JPH09184836A - 高精度な物質の測定方法 - Google Patents

高精度な物質の測定方法

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JPH09184836A
JPH09184836A JP8270354A JP27035496A JPH09184836A JP H09184836 A JPH09184836 A JP H09184836A JP 8270354 A JP8270354 A JP 8270354A JP 27035496 A JP27035496 A JP 27035496A JP H09184836 A JPH09184836 A JP H09184836A
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隆夫 福岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定すべき色素等の検出可能な物質を安定化
することにより測定の感度及び精度を高める方法を提供
することを課題とする。 【解決手段】 分析対象物質(生体成分等)の化学反応
に基づいて前記分析対象物質と量的相関関係を伴って検
出可能な物質(色素等)を生成する反応を含む反応系に
おいて前記検出可能な物質を測定することにより測定す
る方法で、前記反応系に層状無機化合物(スメクタイト
等)を存在させて前記検出可能な物質の前記反応系にお
ける共存物質(過酸化水素、アスコルビン酸等)による
分解を抑止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料中の分析対象
物質を、その分析対象物質の化学反応に基づいて量的相
関関係を伴って生成する検出可能な物質を測定すること
によって測定する方法において、前記検出可能な物質が
反応系に共存する物質によって分解されるのを抑制して
安定化させ、測定を容易にする方法に関する。本発明の
方法は、生体成分や環境試料の分析等に用いられる。
【0002】
【従来の技術】試料中の分析対象物質、例えば体液中の
尿や血液等の生体成分、食品、医薬、自然環境に存在す
る微量物質、産業化学物質、廃棄物中の微量成分等を検
出・定量する方法として、その分析対象物質が関与する
反応系で生成する特定物質と化学反応して定量的に生成
する検出可能な物質(色素など)を測定する方法があ
り、臨床検査における体液中に存在する各種成分の定量
や、環境分析等に利用されている。
【0003】例えば、生体試料中の分析対象物質と酸化
酵素等との反応により生成する過酸化水素を、ペルオキ
シダーゼの共存下、被酸化性発色剤(色素前駆体)と酸
化還元反応を行わせ、定量的に生成する色素化合物を比
色定量する方法などがある。
【0004】過酸化水素を生成させる反応系を利用して
分析対象物質を測定するこのような方法は、酸化に伴う
放出物質として過酸化水素が発生する反応が多いことか
ら、重要な測定方法になっている。
【0005】しかしながら、従来の方法では、正確な測
定が必ずしも容易ではなかった。すなわち、これらの測
定方法においては、色素化合物等の検出可能な物質の量
あるいは濃度が、過酸化水素等の特定物質と量論的相関
関係にある必要があるが、過剰の過酸化水素の強い酸化
性や、生体試料中に含まれるアスコルビン酸等の強い還
元性などで、上記比色定量法における酸化還元系等が影
響を受け、前記色素化合物等の検出可能な物質が分解し
て測定に誤差を生じさせることがあるのである。
【0006】例えば、これらの測定方法においては、グ
ルコースなどの分析対象物質からグルコースオキシダー
ゼなどのオキシダーゼ類によって一時的にでも過剰量の
過酸化水素が生成すると、色素前駆体と過酸化水素との
反応の他に、生成した色素と過酸化水素との反応が起こ
る。この結果、せっかく生成した色素が、生成と同時に
過酸化水素によって分解され、退色が生じるという欠点
がある。
【0007】また、過酸化水素から反応性に富むスーパ
ーオキシドなど活性酸素種を発生させるペルオキシダー
ゼなどのペルオキシダーゼ様の酵素、または類似の作用
を及ぼす遷移金属イオンとその錯体などが試料中に存在
すると、活性酸素種が生成した色素と反応して、分解、
退色を生じてしまう。この干渉も測定に不都合を及ぼし
ていた。また、色素など検出可能な物質を生成する反応
が大気に暴露された状態で行われると、せっかく生成し
た色素が空気中の酸素又は反応液中の溶存酸素による酸
化を受け、分解、退色を招くことがあった。
【0008】従って、分解しにくい安定な物質を与える
色素前駆体の探索や、種々の安定化剤の添加などさまざ
まな試みがなされているが、未だ不十分である。また、
生体試料中にはアスコルビン酸、尿酸、ビリルビン等の
還元性物質が含まれているが、これらが酸化還元反応に
与える影響は大きく、特にアスコルビン酸共存下でいか
に正確に測定を行うかは、臨床分析において長年の課題
であり、酵素による選択分解、過ヨウ素酸の添加による
分解、鉄−エチレンジアミン四酢酸キレートによる酸化
分解、半透膜による選択分離などの干渉抑制手段が、前
述した色素前駆体等の探索に加えて、種々試みられてい
る(太田宜秀、小川豊、「臨床検査」34(4),50
2−504(1990):特公平1−41223:特公
平2−4861:特公平4−18630:特開平5−9
5797:特開平7−155196参照)。
【0009】また酸化還元反応以外にも種々の公知の反
応(例えば酸塩基反応やジアゾニウム塩のカップリング
反応などの縮合反応、錯体形成反応など)によって、特
定の分析対象物質と定量的関係を持って色素(例えば、
アゾ系色素など)を生成し、その生成した色素を光学的
に定量することによって、特定の分析対象物質を測定す
る方法があり、これらの方法は、例えば分析化学便覧等
に詳述されている重要な測定方法である。
【0010】しかしながら、このように生成した色素の
中には、環境中の酸素や試料中の酸化性物質やペルオキ
シダーゼ様物質又は還元性物質、試料の水素イオンや塩
基、光等によって分解する不安定な化合物である場合が
あり、そのような物質を測定する際には、例えば安定剤
の添加、干渉物質の除去、迅速な操作、窒素置換された
環境や遮光された環境などでの操作が要求され、さもな
ければ測定に誤差を与えることがあった。
【0011】また電子伝達物質(メディエーター)と分
析対象物質の間に酵素などによって酸化/還元反応を起
こさせ、生じた電子伝達物質の酸化体/還元体を電極で
還元/酸化するときの電気化学的応答から分析対象物質
の量を求める方法があり、重要な測定方法となってい
る。この際、酵素反応を一定時間行い、その間、電子伝
達物質を酸化/還元して電子伝達物質の酸化体/還元体
を蓄積し、一定時間後に蓄積された電子伝達物質の酸化
体/還元体を電極で還元/酸化して、大きな電気化学的
応答を発生せしめることによって、分析対象物質を高感
度に測定する方法がある。しかしながら従来の方法で
は、蓄積した電子伝達物質の酸化体/還元体が、共存す
る還元性物質や酸化性物質によって還元/酸化などの分
解反応を受け、測定に誤差を与えることがあった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】検出可能な物質が分解
することなく安定であれば、測定時において量論関係が
保証され、また時間積分を行うことによって、より優れ
たS/B比(シグナルとバックグラウンドとの比)を得
ることができ、これによって分析の精度が向上すると共
に高感度化が可能になる。従って、安定で測定しやすい
検出可能な物質を生成する反応系を開発するため、これ
までに多くの努力がなされてきた。そのような安定な検
出可能な物質を生成する反応物質としてこれまでに開発
された種々の試薬の例が、例えば分析化学便覧にも記載
されている。
【0013】しかし、そのような安定な物質を生成する
反応系の探索は多大な労力を費やすものであり、常に、
安定で測定しやすい検出可能な物質を生成する反応系を
求める作業が続いている。よって、現在利用されている
測定法においても、pH、水分、酸化還元物質等の共存
物、光などによって分解する不安定な物質を検出可能な
物質として測定せざるを得ない場合は少なくない。
【0014】本発明は、このような状況に鑑みなされた
ものであり、分析対象物質から化学反応により定量的に
生成する検出可能な物質を測定することにより分析対象
物質を測定する方法において、前記検出可能な物質を安
定化することにより測定の精度を高めるとともに高感度
化を実現する方法を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決する手段として、前記検出可能な物質の生成反応
を含む反応系に層状無機化合物を存在させることによ
り、前記検出可能な物質を安定化できることを見出し、
本発明を完成したものである。
【0016】すなわち、本発明は、分析対象物質の化学
反応に基づいて前記分析対象物質と量的相関関係を伴っ
て検出可能な物質を生成する反応を含む反応系を用いて
前記検出可能な物質を測定することにより前記分析対象
物質を測定する方法であって、前記反応系に層状無機化
合物を存在させて前記検出可能な物質の前記反応系にお
ける共存物質による分解を抑止することを特徴とする物
質の測定方法に関する。
【0017】本発明においては、定量すべき検出可能な
物質を生成する反応系に層状無機化合物を存在させるこ
とにより、検出可能な物質が生成するとほぼ同時に、ま
たは共存する物質によって分解される前に、該検出可能
な物質と前記層状無機化合物との複合体を形成させ、そ
の結果、検出可能な物質が反応系に共存する物質の作用
によって分解するのを抑止することができるのである。
【0018】本発明が適用される測定方法は、試料中の
分析対象物質の化学反応に基づいて前記分析対象物質と
量的相関関係を伴って検出可能な物質を生成する反応を
含む反応系を利用して、前記検出可能な物質を測定する
ことによって前記分析対象物質を測定する方法であれば
特に限定されるものではない。例えば、前記分析対象物
質の化学反応によって定量すべき検出可能な物質が直接
生成される反応系を利用する場合に限らず、前記分析対
象物質の化学反応と検出可能な物質が生成する化学反応
とが別の化学反応を介して間接的に結びついている場合
も含まれる。
【0019】それらのうち、本発明の方法は、検出可能
な物質の生成反応が酸化還元反応である反応系やアゾ化
合物を生成する反応系等を用いる測定方法に好ましく適
用される。例えば、酸化還元反応系においては、酸化性
物質または還元性物質またはペルオキシダーゼ様物質が
反応中間体または試料中の夾雑物として反応系中に共存
することが多く、それら反応系の共存物質の作用により
検出可能な物質が分解される場合があり、このような場
合に本発明の方法が有用である。
【0020】また、本発明の測定方法は、検出可能な物
質として、光学的方法または電気化学的方法によって検
出可能な物質を利用する方法に好適に用いられる。検出
可能な物質としては、本発明の層状無機化合物と吸着な
ど相互作用を生じて複合体を形成するものであれば特に
限定されない。このような検出可能な物質は、酸化還元
反応、酸塩基反応、縮合反応等によって生成され、光学
的方法によって検出可能な色素や電気化学的方法によっ
て検出可能なメディエーター(電子伝達物質)などにお
いて幅広く見出すことができる。
【0021】尚、ここでいう光学的に検出可能な色素と
は、色素化合物、蛍光色素、発光物質等を含むものであ
り、また色素を生成する反応とは、光学的に検知しうる
ものが生成する反応であればよく、例えば発色のみなら
ず、変色、蛍光、発光等をもたらすものであってもよ
い。
【0022】また、本発明の測定方法は、検出可能な物
質としてメディエーター(電子伝達物質)の酸化体/還
元体を生成する酸化還元反応を利用するものに適用する
のも好ましいが、ここで、メディエーターの酸化体/還
元体を生成する反応とは、酸化還元酵素などによってメ
ディエーターの還元体/酸化体が酸化/還元する反応で
あって、生成したメディエーターの酸化体/還元体を電
気化学的方法によって検出できるものであればよい。
【0023】本発明の測定方法は、好ましくは体液中の
尿や血液等の生体成分、食品、医薬、自然環境に存在す
る微量物質、産業化学物質、廃棄物中の微量成分等を検
出・定量する方法に利用される。
【0024】特に、生体成分から酸化酵素反応等によっ
て生成する過酸化水素と被酸化性発色剤との酸化還元反
応により定量的に生成する色素等を光学的に測定する方
法が、臨床検査における体液中の各種成分の定量や環境
分析等に利用されているが、本発明の方法によれば、か
かる反応系に存在する過剰の過酸化水素等の酸化性物質
やアスコルビン酸、尿酸、ビリルビン等の還元性物質の
作用による色素等の分解退色によって測定誤差が生じる
という問題点を解決することができる。勿論、本発明の
有効性はこの例に限定されるものではない。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明の方法は、具体的には、以下のよう
な反応系を利用した測定方法に適用できるが、これらに
限定されるものではない。
【0026】(a)過酸化水素の生成反応または過酸化水
素を酸化剤とする酸化反応を含む反応系を利用する方法
であり、具体的には、分析対象物質から酸化酵素反応等
の化学反応によって過酸化水素を生成させ、これをペル
オキシダーゼ(POD)の共存下、被酸化性発色剤(色
素前駆体)と酸化還元反応を行わせて、この反応により
前記分析対象物質と量的相関関係を伴って生成する検出
可能な物質である色素化合物を比色定量することにより
分析対象物質を測定する方法。
【0027】(b)ニコチンアミドアデニンジヌクレオチ
ド(NADH)もしくはニコチンアミドアデニンジヌク
レオチドホスフェート(NADPH)を生成する反応、
または、NADHもしくはNADPHを還元剤として使
用する反応を含む反応系を利用する方法であって、具体
的には、例えば、分析対象物質から、脱水素酵素反応系
等を介してNADHまたはNADPHを生成させ、これ
を電子伝達系存在下に色素前駆体に作用させて還元し、
これにより生成する検出可能な物質である色素化合物を
比色定量する測定方法。
【0028】(c)酸性下で芳香族第1アミンに亜硝酸を
反応させてジアゾニウム塩を生成させ、生成したジアゾ
ニウム塩と被カップリング試薬とを反応させ、次いで生
成したアゾ色素を定量する亜硝酸塩、ジアゾニウム塩、
カップリング化合物の量を測定する方法。
【0029】(d)リン酸エステルを有する4−メチルウ
ンベリフェロンなどの蛍光酵素基質が、アルカリホスフ
ァターゼの作用によってリン酸塩を遊離して蛍光物質を
生成し、生成した蛍光物質に励起光を照射し発する蛍光
を測定する、蛍光酵素基質で標識された物質やアルカリ
ホスファターゼの量を測定する方法。
【0030】(e)酸化還元酵素などによって1,4−ジ
アミノベンゼンなどのメディエーターを酸化/還元し、
生成したメディエーターの酸化体/還元体が電極反応で
還元/酸化されるときの電流応答を測定する、酸化還元
酵素や酸化還元酵素で標識された物質の量の測定方法。
【0031】これらの方法において用いられる検出可能
な物質としては、本発明の層状無機化合物に吸着可能な
ものであれば特に限定されない。層状無機化合物に吸着
可能なものとしては、具体的には、アミン、ポリアミン
等のアミン類;イミン、ポリイミン等のイミン類;ポリ
エン類;アニリン誘導体、ベンゾキノン誘導体、芳香族
縮合環化合物等の芳香族化合物;キサンテン、アジン、
チアジン等の複素環化合物;イオンとクラウンエーテル
やバリノマイシンなどの環状配位子との錯体;などであ
って、分子内に4級窒素原子、フェノール性水酸基、ス
ルホン酸基、カルボキシル基を含んでいてもよい。
【0032】スメクタイトなどの層状無機化合物は、多
種多様の物質を吸着することが知られており、例えば、
その一種であるスメクタイトはアニオン性物質、カチオ
ン性物質、非イオン性の極性有機化合物を、ハイドロタ
ルサイトはアニオン性物質を吸着する。層状無機化合物
に吸着可能な物質は、例えば、H.Van Olphen著の成書
「An Introduction to Clay Colloid Chemistry, Secon
d Edition」(Krieger Publishment, Malabar)の11
章「Interaction of Clays and Organic Compounds」な
どに詳述されている。また、加藤忠義、特公昭50-8462
(USP3,950,180)などには、多数の吸着可能な化合物が
紹介されている。このうち、光学的方法、電気化学的方
法によって検出できる物質が挙げられる。
【0033】例えば、色素前駆体から酸化還元反応、酸
塩基反応、縮合反応などにより生成される色素化合物や
蛍光色素等の光学的方法によって検出可能な物質が用い
られる。また、電気化学的方法によって検出可能なメデ
ィエーターなどが用いられる。
【0034】以下に、光学的方法によって検出可能な物
質について説明する。光学的方法によって検出可能な物
質のうち、色素化合物としては、好ましくは芳香環等の
共役系を有する化合物が用いられ、具体的には、4−ア
ミノ−1,2−ジヒドロ−1,5−ジメチル−2−フェ
ニル−3H−ピラゾール−3−オン(4−アミノアンチ
ピリン:4−AAと略す。)に代表されるカプラーと、
水素供与体(N−エチル−N−(3−スルホプロピル)
−3,5−ジメチルアニリンなどのトリンダー試薬等)
が酸化縮合することによって生成する色素;オルトトリ
ジン、ベンジジン類(3,3’,5,5’−テトラメチ
ルベンジジンなど)の酸化発色体色素;2,6−ジクロ
ロ−4−[(4−ヒドロキシフェニル)イミノ]−2,
5−シクロヘキサジエン−1−オンなどロイコ体が酸化
されて生成する色素;4−ヒドロキシフェニル酢酸など
が酸化されて生成する蛍光物質;化学発光物質など発光
物質およびその励起体;テトラゾリウム塩の還元色素で
あるホルマザン、1,1’−ジメチル−4,4’−ビピ
リジリウム塩などが還元されて生成する色素;ブロモク
レゾールグリーンなどpHの変化によって発色または変
色する化合物;2−メトキシ−4−モルホリノベンゼン
ジアゾニウム塩などジアゾニウム塩のカップリングによ
って生成するアゾ系色素;アルデヒドと2,3−ジメチ
ル−2,3−ビス(ヒドロキシアミノ)ブタンの反応な
ど種々の公知の呈色反応によって生成する色素;ヒスタ
ミンとオルトフタルアルデヒドとの反応など種々の公知
の反応によって生成する蛍光物質;4−メチルウンベリ
フェリルリン酸塩などの酵素基質が酵素によって反応し
生成する色素や蛍光物質;2−(5−ブロモ−2−ピリ
ジルアゾ)−5−[N−プロピル−N−(3−スルホプ
ロピル)アミノ]アニリン塩と金属イオンから生成した
錯体である色素:等が挙げられる。
【0035】ここで、水素供与体とは、過酸化水素の共
存下、ペルオキシダーゼ作用で、4−アミノ−1,2−
ジヒドロ−1,5−ジメチル−2−フェニル−3H−ピ
ラゾール−3−オン(4−AA)や3−メチル−2−ベ
ンゾチアゾリノンヒドラゾンと縮合してキノン系色素を
生成するフェノール等の化合物であり、具体的にはジク
ロロフェノール、オルトメトキシフェノール、1,2,
3−トリヒドロキシベンゼン、ジメチルアニリン、N−
エチル−N−スルホプロピルメタアニシジン、N−エチ
ル−N−スルホプロピルアニリン、N−エチル−N−
(3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリ
ン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3,5
−ジメチルアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル
メタトルイジン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−
3−スルホプロピル)メタアニシジン、N−エチル−N
−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アニリン、
N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピ
ル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−(2−ヒドロ
キシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニ
リン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホ
プロピル)−3,5−ジメチルアニリン、N−エチル−
N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)メタトル
イジン、N−(3−スルホプロピル)アニリン等が挙げ
られる。
【0036】例えば前記4−AAと水素供与体とが過酸
化水素の存在下で反応してキノン系色素を生成する反応
系を利用する方法では、生成するキノン系色素を吸光光
度計などで測定して間接的に過酸化水素を定量すること
によって分析対象物質を測定するものである。
【0037】またオルトトリジン、ベンジジン類として
は、オルトトリジン、ジアニシジン、3,3’−ジアミ
ノベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチルベン
ジジン、N−(3−スルホプロピル)−3,3’,5,
5’−テトラメチルベンジジン等が挙げられる。
【0038】またロイコ体とは酸化されて色素となり発
色する無色の色素前駆体である。ロイコ体が酸化された
色素としては、2,6−ジクロロ−4−[(4−ヒドロ
キシフェニル)イミノ]−2,5−シクロヘキサジエン
−1−オン、2,6−ジクロロ−4−[(3−クロロ−
4−ヒドロキシフェニル)イミノ]−2,5−シクロヘ
キサジエン−1−オン、7−(ジエチルアミノ)−3−
イミノ−8−メチル−3H−フェノキサジン塩、3−
(ジエチルアミノ)−7−アミノ−5−フェニルフェナ
ジニウム塩、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチ
アジン−5−イウム塩、1−ヒドロキシ−5−メチルフ
ェナジニウム塩、7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジ
ン−3−オン−10−オキシドが挙げられ、ロイコ体と
しては、4,4’−ベンジリデンビス(N,N−ジメチ
ルアニリン)、4,4’−ビス[N−エチル−N−(3
−スルホプロピルアミノ)−2,6−ジメチルフェニ
ル]メタン、1−(エチルアミノチオカルボニル)−2
−(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−
4,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)イミダゾ
ール、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルア
ミン、N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−
4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン
塩、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−
3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン塩等が
挙げられる。
【0039】酸化されて発色する色素前駆体としては、
そのほかに、4−メトキシフェノール、4−エトキシフ
ェノール、2−エトキシフェノール、1−(2−ヒドロ
キシ−5−メトキシフェニル)エタノン、2−ヒドロキ
シ−5−メトキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−メト
キシベンズアルデヒド、2−ヒドロキシ−5−メトキシ
安息香酸メチル、4−メトキシ−2−ニトロフェノー
ル、2−クロロ−4−メトキシフェノール、4−ヒドロ
キシ−3−メトキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシ
−3−メトキシ安息香酸などが挙げられる。
【0040】また、3−(4−ヒドロキシフェニル)−
2−プロペン酸、2−ヒドロキシフェニル酢酸、3−ヒ
ドロキシフェニル酢酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、
3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2
−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安
息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ
安息香酸、4−アミノ−2−クロロ安息香酸、4−アミ
ノ−3−メチル安息香酸、4−アミノ−3−メトキシ安
息香酸、4−アミノフタル酸などが挙げられる。
【0041】また、2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシ
ピリミジン、4,5−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミ
ジン、4−アミノ−2,6−ジヒドロキシピリミジン、
6−ヒドロキシ−2,4,5−トリアミノピリミジン、
4,5−ジアミノ−2,6−ジヒドロキシピリミジン、
4−アミノ−6−ヒドロキシ−2−メチルピリミジン、
4−アミノ−6−ヒドロキシピリミジン、4−アミノ−
6−ヒドロキシ−2−メトキシピリミジンなどが挙げら
れる。
【0042】また4−ヒドロキシフェニル酢酸などが酸
化されて蛍光物質を生成するが、蛍光物質としては、4
−ヒドロキシフェニル酢酸、(4−ヒドロキシ−3−メ
トキシフェニル)酢酸、3−(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオン酸、4−ヒドロキシ−(2−アミノエチ
ル)フェノール、4−ヒドロキシ−N,N,N−トリメ
チルベンゼンメタミニウム、アルファアミノパラヒドロ
キシヒドロケイ皮酸、4−ヒドロキシフェネチルアミ
ン、N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアニリド、
2,7−ジクロロフルオレッセイン−ジアセテート等
が、酸化されて生成した蛍光物質が挙げられる。
【0043】また化学発光物質など発光物質としては、
ホタルルシフェリン、ウミホタルルシフェリン、エクオ
リン、ルシゲニン誘導体、ルミノール誘導体、アクリジ
ニウムエステル、過シュウ酸エステル等が挙げられる。
【0044】例えば前記ベンジジン類やロイコ体が過酸
化水素の存在下で酸化反応して発色する反応系を利用す
る方法では、生成する色素を吸光光度計などで測定して
間接的に過酸化水素を定量することによって分析対象物
質を測定するのである。
【0045】また前記蛍光物質や発光物質が生成する反
応系を利用する方法では、蛍光光度計や発光光度計など
で測定して間接的に過酸化水素を定量することによって
分析対象物質を測定するのである。
【0046】もちろんこのような色素を生成する酸化反
応において、酸化反応に与る酸化剤は過酸化水素に限定
されるものではなく、種々の公知の酸化剤を利用しても
よい。ペルオキシダーゼなどの酸化酵素を添加してもよ
い。また色素が生成する酸化反応に先立って、前記酸化
剤が生成する反応が生じていてもよい。
【0047】またテトラゾリウム塩としては、2,3,
5−トリフェニルテトラゾリウム塩、2,5−ジフェニ
ル−3−(1−ナフチル)−2H−テトラゾリウム塩、
3,3’−[3,3’−ジメトキシ−(1,1’−ビフ
ェニル)−4,4’−ジイル]−ビス[2−(4−ニト
ロフェニル)−5−フェニル−2H−テトラゾリウム]
塩、3,3’−[3,3’−ジメトキシ−(1,1’−
ビフェニル)−4,4’−ジイル]−ビス(2,5−ジ
フェニル−2H−テトラゾリウム)塩、2−(4−ヨー
ドフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−フェ
ニル−2H−テトラゾリウム塩、2−(4−ヨードフェ
ニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−
ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩、2−
(4−ヨードフェニル)−3−(2,4−ジニトロフェ
ニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テ
トラゾリウム塩、3,3’−(1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジイル)−ビス(2,5−ジフェニル−2H
−テトラゾリウム)塩、3−(4,5−ジメチル−2−
チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリ
ウム塩等が挙げられる。
【0048】また還元されて生成する色素としては、
1,1’−ジメチル−4,4’−ビピリジリウム塩、
1,1’−ジベンジル−4,4’−ビピリジリウム塩等
の還元体が挙げられる。
【0049】また7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジ
ン−3−オン−10−オキシドなどが還元されて蛍光物
質を生成するが、蛍光物質としては、7−ヒドロキシ−
3H−フェノキサジン−3−オン−10−オキシド、5
−シアノ−2,3−ビス(4−メチルフェニル)−2H
−テトラゾリウム塩、2,3−ビス(4−シアノフェニ
ル)−5−シアノ−2H−テトラゾリウム塩等が還元さ
れて生成する蛍光物質等が挙げられる。
【0050】例えば前記テトラゾリウム塩やロイコ体が
還元剤の存在下で還元反応して発色する反応系を利用す
る方法では、生成する色素を吸光光度計又は蛍光光度計
などで測定して間接的に還元剤を定量することによって
分析対象物質を測定するのである。また色素が生成する
還元反応に先立って還元剤が生成する反応が生じていて
もよい。
【0051】このような色素を生成する還元反応におい
て、還元反応に与る還元剤としてニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチドもしくはニコチンアミドアデニンジヌ
クレオチドホスフェートが好ましく用いられる。しかし
もちろんこれに限定されるものではなく、種々の公知の
還元剤を利用していてもよい。
【0052】またpHの変化によって発色または変色す
る化合物としては、ブロモクレゾールグリーン、ブロモ
フェノールブルー、フェノールレッド、ブロモピロガロ
ールレッド、ピロガロールレッドなどのスルホンフタレ
イン系色素、マラカイトグリーン、ロゾリックアシドな
どのトリフェニルメタン系色素、キナルジンレッド、N
−(パラヒドロキシフェニル)−2,6−ジクロロパラ
ベンゾキノンイミンなどのキノリン系色素、7−ヒドロ
キシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシ
ドなどのオキサゾン系色素、6,7−ジヒドロキシ−4
−メチルクマリンなどのクマリン系色素、アニリンオリ
ゴマーなどの導電性高分子化合物が挙げられる。
【0053】例えばpHの変化によって発色または変色
する化合物が酸または塩基によって発色または変色する
反応系を利用する方法では、生成する色素を吸光光度計
などで測定して間接的に酸または塩基を定量することに
よって分析対象物質を測定するのである。
【0054】また例えばpHの変化によって発色または
変色する化合物が水素イオンによって発色または変色す
る反応系を利用する方法では、生成する色素を吸光光度
計などで測定して水素イオン濃度を定量することによっ
て分析対象物質を測定するのである。
【0055】またジアゾニウム塩のカップリングによっ
て生成するアゾ系色素としては、インドキシルと2−メ
トキシ−4−モルホリノベンゼンジアゾニウム塩のカッ
プリングによって生成するアゾ系色素、ウロビリノーゲ
ンと3,3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジア
ゾニウム塩のカップリングによって生成するアゾ系色
素、亜硝酸塩の存在下に4−アミノベンゼンアルソン酸
とN−1−ナフチルエチレンジアミンが反応して生成す
るアゾ系色素、同じく亜硝酸塩の存在下に2,4−ジク
ロロアニリンとN,N−ジエチル−N’−1−ナフチル
ナフチルエチレンジアミンシュウ酸塩(津田試薬)とが
反応して生成するアゾ系色素などが挙げられる。
【0056】前記アゾ系色素が生成する反応系を利用す
る方法では、生成する色素を吸光光度計などで測定して
反応の出発物質である分析対象物質(前記の例ではイン
ドキシル、ウロビリノーゲン、亜硝酸塩である)を測定
するのである。アゾ系色素が生成する反応は、もちろん
前記の例に限定されるものではなく、種々の公知のアゾ
系色素が生成する反応に好ましく適用される。
【0057】また種々の公知の呈色反応によって生成す
る色素としては、次に述べる公知の呈色反応において生
成する色素が挙げられるが、もちろんこれに限定される
ものではない。呈色反応としては、アルデヒドを検出す
るときの過酸化水素と1,4−ジアミノベンゼンの反
応、アルデヒドを検出するときの2,3−ジメチル−
2,3−ビス(ヒドロキシアミノ)ブタンの反応、アル
デヒドを検出するときの3−メチル−2−ベンゾチアゾ
リノンヒドラゾンと酸化剤の反応、二級アミンを検出す
るときの10H−フェノチアジンと臭素の反応、チオー
ルを検出するときの2,2’−ジチオジピリジンの反応
などが挙げられる。
【0058】前記公知の呈色反応を利用する方法では、
生成する色素を吸光光度計などで測定して反応の出発物
質である分析対象物質(前記の例ではアルデヒド、二級
アミン、チオールである)を測定するのである。利用で
きる公知の呈色反応は、もちろん前記の例に限定される
ものではない。
【0059】また種々の公知の反応によって生成する蛍
光物質としては、次に述べる試薬を用いて実施される公
知の検出反応において生成する蛍光物質が挙げられる
が、もちろんこれに限定されるものではない。蛍光物質
を生成する検出反応に用いられる試薬としては、グアニ
ジノ化合物を検出するときの2−ヒドロキシ−1,2−
ジフェニルエタノン、ヒスタミンを検出するときのオル
トフタルアルデヒド、スペルミジンを検出するときのオ
ルトフタルアルデヒド、アルファケト酸を検出するとき
の1,2−ジアミノ−4,5−ジメトキシベンゼンなど
が挙げられる。
【0060】前記公知の検出反応を利用する方法では、
生成する蛍光物質を蛍光光度計などで測定して反応の出
発物質である分析対象物質(前記の例ではグアニジノ化
合物、ヒスタミン、スペルミジン、アルファケト酸であ
る)を測定するのである。利用できる公知の検出反応
は、もちろん前記の例に限定されるものではない。
【0061】また酵素によって反応し色素や蛍光物質を
生成する酵素基質としては、キモトリプシンの基質であ
るN−トシル−L−フェニルアラニン−2−アミドアク
リドン、アミノペプチダーゼの基質であるL−アラニン
−2−アミドアクリドン、エステラーゼを測定するとき
の7−アセトキシ−N−メチルキノリニウム塩、エステ
ラーゼの基質である7−アセトキシ−3H−フェノキサ
ジン−3−オン、ホスファターゼの基質である4−メチ
ルウンベリフェリルリン酸塩、ホスファターゼの基質で
ある5,10,15,20−テトラキス(4−ホスホノ
オキシフェニル)ポルフィンなどが挙げられるが、もち
ろんこれに限定されるものではない。
【0062】例えば前記酵素基質が酵素によって分解さ
れる反応を利用する方法では、生成する色素や蛍光物質
を吸光光度計や蛍光光度計などで測定して間接的に酵素
を定量することによって、分析対象物質を測定するので
ある。酵素や酵素基質は例えば抗体やその断片に化学的
に結合していてもよい。
【0063】また錯体である色素とは、金属イオンやア
ニオンと、配位子などの化合物とが、配位結合やイオン
結合で錯体を形成して生成した色素あるいは蛍光物質で
ある。金属イオンと錯体を形成し発色・変色する化合物
としては、金属指示薬やクロモイオノフォアとして知ら
れている化合物のほか、有色の遷移金属イオンと錯体を
形成して着色する化合物が含まれるが、具体的には、エ
チレンジアミン四酢酸、2,2−ビピリジン、1−ヒド
ロキシ−2−(2−ヒドロキシフェニルアゾ)ベンゼ
ン、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジシクロヘキシル
−18−クラウン−6、環状ポリアミン類、カリックス
[4]アレーン、3−[N,N−ビス(カルボキシメチ
ル)アミノメチル]−1,2−ジヒドロキシアンスラキ
ノン、5’,5”−ジブロモピロガロールスルホンフタ
レイン、2−ヒドロキシ−1−(1−ヒドロキシ−2−
ナフチルアゾ)−6−ニトロ−4−ナフタレンスルホン
酸塩、2,6−ジクロロ−4’−ヒドロキシ−3’,
3”−ジメチルフクソン−5’,5”−二カルボン酸
塩、3,3’−ビス[N,N−ビス(カルボキシメチ
ル)アミノメチル]フルオレッセイン、8−[N,N−
ビス(カルボキシメチル)アミノメチル]−4−メチル
ウンベリフェロン、2,7−ビス(2−アルソノフェニ
ルアゾ)−1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレン
ジスルホン酸、5−クロロ−2−ヒドロキシ−3−
(2,4−ジヒドロキシフェニルアゾ)ベンゼンスルホ
ン酸、5−[(ヘキサヒドロ−2,4,6−トリオキソ
−5−ピリミジニル)イミノ]−2,4,6(1H,3
H,5H)−ピリミジントリオン塩、2−(5−ブロモ
−2−ピリジルアゾ)−5−[N−プロピル−N−(3
−スルホプロピル)アミノ]アニリン塩、1,8−ジヒ
ドロキシ−2−(2−ピリジルアゾ)−3,6−ナフタ
レンジスルホン酸塩、2−ニトロソ−5−[N−プロピ
ル−N−(3−スルホプロピル)アミノ]フェノール等
が挙げられる。
【0064】また特に一価のカチオンと有色錯体を生成
する化合物としては、テトラキス[3,5−ビス(トリ
フルオロメチル)フェニル]ボレート塩、テトラフェニ
ルホスホニウム塩等が挙げられる。また特にカルシウム
イオンなどと蛍光錯体を生成する化合物としては、1−
[2−アミノ−5−(2,7−ジクロロ−6−ヒドロキ
シ−3−オキシ−9−キサンテニル)フェノキシ]−2
−(2−アミノ−5−メチルフェノキシ)エタン−N,
N,N’,N’−四酢酸塩、1−[2−アミノ−5−
(2,7−ジクロロ−6−ヒドロキシ−3−オキシ−9
−キサンテニル)フェノキシ]−2−(2−アミノ−5
−メチルフェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−四
酢酸ペンタアセトキシメチルエステル、1−[6−アミ
ノ−2−(5−カルボキシ−2−オギザゾイル)−5−
ベンゾフラニロキシ]−2−(2−アミノ−5−メチル
フェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−四酢酸塩、
1−[6−アミノ−2−(5−カルボキシ−2−オギザ
ゾイル)−5−ベンゾフラニロキシ]−2−(2−アミ
ノ−5−メチルフェノキシ)エタン−N,N,N’,
N’−四酢酸 ペンタアセトキシメチルエステル、1−
[2−アミノ−5−(6−カルボキシ−2−インドリ
ル)フェノキシ]−2−(2−アミノ−5−メチルフェ
ノキシ)エタン−N,N,N’,N’−四酢酸塩、1−
[2−アミノ−5−(6−カルボキシ−2−インドリ
ル)フェノキシ]−2−(2−アミノ−5−メチルフェ
ノキシ)エタン−N,N,N’,N’−四酢酸 ペンタ
アセトキシメチルエステル、8−アミノ−2−[(2−
アミノ−5−メチルフェノキシ)メチル]−6−メトキ
シキノリン−N,N,N’,N’−四酢酸塩、8−アミ
ノ−2−[(2−アミノ−5−メチルフェノキシ)メチ
ル]−6−メトキシキノリン−N,N,N’,N’−四
酢酸ペンタアセトキシメチルエステル、3,3’−ビス
[N,N−ビス(カルボキシメチル)アミノメチル]フ
ルオレッセイン、8−[N,N−ビス(カルボキシメチ
ル)アミノメチル]−4−メチルウンベリフェロンなど
が挙げられる。
【0065】またアニオンと有色錯体を形成するテトラ
フェニルアルソニウム塩、塩化物イオンと錯体を形成す
ると蛍光強度が減少する臭化N−エトキシカルボニルメ
チル−6−メトキシキノリニウム、ホウ素と錯体を形成
する8−ヒドロキシ−1−(サリシリデンアミノ)−
3,6−ナフタレンジスルホン酸塩などが挙げられる。
【0066】前記錯体が形成される反応を利用する方法
では、イオンと配位子などが生成する色素や蛍光物質を
吸光光度計や蛍光光度計などで測定して色素や蛍光物質
の量を定量することによって分析対象物質(多くの場
合、イオンである)を測定するのである。
【0067】次に電気化学的に検出可能な物質について
説明する。電気化学的方法によって検出できる物質とし
ては、電子伝達物質(メディエーター)やイオノフォア
とイオンとの錯体などが挙げられる。
【0068】電子伝達物質とは、分析対象物質を酵素な
どによって酸化/還元し、その際分析対象物質から/に
直接的に電子を受容/供与する化学物質であって、電子
伝達物質の還元体/酸化体を電極で酸化/還元するとき
の電気化学応答から分析対象物質を測定するのである。
また、電子伝達物質と分析対象物質が直接的に電子を授
受していなくても良く、電子伝達物質は、分析対象物質
を酵素などによって酸化/還元し、その際分析対象物質
から、または分析対象物質に間接的に電子を受容/供与
する化学物質であっても良い。分析対象物質と定量的関
係にある電子伝達物質の酸化体/還元体を電極で還元/
酸化するときの電気化学応答から分析対象物質を測定す
るのである。
【0069】電子伝達物質としては、用いる電極の測定
可能範囲内の電位(カーボン電極では通常−1.2V〜
+1.0V)で酸化還元されるものが好ましく、具体的
には、1,1’−ジメチル−4,4’−ビピリジリウム
塩、1,1’−ジベンジル−4,4’−ビピリジリウム
塩、1,4−ジアミノベンゼン、2−メチル−1,4−
ナフトキノン、N−メチルフェナジニウム塩、1−ヒド
ロキシ−5−メチルフェナジニウム塩、1−メトキシ−
5−メチルフェナジニウム塩、9−ジメチルアミノベン
ゾアルファフェノキサジン−7−イウム塩、フェロセン
誘導体、ヘキサシアノ鉄(II)塩、7−ヒドロキシ−3
H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド、3,
7−ジアミノ−5−フェニルフェナジニウム塩、3−
(ジエチルアミノ)−7−アミノ−5−フェニルフェナ
ジニウム塩、1,4-ベンゼンジオール、1,4−ジヒ
ドロキシ−2,3,5−トリメチルベンゼン、N,N,
N’,N’−テトラメチル−1,4−ベンゼンジアミ
ン、Δ2,2’−ビ−1,3−ジチオール、2,6−ジ
メチルベンゾキノン、2,5−ジメチルベンゾキノン、
2,3,5,6−テトラメチル−2,5−シクロヘキサ
ジエン−1,4−ジオン、2,6−ジクロロ−4−
[(4−ヒドロキシフェニル)イミノ]−2,5−シク
ロヘキサジエン−1−オン、2,6−ジクロロ−4−
[(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)イミノ]−
2,5−シクロヘキサジエン−1−オン、7−(ジエチ
ルアミノ)−3−イミノ−8−メチル−3H−フェノキ
サジン塩、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチア
ジン−5−イウム塩等が挙げられる。
【0070】この例において検出可能な物質とは電子伝
達物質の酸化体/還元体であり、検出可能な物質を生成
する反応とは電子伝達物質の酸化/還元反応である。前
述のように分析対象物質と定量的関係をもって存在する
電子伝達物質の酸化体/還元体を電極で還元/酸化する
ときの酸化還元電流などの電気化学応答を測定し、分析
対象物質を測定するのである。
【0071】イオノフォアとは、分析対象物質である特
定のイオンと選択的に配位結合またはイオン結合を生
じ、錯体となる配位子などの化合物であって、液膜電極
で用いられていることは特に良く知られている。
【0072】具体的には、カチオンと錯体をつくるイオ
ノフォアとして、テトラキス[3,5−ビス(トリフル
オロメチル)フェニル]ボレート塩、テトラフェニルホ
スホニウム塩、バリノマイシン、シクロ(N’,N’−
ジオクチル−D−アスパラギニル−L−プロリル−L−
アラニル)2、ビス(ベンゾ−15−クラウン−5)、
ビス[(ベンゾ−15−クラウン−5)−4−メチル]
ピメレート、ビス(12−クラウン−4)、ビス[(1
2−クラウン−4)メチル]−2−ドデシル−2−メチ
ルマロネート、14−クラウン−4、ドデシル−メチル
−14−クラウン−4、6,6−ジベンジル−1,4,
8,11−テトラオキサシクロテトラデカン、ジベンゾ
−18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラ
ウン−6、4,16−ジ−N−オクタデシルカルバモイ
ル−3−オキサブチリル−1,7,10,13,19−
ペンタオキサ−4,16−ジアザシクロヘンイコサン等
が挙げられる。
【0073】またアニオンと錯体をつくるイオノフォア
として、テトラフェニルアルソニウム塩、6−メトキシ
−N−(3−スルホプロピル)キノリニウム塩などが挙
げられる。
【0074】液膜電極とは、電極の表面に多孔質の高分
子層などを設け、高分子層にイオノフォアを染み込ま
せ、試料液中の特定のイオンのみと結合させて高分子層
内を移動させることによって、ある特定のイオンのみを
選択分離させ、その際に生じる膜電位を測定し分析対象
物質である特定のイオンを測定する方法である。もちろ
ん電気化学的検出方法にイオノフォアが用いられるの
は、この液膜電極の例に限られるわけではない。
【0075】バルク液中でイオノフォアとある特定のイ
オンを結合させ、結合していないイオンが移動できず、
結合して生成した錯体のみが移動できる高分子層を設け
た電極において該イオンの選択分離を行い、その際に生
じる膜電位を測定し分析対象物質である該イオンを測定
することができる。
【0076】この例において検出可能な物質とはイオノ
フォアと特定のイオンとの錯体であり、検出可能な物質
を生成する反応とは配位結合またはイオン結合によるイ
オノフォアと特定のイオンとの錯体形成反応である。前
述のように分析対象物質である特定のイオンの濃度に応
じて発生する膜電位を電気化学的に測定することによ
り、分析対象物質を測定するのである。
【0077】本発明の反応系は、溶液反応系であって
も、あるいは乾燥、析出、ろ過などの単位操作を経て作
成される分析要素を用いる反応系であってもよい。乾燥
固化あるいは製膜したドライケミストリーのような状態
であってもよい。
【0078】このような反応系を利用した方法で測定さ
れる分析対象物質としては、体液中の尿や血液等の生体
成分、食品、医薬、自然環境に存在する微量物質、産業
化学物質、廃棄物中の微量物質等が挙げられる。
【0079】次に、本発明の層状無機化合物について説
明する。本発明の層状無機化合物は、Si四面体、Al
八面体等の多面体が平面状に連なったシート構造が層状
に重なった結晶構造を有する無機化合物であり、層状粘
土鉱物及びハイドロタルサイトが含まれる。
【0080】粘土鉱物とは、粘土(細かい土状の無機粒
状物で、水で湿った状態で可塑性のあるもの)の大半を
占めるアルミニウムケイ酸塩鉱物をいい、通常は、Si
が4つのO(酸素原子)に囲まれたSi四面体とAl又
はMgが6つのOH基あるいはOに囲まれたAl(又は
Mg)八面体を最小構成単位としている。
【0081】層状粘土鉱物の構造は、Si四面体が1つ
の面を共有し、残る頂点のOを同方向に向けて六角網状
のシートを形成し(四面体シート)、一方Al(又はM
g)八面体が稜角を共有してシートを形成し(八面体シ
ート)、これらが層状に重なったものである。四面体シ
ートと八面体シートが一枚づつ重なってできた1:1層
が何枚も積み重なってできた鉱物を1:1型鉱物、一枚
の八面体シートを2枚の四面体シートで挟んだ2:1層
が何枚も積み重なってできた鉱物を2:1型鉱物、2:
1型の層間にもう一枚八面体シートが挟まったものを
2:1:1型鉱物という。また、八面体シートがMg
(OH)2ですべての八面体位置に金属イオンが存在す
るものを3八面体型(Trioctahedral)、八面体シート
がAl(OH)3で1/3が空孔になっているものを2
八面体型(Dioctahedral)という。本発明においては
2:1型鉱物を用いるのが好ましい。
【0082】本発明の層状無機化合物を構成する元素
は、好ましくは、リチウム、ナトリウム、カリウム、マ
グネシウム、アルミニウム、ケイ素、酸素、水素、フッ
素、及び炭素から選ばれる少なくとも一つ以上から構成
され、具体的には以下に示す式1〜9のいずれか一つで
表される化合物が挙げられる。尚、これらの式に結晶水
が含まれたものでもよい。
【0083】もちろん、これらの式は鉱物学的又は化学
的に純粋な化合物としての式であって、現実の層状無機
化合物では、ケイ酸ナトリウムなどの不純物を含む場合
があるため、元素分析などによって化学式を定めたもの
としても、これらの式と必ずしも一致しない場合がある
ことは、例えば、文献(D. W, Thompson, J. T. Butter
worth, J. Colloid Interf. Sci., 151, 236-243(199
2))においても記述されていることである。
【0084】
【化1】 MxSi4(Al2-xMgx)O102 ・・・(1) (式1においてMはH、Li、Na、Kのうちいずれか
ひとつであって、XはOH、Fのいずれかであって、x
は2未満の正数である。)
【0085】
【化2】 Mx(Si4-xAlx)Al2102 ・・・(2) (式2においてMはH、Li、Na、Kのうちいずれか
ひとつであって、XはOH、Fのいずれかであって、x
は4未満の正数である。)
【0086】
【化3】 MxSi4(Mg3-xLix)O102 ・・・(3) (式3においてMはH、Li、Na、Kのうちいずれか
ひとつであって、XはOH、Fのいずれかであって、x
は3未満の正数である。)
【0087】
【化4】 Mx(Si4-xAlx)Mg3102 ・・・(4) (式4においてMはH、Li、Na、Kのうちいずれか
ひとつであって、XはOH、Fのいずれかであって、x
は4未満の正数である。)
【0088】
【化5】MSi4Mg2.5102 ・・・(5) (式5においてMはLi、Naのうちいずれかであっ
て、好ましくはNaである。XはOH、Fのいずれかで
あって、好ましくはFである。)
【0089】
【化6】M2Si4Mg2102 ・・・(6) (式6においてMはLi、Naのうちいずれかであっ
て、好ましくはLiである。XはOH、Fのいずれかで
あって、好ましくはFである。)
【0090】
【化7】Mg6Al2(OH)16x ・・・(7) (式7においてXはハロゲン、NO3、SO4、CO3
OHのいずれかもしくは有機酸のアニオン形であって、
好ましくはCO3である。xはXがハロゲン、OH、NO
3、一価の有機酸のとき2であって、XがSO4、C
3、二価の有機酸のとき1である。)
【0091】
【化8】 Na0.33Si4(Mg2.67Li0.33)O102 ・・・(8) (式8において、XはOH、Fのいずれかであって、好
ましくはOHである。)
【0092】
【化9】 Naa-b(Si4-aAla)(Mg3-bAlb)O102 ・・・(9) (式9において、XはOH、Fのいずれかであって、好
ましくはOHである。aは4未満の正数であって、bは
3未満の正数であって、a−b>0である。)
【0093】本発明の層状無機化合物の具体例として
は、カオリナイト、ハロイサイト、蛇紋石等の1:1型
粘土鉱物;タルク、パイロフィライト、スメクタイト、
バーミキュライト(上記式中、式2で表されるもの、以
下同様)、フッ素四ケイ素雲母(式5)やテニオナイト
(式6)を含む雲母等の2:1型粘土鉱物;クロライト
等の2:1:1型粘土鉱物;2:1〜2:1:1型の中
間鉱物;イモゴライト等の準晶質粘土鉱物;アロフェン
等の非晶質粘土鉱物;ハイドロタルサイト(式7);等
が挙げられる。
【0094】また、スメクタイトには、同型置換された
四面体、八面体格子中のイオン種によってモンモリロナ
イト(式1)、モンモリロナイトが40〜80%含まれ
るベントナイト、バイデライト(式2)等の2八面体
型;ヘクトライト(式3、好ましくは式8)、サポナイ
ト(式4、好ましくは式9)、ノントロナイト等の3八
面体型;等が含まれる。
【0095】尚、ハイドロタルサイトは、上記式中の式
7、具体的にはMg6Al2(OH) 16CO3・4H2Oで
表される層状鉱物であり、Mg(OH)2(ブルーサイ
ト:中心にMg2+を持つ酸素八面体の層が積み重なった
構造を持つ)のMg2+の一部がAl3+に同型置換したも
のであって正電荷を有するが、層間のCO3 2-によって
電気的中性を保っており、陰イオン交換能をもつもので
ある。ケイ酸塩鉱物ではないが、しばしば粘土鉱物とし
て取り扱われる。
【0096】上述した本発明の層状無機化合物のうちい
くつかの組成を下記表1に示す。
【0097】
【表1】 <表1> ──────────────────────────────────── 鉱物名 組成* ──────────────────────────────────── カオリナイト(Kaolinite) Si2Al2O5(OH)4 ハロイサイト Si2Al2O5(OH)4・2H2O 蛇紋石 Si2(Mg2+,Fe2+)3O5(OH)4 タルク(Talc) Si4Mg3(OH)2O10 パイロフィライト(Pyrophyllite) Si4Al2(OH)2O10 モンモリロナイト(Montmorillonite) MIxSi4(Al2-xMgx)O10(OH)2・nH2O バイデライト(Beidellite) MIx(Si4-xAlx)Al2O10(OH)2・nH2O ヘクトライト(Hectorite) MIxSi4(Mg3-xLix)O10(OH,F)2・nH2O サポナイト(Saponite) MIx(Si4-xAlx)Mg3O10(0H)2・nH2O ノントロナイト(Nontronite) MIx(Si4-xAlx)Fe2O10(OH)2・nH2O バーミキュライト(Vermiculite) MIx(Si4-xAlx)Al2O10(OH)2・nH2O ハイドロタルサイト(Hydrotalcite) Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O ──────────────────────────────────── * : MI は1価陽イオンで代表させた交換性陽イオン
【0098】本発明の層状無機化合物の粒径は、均一な
分散が行える程度に小さな粒径であれば特に限定はされ
ない。また、層状無機化合物は一般に板状の粒子であり
且つ複数個の粒子が凝集と劈開を繰り返す動的平衡にあ
るので、平均粒径の定義を行うこと自体が困難であるか
ら、好ましい平均粒径の範囲を明示することは容易では
ないが、強いて言及すれば、光散乱法や電子顕微鏡での
観察などの手段によって測定された値が、水中に分散さ
せた状態で、1nm以上20μm以下のものが好まし
い。更には10nm以上2μm以下のものが好ましい。
【0099】また、これらはイオン交換能を有すること
によって色素等の電荷や極性に応じて吸着を行うものと
考えられ、イオン交換能は層を構成する金属イオンの置
換によって生じた層電荷に由来する。そこで層電荷の絶
対値は表1に示した式の組成の原子団について0.2〜
1程度の値を有することが好ましい。
【0100】また、鉄等の遷移金属イオンを置換イオン
として構造中に、又は不純物として含むものは、それに
よって着色を生じ、また酸化還元特性等を示して副反応
を生じる結果、透明性、保護・安定性に劣ることとなる
ため、遷移金属イオンによる置換がない方が好ましい
が、これに限定されるものではない。
【0101】これら粘土鉱物等の層状無機化合物には4
級アンモニウム塩などのピラーを立てて層間距離や層間
の電荷や極性をあらかじめ調整することもできる。本発
明の上述した層状無機化合物のうち、より好ましいもの
は2:1型粘土鉱物であり、特に好ましいものはイオン
交換能を有する膨潤性粘土鉱物である。
【0102】膨潤性粘土鉱物のうち、更に好ましいもの
はスメクタイト、特に合成ヘクトライトもしくは合成サ
ポナイト等の合成スメクタイト、または合成フッ素雲母
で代表される膨潤性合成雲母(又はNa型雲母)等の合
成雲母(天然の雲母は通常非膨潤性粘土鉱物である。)
である。尚、膨潤作用は交換性のカチオンまたはアニオ
ンを持つことに由来し、層間あるいはカードハウス構造
と呼ばれる層状無機化合物の表面に検出可能な物質を迅
速に吸着するため、膨潤性の層状無機化合物を用いるの
が好ましい。粘土鉱物はアニオン性物質、カチオン性物
質、非イオン性の極性有機化合物を、ハイドロタルサイ
トはアニオン性化合物を吸着する。層状無機化合物に吸
着可能な化合物は、例えば、H.Van Olphen著の成書「An
Introduction to Clay Colloid Chemistry, Second Ed
ition」(Krieger Publishment,Malabar)の11章「In
teraction of Clays and Organic Compounds」などに詳
述されている。本発明においてはこれらを単独で、また
は2種以上を併用してもよい。
【0103】本発明の上述した層状無機化合物は、合成
物、天然物に限らず使用できるが、好ましくは合成物が
用いられる。合成物は、天然物とは異なり、化学的に均
一で吸着した色素等を定量的に取り扱うことが可能であ
り、更に層間に鉄等の有色の金属を含まず透明度が高い
ため、定量的、光学的取り扱いが可能だからである。
尚、ここで、「合成」とは、少なくともスメクタイトの
場合は、主に水熱合成法又は溶融法によって製造された
ものをいう。天然物を精製して得られる膨潤性粘土鉱物
も好ましく用いられる。
【0104】このような層状無機化合物はいくつか市販
されており、たとえばコープケミカル(株)製の商品名
ルーセンタイトSWNもしくはルーセンタイトSWF
(合成ヘクトライト)またはME(フッ素雲母)、クニ
ミネ工業(株)製の商品名スメクトンSA(合成サポナ
イト)、協和化学工業(株)製の商品名チキソピーW
(合成ヘクトライト)または商品名キョーワード500
(合成ハイドロタルサイト)、ラポー社製の商品名ラポ
ナイト(合成ヘクトライト)、(株)ナカライテスク社
販売の天然ベントナイト、(株)豊順鉱業社製の商品名
マルチゲル(ベントナイト)等が挙げられる。
【0105】上述した層状無機化合物は、アミン、ポリ
エン、各種色素など有機化合物を吸着することが知られ
ており、従来、油、色素などを吸着する水処理剤、ワイ
ンやみりん等の製造時の蛋白除去剤、不純物吸着除去に
よる脱色精製剤等として用いられてきた。また、これら
層状無機化合物は、メタクロマジーと呼ばれる現象を生
じるなど、特定の反応場を与える素材として知られてお
り、更に、最近では天然色素の光安定性を向上させるこ
とも知られている。
【0106】しかしながら、本発明においては、この層
状無機化合物に検出可能な物質が吸着されることによっ
て複合体が形成され、前記検出可能な物質が反応系から
保護されること、分解反応に関与する電子準位が吸着に
よって変化することなどの効果があるのではないかと考
え、反応系にこれら層状無機化合物を添加することを試
みたものである。そして、その結果、検出可能な物質が
層状無機化合物に定量的に吸着され、しかも吸着された
検出可能な物質が過剰の過酸化水素やアスコルビン酸な
どの存在下でも十分安定に存在することができることを
見出したのである。
【0107】しかも、驚くべきことに、反応物質にあら
かじめ前記層状無機化合物を添加しても、検出反応は妨
害されなかった。よって、この層状無機化合物の添加に
よって、例えば前記4−AAと水素供与体を用いる反応
系での過酸化水素測定を、より定量的に行うことができ
るのである。このように分析対象物質の測定のための反
応系中に粘土鉱物等の層状無機化合物を添加して、生成
する検出可能な物質を安定化せしめ、該分析対象物質の
測定における感度や精度を高める例は未だ見い出されて
いない。
【0108】本発明の層状無機化合物は、利用する反応
系に応じて任意の方法で反応系に添加される。層状無機
化合物の添加量は、利用する反応系に応じて決定され、
用いる層状無機化合物にもよるが、検出可能な物質に対
して吸着サイトが少な過ぎて検出可能な物質が吸着され
ずに溶液中等に残ったり、吸着サイトが多すぎて検出可
能な物質の吸着に濃度の偏りが生じたりすることのない
量が望ましい。
【0109】反応系に添加する層状無機化合物の好まし
い量は以下のように決定する。即ち、層状無機化合物
は、主として前述の層電荷の程度に応じた量の色素等を
吸着するので、各種の層状無機化合物について色素等に
対する全吸着サイト数を求めることができる。検出反応
系において試薬の濃度が定まれば生成する色素等のおお
よその最大量が算出できるため、層状無機化合物の全吸
着サイト数を、生成しうる色素等の最大量が越えないよ
うにして、適した量の層状無機化合物を添加することが
できる。
【0110】層状無機化合物を添加する方法は、層状無
機化合物を分散させた分散液などの状態で反応系に添加
するのがよい。この層状無機化合物と、検出可能な物質
との吸着などの相互作用が生じやすいようにするためで
ある。したがって、分散というのは、液体中へ層状無機
化合物が分散した状態でもよいし、ゾル、ゲルなどの状
態であってもよく、前述の相互作用が生じやすく、また
検出に適した状態であればよい。
【0111】分散媒に溶媒を用いる場合は、溶媒の種類
は特に限定されず、従来公知のものを任意に使用するこ
とができるが、例えば蒸留水などの水、エタノールなど
のアルコール、アセトンなどのケトン類、ジエチルエー
テルなどのエーテル類、酢酸エチルなどのエステル類、
クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、ベンゼンや
トルエンなどの芳香族炭化水素類などから、分析対象物
質やその検出反応系に適したものを選ぶことができる。
好ましくは後述する緩衝剤を用い、緩衝剤に分散させた
緩衝溶液として添加するのがよい。
【0112】溶液または分散液の濃度は、反応系等に応
じて適宜選択することができ、特に限定されない。ま
た、前記層状無機化合物の分散液をそのまま乾燥し成膜
化したものを用いてもよい。その場合、成膜は他のポリ
マーや多孔性物質の存在下で行ってもよい。このように
乾燥して成膜化したものは試料の水分によって膨潤し反
応が生じるため、そのままドライケミストリー試験片に
応用することができ、実際の用途にも都合がよい。
【0113】層状化合物が分散する分散媒は、反応が行
われる溶媒と必ずしも同じでなくてもよい。層状無機化
合物は、反応が行われる溶媒を分散媒とする分散液に分
散している状態でもよく、また反応が行われる溶媒が浸
透しうるゾル、ゲル、凝集体、凝結体又は焼結した多孔
体の状態であってもよい。層状無機化合物が、均一に分
散しうる形態で存在していればよい。ドライケミストリ
ーなどでは、分析対象物質を含む血液、唾液、尿などの
試料液体を、反応の溶媒として使用することができるの
はよく知られている。
【0114】また、層状無機化合物の添加時期は、検出
可能な物質の生成前であっても生成後であってもよく、
反応系の任意の段階で添加することができる。吸着の度
合いは緩衝剤の組成(pH、イオン強度、錯体を形成す
る成分等)に影響される。例えば、純水に分散させたス
メクタイトは食用色素青色一号(ブリリアントブルー
FCF)を吸着しにくいが、pH6.5のビス−トリス
緩衝液[ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス
(ヒドロキシメチル)メタンと塩酸から調製されたも
の]中に分散させたスメクタイトはこの色素を迅速に吸
着する。
【0115】本発明に用いる緩衝剤、緩衝溶液の種類
は、例えば上述したビス−トリス緩衝液の他、リン酸緩
衝溶液、クエン酸緩衝溶液、N−(2−アセトアミド)
イミノ二酢酸緩衝液等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではなく、用いる反応系に応じて適宜選択する
のが好ましい。また、緩衝剤のpH、濃度等について
は、用いる反応系に適した条件を選択することが好まし
い。
【0116】また、層状無機化合物の分散液において
は、半透明のコロイド状の凝集が生じる場合がある。こ
の凝集体は液を撹拌することによって均一に再分散す
る。また、特に凝集が不都合であるときには、リン酸塩
系の緩衝溶液を用いれば層状無機化合物の分散性が向上
するので、凝集の発生を抑制できる。
【0117】緩衝剤の添加時期は特に限定されず、層状
無機化合物の添加前であっても添加後であっても差し支
えないが、一例として、層状無機化合物を分散させた緩
衝溶液として、層状無機化合物と共に反応系に添加する
のが好ましい。または、層状無機化合物を、乾燥したゲ
ル、凝集体、凝結体または焼結した多孔体の状態で用い
るときには、緩衝溶液を乾燥させ緩衝剤の乾燥物として
おくのが好ましい。
【0118】また、測定にあたっては、反応系に種々の
界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤の添加
により、難溶性物質を含む検体の均一な分散、検体の濡
れ性の向上による浸透の均一化と迅速化が可能となる。
ただし、界面活性剤は、界面に吸着する、物質を分散・
溶解する等の作用があるため、生成した検出可能な物質
の層状無機化合物への吸着と競合し、あるいは生成した
検出可能な物質の溶解をもたらすことによって、測定の
精度を損なわしめるおそれがある。したがって、本発明
において層状無機化合物と組み合わせて用いる界面活性
剤としては、生成した検出可能な物質と層状無機化合物
との吸着を妨害しないものを選択するのが好ましい。ま
た、界面活性剤の使用量についても、このような妨害が
生じない程度の少量を用いるのが好ましい。
【0119】吸着を妨害しない界面活性剤の種類として
は、界面活性剤の分子量が生成する色素に比べて極端に
大きくないものであり、且つ界面活性剤の有機性値と無
機性値が下記式を満足するものが好ましい。
【0120】
【数1】(無機性値)=(2.37±0.23)×(有機性値)
−186.2±117.1
【0121】上記式は、既知の構造の種々の界面活性剤
について吸着阻害効果と無機性値及び有機性値との関係
を検討して得られたものである。すなわち、炭素一個の
有機性値を20、水酸基の無機性値を100、ポリエチ
レンオキシドの有機性値を30、その無機性値を60、
ニトロ基の有機性値を70、その無機性値を70、など
のように官能基や原子ごとにポイントを割り振り、化合
物を構成する官能基、原子についてこれらのポイントを
合計して無機性値の総和及び有機性値の総和をとり、こ
の無機性値と有機性値とを直交座標にプロットすると、
似た性質の化合物は直交座標の同じ領域に位置づけられ
るので、化合物の構造によらない共通の性質が現れるこ
とが有機概念図として知られている(甲田善生、「有機
概念図−基礎と応用−」第11頁、三共出版(1984))。
本発明者らは、既知の構造を有する多くの界面活性剤に
ついて吸着阻害効果と無機性値及び有機性値との関係を
検討し、吸着を阻害しない界面活性剤の種類が有機概念
図において上記式を満足することを見出したものであ
る。なお、無機性値、有機性値の算出には、前述の有機
概念図に関する成書中の換算データを用いることができ
るが、前述の数式(数1)は、本間善夫作製のプログラ
ム「パソコン有機概念図」(化学ソフトウェア学会等)
中の換算データを用いて得たものである。
【0122】吸着を妨害しない界面活性剤の種類と添加
量の選択は、例えば次の(イ)〜(ニ)のように実施す
ることができる。
【0123】(イ)所定量のスメクタイト、4−AA、
及びN−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプ
ロピル)−3,5−ジメトキシアニリンを含む反応液に
過酸化水素を加え発色させる。 (ロ)(イ)と同じ組成の反応液に更に所定の濃度とな
るように界面活性剤を加え、同様に過酸化水素を加え発
色させる。 (ハ)スメクタイトを自然沈降、遠心分離、ろ別などの
適当な手段で分離し、上澄み液またはろ液の色調を分光
光度計等で測定して、(イ)、(ロ)のそれぞれにおけ
るスメクタイトへの生成色素の吸着量を比較する。ある
いは、吸着による凝集が観察される場合には、凝集沈殿
の程度をもって評価する。 (ニ)界面活性剤を添加しないときと添加したときでほ
とんど差が見られない界面活性剤の種類と添加量を選択
する。
【0124】このような方法で選択された好ましい界面
活性剤の種類としては、n−オクチル−β−D−グルコ
ピラノシドなどの糖アルキルエーテル類、n−オクチル
−β−D−チオグルコピラノシド、n−ヘプチル−β−
D−チオグルコピラノシドなどの糖アルキルチオエーテ
ル類、n−オクタノイル−N−メチルグルカミド、n−
ノナノイル−N−メチルグルカミドなどの糖アミド類、
β−D−フラクトピラノシル−α−D−グルコピラノシ
ドモノデカノエート、β−D−フラクトピラノシル−α
−D−グルコピラノシドモノデカノエートなどの糖エス
テル、N,N−ビス(3−D−グルコナミドプロピル)
デオキシコラミドなどが挙げられる。
【0125】また、添加量としては特に限定されず、層
状無機化合物全量に対する添加の割合も特に限定される
わけではなく、界面活性剤の種類と層状無機化合物の種
類と反応系に適した量を選べばよいが、界面活性剤とし
ての効果を発揮するに充分な量、例えば水系溶液におい
て用いる界面活性剤の臨界ミセル濃度を大きく越えない
程度が好ましい。例えば、n−オクチル−β−D−チオ
グルコピラノシドの0.3%水溶液、β−D−フラクト
ピラノシル−α−D−グルコピラノシドモノデカノエー
トの0.3%水溶液、N,N−ビス(3−D−グルコナ
ミドプロピル)デオキシコラミドの0.3%水溶液を好
ましく用いることができる。
【0126】本発明の方法における検出可能な物質の測
定方法としては、吸光測定方法、蛍光測定、発光測定、
電気化学的測定方法、散乱光測定方法、反射率測定方法
等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、
反応系や検出可能な物質に応じて適宜選択することがで
きる。好ましくは吸光光度計等を用いた光吸収分析に代
表される比色定量等の光学的な測定方法が挙げられる。
本発明で用いる層状無機化合物は、可視〜近赤外領域に
ほとんど吸収を持たないので、コロイド状の分散液のま
までも、あるいはゲル状でも光学的な測定を行うことが
できるのである。
【0127】尚、測定するときには系はもちろんオパー
ルグラス法などの手段を選ぶことができる。また、層状
無機化合物を遠心分離やろ過などで分離濃縮して測定す
ることもできる。具体的な一例を挙げると、本発明に例
示した層状無機化合物の分散液のろ過は、例えば、排除
限界分子量が約10000、又はポアサイズが約5nm
であるポリサルホン製の限外ろ過膜を用いて行うことが
できる。
【0128】また好ましくは、電極で酸化還元電流や膜
電位を測定する電気化学的な測定方法も用いられる。層
状無機化合物と生成物質との凝集物に、電極を接触させ
ることによって、電気化学的な応答を高感度に測定する
ことができる。
【0129】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0130】
【実施例1】POD(ペルオキシダーゼ)、色素前駆体
として4−AAとN−エチル−N−(2−ヒドロキシ−
3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン(以
下、EHSDMeAと略す。)、緩衝剤としてビス−ト
リスバッファー(pH6.5)、及び層状無機化合物と
してスメクタイトを、終濃度が表2の通りになるように
セル長1cmのディスポセル(メタクリレート製)に取
り、この試料について37℃で180秒間インキュベー
ションを行った。また、別の試料として、スメクタイト
を添加しない他は同じ組成・濃度となるように調製して
同様にインキュベーションを行った。
【0131】これらの試料について、温度調節後、過酸
化水素を表2の通りになるように添加し、過酸化水素添
加20秒後より2秒毎に1800秒間吸光度を測定し
た。装置としてJascoV−550(日本分光社製)
を用い、測定波長を630nmとした。スメクタイトを
添加したときには凝集を生じたので、凝集部のみを測定
するために0.1mL用のスリットを用いた。また、ス
メクタイト添加系のバックグラウンドとして、スメクタ
イトを同じ濃度で添加し、且つ過酸化水素を添加しない
試料を調製し、この反応溶液についても同様に測定を行
った。
【0132】
【表2】 <表2> ─────────────────────────── 試薬 終濃度 ─────────────────────────── POD(ペルオキシダーゼ) 1U/mL 4−AA*1 0.05mmol/L EHSDMeA*2 5mmol/L ビス−トリスバッファー*3 100mmol/L スメクタイト*4 0.1% 過酸化水素 10mmol/L (全量3mL) ─────────────────────────── *1)4-アミノアンチヒ゜リン(4-アミノ-1,2-シ゛ヒト゛ロ-1,5-シ゛メチル-2-フェニル-3H-ヒ゜ラソ゛ル-3-オン) *2)N-エチル-N-(2-ヒト゛ロキシ-3-スルホフ゜ロヒ゜ル)-3,5-シ゛メチルアニリン *3)ヒ゛ス(2-ヒト゛ロキシエチル)イミノトリス(ヒト゛ロキシメチル)メタン *4)ルーセンタイトSWN(合成スメクタイト:コーフ゜ケミカル社製)
【0133】尚、使用した試薬は各々下記表3に示す通
りである。
【0134】
【表3】 <表3> ───────────────────────────────── 試薬 試薬濃度 メーカー 試薬純度 ───────────────────────────────── POD 30U/mL 東洋紡(株) 4−AA 1.5mmol/L 和光純薬(株) 試薬特級 EHSDMeA 150mmol/L 同仁化学(株) ヒ゛ス-トリス 0.25mmol/L ナカライテスク(株) Specially ハ゛ッファー Prepared スメクタイト 0.3% コープケミカル(株) 過酸化水素 300mmol/L 三徳化学工業(株) 試薬特級 ─────────────────────────────────
【0135】結果を図1に示す。図1からわかるよう
に、スメクタイト無添加のものは反応開始の約3分後か
ら吸光度の減少が観察されたのに対し、スメクタイトを
添加したものは、吸光度の減少は観察されなかった。従
って、スメクタイトの添加によっても本検出反応はスメ
クタイト無添加時と同じように進行することが確認さ
れ、さらに、4−AAとEHSDMeAとの酸化縮合に
よって生成した色素は、スメクタイトに吸着したことに
よって、過酸化水素による酸化分解を受けずその退色が
抑制されたことが確認できた。
【0136】
【実施例2】POD、4−AA、EHSDMeA、ビス
−トリスバッファー(pH6.5)、及びスメクタイト
を終濃度が表4及び表5の通りになるようにセル長1c
mのディスポセル(メタクリレート製)に取って5種類
の試料(サンプル番号1〜5)を調製し、各々について
37℃で180秒間インキュベーションを行った。
【0137】これらの試料について、温度調節後、表5
に示す量の過酸化水素を添加して反応を開始した。さら
に、過酸化水素添加60秒後に表5に示す量のアスコル
ビン酸を添加し、添加20秒後より1秒毎に300秒間
吸光度を測定した。測定装置としてJascoV−55
0(日本分光社製)を用い測定波長を630nmとし
た。また、凝集部のみを測定するため0.1mL用のス
リットを測定に使用した。
【0138】
【表4】 <表4> ─────────────────────────── 試薬 終濃度 ─────────────────────────── POD(ペルオキシダーゼ) 1U/mL 4−AA 2mmol/L EHSDMeA 2mmol/L ビス−トリスバッファー 100mmol/L スメクタイト*1 (表5参照) 過酸化水素 (表5参照) L(+)アスコルビン酸 (表5参照) (全量3mL) ─────────────────────────── *1)ルーセンタイトSWN(合成スメクタイト:コーフ゜ケミカル社製)
【0139】
【表5】 <表5> ────────────────────────────── サンプル スメクタイト アスコルビン酸 過酸化水素 番号 (%) (mg/dl) (μmol/l) ────────────────────────────── 1 0 0 100 2 0 5(284μmol/L) 100 3 0.1 0 100 4 0.1 5(284μmol/L) 100 5 0.1 0 0 ──────────────────────────────
【0140】尚、使用した試薬は各々下記表6に示す通
りである。
【0141】
【表6】 <表6> ──────────────────────────────── 試薬 試薬濃度 メーカー 試薬純度 ──────────────────────────────── POD 30U/mL 東洋紡(株) 4−AA 60mmol/L 和光純薬(株) 試薬特級 EHSDMeA 60mmol/L 同仁化学(株) ヒ゛ス-トリス 0.25mmol/L ナカライテスク(株) Specially ハ゛ッファー Prepared スメクタイト 0.3% コープケミカル(株) 過酸化水素 3mmol/L 三徳化学工業(株) 試薬特級 アスコルビン酸 150mg/dl ナカライテスク(株) 試薬特級 ────────────────────────────────
【0142】結果を表5及び図2に示す。また、図2の
0〜60秒間を拡大した図を図3に示す。また、測定開
始0秒、60秒、300秒後の吸光度(Abs)を表7
に示す。さらに、凝集の発生による影響を差し引くため
に、サンプル3、4についてはサンプル5との差よりΔ
Absを求めた。結果を表7中の()内のデータとして
示す。
【0143】図2、3からわかるように、スメクタイト
無添加の系では、アスコルビン酸を添加すると直ちに退
色が起こった。測定開始時(アスコルビン酸添加20秒
後)には、無添加時の約20%の発色しか見られず、測
定開始60秒後(アスコルビン酸添加80秒後)には、
無色になった。
【0144】それに対して、スメクタイトを添加した系
では、測定開始時は無添加時(アスコルビン酸添加20
秒後)の約90%の発色を維持し、測定開始60秒後
(アスコルビン酸添加80秒後)には、約80%の発
色、300秒後(アスコルビン酸添加320秒後)でも
約50%の発色が見られた。
【0145】この結果から、スメクタイトを添加するこ
とによって、アスコルビン酸による生成色素の還元分解
が抑制されたことが確認できた。
【0146】
【表7】 <表7> ─────────────────────────────────── サンプル 0秒後 60秒後 300秒後 番号 (ΔAbs) (ΔAbs) (ΔAbs) ─────────────────────────────────── 1 1.15 1.14 1.11 2 0.23 0.00 0.00 3 1.26(1.16) 1.33(1.23) 1.63(1.49) 4 1.16(1.06) 1.07(0.97) 0.84(0.70) 5 0.10 0.10 0.14 ───────────────────────────────────
【0147】
【発明の効果】本発明によれば、反応系に粘土鉱物等の
層状無機化合物を添加することにより、色素等の検出可
能な物質と層状無機化合物とが吸着し、検出可能な物質
が保護されることによって過剰な過酸化水素や還元性の
アスコルビン酸等による分解が抑制され、検出可能な物
質の安定化を図ることができる。よって、色素ならばそ
の退色等を防ぐことができ、安定した高感度かつ精度の
高い測定が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1で行ったPOD発色系にお
けるスメクタイト添加効果を示す実験における吸光度の
変化を表す図である。
【図2】 本発明の実施例2で行ったアスコルビン酸を
含有するPOD発色系におけるスメクタイト添加効果を
示す実験における吸光度の変化を表す図である。
【図3】 図2の0〜60秒間を拡大した図である。
【符号の説明】
A・・・スメクタイトを添加した場合 B・・・スメクタイトを添加しなかった場合 C・・・スメクタイトを添加し過酸化水素を添加しなか
った場合 1・・・サンプル番号1の試料 2・・・サンプル番号2の試料 3・・・サンプル番号3の試料 4・・・サンプル番号4の試料 5・・・サンプル番号5の試料

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分析対象物質の化学反応に基づいて前記
    分析対象物質と量的相関関係を伴って検出可能な物質を
    生成する反応を含む反応系を用いて前記検出可能な物質
    を測定することにより前記分析対象物質を測定する方法
    であって、前記反応系に層状無機化合物を存在させて前
    記検出可能な物質の分解を抑止することを特徴とする、
    物質の測定方法。
  2. 【請求項2】 層状無機化合物が2:1型粘土鉱物であ
    る、請求項1記載の測定方法。
  3. 【請求項3】 2:1型粘土鉱物が膨潤性層状粘土鉱物
    である、請求項2記載の測定方法。
  4. 【請求項4】 膨潤性層状粘土鉱物がベントナイト、ス
    メクタイト、バーミキュライト及び合成フッ素雲母から
    選ばれる少なくとも一種である、請求項3記載の測定方
    法。
  5. 【請求項5】 スメクタイトが合成スメクタイトであ
    る、請求項4記載の測定方法
  6. 【請求項6】 合成スメクタイトが、ヘクトライトおよ
    びサポナイトからなる群から選ばれる少なくとも一種で
    ある、請求項5記載の測定方法。
  7. 【請求項7】 前記検出可能な物質が、光学的方法また
    は電気化学的方法によって検出可能な物質である、請求
    項1〜6のいずれかに記載の測定方法。
  8. 【請求項8】 前記検出可能な物質が、光学的方法によ
    って検出可能な色素である、請求項7記載の測定方法。
  9. 【請求項9】 前記色素がアゾ化合物である、請求項8
    記載の測定方法。
  10. 【請求項10】 前記検出可能な物質が、電気化学的方
    法によって検出可能な電子伝達物質である、請求項7記
    載の測定方法。
  11. 【請求項11】 前記検出可能な物質が、アミン、イミ
    ン、ポリエン類、芳香族化合物、複素環化合物、及びイ
    オンと環状配位子との錯体からなる群から選ばれる化合
    物である、請求項1〜10のいずれかに記載の測定方
    法。
  12. 【請求項12】 前記検出可能な物質を生成する反応が
    酸化還元反応である、請求項1〜11のいずれかに記載
    の測定方法。
  13. 【請求項13】 前記検出可能な物質を生成する反応が
    酸化還元反応であり、前記検出可能な物質を生成する反
    応を含む反応系が、過酸化水素の生成反応または過酸化
    水素を酸化剤とする酸化反応を含む、請求項12記載の
    測定方法。
  14. 【請求項14】 分析対象物質から化学反応によって生
    成する過酸化水素と被酸化性発色剤との酸化還元反応に
    より前記分析対象物質と量的相関関係を伴って生成する
    色素を比色定量することによって前記分析対象物質を測
    定する方法において、前記酸化還元反応系に層状無機化
    合物を存在させて前記色素の少なくとも過酸化水素によ
    る分解を抑止することを特徴とする、請求項13記載の
    測定方法。
  15. 【請求項15】 前記検出可能な物質を生成する反応が
    酸化還元反応であり、前記検出可能な物質を生成する反
    応を含む反応系が、ニコチンアミドアデニンジヌクレオ
    チドもしくはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホ
    スフェートを生成する反応、または、ニコチンアミドア
    デニンジヌクレオチドもしくはニコチンアミドアデニン
    ジヌクレオチドホスフェートを還元剤として使用する反
    応を含む、請求項12記載の測定方法。
  16. 【請求項16】 分析対象物質から化学反応によって生
    成するジアゾニウム塩と被カップリング試薬とのカップ
    リング反応により前記分析対象物質と量的相関関係を伴
    って生成するアゾ化合物を定量することにより前記分析
    対象物質を測定する方法において、前記カップリング反
    応系に層状無機化合物を存在させて前記アゾ化合物の分
    解を抑止することを特徴とする、請求項9記載の測定方
    法。
  17. 【請求項17】 前記検出可能な物質の分解が、アスコ
    ルビン酸による前記検出可能な物質の分解を含む、請求
    項1〜16のいずれかに記載の測定方法。
  18. 【請求項18】 前記反応系が緩衝剤またはその乾燥物
    を含む、請求項1〜17のいずれかに記載の測定方法。
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JP2012229952A (ja) * 2011-04-25 2012-11-22 Ehime Univ ハイブリッド膜およびガスセンサ
US9513227B2 (en) 2013-04-26 2016-12-06 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Method for quantitative determination of oxidant and apparatus for quantitative determination of oxidant
JP2019195300A (ja) * 2018-05-10 2019-11-14 東洋紡株式会社 測定感度を改善した生体成分測定キット及び生体成分測定方法

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