JPH09187460A - 磁気手術台 - Google Patents

磁気手術台

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JPH09187460A
JPH09187460A JP7353258A JP35325895A JPH09187460A JP H09187460 A JPH09187460 A JP H09187460A JP 7353258 A JP7353258 A JP 7353258A JP 35325895 A JP35325895 A JP 35325895A JP H09187460 A JPH09187460 A JP H09187460A
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magnetic
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electromagnet
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Raisa Reyman
ライザ レイマン
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Surgery Futures Res Inc
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SAAJIERII FUTURE-ZU RES Inc
Surgery Futures Res Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明により斬新な手術台システムが開示さ
れる。 【解決手段】 本手術台システムには非磁性材料からな
るテーブルが包含される。当該テーブルには支持体を配
設する。当該テーブルの限定部域周辺に磁場を形成する
ため磁気装置を配備する。当該磁気装置にはテーブル下
にひとつの磁極、テーブル上方には選択的に空間を取っ
て第二の磁極を配設する。当該第二磁極には腹腔鏡外科
手術中磁場の強度と方位を変えるための手段が内包され
る。電磁石の実施態様として、第二磁極には当該磁極を
操作することにより選択的に電磁場に焦点を当て、かつ
これを並進させるための制御装置が包含される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に腹腔鏡手術な
どに有用な磁性手術台、例えば電磁手術台並びに当該手
術台を用いての腹腔鏡手術の実施技法に関する。
【0002】
【従来の技術】手術の最も基本的な概念は体内組織にエ
ネルギーを分与するという概念である。当該エネルギー
は特定の処置につき初期の効果をあげるべく正確に方向
づけられる。
【0003】手術は部分的には科学に基づいて発達する
ものであるが、ある程度は伝統に拘束される。従来より
手術は機械的エネルギーを利用して組織を取り扱って来
た。組織の鉗子挟着操作、把握、切除、緊縛などは、い
ずれも当該組織に対する効率的な機械エネルギーの施予
にほかならない。しかしながら、全エネルギーが利用さ
れているわけではない。
【0004】手術に利用できるエネルギーには以下の手
段による組織の取扱いが含まれる。すなわち、機械的エ
ネルギー(もっとも広範囲に利用)、電気/熱エネルギ
ー(例えば、電気メス)、圧力(例えば、ガス注入、吸
引)、光(利用せず)、電波(利用せず)、磁気/電磁
気(利用せず)、音(利用せず)、運動エネルギー(利
用せず)、化学/分子エネルギー(利用せず)である。
【0005】腹腔鏡手術は徐々にではあるが腹腔手術を
変化させつつある。大きな切開口をつくる代わりに、極
めて小さな切り口(2 〜3 ミリ程度)から複数の細く柄
の長い器具と1 本のファイバースコープを入れる。手術
はファイバースコープを通って映し出されるテレビ映像
と、手術部位から患者の体外に延びて外科医の手に至る
柄の長い器具を併せ用いて行われる。このように小さな
切り口は外科手術による合併症を大いに低減しかつ術後
回復期間を大いに短縮する。この種の外科手術において
は、患者の体内から体外に延びる細長い器具によって処
置するので、腹腔を全開する必要は全くなくなる。体内
の外科処置は長いファイバースコープによって視覚化さ
れる。
【0006】医学的手技及び/又は外科的手技において
磁化可能剤を経口摂取その他によって利用することは周
知のことである。例えば、1959年3 月9 日、S.J.ボルガ
ーが取得したアメリカ合衆国特許第2,671,451 号「治療
用丸剤」においては、人体内で溶解し、かつ原体と合わ
せた磁気吸引性金属元素を内包する治療物質を含む治療
用丸剤が提供されている。
【0007】1969年10月28日F.H.J.フィッゲ他が取得し
たアメリカ特許第3,474,777 号「治療薬の投与方法」で
は、磁気的に応答する物質と併せ生体内に治療薬を注入
することによって生体内の好適治療部位に当該治療薬を
局在させる方法が提供されている。
【0008】1974年2 月26日E.H.フレイ他が取得したア
メリカ特許第3,794,041 号「胃腸カテーテル」では強磁
性材料を包含する細長い変形可能な胃腸カテーテルが提
供されている。
【0009】1989年1 月31日E.フィンドル他が取得した
アメリカ特許第4,428,366 号では、血中グルコースを下
げる電磁装置が提供されている。本装置にはベット(患
者)テーブル並びに上下電磁気コイルが配備してあっ
た。患者と反対側のヘルムホルツ・コイルに直流個別パ
ルスを発信することによって一様な単極パルス磁界を得
た。下部コイルは基体に定着し、上部コイルは垂直スタ
ンドに調節可能に装着した。
【0010】1993年7 月27日L.E.ハラウッド他が取得し
たアメリカ特許第5,230,112 号では患者支持テーブルが
提供されている。当該患者支持テーブルX 線半透過材料
からなる第一の患者支持表面が含まれていた。また、患
者支持体テーブルはひとつの支持体を配設し、当該支持
体は支持体の第一の端縁部の第一患者支持表面の第一端
縁部に当着され、第一患者支持表面の第三端縁部を越え
て延びる。また、患者支持テーブルには支持体の第二端
縁部に当着した基体が含まれる。当該基体は長手方向と
横手方向の上下に傾動し、第一患者支持表面の上下移動
が可能にしていた。また、当該基体はあらかじめ定めた
姿勢と位置において第一患者支持表面をしっかり支持す
る手段を配設していた。
【0011】1992年11月17日セイド他が取得したアメリ
カ特許第5,163,957 号では、ポリテトラフルオロエチレ
ンに覆設した磁気要素コイル付き装置を外科処置に用い
ることが開示された。
【0012】前記先行技術のいずれも腹腔鏡外科技法を
志向したものではない。特に、当該先行特許のいずれも
本発明の本質、すなわち、腹腔鏡外科手術を簡易化する
ための腸分節の後退、懸垂、並進運動などの腸管取扱い
を志向したものはひとつもない。現在では、腸管は長い
把握器具を使用し腹腔鏡を用いて調整している。この方
法は甚だしく煩雑で時間もかかる。したがい、磁性材料
ないし磁化可能な物を摂取することによって腸管を調整
できればひとつの改良になるであろう。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明により解決さる
べき問題点のひとつは腹腔鏡外科手術中に腸分節を取り
扱うための、磁気帯び装置を提供することである。
【0014】本発明が解決すべきいまひとつの問題は、
腹腔鏡外科手術中に腸分節を取り扱うための、磁気装置
と組み合わせた手術台の提供である。
【0015】更に、本発明が解決すべきいまひとつの問
題は、腹腔鏡外科手術中に腸分節を取り扱うための、磁
気を用いた技法である。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記諸問題を解決するた
め本発明を構成するものとして用いられる技術的手段
は、非磁性材料からなる台、当該台用基礎支持体、当該
基礎支持体に固着した概略方形の枠、前面支柱、下部基
礎部材、後面支柱、前方片持ちプレート及び懸垂下方脚
部、上記台の限定部域周辺部に磁界を形成するための並
進電磁石、当該並進電磁石が当該台下の当該基礎支持体
に接続させた下部磁極、当該懸垂下方脚部に定着し当該
台上部に選択的空間を持たせて配設し、上部磁極を操作
することによって当該電磁場に選択的に焦点を合わせ、
かつこれを並進させる手段を包含する並進運動電磁石を
包含する手術台システムである。
【0017】上記諸問題を解決するため本発明を構成す
るものとして用いられるいまひとつの技術的手段は、患
者の腹腔鏡外科手術中に腸分節を取り扱うための技法を
提供することである。本技法は、例えば術前患者に磁性
物ないし磁化可能物のプラスチック被覆粒状物を含有す
る粘着性の媒体を摂取させる、若しくは磁界の作用を受
けてゲル状になる強磁性流体を摂取させ、患者の上下に
空間を取った磁極により患者の周辺に磁界を形成して、
内部に磁性部域ないし磁化可能部域を有する腸分節を当
該磁界に吸引し、よってもって腹腔鏡外科手術中に磁界
の強度と方位を変化させる手順を提供する。
【0018】上記の技術的手段は、相互に関連しあい、
かつ下記付加的機能によって前記諸問題を解決するよう
に作用する。
【0019】すなわち、1 個の磁気コア、当該磁気コア
を囲繞しDC電流が流れるように適合させた1 本のコイ
ル、上記手術台の上方に選択的に空間を取って配設され
た磁極ヘッド、当該手術台下に磁極プレートを揺する電
磁石からなる。上記コイルは複数の個別コイルによって
覆設され、ポリテトラフルオロエチレンなどの合成プラ
スチック・ケーシングに収納した鋼心を内包する。ま
た、従来の手段を係合させて手術台の高さ、傾動及びロ
ールを調節することができる。
【0020】上記下部基礎部材と上記後面支柱の間の継
手並びに上記前方片持ちプレートと上記懸垂下方脚部の
間の継手はたわみ管継手としている。
【0021】当該上部磁極は、回転可能なシャフト・マ
グネットに支持された複数の伸張可能磁極ヘッド、若し
くははめば歯車状に配設した複数の回転可能磁気磁極、
若しくは磁化可能なヘリカルシャフト及び当該ヘリカル
シャフトを回転させて磁界の強さを変化させる手段、若
しくは一連の磁気活性ワイヤ・コイル並びに個々の磁気
コイルの個々の強さにしたがって電磁場を調整できる選
択的に調整可能な手段を内包する。
【0022】当該磁界は電磁場とし、かつ当該電磁場が
患者に対し鉛直な1 本の軸まわりの電磁石の極のひとつ
を回転させることによって変化することが望ましく、若
しくは当該電磁石の磁極のひとつを患者に対し横方向に
移動させることによって変化させる、若しくは電磁コイ
ルを形成する個々の磁性コイルから選択したコイルに対
し直流電圧を制御することによって変化させてもよい。
【0023】前記腸部の取扱いは、腸分節の懸垂、若し
くは腸分節の退縮、若しくは分節ごとに腸全体を長手方
向に並進させることを含む。
【0024】より一般的な用語を用いて説明するなら、
本発明においては、腹腔鏡外科手術中に、腸管と何らの
物理的接触もなしに腸管を処置するために電磁手術台を
提供する。当手術台はその電磁場を調整することによっ
て、腹腔鏡外科手術中に腸管全長に相当する特定の運動
をする。当該操作には、腸分節の懸垂ないし退縮若しく
は腸管全長にわたる分節ごとの長手方向並進運動(すな
わち、腸管を「走査する」)を含む。
【0025】この新規な電磁手術台は、高さ、傾動及び
ロールを調整できる磁気的に不活性な患者テーブルから
なる。これを囲繞して磁気コアがある。電磁極は患者の
上下に位置している。患者が粘着性流体を摂取してその
腸管内に磁気ないし電磁気領域が形成され、患者の身体
上の電磁場が調整されると、腸管の特定処置が完了す
る。
【0026】電磁場は種々の電磁ヘッド実施態様によっ
て患者身体上方に調整される。ひとつの実施態様におい
て、電磁石のヘッドは歯車内の回転磁極からなる。第二
の実施態様においては、電磁ヘッドとしてヘリカル・シ
ャフトを移動させることによって電磁場を調整する。第
三の実施態様においては、コイルを構成する個々に制御
される小型磁気コイルを通して磁場を操作する。
【0027】本発明の実際面において、術前に患者が磁
気吸引性粘着性媒体を摂取し、これが腸管内に一様に配
分される。術中は腹腔上に電磁場が誘導され、これによ
り磁場の操作が腹腔内の腸の長さと並進する。当該磁場
は好適には電磁石若しくは永久磁石によって印加するこ
とができる。
【0028】磁気媒体の一実施態様は粘着性流体、例え
ばグリセロール内の磁気吸引性のある(ただし、磁化力
はない)粒子を含有する媒体である。流体は電磁場の影
響を受けると粒子の集合を防ぐ役割を果たす。当該粒子
の理想的形状、サイズ及び分布密度は実際的には経験的
に割り出される。磁性ないし電磁性材料は防護被覆を施
した軟鉄ないし鋼球、若しくは球状ニッケル鋼でよく、
その場合の球径は2 〜3 ±0.01ミリ程度である。保護被
覆は好適には食品用銘柄の合成プラスチック材料、例え
ばポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなど
とする。球形状並びに最大径2 〜3 ミリ程度が最適と思
われる。また、0.5 〜1 平方センチ程度に間隔をおいた
複数の軟鉄製の球を使用してもよい。
【0029】磁気媒体のいまひとつの実施態様は、磁場
の影響を受けるとゲル状になる市販の強磁性流体であ
る。
【0030】電磁場は、好適には電磁石若しくは適当に
枢着した永久磁石で創出するのがよく、その強度は0.1
テスラと0.5 テスラの間とするのがよい。腸管内の磁気
粒子の分布がよくない場合には、磁力ないし電磁力で調
整することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】図1に見られる通り、電磁石101
によって磁場100 ができ、当該電磁石は腹壁102 に貫入
し腸分節103 を通過する。術前に、磁性媒体104 、例え
ば粘着性媒体内のプラスチック被覆鉄ペレットを鼻胃管
(図示せず)を通して導入する。
【0032】図2、すなわち、図2Aと図2B並びに図
3、すなわち、図3Aと図3Bに示すように、コア200
は長脚202 、短い、先の尖った脚部203 及び上部橋部20
4 をもつ四角い、中実断面201 (図2Bを参照)を有す
る逆U 字型の枠である。
【0033】コア300 は四角い中空コア・スペース302
をもつ2 つの端縁部円板301 を内包する。コア302 内の
複数の巻線303 は電磁場をつくる手段である。
【0034】脚部202 は四角い中空コアスペース302 を
通して挿入するように適合化している。
【0035】磁力は磁石表面からの距離の3 乗に比例し
て磁石から離れるほど弱くなる(すなわち、X を距離と
すると磁力F はX3に逆比例する)ことは周知である。巻
線の巻数を大きくすると電磁コアが回転し、またコア自
体の幾何学形状によって磁力を大きくすることができ
る。U 字型設計の電磁石がよいようである。また、抵抗
を最小限に抑えるにはワイヤコイルを液冷する必要があ
り、これによって通過電流も大きくなり、磁力も強くな
る。
【0036】最近の腹腔鏡器具には鋼成分が含まれてお
り、そのため電磁場に干渉が生じ得る。したがい、磁気
的に不活性の外科器具を用いることが望ましい。
【0037】図4に示すのは、電磁手術台400 の一実施
態様の全体構造である。これは、高さ、ピッチ、ロール
ともに調整可能な従来からの基体402 に支持された磁気
的に不活性な患者テーブル401 から構成されている。電
磁石403 は患者テーブル401の下に位置する平坦な鉄板4
04 の形で基礎磁極を有している。磁気コア405 はテー
ブル401 の中間部分で前面支柱406 と連通し、下方に伸
びてテーブル基体402、次いで基礎部材407 としての床
面に沿ってテーブルの脚部に接触、次いで後面支柱408
として上方に伸び、次に片持ちプレート409 として前方
に伸び、最後に脚部410 として下方に突出し、電磁ヘッ
ド411 の配設された患者身体の上部にまで伸張してい
る。磁気コア405 の全体構造は連続する鉄材である。銅
線コイル412 が磁場を形成し、コア405 の垂直後面支柱
408 を囲繞する形でテーブル401 の脚部に位置してい
る。鉄心の寸法は断面で5cmx 5cm程度でよい。電磁石の
ワイヤコイル412 は熱放散系(図示せず)並びに起電力
を供給するためのパワー・システム(図示せず)を必要
とする。本システムに供給される直流電流は、テーブル
401 と電磁ヘッドとの間のエアギャップ413 が0.1 と0.
5 テスラの間になるように調整することができる。所要
磁場強度は腸分節を持ち上げるに必要な強度である。
【0038】図5に示すのは、手術台400 用伸張可能突
出磁極502 を各配備した複数の、上下に重ねた回転シャ
フト501 からなる磁気ヘッド500 の一実施態様である。
回転シャフト501 は共通の軸503 を中心として回転する
ようになっており、可変速電動モータ(図示せず)によ
って回転される。構造全体が磁気的に不活性な方形ボッ
クス504 に収納されている。個々の磁極は複数の鉄製同
心円シリンダ505 からなり、これにより磁極502 の長さ
を伸縮できるようになっている。磁極502 とテーブル基
部402 との間の磁気吸引は磁極の長さによって制御す
る。シャフトが回転するにつれて全腸にわたり長手方向
の並進が行われる。
【0039】図6に示すのは、手術台400 用磁気プレー
ト605 の上に位置する回転ヘリカル・シャフト601 から
なる磁気ヘッド600 一実施態様である。当該磁気ヘッド
実施態様は、外科操作の如何により、単独でも、或いは
他の実施態様と組み合わせても利用することができる。
ヘリカル・シャフト602 はその長軸603 を中心として回
転し、可変速電動モータ(図示せず)によって駆動装置
されるようになっている。全体構造の寸法は長さが20cm
程度、螺旋ピッチは5cm 程度とすることができる。螺旋
部604 は磁場強度を変化させ、その結果腸管の長手方向
並進運動になる。螺旋部の実施態様を変えることによ
り、操作の種類に応じて螺旋ピッチを変えてもよい。
【0040】図7に見られる通り、磁気ヘッド700 の実
施態様は、手術台400 用の一連の磁気的に不活性のワイ
ヤコイル701 〜708 である。このような形態の磁気ヘッ
ド710 は、コイル701 〜708 の個々の強度に応じて磁場
全体を調整するような磁気ヘッドになっている。
【0041】図5、図6及び図7を参照しながら説明し
た電磁ヘッドは、腹腔鏡外科手術中に単独で使用しても
よく、また他のものと組み合わせて使用することもでき
る。ひとつの実施態様においては、当該処置用の適当な
磁気ヘッドを術前に選択し、それから手術全体にわたっ
て使用してもよい。
【0042】図8に示すのは、システム全体800 の概観
である。本システムには、先に説明したように並進運動
電磁石(TME)801が含まれ、当該電磁石には主電磁石802
並びに制御ワイヤ804 によりこれと接続された制御箱80
3 が内包される。
【0043】TME801は低磁気抵抗接続個所を通って主電
磁石に当着している。個々のコイル701 〜708 は制御箱
と連合する回路構成により発生する電流波形によって励
磁される。
【0044】制御箱は図9に示す電流波形を出力する。
立ち上がり時間tr、パルス幅tw及び周期T は制御ノブに
よって変えることができる。個々のコイルd の波形と波
形の位相関係も制御ノブで変えることができる。各波形
の極性を正負いずれにしても磁場のグラジエントを大き
くすることができる。
【0045】
【発明の効果】開腹手術に腹腔鏡技法を用いることは、
患者にとっては有利である(死亡率低下など)が、外科
医にとっては厄介である。腹腔鏡器具を把捉する部分が
小さいため長い腸を連続して扱うことが難しく、そのた
め腸外科手術は特に厄介である。本発明による電磁手術
台は、生体外で長い腸を把握し、後退させ、走査できる
ように適合化してあるため、腹腔鏡処置が楽になる。
【0046】電磁手術台は、電磁ヘッドに吸引すべき腸
分節内に磁場ないし電磁場を形成する。この場合に用い
る溶液は粘着性のある強磁性粒子を含む溶液、若しくは
磁場の作用を受けてゲル状に変化する強磁性流体であ
る。流体はプラスチック被覆を施したステンレス鋼その
他の強磁性粒体を含有する生物学的に不活性の半粘性ゲ
ル(例えば、ゼラチン)でもよく、また磁場の存在下で
ゲル状になる強磁性流体でもよい。粒径は最大で1 ミリ
である。当該溶液は患者が術前に飲む。術後、腸管の自
然な蠕動運動により当該流体は体外へ排出されるので、
患者には生物学的インパクトは全然ない。実験室では腸
分節モデルを用いて磁粉の理想的分布密度を特定した。
腸の0.5 〜1.0 平方センチ程度の面積当たり1 粒子とす
ると磁力源への最適吸引が得られた。径1 ミリ程度を超
える粒子であればこれより大きい粒子より磁力源に吸引
されやすいことが示された。
【0047】磁場の中に上記以外の磁気活性材を入れる
と磁場特性が悪く変化する。したがって、外科処置に用
いるその他の腹腔鏡器具はすべて磁気不活性でなくては
ならない。
【0048】腸処置の場合ループ状の腸管を単に腹壁内
部に吸引するだけでは十分とは言えない。腸分節の縮退
と並進(すなわち、腸管を「走査」する)の方がよかろ
う。腸管の走査は既に述べた回転コアを用いたタンデム
(櫛形)電磁石を用いて実施することができる。
【0049】腸の癒着は電磁力では克服することができ
ない。そのような場合には、癒着部分が離れるまで従来
の腹腔鏡器具を使用することになろう。
【0050】上述した電磁手術台は腹腔鏡を用いての長
い腸の処置を甚だ楽なものにする。したがい、これは現
在の腹腔鏡外科手術時間を短縮し、また腹腔鏡を使用す
る処置の範囲を広げるものである。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁操作の概念を説明する模式図である。
【図2】適当な電磁コアを示す合成図で、図2Aは正面
図、図2Bは図2AのIIA-IIAで切った断面図である。
【図3】適当な1 個のコイルを示す略図で、図3Aは端
面図、図3Bは側面図である。
【図4】電磁手術台の全体側面図である。
【図5】回転磁極からなる電磁ヘッドの一実施態様の模
式図である。
【図6】回転ヘリカルシャフトを内包する電磁ヘッドの
第二の実施態様の模式図である。
【図7】本発明による別な実施態様を通して見た中央部
縦断面図である。
【図8】本発明による電磁手術台用手術システムの概略
図である。
【図9】制御箱及びこれと組み合わせた電流波形であ
る。
【符号の説明】
100 磁場 101 電磁石 102 腹壁 103 腸分節 104 磁性媒体 200 コア 400 電磁手術台 500 磁気ヘッド 802 主電磁石 803 制御箱

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a) 非磁性材料からなる台と、 b) 当該台用基礎支持体と、 c) 正面支柱、下部基礎部材、後面支柱、前方片持ちプ
    レート及び懸垂下方脚部を有し、上記基礎支持体に定着
    させた総じて長方形の枠、並びに d) 上記台の限定部域周辺部に磁界を形成するための並
    進電磁石であって、当該並進電磁石が当該台下の当該基
    礎支持体に接続させた下部磁極と当該懸垂下方脚部に定
    着し当該台上部に選択的空間を持たせて配設した上部磁
    極を有し、当該上部磁極が当該上部磁極を操作すること
    によって当該電磁場に選択的に焦点を合わせ、かつこれ
    を並進させる手段を包含するもの、を具備する手術台。
  2. 【請求項2】上記電磁石が、上記後方支柱部を囲繞する
    磁気コア及び当該コアの一部を囲繞しかつ直流電流を通
    すようにしたコイルを具備する請求項1に記載の手術
    台。
  3. 【請求項3】上記下部基礎部材と上記後面支柱の間の継
    手並びに上記前方片持ちプレートと上記懸垂下方脚部の
    間の継手をたわみ管継手とした請求項1に記載の手術
    台。
  4. 【請求項4】上記コイルが個々のコイルの集合体で包摂
    され、かつ合成プラスチック・ケーシングに覆設した鋼
    心を内包する請求項1、2、3のいずれかに記載の手術
    台。
  5. 【請求項5】上記合成プラスチック・ケーシングをポリ
    テトラフルオロエチレンとした請求項4に記載の手術
    台。
  6. 【請求項6】上記電磁石の当該磁極が台の上下に配設さ
    れた請求項1乃至5のいずれかに記載の手術台。
  7. 【請求項7】上記台の高さ、傾動及びロールを調整する
    よう選択的に係合できる従来型の手段を有する請求項1
    乃至6のいずれかに記載の手術台。
  8. 【請求項8】上記上部磁極が回転可能なシャフト・マグ
    ネット上に支持された伸張可能な複数の磁極ヘッドを有
    する請求項1乃至7のいずれかに記載の手術台。
  9. 【請求項9】上記上部磁極が歯車状に配設した複数の回
    転可能磁気磁極を有する請求項1乃至7のいずれかに記
    載の手術台。
  10. 【請求項10】上記上部磁極が磁化可能なヘリカルシャ
    フト及び当該ヘリカルシャフトを回転させて磁界の強さ
    を変化させる手段を有する請求項1乃至7のいずれかに
    記載の手術台。
  11. 【請求項11】上記上部磁極が一連の磁気活性ワイヤ・
    コイル並びに個々の磁気コイルの個々の強さにしたがっ
    て電磁場を調整できる選択的に調整可能な手段を有する
    請求項1乃至7のいずれかに記載の手術台。
  12. 【請求項12】患者の腹腔鏡手術中に腸分節を扱う方法
    であって、 a) 患者に対し、磁界の作用を受けてゲル状になる強磁
    性流体などの粘着性媒体若しくは複数のプラスチック被
    覆(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化
    ビニルなどの食品用銘柄の合成プラスチック材料)磁化
    可能丸剤(例えば、直径が約2 〜3 ±0.1 ミリ程度の鉄
    球ないし鋼球)を包含するグリセロールを摂取させて当
    該腸分節内部に磁性域ないし磁化可能域を形成するこ
    と、 b) 患者の上下に空間をもたせる複数の磁極により患者
    の身辺に磁界ないし電磁場を形成し、内部に当該磁性域
    ないし電磁性域をもった上記腸分節を当該磁界に吸引す
    ること、及び c) 腹腔鏡手術中に当該磁界の強度と方位を変化させる
    ことを含む方法。
  13. 【請求項13】上記磁界を電磁場とし、かつ当該電磁場
    が患者に対し鉛直な1 本の軸まわりの電磁石の極のひと
    つが回転することによって変化する、若しくは当該電磁
    石の磁極のひとつを患者に対し横方向に移動させること
    によって変化させる、若しくは電磁コイルを形成する個
    々の磁性コイルから選択したコイルに対し直流電圧を制
    御することによって変化させる請求項12に記載の方
    法。
  14. 【請求項14】上記腸部の取扱いにおいて腸分節の懸垂
    退縮を含む、若しくは分節ごとに腸全体を長手方向に並
    進させることを含む請求項12又は請求項13の方法。
JP7353258A 1994-03-18 1995-12-28 磁気手術台 Pending JPH09187460A (ja)

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