JPH0918217A - 携帯電話機のアンテナ装置 - Google Patents
携帯電話機のアンテナ装置Info
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- JPH0918217A JPH0918217A JP7183505A JP18350595A JPH0918217A JP H0918217 A JPH0918217 A JP H0918217A JP 7183505 A JP7183505 A JP 7183505A JP 18350595 A JP18350595 A JP 18350595A JP H0918217 A JPH0918217 A JP H0918217A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 半波長アンテナを筐体から引き出した状態及
び筐体内に収納した状態で送受信が可能な携帯電話機に
おいて、収納状態での送受信特性の改善を図る。 【構成】 収納状態で半波長アンテナ5の後端部5bが嵌
入する誘電体環7とそれを嵌着した導体環8からなる固定
環部を設け、導体環8に1/4波長相当の長さを有したワ
イヤ11を接続する。誘電体環7の容量とワイヤ11のアン
テナ特性インピーダンスの直列合成インピーダンスは半
波長アンテナ5のアンテナ特性インピーダンスと整合が
とられており、収納状態で半波長アンテナ5の後端部5b
がGND接続された場合と等価な回路を構成する。半波
長アンテナ5の後端部5bをRFユニット2のGND端子に
接続しないため、送信出力がRFユニット2のGND回
路へ回り込んで変調精度を不安定化させることを防止で
きる。
び筐体内に収納した状態で送受信が可能な携帯電話機に
おいて、収納状態での送受信特性の改善を図る。 【構成】 収納状態で半波長アンテナ5の後端部5bが嵌
入する誘電体環7とそれを嵌着した導体環8からなる固定
環部を設け、導体環8に1/4波長相当の長さを有したワ
イヤ11を接続する。誘電体環7の容量とワイヤ11のアン
テナ特性インピーダンスの直列合成インピーダンスは半
波長アンテナ5のアンテナ特性インピーダンスと整合が
とられており、収納状態で半波長アンテナ5の後端部5b
がGND接続された場合と等価な回路を構成する。半波
長アンテナ5の後端部5bをRFユニット2のGND端子に
接続しないため、送信出力がRFユニット2のGND回
路へ回り込んで変調精度を不安定化させることを防止で
きる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は携帯電話機のアンテナ装
置に係り、半波長アンテナを筐体から出し入れする方式
を採用している場合に、半波長アンテナの収納状態にお
ける送受信特性の悪化を防止し、定在波比の安定化を図
るための改善に関する。
置に係り、半波長アンテナを筐体から出し入れする方式
を採用している場合に、半波長アンテナの収納状態にお
ける送受信特性の悪化を防止し、定在波比の安定化を図
るための改善に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、移動体通信端末である携帯電
話機の普及が目覚ましいが、最近では、移動体通信サー
ビスの拡充として1995年7月1日に簡易携帯型電話(PH
S:Personal Handy-phone Systems)の開始が予定されて
おり、PHS対応の携帯電話機の開発が盛んに行われて
いる。このPHSは、従来の携帯電話と比較して、使用
する電波の出力が小さいために利用可能地域が狭い、高
速移動中に通話できない、基地局を大量に設置する必要
がある等の短所があるが、通話料金が安く、電話機自体
が小型・軽量で電池寿命も長くなり、更に64(Kbit/se
c)のディジタル方式であるためにパーソナルコンピュー
タとの高速データ通信が可能になる等の利点があり、マ
ルチメディア対応のシステムとしても注目を集めてい
る。
話機の普及が目覚ましいが、最近では、移動体通信サー
ビスの拡充として1995年7月1日に簡易携帯型電話(PH
S:Personal Handy-phone Systems)の開始が予定されて
おり、PHS対応の携帯電話機の開発が盛んに行われて
いる。このPHSは、従来の携帯電話と比較して、使用
する電波の出力が小さいために利用可能地域が狭い、高
速移動中に通話できない、基地局を大量に設置する必要
がある等の短所があるが、通話料金が安く、電話機自体
が小型・軽量で電池寿命も長くなり、更に64(Kbit/se
c)のディジタル方式であるためにパーソナルコンピュー
タとの高速データ通信が可能になる等の利点があり、マ
ルチメディア対応のシステムとしても注目を集めてい
る。
【0003】ところで、アンテナ部分の構成について
は、従来の携帯電話機でユニポール型の半波長アンテナ
を筐体から出し入れする方式が多用されているが、PH
S対応の携帯電話機においてもその方式が採用される場
合が多いと考えられる。その方式による携帯電話機のア
ンテナ装置は図5及び図6(要部断面図)に示すような構
造になっている。各図において、1は筐体、2はRFユニ
ット、3は励振回路を搭載した基板、4は基板3の励振回
路に接続された誘電体環、5は誘電体環4内を摺動する半
波長アンテナ、6は誘電体からなるガイドチューブ、7は
半波長アンテナ5の後端チップ部5bが嵌合する誘電体
環、8は誘電体環7を嵌着させた導体環であり、RFユニ
ット2の上部に設けられた出力端子が同軸ケーブル9で基
板3の励振回路に接続されていると共に、導体環8はRF
ユニット2の側部に設けられたGND端子2bに対して半
田付け等で接続固定されている。尚、RFユニット2と
基板3及びガイドチューブ6を外嵌させた誘電体環4は適
当な固定手段で筐体1内に固定されている。
は、従来の携帯電話機でユニポール型の半波長アンテナ
を筐体から出し入れする方式が多用されているが、PH
S対応の携帯電話機においてもその方式が採用される場
合が多いと考えられる。その方式による携帯電話機のア
ンテナ装置は図5及び図6(要部断面図)に示すような構
造になっている。各図において、1は筐体、2はRFユニ
ット、3は励振回路を搭載した基板、4は基板3の励振回
路に接続された誘電体環、5は誘電体環4内を摺動する半
波長アンテナ、6は誘電体からなるガイドチューブ、7は
半波長アンテナ5の後端チップ部5bが嵌合する誘電体
環、8は誘電体環7を嵌着させた導体環であり、RFユニ
ット2の上部に設けられた出力端子が同軸ケーブル9で基
板3の励振回路に接続されていると共に、導体環8はRF
ユニット2の側部に設けられたGND端子2bに対して半
田付け等で接続固定されている。尚、RFユニット2と
基板3及びガイドチューブ6を外嵌させた誘電体環4は適
当な固定手段で筐体1内に固定されている。
【0004】そして、通常は、通話時に図5のように半
波長アンテナ5を筐体1内から引き出し、非通話時には図
6のように半波長アンテナ5を筐体1内に収納しておく
が、この種の携帯電話機では収納状態においてもアンテ
ナ機能が維持されるように構成されている。即ち、図5
の状態では、半波長アンテナ5の後端チップ部5bが誘電
体環4で係止せしめられた状態で結合容量が形成され、
基板3の励振回路に対する同軸ケーブル9の接続点が給電
点となった半波長アンテナの用法で電波の送受信を行
い、図6の状態では、半波長アンテナ5の引出しチップ
部(トップローディング内蔵)5aの根元が誘電体環4と当
接すると共に後端チップ部5bが誘電体環7に嵌入するこ
とになるが、導体環8がRFユニット2のGND端子2bに
接続されているため、半波長アンテナ5に1/4波長の定
在波電流分布が生じる態様で送受信が行われる。
波長アンテナ5を筐体1内から引き出し、非通話時には図
6のように半波長アンテナ5を筐体1内に収納しておく
が、この種の携帯電話機では収納状態においてもアンテ
ナ機能が維持されるように構成されている。即ち、図5
の状態では、半波長アンテナ5の後端チップ部5bが誘電
体環4で係止せしめられた状態で結合容量が形成され、
基板3の励振回路に対する同軸ケーブル9の接続点が給電
点となった半波長アンテナの用法で電波の送受信を行
い、図6の状態では、半波長アンテナ5の引出しチップ
部(トップローディング内蔵)5aの根元が誘電体環4と当
接すると共に後端チップ部5bが誘電体環7に嵌入するこ
とになるが、導体環8がRFユニット2のGND端子2bに
接続されているため、半波長アンテナ5に1/4波長の定
在波電流分布が生じる態様で送受信が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図6の状態
では、アンテナ5にのった1/4波長の定在波電流分布が
後端部側で最大になっている。そして、その半波長アン
テナ5の後端部5bは誘電体環7が構成する容量を介してR
Fユニット2のGND端子2bに接続されているが、当然
にそのGND端子2bはRFユニット2に内蔵されている
クロック生成回路や変調回路等の共通GND回路に接続
されている。従って、アンテナ5が筐体1に収納された状
態では送信出力の一部がRFユニット2のGND回路へ
放出される。
では、アンテナ5にのった1/4波長の定在波電流分布が
後端部側で最大になっている。そして、その半波長アン
テナ5の後端部5bは誘電体環7が構成する容量を介してR
Fユニット2のGND端子2bに接続されているが、当然
にそのGND端子2bはRFユニット2に内蔵されている
クロック生成回路や変調回路等の共通GND回路に接続
されている。従って、アンテナ5が筐体1に収納された状
態では送信出力の一部がRFユニット2のGND回路へ
放出される。
【0006】その場合、RFユニット2のGND回路が
十分に大きな導体板で構成されていればよいが、一般的
にはクロック生成回路や変調回路等と共にIC構成され
た導体パターン線になっており、送信出力の一部がGN
G回路側からクロック生成回路や変調回路等に回り込ん
で変調精度等を不安定化させる要因となる。特に、ディ
ジタル通信方式を採用するPHS対応の携帯電話機にお
いては、変調精度の不安定化が送受信特性を著しく悪化
させることになり、その対策が不可欠である。
十分に大きな導体板で構成されていればよいが、一般的
にはクロック生成回路や変調回路等と共にIC構成され
た導体パターン線になっており、送信出力の一部がGN
G回路側からクロック生成回路や変調回路等に回り込ん
で変調精度等を不安定化させる要因となる。特に、ディ
ジタル通信方式を採用するPHS対応の携帯電話機にお
いては、変調精度の不安定化が送受信特性を著しく悪化
させることになり、その対策が不可欠である。
【0007】そこで、本発明は、アンテナを筐体から引
き出した状態及び筐体内に収納した状態で送受信が可能
な携帯電話機において、送信出力の一部がRFユニット
のGND回路へ回り込むことを防止し、収納状態での送
受信特性を改善させることを目的として創作された。
き出した状態及び筐体内に収納した状態で送受信が可能
な携帯電話機において、送信出力の一部がRFユニット
のGND回路へ回り込むことを防止し、収納状態での送
受信特性を改善させることを目的として創作された。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ユニポール型
の半波長アンテナが励振回路に接続された誘電体環の内
周面と摺動関係を有し、前記半波長アンテナを筐体から
引き出した状態及び筐体内に収納した状態で送受信が可
能な携帯電話機において、前記半波長アンテナの先端部
が前記誘電体環の位置まで引き込まれた収納状態で前記
半波長アンテナの後端部が位置する部分に前記半波長ア
ンテナの後端部を嵌入させる誘電体環とその誘電体環を
内部に嵌着させた導体環からなる固定環部を設けると共
にその固定環部の導体環に1/4波長に相当する長さの
導線を接続し、前記固定環部の誘電体環が前記半波長ア
ンテナと前記導体環の間に構成する容量と前記導線のア
ンテナ特性インピーダンスとの直列合成インピーダンス
を前記半波長アンテナのアンテナ特性インピーダンスと
略整合させたことを特徴とする携帯電話機のアンテナ装
置に係る。
の半波長アンテナが励振回路に接続された誘電体環の内
周面と摺動関係を有し、前記半波長アンテナを筐体から
引き出した状態及び筐体内に収納した状態で送受信が可
能な携帯電話機において、前記半波長アンテナの先端部
が前記誘電体環の位置まで引き込まれた収納状態で前記
半波長アンテナの後端部が位置する部分に前記半波長ア
ンテナの後端部を嵌入させる誘電体環とその誘電体環を
内部に嵌着させた導体環からなる固定環部を設けると共
にその固定環部の導体環に1/4波長に相当する長さの
導線を接続し、前記固定環部の誘電体環が前記半波長ア
ンテナと前記導体環の間に構成する容量と前記導線のア
ンテナ特性インピーダンスとの直列合成インピーダンス
を前記半波長アンテナのアンテナ特性インピーダンスと
略整合させたことを特徴とする携帯電話機のアンテナ装
置に係る。
【0009】
【作用】本発明では、半波長アンテナの収納状態におい
て、アンテナの後端部に結合容量(固定環部の誘電体環)
を介して1/4波長相当の長さの導線を接続した回路構
成となるが、前記の結合容量と導線の直列合成インピー
ダンスとアンテナのアンテナ特性インピーダンスが略整
合せしめられているため、アンテナの後端部が接地され
た状態と等価な回路になる。
て、アンテナの後端部に結合容量(固定環部の誘電体環)
を介して1/4波長相当の長さの導線を接続した回路構
成となるが、前記の結合容量と導線の直列合成インピー
ダンスとアンテナのアンテナ特性インピーダンスが略整
合せしめられているため、アンテナの後端部が接地され
た状態と等価な回路になる。
【0010】従って、アンテナの後端部をRFユニット
のGND回路から独立させた状態で送受信機能をもたせ
ることができ、アンテナの送信出力がRFユニットへ回
り込んで変調精度等に悪影響を及ぼすことを防止でき
る。
のGND回路から独立させた状態で送受信機能をもたせ
ることができ、アンテナの送信出力がRFユニットへ回
り込んで変調精度等に悪影響を及ぼすことを防止でき
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明の携帯電話機のアンテナ装置に
係る実施例を図1から図4を用いて詳細に説明する。先
ず、図1の(A)は半波長アンテナが引き出された状態
を、図1の(B)は半波長アンテナが収納された状態を示
す携帯電話機の要部断面図である。そして、各図におい
て上記の図5及び図6と同一符号が付されている部品や
要素は図5及び図6で説明したものと同一であり、ここ
ではそれらに係る説明を省略する。
係る実施例を図1から図4を用いて詳細に説明する。先
ず、図1の(A)は半波長アンテナが引き出された状態
を、図1の(B)は半波長アンテナが収納された状態を示
す携帯電話機の要部断面図である。そして、各図におい
て上記の図5及び図6と同一符号が付されている部品や
要素は図5及び図6で説明したものと同一であり、ここ
ではそれらに係る説明を省略する。
【0012】本実施例装置の特徴は、誘電体環7を嵌着
させている導体環8がRFユニット2のGND回路と接続
されず、その代わりに導体環8に1/4波長相当の長さを
有したワイヤ11が接続されている点にある。尚、誘電体
環7と導体環8のアッセンブリは、筐体1の内壁に一体成
形された取付け部に固定されるか又はブラケット等によ
って固定する手段が採用される。また、誘電体環7はガ
イドチューブ6と一体的に形成しておいてもよい。
させている導体環8がRFユニット2のGND回路と接続
されず、その代わりに導体環8に1/4波長相当の長さを
有したワイヤ11が接続されている点にある。尚、誘電体
環7と導体環8のアッセンブリは、筐体1の内壁に一体成
形された取付け部に固定されるか又はブラケット等によ
って固定する手段が採用される。また、誘電体環7はガ
イドチューブ6と一体的に形成しておいてもよい。
【0013】本実施例装置において、アンテナ5が筐体1
から引き出された状態[図1の(A)]では、図5の場合と
同様にアンテナ5の後端部5bが誘電体環4で係止され、誘
電体環4が構成する容量を介して基板3の励振回路と接続
されて、引出しチップ部(トップローディング)5aを含め
た(1/2)・λのアンテナとなる。基板3の励振回路には
RFユニット2から同軸ケーブル9を介してRF信号が給
電されているが、図2に示すように、励振回路はその給
電点の両側にインダクタンスLbと等価GND部(銅箔)3
eが接続された回路構成を有し、そのインダクタンスLb
と誘電体環4が構成する容量C1でλ/2に対応する共振
周波数の共振器を構成している。
から引き出された状態[図1の(A)]では、図5の場合と
同様にアンテナ5の後端部5bが誘電体環4で係止され、誘
電体環4が構成する容量を介して基板3の励振回路と接続
されて、引出しチップ部(トップローディング)5aを含め
た(1/2)・λのアンテナとなる。基板3の励振回路には
RFユニット2から同軸ケーブル9を介してRF信号が給
電されているが、図2に示すように、励振回路はその給
電点の両側にインダクタンスLbと等価GND部(銅箔)3
eが接続された回路構成を有し、そのインダクタンスLb
と誘電体環4が構成する容量C1でλ/2に対応する共振
周波数の共振器を構成している。
【0014】そして、図4の等価回路でみると、トップ
ローディングが施された半波長アンテナ5の引き出し状
態ではスイッチ部10がa側の接続状態になっている場合
に相当し、インダクタンスLbと容量C1の直列リアクタ
ンスをXb、半波長アンテナ5側のインダクタンスLeと
容量Ceの直列リアクタンスをXeとした場合に、Xb+
Xe=0の条件が成立するように各構成要素が設計され
ていることにより半波長アンテナ5が直列共振せしめら
れる。
ローディングが施された半波長アンテナ5の引き出し状
態ではスイッチ部10がa側の接続状態になっている場合
に相当し、インダクタンスLbと容量C1の直列リアクタ
ンスをXb、半波長アンテナ5側のインダクタンスLeと
容量Ceの直列リアクタンスをXeとした場合に、Xb+
Xe=0の条件が成立するように各構成要素が設計され
ていることにより半波長アンテナ5が直列共振せしめら
れる。
【0015】一方、半波長アンテナ5が筐体1に収納され
た状態[図1の(B)]では、図6の場合と同様に半波長ア
ンテナ5の引出しチップ部5aの根元が誘電体環4に当接
し、誘電体環4の静電容量を介して基板3の励振回路と接
続される。その状態では、アンテナ5のトップローディ
ングの効果はなくなり、アンテナ長がλ/4相当にな
る。また同時に、アンテナ5の後端チップ部5bが誘電体
環7に嵌入する。その場合、図3に示すように、アンテ
ナ5の先端側と基板3の励振回路との接続条件は図6の場
合と同様であるが、後端側は誘電体環7の容量C2を介し
てワイヤ11に接続された状態となる。
た状態[図1の(B)]では、図6の場合と同様に半波長ア
ンテナ5の引出しチップ部5aの根元が誘電体環4に当接
し、誘電体環4の静電容量を介して基板3の励振回路と接
続される。その状態では、アンテナ5のトップローディ
ングの効果はなくなり、アンテナ長がλ/4相当にな
る。また同時に、アンテナ5の後端チップ部5bが誘電体
環7に嵌入する。その場合、図3に示すように、アンテ
ナ5の先端側と基板3の励振回路との接続条件は図6の場
合と同様であるが、後端側は誘電体環7の容量C2を介し
てワイヤ11に接続された状態となる。
【0016】従って、図4の等価回路でみると、アンテ
ナ5の収納状態ではスイッチ部10がb側の接続状態にな
っている場合に相当する。そして、この携帯電話機にお
いては、誘電体環4の容量C1とワイヤ11の抵抗Rsとイ
ンダクタンスLsと容量Csの直列インピーダンスをZm
とし、λ/4相当になったアンテナ5の抵抗Re'とインダ
クタンスLe'と容量Ce'の直列インピーダンスをZe'と
した場合に、各インピーダンスZmとZe'が整合するよ
うに設計されている。具体的には、アンテナ5の直列イ
ンピーダンスZe'に対して、誘電体環7の長さ又は肉厚
とワイヤ11の直径や長さを適当に調整することによりイ
ンピーダンス整合を図っている。
ナ5の収納状態ではスイッチ部10がb側の接続状態にな
っている場合に相当する。そして、この携帯電話機にお
いては、誘電体環4の容量C1とワイヤ11の抵抗Rsとイ
ンダクタンスLsと容量Csの直列インピーダンスをZm
とし、λ/4相当になったアンテナ5の抵抗Re'とインダ
クタンスLe'と容量Ce'の直列インピーダンスをZe'と
した場合に、各インピーダンスZmとZe'が整合するよ
うに設計されている。具体的には、アンテナ5の直列イ
ンピーダンスZe'に対して、誘電体環7の長さ又は肉厚
とワイヤ11の直径や長さを適当に調整することによりイ
ンピーダンス整合を図っている。
【0017】その結果、送受信状態でアンテナ5とワイ
ヤ11にのる定在波電流分布は図3に示すような態様にな
り、誘電体環4の容量C1とワイヤ11のインピーダンスZ
mによってアンテナ5の後端チップ部5bがGND回路に接
続された場合と等価な状態が構成される。そして、この
場合には、ワイヤ11はアンテナ5の延長部に相当してR
Fユニット2の回路と電気的に独立しており、従来技術
の収納状態(図6)のように半波長アンテナ5の送信出力
信号がRFユニット2側へ回り込むことはあり得ず、R
Fユニット2のクロック生成回路や変調回路等の動作に
影響を及ぼすことはない。また、ワイヤ11の長さは1/
4波長相当であるために携帯電話機の小型化を妨げるよ
うなことはなく、またその直径を選択することで前記の
インピーダンス整合を容易に実現できる要素としての意
義を有している。
ヤ11にのる定在波電流分布は図3に示すような態様にな
り、誘電体環4の容量C1とワイヤ11のインピーダンスZ
mによってアンテナ5の後端チップ部5bがGND回路に接
続された場合と等価な状態が構成される。そして、この
場合には、ワイヤ11はアンテナ5の延長部に相当してR
Fユニット2の回路と電気的に独立しており、従来技術
の収納状態(図6)のように半波長アンテナ5の送信出力
信号がRFユニット2側へ回り込むことはあり得ず、R
Fユニット2のクロック生成回路や変調回路等の動作に
影響を及ぼすことはない。また、ワイヤ11の長さは1/
4波長相当であるために携帯電話機の小型化を妨げるよ
うなことはなく、またその直径を選択することで前記の
インピーダンス整合を容易に実現できる要素としての意
義を有している。
【0018】
【発明の効果】本発明の携帯電話機のアンテナ装置は、
以上の構成を有していることにより、次のような効果を
奏する。半波長アンテナを筐体から引き出した状態及び
筐体内に収納した状態で送受信が可能な携帯電話機にお
いて、従来は半波長アンテナの収納状態でその後端部が
嵌合する誘電体環の結合容量を介してRFユニットのG
ND端子に接続させるようにしていたが、誘電体環に1
/4波長相当の長さの導体線を接続してインピーダンス
整合をとるという簡単な手段でGND接続した場合と等
価な回路を構成し、半波長アンテナの送信出力信号がR
Fユニット側へ回り込んで変調精度等に悪影響を及ぼす
ことを防止し、収納状態における送受信特性の安定化と
定在波比の向上を実現する。特に、本発明はディジタル
通信方式を採用するPHS対応の携帯電話機に最適であ
り、安定した変調精度による送受信を可能にする。
以上の構成を有していることにより、次のような効果を
奏する。半波長アンテナを筐体から引き出した状態及び
筐体内に収納した状態で送受信が可能な携帯電話機にお
いて、従来は半波長アンテナの収納状態でその後端部が
嵌合する誘電体環の結合容量を介してRFユニットのG
ND端子に接続させるようにしていたが、誘電体環に1
/4波長相当の長さの導体線を接続してインピーダンス
整合をとるという簡単な手段でGND接続した場合と等
価な回路を構成し、半波長アンテナの送信出力信号がR
Fユニット側へ回り込んで変調精度等に悪影響を及ぼす
ことを防止し、収納状態における送受信特性の安定化と
定在波比の向上を実現する。特に、本発明はディジタル
通信方式を採用するPHS対応の携帯電話機に最適であ
り、安定した変調精度による送受信を可能にする。
【図1】本発明の携帯電話機のアンテナ装置における半
波長アンテナの引き出し状態(A)と収納状態(B)を示す
要部断面図である。
波長アンテナの引き出し状態(A)と収納状態(B)を示す
要部断面図である。
【図2】半波長アンテナの引き出し状態における励振回
路と半波長アンテナの接続状態、及び定在波の電流分布
状態を示す図である。
路と半波長アンテナの接続状態、及び定在波の電流分布
状態を示す図である。
【図3】半波長アンテナの収納状態における励振回路と
半波長アンテナの接続状態、及び定在波の電流分布状態
を示す図である。
半波長アンテナの接続状態、及び定在波の電流分布状態
を示す図である。
【図4】半波長アンテナの引き出し状態と収納状態で励
振回路と半波長アンテナとワイヤが構成する等価回路図
である。
振回路と半波長アンテナとワイヤが構成する等価回路図
である。
【図5】従来の携帯電話機のアンテナ装置における半波
長アンテナの引き出し状態を示す要部断面図である。
長アンテナの引き出し状態を示す要部断面図である。
【図6】従来の携帯電話機のアンテナ装置における半波
長アンテナの収納状態を示す要部断面図である。
長アンテナの収納状態を示す要部断面図である。
1…筐体、2…RFユニット、2a…RF端子、2b…GND
端子、3…励振回路を構成した基板、3e…等価GND部
(銅箔)、4,7…誘電体環(7:固定環部)、5…半波長アンテ
ナ、5a…引出しチップ部、5b…後端部、6…ガイドチュ
ーブ、8…導体環(固定環部)、9…同軸ケーブル、11…ワ
イヤ(導線)。
端子、3…励振回路を構成した基板、3e…等価GND部
(銅箔)、4,7…誘電体環(7:固定環部)、5…半波長アンテ
ナ、5a…引出しチップ部、5b…後端部、6…ガイドチュ
ーブ、8…導体環(固定環部)、9…同軸ケーブル、11…ワ
イヤ(導線)。
Claims (1)
- 【請求項1】 ユニポール型の半波長アンテナが励振回
路に接続された誘電体環の内周面と摺動関係を有し、前
記半波長アンテナを筐体から引き出した状態及び筐体内
に収納した状態で送受信が可能な携帯電話機において、
前記半波長アンテナの先端部が前記誘電体環の位置まで
引き込まれた収納状態で前記半波長アンテナの後端部が
位置する部分に前記半波長アンテナの後端部を嵌入させ
る誘電体環とその誘電体環を内部に嵌着させた導体環か
らなる固定環部を設けると共にその固定環部の導体環に
1/4波長に相当する長さの導線を接続し、前記固定環
部の誘電体環が前記半波長アンテナと前記導体環の間に
構成する容量と前記導線のアンテナ特性インピーダンス
との直列合成インピーダンスを前記半波長アンテナのア
ンテナ特性インピーダンスと略整合させたことを特徴と
する携帯電話機のアンテナ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07183505A JP3134720B2 (ja) | 1995-06-27 | 1995-06-27 | 携帯電話機のアンテナ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07183505A JP3134720B2 (ja) | 1995-06-27 | 1995-06-27 | 携帯電話機のアンテナ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0918217A true JPH0918217A (ja) | 1997-01-17 |
JP3134720B2 JP3134720B2 (ja) | 2001-02-13 |
Family
ID=16137015
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07183505A Expired - Fee Related JP3134720B2 (ja) | 1995-06-27 | 1995-06-27 | 携帯電話機のアンテナ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3134720B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012257008A (ja) * | 2011-06-08 | 2012-12-27 | Nec Saitama Ltd | 防水型携帯無線機のアンテナ構造、及びこれを備えた防水型携帯無線機。 |
-
1995
- 1995-06-27 JP JP07183505A patent/JP3134720B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012257008A (ja) * | 2011-06-08 | 2012-12-27 | Nec Saitama Ltd | 防水型携帯無線機のアンテナ構造、及びこれを備えた防水型携帯無線機。 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3134720B2 (ja) | 2001-02-13 |
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