JPH0858681A - 海苔養殖作業用船 - Google Patents

海苔養殖作業用船

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Publication number
JPH0858681A
JPH0858681A JP1141295A JP1141295A JPH0858681A JP H0858681 A JPH0858681 A JP H0858681A JP 1141295 A JP1141295 A JP 1141295A JP 1141295 A JP1141295 A JP 1141295A JP H0858681 A JPH0858681 A JP H0858681A
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JP
Japan
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seaweed
acid treatment
hull
treatment tank
chemical liquid
Prior art date
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Application number
JP1141295A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Tomita
隆 冨田
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Yamaha Marine Seizo KK
Original Assignee
Yamaha Shido Seizo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 海苔網からの水滴や海苔が降りかかることの
ない待機場所をブリッジの後方に得る。 【構成】 ブリッジ3より船体前側に、海苔刈り取り装
置16を配設するとともに海苔収容空間Gを形成する。
ブリッジ3より船体後側に、ブリッジ3の頂面と略同じ
高さに配置された酸処理槽18によって屋根が構成され
る船上空間Pを形成した。酸処理槽18が実質的な遮蔽
物として機能し、船上空間Pで補助作業員が待機すると
きに水滴や海苔の残り分等が補助作業員に降りかかるの
を確実に防げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海苔を養殖するために
用いる海苔網に酸処理を施すときに使用する海苔養殖作
業用船に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の海苔養殖作業用船は、船
体上部に海苔網用ガイドが取付けられ、このガイドを船
首より前方に突出させるとともにその前端を海中に水没
させた状態で海苔網に向かって前進することによって、
海苔網を船上に導く構造になっていた。
【0003】前記海苔網用ガイドは、船体前部の海苔刈
り取り装置の直上およびブリッジの上側を通って船尾側
へ延在されており、途中に海苔網に酸処理を施すための
酸処理槽が設けられていた。この酸処理槽は、船尾に配
置された薬液庫から酸処理用薬液が圧送され、海苔網用
ガイドに沿って移動する海苔網に酸処理用薬液を吹きか
ける構造になっていた。
【0004】すなわち、この従来の海苔養殖作業用船
は、前進することによって海苔網を海苔網用ガイドによ
って船上に導き、海苔刈り取り装置および酸処理槽の上
を通してから海面へ戻す構造になっており、海苔網が船
上を通過するときに海苔の刈り取りと、海苔が刈り取ら
れた後の海苔網の酸処理とを連続して行うことができる
ように構成されていた。
【0005】なお、従来の海苔養殖作業用船は、海苔刈
り取り装置によって刈り取られた海苔がブリッジより船
体前側となるデッキ上に溜められるように構成されてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上述した従
来の海苔養殖作業用船では、刈り取り作業時に操船を行
わない補助作業員が船上のどの位置で待機するかが問題
であった。すなわち、ブリッジより前側は刈り取られた
海苔がデッキ上に溜っており、ブリッジより後側は丁度
頭上を海苔網が通る関係から水滴や海苔の残り分が落下
して降りかかるからである。なお、このような落下物を
避けながら補助作業員がブリッジより後側で待機するに
も、酸処理槽に供給する酸処理用薬液を溜めるための薬
液庫が船尾に配設されているために待機場所が限られて
しまう。
【0007】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、海苔網からの水滴や海苔が降りかか
ることのない待機場所をブリッジの後方に得ることを目
的とする。また、広い空間で待機できるようにすること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る海苔養
殖作業用船は、ブリッジより船体前側に、海苔刈り取り
装置を配設するとともに海苔収容空間を形成し、かつブ
リッジより船体後側に、ブリッジの頂面と略同じ高さに
配置された酸処理槽によって屋根が構成される船上空間
を形成したものである。
【0009】第2の発明に係る海苔養殖作業用船は、第
1の発明に係る海苔養殖作業用船において、酸処理槽に
供給する薬液が溜められる薬液庫を酸処理槽より船体前
側に配置したものである。
【0010】
【作用】第1の発明によれば、水滴や海苔の残り分等が
補助作業員に降りかかるのを防ぐ実質的な遮蔽物として
酸処理槽が機能する。第2の発明によれば、酸処理槽の
下方に形成される船上空間が薬液庫によって狭められる
ことがない。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図16
によって詳細に説明する。図1は本発明に係る海苔養殖
作業船の側面図、図2は図1における船体前部を拡大し
て示す側面図、図3は海苔網用ガイドを海苔網持ち上げ
位置まで前進させた状態を示す側面図、図4は図1にお
ける船体後部を拡大して示す側面図である。図5は船体
前部を示す図で、同図において図中の一点鎖線に対して
上側は平面図を示し、下側は底面図を示す。図6は船体
後部を示す図で、同図においても図中の一点鎖線より上
側は平面図を示し、下側は底面図を示す。なお、図5お
よび図6は酸処理槽を外した状態で描いてある。
【0012】図7は図2における船底部のVII−VII線断
面図、図8はスラスター取付け部を拡大して示す断面
図、図9は図6におけるIX−IX線断面図、図10は図6
における船体のX−X線断面図、図11は薬液受庫から薬
液庫へ至る薬液戻り通路を示す断面図、図12は酸処理
槽を示す図で、同図(a)は左側半部の平面図、同図
(b)は(a)図におけるB−B線断面図である。
【0013】図13は図12(a)におけるXIII−XIII
線断面図、図14は図12(a)におけるXIV−XIV線断
面図、図15は図12(a)におけるXV−XV線断面図、
図16は酸処理槽を後方から見た図で、同図は左半部の
みを描いてある。なお、上記各図において一点鎖線Cは
船体の左右方向中心を示している。
【0014】これらの図において、1は本発明に係る海
苔養殖作業用船で、この海苔養殖作業用船1は、海苔の
刈り取りと、海苔を刈り取った後の海苔網の酸処理とを
連続して行うことができるように構成されている。2は
この海苔養殖作業用船1の船体、3はブリッジ、4は海
苔網を船上に導くための海苔網用ガイドである。
【0015】前記船体2は船底前部が図5および図7に
示すようにトリマラン状に形成され、左右方向中央部で
下方に突出した中央突部2aには、船体左右方向へ水流
を発生させて船体の向きを変えるスラスター5が取付け
られている。図7において2b,2cは、スラスター5
を有する中央突部2aの左右において下方へ突出する左
右突部である。前記突部2aは図7に断面形状を示すよ
うに、下方へ向けて尖るように形成されている。また、
この中央突部2aは図1および図2に示すようにスラス
ター5より後方となる部分が後方へ向かうにしたがって
次第に上方へ偏在し、船体後部へ延びる水平部2dに連
なっている。すなわち、船底におけるスラスター5が取
付けられる部分より後方の部位が下方に突出しないよう
になっている。
【0016】前記スラスター5は図8に示すように、左
右方向に軸線が向けられたプロペラ5aを船室内の油圧
モータによって回転させる構造になっており、管状連結
部材5cを介して船体2に固定されている。なお、油圧
モータ5bを駆動する油圧は、船体後部に搭載されたエ
ンジン6(図4)が油圧ポンプ(図示せず)を駆動する
ことによって供給されるように構成されている。また、
この油圧モータ5bへ供給する油圧の油圧回路を正逆に
切り換えることによってプロペラ5aを正転と反転とに
切換え、船体2が左右何れの方向へも旋回することがで
きるようになっている。さらに、前記管状連結部材5c
の両端の開口部には、プロペラ5aに海中の異物が当た
るのを防ぐためのスクリーン(図示せず)が配設されて
いる。このスクリーンは、ステンレス鋼製パイプを格子
状に組合わせて形成されている。
【0017】なお、船体2の後部に符号7で示すものは
前記エンジン6とともに船内外機を構成する従来周知の
ドライブユニット、船体2の前後方向略中央部に設けら
れた符号8で示すものは後述する酸処理槽に供給する酸
処理用薬液を貯留するための薬液庫である。
【0018】前記海苔網用ガイド4はステンレス製鋼管
を組合わせて形成され、船体2の左右上縁のトップレー
ル9に前後に間隔をおいて複数本立設された支柱10
と、これらの支柱10の上縁に溶接され、船体前部から
ブリッジ3より上側を通って船体後部より後方へまで延
びる左右一対の海苔網用レール11と、最前部の支柱1
0の下部から薬液庫8の前部近傍まで後下がりに延びて
後端部が船体2のデッキ12に固定された左右一対のガ
イドレール13と、このガイドレール13に後端部が摺
動管14を介して連結されるとともに前記左右の海苔網
用レール11の最前部どうしの間に横架されたクロスパ
イプ11a(図5)に支承されて前後に平行移動自在に
構成された移動式レール15等から形成されている。
【0019】前記摺動管14は、その内方にガイドレー
ル13が貫通されてガイドレール13に長手方向に沿っ
て摺動自在に支持されており、移動式レール15の後端
部が連結されている。移動式レール15は図5に示すよ
うに、摺動管14に連結されて前後に延びるメインパイ
プ15aと、左右に延びるクロスパイプ15bと、この
クロスパイプ15bから前方へ延びるサブパイプ15c
とから形成されており、前部が前記左右の海苔網用レー
ル11,11の間から前方に延出されている。そして、
延出部は平面視において前方へ向かうにしたがって次第
に幅狭になり、先端が尖るように形成されている。ま
た、この移動式レール15は図1および図2に示すよう
に側面視において略へ字状となるように湾曲形成されて
いる。
【0020】このように構成された海苔網用ガイド4を
用いて海面上に漂う海苔網を船上へ導くには、先ず、移
動式レール15を図1および図2に示した収納状態から
前方へ移動させる。このときには、摺動管14をガイド
レール13に対して前側へ摺動させるとともに、移動式
レール15を前記クロスパイプ11aに支承させた状態
でこれに対して滑らせる。
【0021】そして、摺動管14をガイドレール13の
前端部まで移動させると、移動式レール15は側面視へ
字状に形成されている関係からその前部が図3に示すよ
うに前下がりに傾斜した状態で海中に没するようにな
る。図3において二点鎖線Lは海面を示し、Nは海面に
漂う海苔網を示す。
【0022】次に、図3に示す状態からこの海苔養殖作
業用船1を前進させる。これにより海苔網Nは移動式レ
ール15に乗り上げ、さらに海苔養殖作業用船1が前進
することによって、移動式レール15から海苔網用レー
ル11に乗るようになって船上を後方へ移動し、しかる
後、海苔網用レール11の後端から海面に下りることに
なる。本発明に係る海苔養殖作業用船1では海苔網Nが
船上を移動するときに海苔の刈り取りと海苔網の酸処理
を行う。
【0023】16は海苔を刈り取るための刈り取り装置
である。この刈り取り装置16は、不図示の刈り取り用
刃を左右方向の軸線回りに回転させて海苔網から海苔を
刈り取る従来周知の構造のものが採用され、前記海苔網
用ガイド4にブラケットパイプ17を介して支持されて
いる。
【0024】18は海苔が刈り取られた後の海苔網Nに
酸処理を施すための酸処理槽である。この酸処理槽18
は、上方に向けて開口する略皿状に繊維強化プラスチッ
クによって一体形成され、この酸処理槽上を海苔網Nが
移動するときに、皿部分に溜めれた酸処理用薬液に海苔
網Nが浸漬されることと、後述するノズルから薬液を吹
き付けることとによって、海苔網に酸処理用薬液を浸透
させる構造になっている。
【0025】そして、この酸処理槽18は、図12に示
すようにその左右両側縁および前後縁にフランジ18a
が一連に形成され、このフランジ18aを介して前記海
苔網用ガイド4に支持固定されている。この固定部分の
構造は、左右の海苔網用レール11や、これらのレール
11,11間に横架された酸処理槽前側クロスパイプ
(図示せず)および酸処理槽後側クロスパイプ11b
(図6)の下縁に、図14〜図16に示すように平板状
支持板19を溶接し、この支持板19上に前記フランジ
18aを載置させた状態で両者をボルトナットによって
締結させる構造になっている。
【0026】酸処理槽18は図1に示すように、前記刈
り取り装置16の後方からブリッジ3の上方を通って船
尾に達するまで前後に長く形成され、図12に示すよう
に、ブリッジ3より前側に前記薬液庫8から薬液が供給
される第1処理部20が形成されるとともにブリッジ3
より後側に第2酸処理部21とが形成され、かつ左右両
側部に、第1酸処理部20から左右の溢出路22を介し
て溢れ出た薬液を第2酸処理部21へ導くための薬液溝
23が形成されている。
【0027】前記第1酸処理部20は、その側壁を形成
する部分に全周にわたって薬液供給路24が一体に形成
されている。この薬液供給路24は図13および図14
に示すように、断面略四角形状に形成されており、ブリ
ッジ3の直前で左右方向に延びる部分に薬液供給ホース
25が左右一対として2本接続されている。なお、この
ブリッジ3の直前で左右に延びる部分は、図13に示す
ようにその下面24aがブリッジ3の前側上縁より低位
置に位置づけられている。
【0028】また、前記薬液供給路24を第1酸処理部
20に対して仕切る部分には、薬液供給路24内の薬液
を第1酸処理部20内の斜め上方へ向けて噴出させるた
めのノズル26が形成されている。このノズル26は、
第1酸処理部20の周囲全域にわたって周方向に間隔を
おいて多数形成されており、その各々は、図13中に符
号αで示す噴出角度が約45度になるように構成されて
いる。なお、図13および図14ではノズル26の構成
を理解し易いように実際より上下開口幅を広くして描い
てある。
【0029】さらに、前記ノズル26が形成される第1
酸処理部20の周壁部分は、海苔網Nが酸処理槽18上
を移動するときにこの部分に引っ掛かることがないよう
に、上縁の角部(図13および図14中に符号Rで示
す)が丸められている。
【0030】前記薬液供給ホース25は下端部が図4お
よび図11に示すように薬液供給ポンプ27に接続され
ている。この薬液供給ポンプ27は、薬液庫8から薬液
を汲み上げて薬液供給ホース25を介して前記薬液供給
路24へ薬液を圧送するように構成されている。
【0031】薬液庫8は図4に示すように、ブリッジ3
の前方であって前記酸処理槽18より下方に配置され、
船体2の底部に左右方向一側から他側にわたるように船
体2と一体的に形成されている。すなわち、薬液庫8を
後述する第2酸処理部21より船体前側に配設してブリ
ッジ3より後側が薬液庫8によって狭められることがな
いように構成されている。
【0032】そして、この薬液庫8は、図4および図1
0に示すように、その底部8aと船底28との間に発泡
プラスチック29を介装させて実質的に二重底となるよ
うに構成されている。すなわち、二重底にして薬液庫8
の剛性を容易に確保できる構造になっている。
【0033】前記第2酸処理部21は、図12(a)に
示すように左右両側が前記薬液溝23に連通され、図1
2(b)に示すようにその底部分がブリッジ3の天井面
3aより下方に位置するように形成されるとともに後下
がりに傾斜され、後部が薬液回収部30に連通されてい
る。また、この第2酸処理部21は、デッキ12におけ
るブリッジ3より船体後側の部位を図6に示すよう平面
視において覆い、かつこのデッキ12との間に図1およ
び図11中に符号Pで示す船上空間が形成されるように
構成されている。すなわち、第2酸処理部21が船上空
間Pの屋根を構成することになる。
【0034】前記薬液回収部30は、第2酸処理部21
の後端部に左右2箇所に設けられ、それぞれが薬液溝2
3の後端部に連通されて左右の薬液戻し口30aに薬液
を流下させるように略漏斗状に形成されている。この薬
液回収部30を後方からみた状態を図16に示す。そし
て、左右の薬液回収部30どうしの間であって船体左右
方向中央部には、図16に示すように開きスペースSが
形成されている。
【0035】前記薬液戻し口30aは、薬液回収部30
に接続された薬液戻りホース31を介して図4に示す船
体後部の薬液受庫32に連通されている。この薬液受庫
32は図6に示すように船体後部の左右2箇所に配設さ
れ、薬液戻りホース31の下端と対向する上部には図1
1に示すように、異物除去用金網33を有する受け皿3
4が取付けられている。そして、これら左右の薬液受庫
32は、その底部の薬液排出口32aが左右の薬液戻し
通路35を介して前記薬液庫8の後側上部に連通されて
いる。
【0036】前記薬液戻し通路35は、図9に示すよう
にデッキ12の下面に沿わせて形成されている。なお、
デッキ12はブリッジ前部で船体後部側が前部側に対し
て段差をもって高くなるように形成され、この高い後部
が図11に示すように前下がりに傾斜されている。すな
わち、薬液戻し通路35はデッキ12を通路壁の一部と
して形成され、デッキ12の傾斜を利用して薬液を薬液
受庫32から薬液庫8へ流下させるように構成されてい
る。なお、デッキ12におけるブリッジ3より船体前側
となる低床部上には、図1、図2および図4に示すよう
に、前記刈り取り装置16によって刈り取られた海苔
(図示せず)を溜めるための海苔収容空間Gが形成され
ている。
【0037】なお、図9において符号36で示すものは
ベンチレーションパイプで、デッキ12より下方の機関
室Kと大気とを連通させるものである。このベンチレー
ションパイプ36は、デッキ12の側縁部を上下に貫通
しており、デッキ12より上方に位置する部分は、端面
下向きコ字状に形成されたトップレール9の内方に臨ん
で下向きU字状に曲げられている。
【0038】次に、上述したように酸処理槽18に薬液
庫8や薬液受庫32を連通させて構成された酸処理装置
の動作について説明する。先ず、薬液供給ポンプ27が
作動すると、薬液庫8内の薬液が薬液供給ホース25か
ら酸処理槽18の薬液供給路24に圧送され、ここに溜
められる。そして、薬液供給路24内が薬液で満たされ
るようになると、薬液はノズル26から第1酸処理部2
0の上方へ向けて噴出される。この噴出された薬液は第
1酸処理部20内に溜められ、液面が溢出路22に達し
たときにこの溢出路22を通って薬液溝23に溢れ出
る。
【0039】薬液溝23に流出した薬液は、そこを伝っ
て後方へ流れ下り、大部分が第2酸処理部21に流れ込
むとともに残りが薬液回収部30に流れ込む。第2酸処
理部21に流れ込んだ薬液は、ここを伝って後方へ流れ
て薬液回収部30に流出する。そして、薬液回収部30
に流れ込んだ薬液は、薬液戻し口30aから薬液戻りホ
ース31および金網33を介して薬液受庫32に流入
し、さらに、薬液受庫32の薬液排出口32aから薬液
戻し通路35を介して薬液庫8へ戻されることになる。
【0040】このように構成された酸処理装置を備えた
海苔養殖作業用船1によって海苔の刈り取りおよび海苔
網の酸処理を施すには、図3に示すように移動式レール
15を前進させるとともに、海苔刈り取り装置16およ
び薬液供給ポンプ27を作動させた状態で船体2を海苔
網Nに向け前進させて行う。なお、進行方向を左右に微
調整する場合にはスラスター5を使用する。また、この
海苔の刈り取りおよび海苔網Nの酸処理を行うときに
は、操船を行わない補助作業員はブリッジ3より後方に
形成された船上空間Pにて待機する。
【0041】海苔網Nが海苔網用ガイド4によって案内
されて海苔刈り取り装置16の上方にさしかかると、海
苔網Nから垂れ下がった海苔が刈り取られる。なお、刈
り取られた海苔は、デッキ12におけるブリッジ3より
船体前側となる低床部の上方に形成された海苔収容空間
Gに溜められる。そして、さらに船体2が前進し海苔の
刈り取られた海苔網Nが酸処理槽18の第1酸処理部2
0に達すると、この海苔網Nはノズル26から噴出され
ている薬液が下方から斜めに吹き付けられるとともに、
第1酸処理部20内に溜められた薬液に浸漬されて薬液
が浸透される。
【0042】第1酸処理部20を通過した海苔網Nは、
ブリッジ3の上方を通過した後に第2酸処理部21に達
し、この第2酸処理部21を流れている薬液が付着する
ようになる。すなわち、海苔網Nは第1酸処理20と第
2酸処理部21との両方で酸処理されることになる。こ
のとき、海苔網Nは船上空間Pで待機している補助作業
員の上方を通ることになるが、第2酸処理部21が船上
空間Pの屋根を構成しており、これが実質的な遮蔽物と
して機能する関係から、水滴や海苔の残り分等が補助作
業員に降りかかるのを防ぐことができる。
【0043】なお、薬液庫8が第2酸処理部21より前
方に配設されていて薬液庫8によって船上空間Pが狭め
られることがないから、補助作業員は広い待機場所で待
機することができる。
【0044】上述したように第2酸処理部21で薬液が
付着した海苔網Nは、海苔網用レール11によって船尾
側へ導かれて海面へ戻される。これにより海苔の刈り取
り作業と海苔網の酸処理とが連続して行われることにな
る。
【0045】したがって、この海苔養殖作業用船1で
は、ブリッジ3より船体後側に、底部がブリッジ3の天
井面3aより下方に位置する第2酸処理部21によって
屋根が構成される船上空間Pを形成したため、海苔刈り
取り作業を行うときに補助作業員が船上空間Pで待機す
るときに水滴や海苔の残り分などが補助作業員に降りか
かるのを防ぐことができる。
【0046】また、薬液庫8を第2酸処理部21より船
体前側に配置したため、広い船上空間Pが得られ、補助
作業員が広い待機場所で待機することができる。
【0047】さらに、酸処理槽18から薬液受庫32へ
薬液を流す薬液回収部30を左右2箇所に分けて配設し
たから、ブリッジ3の後方の左右方向中央部に開き空間
Sが得られ、ブリッジ3の後側に船上空間Pを形成した
ことと相俟って後方視界を確保することができる。
【0048】加えて、本実施例で示したように、酸処理
槽18の前部に酸処理用薬液を供給する手段(薬液溝2
3、薬液供給路24、薬液供給ホース25などからな
る)を設けるとともに、薬液を回収する通路を酸処理槽
18の後側下部に接続すると、下記の利点がある。すな
わち、酸処理用薬液の供給手段から、薬液を回収する通
路に向かって薬液が流れる方向と、海苔網Nが移動する
方向とが一致するので、薬液は回収通路に向かってスム
ーズに流れ、薬液の劣化を防止することができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明に係る海
苔養殖作業用船は、ブリッジより船体前側に、海苔刈り
取り装置を配設するとともに海苔収容空間を形成し、か
つブリッジより船体後側に、ブリッジの頂面と略同じ高
さに配置された酸処理槽によって屋根が構成される船上
空間を形成したため、酸処理槽が実質的な遮蔽物として
機能するから、前記船上空間で補助作業員が待機すると
きに水滴や海苔の残り分等が補助作業員に降りかかるの
を確実に防ぐことができる。
【0050】第2の発明に係る海苔養殖作業用船は、第
1の発明に係る海苔養殖作業用船において、酸処理槽に
供給する薬液が溜められる薬液庫を酸処理槽より船体前
側に配置したため、酸処理槽の下方に形成される船上空
間が薬液庫によって狭められることがない。このため、
補助作業員が待機するための待機場所を広くとることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る海苔養殖作業船の側面図であ
る。
【図2】 図1における船体前部を拡大して示す側面図
である。
【図3】 海苔網用ガイドを海苔網持ち上げ位置まで前
進させた状態を示す側面図である。
【図4】 図1における船体後部を拡大して示す側面図
である。
【図5】 船体前部を示す図で、同図において図中の一
点鎖線に対して上側は平面図を示し、下側は底面図を示
す。
【図6】 船体後部を示す図で、同図においても図中の
一点鎖線より上側は平面図を示し、下側は底面図を示
す。
【図7】 図2における船底部のVII−VII線断面図であ
る。
【図8】 スラスター取付け部を拡大して示す断面図で
ある。
【図9】 図6におけるIX−IX線断面図である。
【図10】 図6における船体のX−X線断面図である。
【図11】 薬液受庫から薬液庫へ至る薬液戻り通路を
示す断面図である。
【図12】 酸処理槽を示す図で、同図(a)は左側半
部の平面図、同図(b)は(a)図におけるB−B線断
面図である。
【図13】 図12(a)におけるXIII−XIII線断面図
である。
【図14】 図12(a)におけるXIV−XIV線断面図で
ある。
【図15】 図12(a)におけるXV−XV線断面図であ
る。
【図16】 酸処理槽を後方から見た図である。
【符号の説明】
1…海苔養殖作業用船、2…船体、3…ブリッジ、3a
…天井面、4…海苔網用ガイド、8…薬液庫、12…デ
ッキ、16…海苔刈り取り装置、18…酸処理槽、20
…第1酸処理部、21…第2酸処理部、G…海苔収容空
間、P…船上空間。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海苔網を船首側から酸処理槽に導いて海
    苔網の酸処理を行う海苔養殖作業用船において、ブリッ
    ジより船体前側に、海苔刈り取り装置を配設するととも
    に刈り取った海苔を溜める海苔収容空間を形成し、かつ
    ブリッジより船体後側に、ブリッジの頂面と略同じ高さ
    に配置された酸処理槽によって屋根が構成される船上空
    間を形成したことを特徴とする海苔養殖作業用船。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の海苔養殖作業用船におい
    て、酸処理槽に供給する薬液が溜められる薬液庫を酸処
    理槽より船体前側に配置したことを特徴とする海苔養殖
    作業用船。
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