JPH09187229A - 家禽用飼料組成物 - Google Patents

家禽用飼料組成物

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JPH09187229A
JPH09187229A JP8002678A JP267896A JPH09187229A JP H09187229 A JPH09187229 A JP H09187229A JP 8002678 A JP8002678 A JP 8002678A JP 267896 A JP267896 A JP 267896A JP H09187229 A JPH09187229 A JP H09187229A
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coenzyme
feed composition
poultry
vitamin
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JP8002678A
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Michiya Aoyama
倫也 青山
Yasuaki Sugimoto
康明 杉本
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IDEMITSU MATERIAL KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鶏など主に食肉用として飼育される家禽、特
にブロイラーの飼養において、腹水症や突然死症候群を
有効に防止し、育成率を向上させる効果に優れる飼料組
成物を提供する。 【解決手段】 家禽用飼料組成物に、補酵素Q好ましく
は補酵素Q9及び/又は補酵素Q10と共に、抗酸化剤好
ましくはビタミンE、制酸剤好ましくは炭酸水素ナトリ
ウム、アンモニア生成抑制剤好ましくはジアルデヒドデ
ンプン、から選ばれる物質を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は家禽用飼料組成物に
関し、詳しくは、鶏など主に食肉用として飼育される家
禽、特にブロイラーの飼養において発生する腹水症や突
然死症候群を有効に防止し、育成率を向上させる効果に
優れる家禽用飼料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】家禽、詳しくは鶏、特にブロイラーを飼
育するブロイラー産業において、用いる鶏の系統の育種
技術や飼養技術は、生産性向上を追求するために、体重
の増加速度及び飼料要求率に重点がおかれて開発されて
きた。しかし、生育期間中に、体重増加速度に心臓機能
の発達が伴わないため、鶏に心不全症や腹水症が多発し
ており、ブロイラー産業において大きな経済打撃となっ
ている。特に、冬場や高地等の飼育環境や成長期などの
酸素要求量が高まる条件下や閉鎖環境での多数飼育など
の酸素が不足する条件下では、上記疾病の発生が顕著で
ある。
【0003】そこで、この様なブロイラーの腹水症や突
然死症候群(以下「SDS」ともいう)を防止する技術
が開発され、以下の3技術がこれまでに知られるように
なった。
【0004】補酵素Qを含むキノン類の投与によりブ
ロイラーの腹水症を防止し育成率を向上させる(特開平
6−287136号公報)。 補酵素Q9〜Q10を含有する腹水症防止および突然死
症候群防止のための飼料(特開平7−1239286号
公報)。 炭酸水素ナトリウムを通常の飼料に1%添加すること
により腹水症を防止する(J. Appl. Poultry Res. 3, 2
44-252, 1994)。
【0005】しかしながら、これらの技術ではある程度
の効果は得られるものの、依然として腹水症や突然死症
候群は発生しており、より十分な防止効果が得られる技
術の開発が期待されている。また、の方法では、炭酸
水素ナトリウムを飼料に対し多量に添加するため、ブロ
イラーの飲料水量が増加したり、飼料の飛散などにより
床面での飼料の腐敗などが起こり、衛生状態が悪化する
などの問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、鶏など主に食肉用として飼育さ
れる家禽、特にブロイラーの飼養において、腹水症や突
然死症候群を有効に防止し、育成率を向上させる効果に
優れる家禽用の飼料組成物を提供することを課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、補酵素Qと抗酸
化剤、制酸剤、アンモニア生成抑制剤から選ばれる物質
を組み合わせた薬剤を飼料に混合してブロイラーに投与
することにより、補酵素Qを単独で用いた飼料を投与し
た場合に比べ、腹水症や突然死症候群を飛躍的によく予
防してブロイラーの死亡率を極端に減少させ、育成率を
向上させることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、補酵素Qと共に、抗酸
化剤、制酸剤、アンモニア生成抑制剤から選ばれる物質
を含有する家禽用飼料組成物である。本発明の家禽用飼
料組成物に用いる補酵素Qは、補酵素Qに分類される化
合物であれば特に制限されるものではないが、具体的に
は、補酵素Q6、補酵素Q7、補酵素Q8、補酵素Q9、補
酵素Q10、あるいはこれらの各々についての還元型(キ
ノール型)補酵素Q等を挙げることができる。これらの
補酵素Qのうちでも、本発明の飼料組成物においては、
下記一般式(I)で表される補酵素Q9、下記一般式(I
I)で表される補酵素Q10が好ましく用いられる。
【0009】
【化3】
【0010】
【化4】
【0011】本発明の家禽用飼料組成物における補酵素
Qの含有量であるが、具体的には、飼料組成物全量に対
して概ね0.0005〜0.5重量%であることが好ま
しい。また、本発明においては補酵素Qを予め含有する
組成物を使用することもできるが、この場合には補酵素
Qとしての含有量が飼料組成物全量に対して0.000
5〜0.5重量%となるように、補酵素Q含有の組成物
を飼料組成物に配合すればよい。
【0012】本発明の家禽用飼料組成物は、上記補酵素
Qと共に、抗酸化剤、制酸剤、アンモニア生成抑制剤か
ら選ばれる物質を含有するが、本発明に用いる抗酸化剤
として、具体的には、ビタミンE、エトキシキン、セレ
ン等を挙げることができる。これらの抗酸化剤は、1種
を単独であるいは2種以上の混合物として用いることが
できる。また、これらのうちでも、本発明にはビタミン
Eが好ましく用いられる。ここで、本発明に用いるビタ
ミンEとは、α−トコフェロール、β−トコフェロー
ル、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールやこれら
の誘導体等のビタミンE作用を有する化合物群の総称で
ある。本発明の家禽用飼料組成物が、補酵素Qと共にビ
タミンEを含有する場合、組成物中に含まれる補酵素Q
とビタミンEとの割合は補酵素Q 1mg当たりのビタ
ミンE量として0.01〜100IU程度であることが
好ましい。
【0013】本発明の家禽用飼料組成物に用いる制酸剤
としては、特に制限されず、具体的には、炭酸水素ナト
リウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等を挙げる
ことができる。また、これらのうちでも、本発明に好ま
しく用いられるのは炭酸水素ナトリウムである。これら
の制酸剤は、1種を単独であるいは2種以上の混合物と
して用いることができる。本発明の家禽用飼料組成物が
補酵素Qと共に制酸剤を含有する場合、組成物中に含ま
れる補酵素Qと制酸剤との重量比は1:2〜1:400
0程度であることが好ましい。
【0014】本発明の家禽用飼料組成物に用いるアンモ
ニア生成抑制剤としては、鶏体内でのアンモニア生成を
抑制する作用を有する物質であれば特に制限されるもの
ではなく、具体的には、腸内でのアンモニアを吸着して
体外へ排泄させる作用を有する物質、例えば、ジアルデ
ヒドデンプン(以下「DAS」ともいう)や、ウレアー
ゼインヒビターとしての作用を有する物質、例えば、ユ
ッカ抽出物、サルササポニン、ヒドロキサム酸等を挙げ
ることができる。これらのアンモニア生成抑制剤は、1
種を単独であるいは2種以上の混合物として用いること
ができる。また、この様なアンモニア生成抑制剤のうち
でも、本発明には、DASが好ましく用いられる。本発
明の家禽用飼料組成物が補酵素Qと共にアンモニア生成
抑制剤を含有する場合、組成物中に含まれる補酵素Qと
アンモニア生成抑制剤との重合比は、100:1〜1:
100程度であることが好ましい。なお、ユッカ抽出物
とは、ユリ科の植物であるユッカ・スキディゲラ(Yucc
a schidigera)の抽出物のことである。
【0015】本発明の家禽用飼料組成物においては、上
記抗酸化剤、制酸剤、アンモニア生成抑制剤は、補酵素
Qと共にこれらのいずれか1種を用いてもよいし、2種
または3種を併用して用いてもよい。
【0016】本発明の家禽用飼料組成物は、上述の様
な、補酵素Qと、抗酸化剤、制酸剤、アンモニア生成抑
制剤から選ばれる物質と共に、通常の飼料に配合される
任意成分が配合され、これらを均一に混合することによ
り製造される。また、本発明の家禽用飼料組成物を家禽
に与える際の量や方法は、通常の飼料を用いた場合と同
様の量や方法を取ることが可能である。
【0017】例えば、本発明の家禽用飼料組成物を通常
の飼料と同様に鶏に与えて鶏を飼養すれば、鶏の通常飼
料摂取量と上記本発明の家禽用飼料組成物における補酵
素Qの含有量とから計算して、鶏への補酵素Qの投与量
は1日当たり概ね0.05〜50mg/kg体重の割合
とすることができる。補酵素Qと共に投与される他の物
質に関しても、上記補酵素Qとの配合比から1日当たり
の体重当たりの投与量が算出できる。上記各物質が飼料
に配合され、この様な量で鶏に摂取されることにより、
生育段階の鶏における腹水症やSDSの発生を防止し、
育成率を向上させることが可能となる。
【0018】本発明の家禽用飼料組成物が適用される家
禽としては、家禽であれば特に制限されないが、例え
ば、肉用鶏、特にブロイラーの様に短期間で限られた環
境で飼育される鶏においては、本発明の家禽用飼料組成
物はより大きな効果を発揮することが可能である。ま
た、生育段階での採卵鶏のような食肉用以外の家禽にも
本発明の家禽用飼料組成物を適用することも可能であ
る。
【0019】家禽、詳しくは鶏、特にブロイラーの飼養
において、補酵素Qと共に、抗酸化剤、制酸剤、アンモ
ニア生成抑制剤から選ばれる物質を含有する本発明の家
禽用飼料組成物を飼料として用いることにより、補酵素
Qを単独で含有する飼料を用いた場合に比べ、腹水症や
突然死症候群の予防効果を飛躍的に向上させることがで
きる。また、これによりブロイラー産業における大きな
経済的打撃を回避できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。まず、本発明の家禽用飼料組成物に配合する補
酵素Qであるが、その起源物質として、ムコール属やモ
ルティエレラ属などの糸状菌類、キャンディダ属やサッ
カロミセス属などの酵母類、シュードモナス属、アクロ
モバクター属、ロドシュードモナス属などの細菌類、ま
たタバコの葉、トウモロコシや小麦などの胚芽等が知ら
れている。補酵素Qは上記起源物質から、通常の方法に
従って抽出、精製して得られる。補酵素Qを、本発明の
家禽用飼料組成物に配合する際には、上記の様にして得
られる補酵素Qの精製品を配合してもよいが、起源物質
から得られる抽出物や粗精製物、あるいは起源物質中の
補酵素Q濃度が高い場合には起源物質そのものを配合す
ることも可能である。さらに、補酵素Qは化学合成によ
る製品が市販されてもいるので、これを本発明に使用し
てもよい。また、補酵素Qと他の薬剤、希釈剤、担体、
賦形剤などが混合した組成物として配合することも可能
である。
【0021】本発明の家禽用飼料組成物には、上記補酵
素Qと共に抗酸化剤、制酸剤、アンモニア生成抑制剤か
ら選ばれる物質を配合するが、これらのうち、抗酸化剤
としては上述の様にビタミンEが好ましく配合される。
本発明の飼料組成物に配合されるビタミンEとしては、
特に制限されず、例えば、通常ビタミンEとして食品用
または飼料用として用いられているものが挙げられる。
コスト面からdl−αトコフェリルアセテートが好まし
い。また、トウモロコシ、綿実、大豆、小麦などに由来
するトコフェロールを本発明の飼料組成物に配合するこ
とも可能である。さらに、ビタミンEについても他の薬
剤、希釈剤、担体、賦形剤などが混合した組成物として
配合することも可能である。
【0022】本発明に用いる制酸剤としては、上述の様
に炭酸水素ナトリウムが好ましく挙げられる。炭酸水素
ナトリウム(化学式:NaHCO3)としては、飼料用
として指定されている規格品が好ましい。しかし、本発
明において用いる炭酸水素ナトリウムが、これに限定さ
れるものではない。
【0023】また、本発明に用いるアンモニア生成抑制
剤としてはDASが好ましく挙げられる。DASは、通
常の方法で製造することも可能であり、市販品を用いる
ことも可能であるが、DASのアルデヒド化率が30〜
60%のものを用いることが好ましい。その他、本発明
の飼料組成物に用いるアンモニア生成抑制剤として上述
した、ユッカ抽出物、サルササポニン、ヒドロキサム酸
等についても、通常の方法で製造することも可能であ
り、市販品を用いることも可能である。これらアンモニ
ア生成抑制剤も他の薬剤、希釈剤、担体、賦形剤などが
混合した組成物として配合することも可能である。
【0024】本発明の家禽用飼料組成物は、上記必須成
分の他に任意成分を含有するが、この様な任意成分とし
て、例えば、トウモロコシ、マイロ、大豆粕、植物油、
魚粉、ふすま、小麦等の栄養成分、食塩、炭酸カルシウ
ム、第2リン酸カルシウム、微量ミネラル等のミネラル
成分、ビタミンAD剤、ビタミンB剤等のビタミン製
剤、サリノマイシン(抗コクシジウム剤)、硫酸コリス
チン、エンラマイシン、バージニアマイシン等の抗生物
質や塩化コリン等の各種薬効成分等を挙げることが可能
である。
【0025】本発明の家禽用飼料組成物は、上記各原料
が配合され、すなわち、補酵素Qと共に、抗酸化剤、制
酸剤、アンモニア生成抑制剤から選ばれる物質、さら
に、通常の飼料に配合される任意成分が配合され、これ
らを均一に混合することにより製造される。なお、各原
料の配合量については、上述の通りである。
【0026】この様にして得られる本発明の家禽用飼料
組成物を家禽に与える際の量や方法は、通常の飼料を用
いた場合と同様の量や方法を取ることが可能である。ま
た、本発明の家禽用飼料組成物を家禽の全飼育期間を通
して使用してもよいが、本発明の家禽用飼料組成物と通
常の飼料とを一定期間ごと交互に用いて家禽を飼養する
ことも可能である。例えば、ブロイラーにおいて、初生
から27日齢位までの期間には通常の飼料を与え、その
後、急激に成長する28日齢位から出荷までの期間に本
発明の飼料組成物を与えるという飼料の与え方も可能で
あるし、また、寒冷ストレスを受けやすい初生から21
日齢位までの期間に本発明の飼料組成物を与え、その
後、22日齢位から出荷までの期間にも引き続き本発明
の飼料組成物を与えるという飼料の与え方も可能であ
る。なお、本発明の飼料組成物は20日以上継続して与
えることが好ましい。
【0027】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。まず、
後述の実施例及び比較例の家禽用飼料組成物に配合する
補酵素Q10製剤、ビタミンE製剤、DAS製剤の製造例
について説明する。
【0028】
【製造例1】 補酵素Q10製剤 補酵素Q10製剤は、ふすま1kgに対して補酵素Q10
20gの割合で配合し、均一に混合することで作製され
た。
【0029】
【製造例2】 ビタミンE製剤 ビタミンE製剤は、ふすま1kgに対してdl−αトコ
フェリルアセテートを45000mgの割合(ビタミン
E量として45000IU)で配合し、均一に混合する
ことで作製された。
【0030】
【製造例3】 DAS製剤 DAS製剤は、ふすま1kgに対してDAS(アルデヒ
ド化率50%)を20gの割合で配合し、均一に混合す
ることで作製された。
【0031】次に、これら製造例で得られた各種製剤を
用いて作製した実施例について説明する。
【0032】
【実施例1、2】表1に示す成分を混合して補酵素Q10
とビタミンEを含有する実施例1および2の飼料組成物
を製造した。比較のため、ビタミンEは含有するが補酵
素Qを含有しない比較例1および2、補酵素Qは含有す
るがビタミンEを含有しない比較例3および4の飼料組
成物を作製した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】尚、上記表2中、ビタミンAD剤は、ビタ
ミンAを10000IU/g、ビタミンD3を2000
IU/g含有し、ビタミンB剤は、ビタミンB1を2g
/kg、ビタミンB2を10g/kg、ビタミンB6を2
g/kg、ニコチン酸アミドを2g/kg、パントテン
酸カルシウムを4g/kg、塩化コリンを120g/k
g、ヨウ酸を1g/kg含有する。また、微量ミネラル
は、Mnを8.0%、Feを0.6%、Cuを0.06
%、Iを0.1%、Znを5.0%含有している。尚、
サリノマイシンは抗コクシジウム剤として、バージニア
マイシンは抗生物質として配合されている。
【0036】<実施例1および2の飼料組成物の評価>
上記各実施例、比較例で得られた飼料組成物を用いてブ
ロイラーの飼養を行い、各飼料組成物によるブロイラー
の腹水症やSDSの予防効果、育成率を評価した。
【0037】1群48羽ずつの初生のブロイラー(鶏
種:チャンキー(ロスブリーダーズ社製)、雌雄混合)
を、ウィンドレス(平飼)鶏舎で50日齢まで飼育し
た。飼育条件としては育雛温度を腹水症を誘発しやすい
ような条件、つまり、飼育期間中の温度を表3に示す温
度(飼育開始後14日齢〜21日齢の期間を寒冷感作期
間として5±1℃以下、他の期間は21〜26℃の範
囲)に設定し、管理した。
【0038】
【表3】
【0039】試験例1のブロイラー群には、前期(初生
〜21日齢、以下同様)に実施例1で得られた飼料組成
物を、後期(22〜50日齢、以下同様)に実施例2で
得られた飼料組成物を与え飼育した。また、比較のため
に試験例2のブロイラー群には、前期に比較例1で得ら
れた飼料組成物を、後期に比較例2で得られた飼料組成
物を与え飼育した。さらに、試験例3のブロイラー群に
は、前期に比較例3で得られた飼料組成物を、後期に比
較例4で得られた飼料組成物を与え飼育した。なお、飼
育期間中、上記飼料組成物および水は自由摂取であっ
た。
【0040】上記条件で飼育を行い、飼育期間中に死亡
したブロイラー数を計測した。また、死亡したブロイラ
ーに関しては死亡原因を調査した。飼育期間終了後、そ
れぞれの群で、腹水症、SDS、その他による死亡率、
および死亡率の合計と育成率(生存率)を求めた。ま
た、体重を測定してその平均値を求めた。結果を表4に
示す。
【0041】
【表4】
【0042】この結果から明らかなように、ビタミンE
のみを配合した比較例の飼料組成物を用いて飼育された
試験例2のブロイラー群や補酵素Qのみを配合した比較
例の飼料組成物を用いて飼育された試験例3のブロイラ
ー群に比べ、本発明の飼料組成物を用いて飼育された試
験例1のブロイラー群では、腹水症、SDSによる死亡
率および合計の死亡率が低く、育成率が高い。また、平
均体重についても試験例1のブロイラー群は他の2群に
比べて大きく、成長がよいことがわかる。
【0043】
【実施例3、4】表5に示す成分を混合して補酵素Q10
と炭酸水素ナトリウムを含有する実施例3および4の飼
料組成物を製造した。比較のため、炭酸水素ナトリウム
は含有するが補酵素Qを含有しない比較例5および6の
飼料組成物を作製した。
【0044】
【表5】
【0045】<実施例3および4の飼料組成物の評価>
上記各実施例、比較例で得られた飼料組成物を用いてブ
ロイラーの飼養を行い、各飼料組成物によるブロイラー
の腹水症やSDSの予防効果、育成率を評価した。
【0046】1群48羽ずつの初生のブロイラー(鶏
種:チャンキー(ロスブリーダーズ社製)、雌雄混合)
を、ウィンドレス(平飼)鶏舎で50日齢まで飼育し
た。飼育温度の条件は、上記実施例1、2の飼料組成物
の評価実験の温度条件と同様であった。
【0047】試験例4のブロイラー群には、前期(初生
〜21日齢、以下同様)に実施例3で得られた飼料組成
物を、後期(22〜50日齢、以下同様)に実施例4で
得られた飼料組成物を与え飼育した。また、比較のため
に試験例5のブロイラー群には、前期に比較例5で得ら
れた飼料組成物を、後期に比較例6で得られた飼料組成
物を与え飼育した。さらに、試験例6のブロイラー群に
は、前期に比較例3で得られた飼料組成物を、後期に比
較例4で得られた飼料組成物を与え飼育した。なお、飼
育期間中、上記飼料組成物および水は自由摂取であっ
た。
【0048】上記条件で飼育を行い、飼育期間中に死亡
したブロイラー数を計測した。また、死亡したブロイラ
ーに関しては死亡原因を調査した。飼育期間終了後、そ
れぞれの群で、腹水症、SDS、その他による死亡率、
および死亡率の合計と育成率(生存率)を求めた。ま
た、体重を測定してその平均値を求めた。結果を表6に
示す。
【0049】
【表6】
【0050】この結果から明らかなように、炭酸水素ナ
トリウムのみを配合した比較例の飼料組成物を用いて飼
育された試験例5のブロイラー群や補酵素Qのみを配合
した比較例の飼料組成物を用いて飼育された試験例6の
ブロイラー群に比べ、本発明の飼料組成物を用いて飼育
された試験例4のブロイラー群では、腹水症、SDSに
よる死亡率および合計の死亡率が低く、育成率が高い。
また、平均体重についても試験例4のブロイラー群は、
他の2群と比べて、同等かそれ以上であり成長がよいこ
とがわかる。
【0051】
【実施例5、6】表7に示す成分を混合して補酵素Q10
とDASを含有する実施例5および6の飼料組成物を製
造した。比較のため、DASは含有するが補酵素Qを含
有しない比較例7および8の飼料組成物を作製した。
【0052】
【表7】
【0053】<実施例5および6の飼料組成物の評価>
上記各実施例、比較例で得られた飼料組成物を用いてブ
ロイラーの飼養を行い、各飼料組成物によるブロイラー
の腹水症やSDSの予防効果、育成率を評価した。
【0054】1群48羽ずつの初生のブロイラー(鶏
種:チャンキー(ロスブリーダーズ社製)、雌雄混合)
を、ウィンドレス(平飼)鶏舎で50日齢まで飼育し
た。飼育温度の条件は、上記実施例1、2の飼料組成物
の評価実験の温度条件と同様であった。
【0055】試験例7のブロイラー群には、前期(初生
〜21日齢、以下同様)に実施例5で得られた飼料組成
物を、後期(22〜50日齢、以下同様)に実施例6で
得られた飼料組成物を与え飼育した。また、比較のため
に試験例8のブロイラー群には、前期に比較例7で得ら
れた飼料組成物を、後期に比較例8で得られた飼料組成
物を与え飼育した。さらに、試験例9のブロイラー群に
は、前期に比較例3で得られた飼料組成物を、後期に比
較例4で得られた飼料組成物を与え飼育した。なお、飼
育期間中、上記飼料組成物および水は自由摂取であっ
た。
【0056】上記条件で飼育を行い、飼育期間中に死亡
したブロイラー数を計測した。また、死亡したブロイラ
ーに関しては死亡原因を調査した。飼育期間終了後、そ
れぞれの群で、腹水症、SDS、その他による死亡率、
および死亡率の合計と育成率(生存率)を求めた。ま
た、体重を測定してその平均値を求めた。結果を表8に
示す。
【0057】
【表8】
【0058】この結果から明らかなように、DASのみ
を配合した比較例の飼料組成物を用いて飼育された試験
例8のブロイラー群や補酵素Qのみを配合した比較例の
飼料組成物を用いて飼育された試験例9のブロイラー群
に比べ、本発明の飼料組成物を用いて飼育された試験例
7のブロイラー群では、腹水症、SDSによる死亡率お
よび合計の死亡率が低く、育成率が高い。また、平均体
重についても試験例7のブロイラー群は、他の2群と比
べて、同等かそれ以上であり成長がよいことがわかる。
【0059】
【発明の効果】本発明の飼料組成物を用いれば、鶏など
主に食肉用として飼育される家禽、特にブロイラーの飼
養において、腹水症や突然死症候群を有効に防止するこ
とが可能であり、その結果、鶏の育成率を大幅に向上さ
せることができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補酵素Qと共に、抗酸化剤、制酸剤、ア
    ンモニア生成抑制剤から選ばれる物質を含有する家禽用
    飼料組成物。
  2. 【請求項2】 補酵素Qが下記一般式(I)で表される
    補酵素Q9又は下記一般式(II)で表される補酵素Q10
    である請求項1記載の家禽用飼料組成物。 【化1】 【化2】
  3. 【請求項3】 抗酸化剤がビタミンEである請求項1記
    載の家禽用飼料組成物。
  4. 【請求項4】 制酸剤が炭酸水素ナトリウムである請求
    項1記載の家禽用飼料組成物。
  5. 【請求項5】 アンモニア生成抑制剤がジアルデヒドデ
    ンプン、ユッカ抽出物、サルササポニン、ヒドロキサム
    酸から選ばれる請求項1記載の家禽用飼料組成物。
  6. 【請求項6】 補酵素Qの含有量が、飼料組成物全量に
    対して0.0005〜0.5重量%である請求項1記載
    の家禽用飼料組成物。
  7. 【請求項7】 ビタミンEを含み、組成物中に含まれる
    補酵素QとビタミンEとの割合が補酵素Q 1mg当た
    りのビタミンE量として0.01〜100IUである請
    求項3記載の家禽用飼料組成物。
  8. 【請求項8】 制酸剤を含み、組成物中に含まれる補酵
    素Qと制酸剤との重量比が1:2〜1:4000である
    請求項1記載の家禽用飼料組成物。
  9. 【請求項9】 アンモニア生成抑制剤を含み、組成物中
    に含まれる補酵素Qとアンモニア生成抑制剤との重量比
    が100:1〜1:100である請求項1記載の家禽用
    飼料組成物。
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