JPH09181372A - 圧電トランス及びその製造方法 - Google Patents

圧電トランス及びその製造方法

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JPH09181372A
JPH09181372A JP7350004A JP35000495A JPH09181372A JP H09181372 A JPH09181372 A JP H09181372A JP 7350004 A JP7350004 A JP 7350004A JP 35000495 A JP35000495 A JP 35000495A JP H09181372 A JPH09181372 A JP H09181372A
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piezoelectric transformer
frequency
piezoelectric
ceramic plate
chamfered
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JP7350004A
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English (en)
Inventor
Kenichi Kato
憲一 加藤
Shinjiro Nagano
信二郎 長野
Makoto Imuta
誠 藺牟田
Kazuaki Kato
和昭 加藤
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Toto Ltd
Fuji Ceramics Corp
Original Assignee
Toto Ltd
Fuji Ceramics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不要振動周波数を共振周波数から離間させる
ことにより、良好な共振特性が得られる圧電トランス及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 圧電セラミックス板11の長さ方向に沿
う稜部18、19、20、21の少なくとも1つに面取
り加工を行う。不要振動周波数fdが共振周波数frよ
りも高周波数側にある圧電トランスでは、面取り長を大
きくする程、共振周波数frを固定した状態で不要振動
周波数fdを共振周波数frから離間させることができ
る。不要振動周波数fdが共振周波数frよりも低周波
数側にある圧電トランスでは、面取り長を大きくして行
くと、一旦、不要振動周波数fdは共振周波数frに接
近するが、その後、共振周波数frから離間して行くの
で、やはり良好な共振特性が得られる。後者のトランス
では、セラミックス板の幅方向に沿う稜部を面取りして
もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力側の分極方向
と出力側の分極方向とが直交するよう分極させた圧電セ
ラミックス板に、入力電極及び出力電極を備えてなる圧
電トランス及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電トランスは一般に、図1に示すよう
に、矩形状の圧電セラミックス板1と、セラミックス板
1の長さ方向一端から略半分の面積を覆うようその表裏
に対向して形成した入力電極2、3と、セラミックス板
1の他端の端面に形成した出力電極4とを備える。この
ような構成の圧電トランスの製造工程では、入力電極
2、3を短絡し、それらと出力電極4との間に直流電界
を印加してセラミックス板1の出力側を長さ方向に分極
し、次に、入力電極2、3を開放し、それらの間に直流
電界を印加して入力側を厚み方向に分極することによ
り、図2に示すように直交した方向の入力側の分極と出
力側の分極とを夫々形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】圧電トランスでは、そ
の長さ方向の共振周波数に等しい周波数の電圧を、入力
電極端子5、6に印加して励振することにより、出力電
極端子7から所定の変圧比で変圧された電圧を取り出す
ことができる。しかし、上記共振周波数の近傍に、上記
共振周波数とは方向の異なる振動(不要振動)が存在す
ると、これによって長さ方向の良好な共振特性を得るこ
とが困難となる。そのため、圧電トランスのゲインの低
下、出力電力の低下、効率の低下等の不具合や、圧電ト
ランスの制御回路の乱調、ダイナミックレンジの縮小
等、圧電トランスを駆動する上での障害が発生すること
となる。
【0004】ところで、上記構成の圧電トランスでは、
入力側の分極と出力側の分極とが直交することにより、
これら2種類の分極の境界部分において分極状態が不連
続になる。そのため、上記境界部分近傍で不要振動とな
る厚みすべり(セラミックス板1が平行四辺形状に変形
する)振動モードや、屈曲(セラミックス板1が厚み方
向に変形する)モードの振動を励振させるという問題が
生ずる。
【0005】そこで、この励振対策として、入力側の分
極と出力側の分極との直交部分をなくすことにより、不
要振動を低減すると共に、圧電トランスの昇圧比を向上
させる方法(特開昭48−104029号、同48−1
04030号、同48−104032号、及び同48−
104033号の各公報参照)が提案されている。
【0006】しかし、上記各方法を採用するためには、
図1に示した圧電トランスに、新たに周回電極等を設け
る必要があるので、工程増やコストアップ等の問題が生
ずる。
【0007】従って本発明の目的は、入力側分極と出力
側分極との不連続に起因する不要振動発生周波数を共振
周波数から離間させることにより、工程増やコストアッ
プ等を生じることなく良好な共振特性が得られる圧電ト
ランス及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧電セラミッ
クス板の選択された辺に、不要振動が発生する周波数f
dと共振周波数frとの差分|fd−fr|が大きくな
るような面取り長Xで面取り加工を行うことにより、不
要振動周波数fdを共振周波数frから離間させ、これ
によって圧電トランスの共振特性の改善を図るものであ
る。
【0009】この面取り長Xは、圧電トランスの共振周
波数frより高周波数側領域に設定される圧電トランス
の制御領域Δf、不要振動が発生する周波数fd、共振
周波数fr、及び各圧電トランス毎に決まる定数Aとの
間に成立する関係式Δf−(fd−fr)≦A・Xによ
って求めることができる。この面取り長Xは、1つの辺
のみ面取りする場合はその辺の面取り長であるが、同一
方向の複数の辺を面取りする場合はそれら辺の面取り長
の合計である。
【0010】不要振動周波数fdが共振周波数frより
高周波数側にある圧電トランスの場合は、圧電セラミッ
クス板の長さ方向に沿う4辺のうちの少なくとも1辺
に、上記関係式により得られた面取り長Xで面取り加工
を行うことにより、不要振動周波数fdを高周波数側へ
シフトさせ、良好な共振特性が得られることが判明し
た。この面取り加工は、不要振動周波数fdが共振周波
数frより低周波数側にある圧電トランスの場合にも有
効である。不要振動周波数fdが共振周波数frより低
周波数側にある場合、長さ方向の辺の面取りを行なう
と、その面取り長が増すに従って、|fd−fr|が初
めは小さくなるが、その後に増大していく。
【0011】また、不要振動周波数fdが共振周波数f
rより低周波数側にある圧電トランスの場合には、圧電
セラミックス板の幅方向に沿う4辺のうちの少なくとも
1辺に、上記関係式により得られた面取り長Xで面取り
加工を行うことによって、共振周波数frを高側にシフ
トさせ、共振特性の改善を図ることが可能である。
【0012】なお、面取り加工は平面状でもよいし、曲
面状つまりアール(R)をつけてもよい。
【0013】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面によ
り詳細に説明する。
【0014】図3は、本発明の一実施形態に係る圧電ト
ランスの全体的な構成を示す。
【0015】この圧電トランスも、図1に示したものと
略同様の構成となっており、矩形状の圧電セラミックス
板11と、銀ペーストを高温でセラミックス板11に焼
付けることにより形成した入力電極12、13、及び出
力電極14とを備える。
【0016】本実施形態では、この圧電トランスにおい
て良好な共振特性を得るために、圧電セラミックス板1
1の長さ方向に沿う辺(つまり、稜部)18に、平面状
に面取り加工を行っている。これは、セラミックス板1
1の長さ方向に沿う4個の稜部の少なくとも1個につい
て面取りを行えば、不要振動を生ずる周波数fdが共振
周波数frよりも高周波数側、低周波数側のいずれにあ
る圧電トランスにおいても、良好な共振特性が得られる
ように調整できることを本発明者等が見出したからであ
る。
【0017】即ち、不要振動周波数fdが共振周波数f
rよりも高周波数側にある圧電トランスの場合には、図
4に示す長さ方向辺18に対する面取り長X(つまり、
面取り部分の圧電セラミックス表面又は裏面に沿った方
向の幅)が大きいものほど、共振周波数frを固定した
状態で不要振動周波数fdを高側へシフトさせて、共振
周波数frから離間させることができる。一方、不要振
動周波数fdが共振周波数frよりも低周波数側にある
圧電トランスの場合には、面取り長Xを大きくして行く
と、一旦、不要振動周波数fdは共振周波数frに接近
して|fd−fr|は小さくなるが、その後、共振周波
数frから離間して行くので、|fd−fr|は大きく
なる。
【0018】これらの事実は、以下に説明するように、
本発明者等が面取り長Xを種々の値に設定した圧電トラ
ンスを試作して、各々の面取り長X毎に不要振動周波数
fdと共振周波数frとを実測した結果、判明したもの
である。
【0019】次に、本発明の原理的な背景について説明
する。
【0020】一般に、圧電トランスの制御を行う場合
は、図5の斜線で示した共振周波数frよりも高周波数
側の領域100が用いられる。そのため、この制御領域
100中に不要振動周波数fdが存在すると、圧電トラ
ンスを制御する制御回路(図示しない)に乱調をきたす
虞がある。そこで、本発明者等が上記制御領域100か
ら不要振動周波数fdを除外する方法について検討を重
ねた結果、以下のような事実が判明した。
【0021】即ち、不要振動周波数fdが制御領域10
0内に存在する圧電トランスの場合、圧電セラミックス
板11の長さ方向に沿う稜部の面取り長Xを大きく設定
すると、共振周波数frの値を殆ど変化させることなく
fdを高周波数側に移動させることができる。そこで、
図3及び図4に示したように、圧電セラミックス板11
の稜部18に面取り加工を行うことによって、不要振動
周波数fdを高周波数側に移動させて制御領域100の
外へ出すことができる。
【0022】更に、詳細に述べれば、共振周波数fr、
不要振動周波数fd、制御領域100の幅Δf(Δfは
回路仕様及び圧電トランスの性能により可変する値であ
る)、圧電トランスにより決まる面取り長Xに対する不
要振動周波数fdの移動量の比例定数A、及び面取り長
Xの間に、以下の関係式(1)が成立するように、面取
り長Xを決める。
【0023】 Δf−(fd−fr)≦A・X…………(1) そこで、この(1)式を用いて、大きさ28.0mm×
7.5mm×2.0mm、fr=114.3KHz、f
d=116.7KHz(即ち、fd>fr)、A=3の
圧電トランスをサンプルとして、その長さ方向に沿った
稜部の面取り長Xを実際に求めて試験してみた結果は次
の通りである。
【0024】即ち、この圧電トランスを出力電力1〜2
W(可変)、電源電圧5V±10%の回路仕様で用いた
とき、Δf=4.6KHzとなったので、これら各値を
(1)式に代入してX=0.73(mm)を得た。そし
て、このX=0.73を採用して面取り加工を実際に行
った圧電トランスについて不要振動周波数fdを実測し
たところ、不要振動周波数fdが制御領域100外にあ
ることを確認することができた。
【0025】次に、同じ圧電トランスを、出力電力1〜
2W(可変)、電源電圧5V〜10Vの回路仕様で用い
たとき、Δf=12.0KHzとなったので、これら各
値を(1)式に代入してX=3.20(mm)を得た。
そして、このX=3.20を採用して面取り加工を行っ
た圧電トランスについても不要振動周波数fdを実測し
たところ、やはり不要振動周波数fdが制御領域100
外にあることを確認することができた。
【0026】図6は、上述した圧電トランスとは別の圧
電トランス(fd>fr)における面取り長Xと面取り
による共振特性の改善の度合との関係を示す。
【0027】図示のように、共振周波数fr(□印プロ
ット)は面取り長Xの大きさ(0.2mm〜0.8m
m)如何に拘らず略一定(115.2KHz)であるの
に対し、不要振動周波数fdと共振周波数frとの差分
である|fd−fr|(■印プロット)は、面取り長X
を大きく設定するほど大きくなる(3.3KHz〜5.
8KHz)。よって、面取り長Xを大きく設定するほど
不要振動周波数fdは高周波数側に移動し、それにより
良好な共振特性が得られることが明らかである。なお、
図6は、fd>frの圧電トランスに関するものであ
り、fd<frの圧電トランスについては図示していな
い。
【0028】図7は、本発明の一実施形態の第1変形例
を、図8は、本発明の一実施形態の第2変形例を、図9
及び図10は、本発明の一実施形態の第3の変形例を、
夫々示す。
【0029】第1の変形例では、セラミックス板11の
長さ方向に沿った4個の稜部のうちの符号18、19で
示す2個の稜部に対して、また、第2の変形例では、符
号18〜20で示す3個の稜部に対して、更に、第3の
変形例では、符号18〜21で示す4個全部の稜部に対
して、夫々面取り加工を行うものである。
【0030】既に説明したように、上記圧電トランスで
は、稜部18〜21の面取り長Xを大きくするほど不要
振動周波数fdの高周波数側への移動量を大きくとるこ
とができる。よって、上述した一実施形態及び各変形例
において、稜部18〜21の面取り長Xが同一であれ
ば、最も良好な共振特性が得られるのは面取りする稜部
が最も多い第3変形例ということになる。しかし、一実
施形態のように面取りする稜部が1個でも、その面取り
長Xを、4個全部の稜部を面取りしたときの各面取り長
Xの和に設定すれば、第3変形例におけると同様の良好
な共振特性を得ることができる。この事実は、図11に
示す実験結果によっても裏付けられる。
【0031】図11は、本発明の一実施形態に係る圧電
トランス、及びその第1〜第3変形例に係る圧電トラン
スの面取り長Xと面取りによる共振特性の改善の度合と
の関係を示す。
【0032】図11において、面取りした稜が1個のと
き、2個のとき、更には、4個の稜全てを面取りしたと
きのいずれの場合における不要振動周波数fdの移動量
も、符号200で示す曲線上に存在する。しかも、面取
りした稜が2個のとき、及び4個のときの面取り長X
は、夫々面取りを行った各稜における面取り長Xの大き
さの和であることも明らかである。よって、不要振動周
波数fdを共振周波数frから離間させるのに充分な大
きさの面取り長Xさえ確保しておけば、面取りを行う稜
数は1〜4個のいずれであっても差支えない。
【0033】以上説明したように、本発明の一実施形態
によれば、不要振動周波数fdが共振周波数frより高
周波数側にある圧電トランスにおいては、圧電セラミッ
クス板11の長さ方向に沿う稜部18〜21のうちの少
なくとも1個の稜部を面取りすることにより、不要振動
周波数fdのみを高周波数側に移動させることができる
ので、良好な共振特性を得ることができる。
【0034】図12は、本発明の第2の実施形態に係る
圧電トランスの全体的な構成を示す。
【0035】本実施形態では、図3に示したものと基本
的に同様の構成の圧電トランスにおいて、圧電セラミッ
クス板11の幅方向に沿った4個の稜部22〜25のう
ちの1個の稜部22を面取りしている。
【0036】ここで、不要振動周波数fdが共振周波数
frよりも高周波数側にある圧電トランスの場合には、
セラミックス板11に対してその幅方向に沿った稜部の
面取りを行うと、共振周波数frは高周波数側に移動す
るが、不要振動周波数fdは固定状態のままであり移動
しない。そのため、共振周波数frと不要振動周波数f
dとは接近し、|fd−fr|は小さくなるので(図1
3参照)、良好な共振特性は得られないことが判明し
た。一方、不要振動周波数fdが共振周波数frよりも
低周波数側にある圧電トランスの場合には、上述した面
取りによって不要振動周波数fdは固定のまま、共振周
波数frは高周波数側に移動するため、共振周波数fr
と不要振動周波数fdとは離間し|fd−fr|は大き
くなるので(図示省略)、良好な共振特性が得られるこ
とが判明した。
【0037】これは、セラミックス板11の4個の稜部
22〜25のうち、1個の稜部22のみを面取りしたと
きの結果であり、共振周波数frの高周波数側への移動
量は、図13から明らかなように、面取り長Xの大きさ
に依存している。なお、図13において、■印プロット
は|fd−fr|の実測値を、また、□印プロットはf
rの実測値を夫々示す。更に、2個の稜部22、23を
面取りしたとき、3個の稜部22〜24を面取りしたと
き、及び本実施形態の変形例に係る図14に示すよう
に、4個全部の稜22〜25を面取りしたときのいずれ
の場合においても、それら面取り長の合計に基づいて図
13におけると同様の結果が得られる。
【0038】以上説明した内容から、セラミックス板1
1の幅方向に沿った4個の稜部22〜25の1個乃至4
個を面取りする方法は、不要振動周波数fdが共振周波
数frよりも低周波数側にある圧電トランスの場合に有
効である。
【0039】ところで、圧電トランスの制御を行う場合
は、前述のように、共振周波数frよりも高周波数側の
領域が用いられるのが一般的であり、共振周波数frよ
りも低周波数側の領域が用いられることは現実にはな
い。このため、不要振動周波数fdが共振周波数frよ
りも元々低周波数側にある圧電トランスの場合には、上
述したような面取りを行って共振周波数frと不要振動
周波数fdとを離間させる必要がないようにも思われ
る。
【0040】しかし、このような圧電トランスの場合で
あっても、不要振動周波数fdが共振周波数frの近傍
にある場合は、それによって共振周波数frが影響を受
けて不安定化したり、効率が低下したり、出力電力が低
下したりするような不具合が生ずる。そのため、これら
の不具合を除去するために共振周波数frと不要振動周
波数fdとを離間させる必要がある。従って、不要振動
周波数fdが共振周波数frよりも元々低周波数側にあ
る圧電トランスの場合には、図12や図14で示したよ
うな面取りは良好な共振特性を得るための対策として有
効である。
【0041】以上説明したように、本発明の第2の実施
形態によれば、不要振動周波数fdが共振周波数frよ
り低周波数側にある圧電トランスにおいては、圧電セラ
ミックス板11の幅方向に沿う稜部22〜25のうちの
少なくとも1個を面取りすることにより、共振周波数f
rのみを 高周波数側に移動させることができるので、
共振特性の改善を図ることが可能である。
【0042】以上説明した内容は、あくまで本発明の各
実施形態に関するものであって、本発明が上記内容のみ
に限定されることを意味しないのは勿論である。例えば
上述した各実施形態では、稜部を平面状に面取り加工す
ることとしたが、バレル研磨等によりアール状に面取り
加工しても上記と同様の効果を得ることができる。ま
た、上述した面取り加工は、予め稜部が平面状の面取り
形状に形成されたセラミック成形型を用いて成形された
セラミック材料を焼成することにより行うこととしても
差支えない。
【0043】ここで、上述した本発明の各実施形態とは
別に、図15に示すように、圧電セラミックス板11の
厚み方向に沿う稜部26〜29の幾つかについて面取り
を行うことも可能である。この面取りを、不要振動周波
数fdが共振周波数frより高周波数側にある圧電トラ
ンスに適用した場合、図16に示すように、面取り長X
を大きく設定するほど不要振動周波数fdの高周波数側
への移動量が増加するが、共振周波数frについても不
要振動周波数fdと同様に高周波数側に移動することと
なるため、|fd−fr|は変化しない。従って、不要
振動周波数fdを制御領域100外に出した状態を維持
したままで、共振周波数frのみ調整したい場合に有効
と考えられる。
【0044】なお、図17は、上述した本発明の幾つか
の実施形態において、面取りにより得られる共振特性の
改善の効果の比較結果を示す。
【0045】この図からも明らかなように、不要振動周
波数fdが共振周波数frより高周波数側にある圧電ト
ランスにおいて、圧電セラミックス板の長さ方向に沿っ
た稜部に面取り加工を行った場合に、最も良好な共振特
性が得られることが分かる。
【0046】なお、面取り加工をする稜部により効果が
異なるため、長さ方向と幅方向の両方を面取りしても良
いし、また、全ての稜部を面取りしても良い。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
不要振動発生周波数を共振周波数から離間することによ
り、工程増やコストアップ等を生じることなく良好な共
振特性が得られる圧電トランス及びその製造方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の圧電トランスの全体的な構成を示す斜視
図。
【図2】従来の圧電トランスに形成される分極の状態を
示す斜視図。
【図3】本発明の第1の実施形態の圧電トランスの全体
的な構成を示す斜視図。
【図4】図3の矢印A方向から見た側面図。
【図5】圧電トランスの共振周波数と制御に用いる周波
数領域との関係を示す特性図。
【図6】第1実施形態の圧電トランスの面取り長と面取
りによる効果とを示す特性図。
【図7】第1実施形態の圧電トランスの第1変形例の側
面図。
【図8】第1実施形態の圧電トランスの第2変形例の側
面図。
【図9】第1実施形態の圧電トランスの第3変形例の側
面図。
【図10】図9の矢印B方向から見た側面図。
【図11】第1実施形態及びその第1〜第3変形例の圧
電トランスの面取り長と面取りによる効果とを示す特性
図。
【図12】本発明の第2の実施形態の圧電トランスの全
体的な構成を示す斜視図。
【図13】図12の圧電トランスの面取り長と面取りに
よる効果とを示す特性図。
【図14】第2の実施形態の変形例の圧電トランスの全
体的な構成を示す斜視図。
【図15】本発明の第3の実施形態の圧電トランスの全
体的な構成を示す斜視図。
【図16】図15の圧電トランスの面取り長と面取りに
よる効果とを示す特性図。
【図17】各実施形態における面取り長と面取りによる
効果との比較結果を示す説明図。
【符号の説明】
11 圧電セラミックス板 12、13 入力電極 14 出力電極 18、19、20、21 セラミックス板の長さ方向に
沿った稜部 22、23、24、25 セラミックス板の幅方向に沿
った稜部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長野 信二郎 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 藺牟田 誠 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 加藤 和昭 静岡県富士宮市山宮2320番地―11 株式会 社富士セラミックス内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力側の分極方向と出力側の分極方向と
    が直交するよう分極させた圧電セラミックス板に、入力
    電極及び出力電極を形成してなる圧電トランスの製造方
    法において、 前記圧電セラミックス板の少なくとも1辺に、不要振動
    が発生する周波数と共振周波数との差分が大きくなるよ
    うな面取り長で面取り加工を行う過程を備えることを特
    徴とする圧電トランスの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の圧電トランスの製造方法
    において、 前記面取り長Xは、圧電トランスの共振周波数frより
    高周波数側領域に設定される圧電トランスの制御領域Δ
    f、不要振動が発生する周波数fd、共振周波数fr、
    及び各圧電トランス毎に決まる定数Aとの間に成立する
    関係式Δf−(fd−fr)≦A・Xを満たすことを特
    徴とする圧電トランスの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の圧電トランスの製造方法
    において、 前記過程で、前記圧電セラミックス板の長さ方向に沿う
    4辺のうちの少なくとも1辺に面取り加工を行うことを
    特徴とする圧電トランスの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の圧電トランスの製造方法
    において、 前記過程で、前記圧電セラミックス板の長さ方向に沿う
    1辺乃至3辺に面取り加工を行うことを特徴とする圧電
    トランスの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の圧電トランスの製造方法
    において、 前記過程で、前記圧電セラミックス板の幅方向に沿う4
    辺のうちの少なくとも1辺に面取り加工を行うことを特
    徴とする圧電トランスの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の圧電トランスの製造方法
    において、 前記過程で、前記圧電セラミックス板の幅方向に沿う1
    辺乃至3辺に面取り加工を行うことを特徴とする圧電ト
    ランスの製造方法。
  7. 【請求項7】 入力側の分極方向と出力側の分極方向と
    が直交するよう分極させた圧電セラミックス板に、入力
    電極及び出力電極を備えてなる圧電トランスにおいて、 前記圧電セラミックス板が、その少なくとも1辺に、不
    要振動が発生する周波数と共振周波数との差分が大きく
    なるような面取り長で面取り加工が行われていることを
    特徴とする圧電トランス。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の圧電トランスにおいて、 前記面取り長Xが、圧電トランスの共振周波数frより
    高周波数側領域に設定される圧電トランスの制御領域Δ
    f、不要振動が発生する周波数fd、共振周波数fr、
    及び各圧電トランス毎に決まる定数Aとの間に成立する
    関係式Δf−(fd−fr)≦A・Xを満たすことを特
    徴とする圧電トランス。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の圧電トランスにおいて、 前記圧電セラミックス板は、その長さ方向に沿う4辺の
    うちの少なくとも1辺に前記面取り加工が行われている
    ことを特徴とする圧電トランス。
  10. 【請求項10】 請求項7記載の圧電トランスにおい
    て、 前記圧電セラミックス板は、その長さ方向に沿う1辺乃
    至3辺に前記面取り加工が行われていることを特徴とす
    る圧電トランス。
  11. 【請求項11】 請求項7記載の圧電トランスにおい
    て、 前記圧電セラミックス板は、その幅方向に沿う4辺のう
    ちの少なくとも1辺に前記面取り加工が行われているこ
    とを特徴とする圧電トランス。
  12. 【請求項12】 請求項7記載の圧電トランスにおい
    て、 前記圧電セラミックス板は、その幅方向に沿う1辺乃至
    3辺に前記面取り加工が行われていることを特徴とする
    圧電トランス。
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