JPH09184827A - 管内挿型超音波探触装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボイラ熱交換器の管厚計測に用いられる管内
挿型超音波探触装置について、装置全体としての構造の
簡素化および小型化をはかるとともに、高速計測を可能
にする。 【解決手段】 調芯用毛ブラシを有して管Ｐの中心軸線
に沿い進行しうる条体７に、超音波の送受信を行なう超
音波探触子６をそなえ、同探触子６が正１２角形の横断
面を有して、各辺に対応する周面部に振動子６ａが１個
ずつ装着され、これらの振動子６ａから全体として放射
状に発信される超音波により、管Ｐの全周が同時に計測
される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ボイラ熱交換器の
管厚計測に用いて好適の管内挿型超音波探触装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の管内挿型超音波探触装置として
は、図５に示すようなものがあり、調芯用毛ブラシ１，
超音波探触子２，回転式ホルダ３，スリップリング４お
よびモータ５が条体７に装着されるようにして構成され
ている。そしてモータ５で回転式ホルダ３を回転させな
がら装置全体を移動させることで、管の全長全周にわた
り管厚を計測するようになっており、信号の受け渡しは
スリップリング４にて行なわれる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のよう
な従来の管内挿型超音波探触装置には、次のような問題
点がある。 (1) 管内面のスケールが、回転式ホルダ３のベアリング
部に噛み込むため、それを取り除くメンテナンスに多く
の時間を要する。 (2) 同様の原因により、モータ５が使用不可能となるこ
とがあり、コスト高の原因となる。 (3) スリップリング４により信号の受け渡しを行なうた
め、ノイズ等が発生しやすい。 (4) 回転式のため、データに歯抜けの部分が生じやす
い。 (5) 計測速度が遅い。 本発明は、このような問題点の解消をはかることを目的
としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
め、本発明の管内挿型超音波探触装置は、調芯用毛ブラ
シを有して管の中心軸線に沿い進行しうる条体と、同条
体に装着されて超音波の送受信を行なう超音波探触子と
をそなえ、同探触子が、上記管の内周面へ向け超音波を
放射状に発信すべく、同探触子の本体の全周に沿って多
数の振動子を装着されたことを特徴としている。

【０００５】このように、超音波探触子の本体の外周部
に沿い配設された多数の振動子から放射状に発信された
超音波が管の内周面へ向かうようになっていると、一度
に管の全周を計測できるため、データの歯抜けを生じる
ことがなく、構造が簡単で小型化が可能であり、しかも
高速計測が可能になる。

【０００６】また、本発明の管内挿型超音波探触装置
は、上記探触子の本体が、正多角形の横断面を有するよ
うに形成され、同正多角形の各辺に対応する各周面部分
に、上記振動子が１個ずつ装着されたことを特徴として
いる。

【０００７】このように探触子本体が正多角形の横断面
を有するように形成されると、同正多角形の各辺に対応
する各周面部分が平面状になるので、これらの周面部分
にそれぞれ板状の振動子が容易に装着されるようにな
り、各振動子から管内周面へ向けて超音波の発信が適切
に行われるようになる。

【０００８】さらに本発明の管内挿型超音波探触装置
は、上記正多角形が正１２角形であることを特徴として
いる。このようにして、正１２角形の横断面を有する探
触子本体の１２個の周面部分における各振動子から超音
波が放射状に発信されるように構成されると、検査を受
ける管の全周壁が上記超音波で十分にカバーされるの
で、管厚計測が的確に行なわれるようになり、所要の振
動子の個数も最小限度ですむようになる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下図面により本発明の一実施形
態としての管内挿型超音波探触装置について説明する
と、図１はその使用状態を示す側面図、図２はその探触
子を模式的に示す斜視図である。

【００１０】図１および図２に示すように、本実施形態
の管内挿型超音波探触装置も、調芯用毛ブラシ１を有し
て円形管Ｐの中心軸線に沿い進行しうるケーブルのごと
き条体７と、同条体７に装着されて超音波の送受信を行
なう超音波探触子６とが装備されている。本装置では、
超音波探触子６が、円形管Ｐの内周面へ向け超音波を放
射状に発信できるように、同探触子６の本体の全周に沿
って多数の振動子６ａをそなえているが、本実施形態で
は特に探触子６の本体が正１２角形に形成されて、同正
１２角形の各辺に対応する各周面部分に、板状の振動子
６ａが１個ずつ装着されている。

【００１１】上述のような本実施形態の管内挿型超音波
探触装置では、探触子６の本体の外周部に沿い配設され
た多数の振動子６ａから放射状に発信された超音波が円
形管Ｐの内周面へ向かうようになっているので、一度に
円形管Ｐの全周壁について計測できるようになり、これ
により従来の回転式超音波探触子（図５の符号２参照）
の場合のようなデータの歯抜けを生じることがなく、し
かも高速の計測が可能になる。

【００１２】さらに本装置では、図５に示す従来の回転
式ホルダ３やスリップリング４，モータ５なども不要に
なり、構造が大幅に簡素化されて、メンテナンスに要す
る時間やコストが著しく減少するほか、装置全体の小型
化も可能になって、小径管についての計測が可能にな
る。

【００１３】本実施形態では、特に探触子６の本体が正
１２角形の横断面を有するように形成されて、その正１
２角形の各辺に対応する各周面部分が平面状になるの
で、これらの周面部分にそれぞれ板状の超音波振動子６
ａが容易に装着されるようになる。そして、１２個の振
動子６ａから全体として放射状に超音波が発信され、さ
らにその反射波の受信が行なわれると、円形管Ｐの全周
壁が上記超音波で十分にカバーされるので、管厚計測が
的確に行われるようになり、所要の振動子６ａの個数も
最小限度ですむようになる。なお、探触子の横断面とし
ての正多角形の辺の数は、円形管Ｐの直径に応じて適宜
増減するようにしてもよい。

【００１４】本装置により図３に示すような肉厚Ｔの円
形管Ｐについて、その薄い肉厚ｔをもつ欠陥部８の計測
を行なった結果は、図４に示すとおりである。すなわ
ち、円形管Ｐの内面の全周に対し一度に超音波を発信
し、その反射波が受信された結果、正常な肉厚Ｔと欠陥
部の薄い肉厚ｔとが計測波形の間隔によって示される。

【００１５】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の管内挿型
超音波探触装置によれば次のような効果が得られる。 (1) 超音波探触子の本体の外周部に沿い配設された多数
の振動子から管の内周面へ向けて放射状に超音波を発信
して、一度に管の全周を計測できるので、高速計測が可
能になるほか、従来の回転式探触子で生じていたような
データの歯抜けを生じることが無い。 (2) 従来の装置で必要とされた探触子の回転のための回
転式ホルダやスリップリング，モータ等が不要になるの
で、構造が大幅に簡素化され、メンテナンスに要する時
間やコストが著しく減少するほか、装置全体の小型化が
可能になって、小径管の検査も行なえるようになる。 (3) 探触子本体が正多角形の横断面を有するように形
成されると、同正多角形の各辺に対応する各周面部分が
平面状になるので、これらの周面部分にそれぞれ板状の
振動子が容易に装着されるようになり、各振動子から管
内周面へ向けて超音波の発信が適切に行われるようにな
る。 (4) 正１２角形の横断面を有する探触子本体の１２個
の周面部分の各振動子から超音波が全体として放射状に
発信されるように構成されると、検査を受ける管の全周
壁が上記超音波で十分にカバーされるので、管厚計測が
的確に行なわれるようになり、所要の振動子の個数も最
小限度ですむようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態としての管内挿型超音波探
触装置の使用状態を示す側面図である。

【図２】図１の装置の超音波探触子を示す斜視図であ
る。

【図３】図１の装置により検査を受ける円形管の断面図
である。

【図４】図３の円形管の検査結果としての計測波形を示
す説明図である。

【図５】従来の管内挿型超音波探触装置を示す側面図で
ある。

【符号の説明】

１ 調芯用毛ブラシ ６ 超音波探触子 ６ａ 振動子 ７ 条体 ８ 欠陥部 Ｐ 管

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 調芯用毛ブラシを有して管の中心軸線に
   沿い進行しうる条体と、同条体に装着されて超音波の送
   受信を行なう超音波探触子とをそなえ、同探触子が、上
   記管の内周面へ向け超音波を放射状に発信すべく、同探
   触子の本体の全周に沿って多数の振動子を装着されたこ
   とを特徴とする、管内挿型超音波探触装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の管内挿型超音波探触装
   置において、上記探触子の本体が、正多角形の横断面を
   有するように形成され、同正多角形の各辺に対応する各
   周面部分に、上記振動子が１個ずつ装着されたことを特
   徴とする、管内挿型超音波探触装置。
3. 【請求項３】 請求項２に記載の管内挿型超音波探触装
   置において、上記正多角形が正１２角形であることを特
   徴とする、管内挿型超音波探触装置。