JP7163213B2 - 超音波測定システム及び超音波測定方法 - Google Patents

超音波測定システム及び超音波測定方法 Download PDF

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Description

特許法第30条第2項適用 1.平成30年10月4日埼玉県さいたま市大宮区ソニックシティにおいて開催された第61回2018年紙パルプ技術協会年次大会で発表 2.平成30年10月10日東京都港区東京ガス株式会社において開催された関東東北産業保安監督部管内ボイラー・タービン主任技術者会平成30年度技術研修会で発表
本発明は、肉厚検査若しくは探傷検査を行うための超音波測定システム、超音波測定方法及び超音波探触子搭載ユニットに関する。
非破壊検査を行うための方法の一つとして、超音波を用いた検査方法がある。超音波測定は、物質の界面で超音波が反射することを利用し、測定される反射波の時間差に基づいて測定対象の厚さや、クラックの有無の測定等を行うものである。
このような超音波測定に関する従来技術が特許文献1、2によって開示されている。
特開平10-332649号公報 特開2005-227119号公報
従来の超音波測定装置は、特許文献2の段落0004にも記載されているように、作業者が、探触子を測定対象に接触させて測定を行うものであった。例えば、パイプ等の管状体が全体的に均一な肉厚を有しているか否かの検査及びそのデータ取得を行うような場合、予め測定すべき箇所を決めて、各測定箇所1点1点に対して探触子を接触させ、データを記録していくという非常に煩雑な作業を要するものであった。
本発明は、上記の点に鑑み、肉厚検査若しくは探傷検査を行うための超音波測定であって、特に管状体に対する超音波測定において、測定作業の効率化を図ることが可能な超音波測定システム、超音波測定方法及び超音波探触子搭載ユニットを提供することを目的とする。
(構成1)
管状体の肉厚検査若しくは探傷検査を行うための測定システムであって、超音波探触子と、前記超音波探触子と基準位置との間の距離を測定する測距装置と、前記超音波探触子に対して超音波の送受信による超音波測定を所定周期若しくは所定位置で行わせ、これによって得られる超音波測定信号を受信すると共に、これと同期して前記測距装置からの距離測定信号を受信し、前記超音波測定信号に基づく情報と前記距離測定信号に基づく情報を対応付けてログする制御装置と、を備えることを特徴とする超音波測定システム。
(構成2)
前記測距装置が、ワイヤ巻き取り式リニアエンコーダであることを特徴とする構成1に記載の超音波測定システム。
(構成3)
構成1又は2に記載の超音波測定システムを利用した、管状体の肉厚検査若しくは探傷検査を行うための超音波測定方法であって、前記測距装置の前記基準位置を設定するステップと、前記超音波探触子を前記管状体の軸線方向に沿って移動させることで、前記管状体の軸線方向の複数点における前記超音波測定信号に基づく情報と前記距離測定信号に基づく情報を対応付けてログする処理を連続的に行うステップと、を備えることを特徴とする超音波測定方法。
(構成4)
構成1又は2に記載の超音波測定システムに用いられる、前記超音波探触子を備えた超音波探触子搭載ユニットであって、前記管状体の軸線方向に直交する方向の少なくとも2点で前記管状体表面に接触する第1回転体と、前記第1回転体に対して前記軸線方向の前方若しくは後方に位置し、少なくとも1点で前記管状体表面に接触する第2回転体と、前記超音波探触子であるローラー型超音波探触子と、前記第1回転体、前記第2回転体及び前記ローラー型超音波探触子を備える筐体部と、を備えることを特徴とする超音波探触子搭載ユニット。
(構成5)
前記第1回転体が、前記軸線方向に直交する方向における外側から内側に行くに従い回転体の直径が小さくなるように形成されていることを特徴とする構成4に記載の超音波探触子搭載ユニット。
(構成6)
前記第2回転体が、前記軸線方向に直交する方向の少なくとも2点で前記管状体表面に接触し、前記軸線方向に直交する方向における外側から内側に行くに従い回転体の直径が小さくなるように形成されていることを特徴とする構成4又は5に記載の超音波探触子搭載ユニット。
(構成7)
前記ローラー型超音波探触子が前記筐体部に対して弾性体を介して取り付けられており、当該弾性体が、前記第1回転体及び前記第2回転体が前記管状体表面に接触している状態において、前記ローラー型超音波探触子を前記管状体表面に対して、前記ローラー型超音波探触子の測定条件に適した圧力で押圧する弾性力を有していることを特徴とする構成4から6の何れかに記載の超音波探触子搭載ユニット。
(構成8)
前記管状体がボイラ水冷壁の水管であり、測定対象である水管とは別の水管若しくは水管を相互に接続するフィンに対して接する第3回転体を備えていることを特徴とする構成4から7の何れかに記載の超音波探触子搭載ユニット。
(構成9)
前記第3回転体が、前記筐体部に対して、前記軸線方向に直交し前記ボイラ水冷壁の壁面と水平な方向への出幅量を調整可能に取り付けられていることを特徴とする構成8に記載の超音波探触子搭載ユニット。
(構成10)
前記第3回転体が、前記筐体部に対して前記ボイラ水冷壁の壁面に垂直な方向への出幅量を調整可能に取り付けられていることを特徴とする構成8又は9に記載の超音波探触子搭載ユニット。
(構成11)
前記第3回転体が、前記筐体部の両側面に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする構成8から10の何れかに記載の超音波探触子搭載ユニット。
(構成12)
前記管状体がボイラ水冷壁の水管であり、前記ローラー型超音波探触子を複数備えることにより、複数の水管の超音波測定を同時に実行可能であることを特徴とする構成4から7の何れかに記載の超音波探触子搭載ユニット。
本発明の超音波測定システムによれば、測定作業の効率化を図ることができる。
本発明に係る実施形態の超音波測定システムの構成の概略を示す図 実施形態の超音波探触子搭載ユニットを示す、一部を分解した斜視図 ローラー型超音波探触子の分解斜視図 超音波探触子搭載ユニットの使用状態に関する説明図 超音波探触子搭載ユニットの使用状態に関する説明図 超音波探触子搭載ユニットの使用状態に関する説明図 超音波探触子搭載ユニットの使用状態に関する説明図 超音波測定システムの使用状態に関する説明図 超音波測定システムの処理動作の概略を示すフローチャート
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。
図1は、本実施形態の超音波測定システムの構成の概略を示す図である。
本実施形態の超音波測定システム1は、管状体の肉厚検査を行うためのシステムであり、特に、ボイラ水冷壁の水管の肉厚検査に好適なシステムである。
超音波測定システム1は、その大まかな構成として超音波探触子を備えた超音波探触子搭載ユニット11と、ワイヤ巻き取り式リニアエンコーダ(測距装置)12と、制御装置13とを備える。
超音波探触子搭載ユニット11は、その底部にホイールとローラー型超音波探触子を備えており、ボイラ水冷壁の水管に接触させてその軸方向に沿って走行(本実施形態では手動で走行)させることで、水管の軸方向に沿った複数点における超音波の送受信を連続的に行えるようにしたものである。
超音波探触子搭載ユニット11のより具体的な構成については後述する。
ワイヤ巻き取り式リニアエンコーダ12は、巻き取り式のワイヤ122が引き出された長さを検知するエンコーダである。ワイヤ巻き取り式リニアエンコーダ12を基準位置に設置し、ワイヤ122の先端を超音波探触子搭載ユニット11に取り付けることにより、ワイヤ巻き取り式リニアエンコーダ12(基準位置)と超音波探触子搭載ユニット11の相対距離を測定する。
ワイヤ巻き取り式リニアエンコーダ12は、その底部に磁石を備えており、当該磁石によって水管に対する着脱が行われる。ワイヤ巻き取り式リニアエンコーダ12に備えられる磁石は、ツマミ121の回動に伴って、その位置が底部に近い位置と離れた位置に変化する。これにより、ツマミ121の回動により、水管に対する着脱が行われるものである。
制御装置13は、測定対象である水管の厚さ情報の取得と、当該厚さを計測した地点の位置情報(ワイヤ巻き取り式リニアエンコーダ12(基準位置)と超音波探触子搭載ユニット11の相対距離)の取得を行い、厚さ情報と位置情報を対応付けてログする処理を行うものである。
制御装置13は、各種の演算処理等を行う演算部131と、記憶部132と、ワイヤ巻き取り式リニアエンコーダ12から距離測定信号を受信する距離取得部133と、超音波探触子搭載ユニット11の超音波発信探触子の発信の制御や超音波受信探触子からの超音波測定信号の受信を行う超音波送受信制御部134と、受信した超音波測定信号の波形のピークの判別を行う超音波波形処理部135と、ピーク間距離と音速情報に基づいて厚さを算出する厚さ判別部136と、を備える。
制御装置13は、「超音波探触子に対して超音波の送受信による超音波測定を所定周期で行わせ、これによって得られる超音波測定信号を受信すると共に、これと同期して測距装置(ワイヤ巻き取り式リニアエンコーダ)からの距離測定信号を受信し、前記超音波測定信号に基づく情報と前記距離測定信号に基づく情報を対応付けてログする」機能を有するものである。
図2には、超音波探触子搭載ユニット11のローラー型超音波探触子112の部分を分解した斜視図を示した。
超音波探触子搭載ユニット11は、フレーム(筐体部)111と、フレーム111の略中央付近に取り付けられるローラー型超音波探触子112と、フレーム111の底部の四隅に設けられるホイール114a、114b、115a、115bと、フレーム111の側面に突出して設けられるホイール116と、を備える。
図3は、ローラー型超音波探触子112の分解斜視図である。
ローラー型超音波探触子112は、その中心に超音波の吸収層(送信側から受信側への超音波の漏れの防止)としてのコルク板1124が配され、このコルク板1124を境に一方が送信側、他方が受信側となる左右で対称の構造を有している。
軸部材1121aには発信探触子が備えられており、軸に対してベアリング1122aを介してローラー部1123aが取り付けられる。ローラー部1123aは、発信探触子を備える軸部材1121aを覆うように設けられる。他方側の軸部材1121bには受信探触子が備えられており、ベアリング1122bを介してローラー部1123bが取り付けられる。ローラー部1123bも、発信探触子を備える軸部材1121bを覆うように設けられる。
ローラー型超音波探触子112は、上記構成により、ローラー部1123a、1123bが軸に対して回動自在とされており、これを検査対象の表面で転がすように移動させることができる。これにより、超音波探触子と検査対象の表面との距離が一定に保たれるものである。
なお、ローラー型超音波探触子において精度よく測定するためには、検査対象に対する接触圧力を所定範囲内にすることを要する。
図2に示されるように、ローラー型超音波探触子112は、その軸を固定的に支持する支持部材119によって保持される。
支持部材119は、フレーム111の孔Hに対して摺動可能に挿通されるロッド119Aを有しており、ロッド119Aには蝶ボルトB4を螺合するためのネジ穴が形成されている。
フレーム111に対するローラー型超音波探触子112の取り付けは、ロッド119Aにバネ113を取り付けた上で、フレーム111の孔Hにロッド119Aを挿通し、蝶ボルトB4を螺合することによって行う。このように、ローラー型超音波探触子112が、フレーム(筐体部)111に対してバネ(弾性体)113を介して取り付けられ、バネ113の弾性力によってローラー型超音波探触子112を検査対象に対して押圧する押圧力が生じる。
フレーム111の底部に設けられるホイール114a、114b、115a、115bは、水管に接触してその軸方向に沿って走行するためのホイールである。
図4に示されるように、ホイール114a、114bは、水管(管状体)21の軸線方向(図4の紙面に垂直な方向)に直交する方向で、水管21に2点で接触するホイールである。即ち、ホイール114a、114bの2つで“管状体の軸線方向に直交する方向の少なくとも2点で管状体表面に接触する第1回転体”に該当する。
また、ホイール114a、114bは、それぞれ水管(管状体)21の軸線方向(図の紙面に垂直な方向)に直交する方向における外側から内側に行くに従い、その直径が小さくなるように形成されている。これにより、図4からも理解されるように、水管のような管状体に対して、その表面に沿った接触面を得られるため、より安定的な走行性能を得ることができる。
本実施形態では、ホイール114aと114bが別体で形成されたものを例としているが、これが一体的に形成されている(つながっている)ものであっても構わない。
ホイール115a、115b(第2回転体)は、ホイール114a、114b(第1回転体)に対して水管(管状体)21の軸線方向の前方(若しくは後方)に位置し、その基本構成はホイール114a、114bと同様である。
なお、本実施形態では、第2回転体であるホイール115a、115bについても、ホイール114a、114b(第1回転体)と同様に、“管状体の軸線方向に直交する方向の少なくとも2点で管状体表面に接触する”構成としているが、第2回転体については、管状体表面と1点で接触する構成(即ちホイールを1つ)としてもよい。第2回転体を管状体表面と1点で接触する構成(即ちホイールを1つ)とする場合には、直径が略均一なホイールを、超音波探触子搭載ユニット11の幅方向(水管21の軸線方向に直交する方向)の略中央付近に位置するように設けるとよい。
ホイール114a、114bと、ホイール115a、115bの何れを第1回転体、第2回転体とみなすかは任意であり、よって、ホイール114a、114bの方を、管状体表面と1点で接触する構成(即ちホイールを1つ)としてもよい。本実施形態においては、ホイール114a、114bの側には、後に説明するホイール116があるため、ホイール114a、114bの側で、ホイールを1つにする方が、ホイールを減らす(管状体表面との接触点の数を減らす)ことによる安定性の低下を低減することができる。ホイール114a、114bの方を、管状体表面と1点で接触する構成(即ちホイールを1つ)とする場合、前述のように、直径が略均一なホイールを、超音波探触子搭載ユニット11の幅方向の略中央付近に位置するように設けてもよいし、単にホイール114aを削除する構成としてもよい。後に説明するホイール116との対称性を有するホイール114bの側を残すことにより、安定性を得ることができるためである。
上述したごとく、ローラー型超音波探触子112は、フレーム111に対してバネ113を介して取り付けられている。
当該バネ113の弾性力は、超音波探触子搭載ユニット11の使用状態、即ち、上記構成のローラー型超音波探触子112の各ホイール114a、114b、115a、115bが水管21に接触している状態(図4)において、ローラー型超音波探触子112に定められている所定の測定圧力で、ローラー型超音波探触子112を水管21に対して押圧するように設定されている。
即ち、バネ(弾性体)113は、「第1回転体及び第2回転体が管状体表面に接触している状態において、ローラー型超音波探触子を管状体表面に対して、ローラー型超音波探触子の測定条件に適した圧力で押圧する弾性力を有している」ものである。なお、バネ113によるサスペンション機能により、水管21の減肉による軽微な凹凸に対しても、ローラー型超音波探触子112を追従させることができる。
超音波探触子搭載ユニット11は、ホイール114a、114b、115a、115bに加え、フレーム111の側面に突出して設けられるホイール116(第3回転体)を備えている。
ホイール116は、測定対象である水管21とは別の水管21(若しくは水管21を相互に接続するフィン22)に対して接するホイールであり、これにより、超音波探触子搭載ユニット11が水管21の周方向へズレてしまうことを低減し、超音波探触子搭載ユニット11の走行安定性をより高くするものである。
ホイール116は、ロッド118の下端部に設けられている。このロッド118は、フレーム111に取り付けられるロッド117の取り付け部C3に対して挿通され、蝶ボルトB3の締め付けによって固定されるものであり、上下位置の調整が可能である。即ち、ホイール116は、「フレーム(筐体部)111に対してボイラ水冷壁の壁面に垂直な方向への出幅量を調整可能に取り付けられる」ものである。
ロッド117は、フレーム111の側面に設けられた取り付け部C1若しくはC2に対して挿通され、蝶ボルトB1若しくはB2の締め付けによって固定されるものであり、幅方向の位置の調整が可能である。即ち、ホイール116は、「フレーム(筐体部)111に対して、水管(管状体)21の軸線方向に直交しボイラ水冷壁の壁面と水平な方向への出幅量を調整可能に取り付けられる」ものである。
ロッド117はフレーム111に対して着脱可能であり、フレーム111の一方の側面側の取り付け部C1、又は、他方の側面側の取り付け部C2に対して選択的に取り付けることができる。即ち、ホイール116は、「フレーム(筐体部)111の両側面に対して着脱可能」である。
なお、ホイール116も、ホイール114a、114b、115a、115bと同様に、その回転軸に沿った方向に沿って径が変動するホイールであり、フレーム111から遠ざかるに従って直径が小さくなるホイールで構成されている。
図5~7は、ボイラ水冷壁2の水管21に対する超音波探触子搭載ユニット11の使用状態を説明する図である。
図5は、ボイラ水冷壁2の壁面に対してほぼ垂直に超音波探触子搭載ユニット11を設置した状態を示している。ロッド117及びロッド118の出幅量を適宜調節することにより、水管21(測定対象の水管21の隣の水管)の外周面にホイール116の傾斜面が沿う位置とすることで、安定した走行(手動)ができる。ホイール116をフレーム111から遠ざかるに従って直径が小さくなるホイールで構成することにより、水管21とホイール116の接触において、垂直方向だけでなく水平方向への応力も生じるため、超音波探触子搭載ユニット11を手で水管21に軽く押し付けた際の安定感が向上されるものである。
図6、7は、それぞれ超音波探触子搭載ユニット11を左右に傾けて使用する場合の説明図である。図6、7から理解されるように、ロッド117及びロッド118の出幅量を適宜調節すること、および、ロッド117の取り付け位置を取り付け部C1、C2で変更することにより、測定位置を変えて水管21の厚さを測定することができる。
次に、本実施形態の超音波測定システム1の使用したボイラ水冷壁2の水管21の肉厚の測定方法(肉厚データの取得)および、その際の超音波測定システム1における処理の概要について、図8と図9を参照しつつ説明する。
図8に示されるように、測定の準備として、水管21に対して、基準位置となる箇所にワイヤ巻き取り式リニアエンコーダ12を取り付け、ワイヤ122を超音波探触子搭載ユニット11に取り付ける(ワイヤ122が予め取り付けられているものであってよい)。加えて、ボイラ水冷壁2に合わせて、超音波探触子搭載ユニット11のロッド117及びロッド118の出幅量を適宜調節する。
また、制御装置13とワイヤ巻き取り式リニアエンコーダ12、超音波探触子搭載ユニット11の接続(有線、無線を問わない)や、制御装置13の立ち上げ及び必要な設定を行う。
上記により測定の準備ができたら、超音波探触子搭載ユニット11を水管21に沿わせて手で移動させる操作をするだけで、以下の処理によって水管21の長手方向にそった複数の測定点の肉厚データの取得が行われる。
図9は、制御装置13における処理の概略を示すフローチャートである。
ステップ901、903は、サンプリング周期毎に超音波の送受信を行う処理である。本実施形態では、1秒間に10回または20回の超音波の送受信を行う。当該処理は演算部131による制御の下、超音波送受信制御部134において、超音波探触子搭載ユニット11への制御信号の送信及び超音波探触子搭載ユニット11からの測定した超音波信号の受信によって行われる。
続くステップ904では、距離情報を取得する処理を行う。当該処理は演算部131による制御の下、距離取得部133において、ワイヤ巻き取り式リニアエンコーダ12から距離測定信号を受信することによって行われる。距離情報の取得は、超音波測定に同期して行われるものである。
ステップ905では、ステップ903で取得した超音波測定信号に基づいて厚さを算出する処理を行う。当該処理は演算部131による制御の下、受信した超音波測定信号の波形のピークの判別処理を超音波波形処理部135によって行い、厚さ判別部136によってピーク間距離と音速情報(予め取得若しくは設定されている水管21の音速に関する情報)に基づいて厚さを算出することによって行われる。
ステップ906では、ステップ905で算出された厚さ情報とステップ904で取得された距離情報を対応付けて記憶部132に記憶する。なお、さらに時間情報(或いは日時情報)等も対応付けてログするものであってもよい。
ステップ906の後は、ステップ901へと戻って上記処理を繰り返し、これにより、所定周期で厚さ情報と距離情報が取得され、厚さ情報と距離情報が対応付けられてログされ、終了指示があった場合には処理を終了する(ステップ902:Yes→end)。
上記処理により、測定点の位置や超音波探触子搭載ユニット11を動かす速度を特に意識することなく、超音波探触子搭載ユニット11を水管21に沿わせて手で移動させることによって、水管21の軸方向(長手方向)に沿って複数の測定点における肉厚データの取得が行われる。超音波探触子搭載ユニット11の移動方向も特に意識する必要はなく、超音波探触子搭載ユニット11を水管21に沿って往復移動させる等してもよい。超音波探触子搭載ユニット11を水管21に沿って2~3度往復移動させることにより、肉厚データの豊富化をすることもできる。
以上のごとく、本実施形態の超音波測定システム1によれば、水管21の軸方向(長手方向)に沿って複数の測定点における肉厚データの取得が半自動的に行われるため、測定作業が非常に簡便となり、測定作業の効率化を図ることができる。
また、上下左右に出幅量を調節可能なホイール116(第3回転体)を備えることにより、異なる角度での厚さ測定を安定的に行うことができる。また、サイズの異なるボイラ水冷壁に対しても容易に適用することができる。
なお、本実施形態では、ボイラ水冷壁の水管の肉厚を測定するものを例としているが、本発明をこれに限るものではなく、任意の管状体の測定に用いることができる。また、肉厚測定ではなく、探傷検査を行うものであっても良い。
また、本実施形態では、ワイヤ巻き取り式リニアエンコーダから得られた信号とローラー型超音波探触子から得られた信号を、それぞれ距離情報と厚さ情報として演算してからこれらを対応付けてログするものとしているが、どのような値に換算した上でログをするかは任意であり、例えばより生データに近い情報(各測定器からのアナログ信号をA/D変換しただけのデータ等)のままログするようなものであっても構わない。即ち、超音波測定信号に“基づく情報”と距離測定信号に“基づく情報”を対応付けてログするものであればよい。
本実施形態では測距装置としてワイヤ巻き取り式リニアエンコーダを例としているが、本発明をこれに限るものではなく、“超音波探触子と基準位置との間の距離を測定”可能な任意の装置を用いることができる(例えばレーザー距離計)。
また、測距装置が超音波探触子搭載ユニットとは別体であるものを例としているが、測距装置が超音波探触子搭載ユニットと一体的に構成されているものであっても構わない。例えば、本実施形態において、ワイヤ巻き取り式リニアエンコーダが超音波探触子搭載ユニットに搭載されており、ワイヤ先端を“基準位置”に固定するような構成であってもよい。
本実施形態では、所定の時間間隔(サンプリング周期)で超音波測定を行うものを例としているが、所定の距離間隔(若しくはあらかじめ設定された測定位置)で超音波測定を行う処理としてもよい。測距装置から得られる距離情報に基づき、超音波探触子搭載ユニットが所定距離移動した(若しくはあらかじめ設定された測定位置に到達した)と判断された際に、超音波測定を行わせるものである。
また、超音波探触子搭載ユニット等に、「測定スイッチ」等の入力手段を設け、これに対する入力があった際に超音波測定(厚さ情報と距離情報の取得)を行わせるものであってもよい。
本実施形態では、制御装置13が、演算部131と、記憶部132と、距離取得部133と、超音波送受信制御部134と、超音波波形処理部135と、厚さ判別部136と、を備えるものとして説明しているが、各機能部がハード的に区別されて形成されていることを限定的に示しているものではない。例えば、全ての機能が一つのデバイス上でソフトウェア的に実現されるものであってよい。逆に、各機能部の一部若しくは全部又は任意の組み合わせが専用回路等によってハード的に構成されるものであってもよい。また、装置として、各機能部の一部が別体で構成されるようなものであっても構わない。
なお、超音波探触子搭載ユニットを複数並列的に接続した構成としてもよい。ボイラ水冷壁は、平行に複数の水管が並んでいる構成であるため、複数の超音波探触子搭載ユニットを並列的に接続することによって、一度に複数の水管に対する測定を行えるようにするものである。この際に、複数の超音波探触子搭載ユニットの相互の距離を調節可能な構成とするとよい。
また、超音波探触子搭載ユニットを複数接続するのではなく、ローラー型超音波探触子部分のみを複数設けるものであってもよい。例えば、本実施形態の超音波探触子搭載ユニット11において、ホイール116の代わりに、ロッド118の先端部にローラー型超音波探触子を設けるような構成としてもよい。
1...超音波測定システム
11...超音波探触子搭載ユニット
111...フレーム(筐体部)
112...ローラー型超音波探触子
113...バネ(弾性体)
114a、114b...ホイール(第1回転体)
115a、115b...ホイール(第2回転体)
116...ホイール(第3回転体)
12...ワイヤ巻き取り式リニアエンコーダ(測距装置)
13...制御装置
2...ボイラ水冷壁
21...水管(管状体)
22...フィン

Claims (6)

  1. 管状体の肉厚検査若しくは探傷検査を行うための測定システムであって、
    前記管状体の軸線方向に直交する方向の少なくとも2点で測定対象である1本の前記管状体の表面に接触し、前記管状体の軸線方向に直交する回転軸を有する第1回転体と、前記第1回転体に対して前記軸線方向の前方若しくは後方に位置して少なくとも1点で前記管状体の表面に接触し、前記管状体の軸線方向に直交する回転軸を有する第2回転体と、前記超音波探触子であり、前記管状体の軸線方向に直交する回転軸を有するローラー型超音波探触子と、前記第1回転体、前記第2回転体及び前記ローラー型超音波探触子を備える筐体部と、を備え、前記第1回転体が、2つのホイールを備え、当該2つのホイールがそれぞれ、前記管状体の軸線方向に直交する方向における外側から内側に行くに従い、その直径が小さくなるように形成されている超音波探触子搭載ユニットと、
    前記超音波探触子と基準位置との間の距離を測定する測距装置と、
    前記超音波探触子に対して超音波の送受信による超音波測定を所定周期若しくは所定位置で行わせ、これによって得られる超音波測定信号を受信すると共に、これと同期して前記測距装置からの距離測定信号を受信し、前記超音波測定信号に基づく情報と前記距離測定信号に基づく情報を対応付けてログする制御装置と、
    を備えることを特徴とする超音波測定システム。
  2. 請求項1に記載の超音波測定システムを利用した、管状体の肉厚検査若しくは探傷検査を行うための超音波測定方法であって、
    前記測距装置の前記基準位置を設定するステップと、
    前記超音波探触子を前記管状体の軸線方向に沿って移動させることで、前記管状体の軸線方向の複数点における前記超音波測定信号に基づく情報と前記距離測定信号に基づく情報を対応付けてログする処理を連続的に行うステップと、
    を備えることを特徴とする超音波測定方法。
  3. 前記ローラー型超音波探触子が前記筐体部に対して弾性体を介して取り付けられており、当該弾性体が、前記第1回転体及び前記第2回転体が前記管状体表面に接触している状態において、前記ローラー型超音波探触子を前記管状体表面に対して、前記ローラー型超音波探触子の測定条件に適した圧力で押圧する弾性力を有していることを特徴とする請求項に記載の超音波測定システム
  4. 前記管状体がボイラ水冷壁の水管であり、超音波探触子搭載ユニットが、測定対象である水管とは別の水管若しくは水管を相互に接続するフィンに対して接し、前記水管の軸線方向に直交する回転軸を有する第3回転体を備えていることを特徴とする請求項又はに記載の超音波測定システム
  5. 前記第3回転体が、前記筐体部に対して、前記軸線方向に直交し前記ボイラ水冷壁の壁面と水平な方向への出幅量を調整可能に取り付けられており、且つ、前記筐体部に対して前記ボイラ水冷壁の壁面に垂直な方向への出幅量を調整可能に取り付けられていることを特徴とする請求項に記載の超音波測定システム
  6. 前記第3回転体が、前記筐体部から遠ざかるに従って直径が小さくなるホイールであることを特徴とする請求項4又は5に記載の超音波測定システム。
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