JPH09182935A - 鋳造用消失模型、その製造法、および鋳造方法 - Google Patents
鋳造用消失模型、その製造法、および鋳造方法Info
- Publication number
- JPH09182935A JPH09182935A JP35352395A JP35352395A JPH09182935A JP H09182935 A JPH09182935 A JP H09182935A JP 35352395 A JP35352395 A JP 35352395A JP 35352395 A JP35352395 A JP 35352395A JP H09182935 A JPH09182935 A JP H09182935A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mold
- casting
- sand
- model
- core
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 砂型中子を内包した消失模型を製造する際
に、砂型中子を加熱することもなく、疎水性皮膜で砂型
中子を覆う必要もなく、現在一般に使用されている砂型
中子をそのまま金型内に入れて円滑に砂型中子を内包し
た消失模型を得ることができ、さらには今まで確立して
いる鋳造条件を変更することなく鋳造を行うことがで
き、しかも品質のすぐれた鋳造製品を得ることのできる
技術を提供することを目的とする。 【解決手段】 金型内部に砂型中子(B) を配置し、金型
内面と砂型中子(B) 外面との間の間隙に、発泡剤を内包
しかつ熱可塑性樹脂を外殻成分とする重量平均粒径1〜
200μm の熱膨張性微小球(a')または/およびその予
備膨張体(a")を投入した後、それを非スチーム加熱によ
り膨張させると共に相互に融着させる。これにより、熱
可塑性樹脂膨張中空微小球(a) の融着成形体(A) の内部
に砂型中子(B) が内包された構造を有する鋳造用消失模
型が得られる。
に、砂型中子を加熱することもなく、疎水性皮膜で砂型
中子を覆う必要もなく、現在一般に使用されている砂型
中子をそのまま金型内に入れて円滑に砂型中子を内包し
た消失模型を得ることができ、さらには今まで確立して
いる鋳造条件を変更することなく鋳造を行うことがで
き、しかも品質のすぐれた鋳造製品を得ることのできる
技術を提供することを目的とする。 【解決手段】 金型内部に砂型中子(B) を配置し、金型
内面と砂型中子(B) 外面との間の間隙に、発泡剤を内包
しかつ熱可塑性樹脂を外殻成分とする重量平均粒径1〜
200μm の熱膨張性微小球(a')または/およびその予
備膨張体(a")を投入した後、それを非スチーム加熱によ
り膨張させると共に相互に融着させる。これにより、熱
可塑性樹脂膨張中空微小球(a) の融着成形体(A) の内部
に砂型中子(B) が内包された構造を有する鋳造用消失模
型が得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消失模型を用いた
鋳造技術、さらに詳しくは、特殊な熱膨張性微小球を原
料として用いて作製した熱可塑性樹脂膨張中空微小球の
融着成形体の内部に砂型中子が内包された構造を有する
消失模型、その製造法、およびその消失模型を用いた鋳
造方法に関するものである。
鋳造技術、さらに詳しくは、特殊な熱膨張性微小球を原
料として用いて作製した熱可塑性樹脂膨張中空微小球の
融着成形体の内部に砂型中子が内包された構造を有する
消失模型、その製造法、およびその消失模型を用いた鋳
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1958年、アメリカのシュロイヤー
は、鋳造用模型の材料に発泡ポリスチレンのような多孔
性物質を使用して鋳物を作る方法を見い出した。この方
法は、発泡ポリスチレンから作った模型を鋳物砂の中に
埋め、模型を鋳物砂から取り出すことなくそのまま溶湯
を注入し、発泡ポリスチレンが熱によって容易に燃焼気
化する性質を利用して鋳物製品を得る方法である。この
方法は工業的にはドイツで実用化された(フルモールド
法)。この方法は、中・大物主体の鋳物の製造に適用さ
れていたが、その後、小物量産に目が向けられ、鋳物砂
に粘結剤を必要としない鋳造法として開発がなされ、工
業化に至っている。
は、鋳造用模型の材料に発泡ポリスチレンのような多孔
性物質を使用して鋳物を作る方法を見い出した。この方
法は、発泡ポリスチレンから作った模型を鋳物砂の中に
埋め、模型を鋳物砂から取り出すことなくそのまま溶湯
を注入し、発泡ポリスチレンが熱によって容易に燃焼気
化する性質を利用して鋳物製品を得る方法である。この
方法は工業的にはドイツで実用化された(フルモールド
法)。この方法は、中・大物主体の鋳物の製造に適用さ
れていたが、その後、小物量産に目が向けられ、鋳物砂
に粘結剤を必要としない鋳造法として開発がなされ、工
業化に至っている。
【0003】上述の方法(発泡体でできた消失模型を用
いた鋳造方法)は、一般に、次の工程により実施され
る。 (1) 金型内で発泡性のポリスチレンビーズ等を発泡さ
せ、発泡成形体を作る。 (2) 発泡成形体の表面に通気性のある耐火物を被覆し、
乾燥して、鋳型とする。 (3) この鋳型に湯口・湯道を接続した後、鋳枠内に入
れ、鋳型の周辺に乾燥した鋳物砂を充填して振動造型に
より固く充填する。 (4) ついで湯口より金属溶湯を注入するが、必要に応じ
鋳枠を真空状態にもたらして注入時の発生ガスの排出を
行う。 (5) 湯口より注入した溶湯は発泡模型を熱により燃焼分
解し、発生ガスと溶湯とが逐次的に置換され、鋳物とな
る。 (6) 発泡プラスチックスが燃焼、分解したガスは、鋳型
表面より耐火物層および鋳物砂を通して大気に放出され
る。
いた鋳造方法)は、一般に、次の工程により実施され
る。 (1) 金型内で発泡性のポリスチレンビーズ等を発泡さ
せ、発泡成形体を作る。 (2) 発泡成形体の表面に通気性のある耐火物を被覆し、
乾燥して、鋳型とする。 (3) この鋳型に湯口・湯道を接続した後、鋳枠内に入
れ、鋳型の周辺に乾燥した鋳物砂を充填して振動造型に
より固く充填する。 (4) ついで湯口より金属溶湯を注入するが、必要に応じ
鋳枠を真空状態にもたらして注入時の発生ガスの排出を
行う。 (5) 湯口より注入した溶湯は発泡模型を熱により燃焼分
解し、発生ガスと溶湯とが逐次的に置換され、鋳物とな
る。 (6) 発泡プラスチックスが燃焼、分解したガスは、鋳型
表面より耐火物層および鋳物砂を通して大気に放出され
る。
【0004】消失模型は、その名の通り、溶融状態の金
属に接して消失し、金属と置き換わるものであるので、
金属溶湯の温度以下で熱分解する樹脂の発泡体であれば
原則として使用できることになるが、今までのところポ
リスチレン発泡体が最も多く使用されている。ポリスチ
レン発泡体が使用される理由としては、硬質であるこ
と、比較的低密度でも圧縮強度、剛性が大きいこと、各
種の形状に容易に成形しやすいこと、材料コストが低廉
であることなどがあげられる。
属に接して消失し、金属と置き換わるものであるので、
金属溶湯の温度以下で熱分解する樹脂の発泡体であれば
原則として使用できることになるが、今までのところポ
リスチレン発泡体が最も多く使用されている。ポリスチ
レン発泡体が使用される理由としては、硬質であるこ
と、比較的低密度でも圧縮強度、剛性が大きいこと、各
種の形状に容易に成形しやすいこと、材料コストが低廉
であることなどがあげられる。
【0005】ところで、プラスチックス発泡体製の消失
模型の製作にあたっては、発泡性プラスチックスビーズ
の発泡剤が短期間のうちに大気中に拡散するためビーズ
の大きさを小さくすることができず、長期間にわたって
の保管が難しい。また発泡体を発泡させるために水蒸気
を使用する必要があり、さらには発泡成形時に6kg/cm2
程度の発泡圧がかかるため、金型の肉厚を6〜8mm程度
かそれ以上にした強固な金型を製作することが必要とな
る。加えて、このような消失模型を使用した場合は、鋳
造製品の表面に発生する亀甲模様、模型の不完全燃焼お
よび未分解に伴なって鋳物表面に発生する炭素残渣など
の解決すべき課題がある。
模型の製作にあたっては、発泡性プラスチックスビーズ
の発泡剤が短期間のうちに大気中に拡散するためビーズ
の大きさを小さくすることができず、長期間にわたって
の保管が難しい。また発泡体を発泡させるために水蒸気
を使用する必要があり、さらには発泡成形時に6kg/cm2
程度の発泡圧がかかるため、金型の肉厚を6〜8mm程度
かそれ以上にした強固な金型を製作することが必要とな
る。加えて、このような消失模型を使用した場合は、鋳
造製品の表面に発生する亀甲模様、模型の不完全燃焼お
よび未分解に伴なって鋳物表面に発生する炭素残渣など
の解決すべき課題がある。
【0006】現在市販されている消失模型鋳造用に使用
される発泡性プラスチックスビーズのうち最も小さな粒
子の大きさは0.30〜0.40mmで、これを40倍に発泡させ
たときの発泡粒の大きさは0.87〜1.16mm(870〜11
60μm )である。この発泡粒を使用して鋳物を製造し
た場合の鋳物表面の最大粗さRt は75S程度で、精密
鋳造品の鋳肌に比べて劣る。また発泡成形品を製造する
場合、発泡粒が厚み方向に3粒以上並ばないと成形品の
成形は困難で、現状のビーズでは3mm以下の肉厚の成形
品の成形は困難である。
される発泡性プラスチックスビーズのうち最も小さな粒
子の大きさは0.30〜0.40mmで、これを40倍に発泡させ
たときの発泡粒の大きさは0.87〜1.16mm(870〜11
60μm )である。この発泡粒を使用して鋳物を製造し
た場合の鋳物表面の最大粗さRt は75S程度で、精密
鋳造品の鋳肌に比べて劣る。また発泡成形品を製造する
場合、発泡粒が厚み方向に3粒以上並ばないと成形品の
成形は困難で、現状のビーズでは3mm以下の肉厚の成形
品の成形は困難である。
【0007】一方、現在の発泡性ビーズの発泡剤は、特
に夏季において発泡剤が大気中に拡散しやすく、冷凍庫
による輸送ならびに保管が必要であり、発泡性ビーズの
種類にもよるが1〜3ケ月の保管が限度であり、発泡剤
の抜けたビーズは廃棄せざるをえない。
に夏季において発泡剤が大気中に拡散しやすく、冷凍庫
による輸送ならびに保管が必要であり、発泡性ビーズの
種類にもよるが1〜3ケ月の保管が限度であり、発泡剤
の抜けたビーズは廃棄せざるをえない。
【0008】現在の発泡成形品(発泡ポリスチレン)の
製造工程は次の通りである。
製造工程は次の通りである。
【0009】(イ)予備発泡 ビーズは軟化点以上にスチーム加熱すると樹脂が軟化
し、ビーズ内部に含有している発泡剤の膨張圧力によっ
て膨張し、ビーズ内部に独立気泡構造を持った発泡粒が
できる。
し、ビーズ内部に含有している発泡剤の膨張圧力によっ
て膨張し、ビーズ内部に独立気泡構造を持った発泡粒が
できる。
【0010】(ロ)熟成 予備発泡したばかりの発泡粒は、発泡直後減圧状態にあ
り、また軟らかいために外部からの圧力により容易に潰
れる。このような減圧状態のままの発泡粒を成形に使用
したのでは、成形後、成形品の収縮が大きく良品が得ら
れない結果となる。そこで、予備発泡後は発泡粒を一定
時間放置し、発泡粒の内部への空気の浸透および発泡剤
の安定化を図った後に使用することが必要となる。
り、また軟らかいために外部からの圧力により容易に潰
れる。このような減圧状態のままの発泡粒を成形に使用
したのでは、成形後、成形品の収縮が大きく良品が得ら
れない結果となる。そこで、予備発泡後は発泡粒を一定
時間放置し、発泡粒の内部への空気の浸透および発泡剤
の安定化を図った後に使用することが必要となる。
【0011】(ハ)成形 予備発泡されたビーズを一定時間熟成後、金型内に充填
し、金型内で110〜120℃に加熱すると、二次発泡
して金型内を充たし、その表面が溶けて相互に融着する
ことになる。その工程の順序は、発泡粒充填→発泡加熱
→冷却→離型→取り出し、である。
し、金型内で110〜120℃に加熱すると、二次発泡
して金型内を充たし、その表面が溶けて相互に融着する
ことになる。その工程の順序は、発泡粒充填→発泡加熱
→冷却→離型→取り出し、である。
【0012】また成形用金型の設計に関しては次のよう
な配慮が必要となる。 金型強度 金型は、加熱、冷却の繰り返しであり、型締め圧力、ス
チーム圧、エア圧、発泡圧に耐える剛性を必要とする。
特に発泡圧については6kg/cm2程度の圧力がかかるの
で、金型の肉厚、材質に特に留意する必要がある。 コアベントおよびエア逃げ 加熱融着のためコアベントが打ち込まれる。ピッチは2
5〜40mmで、充填の悪い個所の対策として多目に打ち
込むことがある。
な配慮が必要となる。 金型強度 金型は、加熱、冷却の繰り返しであり、型締め圧力、ス
チーム圧、エア圧、発泡圧に耐える剛性を必要とする。
特に発泡圧については6kg/cm2程度の圧力がかかるの
で、金型の肉厚、材質に特に留意する必要がある。 コアベントおよびエア逃げ 加熱融着のためコアベントが打ち込まれる。ピッチは2
5〜40mmで、充填の悪い個所の対策として多目に打ち
込むことがある。
【0013】発泡成形品は、模型成形後の経過時間と共
に収縮する。発泡模型は、金型より取り出された後、最
初の数時間の間は一旦 0.1〜 0.3%膨張するが、その後
は収縮に転じ、30日後には 0.7〜 0.8%程度収縮す
る。一般的に言って収縮は、(i) 発泡模型の各細胞内に
含まれるガスが、周囲の空気と平衡状態になること、(i
i)分子のゆるみ、が原因となって発生する。
に収縮する。発泡模型は、金型より取り出された後、最
初の数時間の間は一旦 0.1〜 0.3%膨張するが、その後
は収縮に転じ、30日後には 0.7〜 0.8%程度収縮す
る。一般的に言って収縮は、(i) 発泡模型の各細胞内に
含まれるガスが、周囲の空気と平衡状態になること、(i
i)分子のゆるみ、が原因となって発生する。
【0014】この平衡は短い時間に顕著に現われるが、
それは細胞外への発泡剤(たとえばペンタン)の拡散と
細胞内への空気の拡散とに基く。予備発泡が完了した直
後と成形時には、成形品の小さな細胞に真空状態が存在
する。まず、周囲の空気圧になるまでこの細胞へ空気が
拡散する。この時間は15分から1時間を要し、その
後、細胞の外部へのペンタンの拡散が始まる。2〜3日
後にはペンタンの含有量は1%以下に低下し、30日経
過した模型でも約 0.5%のペンタンを含有しており、7
年経過した模型でもわずかの低い値(100万分の1の
オーダー)が検出される。
それは細胞外への発泡剤(たとえばペンタン)の拡散と
細胞内への空気の拡散とに基く。予備発泡が完了した直
後と成形時には、成形品の小さな細胞に真空状態が存在
する。まず、周囲の空気圧になるまでこの細胞へ空気が
拡散する。この時間は15分から1時間を要し、その
後、細胞の外部へのペンタンの拡散が始まる。2〜3日
後にはペンタンの含有量は1%以下に低下し、30日経
過した模型でも約 0.5%のペンタンを含有しており、7
年経過した模型でもわずかの低い値(100万分の1の
オーダー)が検出される。
【0015】特公平5−58820号公報(特開昭62
−263844号公報)には、砂型中子と、この砂型中
子を抱き込む消失模型とで構成される鋳造用模型の成形
方法であって、鋳造用模型の成形用金型とは別個に砂型
中子を予め加熱し(40〜90℃に)、この加熱した砂
型中子を金型内に設置し、次に、金型の内面と砂型中子
の外面との間に形成されたキャビティで発泡プラスチッ
クを加熱により発泡させて消失模型を成形する鋳造用模
型の成形方法が示されている。使用する発泡プラスチッ
クに関しては、発泡用ポリスチロール等の発泡プラスチ
ックのビーズを用いることにつき言及がなされている。
−263844号公報)には、砂型中子と、この砂型中
子を抱き込む消失模型とで構成される鋳造用模型の成形
方法であって、鋳造用模型の成形用金型とは別個に砂型
中子を予め加熱し(40〜90℃に)、この加熱した砂
型中子を金型内に設置し、次に、金型の内面と砂型中子
の外面との間に形成されたキャビティで発泡プラスチッ
クを加熱により発泡させて消失模型を成形する鋳造用模
型の成形方法が示されている。使用する発泡プラスチッ
クに関しては、発泡用ポリスチロール等の発泡プラスチ
ックのビーズを用いることにつき言及がなされている。
【0016】鋳造方法の観点から特公平3−33051
号公報(特開昭63−101041号公報)の発明にあ
っては、砂型中子の外表面を疎水性皮膜で覆った後、こ
の砂型中子を金型内に設置し、この金型の内面と砂型中
子外面との間に形成されたキャビティでプラスチックを
加熱して発泡させ、砂型中子を抱き込むよう発泡するプ
ラスチックをキャビティに充満させて消失模型を成形
し、金型を水により冷却して砂型中子と消失模型とによ
る鋳造用模型を成形し、この模型を鋳物砂に埋め込んで
消失模型に対し用途を鋳込んだとき、この溶湯がその熱
で消失模型と疎水性皮膜とを消失させるようにした消失
模型による鋳造方法が示されている。
号公報(特開昭63−101041号公報)の発明にあ
っては、砂型中子の外表面を疎水性皮膜で覆った後、こ
の砂型中子を金型内に設置し、この金型の内面と砂型中
子外面との間に形成されたキャビティでプラスチックを
加熱して発泡させ、砂型中子を抱き込むよう発泡するプ
ラスチックをキャビティに充満させて消失模型を成形
し、金型を水により冷却して砂型中子と消失模型とによ
る鋳造用模型を成形し、この模型を鋳物砂に埋め込んで
消失模型に対し用途を鋳込んだとき、この溶湯がその熱
で消失模型と疎水性皮膜とを消失させるようにした消失
模型による鋳造方法が示されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術の項での説明からも理解できるように、従来のポリ
スチレン発泡体からなる消失模型は、 ・ 発泡性粒子の保管期間が短いこと(冷凍庫に入れて
も1〜3ケ月しか保管できない)、 ・ 発泡性粒子の粒径を小さくできず(0.30〜0.40mmが
最小)、従ってそれから得られる発泡粒の粒径が大きく
なるので、薄肉の成形体を成形することができない上
(3mm以下の肉厚の成形は不可能)、模型表面は粗く平
滑性が劣り、その結果、鋳造品の表面の平滑性が劣るよ
うになり、美麗な鋳肌が得られがたいこと、 ・ 発泡成形品の収縮自体が大きく、時間と共に寸法が
収縮するので寸法管理が難しく、それを用いて作製する
鋳造品の寸法精度に悪影響を与えること、 ・ 成形工程が複雑であり(スチームを使用しての予備
発泡工程、熟成工程、成形工程が必須となるので装置上
も工程上もコスト高になる)、金型コスト(発泡成形圧
が高いため金型を強固に作る必要がある)も高く、これ
ら双方のコスト高により作製模型のコスト高を招くこ
と、 ・ 鋳造時の煙の発生量が多く、鋳造品の炭素残留量が
多くなること、などの解決課題を有している。
技術の項での説明からも理解できるように、従来のポリ
スチレン発泡体からなる消失模型は、 ・ 発泡性粒子の保管期間が短いこと(冷凍庫に入れて
も1〜3ケ月しか保管できない)、 ・ 発泡性粒子の粒径を小さくできず(0.30〜0.40mmが
最小)、従ってそれから得られる発泡粒の粒径が大きく
なるので、薄肉の成形体を成形することができない上
(3mm以下の肉厚の成形は不可能)、模型表面は粗く平
滑性が劣り、その結果、鋳造品の表面の平滑性が劣るよ
うになり、美麗な鋳肌が得られがたいこと、 ・ 発泡成形品の収縮自体が大きく、時間と共に寸法が
収縮するので寸法管理が難しく、それを用いて作製する
鋳造品の寸法精度に悪影響を与えること、 ・ 成形工程が複雑であり(スチームを使用しての予備
発泡工程、熟成工程、成形工程が必須となるので装置上
も工程上もコスト高になる)、金型コスト(発泡成形圧
が高いため金型を強固に作る必要がある)も高く、これ
ら双方のコスト高により作製模型のコスト高を招くこ
と、 ・ 鋳造時の煙の発生量が多く、鋳造品の炭素残留量が
多くなること、などの解決課題を有している。
【0018】従来の技術の項において述べた特公平5−
58820号公報の方法においては、鋳造用模型の成形
用金型とは別個に砂型中子を予め加熱し(40〜90℃
に)、この加熱した砂型中子を金型内に設置してから、
金型の内面と砂型中子の外面との間に形成されたキャビ
ティで発泡性プラスチックを加熱により発泡させて消失
模型を成形するようにしており、これによりキャビティ
において発泡するプラスチックが砂型中子に熱を奪われ
ることが防止されるとしている。
58820号公報の方法においては、鋳造用模型の成形
用金型とは別個に砂型中子を予め加熱し(40〜90℃
に)、この加熱した砂型中子を金型内に設置してから、
金型の内面と砂型中子の外面との間に形成されたキャビ
ティで発泡性プラスチックを加熱により発泡させて消失
模型を成形するようにしており、これによりキャビティ
において発泡するプラスチックが砂型中子に熱を奪われ
ることが防止されるとしている。
【0019】しかしながら、発泡成形時には110〜1
20℃の過熱蒸気をキャビティに吹き込み、この蒸気に
より発泡性プラスチックを発泡させる手段がとられると
ころ、特に砂型中子により冷却されまたは砂型中子に疎
水性皮膜が覆われてない場合、蒸気がポーラスな砂型中
子に浸透する際、砂型の温度は90℃以下であるため浸
透した蒸気が冷却されて水となり、この水が発泡スチロ
ールの発泡条件を著しく阻害するため、砂型中子表面近
くの発泡スチロールの発泡が難しくなる。殊に3〜5mm
程度の薄肉品の場合にはキャビティ内の発泡プラスチッ
クの品質の確保が難しくなる。この欠陥を是正するため
砂型中子温度を高目(90℃程度またはそれ以上)に加
熱すると、今度は予備発泡品を金型内に充填する際に、
蒸気加熱以前に砂型中子により過熱されて必要な品質が
得られなくなる。そのため、厚肉の消失模型の品質確保
は可能であっても、薄肉部を含む消失模型の品質確保は
難しい。
20℃の過熱蒸気をキャビティに吹き込み、この蒸気に
より発泡性プラスチックを発泡させる手段がとられると
ころ、特に砂型中子により冷却されまたは砂型中子に疎
水性皮膜が覆われてない場合、蒸気がポーラスな砂型中
子に浸透する際、砂型の温度は90℃以下であるため浸
透した蒸気が冷却されて水となり、この水が発泡スチロ
ールの発泡条件を著しく阻害するため、砂型中子表面近
くの発泡スチロールの発泡が難しくなる。殊に3〜5mm
程度の薄肉品の場合にはキャビティ内の発泡プラスチッ
クの品質の確保が難しくなる。この欠陥を是正するため
砂型中子温度を高目(90℃程度またはそれ以上)に加
熱すると、今度は予備発泡品を金型内に充填する際に、
蒸気加熱以前に砂型中子により過熱されて必要な品質が
得られなくなる。そのため、厚肉の消失模型の品質確保
は可能であっても、薄肉部を含む消失模型の品質確保は
難しい。
【0020】特公平3−33051号公報においては、
消失模型の表面を疎水性皮膜で覆うことにより、金型を
冷却するときの冷却水が砂型中子に浸透することを防止
し、砂型中子の湿度が高くなることを防げている。その
ため、その実施例では発泡用スチロールをトルエンまた
はトリクロロエタンに溶かした溶液からなる塗材を砂型
中子の表面に塗布して乾燥することにより疎水性皮膜を
形成している。
消失模型の表面を疎水性皮膜で覆うことにより、金型を
冷却するときの冷却水が砂型中子に浸透することを防止
し、砂型中子の湿度が高くなることを防げている。その
ため、その実施例では発泡用スチロールをトルエンまた
はトリクロロエタンに溶かした溶液からなる塗材を砂型
中子の表面に塗布して乾燥することにより疎水性皮膜を
形成している。
【0021】ところで、一般の鋳造品の鋳造において
は、無機物を主体とした骨材を主成分としこれに少量の
無機および/または有機の粘結剤を混合した塗型材を使
用しており、ガスの発生量も少なく、鋳造欠陥の発生が
少ない。しかるに、上記のように疎水性皮膜で砂型中子
を覆うと、鋳造条件が特別に限定された条件でないと良
質な鋳造品が得られないことが多い。すなわち、疎水性
皮膜で砂型中子を覆うことは、利点と同時に、今まで確
立している鋳造条件を変更しなければならないという不
利を伴ない、総合的に見た場合に必ずしもプラスとなら
ない。
は、無機物を主体とした骨材を主成分としこれに少量の
無機および/または有機の粘結剤を混合した塗型材を使
用しており、ガスの発生量も少なく、鋳造欠陥の発生が
少ない。しかるに、上記のように疎水性皮膜で砂型中子
を覆うと、鋳造条件が特別に限定された条件でないと良
質な鋳造品が得られないことが多い。すなわち、疎水性
皮膜で砂型中子を覆うことは、利点と同時に、今まで確
立している鋳造条件を変更しなければならないという不
利を伴ない、総合的に見た場合に必ずしもプラスとなら
ない。
【0022】本発明は、このような背景下において、砂
型中子を内包した消失模型を製造する際に、砂型中子を
加熱することもなく、疎水性皮膜で砂型中子を覆う必要
もなく、現在一般に使用されている砂型中子をそのまま
金型内に入れて円滑に砂型中子を内包した消失模型を得
ることができ、さらには今まで確立している鋳造条件を
変更することなく鋳造を行うことができ、しかも品質の
すぐれた鋳造製品を得ることのできる技術を提供するこ
とを目的とするものである。
型中子を内包した消失模型を製造する際に、砂型中子を
加熱することもなく、疎水性皮膜で砂型中子を覆う必要
もなく、現在一般に使用されている砂型中子をそのまま
金型内に入れて円滑に砂型中子を内包した消失模型を得
ることができ、さらには今まで確立している鋳造条件を
変更することなく鋳造を行うことができ、しかも品質の
すぐれた鋳造製品を得ることのできる技術を提供するこ
とを目的とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の鋳造用消失模型
は、発泡剤を内包しかつ熱可塑性樹脂を外殻成分とする
重量平均粒径1〜200μm の熱膨張性微小球(a')また
は/およびその予備膨張体(a")を型内で膨張させると共
に相互に融着させた構造を有する熱可塑性樹脂膨張中空
微小球(a) の融着成形体(A) の内部に、砂型中子(B) が
内包された構造を有するものである。
は、発泡剤を内包しかつ熱可塑性樹脂を外殻成分とする
重量平均粒径1〜200μm の熱膨張性微小球(a')また
は/およびその予備膨張体(a")を型内で膨張させると共
に相互に融着させた構造を有する熱可塑性樹脂膨張中空
微小球(a) の融着成形体(A) の内部に、砂型中子(B) が
内包された構造を有するものである。
【0024】本発明の鋳造用消失模型の製造法は、金型
内部に砂型中子(B) を配置し、金型内面と砂型中子(B)
外面との間の間隙に、発泡剤を内包しかつ熱可塑性樹脂
を外殻成分とする重量平均粒径1〜200μm の熱膨張
性微小球(a')または/およびその予備膨張体(a")を投入
した後、それを加熱膨張させると共に相互に融着させる
ことにより、熱可塑性樹脂膨張中空微小球(a) の融着成
形体(A) の内部に砂型中子(B) が内包された構造を有す
る鋳造用消失模型を得ることを特徴とするものである。
内部に砂型中子(B) を配置し、金型内面と砂型中子(B)
外面との間の間隙に、発泡剤を内包しかつ熱可塑性樹脂
を外殻成分とする重量平均粒径1〜200μm の熱膨張
性微小球(a')または/およびその予備膨張体(a")を投入
した後、それを加熱膨張させると共に相互に融着させる
ことにより、熱可塑性樹脂膨張中空微小球(a) の融着成
形体(A) の内部に砂型中子(B) が内包された構造を有す
る鋳造用消失模型を得ることを特徴とするものである。
【0025】本発明の鋳造方法は、上記の消失模型、す
なわち、発泡剤を内包しかつ熱可塑性樹脂を外殻成分と
する重量平均粒径1〜200μm の熱膨張性微小球(a')
または/およびその予備膨張体(a")を型内で膨張させる
と共に相互に融着させた構造を有する熱可塑性樹脂膨張
中空微小球(a) の融着成形体(A) の内部に、砂型中子
(B) が内包された構造を有する鋳造用消失模型を用い、
該消失模型を鋳物砂中に配置した状態でその消失模型に
対して金属溶湯を注湯することにより、内部に中空部分
を有する鋳造製品を得ることを特徴とするものである。
なわち、発泡剤を内包しかつ熱可塑性樹脂を外殻成分と
する重量平均粒径1〜200μm の熱膨張性微小球(a')
または/およびその予備膨張体(a")を型内で膨張させる
と共に相互に融着させた構造を有する熱可塑性樹脂膨張
中空微小球(a) の融着成形体(A) の内部に、砂型中子
(B) が内包された構造を有する鋳造用消失模型を用い、
該消失模型を鋳物砂中に配置した状態でその消失模型に
対して金属溶湯を注湯することにより、内部に中空部分
を有する鋳造製品を得ることを特徴とするものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0027】熱膨張性微小球(a')としては、発泡剤を内
包しかつ熱可塑性樹脂を外殻成分とする熱膨張性を有す
る微小球が用いられる。
包しかつ熱可塑性樹脂を外殻成分とする熱膨張性を有す
る微小球が用いられる。
【0028】ここで熱可塑性合成樹脂としては、(メ
タ)アクリロニトリル、(メタ)アクリレート系モノマ
ー、スチレン系モノマー、ハロゲン化ビニル、ハロゲン
化ビニリデン、酢酸ビニル、ブタジエン、ビニルピリジ
ン、クロロプレンなどのモノマーを(共)重合させて得
られる重合体があげられ、さらに他のコモノマーや架橋
剤(ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、アリル(メタ)アクリレート、トリアクリルホ
ルマール、トリアリルイソシアヌレート等)を含んでい
てもよい。これらの中では、メチルメタクリレート−ア
クリロニトリル共重合体が特に重要である。
タ)アクリロニトリル、(メタ)アクリレート系モノマ
ー、スチレン系モノマー、ハロゲン化ビニル、ハロゲン
化ビニリデン、酢酸ビニル、ブタジエン、ビニルピリジ
ン、クロロプレンなどのモノマーを(共)重合させて得
られる重合体があげられ、さらに他のコモノマーや架橋
剤(ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、アリル(メタ)アクリレート、トリアクリルホ
ルマール、トリアリルイソシアヌレート等)を含んでい
てもよい。これらの中では、メチルメタクリレート−ア
クリロニトリル共重合体が特に重要である。
【0029】微小球に熱膨張性を付与するための発泡剤
(膨張剤)としては、たとえば、n−ペンタン、イソペ
ンタン、ネオペンタン、ブタン、イソブタン、ヘキサ
ン、石油エーテルの如き炭化水素類、塩化メチル、塩化
メチレン、ジクロロエチレン、トリクロロエタン、トリ
クロルエチレンの如き塩素化炭化水素類、トリクロロフ
ルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、ジクロロフル
オロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、トリクロロ
トリフルオロエタン、ジクロロペンタフルオロプロパン
の如き特定フレオン類や代替フレオン類などがあげられ
るが、これらに限られるものではない。
(膨張剤)としては、たとえば、n−ペンタン、イソペ
ンタン、ネオペンタン、ブタン、イソブタン、ヘキサ
ン、石油エーテルの如き炭化水素類、塩化メチル、塩化
メチレン、ジクロロエチレン、トリクロロエタン、トリ
クロルエチレンの如き塩素化炭化水素類、トリクロロフ
ルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、ジクロロフル
オロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、トリクロロ
トリフルオロエタン、ジクロロペンタフルオロプロパン
の如き特定フレオン類や代替フレオン類などがあげられ
るが、これらに限られるものではない。
【0030】熱膨張性微小球(a')の重量平均粒径は、1
〜200μm 、好ましくは3〜100μm 、さらに好ま
しくは5〜50μm の範囲から選ばれ、この範囲におい
て本発明の目的に最適の表面特性、硬度、強度を有する
消失模型が得られる。熱膨張性微小球(a')に占める発泡
剤(膨張剤)の割合は、たとえば5〜30重量%程度が
適当である。
〜200μm 、好ましくは3〜100μm 、さらに好ま
しくは5〜50μm の範囲から選ばれ、この範囲におい
て本発明の目的に最適の表面特性、硬度、強度を有する
消失模型が得られる。熱膨張性微小球(a')に占める発泡
剤(膨張剤)の割合は、たとえば5〜30重量%程度が
適当である。
【0031】消失模型を製造するにあたっては、金型内
部に砂型中子(B) を配置し、金型内面と砂型中子(B) 外
面との間の間隙に、上述の熱膨張性微小球(a')を投入し
た後、適当な加熱炉内で加熱するだけでよく、これによ
りその熱膨張性微小球(a')が加熱膨張すると共に相互に
融着した熱可塑性樹脂膨張中空微小球(a) の融着成形体
(A) の内部に砂型中子(B) が内包された構造を有する消
失模型が一挙に得られるので、あとは冷却後にそれを取
り出せばよい。砂型中子(B) が内包された融着成形体
(A) からなる消失模型の形成後、これを不活性ガス雰囲
気下におき、内部のガスの少なくとも一部を不活性ガス
と置換することもできる。
部に砂型中子(B) を配置し、金型内面と砂型中子(B) 外
面との間の間隙に、上述の熱膨張性微小球(a')を投入し
た後、適当な加熱炉内で加熱するだけでよく、これによ
りその熱膨張性微小球(a')が加熱膨張すると共に相互に
融着した熱可塑性樹脂膨張中空微小球(a) の融着成形体
(A) の内部に砂型中子(B) が内包された構造を有する消
失模型が一挙に得られるので、あとは冷却後にそれを取
り出せばよい。砂型中子(B) が内包された融着成形体
(A) からなる消失模型の形成後、これを不活性ガス雰囲
気下におき、内部のガスの少なくとも一部を不活性ガス
と置換することもできる。
【0032】上記の加熱膨張は、本発明においては非ス
チーム加熱により行う。従来はスチーム加熱を必須とし
ていたため、砂型中子(B) に蒸気が浸透して薄肉品の場
合消失模型の品質確保が難しくなり、またそれを避ける
ため砂型中子(B) の表面を疎水性皮膜で覆う工夫を行う
と、今度は従来の鋳造条件をそのまま適用することが困
難になるという不利があったが、非スチーム加熱によれ
ばそのような問題点が一挙に解消される。
チーム加熱により行う。従来はスチーム加熱を必須とし
ていたため、砂型中子(B) に蒸気が浸透して薄肉品の場
合消失模型の品質確保が難しくなり、またそれを避ける
ため砂型中子(B) の表面を疎水性皮膜で覆う工夫を行う
と、今度は従来の鋳造条件をそのまま適用することが困
難になるという不利があったが、非スチーム加熱によれ
ばそのような問題点が一挙に解消される。
【0033】上記の熱膨張性微小球(a')を見掛け密度3
0〜100kg/cm3に膨張させて予備膨張体(a")としてか
ら、上記と同様に金型内面と砂型中子(B) 外面との間の
間隙に投入し、加熱する方法を採用することもできる。
予備膨張体(a")は、個別の粒子状であってもよく、場合
によってはブロック状であってもよい。この方法は、模
型の形状が複雑な場合にも対処しうる。同様に、熱膨張
性微小球(a')とその予備膨張体(a")との混合物を金型内
面と砂型中子(B) 外面との間の間隙に投入して、加熱す
る方法を採用することもできる。
0〜100kg/cm3に膨張させて予備膨張体(a")としてか
ら、上記と同様に金型内面と砂型中子(B) 外面との間の
間隙に投入し、加熱する方法を採用することもできる。
予備膨張体(a")は、個別の粒子状であってもよく、場合
によってはブロック状であってもよい。この方法は、模
型の形状が複雑な場合にも対処しうる。同様に、熱膨張
性微小球(a')とその予備膨張体(a")との混合物を金型内
面と砂型中子(B) 外面との間の間隙に投入して、加熱す
る方法を採用することもできる。
【0034】なお、熱膨張性微小球(a')やその予備膨張
体(a")は、界面活性剤などの帯電防止剤で表面処理して
おくこともできる。
体(a")は、界面活性剤などの帯電防止剤で表面処理して
おくこともできる。
【0035】膨張成形圧は熱膨張性微小球(a')(または
/およびその予備膨張体(a"))の膨張により生ずるもの
であるので低く、従って金型は薄くてもよく(板金や溶
射によっても作製することができる)、金型締付クラン
プも強力なものは要しない。金型が薄いことは、伝熱の
点でも好都合となる。金型のベント孔の数および径は、
熱膨張性微小球(a')(または/およびその予備膨張体
(a"))の膨張に伴なう金型内の雰囲気を逃がす程度で充
分である。
/およびその予備膨張体(a"))の膨張により生ずるもの
であるので低く、従って金型は薄くてもよく(板金や溶
射によっても作製することができる)、金型締付クラン
プも強力なものは要しない。金型が薄いことは、伝熱の
点でも好都合となる。金型のベント孔の数および径は、
熱膨張性微小球(a')(または/およびその予備膨張体
(a"))の膨張に伴なう金型内の雰囲気を逃がす程度で充
分である。
【0036】融着成形体(A) の見掛け密度は、20〜5
0kg/m3 、好ましくは20〜45kg/m3 、殊に25〜3
5kg/m3 に設定することが望ましく、そのように設定す
ることによって本発明の目的に最適の強度、硬度、表面
特性が得られる。このときの膨張中空微小球(a) の平均
粒径は、型に制約されるので、5〜300μm 程度、通
常は10〜200μm 程度、典型的には50±20μm
程度となる。従来の発泡ポリスチレンの発泡後の粒径は
最小でも1mm程度となるので、上記の膨張中空微小球
(a) の粒径は極めて小さいものである。そしてこのよう
に融着成形体(A)からなる消失模型を構成する膨張中空
微小球(a) の粒径が極めて小さいので、表面は平滑であ
り、従って鋳造後の鋳造製品の鋳肌も極めて好ましいも
のとなる。
0kg/m3 、好ましくは20〜45kg/m3 、殊に25〜3
5kg/m3 に設定することが望ましく、そのように設定す
ることによって本発明の目的に最適の強度、硬度、表面
特性が得られる。このときの膨張中空微小球(a) の平均
粒径は、型に制約されるので、5〜300μm 程度、通
常は10〜200μm 程度、典型的には50±20μm
程度となる。従来の発泡ポリスチレンの発泡後の粒径は
最小でも1mm程度となるので、上記の膨張中空微小球
(a) の粒径は極めて小さいものである。そしてこのよう
に融着成形体(A)からなる消失模型を構成する膨張中空
微小球(a) の粒径が極めて小さいので、表面は平滑であ
り、従って鋳造後の鋳造製品の鋳肌も極めて好ましいも
のとなる。
【0037】金型内面と砂型中子(B) 外面との間の間隙
にはそのスペースに比し少量の体積の熱膨張性微小球
(a')(または/およびその予備膨張体(a"))を充填して
加熱膨張させるので、間隙の形状によっては膨張時にブ
ロッキングを起こし、見掛け密度が均一とならない融着
成形体(A) が得られることがある。そこでそのようなト
ラブルを避けるために、型内の表面を易滑性処理してお
いたり、熱膨張性微小球(a')やその予備膨張体(a")に易
滑性物質の微粉を少量添加したりするような工夫を必要
に応じ講じることもできる。
にはそのスペースに比し少量の体積の熱膨張性微小球
(a')(または/およびその予備膨張体(a"))を充填して
加熱膨張させるので、間隙の形状によっては膨張時にブ
ロッキングを起こし、見掛け密度が均一とならない融着
成形体(A) が得られることがある。そこでそのようなト
ラブルを避けるために、型内の表面を易滑性処理してお
いたり、熱膨張性微小球(a')やその予備膨張体(a")に易
滑性物質の微粉を少量添加したりするような工夫を必要
に応じ講じることもできる。
【0038】このようにして得た砂型中子(B) が内包さ
れた熱可塑性樹脂膨張中空微小球(a) の融着成形体(A)
を鋳造用消失模型として用い、常法により鋳造製品を製
造する。すなわち、典型的には、この消失模型の表面に
通気性のある耐火物(水溶性鋳造用塗型)を被覆してか
ら乾燥した鋳型を鋳枠中に入れ、湯口・湯道を取り付け
た後、粘結性のない乾燥した珪砂等の鋳物砂を入れ、振
動造型により固く充填する。鋳枠は大気または必要に応
じて真空に保持された状態に保っておき、湯口より金属
溶湯を注入する。
れた熱可塑性樹脂膨張中空微小球(a) の融着成形体(A)
を鋳造用消失模型として用い、常法により鋳造製品を製
造する。すなわち、典型的には、この消失模型の表面に
通気性のある耐火物(水溶性鋳造用塗型)を被覆してか
ら乾燥した鋳型を鋳枠中に入れ、湯口・湯道を取り付け
た後、粘結性のない乾燥した珪砂等の鋳物砂を入れ、振
動造型により固く充填する。鋳枠は大気または必要に応
じて真空に保持された状態に保っておき、湯口より金属
溶湯を注入する。
【0039】〈作用〉本発明において使用する熱膨張性
微小球(a')は、アンエクスパンデド・マイクロスフェア
(Unexpanded microspheres) 、それが膨張した熱可塑性
樹脂膨張中空微小球(a) はエクスパンデド・マイクロス
フェア(Expanded microspheres) であり、微小なゴムボ
ールをイメージするバルーンである。ちなみに従来汎用
されているポリスチレン発泡体は多泡構造の発泡体であ
る。
微小球(a')は、アンエクスパンデド・マイクロスフェア
(Unexpanded microspheres) 、それが膨張した熱可塑性
樹脂膨張中空微小球(a) はエクスパンデド・マイクロス
フェア(Expanded microspheres) であり、微小なゴムボ
ールをイメージするバルーンである。ちなみに従来汎用
されているポリスチレン発泡体は多泡構造の発泡体であ
る。
【0040】本発明の消失模型は、上記の熱膨張性微小
球(a')または/およびその予備膨張体(a")が膨張した熱
可塑性樹脂膨張中空微小球(a) が相互に融着した融着成
形体(A) の内部に砂型中子(B) が内包された構造を有す
るので、従来のポリスチレン発泡体製の消失模型に比
し、表面平滑性が比較にならないほどすぐれており、ま
た成形コストや金型コストの点で有利である。従って、
この表面平滑性のすぐれた消失模型を使用して注湯を行
うと、従来の消失模型鋳造法では実現できなかった良質
の鋳造品が得られる。
球(a')または/およびその予備膨張体(a")が膨張した熱
可塑性樹脂膨張中空微小球(a) が相互に融着した融着成
形体(A) の内部に砂型中子(B) が内包された構造を有す
るので、従来のポリスチレン発泡体製の消失模型に比
し、表面平滑性が比較にならないほどすぐれており、ま
た成形コストや金型コストの点で有利である。従って、
この表面平滑性のすぐれた消失模型を使用して注湯を行
うと、従来の消失模型鋳造法では実現できなかった良質
の鋳造品が得られる。
【0041】加えて、砂型中子を製造する際に砂型中子
を加熱することもなく、疎水性皮膜で砂型中子を覆う必
要もなく、現在一般に使用されている砂型中子をそのま
まの条件で金型内に入れて砂型中子を内包した消失模型
を製造することができる。
を加熱することもなく、疎水性皮膜で砂型中子を覆う必
要もなく、現在一般に使用されている砂型中子をそのま
まの条件で金型内に入れて砂型中子を内包した消失模型
を製造することができる。
【0042】本発明の消失模型および鋳造品を従来のポ
リスチレン発泡体(PSt)製の消失模型および鋳造品
と対比すると、次の表1のようになる。
リスチレン発泡体(PSt)製の消失模型および鋳造品
と対比すると、次の表1のようになる。
【0043】
【表1】 本発明の消失模型 PSt 製の消失模型 膨張または発泡前の粒子 保存性 1年以上 1〜3ケ月 粒径 典型的には20μm 最小で300μm 消失模型 泡構造 バルーン 多泡体 表面平滑性 極めて平滑 肉眼でも粗 膨張または発泡粒子径 典型的には50μm 最小で約1mm 曲げ強度、表面硬度 共に良好 共にほぼ良好 消失模型の成形 予備膨張・発泡工程 必須でない 必須 サイロ内での熟成 不要 必須 膨張または発泡成形圧 低い 高い 金型 薄いもので可、板金や 肉厚のアルミ金型、コ 溶射品で可、コスト小 スト大 金型締付クランプ 強力でなくてよい 強力なものを要す ベントホール 最小の数、径でよい 多数を要す 装置・成形コスト 小 大 蒸気による加熱 要しない 必須 砂型中子への蒸気浸透 蒸気加熱を要しない 不可避 疎水性樹脂皮膜の形成 不要 あった方が好ましい 鋳造、鋳造品 鋳造条件の変更 常法の条件で可 被膜設置時は変更要す 鋳造時の煙の発生 中程度 発生量大 表面平滑性および鋳肌 平滑で極めて美麗 劣る
【0044】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「部」とあるのは重量部である。
る。以下「部」とあるのは重量部である。
【0045】実施例1 熱膨張性微小球(a')として、スウェーデンのエクスパン
セル社が製造し、日本フイライト株式会社が販売する
「エクスパンセル053DU」を準備した。この「エク
スパンセル053DU」は、炭化水素系(イソブタン)
発泡剤(膨張剤)を内包し、メチルメタクリレート−ア
クリロニトリル共重合体を外殻成分とする真円の熱膨張
性微小球であり、重量平均粒径は約21±3μm 、真密
度は 1.3kg/l、膨張開始温度は約105℃、最大膨張温
度は約152℃である。
セル社が製造し、日本フイライト株式会社が販売する
「エクスパンセル053DU」を準備した。この「エク
スパンセル053DU」は、炭化水素系(イソブタン)
発泡剤(膨張剤)を内包し、メチルメタクリレート−ア
クリロニトリル共重合体を外殻成分とする真円の熱膨張
性微小球であり、重量平均粒径は約21±3μm 、真密
度は 1.3kg/l、膨張開始温度は約105℃、最大膨張温
度は約152℃である。
【0046】鋳造用原料砂(内外セラミックス株式会社
製の「セラビーズ#750」)100部に対し、フラン
樹脂(神戸理化学株式会社製の「K−55W2」) 1.2
部、フラン樹脂硬化剤(神戸理化学株式会社製の「14
0C」) 0.5部を混練機を使用して1分間混練後、中子
の所定寸法に応じて製作された中子箱に混練砂を充填
し、約20℃で24時間大気中に放置し、圧縮強度30
kg/cm2の砂型中子(B) を得た。
製の「セラビーズ#750」)100部に対し、フラン
樹脂(神戸理化学株式会社製の「K−55W2」) 1.2
部、フラン樹脂硬化剤(神戸理化学株式会社製の「14
0C」) 0.5部を混練機を使用して1分間混練後、中子
の所定寸法に応じて製作された中子箱に混練砂を充填
し、約20℃で24時間大気中に放置し、圧縮強度30
kg/cm2の砂型中子(B) を得た。
【0047】この砂型中子(B) を、必要に応じ内面に易
滑性処理を施した金型の内部にセットした後、上記の熱
膨張性微小球(a')を金型内面と砂型中子(B) 外面とで形
成される3〜10mmの間隙からなるキャビティに投入し
た後、温度145℃の炉内において、型表面温度が14
0℃に保つ条件で20分間加熱を行って膨張させてから
放冷し、型から取り出した。これにより、熱膨張性微小
球(a')が膨張した熱可塑性樹脂膨張中空微小球(a) が相
互に融着した融着成形体(A) の内部に砂型中子(B) が内
包された構造を有する表面平滑性のすぐれた消失模型が
得られた。融着成形体(A) の見掛け密度は30kg/m3 で
あった。
滑性処理を施した金型の内部にセットした後、上記の熱
膨張性微小球(a')を金型内面と砂型中子(B) 外面とで形
成される3〜10mmの間隙からなるキャビティに投入し
た後、温度145℃の炉内において、型表面温度が14
0℃に保つ条件で20分間加熱を行って膨張させてから
放冷し、型から取り出した。これにより、熱膨張性微小
球(a')が膨張した熱可塑性樹脂膨張中空微小球(a) が相
互に融着した融着成形体(A) の内部に砂型中子(B) が内
包された構造を有する表面平滑性のすぐれた消失模型が
得られた。融着成形体(A) の見掛け密度は30kg/m3 で
あった。
【0048】この消失模型の表面に水溶性鋳造用塗型
(神戸理化学株式会社製の「エピコK−127」)を塗
布、乾燥してから、鋳枠中に入れ、湯口・湯道を付けた
後、周辺に鋳物砂(オーストラリア産フリマントル5号
砂)を入れた。ついで振動造型機(太洋鋳機株式会社製
の「NCP−3」)を使用して、鋳枠内の鋳物砂を強固
に充填した。
(神戸理化学株式会社製の「エピコK−127」)を塗
布、乾燥してから、鋳枠中に入れ、湯口・湯道を付けた
後、周辺に鋳物砂(オーストラリア産フリマントル5号
砂)を入れた。ついで振動造型機(太洋鋳機株式会社製
の「NCP−3」)を使用して、鋳枠内の鋳物砂を強固
に充填した。
【0049】このようにして準備した鋳枠の上部をフィ
ルムで覆った状態で、真空引きして鋳枠内を300mmHg
の真空圧に保ちながら、FC200の鋳鉄溶湯を140
0℃で注湯した。冷却後、解枠を行い、目的とする鋳造
品を得た。得られた鋳造品は良質で、その表面は平滑で
あり、極めて美麗であった。また砂型中子(B) により中
抜きされた部分の表面は塗型を塗布しないにもかかわら
ず美麗であり、鋳造欠陥が認められなかった。
ルムで覆った状態で、真空引きして鋳枠内を300mmHg
の真空圧に保ちながら、FC200の鋳鉄溶湯を140
0℃で注湯した。冷却後、解枠を行い、目的とする鋳造
品を得た。得られた鋳造品は良質で、その表面は平滑で
あり、極めて美麗であった。また砂型中子(B) により中
抜きされた部分の表面は塗型を塗布しないにもかかわら
ず美麗であり、鋳造欠陥が認められなかった。
【0050】比較例1 従来より汎用されている見掛け密度35kg/m3 のポリス
チレン発泡体に砂型中子を内包させた消失鋳型を準備し
た。この消失鋳型は、発泡性ポリスチレンビーズをスチ
ームにより予備発泡後、サイロ内で1日かけて熟成し、
実施例1と同じ方法で作製したフラン樹脂砂型中子の表
面に、発泡スチロールをトルエンに溶解した溶液を塗
布、乾燥して疎水性皮膜で覆った後、50℃に加熱後、
直ちに金型に収め、金型の砂型中子との間のキャビティ
に上記の予備発泡粒を充填の後、正規の条件で上記加熱
後、水冷して金型より取り出したものである。
チレン発泡体に砂型中子を内包させた消失鋳型を準備し
た。この消失鋳型は、発泡性ポリスチレンビーズをスチ
ームにより予備発泡後、サイロ内で1日かけて熟成し、
実施例1と同じ方法で作製したフラン樹脂砂型中子の表
面に、発泡スチロールをトルエンに溶解した溶液を塗
布、乾燥して疎水性皮膜で覆った後、50℃に加熱後、
直ちに金型に収め、金型の砂型中子との間のキャビティ
に上記の予備発泡粒を充填の後、正規の条件で上記加熱
後、水冷して金型より取り出したものである。
【0051】上記の消失鋳型を用いたほかは、実施例1
と同様にして注湯を行い、鋳造製品を得た。得られた鋳
造製品の表面は、肉眼で見ても粗であった。鋳造製品の
5〜10mm程度の肉厚部分の表面はまずまずであった
が、3〜5mmの薄肉部分は、金型内の発泡が不充分のた
め発泡粒が完全に融着せず発泡粒間に空隙があるため
か、鋳肌は著しく見劣りがした。
と同様にして注湯を行い、鋳造製品を得た。得られた鋳
造製品の表面は、肉眼で見ても粗であった。鋳造製品の
5〜10mm程度の肉厚部分の表面はまずまずであった
が、3〜5mmの薄肉部分は、金型内の発泡が不充分のた
め発泡粒が完全に融着せず発泡粒間に空隙があるため
か、鋳肌は著しく見劣りがした。
【0052】なお実施例1の場合は、消失模型を作製す
る場合、薄い金型を使用し、表面よりの熱伝導により粒
子相互が癒着するため表面は美麗であるが、比較例1の
場合はキャビティ内部の蒸気の浸透と加熱により発泡す
るため、砂型中子の熱的な影響を受けやすく、このよう
な大きな差が出たものと考えられる。
る場合、薄い金型を使用し、表面よりの熱伝導により粒
子相互が癒着するため表面は美麗であるが、比較例1の
場合はキャビティ内部の蒸気の浸透と加熱により発泡す
るため、砂型中子の熱的な影響を受けやすく、このよう
な大きな差が出たものと考えられる。
【0053】〈結果〉実施例1および比較例1の結果を
表2に示す。模型製作コスト、寸法精度および炭素残渣
の欄の評価E,G,Oは、比較例1の場合をO(ordinar
y)とし、それよりも良好または有利であるときをG(goo
d)、それよりも格段に良好または有利であるときをE(e
xcellent) と評価したものである。なお実施例1の鋳造
品の最大粗さRt は、ロストワックス法により得られる
鋳造品の最大粗さと同程度である。
表2に示す。模型製作コスト、寸法精度および炭素残渣
の欄の評価E,G,Oは、比較例1の場合をO(ordinar
y)とし、それよりも良好または有利であるときをG(goo
d)、それよりも格段に良好または有利であるときをE(e
xcellent) と評価したものである。なお実施例1の鋳造
品の最大粗さRt は、ロストワックス法により得られる
鋳造品の最大粗さと同程度である。
【0054】
【表2】 実施例1 比較例1 原料 保存可能期間 1年以上 1〜3ケ月 重量平均粒径 (μm) 21 400 消失模型 泡構造 バルーン 多泡体 見掛け密度 (kg/m3) 30 35 曲げ強度 (kg/cm2) 4.0 4.0 表面粗さ (S) 12 90 薄肉部分肉厚 (mm) 0.5 3 以下不可 金型と砂型中子間の E O(不良) 薄肉部分の品質 収縮率 (%/month) 0.05 0.7〜0.8 模型製作コスト G O 鋳造製品 寸法精度 E O 表面粗さ (S) 12 75 薄肉部分肉厚 (mm) 0.5 3 以下不可 金型と砂型中子間の E O 薄肉部分の品質 炭素残渣 G O
【0055】実施例2 実施例1で用いた熱膨張性微小球(a')を電気加熱炉内で
温度130℃で加熱膨張させ、見掛け密度50kg/cm3、
重量平均粒径約55μm の予備膨張体(a")となした。こ
の予備膨張体(a")を熱膨張性微小球(a')に代えて用いた
ほかは実施例1を繰り返して消失模型を得、さらに実施
例1と同様にして鋳造製品を製造したところ、実施例1
の場合と同様の良好な結果が得られた。
温度130℃で加熱膨張させ、見掛け密度50kg/cm3、
重量平均粒径約55μm の予備膨張体(a")となした。こ
の予備膨張体(a")を熱膨張性微小球(a')に代えて用いた
ほかは実施例1を繰り返して消失模型を得、さらに実施
例1と同様にして鋳造製品を製造したところ、実施例1
の場合と同様の良好な結果が得られた。
【0056】
【発明の効果】本発明においては、砂型中子を内包した
消失模型を製造する際に、砂型中子を加熱することもな
く、疎水性皮膜で砂型中子を覆う必要もなく、現在一般
に使用されている砂型中子をそのまま金型内に入れて円
滑に砂型中子を内包した消失模型を得ることができ、さ
らには今まで確立している鋳造条件を変更することなく
鋳造を行うことができ、しかも品質がすぐれている内部
に中空部分を有する鋳造製品を得ることができる。
消失模型を製造する際に、砂型中子を加熱することもな
く、疎水性皮膜で砂型中子を覆う必要もなく、現在一般
に使用されている砂型中子をそのまま金型内に入れて円
滑に砂型中子を内包した消失模型を得ることができ、さ
らには今まで確立している鋳造条件を変更することなく
鋳造を行うことができ、しかも品質がすぐれている内部
に中空部分を有する鋳造製品を得ることができる。
【0057】そして本発明にあっては、成形工程が簡素
化される上、成形圧が低いので、装置コスト、金型コス
トおよび成形操作の点で有利であり、従って模型のコス
トの低減が図られる。また原料粒子の粒径が極めて小さ
いので、薄肉の模型も容易に成形することができる上、
模型表面の平滑性が良好であり、かつ鋳造品の表面の平
滑性も良好で、美麗な鋳肌が得られる。そのほか、模型
の収縮が小さいため寸法管理が容易でありかつ鋳造品の
寸法精度が良好であること、原料粒子の保管性が良好で
あること、鋳造時の煙の発生量も低減することなどの利
点もある。
化される上、成形圧が低いので、装置コスト、金型コス
トおよび成形操作の点で有利であり、従って模型のコス
トの低減が図られる。また原料粒子の粒径が極めて小さ
いので、薄肉の模型も容易に成形することができる上、
模型表面の平滑性が良好であり、かつ鋳造品の表面の平
滑性も良好で、美麗な鋳肌が得られる。そのほか、模型
の収縮が小さいため寸法管理が容易でありかつ鋳造品の
寸法精度が良好であること、原料粒子の保管性が良好で
あること、鋳造時の煙の発生量も低減することなどの利
点もある。
Claims (5)
- 【請求項1】発泡剤を内包しかつ熱可塑性樹脂を外殻成
分とする重量平均粒径1〜200μm の熱膨張性微小球
(a')または/およびその予備膨張体(a")を型内で膨張さ
せると共に相互に融着させた構造を有する熱可塑性樹脂
膨張中空微小球(a) の融着成形体(A) の内部に、砂型中
子(B) が内包された構造を有する鋳造用消失模型。 - 【請求項2】融着成形体(A) 部分の見掛け密度が20〜
50kg/m3 である請求項1記載の鋳造用消失模型。 - 【請求項3】金型内部に砂型中子(B) を配置し、金型内
面と砂型中子(B) 外面との間の間隙に、発泡剤を内包し
かつ熱可塑性樹脂を外殻成分とする重量平均粒径1〜2
00μm の熱膨張性微小球(a')または/およびその予備
膨張体(a")を投入した後、それを加熱膨張させると共に
相互に融着させることにより、熱可塑性樹脂膨張中空微
小球(a) の融着成形体(A) の内部に砂型中子(B) が内包
された構造を有する鋳造用消失模型を得ることを特徴と
する鋳造用消失模型の製造法。 - 【請求項4】加熱膨張を非スチーム加熱により行うこと
を特徴とする請求項3記載の製造法。 - 【請求項5】発泡剤を内包しかつ熱可塑性樹脂を外殻成
分とする重量平均粒径1〜200μm の熱膨張性微小球
(a')または/およびその予備膨張体(a")を型内で膨張さ
せると共に相互に融着させた構造を有する熱可塑性樹脂
膨張中空微小球(a) の融着成形体(A) の内部に、砂型中
子(B) が内包された構造を有する鋳造用消失模型を用
い、該消失模型を鋳物砂中に配置した状態でその消失模
型に対して金属溶湯を注湯することにより、内部に中空
部分を有する鋳造製品を得ることを特徴とする鋳造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35352395A JPH09182935A (ja) | 1995-12-29 | 1995-12-29 | 鋳造用消失模型、その製造法、および鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35352395A JPH09182935A (ja) | 1995-12-29 | 1995-12-29 | 鋳造用消失模型、その製造法、および鋳造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09182935A true JPH09182935A (ja) | 1997-07-15 |
Family
ID=18431418
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35352395A Pending JPH09182935A (ja) | 1995-12-29 | 1995-12-29 | 鋳造用消失模型、その製造法、および鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09182935A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102672101A (zh) * | 2012-04-23 | 2012-09-19 | 马鞍山市海天重工科技发展有限公司 | 一种大型磨机空心球的消失模铸造工艺 |
-
1995
- 1995-12-29 JP JP35352395A patent/JPH09182935A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102672101A (zh) * | 2012-04-23 | 2012-09-19 | 马鞍山市海天重工科技发展有限公司 | 一种大型磨机空心球的消失模铸造工艺 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5989473A (en) | Manufacturing composite parts with integral porous components | |
US4790367A (en) | Methods for preparing a formed cellular plastic material pattern employed in metal casting | |
JPH0313057B2 (ja) | ||
JP2006500251A (ja) | 熱可塑性発泡体の層を有する部品の回転成形方法 | |
JPH09182935A (ja) | 鋳造用消失模型、その製造法、および鋳造方法 | |
JPH1110743A (ja) | 融着成形体の製造法および融着成形体製造用組成物 | |
JP3344966B2 (ja) | 押湯用スリーブの製造方法 | |
JPS6127175B2 (ja) | ||
JPH09155500A (ja) | 鋳造用消失模型およびそれを用いた鋳造方法 | |
CA1279454C (en) | Method of dimensionally stabilizing polystyrene patterns and the like | |
US5053437A (en) | Expandable and expanded plastic materials and methods for casting metal castings employing such expanded cellular plastic materials | |
US4983640A (en) | Methods for preparing a formed cellular plastic material pattern employed in metal casting | |
US5051451A (en) | Expandable and expanded plastic materials and methods for casting metal castings employing such expanded cellular plastic materials | |
CA1302647C (en) | Expandable and expanded plastic materials and methods for casting metal castings employing such expanded cellular plastic materials | |
JPH0788845A (ja) | 中空樹脂製品の成形方法及び中空樹脂製品成形用中子 | |
JP3363262B2 (ja) | 消失模型およびそれを用いた鋳造法 | |
JPH0333051B2 (ja) | ||
JP2632402B2 (ja) | 発泡性メチルメタクリレート系樹脂粒子 | |
JPH01186237A (ja) | 鋳造用消失模型 | |
JP3010315B2 (ja) | 予備発泡スチレン系樹脂粒子の製造方法 | |
JPH0780595A (ja) | 鋳造用消失性原型 | |
JPH0151528B2 (ja) | ||
JPH03103376A (ja) | 多孔質型の製造方法 | |
JPS63238141A (ja) | 予備発泡ビ−ズの製造法 | |
JPH11192535A (ja) | 押湯用スリーブの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040123 |