JPH09179324A - 電子写真感光体の製造方法、その製造装置、電子写真 感光体および画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法、その製造装置、電子写真 感光体および画像形成装置

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JPH09179324A
JPH09179324A JP7339417A JP33941795A JPH09179324A JP H09179324 A JPH09179324 A JP H09179324A JP 7339417 A JP7339417 A JP 7339417A JP 33941795 A JP33941795 A JP 33941795A JP H09179324 A JPH09179324 A JP H09179324A
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JP
Japan
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abrasive
photosensitive member
electrophotographic photosensitive
fine
honing
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Application number
JP7339417A
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English (en)
Inventor
Mitsuhide Nakamura
光秀 中村
Kiyoshi Hashimoto
潔 橋本
Futoshi Tage
太 田外
Takashi Fujimoto
隆 藤本
Toru Asahi
徹 朝日
Hideki Imai
秀樹 今井
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一な粗面化処理を行うことによって画像形
成時の干渉模様、黒斑点等の画像の欠陥のない優れた画
像を得るための電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 電子写真感光体用基材1の表面処理をホ
ーニング処理して粗面化する。研磨材を懸濁した液は高
圧空気によりホーニング用ガン3から電子写真感光体用
基材1に噴射される。処理容器5の底部に滞留した研磨
材の一部は、ポンプ2Bよりサイクロン分離器6に供給
され、ここで、研磨材のうち微細研磨材がサイクロン分
離水排出管10から排出される。微細研磨材が除去され
た研磨材は、研磨材循環管9から処理容器5に戻され、
ポンプ2Aから再びホーニング用ガン3に導入されホー
ニング処理に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザービームを
ライン走査する方式の電子写真プリンター、複写機等に
使用される電子写真感光体、その製造方法および装置、
この電子写真感光体による画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザービームをライン走査する方式の
電子写真装置には、レーザー光を用いて形成する画像に
干渉縞模様が現れるという特有の問題を解決しなければ
ならない。この種の干渉縞の発生は、感光層内で吸収さ
れなかった透過光が、基体を含む感光層内でレーザービ
ームの多重反射を生じて、感光層表面の入射光との間で
干渉を生じることに起因するとされている。この干渉縞
の発生を防止するために、特公平5ー26191号公報
には、基体または感光層の表面を粗面化して光散乱性を
付与することが示され、その具体的方法として特公平6
ー41108号公報、特開平5−216261公報等に
湿式ホーニングが提案されているが、ホーニングでは微
細研磨材が、基体表面に食い込み塗布される感光層は均
一な成膜性が損なわれ、塗膜欠陥を発生することがあ
る。
【0003】近年、電子写真装置においては、オゾン発
生量の低減化、高圧電源の不使用によるコストの削減お
よび帯電器の小型化等を実現するために、感光ドラムに
接触帯電方式が用いられるようになった。ところが、こ
の方式に用いる感光ドラムでは、基材表面に微小な研磨
材が存在すると、その研磨材の突出部に電荷が集中する
ことによって電荷リークが発生し、その結果、プリント
画像上に黒点等の欠陥が現われるという問題がある。こ
の基材表面の研磨材の突出部は、3μm程度以上の高さ
になると電荷リークが生じ易いことが知られている。
【0004】ところで、上記した基材の粗面化処理を行
なうと、電荷リークがより発生し易くなることがある。
すなわち、そのホーニングによる粗面化処理により、基
体表面全体が、干渉縞の発生を防止できるように平均的
に粗面化されず、特異的な微細研磨材が基材に食い込
み、その研磨材による突出部を生じると、電荷リークを
引き起こして画像欠陥が発生するという問題がある。し
たがって、レーザービームをライン走査する方式の電子
写真装置用の感光体の基体の粗面化処理においては、特
異的な微細研磨材が基材に食い込むことがなく、したが
って、その研磨材による突出部がなく、均一に粗面化さ
れた基材の提供が重要な課題となっている。
【0005】従来、感光体の基材表面を粗面化する方法
には、例えば、特開平2ー87154号公報、特開平2
ー191963公報、特公平6ー41108号公報、特
開平5−216261公報に記載されているように、研
磨材の水分散液を用いた湿式ホーニング法がある。この
方法は、短時間の加工で容易に安定して粗面化させるこ
とができること、所望の粗さを正確に得ることができる
ことおよび塗膜欠陥の原因となる異常凹凸部が極めて少
ない均一な粗さを持つ粗面が得られることなどから、生
産上の観点からも、また、黒斑点や干渉縞模様に対する
画質安定性の点からも、陽極酸化法あるいはバフ研磨法
等の他の粗面化処理法に比べて優れているものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
感光体に対するライフ要求値が向上するにつれて、従来
のホーニング法による基体の粗面化では不十分であるこ
とが明らかになってきた。すなわち、従来の方法には、
特異的な研磨材による突出部のない粗面化された基材を
得るにあたって、以下に示す問題点が存在することが判
明した。先ず、その第一は、従来よりホーニングに使用
される研磨材には、その粒状物の粒径に問題がある。現
在、この種の研磨材として提案されている炭化珪素、窒
化珪素、窒化硼素(特公平6ー41108号公報)ある
いは酸化アルミニウム(特開平5ー216261号公
報)等の微粉は、通常ある一定幅の粒径として販売され
ている研磨材も、実際には、その製法上の理由から、全
ての研磨材が同一粒径ではなく、そのため篩分により、
ある粒径範囲にそろえて販売されているが、その篩分の
能力の限界上特に微細研磨材を完全に除去するのは難し
い。
【0007】ところで、ホーニング処理は、個々の研磨
材を基体に衝突させることによって行われる。この処理
によると、同一粒径の研磨材を用いる場合には、基体に
衝突する研磨材はいずれも同一の曲率半径面であるため
に、基体は均一な粗さを持つ粗面が得られる。ところが
一方、微細研磨材が含まれた研磨材を用いる場合には、
図3に示すようにそれらの研磨材により、基材31との
衝突でできる基材31上の凹凸の曲率半径面が異なるだ
けではなく、微細研磨材32が通常研磨材33とともに
基材31に衝突する際、微細研磨材32が通常研磨材3
3と基材31の間に挟まれた場合、曲率半径の小さい微
細研磨材32は通常研磨材33の運動エネルギーにより
基材に食い込むため基材31には微細研磨材32の基材
31への食い込みによる特異的な突出部を有する粗面が
形成されることになる。
【0008】すなわち微細研磨材を含んだ研磨材でホー
ニングした場合、基材表面は異常な凹凸部を形成するこ
とになる。その凹凸部の形成により粗面が不連続になっ
た基材表面は、その上に形成される塗膜のレベリングに
よる塗膜追従性が損なわれ、微小な部位において塗膜の
厚膜化による白班点や薄膜化による黒班点が発生した
り、凸部では基体が露出することによって黒班点や電荷
リーク等の欠陥が発生することになる。これらを防止す
るには、基体に衝突する研磨材は、同一粒径することが
好ましく、特に微細研磨材を除去することは必須であ
る。
【0009】しかしながら、従来公知の上記研磨材で
は、そのすべてを同一粒径の研磨材として得ることは困
難であり、特に微細研磨材を除去することができないた
めに、上記の問題を解消することができない。したがっ
て、ホーニング法に供する研磨材については、その粒径
の改善が望まれている。
【0010】その第二は、従来の湿式ホーニング法は、
一般に炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、酸化アルミニウ
ム等の研磨材を水中に分散したホーニング液を圧縮空気
圧により高速で噴出させてアルミやニッケルの基体に衝
突させて基体表面を粗面化させる処理方法であるため、
基材との衝突の際や、研磨材同士の衝突のため研磨材が
磨耗乃至破砕により次第に微細化することは避けること
はできなかった。そのため上記の様な微細研磨材の基材
への食い込みと言う問題だけではなく研磨材の平均粒径
の変化により研磨材の曲率半径が変化し、その結果とし
て基材表面の粗さや形状を変化させ、最終的には、感光
体の干渉縞の防止性能を低下させると言う問題がある。
【0011】したがって湿式ホーニング法に供する研磨
材は何らかの手段で研磨材の平均粒径を制御することが
望まれているが、生産を継続しながら微細研磨材を効率
よく除去することは、一般的な篩分方法としての細かい
網を用いる方法では大きな研磨材は除去できても微細研
磨材を除去することは不可能である。
【0012】本発明は、従来の技術における上記のよう
な問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発
明の目的は、レーザー光によって画像を形成した場合
に、干渉縞模様および、黒斑点等の画質欠陥、さらに
は、接触帯電方式による電荷リークによる画質欠陥のな
い改善された電子写真感光体、その製造方法および製造
装置、画像形成装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の電子
写真感光体の製造方法は、電子写真感光体用基材の表面
処理において、前記電子写真感光体用基材のホーニング
処理に所望の粒径範囲を有する研磨材中に含まれる前記
研磨材よりも粒径範囲の小さい微細研磨材を主として除
去した研磨材により前記電子写真感光体用基材の表面を
ホーニング処理することを特徴とする。また、本発明の
電子写真感光体の製造装置は、電子写真感光体用基材の
表面に研磨材を吹き付けるホーニング手段と、この研磨
材を回収する手段と、この回収された研磨材のうち微細
研磨材を除去する手段と、この微細研磨材を除去した研
磨材を前記ホーニング手段に循環させる手段と、を有す
ることを特徴とする。さらに本発明の電子写真感光体
は、表面を微細研磨材を除去した研磨材によりホーニン
グ処理した電子写真感光体用基材を有することを特徴と
し、本発明の画像形成装置は、表面を微細研磨材を除去
した研磨材によりホーニング処理した電子写真感光体用
基材を有する電子写真感光体に、接触により帯電を行う
ことを特徴とする。
【0014】本発明の電子写真感光体の製造方法によれ
ば、微細研磨材が除去された研磨材により電子写真感光
体用基材の表面処理が施されるので、電子写真感光体用
基材は、所定の粒径分布の研磨材により処理され、電子
写真感光体用基材上の凹凸の曲率半径がほぼ一定とな
る。本発明の電子写真感光体の製造装置によれば、ホー
ニング手段における研磨材の回収手段で回収された研磨
材のうち微細研磨材を除去した研磨材をホーニング手段
に循環させるので、ホーニング手段に供給される研磨材
を常時所定の粒径範囲の研磨材とすることができる。ま
た、本発明の電子写真感光体によれば、常時所定の粒径
範囲の研磨材により表面処理された電子写真感光体用基
材を用いるから、電子写真感光体用基材上の凹凸の曲率
半径がほぼ一定となり、この面上に形成される感光層は
均一な粗面化状態を維持できる。さらに本発明の画像形
成装置によれば、均一な粗面化状態の感光層を有するの
で、レーザービームをライン走査する方式の電子写真プ
リンターでは干渉縞模様、黒斑点等の画像質欠陥がな
く、接触帯電方式の複写機等では、電荷リークによる画
質欠陥が改善される。
【0015】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明に使用される電子写真感光体用基材としては、アル
ミニウム、銅、ニッケル、鉄、亜鉛、チタン等の金属及
び、それらの合金からなるドラム又はシート等が挙げら
れ、また、プラスチック、紙等の支持体または粗面化処
理を施した支持体表面にアルミニウム、チタン等の金属
及びそれらの合金を真空蒸着法によって被膜形成させた
ものが挙げられる。
【0016】研磨材としては、酸化アルミニウム、炭化
珪素、窒化珪素、窒化硼素、等電子写真感光体用基材よ
りも高度の高いものが挙げられ、これらの研磨材の中で
平均粒径の品揃え、コスト等の点から特に酸化アルミニ
ウムが好適である。
【0017】また、本発明に使用される研磨材は、電子
写真感光体用基材のホーニングによる表面処理用とし
て、特に平均粒径が10μm〜50μm程度のものが好
適である。研磨材の平均粒径が50μmよりも大きすぎ
ると、電子写真感光体用基材の表面に形成される凹凸の
曲率半径が大きすぎる結果、下引き層が部分的に極端に
薄くなり、ヌケしまう部分が生じるため好ましくなく、
また研磨材の平均粒径が10μmよりも小さいと、各々
の研磨材の持つ運動エネルギーが小さくなりすぎるた
め、所望の粗さを得ることが困難となる。また、本発明
に使用される研磨材の平均粒径に対して40%以上大き
な粗大粒子が含まれると電子写真感光体用基材の表面に
部分的に大きな凹が形成されるため、その部分だけ下引
き層が厚くなり、黒点/白点の原因となる。さらに平均
粒径に対して40%以下の小さな微細研磨材が含まれる
と、図3に示すように電子写真感光体用基材31に微細
研磨材32が衝突し、更に通常の研磨材33が衝突する
と、曲率半径の小さい微細研磨材32は電子写真感光体
用基材31にくい込み、特異的な突起部が形成され、特
に接触帯電方を用いた場合、電荷集中が起こり、電荷リ
ークが発生し、その結果プリント画像上に黒点等の欠陥
が現れるという問題が発生する。
【0018】ただし、本発明に使用される研磨材には、
通常、すなわち、ホーニング処理に使用前の段階では、
上記の粒径範囲の研磨材と共に篩等により完全に除去さ
れなかった微細な研磨材を含まれている。したがって、
研磨材を電子写真感光体用基材の表面処理に使用する場
合、ホーニング処理の前に予め、微細研磨材を除去する
ことが望ましい。この場合微細研磨材を除去する方法と
しては、サイクロン分離器で微細研磨材を除去し、所定
の粒径範囲の研磨材を用いて電子写真感光体用基材の表
面処理することが望ましい。
【0019】本発明における微細研磨材とは、平均粒径
に対して40%以下程度の粒径の研磨材をいう。このよ
うな微細研磨材は、ホーニング処理に使用前の段階で研
磨材中に含まれている場合もあり、更に電子写真感光体
用基材の表面処理工程中に研磨材が電子写真感光体用基
材に衝突して摩耗乃至破砕することによって微細化され
た研磨材が含まれる。したがって、電子写真感光体用基
材の表面処理工程中に研磨材が電子写真感光体用基材に
衝突して摩耗乃至破砕することによって微細化された研
磨材は、電子写真感光体用基材のホーニング処理中にサ
イクロン分離器で除去されることが望ましい。
【0020】本発明において、基材の表面処理方法とし
ては、乾式ホーニング処理法及び湿式ホーニング処理法
のいずれも使用できる。湿式ホーニング処理は、水等の
液体に粉末状の研磨材を懸濁させて、高速度で基材表面
に吹き付けて粗面化する方法であって、その場合、表面
処理の粗さの程度は、吹きつけの圧力及び速度、使用す
る研磨材の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重、及び
粒度分布等の諸条件を適宣選択することにより制御する
ことができる。同様に、乾式ホーニング処理は、研磨材
を空気により高速度で導電基材体表面に吹き付けて粗面
化する方法であって、湿式ホーニング処理と同様に表面
粗さを制御することができる。
【0021】微細研磨材を除去する具体的方法として
は、特開昭62−129165、特開昭63−2005
1、特開平1−148318等に記載されているサイク
ロン方式が優れており、これらの方法により微細研磨材
を除去することができる。微細研磨材の除去を繰り返す
と、当然研磨材濃度の低下が起こりそのため同一条件で
のホーニングを行うと、表面粗さの低下という現象が現
れるため、除去した微細研磨材の量、例えば、重量分に
相当する量の研磨材を新たに補給することが望ましい。
また、研磨材を補給した際には、サイクロンを用いて、
微細研磨材を除去した後、通常のホーニング処理を行う
ことが望ましい。
【0022】研磨材中から除去される微細研磨材の粒径
範囲、微細研磨材の量は、サイクロン分離器の場合、サ
イクロン分離器の構造、寸法等と共にサイクロン分離器
に導入される研磨材の流量、圧力,その他の条件により
定まる。したがって、電子写真感光体用基材の種類、研
磨材の種類等に応じて、上記した条件を選定することに
よって所望の粒径範囲未満の微細研磨材を除去すること
ができる。
【0023】次に上記のような方法によって微細研磨材
を除去された研磨材によるホーニング処理による電子写
真感光体用基材の粗面化の状況を図4に示す。図4にお
いて、電子写真感光体用基材41の表面に衝突した通常
の研磨材(ホーニング処理の好適の粒径範囲を有する研
磨材)42は、更に通常の研磨材(ホーニング処理の好
適の粒径範囲を有する研磨材)43が衝突しても電子写
真感光体用基材41へ食い込むことがなく、電子写真感
光体用基材41には、所定の曲率半径の凹部44が形成
され,特異的な突起部が形成されることがない。
【0024】微細研磨材が除去された研磨材によるホー
ニング処理が施された電子写真感光体用基材上には、所
望により下引き層が形成される。下引き層は公知の樹脂
を用いて形成されるが、膜厚0.05μm〜10μmの
範囲、特に、0.1〜2μmの範囲に設定することが好
ましい。感光層が電荷発生層と電荷輸送層との積層構造
の場合、それらのいずれかが下引き層の上に設けられて
もよい。
【0025】電荷発生層は、フタロシアニン等公知の材
料を用いて形成され、その膜厚0.05μm〜1μmの
範囲、特に、0.1〜0.5μmの範囲に設定すること
が好ましい。電荷輸送層は、ポリカーボネート等公知の
材料を15〜30μmの膜厚で形成することが望まし
い。
【0026】このようにして得られた電子写真感光体
は、レーザービームをライン走査する方式の電子写真感
プリンター、接触帯電方式の複写機等の画像形成装置に
使用される。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は本発明の電子写真感光体の
製造装置の一実施例を示す概略的構成図であり、図2は
図1の装置におけるサイクロン分離器を示す概略的構成
図であり、本実施例は、湿式ホーニングを使用する例を
示している。図1において、1は電子写真感光体用基
材、2A、2Bはポンプ、3はホーニング用ガン、4は
空気導入管、5は処理容器、6はサイクロン分離器、7
は研磨材供給管、8,9は研磨材循環管、10はサイク
ロン分離水排出管である。
【0028】処理容器5内は、図示していない駆動部を
介して電子写真感光体用基材1が高速で回転可能に設置
されており、ポンプ2Aにより研磨材供給管7を介して
電子写真感光体用基材1に研磨材が高圧で噴射され、電
子写真感光体用基材1の表面が粗面化される。ホーニン
グ処理が終了した研磨材は、処理容器5の底部に滞留す
る。
【0029】この滞留した研磨材中には、電子写真感光
体用基材1との衝突等により摩耗乃至破砕してその粒径
が小さくなり、微細研磨材となる。したがって、この微
細研磨材を除去するために、処理容器5の底部に滞留し
た研磨材の一部は、ポンプ2Bに介して研磨材循環管8
からサイクロン分離器6に至る。サイクロン分離器6の
詳細は、図2に示すようにサイクロン分離器6に接続さ
れた研磨材循環管8の内径が30mm、サイクロン分離
器6の大径部が70mm、サイクロン分離水排出管10
の内径が25mm、サイクロン分離器6の高さが180
mmであり、サイクロン分離器6に接続された研磨材循
環管9の内径が8mmである。
【0030】微細研磨材を除去する場合、サイクロン分
離器6の上記した寸法と共にサイクロン分離器6に導入
される研磨材の圧力、流量等によりサイクロン分離器6
から排出される研磨材の粒径が異なる。すなわち、サイ
クロン分離器6では、研磨材循環管8から導入された研
磨材を含む液はサイクロン分離器6内で旋回し、比重の
軽い微細研磨材は旋回流と共に旋回しながらサイクロン
分離水排出管10からサイクロン6外に排出され、比重
の重い研磨材(通常の粒径範囲の研磨材)はサイクロン
分離器6内を流下する。したがって、サイクロン分離器
6に導入される研磨材の圧力、流量、サイクロン分離器
による処理時間等を調整することによって除去される微
細研磨材の粒径範囲の程度、除去される研磨材の量等を
選定することができる。研磨材のうち、除去される微細
研磨材に相当する量の研磨材は、新たにホーニング処理
装置内に補給される。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに説明す
る。 実施例1及び比較例1,2 0.75mm厚×30mmφ×340mmのアルミニウ
ムパイプを用意し、これにダイヤモンドバイトを用いた
鏡面切削加工を行なって、表面をRa0.03〜0.0
4μmの平滑面に仕上げた。このアルミニウムパイプを
基材とし、液体ホーニング装置によって、その表面の粗
面化処理を行った。このホーニング装置は、図1に構成
からなり、サイクロン分離器は図2に示す寸法を有す
る。粗面化処理においては、研磨材18.9kgを水5
1リットルに懸濁させ、先ずサイクロンにより200m
lのサイクロン分離水(約4gの微細研磨材含む)を除
去し、200mlの水と4gの研磨材を追加する方式で
行った。これを21リットル/分の流量でガンに送り込
んで、所定の圧縮空気圧(0.1〜0.2MPa)で吹
きつけ、所望の表面粗さ(Ra:0.1〜0.5μm)
になるように基材表面に吹き付けた。
【0032】生産する中で発生する(破砕した)微細研
磨材の除去は150本処理毎に200mlのサイクロン
分離水(約4gの微細研磨材含む)を除去し、200m
lの水と4gの研磨材を追加する方式で行った。因みに
この場合、サイクロン分離器に対して研磨材を含む液を
0.3MPaの圧力で、かつ、150リットル/分の条
件で導入し、サイクロン分離水を100〜110リット
ル/分の割合でサイクロン分離器から除去し、微細研磨
材が除去され、通常の研磨材を含む液を40〜50 リッ
トル/分の割合で循環させ再使用した。ガンは、200
0mm/分で基体の軸方向に移動させ、基材は400r
pmで回転させた。
【0033】なお、下記実施例及び比較例に使用した研
磨材、各塗膜に使用した市販品は、次の通りであった。 研磨材…昭和タイタニウム社製の酸化アルミニウム:ア
ルナビーズ(CB−A30S)、粒径:27μm
【0034】粗面化処理を施した基材上に、ジルコニウ
ム化合物としてトリブトキシジルコニウムアセチルアセ
トネート(ZC540、松本交商社製)の50%トルエ
ン溶液100部、シラン化合物としてγ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン(A1100、日本ユニカー社
製)10部、ポリビニルブチラール樹脂(BM−S、積
水化学社製)10部およびn−ブタノール130部を混
合し、得られた塗布液を浸漬塗布法により塗布し、14
0℃で15分間加熱して、1.0μmの下引き層を形成
した。
【0035】次に、ポリビニルブチラール樹脂(商品
名:BM−1、積水化学社製)の2%シクロヘキサノン
溶液に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(特開
平5−263007号公報に記載のもの)を顔料と樹脂
との比を2:1に混合し、次いでサンドミルにより3時
間分散処理を行った。得られた分散液を更に酢酸n−ブ
チルで希釈して基材表面に浸漬塗布し、0.15μm厚
の電荷発生層を形成した。次にN,N ’−ジフェニル
−N,N ’−ビス(m−トリル)ベンジジン4部及び
ポリカボーネートZ樹脂6部を、モノクロルベンゼン3
6部に溶解させた溶液を電荷発生層上に浸漬塗布し、1
15℃で40分間乾燥して24μm厚の電荷輸送層を形
成し、これを感光体ドラムとした。
【0036】上記で得た感光体ドラムを、マルチファン
クショナルプリンター(富士ゼロックス製 Able−
3321、帯電ロールによる接触帯電方式)に搭載し、
中間調濃度を含む画像により連続50,000枚まで出
力試験を行なって、それぞれの出力画像を調べた。 〔評価方法〕 (1) 基材表面処理後の表面粗さの安定性について
は、基材を10000本処理時の表面粗さのバラツキを
表面粗度計(サーフコム110B:(株)東京精密製)
で測定し、そのバラツキが15%以内を○、15%以外
を×とした。 (2) 画像出力試験(連続50000枚後の画像出力
試験)を行い、白点/黒点が発生しなかったものを○、
白点/黒点が発生したものを×とした。その結果を表1
に示す。
【0037】
【表1】
【0038】実施例1の場合には、基材表面処理後の表
面粗さについて変動が小さく安定した表面粗度が得られ
た。また50,000枚の画像出力試験後においても白
点、黒点等の画質欠陥は見られなかった。またアルミ基
材のSEM写真を観察しても、基材への研磨材の食い込
みの欠陥の発生は認められなかった。これに対して、比
較例1の場合には、基材表面処理の処理本数とともに、
微細研磨材除去のため研磨材濃度が低下し、その結果表
面粗さの低下が認められた。また、比較例2において
は、基材表面のSEM観察より基材表面への研磨材の食
い込みが観察されそのためその部位に電荷が集中し、黒
点や白点が発生した。また、基材表面処理後の表面粗さ
については、処理本数とともに研磨材の破砕乃至磨耗が
起こり、そのため研磨材の平均粒径が低下し、同一条件
で研磨材を吹きつけホーニング処理を行った結果、やは
り表面粗さの低下が認められた。
【0039】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体の製造方法で
は、微細ホーニング用研磨材は除去されてホーニング処
理するため基体表面には、微細研磨材の食い込みと言う
問題がないだけではなく、同一粒径範囲の研磨材による
ホーニングのため、均一な粗さの面が形成される。本発
明の電子写真感光体の製造装置では、電子写真感光体用
基材のホーニング処理中に微細研磨材を除去することが
できるので、使用中に摩耗乃至破砕して微細化した研磨
材を除去することによって所望の粒径範囲の研磨材によ
りホーニング処理を行うことができる。本発明の電子写
真感光体では、均一な粗面状態の感光層が得られ、ま
た、この電子写真感光体を使用する画像形成装置では、
レーザー光によって画像形成を行なった場合、干渉縞模
様及び黒班点(反転現像時の場合は白班点)等の画像欠
陥のない優れた画質の画像を形成でき、特に、接触帯電
方式を用いるレーザービームプリンタに使用することに
より、良好な画像品質を安定して提供することが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の製造装置の一実施例
を示す概略的構成図である。
【図2】図1の装置におけるサイクロンを示す概略的構
成図である。
【図3】微細研磨材を含む研磨材を用いたホーニング処
理による粗面化の状態を示す説明図である。
【図4】微細研磨材を除去した研磨材を用いたホーニン
グ処理による粗面化の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体用基材 2A,2B ポンプ 3 ホーニング用ガン 4 空気導入管 5 処理容器 6 サイクロン分離器 10 サイクロン分離水排出管 31 基材(電子写真感光体用) 32 微細研磨材 33 通常研磨材 41 電子写真感光体用基材 42,43 研磨材(通常)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 隆 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス 株式会社内 (72)発明者 朝日 徹 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス 株式会社内 (72)発明者 今井 秀樹 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス 株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体用基材の表面処理におい
    て、前記電子写真感光体用基材のホーニング処理に所望
    の粒径範囲を有する研磨材中に含まれる前記研磨材より
    も粒径の小さい微細研磨材を主として除去した研磨材に
    より前記電子写真感光体用基材の表面をホーニング処理
    することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記微細研磨材の除去をホーニング処理
    前に行うことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感
    光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記微細研磨材の除去をホーニング処理
    中に行うことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感
    光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記微細研磨材の除去をサイクロン分離
    器で行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいず
    れかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記研磨材がサイクロン分離器で微細研
    磨材を除去した研磨材であることを特徴とする請求項1
    に記載の電子写真感光体の製造方法。
  6. 【請求項6】 除去された前記微細研磨材の重量分に相
    当する研磨材を補給することを特徴とする請求項1に記
    載の電子写真感光体の製造方法。
  7. 【請求項7】 電子写真感光体用基材の表面に研磨材を
    吹き付けるホーニング手段と、この研磨材を回収する手
    段と、この回収された研磨材のうち微細研磨材を除去す
    る手段と、この微細研磨材を除去した研磨材を前記ホー
    ニング手段に循環させる手段と、を有することを特徴と
    する電子写真感光体の製造装置。
  8. 【請求項8】 微細研磨材を除去する手段が、サイクロ
    ン分離器である請求項7に記載の電子写真感光体の製造
    装置。
  9. 【請求項9】 回収された研磨材のうち除去された微細
    研磨材の重量分に相当する研磨材を補給する手段を有す
    ることを特徴とする請求項7に記載の電子写真感光体の
    製造装置。
  10. 【請求項10】 表面を微細研磨材を除去した研磨材に
    よりホーニング処理した電子写真感光体用基材を有する
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  11. 【請求項11】 表面を微細研磨材を除去した研磨材に
    よりホーニング処理した電子写真感光体用基材を有する
    電子写真感光体に、接触により帯電を行うことを特徴と
    する画像形成装置。
JP7339417A 1995-12-26 1995-12-26 電子写真感光体の製造方法、その製造装置、電子写真 感光体および画像形成装置 Pending JPH09179324A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011506096A (ja) * 2007-11-28 2011-03-03 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト 複数の材料層を有する鋳込まれたシリンダ摺動スリーブを備えるエンジンブロック、およびシリンダ摺動スリーブの製造方法

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