JPH09186095A - 成膜方法ならびにその装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

成膜方法ならびにその装置及び半導体装置の製造方法

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JPH09186095A
JPH09186095A JP17459196A JP17459196A JPH09186095A JP H09186095 A JPH09186095 A JP H09186095A JP 17459196 A JP17459196 A JP 17459196A JP 17459196 A JP17459196 A JP 17459196A JP H09186095 A JPH09186095 A JP H09186095A
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substrate
film
heating
gas
film formation
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JP17459196A
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English (en)
Inventor
Eisuke Nishitani
英輔 西谷
Norihiro Uchida
憲宏 内田
Natsuyo Morioka
なつよ 森岡
Toshiyuki Arai
利行 荒井
Miwako Suzuki
美和子 鈴木
Hide Kobayashi
秀 小林
Masakazu Hoshino
正和 星野
Tomoji Watanabe
智司 渡辺
Sunao Matsubara
直 松原
Yuji Noguchi
雄二 野口
Toshiyuki Uchino
敏幸 内野
Akira Takamatsu
朗 高松
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 基体表面側の周辺部を冷却された部材に
当接して支持し、前記基体の表面側に反応ガスを供給
し、前記冷却された部材によって基体の周辺部から放出
された熱量を補うために前記基体の冷却された部材が当
接した領域を局部的に加熱して、前記反応ガスを反応さ
せて前記基体表面上に反応膜を形成する。 【効果】 基板の裏面やCVDリアクタ内の不要な部分
に形成された膜剥がれによる異物混入による不良をなく
すと共に、良好な膜厚均一性を確保した良質の反応膜を
形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ等の
基板上に薄膜の形成を行うための成膜方法、その装置、
及びその薄膜の形成法を用いた半導体装置の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】LSIの高集積化・微細化に伴い、配線
膜形成工程では、より段差被覆性の良い配線形成プロセ
スが用いられるようになっている。この配線形成プロセ
スの一つとして、例えばタングステンのような金属膜を
CVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長
法)によって形成する方法が最も実績のある方法として
知られている。
【0003】このCVD膜を形成する枚葉式のCVD装
置について、種々のヒーターを独立制御してウエハー面
内の温度分布を低減することが、特開平7−94419
号に記載されている。
【0004】さらに、容器と熱源を二重にして、熱制御
を容易とし均一に加熱するようにしたエピタキシャル蒸
着用熱反応器が特開平7−58020号に記載されてい
る。
【0005】また、基板表面以外のCVDガスの接触す
るチャンバ内壁は全て水冷等によってCVD反応温度以
下に抑え、チャンバ内壁の不要な膜形成を発生させない
ようにした熱CVD装置が米国特許(USP5,09
4,885)および特開平7−99162号に記載され
ている。さらに、米国特許(USP5,094,88
5)には、基板裏面に反応生成物が付着しないように、
基板裏面から側面へ不活性ガスを流すことが記載されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
CVD装置や熱反応容器では、基板の温度均一性を確保
するために用いられるサセプタは基板と同じあるいはそ
れ以上の温度に加熱されており、CVD反応ガスがその
表面に接するだけで容易に膜形成が生じ、これが剥がれ
る事で異物の発生となる。また、反応容器内壁近傍で反
応し反応容器内壁に反応物が付着し、これが剥がれた
り、基板裏面にも反応ガスが流れ基板裏面に反応物が付
着してこれが剥がれて異物となる場合もある。これは、
CVD一般におけるリアクタ内の異物発生による歩留り
低下の原因になっている。
【0007】また、チャンバ内壁を全て水冷した場合、
基板周辺近傍に存在する部品も反応温度以下に抑えてい
るため、ガスの熱伝導により基板周辺部が冷却され、膜
厚均一性が著しく低下するという問題がある。
【0008】本発明の目的は、被成膜基板の裏面やCV
Dリアクタ内の不要な部分に形成された膜剥がれに起因
する異物混入による不良をなくして、良好な膜厚均一性
を確保した良質のCVD膜を基板の表面領域に亘って成
膜できるようにしたCVD成膜方法及びCVD装置、及
びそれを用いた半導体装置の製造方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、基体表面側
の周辺部を冷却された部材に当接して支持し、前記基体
の表面側に反応ガスを供給し、その冷却された部材によ
って基体から放出された熱量を補うために冷却された部
材が当接した基体領域を局部的に加熱して、前記反応ガ
スを反応させて前記基体表面上に反応膜を形成すること
によって達成される。このように、基板の周辺部の部材
を冷却することによって反応生成物の前記部材への付着
堆積を防止でき、かつ冷却された基板周辺部の部材によ
って基板の周辺部の熱が放出されてもその分の熱量が補
われるため、ウエハー面内の温度分布がより均一とな
る。
【0010】なお、基板の温度分布を測定しながらその
温度分布に応じて局部加熱する加熱量を制御すると、よ
り均一性が向上する。この局部加熱は、光照射あるいは
ヒーターによってもよく、基板の表面側裏面側何れから
加熱しても良い。局部加熱を光導入光学系を用いて行う
場合には基板の周辺部を限定して照射することが可能と
なり、膜厚均一性がより良好となり、さらに基板以外の
箇所で成膜温度以上に加熱されることを殆ど無くすこと
ができ、不要な膜の形成を防止できる。一方、局部加熱
をヒータを用いて行う場合には、簡単な構成で膜厚均一
性良くCVD膜が形成できる。なお、ヒーターは発熱体
を絶縁材で被覆して構成しても良い。
【0011】また、予め基板上に形成された膜厚分布を
測定しておき、その測定結果に基づき局部加熱を制御し
てCVD膜を形成しても良い。
【0012】基板裏面側へCVD原料ガスが流れ込むの
を防ぐ具体的な方法として、リアクタ内に基板を配置し
て、この基板の表面側にCVD原料ガスを充満し、かつ
上記基板の裏面側に成膜に関与しないガスを前記CVD
原料ガスの圧力よりも高い圧力になるよう充満し、裏面
側に充満した成膜に関与しないガスを前記基板の周辺部
を通じて表面側空間に流出させるようにする方法が挙げ
られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施例1)図1及び図2は本発明に係る無発塵熱CV
D装置のCVDリアクタ(光ファイバ加熱併用型)の要
部断面を示す図である。また、図14は本発明に係る装
置全体の概略を示す図である。これらの図に示すよう
に、基板2は、基板フォーク110によりウエハ搬送室
101からゲートバルブ111a,b,cを通してリア
クタ(反応室)9内に搬入される。基板2はシリコンの
ウエハ(半導体基板)が用いられる。リアクタ(反応
室)9内は、基板2の裏面周辺部が後述する3個の基板
支持ピン6からなる支持手段により押圧されて基板2の
表面周辺部がリング状の基板抑え部材5に当接し、この
基板抑え部材5の下端面5cが底部リング部10の上面
10aに接触することによってOリングシール11によ
ってシールされて被成膜基板2の表面側の空間Euと被
成膜基板2の裏面側の空間Eoとが密閉分離される。そ
してリアクタ(反応室)9の壁に亘って、成膜下限温度
よりも低く、CVD原料ガスが凝縮しないようCVD原
料ガスの沸点よりも高くするための熱媒体(例えば水、
エチレングリコール(0℃以下にする場合)、オイル
(100℃以上にする場合))を流す熱媒体通路9a、
9bが形成され、リアクタ(反応室)9の壁には反応膜
が形成されないように構成されている。例えばW−熱C
VDの場合は、0〜50℃程度の冷水または温水が最適
であるが、酸化膜形成に用いられるTEOS(テトラエ
トキシシラン:Si(C25O)4)をCVD原料ガス
として用いる場合には、TEOSの沸点が比較的高く
(〜90℃)リアクタ9、10内壁に凝縮し易いため9
0〜150℃の熱湯あるいはオイルを用いることが好ま
しい。しかし、CVD成膜反応温度(300℃以上)か
ら見れば十分低くリアクタ内壁やリアクタ内の部品の温
度上昇を抑えていることから、人間の感覚からすれば十
分高い温度であっても、あえて熱媒体を「冷媒」と呼
び、熱媒体を循環させリアクタ等の温度を反応温度以下
に抑えることを「冷却する」と表現する。
【0014】リング状の基板抑え部材5は、表面を上側
に向けた基板2の裏面周辺部を、図13に示すように3
個の基板支持ピン6からなる支持手段により押圧支持す
ることによって基板2の表面周辺部を当接して抑えるも
のである。そしてリング状の基板抑え部材5にはその上
面に上下動される基板引上げロッド3が固設され、この
基板引上げロッド3はシリンダ機構からなる上下機構4
a(図示省略)によって上下に駆動させられる。そして
基板引上げロッド3も含めてリング状の基板抑え部材5
には、成膜下限温度(W−熱CVDの場合成膜下限温度
は300℃程度になる。)よりも低く冷却するように冷
媒(例えば水、エチレングリコール(0℃以下の場
合)、オイル(100℃以上の場合))を流す冷媒通路
5bが形成されて十分冷却され、基板引上げロッド3も
含めてリング状の基板抑え部材5の表面には反応膜が付
着されないように構成されている。特にリング状の基板
抑え部材5において、被成膜基板2の表面周辺部が当接
される内周部まで反応膜が付着されないようにきちんと
冷却する必要がある。このようにリング状の基板抑え部
材5は、基板2の表面周辺部と接触する微小突起5まで
反応温度(成膜下限温度)以下にするため、微小突起5
a(図3)も含めて連続された熱伝導性の高い材料(ア
ルミもしくはSUS)で形成している。一方、リング状
の基板抑え部材5にはその上面に上下動される基板引上
げロッド3が固設され、この基板引上げロッド3はシリ
ンダ機構からなる上下機構4a(図示省略)によって上
下に駆動させられる。また基板抑え部材5には基板引き
上げピン7が図11における紙面の向う側から被成膜基
板2が搬送されてきたとき入り込めるように3個取り付
けられており、図11に示す状態から図12に示す状態
になるように基板抑え部材5を引き上げることにより、
被成膜基板2は引き上げピン7の上に乗って基板抑え部
材5と共に上方に持ち上げられる。なお、上記は、基板
抑え部材5を上下駆動する上下機構4aをリアクタ9の
上方に設置した場合について説明したが、リアクタ9の
側方あるいは光照射窓8よりも外側のリアクタ9の下方
に設置しても良い。また基板引き上げピン7を基板抑え
部材5の下面5cに溶接等により固定して図11から図
12に示すように被成膜基板2の裏面を外側から引っか
けて引き上げるようにしたが、基板引き上げピン7を上
記基板抑え部材5とは別に独立に上下動作して基板2の
裏面周辺部を外側から引っかけて引き上げるか或いは基
板2の裏面周辺部を下から押し上げる構成にしても良
い。
【0015】基板支持ピン(支持手段)6は、被成膜基
板2の裏面周辺部を押圧支持するためにバネ材から構成
されてストッパを兼ねる底部リング部10に取り付けら
れている。従って、基板抑え部材5が図12に示す状態
から図13に示す状態へと下方に降りてきたとき、基板
支持ピン(支持手段)6は被成膜基板2の裏面周辺部を
押圧して、リング状の基板抑え部材5に被成膜基板2の
表面周辺部を当接して支持することになる。このとき、
基板抑え部材5の下端面5cが底部リング部10の上面
10aに接触してOリングシール11によってシールさ
れ、被成膜基板2の表面側の空間Euと被成膜基板2の
裏面側の空間Eoとは分離される。即ち、リアクタ(反
応室)9を形成する底部リング部10における基板抑え
部材5との接触面10aには、Oリングシール11が設
置されて接触面の気密を保持する。更に被成膜基板2の
表面周辺部が当接する基板抑え部材5の下面には、図3
及び図4に示すように、微小隙間d(およそ0.1mm
〜1mm)を形成するための微小突起5aが形成されて
いる。この微小隙間は、被成膜基板2の裏面側の空間E
oに満たされたパージArガス等の不活性ガスを被成膜
基板2の表面側の空間Euへ流して被成膜基板2の表面
に供給される(吹き付けられる)CVD反応ガスが被成
膜基板2の裏面側に廻り込むのを抑えるためである。
【0016】被成膜基板2の表面側の空間Eu(図2)
にはガスシャワー1が設けられる。このガスシャワー1
は、CVD反応ガス源(図示せず)から通路1cを通し
て供給されたCVD反応ガス(WFガス等のCVD原料
ガスとH ガス等の還元ガス、必要に応じてNガス或い
はArガス等の希釈ガス)を吹き出し孔1a、1a…よ
り被成膜基板2の表面に向けて吹き付けるものである。
上記ガスシャワー1において、吹き出し孔1a、1a…
が形成された面の径(大きさ)を、被成膜基板2の表面
の全領域に亘って均一な反応膜が形成されるように被成
膜基板2の表面の径(大きさ)とほぼ等しくして吹き出
し孔1a、1a…が形成された面が被成膜基板2の表面
に対向するように設置されている。そしてガスシャワー
1にも、被成膜基板2からの熱輻射を受けても反応膜が
形成されないように冷媒を通す配管(流路、即ち冷却機
構)1bが設けられている。しかし、ガスシャワー1の
温度が、被成膜基板2からの熱輻射を受けても成膜下限
温度に対して余裕をもって保持されるものであれば、冷
却機構(冷媒を通す配管)1bは必ずしも必要でない。
このように構成されたガスシャワー1は、上下機構4b
(図示省略)によって上下駆動される。またガスシャワ
ー1の吹き出し孔1a、1a…より被成膜基板2の表面
に吹き付けられて反応して生成されたHFガス等のガス
を含むCVDガスは排気口26から排気される。
【0017】被成膜基板2の裏面側の空間Eoは、被成
膜基板2の裏面、基板抑え部材5の下面、光照射窓8お
よび底部リング10の内面により囲まれて形成される。
そして成膜に関与しないArガス等の不活性ガスが不活
性ガス導入パイプ12から上記空間内Eo内に供給され
て満たされる。この空間Eoに満たされたパージArガ
ス等の不活性ガスを、図3及び図4に示す如く、基板抑
え部材5の下面に形成された微小突起5aによって被成
膜基板2の表面周辺部との間において形成された微小隙
間d(およそ0.1mm〜1mm)を通して被成膜基板
2の表面側の空間Euに流すことによって、被成膜基板
2の表面に供給される(吹き付けられる)CVD反応ガ
スが被成膜基板2の裏面側に廻り込むのを防止すること
ができ、被成膜基板2の裏面も含めて上記空間Eoを形
成する壁に膜が形成させるのを防止することができる。
【0018】リアクタ9の外部下方には、図2に示すよ
うに被成膜基板2の中央部を含めて全体を加熱する第1
の加熱手段である加熱光源21が設置され、この加熱光
源21により図1に示す光強度分布25を有する光がリ
アクタ9下方の光照射窓8を通して被成膜基板2に照射
されて被成膜基板2が加熱される。上記加熱光源21
は、短波長高効率ランプ22とこの短波長高効率ランプ
22から発した短波長の光を反射させて光照射窓8を通
して被成膜基板2に対してほぼ一様な光強度分布で照射
する光に変換する反射鏡23とで構成される。なお、加
熱光源21から照射され、光照射窓8を透過した光の
内、底部リング部10に当たった光は底部リング部10
で遮光されて被成膜基板2の表面側の空間Euに到達し
て空間Eu内の部材が加熱されないように構成されてい
る。
【0019】ここで、被成膜基板2に対して加熱光源2
1からの光を均一に照射するための方法を示す。これま
で、述べてきたW熱CVDのような比較的成膜温度が低
いメタル形成プロセスに対し、ベース工程でで用いられ
るポリシリコン、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜等の
形成プロセスでは600〜800℃まで被成膜基板2加
熱する必要があり、さらに今後シリコンウエハが大口径
化して行くことを考慮すると被成膜基板2全体に亘り均
一に照射して、温度を均一化することは重要な技術とな
る。そこで、5インチのシリコンウエハを全体で6.3
kWのランプ22を用い加熱実験を行い8インチのシリ
コンウエハを全体で22.5kWのランプ22を用いた
時に、どこまで温度の均一化が図れるかを検討した。
【0020】先ず、本発明の加熱光源22において、図
25に示したx(ランプと反射鏡の相対距離)及びy
(ウエハとランプ中心との距離)を変化させた時のウエ
ハ面での照度分布を測定し、その測定結果より照度分布
の最適化を図った。
【0021】測定結果を図26および図27に示す。加
熱光源22から放射される光照度分布形状はx、yを変
化させることにより変化した。これらの分布を合成させ
ることにより、照度分布均一性の向上が可能であると考
え、照度分布のσが最小となるよう組み合わせた結果を
図28に示す。ここで、図27に示すようにyを変化さ
せた時には、ランプ照度の大幅な変化が伴うため、加熱
制御には適さないと判断し、xを変化させた時の照度分
布の最適化を行った。反射鏡を固定した場合にはσ=8.
5%(a)、5.8%(b)、3.8%(c)であり最
適距離でも3.8%(c)であるのに対し、これらを上
手く組み合わせることにより1.6%(a+c)とな
り、照度分布均一性が向上した。即ち、成膜中に反射鏡
を上下に揺動させることで温度分布を改善することが可
能となる。
【0022】上記は、ウエハサイズ5インチの場合で実
験したが、図28で示した合成照度分布を8インチウエ
ハでのTEOSを原料ガスとした酸化膜形成のプロセス
に対応させ、本発明のリアクタ構造におけるウエハ温度
分布を算出した結果を図29に示す。温度分布は、ウエ
ハをドーナツ状のブロックに分割し、ウエハ中央のブロ
ックを700℃に固定させ、各ブロックにおける熱流入
(ランプ放射)及び流出量(ウエハ放射及びガスの熱伝
導)を計算することにより求めた。各係数は、Siの熱
伝導率:168[W/mK]、TEOSの熱伝導率:
2.80E−4[W/mK]、Arの熱伝導率:0.0
3[W/mK]、Siの放射率ε=0.65、SiO2
の放射率ε=0.6とした。ウエハ周辺部からの熱流出
が大きいため、ウエハ周辺部の局所加熱がない場合には
ウエハ周辺部で約30℃の温度低下が見られるが、本発
明のウエハ周辺部の局所加熱により温度分布は約±0.
49℃となり、極めてウエハ温度均一性の良い加熱が行
えることがわかった。
【0023】更にリアクタ(反応室)9内の被成膜基板
2の裏面側の空間Eo内に、被成膜基板2の裏面周辺部
に対して図1に示す光強度分布26を有する光を照射し
て被成膜基板2の裏面周辺部を局部加熱するための袴状
の光ガイト13が設置されている。この袴状の光ガイド
13の出射端は、被成膜基板2の裏面周辺部に比較的近
接している。従って、袴状の光ガイド13から出射され
た光は、被成膜基板2の裏面周辺部を局部加熱するため
に無駄なく有効に活用される。一方袴状の光ガイド13
の入射端に入射させる光を発生させる光源(点光源に近
い高圧キセノンランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライ
ドランプ等のHID(High Intensity Discharge)ラン
プと呼ばれる高圧放電ランプ)(図示せず)は、リアク
タ(反応室)9の外に設置されている。そしてこの光源
から発生した高強度の光を光源内にある例えば楕円鏡に
よって集光し、この集光された高強度の光は光ファイバ
16および光ロッド14を通して袴状の光ガイド13の
入射端に導入される。光ロッド14は、リアクタ9の内
部を大気からシールするために底部リング部10に設置
されたものである。例えば石英製の袴状の光ガイド13
に入射された光の内、図8に示すごとく、袴状の光ガイ
ド13の面内方向の光は石英の厚みの範囲に束縛されて
被成膜基板の周辺部に到達するのに対し、袴状の光ガイ
ド13の円周方向の光は、光ファイバ16に入射された
集光光が持つ拡がりに従って円周方向に拡がって被成膜
基板2の裏面周辺部に到達する。従って、被成膜基板2
の裏面周辺部は、全周に亘って一様で、しかも第1の加
熱手段である加熱光源21で得られる光強度分布25に
比較して約5〜10倍程度の光強度分布26をもつ光が
照射されて加熱されることになる。これにより、被成膜
基板2の周辺部が光強度分布26をもつ光によって加熱
されることになるため、被成膜基板2の周辺部から被成
膜基板2の表面周辺部と冷却された基板抑え部材5の下
面内周部との間に存在するガス(微小隙間を流れる不活
性ガスも含む)による熱伝導によって熱流出が生じたと
しても、被成膜基板2の周辺部における温度を被成膜基
板2の中央部の温度とほぼ等しくすることができる。即
ち、被成膜基板2の周辺部から冷却された基板抑え部材
5へ流出する熱量とほぼ等しい熱量を、袴状の光ガイド
13から照射する光量によって被成膜基板2の周辺部へ
供給すればよい。これによって被成膜基板2の全領域に
亘っての温度をほぼ一様にすることができ、被成膜基板
2の全領域に亘って一様な膜厚の反応膜を形成すること
ができる。
【0024】次に被成膜基板2の支持部分について具体
的に説明する。即ち、図3及び図4は、第1のCVDリ
アクタ装置(光ファイバ加熱併用型)におけるパージガ
ス流路を示し、図3は基板引き上げピン7、基板抑え部
材5、および袴状の光ガイド13に対する被成膜基板2
の位置関係を示す断面斜視図、図4は基板支持ピン6、
基板抑え部材5、および袴状の光ガイド13に対する被
成膜基板2の位置関係を示す断面斜視図である。無発塵
性を確保するためには、前述したように被成膜基板2の
表面以外でのCVD反応を抑制する必要がある。そのた
めに、被成膜基板2の裏面にArガス等の不活性ガスを
パージすることによりCVD反応ガスが被成膜基板2の
裏面に侵入して、その部分で膜成長が起こることの抑制
を図っている。
【0025】ところでW−熱CVDプロセスの場合につ
いて説明する。即ち、基板抑え部材5の表面には反応膜
が形成されないように、基板抑え部材5は、冷媒通路5
bに成膜下限温度(W−熱CVDの場合成膜下限温度は
300℃程度になる。)よりも十分低く冷却された例え
ば水等の冷媒を流すことによって約100℃以下に冷却
されている。このため被成膜基板2の周辺部から被成膜
基板2の表面周辺部と冷却された基板抑え部材5の下面
内周部との間に存在するガス(微小隙間を流れる不活性
ガスやCVD反応ガス(特に還元ガス))による熱伝導
によって熱流出が生じる。ところで、この熱流出量は、
基板抑え部材5の下面に形成された突起5aによって被
成膜基板2の表面周辺部との間において形成される微小
隙間dにほぼ反比例することになる。一方、この微小隙
間dを大きくすると、被成膜基板2の裏面空間EoへC
VD反応ガスの拡散量が増加しやすくなるため、この微
小隙間を流す不活性ガスの流量を増やすために被成膜基
板2の裏面空間Eoへ供給する不活性ガスのパージ流量
を増やす必要が出てくる(同じ流量の場合には、微小隙
間dに対してCVD反応ガスの空間Eoへの拡散量(侵
入量)は2乗で増加することになる)。しかし不活性ガ
スの圧力を高めるといっても、統計的にはCVD反応ガ
スの逆拡散は必至であり、どの程度に抑えるかは、微小
隙間dと流量とで決定されることになる。
【0026】発明者が実験したところによると、W−熱
CVDの場合、微小隙間dを0.1mm程度にしたとき
熱流出量が大きくなり過ぎ、微小隙間dを1mm程度に
したときCVD反応ガスの侵入を抑えるため微小隙間か
ら被成膜基板2の表面空間Euへ吹き出す不活性ガスの
流量が多くなり過ぎて被成膜基板2の表面でのCVD反
応ガスの流れが乱されて成膜に悪影響を及ぼすことにな
る。従って、微小隙間dとして、およそ0.1〜1mm
が妥当な値である。微小隙間dとしてCVD反応ガスの
逆拡散をなくすためには、0.1〜0.4mm程度が最
も望ましい。微小隙間dに形成される空間自体が断熱材
の働きをするが、基板抑え部材5(約100℃程度)と
被成膜基板2(約450℃程度)との間に350℃程度
の温度勾配を持つため、被成膜基板2と基板抑え部材5
との間のガスによる熱伝導によって熱流出が起こり、例
えば微小隙間dを0.25mm程度にしたとき、袴状の
光ガイド13による被成膜基板2の周辺部への局部加熱
がない場合には、被成膜基板2の中央部の温度が450
℃程度に加熱されたとしても、被成膜基板2の周辺部の
温度は反応下限温度300℃程度から60〜80℃しか
高温の360〜380℃程度に低下してしまうことにな
る。しかし、袴状の光ガイド13による被成膜基板2の
周辺部への局部加熱によって、熱流出が起こったとして
も、被成膜基板2の周辺部の温度を被成膜基板2の中央
部の温度450℃程度と等しくすることができる。その
結果、被成膜基板2の表面において中央部と周辺部とに
おいてほぼ等しい膜厚でW反応膜を形成することができ
る。微小隙間dを0.1mm程度にしたとき、微小隙間
dを0.25mm程度にしたときと比べてCVD反応ガ
スの空間Eoへの拡散量(侵入量)を1/6程度に著し
く減少させることができるが、熱流出量は2.5倍程度
増加することになり、袴状の光ガイド13による被成膜
基板2の周辺部への局部加熱がない場合には、被成膜基
板2の周辺部の温度は反応下限温度300℃程度に低下
してしまうことになる。しかし、袴状の光ガイド13に
よる被成膜基板2の周辺部への局部加熱によって、熱流
出が起こったとしても、被成膜基板2の周辺部の温度を
被成膜基板2の中央部の温度450℃程度と等しくする
ことができ、その結果被成膜基板2の表面において中央
部と周辺部とにおいてほぼ等しい膜厚でW反応膜を形成
することができる。
【0027】なお、W−熱CVDの場合には、還元ガス
として現存するガスの内で最も比熱の高い水素を用いる
ため、微小隙間dが0.25mでもかなりの熱伝導が起
こっているのに対し、絶縁膜のCVD成膜に用いられる
TEOS(テトラエトキシシラン:Si(C2
5O)4)の場合には、ガスの熱伝導は1桁以上小さいた
め、微小隙間dを0.1mm程度にしても熱流出は少な
く、袴状の光ガイド13による被成膜基板2の周辺部へ
の局部加熱により、被成膜基板2の周辺部の温度を容易
に被成膜基板2の中央部の温度と等しくすることがで
き、その結果被成膜基板2の表面において中央部と周辺
部とにおいてほぼ等しい膜厚で反応膜(絶縁膜)を形成
することができる。
【0028】以上説明したように、基板抑え部材5の冷
媒通路5bに流す冷媒の温度等によって決まる基板抑え
部材5の温度と、微小隙間dの寸法等によって決まる被
成膜基板2の周辺部から基板抑え部材5への熱流出量
と、被成膜基板2に加熱光源21から光透過窓8を通し
て照射される光強度(光強度分布)25及び袴状の光ガ
イド13等によって被成膜基板2の周辺部に照射される
光強度(光強度分布)26との間に変化が生じると、被
成膜基板2の中央部と周辺部との間の温度分布において
変動が生じることになる。そこで、被成膜基板2の中央
部と周辺部との温度を測定するために、図1及び図2に
示す如く、被成膜基板2の裏面中央部からの赤外放射光
を集光してリアクタ外の導出する遮蔽カバーで保護され
た石英製などの光ロッド31およびこの光ロッド31に
接続されて放射温度計35(図14に示す。)へ伝送す
るファイバケーブル32と、被成膜基板2の裏面周辺部
からの赤外放射光を集光してリアクタ外の導出する遮蔽
カバーで保護された石英製などの光ロッド33およびこ
の光ロッド33に接続されて放射温度計35(図14に
示す)へ伝送するファイバケーブル34とを設ける。こ
れにより放射温度計35は被成膜基板2の中央部と周辺
部との温度を測定することができる。そして図14に示
すように、放射温度計35は、測定された被成膜基板2
の中央部と周辺部との温度を制御用計算機36に送信す
る。制御用計算機36は、測定装置とのインターフェー
ス部37と、制御部とのインターフェース部38と、C
PU39と、メモリ40と、キーボード等の入力手段4
1とのインターフェース部(制御回路)42と、ディス
ク等の外部記憶装置43とのインターフェース部(制御
回路)44と、ディスプレイ等の表示装置45とのイン
ターフェース部(制御回路)46と、これらを接続する
バス47とによって構成される。そして制御用計算機3
6におけるCPU39は、メモリ40に記憶されたプロ
グラムに基づいて被成膜基板2の中央部と周辺部との温
度が所望の値で、その温度差が許容値内であるか否かの
判定を行い、もし外れた場合には、第1の加熱手段(加
熱光源)21および第2の加熱手段(高圧放電ランプ、
光ファイバ16、光ロッド14および袴状の光ガイド1
3)における加熱制御量を算出して加熱制御系48を制
御する。これによって常に被成膜基板2に加熱光源21
から光透過窓8を通して照射される光強度(光強度分
布)25及び袴状の光ガイド13等によって被成膜基板
2の周辺部に照射される光強度(光強度分布)26とが
所望の値になり、被成膜基板2の周辺部の温度を被成膜
基板2の中央部の温度と所望の温度において等しくする
ことができる。そして、制御用計算機36において、上
記放射温度計35によって測定された被成膜基板2の中
央部と周辺部との温度を表示手段45に表示することも
でき、更に上記放射温度計35によって測定された被成
膜基板2の中央部と周辺部との温度が所望の温度から許
容値を外れた場合、表示手段45に異常として表示して
警告することができる。その他音声等により警告するこ
とができる。そしてこの警告に基づいて、もしその原因
が袴状の光ガイド13が汚れだとしたならば、ClFに
よるガスクリーニング等のクリーニングを行えば良い。
【0029】次に、被成膜基板2の周辺部の局部加熱を
行うための第2の加熱手段の第1の実施例である高圧放
電ランプ、光ファイバ16、光ロッド14および袴状の
光ガイド13等について、図5〜図10を用いて具体的
に説明する。図5には石英製の袴状の光ガイド13を、
図6には光ロッド14を、図7には光ファイバ16を示
す。ここで、特に図7において光ファイバ16の入射側
のコネクタを16a、出射側のコネクタを16bとし
た。石英製の袴状の光ガイド13には、被成膜基板2の
上下および保持するための基板引き上げピン7および基
板支持ピン6と触れないようにするための切欠きが入っ
ており、その部分に相当する被成膜基板2の裏面には光
が照射されないが、僅かであるため被成膜基板2自身の
熱伝導のために温度分布において殆ど問題にはならな
い。また光ファイバコネクタ16bの断面には、袴状の
光ガイド13および光ロッド14の厚みよりも薄く複数
のファイバを並べているが、ファイバからの光を有効に
被成膜基板2の加熱に用いるためには、袴状の光ガイド
13の厚み>光ロッド14の厚み>光ファイバコネクタ
15の光出射断面高さであることが好ましい。
【0030】ここで、被成膜基板2の周辺部に出射され
る光の放射量分布を均一化するため、光ガイド最適形状
の設計を行った手順について以下に説明する。
【0031】図8に示すように袴状の光ガイド13の入
射端には光ロッド14を介して複数本のファイバ16を
等間隔に並べる。袴状の光ガイド13の出射端の放射量
分布を考慮する場合、図8に示すように、隣り合わせと
なる2本のファイバ16から照射される光の重ねあわせ
をできるだけ均一化させれば良い。
【0032】一般的に、レーザ光のような平行光ではな
いランプからの発光を有効に集光して光ファイバ16に
入射するためには、出来るかぎり発光部分の拡がりを小
さく抑えるため、点光源に近い高圧キセノンランプ、高
圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等のHID(High
Intensity Discharge)ランプと呼ばれる高圧放電ラン
プを用いるが、これらのランプの配光特性から、光ファ
イバ16より出射される光はドーナツ状に広がる。従っ
て、袴状の光ガイド13を用いた場合、袴状の光ガイド
13と空気の屈折率により決定される全反射条件を満た
す角で入射した光は、袴状の光ガイド13内で反射を繰
り返し、円周状の上面より出射される。本実施例で用い
た袴状の光ガイド13の屈折率は1.53であり、袴状
の光ガイド13の曲率半径が11mm以上であれば、光
ファイバ16からの出射光は袴状の光ガイド13外に漏
れることなく必ず上面より出射される。上記袴状の光ガ
イド13(屈折率:1.53)の上面より被成膜基板2
に出射された放射光量を重ね合わせたときの光量分布の
一例を図9に示す。図9は、A−B間を等分割し、それ
ぞれの位置に照射される光の放射量を算出し、放射量の
最大値を1として表示したものである。算出した放射量
分布のσと光ガイドの長さDとの関係を図10に示す。
これらより、放射量分布が最も均一となるDの値が決定
される。本実施例の場合、Dが130mmでσが最小と
なる。σを20%以下に抑える場合、D1は、100m
m<D1<180mm、またはD1>260mmであるこ
とが必要である。実際には、D1が長くなると更に隣り
の光ファイバー16からの光によって均一化されるた
め、およそD1>180mmでは図10よりも速やかに
σが小さくなると考えられる。
【0033】次に、搬送室101から基板フォーク11
0によって搬送される被成膜基板2をリアクタ(反応
室)9内で受け取って固定する方法について、図11、
図12、図13を用いて説明する。即ち、先ず、図11
に示すように、被成膜基板2は、搬送レベル(搬送面)
で前処理室から搬送室101を経由して基板フォーク2
5に乗せられてリアクタ(反応室)9内に水平搬送され
る。次に、図12に示すように、上下機構4aを駆動し
てガスシャワー1を上昇させ、上下機構4bを駆動して
基板持ち上げロッド3を上昇させて基板抑え部材5の下
面に固定された基板引き上げピン7により被成膜基板2
の外周端部の一部を支えて搬送レベル(基板フォーク1
10)より引き上げる。これにより基板フォーク25を
反応室9の外部の所定の位置(搬送室101内)に戻す
ことが出来る。次に、図13に示すように、ガスシャワ
ー1と基板持ち上げロッド3とを下降させると被成膜基
板2は底部リング部10に固定された基板支持ピン6に
よって押圧される。さらに基板持ち上げロッド3を下降
させると基板抑え部材5の下面に形成された微小突起5
aに被成膜基板2の表面周辺部が当接して被成膜基板2
は図1で示したごとく反応室9内に固定設置される。本
実施例では、ガスシャワー3をリング状の基板抑え部材
5と同期させて上下させたが、被成膜基板2とガスシャ
ワー3との隙間が十分離れている場合には、特に上下さ
せる必要はない。また、基板引き上げピン7は必ずしも
基板抑え部材5に固定する必要はなく、夫々独立に上下
するようにしても良い。
【0034】本実施例では、被成膜基板2として、Si
ベアウエハ上に予めスパッタリングによってW膜を50
nm成膜したものを用いた。これは、成膜したW膜と下
層のSi膜との接着力を確保し、膜剥がれが起こらない
ようにするためである。
【0035】図15は具体的なプロセスフローを示すも
のである。まず工程S1およびS2はロードロック室1
00で行われる工程を示す。即ち、工程S1において、
まず複数枚の被成膜基板(ウエハ)2は、図14に示す
ロードロック室100に搬入される。工程S2におい
て、被成膜基板(ウエハ)2が搬入されたロードロック
室100は排気系112により真空排気される。
【0036】工程S3〜S6は前処理室101で行われ
る工程を示す。即ち、工程S3において、基板フォーク
110により被成膜基板(ウエハ)2をロードロック室
100からゲートバルブ111aを介して排気系113
により真空排気されている搬送室101に引出してゲー
トバルブ111bを介して前処理室102に搬入する。
工程S4において、上記スパッタリングによって成膜し
たW膜表面の酸化膜を除去するために前処理室102に
被成膜基板(ウエハ)2が搬入された状態でAr(アル
ゴン)ガスが導入される。工程S5において、被成膜基
板2のW膜上を、導入されたAr(アルゴン)ガスのみ
のプラズマで放電処理することによってW膜表面の酸化
膜が除去される。その後工程S6において、プラズマ放
電が停止されて前処理室102は排気系114により真
空排気される。
【0037】工程S7〜S14は、リアクタ(反応室)
9において行われる工程を示す。反応室9の冷媒通路9
a、基板抑え部材5の冷媒通路5bおよびガスシャワー
1における配管1bに冷媒が供給されてリアクタ(反応
室)9内は、全て冷却されているものとする。即ち、工
程S7において、基板フォーク110により酸化膜が除
去された被成膜基板(ウエハ)2を大気に曝すこと無
く、前処理室101からゲートバルブ111bを介して
排気系113により真空排気されている搬送室101に
引出してゲートバルブ111cを介して反応室9に搬入
し、図11〜図13に示すように、被成膜基板(ウエ
ハ)2は基板抑え部材5の下面の突起5aに当接して支
持されると共に基板抑え部材5が底部リング部10に接
触することによって被成膜基板(ウエハ)2の表面側の
空間Euと被成膜基板(ウエハ)2の裏面側の空間Eo
とに分離される。工程S8において、反応室9内は排気
系26によって真空排気される。工程S9において、被
成膜基板(ウエハ)2の裏面側の空間Eoに不活性ガス
導入パイプ12により不活性ガスであるArガスが導入
されて充填され、Arガスを、基板抑え部材5と被成膜
基板2の表面周辺部との間の微小隙間を通して被成膜基
板2の表面側の空間Euへ流して、CVD反応ガスの被
成膜基板2の裏面側の空間Eoへの逆拡散を抑える。工
程S10において、第1の加熱手段である加熱光源21
と第2の加熱手段である高圧放電ランプとが点灯されて
被成膜基板2の周辺部から冷却されている基板抑え部材
5への熱流出が起きていても被成膜基板2の中央部と周
辺部とがほぼ均一に加熱される。工程S11において、
CVD原料ガスであるWFガスと還元ガスであるHガス
がガスシャワー1に供給されて、ガスシャワー1の吹き
出し孔1aから被成膜基板2の表面に一様に吹き付けら
れる。工程S12において、熱CVDにより被成膜基板
2の表面に中央部と周辺部とにおいて均一な膜厚でもっ
てW膜が成長する。次に工程S13において、図14に
示すように、例えば排気系26に設置された四重極質量
分析計(QMS)49により反応生成ガスであるHFを
モニタして制御用計算機36に送信し、制御用計算機3
6のCPU39はモニタされた反応生成ガスであるHF
の量に応じてW膜の成膜量を算出して終点を判断し、ま
たはガス導入時間を監視して所望の時間が経過したこと
を判断してCVD反応ガス導入開閉バルブ50を閉じ、
第1の加熱手段である加熱光源21と第2の加熱手段で
ある高圧放電ランプとを消灯する。その後工程S14に
おいて、排気系26により真空排気する。
【0038】工程S15〜S17は、アンロード室10
0において行われる工程を示す。即ち、工程S15にお
いて、反応室9で熱CVDによりW膜(反応膜)を中央
部と周辺部とにおいて均一な膜厚でもって成長させた被
成膜基板2を基板フォーク110により反応室9からゲ
ートバルブ111cを介して搬送室101に引出してゲ
ートバルブ111aを介してアンロード室100に搬入
する。工程S16において、被成膜基板2を冷却する。
そして工程S17において、被成膜基板(ウエハ)2は
アンロード室100から取り出される。
【0039】以上工程S1〜工程S17によって、成膜
を行なう前にまずCVDリアクタ(反応室)9に隣接し
て設けられている前処理室102において上記スパッタ
リングによって成膜したW膜表面上の酸化膜を除去する
ための処理が行なわれる。この前処理は、Ar(アルゴ
ン)ガスのみのプラズマで被成膜基板2のW膜上を放電
処理することにより達成される。前処理後、被成膜基板
2を大気に曝すこと無く、リアクタ(反応室)9に搬送
する。リアクタ(反応室)9において行う熱CVDによ
る成膜は、次に示す(化1)式で示す反応式に従って進
行する。
【0040】 WF6 +3H2 ⇒W+6HF (化1) このため、CVD反応ガスとして、WF6(6フッ化タ
ングステン)、還元ガスとしてH2(水素)ガスを用
い、必要に応じて希釈ガスとしてN2(窒素)ガスある
いはArガスを用いる。そしてCVD反応ガスは、ガス
シャワー1により被成膜基板2の表面側空間Euに導入
される。その導入手順は図14のプロセスフローに従い
以下のように行なわれる。工程S7において被成膜基板
2を基板抑え部材5に固定設置後、工程S8においてリ
アクタ9内を十分真空排気した後、工程S9において不
活性ガスであるArガスを被成膜基板2の裏面パージ用
(裏面への成膜防止用)に図1の不活性ガス導入パイプ
12より流量100sccm導入する。さらに、工程S
11においてガスシャワー1からHガスを流量1000
sccmを導入する。(場合によってはN等の希釈ガス
も導入する。)反応室9内の圧力は排気量を調節するこ
とにより、5×10〜1×10Paに保持する。なお、
Arガスは前述したように被成膜基板2の側面と裏面に
CVD反応ガスが逆拡散して廻り込んで接触するのを防
ぐために用いる。上記のCVD反応ガスの導入とほぼ同
時に、工程S10において第1および第2の加熱手段を
点灯し、被成膜基板2を450〜475℃程度まで中心
部と周辺部とを均一に加熱し、CVD原料ガスとしてW
6ガスを25〜50sccm導入し、ガスシャワ1よ
り被成膜基板2に供給する。工程S13において、制御
用計算機36のCPU39は、例えば排気系26に設置
された四重極質量分析計(QMS)49によってモニタ
された反応生成ガスであるHFの量に応じてW膜の成膜
量を算出して終点を判断し、または所望の膜厚まで成長
するためのガス導入時間を経過したことを判断してこの
後CVD反応ガス開閉バルブ50を閉じてWF6ガスの
導入を停止し、これに引き続き他のガスの導入も停止す
ると共に第1および第2の加熱手段を消灯して被成膜基
板への加熱の停止を行い、ほぼ同時に工程S14におい
てCVDリアクタ9の真空排気を行う。
【0041】上記に示した本発明による熱CVD成膜を
行うことにより、被成膜基板2の側面及び裏面またCV
Dリアクタ9内壁には全く成膜されずに、中心部と周辺
部とにおいて膜厚が均一なW膜を被成膜基板2の表面上
にのみ成膜させることができる。
【0042】ここで、被成膜基板2の中央部の加熱と袴
状光ガイド13を用いた被成膜基板の周辺部の加熱との
各々の制御は、制御用計算機36で算出されたランプ光
量に基づいて加熱制御系48を制御することによって行
う。即ち、制御用計算機36は、例えば放射温度計35
で測定された被成膜基板2の中央部と周辺部との温度が
等しくなるように第1の加熱手段(加熱光源)21およ
び第2の加熱手段(高圧放電ランプ等)における加熱制
御量を算出する。また実際に被成膜基板2の表面に成膜
された反応膜の膜厚(中央部の膜厚と周辺部の膜厚)を
図14に示すSEM、光学膜厚測定装置51によって測
定し、この測定値をネットワークを介してインターフェ
ース部37を通して外部記憶装置43に記憶させ、また
は上記測定値をディスク等の入力手段41を用いて入力
して外部記憶装置43に記憶させておく。また基板抑え
部材5の冷媒通路5b等に流す水等の冷媒温度を冷媒供
給制御部52で測定してネットワークを介してインター
フェース部37を通して外部記憶装置43に記憶させ
る。制御用計算機36は、これら外部記憶装置43に記
憶された被成膜基板2の表面に成膜された反応膜の膜厚
(中央部の膜厚と周辺部の膜厚)データや冷媒供給制御
部52で測定された冷媒温度を表示装置45に表示する
こともできる。そして制御用計算機36は、これら外部
記憶装置43に記憶された被成膜基板2の表面に成膜さ
れた反応膜の膜厚(中央部の膜厚と周辺部の膜厚)デー
タに基づいて被成膜基板2の中央部における膜厚と周辺
部における膜厚とが等しくなるように第1の加熱手段
(加熱光源)21および第2の加熱手段(高圧放電ラン
プ等)における加熱制御量を算出する。この算出された
加熱制御量を加熱制御系48にフィードバックすること
によって被成膜基板2の中心部と周辺部とにおいて膜厚
が均一なW膜を被成膜基板2の表面上にのみ成膜させる
ことができる。
【0043】本実施例では、被成膜基板2の周辺部の加
熱には、例えば集光するための楕円鏡と組み合わせた1
kWのXeランプを3本用い、1本のランプからの出射
光を1本のファイババンドル(光ファイバ)16に集光
・入射し、出射端16bを2本に分け、計6本のファイ
バ出射端16bからの光を6個の光導入ロッド14に入
射した。被成膜基板2の中央部の温度を450〜470
℃になるように被成膜基板2の中央部の加熱用ランプ2
1を固定し、被成膜基板2の周辺部の加熱に用いた集光
ランプの出力を40〜100%の間で制御したときの成
膜後のW膜厚分布を図16に示した。図16において、
161は被成膜基板2の周辺部への加熱がない場合を示
したものである。本実施例では約70%の出力において
膜厚分布がほぼフラットになったが、本発明のように被
成膜基板の周辺部のみを、制御用計算機36から加熱制
御系48へのフィードバック制御により適切に加熱制御
することで、反応温度以下まで余裕をもって冷却された
リアクタ内壁(ここでは、冷却されたリング状の基板抑
え部材5)が被成膜基板の近傍に有り、被成膜基板2の
周辺部から熱が流出されたとしても、十分良好な均一な
膜厚分布を得ることができる。上記実施例において、特
に第2の加熱手段を高圧放電ランプ、光ファイバ16、
光ロッド14および袴状の光ガイド13で構成し、加熱
制御系48として、楕円鏡を含む高圧放電ランプから出
射される光量を制御するように構成した場合について説
明したが、絞り等の光量調整用光学系を第2の加熱手段
内に設置し、この光量調整用光学系を加熱制御系48で
制御しても良いことは明らかである。
【0044】また、図1に示した本発明に係る無発塵C
VD装置のCVDリアクタ(光ファイバ加熱併用型)の
変形例を図17に示す。図1ではファイバの出射端16
bからの光を袴状の光ガイド13に入射する前に図6に
示した光導入ロッド14を経由させていたが、より外径
が大きく平坦部のツバの広い袴状光のガイド13’を用
い、直接Oリング71でシールすることも可能である。
上記実施例では、被成膜基板2の周辺部への加熱量が1
kWのXeランプ3本で賄えたが、もっと大きなサイズ
の被成膜基板2を加熱する場合や、もっとプロセス温度
が高く、より加熱量を多く必要とする場合には、光導入
ロッド14の数が増加し、CVDリアクタ9の構造が繁
雑化するため、図17に示す如く光ファイバ16からの
出射光を直接袴状の光ガイド13’に入射する変形タイ
プの方がより優れている。
【0045】以上の実施例において、熱CVD成膜をリ
アクタ内のクリーニングを全く行わずに2000枚まで
連続成膜したが、成膜終了後のチャンバ内部を目視観察
した限りでは、不要に成膜した部分はみられず、なお継
続的な連続処理が可能であると考えられる。即ち本実施
例によれば、CVDリアクタが従来のように繁雑なクリ
ーニングを必要とせず、それに起因するスループットの
低下に対して十分な効果が得られることを確認すること
ができた。また本実施例によれば、膜剥がれによる反応
膜への異物混入がなく、しかも被成膜基板の全領域にお
いて所望の均一な膜厚でW等の反応膜を成膜することが
できた。
【0046】(実施例2)次に本発明に係る無発塵CV
D方法およびその装置の実施例2について説明する。実
施例1では、被成膜基板2の中央部をランプ加熱によ
り、被成膜基板2の周辺部を光ファイバによって輸送さ
れた光によって加熱する第1のCVDリアクタを用いて
成膜する方法について説明したが、被成膜基板2の中央
部と周辺部を夫々独立に加熱できれば別の方法を用いる
ことも可能である。ただし、被成膜基板2の周辺部のみ
を局部的に加熱できることが必要である。そこで、本実
施例では被成膜基板2の周辺部の加熱を光ファイバ16
から輸送された光を用いた方法とは別に、被成膜基板の
外形よりもやや内径の小さなリングにヒータを埋め込ん
だリング状ヒータ19を用いた。このリング状ヒータ1
9を用いる実施例2の第2のCVDリアクタ(リング状
ヒータ加熱併用型)を図18に示す。
【0047】図18に示した実施例2の第2のCVDリ
アクタ(リング状ヒータ加熱併用型)は、図1に示す実
施例1の第1のCVDリアクタ(光ファイバ加熱併用
型)における袴状の光ガイド13および光導入ロッド1
4の代わりにリング状ヒータ19を用いた以外は殆ど同
様の構造であり、図20に示すごとく、リング状ヒータ
19に被成膜基板搬送用の切欠き19aを設けることに
より図11乃至図13に示した搬送方法と全く同様に被
成膜基板2を搬送することができる。
【0048】図19は、実施例2の第2のCVDリアク
タ(リング状ヒータ加熱併用型)におけるパージガス流
路、基板引き上げピン7、基板抑え部材5、第2の加熱
手段であるリング状ヒータ19と被成膜基板2の位置関
係を示す断面斜視図である。第2の加熱手段であるリン
グ状ヒータ19は、被成膜基板2の裏面に近接して配置
され、図18に26’で示す発熱量分布で被成膜基板2
の周辺部を局部加熱するものである。図20にはリング
状ヒータ19において、被成膜基板2の裏面に近接して
対向する配線パターンが形成された上面を示す。一方リ
アクタ9の外部下方には、被成膜基板2の中央部を含め
て全体を加熱する第1の加熱手段である加熱光源21が
設置され、この加熱光源21により図18に25で示す
発熱量分布(光強度分布)を有する光がリアクタ9下方
の光透過窓8を通して被成膜基板2に照射されて被成膜
基板2が加熱される。外見上は図3に示した第1のCV
Dリアクタ(光ファイバ加熱併用型)とほぼ同様である
が、第1のCVDリアクタ(光ファイバ加熱併用型)が
被成膜基板2の裏面以外は実質的にCVD反応を生ずる
温度まで到達する部分が存在しないのに対し、第2のC
VDリアクタ(リング状ヒータ加熱併用型)では、リン
グ状ヒータ19が被成膜基板以上の高温となる。図19
に示したように、CVD反応ガスはArガスのパージに
よりリング状ヒータ19まで到達しないように見える。
しかし、統計的には極僅かではあるが、CVD反応ガス
が逆拡散して被成膜基板2の裏面側に廻り込む。被成膜
基板2はCVD成膜する度に1枚毎新しくなるため、実
質的に被成膜基板2の側面及び裏面には不要な成膜はな
いが、リング状ヒータ19には極僅かではあったとして
も半永続的にCVD反応ガスに曝され続けるため不要な
膜が蓄積し、その結果剥がれによる発塵が起こる前にク
リーニングを行う必要がある。このため、ClF3(3
フッ化塩素)によるガスクリーニングが有効な手段にな
りえるが極めて反応性が高いため、CVD膜のみエッチ
ングし他の部品、特に本第2のリアクタ9ではリング状
ヒータ19の材質を慎重に選択する必要がある。そこ
で、リング状ヒータ19は、図20に示すように、発熱
体であるタングステン配線を印刷で形成し、クリーニン
グガスとは直接触れないように全体をアルミ窒化物で覆
う構造とした。更に、ガスとの接触が避けられないタン
グステン配線の取り出し電極にはニッケルを用いた。た
だし、材料としては特に上限に限ることなく、クリーニ
ングガスに対する耐性を考慮して、リアクタ内部に導入
されたガスと直接触れないように絶縁体であるアルミ窒
化物またはアルミ酸化物を構成材料として、ガスとの接
触が避けられないタングステン配線の取り出し電極に
は、ニッケル、クロム、金、コバルト、インジウムある
いはこれらの選ばれた2種以上の金属による合金を用い
て構成することが好ましい。
【0049】上記実施例において、被成膜基板2の周辺
部の加熱にはフルパワー200Wのリング状ヒータ19
を用いた。被成膜基板の中央部の温度を450〜470
℃になるように被成膜基板2の中央部の加熱用ランプ2
1を固定し、被成膜基板の周辺部の加熱に用いたリング
状ヒータ19の出力を40〜100%の間で制御したと
きの成膜後のW膜厚分布を図21に示した。本実施例で
は約70%の出力において膜厚分布がほぼフラットにな
ったが、実施例1と全く同様に十分良好な均一性の膜厚
分布を得ることができることが分かった。
【0050】以上説明したように、実施例2の第2のC
VDリアクタ(リング状ヒータ加熱併用型)を用いて、
実施例1と同様に、熱CVD成膜をリアクタ内のクリー
ニングを全く行わずに2000枚まで連続成膜したが、
成膜終了後のチャンバ内部を目視観察したところ、窒化
アルミの乳白色であるリング状ヒータ19外周部上に僅
かにW成膜によると思われる灰色に変色した部分が見ら
れた。なお継続的な連続処理が可能であるが、或る程度
の期間でクリーニングを行う必要があると考えられる。
しかし、本実施例においても従来のように頻繁なクリー
ニングを必要とせず、それに起因するスループットの低
下に対して十分な効果のあることが確認できた。
【0051】即ち、本第2の実施例によっても、実施例
1と同様に、膜剥がれによる反応膜への異物混入がな
く、しかも被成膜基板の全領域において所望の均一な膜
厚でW等の反応膜を成膜することができた。
【0052】なお、本第実施例であるCVDリアクタ
(リング状ヒータ加熱併用型)は、或る程度の期間でク
リーニングする必要がある代わりに、実施例1であるC
VDリアクタ(光ファイバ加熱併用型)と比較して構造
をよりシンプルにすることができる。
【0053】(実施例3)次に本発明に係る無発塵CV
D方法およびその装置の実施例3について説明する。上
記実施例2では、被成膜基板2の中央部をランプ加熱に
より、被成膜基板2の周辺部をリング状ヒータ19によ
って加熱する第2のCVDリアクタを用いて成膜する方
法について説明したが、本実施例ではランプ加熱を用い
ず、被成膜基板2の中央部と被成膜基板2の周辺部の両
方の加熱を夫々のゾーンに分けて独立に加熱量を制御で
きるヒータ、即ちゾーンヒータ20を用いてCVD成膜
を行った。このゾーンヒータ20を用いた本発明の第3
のCVDリアクタ(ゾーンヒータ加熱型)を図22に示
す。図22に示した本リアクタは、図18の第2のCV
Dリアクタ(リング状ヒータ加熱併用型)におけるラン
プ加熱用の光照射窓8を取り除き、ランプ加熱の代わり
にリング状ヒータ19の中央部分もヒータで独立して加
熱量を制御できるようにした以外は殆ど同様の構造であ
り、ゾーンヒータ20に被成膜基板搬送用の切欠き20
aを設けることにより図11乃至図13に示した搬送方
法と全く同様に被成膜基板2を搬送することができる。
ゾーンヒータ20は、被成膜基板2の裏面に近接して設
置され、図22に示す如く中央部において発熱量の分布
65で発熱され、周辺部において発熱量の分布66で発
熱されて被成膜基板2を加熱することになる。また加熱
された被成膜基板2の中央部と周辺部との温度を測定す
るために、図1、図2及び図18に示す光ロッド31、
33に代えて、被成膜基板2の裏面中央部からの赤外放
射光を直接赤外線透過窓61を通してレンズ62で集光
し、この集光された赤外放射光を光ファイバ等により放
射温度計35に導き、被成膜基板2の裏面周辺部からの
赤外放射光を直接赤外線透過窓63を通してレンズ64
で集光し、この集光された赤外放射光を光ファイバ等に
より放射温度計35に導くことによって、放射温度計3
5は被成膜基板2の中央部の温度と周辺部の温度とを測
定することができる。
【0054】図23は、第3のCVDリアクタ(ゾーン
ヒータ加熱型)におけるパージガス流路、基板引き上げ
ピン7、基板抑え部材5、ゾーンヒータ20と被成膜基
板2との位置関係を示す断面斜視図である。ゾーンヒー
タ20において、中央部のヒータ20dは被成膜基板2
の中央部を図22に示す発熱量の分布65で加熱する第
1の加熱手段を構成し、周辺部のヒータ20cは被成膜
基板2の周辺部を図22に示す発熱量の分布66で加熱
する第2の加熱手段を構成する。外見上は、第2のCV
Dリアクタ(リング状ヒータ加熱併用型)と同様に、ゾ
ーンヒータ20が被成膜基板2以上の高温となる。図2
3に示したように、CVD反応ガスはArガスのパージ
によりゾーンヒータ20まで到達しないように見える。
しかし、統計的には極僅かであるが、CVD反応ガスが
逆拡散して被成膜基板2の裏面側に廻り込む。被成膜基
板2は、CVD成膜する度に1枚毎新しくなるため、実
質的に被成膜基板には不要な成膜はないが、ゾーンヒー
タ20は極僅かではあったとしても半永続的にCVD反
応ガスに曝され続けるため不要な膜が蓄積し、その結果
剥がれによる発塵が起こる前にクリーニングを行う必要
がある。このため、ClF3(3フッ化塩素)によるガ
スクリーニングが有効な手段になり得るが、極めて反応
性が高いため、CVD膜のみエッチングし、他の部品、
特に本実施例のリアクタ9ではゾーンヒータ20の材質
を慎重に選択する必要がある。そこで、上記ゾーンヒー
タ20dは、リング状ヒータ19と同様に、発熱体であ
るタングステン配線を印刷で形成し、クリーニングガス
とは直接触れないように全体をアルミ窒化物で覆う構造
とした。さらに、ガスとの接触が避けられないタングス
テン配線の取り出し電極には、ニッケルを用いた。ただ
し、材料としては特に上記に限ることなく、クリーニン
グガスに対する耐性を考慮して、リアクタ内部に導入さ
れたガスと直接触れないように絶縁体であるアルミ窒化
物またはアルミ酸化物を構成材料として、ガスとの接触
が避けられないタングステン配線の取り出し電極には、
ニッケル、クロム、金、コバルト、インジウムあるいは
これらの選ばれた2種以上の金属による合金を用いて構
成することが好ましい。
【0055】本実施例では、上記発熱体のタングステン
配線は印刷によって形成したが、このときの配線パター
ンを含め、ゾーンヒータ20の上面図を図24に示し
た。
【0056】以上説明したように、本第3のCVDリア
クタ(ゾーンヒータ加熱型)を用いてCVD成膜を行っ
たが、被成膜基板2の中央部の加熱をヒータ20cを用
いた以外は第2の実施例と全く同様である。即ち、この
第3の実施例においても、被成膜基板2の周辺部の加熱
にはフルパワー200Wのリング状ヒータ20dを用
い、被成膜基板2の中央部の温度を450〜470℃に
なるように被成膜基板2の中央部の加熱用ヒータ20c
を用いて一定加熱にして、被成膜基板2の周辺部の加熱
に用いたリング状ヒータ20dの出力を40〜100%
の間で制御したときの成膜後のW膜厚分布は、図21に
示すのと同様になった。本実施例でも、第1および第2
の実施例と全く同様に十分良好な膜厚分布均一性が得ら
れることが分かった。
【0057】なお、本実施例においてもリアクタ内のク
リーニングを全く行わずに2000枚まで連続成膜した
が、成膜終了後のチャンバ内部を目視観察したところ、
窒化アルミの乳白色であるゾーンヒータ20上に僅かに
W成膜によると思われる灰色に変色した部分が見られ
た。なお継続的な連続処理が可能であるが、或る程度の
期間でクリーニングを行う必要があると考えられる。
【0058】以上から、本実施例においても従来の頻繁
なクリーニングを必要とせず、それに起因するスループ
ットの低下に対して十分な効果が有ることを確認するこ
とができた。
【0059】本第3のCVDリアクタ(ゾーンヒータ加
熱型)は、或る程度の期間でクリーニングする必要があ
る代わりに、第1および第2のCVDリアクタ(光ファ
イバ加熱併用型、リング状ヒータ加熱併用型)と比較し
て構造をよりシンプルにすることができる。
【0060】以上本発明の第1乃至第3の実施例につい
て説明したが、本発明は、上述したWの成膜の場合に限
らず、poly−Si、WSix等の配線膜のCVD工
程に適用できることは勿論、被成膜基板の側面や裏面に
成膜を望まないCVD工程に対して、配線膜、絶縁膜、
半導体膜の熱CVDに適用することができる。更に、プ
ラズマCVDのような気相中でCVD反応ガスが或る程
度分解する場合でも、そのCVD反応が表面反応律速の
場合には同様に適用できることは勿論である。しかし、
上記の実施例では主に配線工程に用いられる薄膜形成に
最適であったのに対し、従来からバッチ方式のCVD装
置で形成されてきたベース工程に用いられる薄膜形成に
ついては別の実施形態もあり得る。
【0061】以上に示してきた実施例は全てウエハの裏
面側から加熱する方法および装置について述べたもので
あり、ウエハ表面に形成される膜がWのように反射率の
高いものを対象とした。これは、ランプ加熱の場合、成
膜中に反射率の高い材質が形成されると成膜前に設定さ
れたウエハ温度を保持することが極めて困難になるため
である。一方、形成された膜の反射率がそれほど高くな
いものであれば、十分にランプからの照射光を吸収して
ウエハの加熱に寄与できるため、ウエハ表面からのラン
プ加熱を行うことが可能となる。ウエハ表面からのラン
プ加熱では、ウエハ裏面側に容易にウエハの上下機構や
回転機構を導入することができるようになる。さらに、
ウエハ周辺の局所加熱に上記ファイバ加熱を適用する場
合も、上述した実施例ではランプ光を遮ることを避ける
ため、リアクタ側面からファイバ光を導入するのに複雑
な構造の袴状の光ガイドを用いなければならなかった
が、ウエハ表面側からの加熱ではリアクタ下面からファ
イバ光を導入できるので後述するように図31に示すよ
うな円筒状の光ガイドを用いることができる。
【0062】(実施例4)本発明に係る無発塵CVD方
法およびその装置の実施例4について説明する。実施例
1から3では、被成膜基板2の裏面側から被成膜基板2
の中央部を加熱する第1から第3のCVDリアクタを用
いて成膜する方法について説明した。金属配線等の反射
率の高い膜を成膜する場合には実施例1から3のように
被成膜基板2の裏面側からしか加熱することができない
が、ポリシリコン膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜
等のように成膜しても基板2表面の反射率がそれ程低下
しないものであれば、基板2のおもて面からランプ加熱
を行うことも可能となる。そこで、以下に述べる第4か
ら第7の実施例では被成膜基板2の中央部の加熱をリア
クタ外部に設置した加熱光源21の光を上記リアクタの
透過窓8を介して上記被成膜基板へ照射することにより
行った。
【0063】先ず、円筒状の光ガイド13’を用い被成
膜基板2の周辺部を局部加熱すると共に、円筒状の光ガ
イド13’に被成膜基板2を載せ回転させることで基板
の円周方向の均一性を高めた本発明に係る無発塵熱CV
D方法および装置の第4の実施例を示す。第4の実施例
の第4のCVDリアクタ(表面加熱+基板回転+光ファ
イバ加熱併用型)を図30に示す。
【0064】図30に示した第4の実施例の第4のCV
Dリアクタ(表面加熱+基板回転+光ファイバ加熱併用
型)は、図1に示した第1の実施例の第1のCVDリア
クタ(光ファイバ加熱併用型)における石英透過窓8と
ランプ光源21をリアクタの上部に置き換え、袴状の光
ガイド13の代わりに円筒状の光ガイド13’を用いる
ようにした。また、ガスシャワー1をリアクタ上部に設
置できなくなったため、ガス流れの違いによる膜厚分布
の低下を抑えるため、上記円筒状の光ガイド13’に被
成膜基板2を載せ、リアクタ外部に設けたモーター29
を用いた回転動力を磁気結合によってリアクタ内部の被
成膜基板2を回転させた。円筒状の光ガイド13’に
は、図31に示すごとく、リアクタ内部のベアリング2
7上の回転リング28に載せるための突起13’bが設
けてある。なお、回転動力を磁気結合の他真空シールさ
れた駆動軸を介して基板を回転させても良い。
【0065】図31では、実施例4の第4のCVDリア
クタにおいて用いた円筒状の光ガイド13’、光ファイ
バ16、光ロッド14を示したが、先に図5から図7に
おいて説明したのとほぼ同様に光ファイバ16に集光さ
れた光が被成膜基板2の周辺部に照射される。先の図5
から図7における被成膜基板2の周辺部の局所加熱を行
う第2の加熱手段についての説明とは、袴状の光ガイド
13を用いた場合には光ファイバ16からの出射光をリ
アクタ側面から導入するのに対し、円筒状の光ガイド1
3’では光ファイバ16からの出射光をリアクタ下面か
ら導入する点が異なっているが、それ以外はほぼ同様で
ある。
【0066】また、実施例4の第4のCVDリアクタで
は被成膜基板2を回転させるために冷却された基板抑え
治具5を用いることはできない。そこで円筒状の光ガイ
ド13’上面に基板抑え治具5に設けたのと同じ高さの
微小突起13a(d=0.1〜mm)が設けてあり、被
成膜基板2と円筒状の光ガイド13’に形成させる微小
隙間から反応に関与しないガスを流し出すようにしてあ
る。同時に、リアクタ下部内壁10面は被成膜基板2の
外径よりも僅かに大きな内径にくり抜いてあり、被成膜
基板2外周部が当接するように支持するため、上記被成
膜基板2の裏面側から上記くり抜かれたリアクタ下部内
壁面と上記被成膜基板2外周部との間に微小隙間が形成
される。この微小隙間を通して成膜に関与しないガスを
流し出すようにしてある。このため、被成膜基板2表面
側の空間に存在するCVD反応ガスが被成膜基板2裏面
側の空間に流れ込むことを抑えている。
【0067】実施例1から3や後で説明する実施例6、
7では、被成膜基板2抑え部材5が有るため、被成膜基
板2裏面側に導入する反応に関与しないガス(不活性ガ
ス)の流し方にそれ程き気を付ける必要はない。しか
し、本実施例及び次の実施例5に示されるような被成膜
基板2の重力だけで円筒状光ガイド13’からずれるこ
となしに被成膜基板2を載せて置くためには、被成膜基
板2表面と裏面の圧力差により被成膜基板2を持ち上げ
る力が被成膜基板2の重力よりも大きくならないように
注意して、不活性ガスを被成膜基板2裏面側に導入しな
ければならない。例えば、8インチサイズのシリコンウ
エハでは厚みが0.75mm、シリコンの比重が2.33g/cm3
であるため、0.175gf/cm2以上の力がウエハ裏面側から
加わるとウエハが浮いてしまうことになる。これを差圧
に置き換えると17Pa(=0.128Torr)以下に抑える必要があ
る。従って、ウエハ裏面にガスを導入する際には、勢い
を抑え徐々に流量を増やし、さらに流量を増加させたい
時には、ウエハ表面側にCVD原料ガスが導入されるの
を確認して、決して17Pa以上にならないよう注意して導
入しなければならない。特に、の様にウエハを回転させ
る場合には、回転機構の振動により円筒状光ガイドのサ
セプタからずれる可能性もあるため、実質的には常に差
圧を10Pa以下に保持することが好ましい。
【0068】次に本実施例の第4のCVDのリアクタに
おいて被成膜基板2を搬送室101から基板フォーク1
10によって搬送し、リアクタ(反応室)9内で受け取
って固定する方法について、図32、図33、図34を
用いて説明する。第1の実施例で示したようなガスシャ
ワー1と基板抑え部材5がない分搬送機構もシンプルに
なっている。本第4のCVDリアクタでは第1の実施例
においてガスシャワー1に取り付けられていた基板引き
上げロッド3の代わりに、基板上下機構4cから上方に
突き出した基板押し上げピンによって基板2を上下す
る。先ず、図32示すように、被成膜基板2は、搬送レ
ベル(搬送面)で基板フォーク110に乗せられてリア
クタ(反応室)9内に水平搬送される。次に、図33に
示すように、上下機構4cを駆動して基板押し上げ上げ
ピンにより搬送レベル(基板フォーク110)より押し
上げる。これにより基板フォーク110を反応室9の外
部の所定の位置(搬送室101内)に戻すことが出来
る。次に、図34に示すように、上下機構4cにより基
板押し上げピンを下降させると被成膜基板2は円筒状光
ガイド13’上に微小突起13’aによる微笑隙間を残
して被成膜基板2の表面側空間Euと被成膜基板の裏面
側空間Eoとに分離した状態で載置される。
【0069】本実施例および以下の実施例では先の第1
から第3の実施例とは異なり、メタル配線膜のように成
膜した時に表面反射率が高くなる膜は成膜できず、ベー
ス工程で用いられるポリシリコン膜、シリコン窒化膜、
シリコン酸化膜の様に成膜しても表面からの加熱が十分
行える膜を対象としていることは先に述べたが、ここで
はその中でも最もクリーニングが困難で、余分な成膜を
抑制することが最も効果的と考えられている酸化膜の成
膜を行った場合について説明する。
【0070】以下、TEOS(Si(C25O)4)を
原料ガスとしてその熱分解によりSiO2を形成するプ
ロセスについて説明する。SiO2の成膜反応は以下の
反応式(化2)によって進行する。
【0071】 Si(C25O)4⇒SiO2+2(C25)O (化2) ここでは、第1の実施例のようなプロセスフローは示さ
ないが、原料ガスをH2とWF6をTEOSに置き換え、
被成膜基板2の温度を450〜475℃の設定から70
0〜750℃にする以外はほぼ第1から第3の実施例で
述べた手順と同じにして成膜した。
【0072】上記に示した本発明による熱CVD成膜を
行うことにより、被成膜基板2の側面及び裏面またCV
Dリアクタ9内壁には全く成膜されずに、中心部と周辺
部とにおいて膜厚が均一な酸化膜を被成膜基板2のみに
成膜させることができる。
【0073】本実施例で用いた第1の加熱手段(加熱光
源)21および第2の加熱手段の加熱量の制御方法も第
1の実施例で示したものと同様に行えば良い。
【0074】以上説明した第4の実施例において、熱C
VD成膜をリアクタ内のクリーニングを全く行わずに2
000枚まで連続成膜したが、成膜終了後のチャンバ内
部を目視観察した限りでは、リアクタ下部底面10の基
板2周辺部に僅かなSiO2の粉末が見られたがそれ以
外に不要に成膜した部分は見られず、なお継続的な連続
処理が可能であると考えられる。また、成膜した酸化膜
の膜厚分布を調べると±1.2%と±2%以内におさめ
ることができた。即ち、本第4の実施例によれば、CV
Dリアクタが従来のように繁雑なクリーニングを必要と
せず、それに起因するスループットの低下に対して十分
な効果が得られることを確認することができた。さら
に、本第4の実施例によれば、膜剥がれによる反応膜へ
の異物混入がなく、しかも被成膜基板の全領域において
所望の均一な膜厚で酸化膜等の反応膜を成膜することが
できた。
【0075】(実施例5)次に、本発明に係る無発塵熱
CVD方法およびその装置の実施例5について説明す
る。本実施例を示すCVDリアクタ(表面加熱+基板固
定+光ファイバ加熱併用型)の要部断面図を図35に示
した。ここでは、実施例4における基板2の回転を行う
代わりに、基板周辺部の局所加熱における照度分布の均
一化を図るために円筒状光ロッド13”の形状を最適化
すると共にガスの流れを成膜中に反転させるようにし
た。図36に円筒状光ガイド13”において入射された
集光光が円周方向に拡がって伝搬される状態を示した
が、形状が袴状から円筒状に変化した分、若干D1の最
適値の変化が予想される以外、最適化の手法は図8から
10で示したものと全く同様である。図37に円筒状光
ガイド13”において出射端A−B間における放射量分
布を示し、図38には円筒状光ガイド13”においてD
1の値を変化させた時に分布偏差が変化し、最小値が存
在することを示したが、その最適値も図11に示した結
果とほぼ同じである。ここで得られたD1により基板周
辺部の局所加熱における照度分布の偏差を5%程度に抑
えることができる。この5%の照度分布偏差は、均一化
の観点から見れば完全ではないが、シリコンウエハ自身
の熱伝導により温度が緩和することを考慮すれば、十分
な値である。またこれ以上の均一化が必要とされる場合
には、入射する光ファイバ16の数を増やす等して改善
できる。
【0076】次に、膜厚均一性のために行ったもう一つ
の方法であるガス流れの反転について説明する。図39
はCVDリアクタを中心としてガス流れを反転するガス
導入経路および排気経路の概略構成を示す図である。図
面正面から見て左から右の方向(黒色の矢印方向)に流
す場合には、CVD反応ガス導入開閉バルブ50aを
開、50bを閉、にすると共に真空排気開閉バルブ52
aを開、52bを閉にする。また図面正面から見て右か
ら左の方向(灰色の矢印方向)に流す場合には、CVD
反応ガス導入開閉バルブ50aを閉、50bを開、にす
ると共に真空排気開閉バルブ52aを閉、52bを開に
すれば良い。これらのガスを流す時間を均等にすること
により膜厚分布の流れ方向に伴う分布劣化の影響を低減
した。
【0077】上記2点以外は全く実施例4と同様にして
TEOSを原料ガスとした酸化膜の成膜を行った。
【0078】以上説明したように、実施例5を示すCV
Dリアクタ(表面加熱+基板固定+光ファイバ加熱併用
型)を用いて、実施例4と同様に、熱CVD成膜をリア
クタ内のクリーニングを全く行わずに2000枚まで連
続成膜し、成膜終了後のチャンバ内部を目視観察したと
ころ、リアクタ下部10の基板2周辺部に僅かにSiO
2の粉末が見られただけでそれ以外は全く変化が見られ
なかった。なお継続的な連続処理が可能であるが、或る
程度の期間でクリーニングを行う必要があると考えられ
る。しかし、本実施例においても従来のように頻繁なク
リーニングを必要とせず、それに起因するスループット
の低下に対して十分な効果のあることが確認できた。
【0079】即ち、本実施例によっても、実施例4と同
様に、膜剥がれによる反応膜への異物混入がなく、しか
も被成膜基板の全領域において所望の均一な膜厚でSi
2等の反応膜を成膜することができた。
【0080】なお、本実施例であるCVDリアクタ(表
面加熱+基板固定+光ファイバ加熱併用型)は、実施例
4よりも膜圧分布の均一化が僅かに低下する代わりに、
実施例4であるCVDリアクタ(表面加熱+基板回転+
光ファイバ加熱併用型)と比較して回転機構がない分構
造をよりシンプルにすることができる。
【0081】(実施例6)次に、本発明に係る無発塵熱
CVD方法およびその装置の実施例6について説明す
る。実施例6を示すCVDリアクタ(表面加熱+基板抑
え+光ファイバ加熱併用型)の要部断面図を図40に示
した。ここでは、実施例5におけるCVDリアクタ(表
面加熱+基板固定+光ファイバ加熱併用型)に基板抑え
治具5を付け加えた以外は全く実施例5と同様である。
ただし、基板2表面側空間Eoと基板2裏面側空間Eu
が繋がる唯一の微小隙間が、実施例4及び5では、円筒
状光ガイド13’、13”上の微小突起13’a、1
3”aによる微笑隙間とリアクタ下部10底面と基板2
外周部との間に形成される微小隙間であったものが、基
板抑え治具5の微小突起による微小隙間に変わる。さら
に、実施例4及び5では基板2を抑えるものは基板2自
身の重力であったものが、本実施例では基板支持ピン6
となる。このため、円筒状光ガイド13”’の形状に若
干の変化が伴う。図41は、上記第5の実施例を示すC
VDリアクタに用いられる円筒状の光ガイド13”を示
す斜視図であり、図42は、上記第6の実施例を示すC
VDリアクタに用いられる円筒状の光ガイド13”’を
示す斜視図であるが、上記第5の実施例では微小突起1
3”aが必要なのに対し、本第6の実施例では微小突起
は不要である。一方、上記第5の実施例では直接円筒状
の光ガイド13”の上に基板2を載せるのに対し、本第
6の実施例では基板支持ピン6で基板2を支持するた
め、基板支持ピン6と円筒状の光ガイド13”’が干渉
しないための切り欠き溝13”’cが必要となる。
【0082】上記2点以外は全く実施例4及び5と同様
にしてTEOSを原料ガスとした酸化膜の成膜を行っ
た。
【0083】以上説明したように、実施例6である第6
のCVDリアクタ(表面加熱+基板抑え+光ファイバ加
熱併用型)を用いて、実施例4と同様に、熱CVD成膜
をリアクタ内のクリーニングを全く行わずに2000枚
まで連続成膜し、成膜終了後のチャンバ内部を目視観察
したところ、基板抑え部材5の基板2周辺部に僅かにS
iO2の粉末が見られただけでそれ以外は全く変化が見
られなかった。なお継続的な連続処理が可能であるが、
或る程度の期間でクリーニングを行う必要があると考え
られる。しかし、本実施例においても従来のように頻繁
なクリーニングを必要とせず、それに起因するスループ
ットの低下に対して十分な効果のあることが確認でき
た。
【0084】即ち、本実施例によっても、実施例4と同
様に、膜剥がれによる反応膜への異物混入がなく、しか
も被成膜基板の全領域において所望の均一な膜厚でSi
2等の反応膜を成膜することができた。
【0085】なお、本実施例であるCVDリアクタ(表
面加熱+基板抑え+光ファイバ加熱併用型)は、実施例
4よりも膜圧分布の均一化が僅かに低下する代わりに、
実施例4であるCVDリアクタ(表面加熱+基板回転+
光ファイバ加熱併用型)と比較して回転機構がない分構
造をよりシンプルにすることができる。一方、実施例5
であるCVDリアクタ(表面加熱+基板固定+光ファイ
バ加熱併用型)よりも基板抑え部材5がある分構造が複
雑になるが、第4と第5の実施例のように基板2裏面空
間への不活性ガスの導入の際に、基板2が浮き上がる心
配がないため、微妙なガス導入制御を必要としないとい
う長所がある。
【0086】(実施例7)次に、本発明に係る無発塵熱
CVD方法およびその装置の実施例7について説明す
る。実施例7を示すCVDリアクタ(表面加熱+リング
状ヒータ加熱併用型)の要部断面図を図43に示した。
ここでは、第4から第6の実施例における第2の加熱手
段である基板2周辺部の局所加熱を光ファイバー16と
円筒状光ガイド13による方法からリング状ヒータ19
を用いた方法に替えた。この方法を用いた場合には、リ
ング状ヒータ19の温度が基板2の温度以上となるた
め、これをCVD原料ガスと接触しないようにするため
の基板抑え部材が必須となる。しかし、基板2搬送上記
に示した実施例とは殆ど変わるところはなく、リング状
ヒータ19の加熱制御も第2の実施例の図21において
説明した方法とほぼ同様である。リング状ヒータ19は
図20で説明した切り欠き19aが不要以外材料、構成
とも全く同様である。
【0087】基板2搬送は第6の実施例では説明しなか
ったが本実施例とほぼ同様であり以下図44、図45、
図46を用いて説明する。
【0088】先ず、図44に示すように、被成膜基板2
は、搬送レベル(搬送面)で基板フォーク110に乗せ
られてリアクタ(反応室)9内に水平搬送される。次
に、図45に示すように、上下機構4cを駆動して基板
押し上げピンを上昇させて搬送レベル(基板フォーク1
10)より引き上げる。これにより基板フォーク110
を反応室9の外部の所定の位置(搬送室101内)に戻
すことが出来る。次に、図46に示すように、上下機構
4cを駆動して基板押し上げピンを下降させると被成膜
基板2は底部リング部10に固定された基板支持ピン6
によって押圧される。さらに上下機構4cを駆動して基
板抑え部材5を下降させると基板抑え部材5の下面に形
成された微小突起5aに被成膜基板2の表面周辺部が当
接して被成膜基板2が固定設置される。
【0089】本実施例においても上記第4から第6の実
施例と同様にしてTEOSを原料ガスとした酸化膜の成
膜を行った。
【0090】以上説明したように、本実施例である第7
のCVDリアクタ(表面加熱+リング状ヒータ加熱併用
型)を用いて、実施例4と同様に、熱CVD成膜をリア
クタ内のクリーニングを全く行わずに2000枚まで連
続成膜したが、成膜終了後のチャンバ内部を目視観察し
たが、リアクタ下部10の基板2周辺部に僅かにSiO
2の粉末が見られたが、第2の実施例のようなリング状
ヒータ19外周部上には何の変化も見られなかった。こ
れは、第2の実施例ではW成膜であったのに対し、本第
7の実施例がSiO2成膜であったために、乳白色のリ
ング状ヒータ19では僅かなSiO2形成では検知でき
ないためとも考えられる。なお継続的な連続処理が可能
であるが、或る程度の期間でクリーニングを行う必要が
あると考えられる。しかし、本第7の実施例においても
従来のように頻繁なクリーニングを必要とせず、それに
起因するスループットの低下に対して十分な効果のある
ことが確認できた。
【0091】即ち、本第7の実施例によっても、第1の
実施例と同様に、膜剥がれによる反応膜への異物混入が
なく、しかも被成膜基板の全領域において所望の均一な
膜厚でSiO2等の反応膜を成膜することができた。
【0092】なお、本実施例であるCVDリアクタ(表
面加熱+リング状ヒータ加熱併用型)は、実施例4から
6よりもクリーニングする期間がある程度短くなる代わ
りに、実施例4であるCVDリアクタ(表面加熱+基板
回転+光ファイバ加熱併用型)と比較して構造をよりシ
ンプルにすることができる。
【0093】(実施例8)次に、以上説明した実施例の
内で第1乃至第3の実施例を、LSIの高集積化・微細
化に伴い、配線膜形成工程では上下配線を接続するため
の配線層間絶縁膜に設けられた微細なコンタクトホール
或いはスルーホールと呼ばれる導通孔を高い信頼性を確
保して導通を得るための金属等の導電性膜による埋め込
み技術に適用した場合について説明する。即ち、図47
に示すように、下層配線252を上層配線253とを接
続するスルーホール251の径に対する層間絶縁膜25
4の膜厚の比率(アスペクト比)は微細化と共に年々増
大している。このようなスルーホールと呼ばれる導通孔
251に高い信頼性を確保して導通を得るための金属等
の導電性膜による埋め込む技術として上記第1乃至第3
の実施例を適用することができる。図48に示すよう
に、工程261において、下層配線252との接着力を
確保するために、スルーホール251内を含む層間絶縁
膜254上へWまたはTiN等の金属または金属化合物
の導電性薄膜253aをスパッタリングまたはCVDに
よって成膜する。次に、導電性薄膜253aが成膜され
た半導体基板250(2)が大気に曝されたときには、
工程262において、図14および図15に示すよう
に、半導体基板250(2)をロード室100にロード
して前処理室101において表面に形成された酸化膜を
除去する。次に、工程263において、図14および図
15に示すように、反応室9により導電性薄膜253a
が成膜された半導体基板(ウエハ)250(2)上に膜
剥がれによる異物の混入のない、均一の膜厚を有するW
膜253bを成膜してアスペクト比が大きいスルーホー
ル内251内に埋め込むことができる。次に工程264
において、アンロード室100から取り出された半導体
基板(ウエハ)250(2)に対して露光現像をしてエ
ッチングを施すことにより上層配線を形成する。その
後、また層間絶縁膜を施して更に上層配線を形成して、
最後に保護膜を形成して半導体基板(ウエハ)2を製造
することができる。
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、基板の裏面やCVDリ
アクタ内の不要な部分に形成された膜剥がれに起因する
異物混入による不良をなくすと共にチャンバクリーニン
グを著しく低減してスループットおよび装置稼働率を飛
躍的に向上させ、しかも良好な膜厚均一性を確保した良
質の反応膜を被成膜基板の表面領域に亘って熱CVD成
膜をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無発塵熱CVD装置の第1の実施
例を示すCVDリアクタ(光ファイバ加熱併用型)の要
部断面図である。
【図2】本発明に係る無発塵熱CVD装置の第1の実施
例を示すCVDリアクタ(光ファイバ加熱併用型)にお
いて加熱光源を具体的に示した要部断面図である。
【図3】図1および図2に示す第1の実施例における第
1のCVDリアクタ(光ファイバ加熱併用型)において
パージガス流路を示す断面斜視図である。
【図4】図1および図2に示す第1の実施例における第
1のCVDリアクタ(光ファイバ加熱併用型)において
パージガス流路を示す断面斜視図である。
【図5】袴状の光ガイド13を示す斜視図である。
【図6】光ロッド14を示す斜視図である。
【図7】光ファイバーケーブル16を示す斜視図であ
る。
【図8】袴状の光ガイド13において入射された集光光
が円周方向に拡がって伝搬される状態を示す図である。
【図9】袴状の光ガイド13において出射端A−B間に
おける放射量分布を示す図である。
【図10】袴状の光ガイド13においてD1の最適化を
説明するための図である。
【図11】基板フォークにより被成膜基板(ウエハ)を
反応室内の基板抑え部材の下面近傍に水平搬送した状態
を示す正面断面図である。
【図12】図11に示す状態の後、ガスシャワーと基板
抑え部材とを上昇させて被成膜基板(ウエハ)を基板引
き上げピンに載せた状態を示す正面断面図である。
【図13】図12に示す状態の後、ガスシャワーと基板
抑え部材とを下降させて被成膜基板(ウエハ)を基板支
持ピンにより基板抑え部材に当接して支持し、基板抑え
部材を底部リング部に接触して被成膜基板の表面側空間
Euと被成膜基板の裏面側空間Eoとに分離する状態を
示した正面断面図である。
【図14】本発明に係る無発塵熱CVD装置の全体の概
略構成を示す図である。
【図15】本発明に係る無発塵熱CVD装置の全体の処
理工程を示す工程図である。
【図16】図1および図2に示す第1の実施例における
袴状の光ガイドによるファイバ光ランプ出力に応じた被
成膜基板上における反応膜の膜厚分布を示す図である。
【図17】本発明に係る無発塵熱CVD装置の第1の実
施例を示すCVDリアクタ(光ファイバ加熱併用型)の
変形例を示す要部断面図である。
【図18】本発明に係る無発塵熱CVD装置の第2の実
施例を示すCVDリアクタ(リング状ヒータ加熱併用
型)を示す要部断面図である。
【図19】図18に示す第2の実施例における第2のC
VDリアクタ(リング状ヒータ加熱併用型)においてパ
ージガス流路を示す断面斜視図である。
【図20】リング状ヒータを示す平面図である。
【図21】図18に示す第2の実施例におけるリング状
ヒータによるヒータステージ外周ヒータ出力に応じた被
成膜基板上における反応膜の膜厚分布を示す図である。
【図22】本発明に係る無発塵熱CVD装置の第3の実
施例を示すCVDリアクタ(ゾーンヒータ加熱型)を示
す要部断面図である。
【図23】図22に示す第3の実施例における第2のC
VDリアクタ(ゾーンヒータ加熱型)においてパージガ
ス流路を示す断面斜視図である。
【図24】ゾーンヒータを示す平面図である。
【図25】加熱光源から半導体基板(ウエハ)への均一
に照射するための検討を行った際の、加熱光源とウエハ
の位置関係を示す図である。
【図26】図25において、y(ランプとウエハの距
離)を固定し、x(ランプと反射鏡の距離)を変化させ
た時のウエハ上の照度分布結果を示す図である。
【図27】図25において、x(ランプと反射鏡の距
離)を固定し、y(ランプとウエハの距離)を変化させ
た時のウエハ上の照度分布結果を示す図である。
【図28】図26の照度分布結果において、分布の偏差
を最小化するためにx(ランプと反射鏡の距離)の異な
る分布を合成した結果を示す図である。
【図29】図28の照度分布結果を5インチから8イン
チに相似変化させ、周辺加熱を行った時と行わなかった
時のウエハ温度分布を計算した結果を示す図である。
【図30】本発明に係る無発塵熱CVD装置の第4の実
施例を示すCVDリアクタ(表面加熱+基板回転+光フ
ァイバ加熱併用型)の要部断面図である。
【図31】上記第4の実施例を示すCVDリアクタに用
いられる円筒状の光ガイド、光ロッドおよび光ファイバ
ーケーブルを示す斜視図である。
【図32】基板フォークにより被成膜基板(ウエハ)を
反応室内の円筒状の光ガイドの上面近傍に水平搬送した
状態を示す側面断面図である。
【図33】図32に示す状態の後、基板上下機構の基板
押し上げピンを上昇させて被成膜基板(ウエハ)を基板
押し上げピンに載せた状態を示す側面断面図である。
【図34】図33に示す状態の後、基板上下機構の基板
押し上げピンを下降させて被成膜基板(ウエハ)を円筒
状光ガイドの上面およびリアクタ下部内壁面に当接して
支持し、被成膜基板の表面側空間Euと被成膜基板の裏
面側空間Eoとに分離する状態を示した側面断面図であ
る。
【図35】本発明に係る無発塵熱CVD装置の第5の実
施例を示すCVDリアクタ(表面加熱+基板固定+光フ
ァイバ加熱併用型)の要部断面図である。
【図36】円筒状光ガイド13”において入射された集
光光が円周方向に拡がって伝搬される状態を示す図であ
る。
【図37】円筒状光ガイド13”において出射端A−B
間における放射量分布を示す図である。
【図38】円筒状光ガイド13”においてD1の最適化
を説明するための図である。
【図39】膜厚均一性を高めるために、CVDリアクタ
を中心としてガス流れを反転するガス導入経路および排
気経路の概略構成を示す図である。
【図40】本発明に係る無発塵熱CVD装置の第6の実
施例を示すCVDリアクタ(表面加熱+基板抑え+光フ
ァイバ加熱併用型)の要部断面図である。
【図41】上記第5の実施例を示すCVDリアクタに用
いられる円筒状の光ガイド13”を示す斜視図である。
【図42】上記第6の実施例を示すCVDリアクタに用
いられる円筒状の光ガイド13”’を示す斜視図であ
る。
【図43】本発明に係る無発塵熱CVD装置の第6の実
施例を示すCVDリアクタ(表面加熱+リング状ヒータ
加熱併用型)を示す要部断面図である。
【図44】基板フォークにより被成膜基板(ウエハ)を
反応室内の基板抑え部材の下面近傍に水平搬送した状態
を示す側面断面図である。
【図45】図44に示す状態の後、基板抑え部材と基板
上下機構の基板押し上げピンを上昇させて被成膜基板
(ウエハ)を基板押し上げピンに載せた状態を示す側面
断面図である。
【図46】図45に示す状態の後、基板上下機構の基板
押し上げピンと基板抑え部材とを下降させて被成膜基板
(ウエハ)を基板支持ピンにより基板抑え部材に当接し
て支持し、基板抑え部材を底部リング部に接触して被成
膜基板の表面側空間Euと被成膜基板の裏面側空間Eo
とに分離する状態を示した正面断面図である。
【図47】スルーホールの径に対する層間絶縁膜の膜厚
(アスペクト比)を増大させた半導体基板(ウエハ)の
断面図である。
【図48】図47に示す半導体基板を製造する工程を概
略示した図である。
【符号の説明】
1…ガスシャワー、 1a…吹き出し宏、 1b…配管
(冷却機構) 2…被成膜基板(ウエハ)、 3…基板引き上げロッド 4a、4b、4c、4d…上下機構、 5…基板抑え部
材、 5a…微小突起 5b…冷媒通路、 6…基板支持ピン(支持手段) 7…基板引き上げピン、 8…光透過窓、 9…リアク
タ(反応室) 9a、9b…冷媒通路、 10…底部リング部、 11
…Oリングシール 12…不活性ガス導入パイプ、 13…袴状の光ガイド
(第2の加熱手段) 14…光ロッド、 16…光ファイバ(ケーブル) 19…リング状ヒータ(第2の加熱手段)、 20…ゾ
ーンヒータ 21…加熱光源(第1の加熱手段)、 26…排気系、
27…ベアリング、28a、28b…回転リング、
29…モーター 31、33…光ロッド、 32、34…光ファイバケー
ブル 35…放射温度計、 36…制御用計算機、 39…C
PU43…外部記憶装置、 45…表示装置、 48…
加熱制御系 50a、50b…CVD反応ガス導入開閉バルブ、51
…SEM、光学膜厚測定装置、 52a、52b…真空
排気開閉バルブ 100…ロード/アンロード室(ロードロック室)、
101…搬送室 102…前処理室、 110…基板フォーク、 112
〜113…排気系 251…スルーホール、 252…下層配線、 253
…上層配線 253a…導電性薄膜、 253b…W反応膜、 25
4…層間絶縁膜。
フロントページの続き (72)発明者 荒井 利行 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内 (72)発明者 鈴木 美和子 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内 (72)発明者 小林 秀 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内 (72)発明者 星野 正和 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 渡辺 智司 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 松原 直 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内 (72)発明者 野口 雄二 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内 (72)発明者 内野 敏幸 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内 (72)発明者 高松 朗 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷却された基体抑え部材に基体の表面側の
    周辺部を当接して支持し、成膜に関与しないガスを前記
    基体の裏面側から前記基体抑え部材と基体の表面周辺部
    との間に形成された隙間を通して流し、前記基体の表面
    側に反応ガスを供給し、前記基体を加熱すると共に前記
    基体の前記基体抑え部材が接する領域を局部加熱して前
    記反応ガスにより前記基体の表面に反応膜を形成するこ
    とを特徴とする成膜方法。
  2. 【請求項2】前記局部加熱は、導入光学系を用いて光を
    前記基体の裏面側周辺部に導いて照射することにより、
    または前記基体の裏面側周辺部に密着したヒータからの
    加熱により行われることを特徴とする請求項1に記載の
    成膜方法。
  3. 【請求項3】前記反応ガスの接触するリアクタ内壁温度
    を成膜反応温度以下、原料ガスの沸点以上に制御するこ
    とによりリアクタ内の前記基体以外での余分な反応を抑
    えることを特徴とする請求項1または2に記載の成膜方
    法。
  4. 【請求項4】基体の外径よりも大きな内径にくり抜かれ
    た冷却されたリアクタ下部内壁面に前記基体外周部に当
    接して前記基体を支持し、成膜に関与しないガスを前記
    基体の裏面側から前記くり抜かれたリアクタ下部内壁面
    と前記基体外周部との間に形成される隙間を通して流
    し、前記基体の表面側に反応ガスを供給し、前記基体の
    表面側から基体を加熱すると共に前記基体の前記リアク
    タ下部内壁面が当接する領域を局部加熱して前記反応ガ
    スにより基体の表面に反応膜を形成することを特徴とす
    る成膜方法。
  5. 【請求項5】前記局部加熱は、導入光学系を用いて光を
    前記基体の裏面側周辺部に導いて照射することにより、
    または前記基体の裏面側周辺部に密着したヒータからの
    加熱により行われることを特徴とする請求項4に記載の
    成膜方法。
  6. 【請求項6】前記反応ガスの接触するリアクタ内壁温度
    を成膜反応温度以下、原料ガスの沸点以上に制御するこ
    とによりリアクタ内の前記基体以外での余分な反応を抑
    えることを特徴とする請求項4または5に記載の成膜方
    法。
  7. 【請求項7】前記基体の中央部への加熱をリアクタの透
    過窓を介して前記リアクタ外部に設置したランプ光源か
    ら前記基体へ照射することにより行うことを特徴とする
    請求項4から6何れかに記載の成膜方法。
  8. 【請求項8】前記基体の中央部への加熱に用いるランプ
    光を反射させるための反射鏡を成膜中に上下に移動させ
    ることにより、基体へ照射する照度分布を制御して加熱
    し、反応膜を形成することを特徴とする請求項7に記載
    の成膜方法。
  9. 【請求項9】前記基体への成膜中にリアクタ内のガス流
    れの方向を切り換えて反応膜を形成することを特徴とす
    る請求項4または5に記載の成膜方法。
  10. 【請求項10】前記基体を回転させて反応膜を形成する
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の成膜方法。
  11. 【請求項11】基体表面側の周辺部を、冷却された基体
    抑え部材によって当接して支持し、前記基体の表面側に
    反応ガスを供給し、前記基体の前記基体抑え部材が当接
    する領域から放出された熱量を補うために前記領域を局
    部的に加熱して、前記反応ガスを反応させて前記基体表
    面に反応膜を形成することを特徴とする成膜方法。
  12. 【請求項12】冷却された基体抑え部材に基体の表面側
    の周辺部を当接して支持する手段と、成膜に関与しない
    ガスを前記基体の裏面側から前記基体抑え部材と前記基
    体の表面周辺部との間に形成された隙間を通して流すよ
    うに前記基体の裏面側に供給する手段と、前記基体の表
    面側に反応ガスを供給する手段と、前記基体を加熱する
    第1の加熱手段および前記基体の前記基体抑え部材が当
    接する領域を局部的に加熱する第2の加熱手段とを備え
    たことを特徴とする成膜装置。
  13. 【請求項13】基体の外径よりも大きな内径にくり抜か
    れ冷却されたリアクタ下部内壁面に前記基体外周部を当
    接させて前記基体を支持する支持手段と、成膜に関与し
    ないガスを前記基体の裏面側から前記リアクタ下部内壁
    面と基体外周部との間に形成された隙間を通して流すよ
    うにガスを供給するガス供給手段と、前記基体の表面側
    に反応ガスを供給する手段と、前記基体の表面側から基
    体を加熱する第1の加熱手段および前記基体の前記リア
    クタ下部内壁面が当接した領域を局部加熱する第2の加
    熱手段とを備えたことを特徴とする成膜装置。
  14. 【請求項14】反応ガスの接触するリアクタ内壁温度を
    成膜反応温度以下、原料ガスの沸点以上に制御するため
    の制御手段を有することを特徴とする請求項13に記載
    の成膜装置。
  15. 【請求項15】前記第1の加熱手段は、前記リアクタの
    透過窓を介し前記リアクタ外部に設置したランプ光源か
    らの前記基体への照射であることを特徴とする請求項1
    3に記載の成膜装置。
  16. 【請求項16】前記ランプ光源の反射鏡を成膜中に上下
    に移動させる反射鏡移動手段を有することを特徴とする
    請求項15に記載の成膜装置。
  17. 【請求項17】前記基体への成膜途中でリアクタ内のガ
    スの流れ方向を切り換えるためのガス導入制御バルブお
    よび排気制御バルブ、さらにこれらのバルブを制御する
    ためのバルブ制御手段を有することを特徴とする請求項
    13に記載の成膜装置。
  18. 【請求項18】前記第2の加熱手段は、導入光学系によ
    り光を基体の裏面側周辺部に導いて照射して加熱する手
    段であることを特徴とする請求項13に記載の成膜装
    置。
  19. 【請求項19】前記導入光学系は、袴状または円筒状の
    光ガイドで形成されていることを特徴とする請求項18
    記載の成膜装置。
  20. 【請求項20】前記第2の加熱手段として、基体の裏面
    側周辺部に近接して配置した発熱体を有するヒータによ
    って構成したことを特徴とする請求項13に記載の成膜
    装置。
  21. 【請求項21】前記局部加熱する熱量と前記基体の周辺
    部に形成される反応膜の膜厚との関係を記憶する記憶手
    段と、前記基体の周辺部に形成される反応膜の膜厚を入
    力することによって前記記憶手段に記憶された関係から
    局部加熱量を算出して前記第2の加熱手段を制御する制
    御手段とを備えたことを特徴とする請求項13に記載の
    成膜装置。
  22. 【請求項22】前記基体を回転させる基体回転手段を有
    することを特徴とする請求項13に記載の成膜装置。
  23. 【請求項23】基体上に絶縁膜を形成する工程と、前記
    絶縁膜中に開口部を形成する工程と、前記基体を成膜装
    置に搬入し、前記基体の周辺部を冷却されたリアクタ下
    部内壁面に当接して支持し、前記開口部が形成された前
    記絶縁膜上に原料ガスを供給すると共に、前記基体の裏
    面から前記基体の側面に不活性ガスを供給し、前記基体
    の前記リアクタ下部内壁面に当接された領域を局部的に
    加熱し、前記反応ガスを反応させて前記基体表面上に配
    線膜を形成する工程と、前記配線膜をエッチングし配線
    を形成する工程を有することを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
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