JPH09187491A

JPH09187491A - 空気浄化装置

Info

Publication number: JPH09187491A
Application number: JP8004021A
Authority: JP
Inventors: Koichi Takahama; 孝一高濱; Naoharu Nakagawa; 尚治中川; Koji Kishimoto; 広次岸本
Original assignee: Matsushita Electric Works Ltd
Current assignee: Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date: 1996-01-12
Filing date: 1996-01-12
Publication date: 1997-07-22

Abstract

(57)【要約】【課題】浄化性能を高めるには、照射された光が、基
板到達前に反射したり、基板を通り抜けたりするロスを
少なくする必要がある。照射される光量に対し光触媒の
活性化を効率的に発揮させる空気浄化装置を提供する。【解決手段】空気の通気路３内に、表面に光触媒を含
有した光触媒層を有する複数の基板１、及び、上記基板
１を照射する光源２を備えている。さらに、上記基板１
が表面１ａと裏面１ｂに光触媒層を有する。上記光源２
を中心点又は中心軸として描かれる円周４の全域に渡っ
て、上記円周４の接線に対し、基板１の表面１ａの角度
５が、５度から８５度の範囲である。且つ、第１の基板
１１の表面１１ａで反射した光線６が第２の基板１２の
裏面１２ｂに達する位置に各々の基板１を配列してな
る。上記構成により、光触媒に到達前に基板１の表面１
ａで反射した光線６を利用して他の基板１の裏面１ｂに
形成した光触媒を照射する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は臭気成分を含んだ空
気を光触媒により浄化する空気浄化装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】臭気成分等の有害成分を含んだ空気を浄
化するものとして光触媒を利用した空気浄化装置が知ら
れている。上記空気浄化装置は、コージュライト製のタ
イルやガラス板に光触媒を含有した塗料を塗布したりし
て形成した基板を空気の通気路内に備え、この光触媒に
光を照射し、光触媒が活性化し、有害成分を酸化分解し
て浄化するものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記空気浄化装置の浄
化性能を高めるには、照射された光が、例えば、基板到
達前に反射したり、基板を通り抜けたりするロスを少な
くし、効率良く光触媒を活性化する必要がある。

【０００４】本発明は上記事実に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、照射される光量に対し光
触媒の活性化を効率的に発揮させる空気浄化装置を提供
することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に係る
空気浄化装置は、臭気成分を含んだ空気の通気路３内
に、表層に光触媒を含有した光触媒層を有する複数の基
板１、及び、上記基板１を照射する光源２を備えた空気
浄化装置であって、上記基板１が表面１ａと裏面１ｂに
光触媒層を有すると共に、上記光源２を中心点又は中心
軸として描かれる円周４の全域に渡って、上記円周４の
接線に対し、基板１の表面１ａの角度５が、５度から８
５度の範囲であり、且つ、第１の基板１１の表面１１ａ
で反射した光線６が第２の基板１２の裏面１２ｂに達す
る位置に各々の基板１を配列してなることを特徴とす
る。上記構成により、複数の基板１を５度から８５度の
範囲に配列し、第１の基板１１の表面１１ａで反射した
光線６が第２の基板１２の裏面１２ｂに達するようにし
ているため、裏面１２ｂに形成した光触媒を利用するこ
とができる。

【０００６】本発明の請求項２に係る空気浄化装置は、
請求項１記載の空気浄化装置において、上記基板１が可
視光から紫外線を全反射する素材８上に光触媒層７を形
成したものであることを特徴とする。上記構成により、
可視光から紫外線を全反射するので、光線６が基板１を
通り抜けることがなく、素材８で反射する。

【０００７】本発明の請求項３に係る空気浄化装置は、
請求項１又は請求項２記載の空気浄化装置において、上
記光触媒層が酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸
ストロンチウム、酸化亜鉛よりなる光触媒のうち少なく
とも１種を含有することを特徴とする。

【０００８】本発明の請求項４に係る空気浄化装置は、
請求項１乃至請求項３いずれか記載の空気浄化装置にお
いて、上記光触媒層が液相析出法で形成した光触媒膜で
あることを特徴とする。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明を図面に基づいて詳細に説
明する。図１（ａ）は本発明に係る空気浄化装置の光源
と基板の配置を説明した平面図であり、（ｂ）は本発明
に係る空気浄化装置の一実施例の概略を示した断面図で
あり、図２は本発明に係る空気浄化装置の一実施例を部
材毎に分解して示した斜視図である。

【００１０】本発明の空気浄化装置は、臭気成分等の有
害成分を含んだ空気を浄化する装置であり、臭気成分等
の有害成分は、例えば、一酸化炭素、低級アルデヒド、
アンモニア、低級アミン、炭化水素、メチルメルカプタ
ン、硫化水素、並びに、タバコ臭、焼肉臭、生ゴミ臭等
の複合臭が挙げられる。

【００１１】図１（ａ），（ｂ）、及び、図２に示す如
く、上記空気浄化装置は臭気成分を含んだ空気の通気路
３内に、光触媒層を有する複数の基板１、及び、上記基
板１を照射する光源２を備える。上記基板１は表面１
ａ、及び、裏面１ｂが平坦であり、この表面１ａ、及
び、裏面１ｂの両方の表層に光触媒を含有した光触媒層
を有する。

【００１２】上記光触媒層を構成する光触媒は、紫外線
を受けることで触媒機能を発揮するものであり、常温に
おいて空気中の臭気成分等の有害成分を酸化し、分解す
ることにより空気を浄化するものである。上記光触媒と
しては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタ
ン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化タングス
テン、酸化ビスマス、酸化鉄、硫化カドミウム、及び、
これらの単独、または２種以上の混合物が挙げられる。
なかでも、上記酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン
酸ストロンチウム、酸化亜鉛は近紫外線の光線も利用で
き、触媒機能を発揮する範囲が広い。

【００１３】上記光源２は、上記光触媒に紫外線を照射
することで、光触媒に触媒機能を付与するものであり、
例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、ブラックラ
イト、イオン灯、殺菌灯等の紫外線ランプや蛍光灯等が
挙げられる。

【００１４】本発明の空気浄化装置は、図１（ｂ）及び
図２に示す如く、ハウジング１３内の通気路３に設けら
れた軸１７に光源２を備え、この軸１７の上端から延設
した指示片１８が軸１７の周囲に設けられ、上記指示片
１８の先端に上記基板１を複数備えている。各基板１，
１・・・は光源２より等距離に位置する。上記指示片１
８は上記軸１７を中心軸として回転する構造を有し、各
基板１，１・・・は光源２の周囲を回転することができ
る構造となっている。上記基板１の配列を、図１（ａ）
に基づいて説明する。上記基板１はその表面１ａが光源
２を中心軸として描かれる円周４の接線に対し、ある一
定の角度５を有している。本発明においては、上記角度
５が５度から８５度の範囲であることを必須とする。さ
らに、上記各基板１，１において、第１の基板１１の表
面１１ａで反射した光線６が、この第１の基板１１に隣
接して配置された第２の基板１２の裏面１２ｂに達する
ようになっている。

【００１５】上記基板１と光源２の配列が上述の構成と
なっていることにより、光触媒に到達前に基板１の表面
１ａで反射した光線６を利用して、他の基板１の裏面１
ｂに形成した光触媒を照射することができる。その結
果、本発明の空気浄化装置は、照射される光量に対し光
触媒の活性化を効率的に発揮させることができるため、
浄化性能が高くなる。

【００１６】上記基板１は、表面１ａと裏面１ｂに光触
媒層を有する限り限定せず、コージュライト製のタイル
やガラス板でもよいが、図３に示す如く、可視光から紫
外線を全反射する素材８上に光触媒層７を形成した基板
１が好ましい。上記可視光から紫外線を全反射する素材
８としては、マグネシアが挙げられる。上記構成である
と、可視光から紫外線を素材８で全反射するため、光線
６が基板１を通り抜けずに素材８で反射し、再び光触媒
層７の光触媒に機能する。

【００１７】さらに、光触媒層の形成法は、特に限定せ
ず光触媒を含有した塗料を塗布したりしてもよいが、上
記光触媒層が液相析出法で光触媒膜を形成すると、素材
等の形状に影響されずに、均一の厚さに形成できるの
で、均一な触媒機能が発揮されるため、好ましい。上記
液相析出法は、フッ化アンモニウム塩を含む水溶液中に
あって、（ＮＨ₄）₂ＸＦ₆＋２Ｈ₂Ｏ→ＸＯ₂＋４Ｈ
Ｆ＋２ＮＨ₄となる方向に反応を進めるべく、添加剤を
加えて過飽和になった溶液と素材を接触させて、この素
材表面に光触媒膜を製膜する方法である。上記光触媒膜
を形成する場合は、光触媒は酸化チタン、または、酸化
ジルコニウムのいずれかが適している。

【００１８】上記空気浄化装置は、図１（ｂ）に示す如
く、ハウジング１３内に空気を出し入れする送風機１６
を備えており、上記送風機１６の稼働により、流入口１
４より入った臭気成分を含んだ空気は、通気路３内を基
板１及び光源２を横断する方向に流れ、基板１の光触媒
層に含有する光触媒と接触する。この際、光源２からの
紫外線で活性化した光触媒は、酸化作用により、空気中
の臭気成分等を酸化し、分解し、浄化する。空気の流れ
により、上記基板１は軸１７を中心に回転する。浄化し
た空気は、排出口１５を通ってハウジング１３外に送風
される。

【００１９】なお、本発明の空気浄化装置は上記実施例
に限定されない。例えば、複数の基板１は装置のハウジ
ング１３に固定されていてもよいし、空気の流れは基板
１及び光源２を横断せず、基板１及び光源２に沿って流
れてもよい。

【００２０】

【発明の効果】本発明の請求項１に係る空気浄化装置
は、上記構成により、光触媒に到達前に基板１の表面１
ａで反射した光線６を利用して、他の基板１の裏面１ｂ
に形成した光触媒を照射することができる。その結果、
照射される光量に対し光触媒の活性化を効率的に発揮さ
せることができるため、浄化性能が高くなる。

【００２１】さらに、本発明の請求項２に係る空気浄化
装置は、上記効果に加えて、基板１が可視光から紫外線
を全反射する素材８上に光触媒層７を形成したものなの
で、光線６が基板１を通り抜けずに素材８で反射し、再
び光触媒層７の光触媒に機能する。その結果、照射され
る光量に対し光触媒の活性化がより効率的に発揮させ
る。

【００２２】さらに、本発明の請求項３に係る空気浄化
装置は、上記効果に加えて、近紫外線の光線も利用で
き、触媒機能を発揮する範囲が広いので、光触媒の触媒
機能がより高まる。

【００２３】さらに、本発明の請求項４に係る空気浄化
装置は、上記効果に加えて、光触媒層が液相析出法で形
成した光触媒膜であるので、素材の形状に影響されず
に、均一の厚さに形成できるため、より均一な触媒機能
が発揮される。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本発明に係る空気浄化装置の光源と基
板の配置を説明した平面図であり、（ｂ）は本発明に係
る空気浄化装置の一実施例の概略を示した断面図であ
る。

【図２】本発明に係る空気浄化装置の一実施例を部材毎
に分解して示した斜視図である。

【図３】本発明に係る空気浄化装置に使用される基板の
一例を示した断面図である。

【符号の説明】

１，１１，１２基板１ａ，１１ａ表面１ｂ，１２ｂ裏面２光源３通気路４円周５角度６光線

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】臭気成分を含んだ空気の通気路（３）内
に、表層に光触媒を含有した光触媒層を有する複数の基
板（１）、及び、上記基板（１）を照射する光源（２）
を備えた空気浄化装置であって、上記基板（１）が表面
（１ａ）と裏面（１ｂ）に光触媒層を有すると共に、上
記光源（２）を中心点又は中心軸として描かれる円周
（４）の全域に渡って、上記円周（４）の接線に対し、
基板（１）の表面（１ａ）の角度（５）が、５度から８
５度の範囲であり、且つ、第１の基板（１１）の表面
（１１ａ）で反射した光線（６）が第２の基板（１２）
の裏面（１２ｂ）に達する位置に各々の基板（１）を配
列してなることを特徴とする空気浄化装置。
【請求項２】上記基板（１）が可視光から紫外線を全
反射する素材（８）上に光触媒層（７）を形成したもの
であることを特徴とする請求項１記載の空気浄化装置。
【請求項３】上記光触媒層が酸化チタン、酸化ジルコ
ニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛よりなる光
触媒のうち少なくとも１種を含有することを特徴とする
請求項１又は請求項２記載の空気浄化装置。
【請求項４】上記光触媒層が液相析出法で形成した光
触媒膜であることを特徴とする請求項１乃至請求項３い
ずれか記載の空気浄化装置。