さがガイド部材よりも前方の処理液の深さに比べて
深くなることによって、海苔に付着している海水をガイ
ド部材によって絞り取った後において海苔網が処理液に
浸っている時間を長くとることができ、酸処理を効果的
に行なうことができる。
【0042】また海苔網9が通過する際には、レーダー
21は下降位置におかれ、その上側は覆い板22によっ
て覆われており、レーダー21が作業の邪魔になること
が防止され、さらに海苔網9から落下した海苔がレーダ
ー21にかかることも覆い板22によって防止されてい
る。この覆い板22はスライド式になっており、下降さ
せたレーダー21を覆う位置と、下降させたレーダー2
1の上方からずれた位置との間でスライドできるように
構成されているために、レーダー21を上昇させるに当
たっては、覆い板22を下降させたレーダー21の上方
からずれた位置にスライドさせればよく、覆い板22を
取り外したりする必要がなく、作業が簡単である。
【0043】
【発明の効果】請求項1の発明では、酸処理槽はその前
部に処理液を供給する供給口を有するとともに、後部に
処理液を回収する回収口を有しているために、処理液は
酸処理槽内を前部から後部に向かって流れることになる
が、船体が海苔網から受ける荷重の荷重中心位置を船体
の浮力中心位置よりも後方に位置させ、船体が海苔網の
下方に潜り込んだ際、船尾側が船首側に比べてより低く
なるように船体が後傾するようにし、処理液がその重力
によって酸処理槽内を前部から後部に向かって流れやす
くしている。このため処理液が酸処理槽の表面上を流れ
ている時間が短くなって処理液が外気に触れる時間が短
くなり(酸処理槽内から処理液を素早く回収することが
でき)、これによって処理液の劣化を防止することがで
きる。
【0044】請求項2の発明では、海苔網を酸処理する
ための処理液を溜めた処理液溜を設け、かつ船体が海苔
網から受ける荷重の荷重中心位置を、船体の浮力中心位
置よりも後方に位置させたので、船体が海苔網の下方に
潜り込んだ際、船体は海苔網から受ける荷重によって船
尾側が船首側に比べて低くなるように後傾することにな
る。このため、処理液溜内の液は、船尾側に行くにした
がって深くなるようにその液面が処理液溜の底面に対し
て傾斜し、ガイド部材よりも後方の処理液の深さはガイ
ド部材よりも前方の処理液の深さに比べて深くなる。
【0045】ところで、海苔網上面にはガイド部材が当
接しており、海苔に付着している海水がここで絞られる
ために、ガイド部材よりも後方において海苔網が処理液
に浸っている時間を長くとることが酸処理を効果的に行
なう上で好ましい。
【0046】この発明では上記のように、船体が海苔網
の下方に潜り込んだ際にガイド部材よりも後方の処理液
の深さがガイド部材よりも前方の処理液の深さに比べて
深くなることによって、海苔に付着している海水をガイ
ド部材によって絞り取った後において海苔網が処理液に
浸っている時間を長くとることができ、酸処理を効果的
に行なうことができる。
【0047】請求項3の発明では、海苔を海苔庫に収容
した状態では、収容した海苔による下向きの荷重が、ほ
ぼ海苔庫の前後方向中心位置に作用するために、船体は
前部が沈み込んで前傾した状態になろうとするが、上記
構成では海苔庫の前後方向中心位置と、船体が海苔網か
ら受ける荷重の荷重中心位置とを、船の浮力中心位置の
前後に振り分けて配置したので、海苔庫に海苔を収容し
ている状態であっても、船体が海苔網の下方に潜り込め
ば船尾側が船首側に比べてより低くなるように船体が後
傾して、処理液がその重力によって酸処理槽内を前部か
ら後部に向かって流れやすくなったり、処理液溜の後部
に溜る処理液の量が前部に溜るそれよりも多くなったり
して、酸処理を効果的に行なうことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を示す側面図であり、上側
に船体の後半分、下側に船体の前半分を示している。
【図2】図1の平面図であり、上側に船体の後半分、下
側に船体の前半分を示している。
【図3】酸処理槽の縦断面図である。
【図4】処理液の循環系統を示す斜視図である。
【図5】船首部船体の拡大側面図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】(a)は海苔網の設置状態を示す正面図、
(b)は船体が海苔網を掬い上げた状態を示す正面図で
ある。
【図8】酸処理槽の別の実施形態を示す船尾部船体の拡
大側面図である。
【図9】図2のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 船体 2 アンテナ 3 ブリッジ 4 海苔網用ガイドレール 5 刈り取り装置 7 酸処理槽 9 海苔網 10 エンジン 16 船体の浮力中心点 17 海苔庫中の海苔の荷重中心点 18 船体の浮力中心点 21 レーダー 50 海苔庫 75 処理液溜 91 海苔網用支柱 92 吊り綱

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船体前後方向に延在するとともに船体前
    部から船体上に導いた海苔網を船体後方に案内するガイ
    ド部材と、上記海苔網を酸処理するための酸処理槽とを
    設け、この酸処理槽は、その前部に処理液を供給する供
    給口を有するとともに、後部に処理液を回収する回収口
    を有している海苔養殖作業用船において、船体が海苔網
    から受ける荷重の荷重中心位置を、船体の浮力中心位置
    よりも後方に位置させたことを特徴とする海苔養殖作業
    用船。
  2. 【請求項2】 船体前後方向に延在するとともに船体前
    部から船体上に導いた海苔網を船体後方に案内するガイ
    ド部材と、上記海苔網を酸処理するための処理液を溜め
    た処理液溜とが設けられ、かつこの処理液溜には船幅方
    向に延在するとともに海苔網上面に当接するガイド部材
    が設けられた海苔養殖作業用船において、船体が海苔網
    から受ける荷重の荷重中心位置を、船体の浮力中心位置
    よりも後方に位置させたことを特徴とする海苔養殖作業
    用船。
  3. 【請求項3】 上記海苔養殖作業用船は船体前部に海苔
    を収容する海苔庫を備え、この海苔庫の前後方向中心位
    置が上記浮力中心位置よりも前方に位置しており、海苔
    庫の前後方向中心位置と、船体が海苔網から受ける荷重
    の荷重中心位置とを、上記浮力中心位置の前後に振り分
    けて配置することを特徴とする請求項1または2記載の
    海苔養殖作業用船。
JP398696A 1996-01-12 1996-01-12 海苔養殖作業用船 Pending JPH09188293A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001320992A (ja) * 2000-05-18 2001-11-20 Nichimo Co Ltd 海苔網薬剤処理装置
CN112314124A (zh) * 2020-11-03 2021-02-05 中国海洋大学 一种海草种子播种装置

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JP2001320992A (ja) * 2000-05-18 2001-11-20 Nichimo Co Ltd 海苔網薬剤処理装置
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