JPH09178702A - 酸素濃度検出素子 - Google Patents

酸素濃度検出素子

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JPH09178702A
JPH09178702A JP7351539A JP35153995A JPH09178702A JP H09178702 A JPH09178702 A JP H09178702A JP 7351539 A JP7351539 A JP 7351539A JP 35153995 A JP35153995 A JP 35153995A JP H09178702 A JPH09178702 A JP H09178702A
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oxygen concentration
low
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gas chamber
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JP7351539A
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Jiro Takagi
二郎 高木
Tasuke Makino
太輔 牧野
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Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空燃比18を越える超希薄燃焼の場合にも使
用可能であり、広い範囲で精度良く酸素濃度を検出する
ことができる酸素濃度検出素子を提供する。 【解決手段】 平板状の酸素イオン導電性固体電解質2
1の上下面に一対の電極22、23を設けてなる酸素セ
ンサ部2を設け、その一方の電極22を排気が存在する
被測定ガス室に露出し、他方の電極23を被測定ガス室
から隔離される低酸素濃度ガス室に露出する。低酸素濃
度ガス室Aの酸素濃度は、補助酸素センサ部3と酸素ポ
ンプ部4にて一定の低い値に制御されており、これを1
%程度の低い値に制御することで、4%程度以上の高酸
素濃度の排気ガス中の酸素濃度を検出することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の空燃比
を制御するために使用される酸素濃度検出素子に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、固体電解質を用いた酸素濃淡
電池型の酸素濃度検出素子が広く知られており、これを
内燃機関の空燃比制御用の素子として利用することが行
われている。例えば、特開平6−300731号公報に
は、酸素イオン導電性の固体電解質板の表面に測定電極
を、裏面に基準電極を設けてなる酸素センサ部と、上記
酸素センサ部を加熱してその検出能力を高めるヒータ部
を有する酸素濃度検出素子が開示されている。
【0003】かかる酸素濃度検出素子において、上記測
定電極を被測定ガスである排気ガスに、基準電極を基準
酸素濃度ガスである大気に接触させると、上記酸素セン
サ部ではこれらガス中の酸素濃度の差に応じた起電力を
生ずる。よって、上記酸素センサ部の出力から排気ガス
中の酸素濃度を知り、空燃比をフィードバック制御する
ことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
酸素濃度検出素子を内燃機関の空燃比制御用の素子に適
用する場合、素子の原理上、上記測定電極での酸素分圧
(排気ガス中の酸素濃度に対応)が、上記基準電極での
酸素分圧(大気中の酸素濃度に対応)の1/4〜1/5
ないしそれ以下でないと素子出力が十分大きくならない
という性質がある。これは言い換えれば空燃比が18〜
20を越えない範囲でしか上記素子を使用できないこと
になり、空燃比が上記範囲より大きい超希薄燃焼の制御
には使用することができない不具合があった。
【0005】しかして、本発明の目的は、空燃比が18
を越える超希薄燃焼の場合にも使用可能であり、広い範
囲で精度良く酸素濃度を検出することができる酸素濃度
検出素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の構成を図1で説明すると、酸素濃度検出素子
は、被測定ガスが存在する被測定ガス室から隔離され、
その酸素濃度が一定の低い値に制御される低酸素濃度ガ
ス室Aと、該低酸素濃度ガス室A内の酸素濃度を一定の
低い値に制御する手段3、4と、平板状の酸素イオン導
電性固体電解質21の上下面に一対の電極22、23を
設けてなり、該一対の電極のうち一方の電極22を上記
被測定ガス室に露出し、他方の電極23を上記低酸素濃
度ガス室Aに露出するように配置された酸素センサ部2
とを具備する(請求項1)。
【0007】上記構成では、一定の低い値に制御された
低酸素濃度ガス室A内のガスが、被測定ガスの酸素濃度
を測定する際の基準酸素濃度ガスとして機能する。この
既知の低酸素濃度ガスを酸素センサ部2の一方の電極2
2に、被測定ガス(排気ガス)を他方の電極23に接触
させると、酸素センサ部2には被測定ガスと低酸素濃度
ガスの酸素濃度差に応じた起電力が発生し、その出力か
ら被測定ガスの酸素濃度を検出することができる。この
時、基準酸素濃度ガスとして低酸素濃度ガスを用いたの
で、例えば酸素濃度が4%以上と大きい被測定ガスであ
っても、基準酸素濃度ガスの酸素濃度を1%程度に制御
すれば、両者の酸素濃度比が1:4以上となり、酸素セ
ンサ部2は検出するに十分な大きさの起電力を出力す
る。これは空燃比で19以上に相当し、従って本発明の
素子は空燃比19以上の超希薄燃焼の制御にも使用でき
精度良い検出が可能である。
【0008】上記酸素濃度の制御手段は、具体的には、
平板状の酸素イオン導電性固体電解質41の上下面に一
対の電極42、43を設けて該一対の電極のうち一方の
電極42を上記低酸素濃度ガス室Aに露出し他方の電極
43を大気の存在する大気室Cに露出させた酸素ポンプ
部4と、平板状の酸素イオン導電性固体電解質31の表
面に一対の電極32、33を設けて該一対の電極のうち
一方の電極32を上記低酸素濃度ガス室Aに露出し他方
の電極33を上記大気室Cに露出させた補助酸素センサ
部3とからなる(請求項2)。
【0009】上記補助酸素センサ部3では、大気室C内
の大気を基準酸素濃度ガスとして低酸素濃度ガス室A中
の酸素濃度を検出することができる。従って、上記補助
酸素センサ部3の出力が一定の低い値となるように上記
酸素ポンプ部4に電圧を印加して上記低酸素濃度ガス室
A内の酸素を上記大気室C側に移動させることで、上記
低酸素濃度ガス室A内の酸素濃度を制御することができ
る。
【0010】上記酸素濃度の制御手段を、平板状の酸素
イオン導電性固体電解質41の上下面に一対の電極4
2、43を設けて該一対の電極のうち一方の電極42を
上記低酸素濃度ガス室Aに露出し他方の電極43を大気
の存在する大気室Cに露出させた酸素ポンプ部4と、上
記低酸素濃度ガス室Aと上記大気室Cとを連通する連通
孔45(図6参照)、または多孔質層からなる拡散抵抗
手段とで構成することもできる(請求項3)。
【0011】この時、上記連通孔45よりなる拡散抵抗
手段を介して上記大気室Cから上記低酸素濃度ガス室A
へ酸素が拡散侵入すると同時に、上記酸素ポンプ部4に
より上記低酸素濃度ガス室Aから上記大気室Cへ酸素が
移動し、これらの釣り合いによって上記低酸素濃度ガス
室A内の酸素濃度が一義的に決まる。従ってこの値が一
定の低い値となるように、上記酸素ポンプ部4に印加す
る電圧を制御することで上記低酸素濃度ガス室A内の酸
素濃度を制御することができる。
【0012】また、上記構成に加えて、さらに平板状の
酸素イオン導電性固体電解質91の上下面に一対の電極
92、93を設けてなり、該一対の電極のうち一方の電
極93を上記被測定ガス室に露出し、他方の電極92を
上記大気室Cに露出させた低酸素濃度測定用の酸素セン
サ部9を併設することもできる(図8、請求項4)。
【0013】ここで、上記酸素センサ部9は、大気室C
内の大気(酸素濃度約20%)を基準酸素濃度ガスとし
て被測定ガス中の酸素濃度を検出する。従って、上記酸
素センサ部9では、被測定ガス中の酸素濃度が0〜5%
程度の場合に計測が可能であり、これを上記酸素センサ
部2と併用することで、より広い範囲で酸素濃度を検出
することが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】図3には本発明の酸素濃度検出素
子を構成の一部とする、内燃機関の空燃比検出装置の全
体断面図を示す。図3において、筒状ハウジングH内に
は、絶縁部材H1に設けた貫通穴H2内に、詳細を後述
する本発明の酸素濃度検出素子1が挿通保持されてい
る。該酸素濃度検出素子1は、その後端部(図の上端
部)において、絶縁部材H1との間に充填される絶縁シ
ール材H3によりハウジングH内に固定される。ハウジ
ングHの略中央部外周にはフランジH4が設けてある。
【0015】上記酸素濃度検出素子1は細長い平板状
で、その先端部(図の下端部)は、上記ハウジングHよ
り突出して図の下方に延び、ハウジングHの下端に固定
される容器状の排気カバー7内に収容されている。上記
排気カバー7は、ステンレス製の内部カバー71と外部
カバー72の二重構造となっており、これらカバー7
1、72の側壁には、被測定ガスである排気ガスを排気
カバー7内に取り込むための排気導入口71a、72a
がそれぞれ形成してある。
【0016】上記ハウジングHの上端には、筒状の大気
カバー8が固定される。上記大気カバー8は、上記ハウ
ジングHに取り付けられるメインカバー81とその後端
部を被うサブカバー82とからなり、その側壁の対向位
置に大気導入口81a、82aをそれぞれ有して、これ
ら大気導入口81a、82aより基準酸素濃度測定のた
めの大気を大気カバー8内に取り込むようになしてあ
る。また、上記大気導入口81a、82aの形成位置に
おいて、上記メインカバー81とサブカバー82の間
に、防水のために溌水性のフィルタ83を配設してあ
る。そのため、空燃比検出装置内部には大気のみが導入
され、水分が入ることはない。
【0017】なお、上記大気カバー8は上端が開口して
おり、上記酸素濃度検出素子1の後端部に接続するリー
ド線84が、この上端開口より外部に延びている。
【0018】図1は上記空燃比検出素子1先端部の模式
的な断面図であり、図2はその展開図である。図中、上
記空燃比検出素子1は、第1の酸素センサ部2、補助酸
素センサ部たる第2の酸素センサ部3、酸素ポンプ部
4、およびヒータ部5を順次積層した構成を有する。上
記第2の酸素センサ部3および酸素ポンプ部4は後述す
るように酸素濃度の制御手段として機能する。
【0019】最上層の第1の酸素センサ部2は、平板状
の酸素イオン導電性固体電解質21の上下面の対向位置
に白金等からなる一対の電極22、23をスクリーン印
刷等により形成してなる。上記固体電解質21は、例え
ばイットリア添加ジルコニア等の安定化ジルコニアから
なる。
【0020】上記第1の酸素センサ部2の下方には、ス
ペーサ61を介して補助酸素センサ部である第2の酸素
センサ部3を構成する平板状の酸素イオン導電性の固体
電解質31が配置される。上記固体電解質31はイット
リア添加ジルコニア等からなり、その上下面の対向位置
には、白金等からなる一対の電極32、33がスクリー
ン印刷等により形成してある。また、これら電極32、
33は上記第1の酸素センサ部2の電極22、23の直
下より少しずれた位置、図では右方に形成されている。
【0021】上記第2の酸素センサ部3の下方には、ス
ペーサ62を介して酸素ポンプ部4を構成する平板状の
酸素イオン導電性の固体電解質41が配置される。上記
固体電解質41はイットリア添加ジルコニア等からな
り、その上下面の対向位置には、白金等からなる一対の
電極42、43がスクリーン印刷等により形成してあ
る。また、これら電極42、43は上記第1の酸素セン
サ部2の電極22、23の直下に位置するように形成さ
れている。
【0022】上記固体電解質21、31、41は、ドク
ターブレード法等のシート形成法により形成されたシー
トからなり、その厚さは、通常、50〜300μmの範
囲とすることができるが、電気抵抗とシートの強度との
兼ね合いを考慮すると、100〜200μmの範囲とす
ることが望ましい。また、電極22、23、32、3
3、42、43の厚さは、通常、1〜20μmの範囲と
するが、耐熱性とガス拡散性とを考慮すると、5〜10
μm程度とすることが望ましい。
【0023】上記酸素ポンプ部4の下方には、スペーサ
63を介してヒータ部5が配置される。該ヒータ部5
は、アルミナ等からなる基板51と、該基板51の表面
にスクリーン印刷等により形成したヒータ電極52と、
このヒータ電極52を覆うアルミナ等からなる絶縁層5
3とから構成される。
【0024】上記スペーサ61、62、63は平板状
で、アルミナ等の絶縁材からなる。図2に示すように、
スペーサ61の左端部には開口部61aが設けてあり、
上記第1の酸素センサ部2の下部電極23と上記第2の
酸素センサ部3の上部電極32が、この開口部61aに
露出するようになしてある。その下方の上記固体電解質
31には、電極32、33形成位置の左側に上記開口部
61aの左半部と重なる開口部31aが形成してある。
また、上記スペーサ62には、上記開口部31aと同一
位置に開口部62aが形成してあり、該開口部62aに
上記酸素ポンプ部4の上部電極42が露出するようにな
してある。
【0025】そして、第1の酸素センサ部2、スペーサ
61、第2の酸素センサ部3、スペーサ62を積層する
ことにより、上記開口部61a、31a、62aが重ね
合わされて1つの閉空間となり、低酸素濃度ガス室Aを
構成する(図1)。この低酸素濃度ガス室A内のガス
は、後述するように上記第2の酸素センサ部3および酸
素ポンプ部4の作用により、一定のある低い酸素濃度に
制御される。
【0026】一方、上記スペーサ62の開口部62aの
右方には、スペーサ62の右端に至るスリット62bが
形成してあり(図2)、上記第2の酸素センサ部3の下
部電極33が、このスリット62bに露出するようにな
してある。その下方の上記固体電解質41には、上記ス
リット62bの左端部と重なる開口部41aが形成して
あり、上記スペーサ63には、上記スペーサ61の開口
部61aと同一位置に開口部63aが形成してある。上
記開口部63aには上記酸素ポンプ部4の下部電極43
が露出するようになしてある。
【0027】しかして、第2の酸素センサ部3、スペー
サ62、酸素ポンプ部4、スペーサ63、ヒータ部5を
積層すると、上記スリット62bにて大気が導入される
大気通路Bが構成されるとともに、上記スリット62b
の左端部と開口部41a、63aとが重ね合わされて、
上記大気通路Bに連通する大気室Cを形成する(図
1)。
【0028】本発明の酸素濃度検出素子1を製造する場
合には、まず、固体電解質21、31、41の上下面に
電極22、23、32、33、42、43を、ヒータ部
5の基板51にヒータ電極52をそれぞれスクリーン印
刷する。その後、下から基板51、絶縁層53、スペー
サ63、固体電解質41、スペーサ62、固体電解質3
1、スペーサ61、固体電解質21の順に積層し、熱圧
着して一体化し、焼成すればよい。
【0029】この時、上記固定電解質21、31、4
1、スペーサ61、62、63、基板51、絶縁層53
の各部材を、それぞれ左右前後に多数繋がった状態で用
意し、この状態で電極形成した後、熱圧着し、同時焼成
した後、分割すれば、一工程で大量の酸素濃度検出素子
を同時に製造することができる。あるいは、熱圧着して
個々に分割した後、同時焼成することも可能である。
【0030】次に上記構成の空燃比検出装置の作動につ
いて説明する。図3において、空燃比検出装置を上記排
気カバー7を下にして内燃機関の排気管に挿通し、上記
フランジH4にて管壁に固定すると、排気カバー7の排
気導入口71a、72aを通じて、排気ガスが排気カバ
ー7内部に取り込まれる。この時、図1において上記第
1の酸素センサ部2の上部電極22は、被測定ガス室た
る上記排気カバー7内空間に露出し、被測定ガスである
排気ガスに曝される。
【0031】一方、大気カバー8の大気導入口81a、
82aを通じて、大気が大気カバー8内部に取り込まれ
(図3)、酸素濃度検出素子1の上記大気通路Bを経て
大気室Cに導入される(図1)。このようにして大気室
Cに取り込まれた大気は、第2の酸素センサ部3の下部
電極33および上記酸素ポンプ部4の下部電極43に達
して、低酸素濃度ガス室Aの酸素濃度を所定値に制御す
る際の基準酸素濃度ガスとして機能する。
【0032】ここで、上記第2の酸素センサ部3の上部
電極32および酸素ポンプ部4の上部電極42はいずれ
も上記低酸素濃度ガス室A内のガスに曝されており、従
って、大気室Cと低酸素濃度ガス室A内のガスの酸素濃
度差によって生じる第2の酸素センサ部3の起電力が一
定となるように、つまり、上記低酸素濃度ガス室Aの酸
素濃度が、大気中の酸素濃度より低いある既知の濃度と
なるように、酸素ポンプ部4に電圧をかけると、低酸素
濃度ガス室Aから大気室Cへ、酸素イオンが固体電解質
41中を移動する。この制御により、低酸素濃度ガス室
Aは第1の酸素センサ部2が排気中の酸素濃度を検出す
る際の基準酸素濃度ガスが存在する空間として機能す
る。
【0033】第1の酸素センサ部2では、上部電極22
に排気ガスが、下部電極23に低酸素濃度ガス室Aに存
在する低酸素濃度ガスが接触し、これらの酸素濃度差に
応じた起電力が上記第1の酸素センサ部2に発生する。
上記低酸素濃度ガス室Aには既知の濃度の低酸素濃度ガ
スが存在するため、この第1の酸素センサ部2の出力か
ら排気中の酸素濃度を検出することができる。ここで、
低酸素濃度ガス室A内の酸素濃度は1%程度の低い値に
制御することが望ましく、この場合、排気中の酸素濃度
が4%以上あれば両者の酸素濃度比が1:4以上とな
り、第1の酸素センサ部2において検出するに十分な大
きさの起電力を出力することができる。これは空燃比で
19以上に相当し、かくして本発明の酸素濃度検出素子
によれば空燃比19以上の超希薄燃焼の制御を行うこと
ができる。
【0034】図4には上記素子による酸素濃度検出回路
のブロック図を示す。図中、24は第1の酸素センサ部
2の起電力を検出する回路であり、第1の酸素センサ部
2が排気ガス中の酸素濃度と上記低酸素濃度ガス室Aに
存在する低酸素濃度の基準ガスとの酸素濃度の差に応じ
て発生する起電力を、起電力検出回路24にて検出する
ようになしてある。上記低酸素濃度ガス室Aには既知の
濃度の基準ガスが存在するため、この起電力検出回路2
4の検出値から排気ガス中の酸素濃度を知ることができ
る。
【0035】また、34は第2の酸素センサ部3の起電
力を検出する回路であり、この起電力が所定の設定値に
なるよう上記酸素ポンプ部4のポンプ電流を流すため
に、比較回路35および酸素ポンプ制御回路44を備え
ている。ここで、上記酸素センサ部3の起電力が所定の
設定値に制御された状態では、上記低酸素濃度ガス室A
の酸素濃度は、大気中の酸素濃度(約20%)を基準と
して既知のある一定の濃度に維持されていることにな
る。この低酸素濃度ガス室A内の酸素濃度は、上述した
ように1%程度の低い値に設定される。
【0036】図5には本発明の第2の実施の形態を示
す。本実施の形態では、上記第1の酸素センサ部2と第
2の酸素センサ部3の固体電解質を共通化しており、第
2の酸素センサ部3の両電極32、33を第1の酸素セ
ンサ部2の固体電解質21の下面に形成している。ここ
で、第2の酸素センサ部3の両電極32、33の間は上
記スペーサ61に設けた隔壁61bにて隔てられ、左側
の電極32が上記低酸素濃度ガス室Aに、右側の電極3
3が上記大気室Cに露出するようになしてある。また、
図1におけるスペーサ62を省略して、大気通路Bをス
ペーサ63の開口部に連続して設けている。その他の構
成、および作動は上記第1の実施の形態と同様である。
【0037】上記構成によれば、固体電解質を共通化す
ることで部品点数が減り、よりコンパクトにできる。ま
た第2の酸素センサ部3の両電極32、33を、上記第
1の酸素センサ部2の下部電極23と同一面に配置した
ので、これら電極23、32、33を一度に印刷形成す
ることができ、製作工程が簡単になる。
【0038】図6には本発明の第3の実施の形態を示
す。本実施の形態では、上記低酸素濃度ガス室A内の酸
素濃度を制御する手段として、第2の酸素センサ部3に
代えて、上記酸素ポンプ部4に電極形成部を貫通する連
通孔45を設けている。そして、低酸素濃度ガス室A内
の酸素濃度を連通孔45を通じて酸素分子の拡散による
侵入量と酸素ポンプ部4による酸素イオンの汲み出し量
とのバランスにより実現するようにしてある。この時、
図1におけるスペーサ62は省略され、大気通路Bはス
ペーサ63内に設けられる。その他の構成は上記第1の
実施の形態と同様である。
【0039】すなわち、図中、大気室Cと低酸素濃度ガ
ス室Aとは、上記連通孔45を介して連通し、この連通
孔45を通じて空気の分子は低酸素濃度ガス室Aに侵入
可能であるが、その時間当たりの量は、大気室Cと低酸
素濃度ガス室Aの酸素濃度の差に依存する。一方、酸素
ポンプ部4により低酸素濃度ガス室A中の酸素は固体電
解質41中を酸素イオンとして移動し、大気室Cへ排出
される。その時間当たりの量は、酸素ポンプ部4に印加
される電圧、つまり酸素ポンプ部4を流れる電流に依存
する。従って、酸素ポンプ部4にある一定の電圧を印加
すると連通孔45の拡散抵抗と釣り合う形で低酸素濃度
ガス室A中の酸素濃度が一義的に決まることになる。よ
って、低酸素濃度ガス室A中の酸素濃度を計測すること
なく、酸素ポンプ部4による酸素の汲み出し量と連通孔
45を介しての酸素の拡散侵入量との釣り合いによって
低酸素濃度ガス室Aの酸素濃度を一定に制御することを
実現する。
【0040】図7には本実施の形態における酸素濃度検
出回路のブロック図を示す。図中、酸素ポンプ部4には
電圧制御回路46から既知の一定値の電圧が供給される
ようになしてあり、これにより低酸素濃度ガス室A内の
酸素濃度を既知の一定の値に維持している。第1の酸素
センサ部2が発生する起電力は上記第1の実施の形態同
様、起電力検出回路24にて検出される。
【0041】なお、本実施の形態において、低酸素濃度
ガス室Aへの酸素の侵入は拡散性(酸素濃度差に速度が
依存)であればよく、連通孔45に代えて多孔質層を用
いることでも同様の効果が得られる。
【0042】図8には本発明の第4の実施の形態を示
す。本実施の形態は、上記各実施の形態で述べた低酸素
濃度ガスを基準ガスとする高酸素濃度計測用の第1の酸
素センサ部2に加えて、高酸素濃度ガス(大気)を基準
ガスとする低酸素濃度計測用の第3の酸素センサ部9を
設け、より広い範囲で酸素濃度を計測可能とするもので
ある。
【0043】図8において、酸素ポンプ部4の下方には
スペーサ63を介して第3の酸素センサ部9が設けてあ
り、該第3の酸素センサ部9は、平板状の酸素イオン導
電性固体電解質91の上下面の対向位置に白金等からな
る一対の電極92、93をスクリーン印刷等により形成
してなる。この時、上記上部電極92は上記大気室C
に、下部電極93は被測定ガスが存在する排気カバー7
内空間に露出している。なお、ここではヒータ部5を上
記第2のセンサ部3と酸素ポンプ部4の間に配して、図
1におけるスペーサ62を省略している。また、大気通
路Bはスペーサ63内に設けられる。その他の構成は上
記第1の実施の形態と同様である。
【0044】酸素濃淡電池型の酸素濃度検出素子では、
十分な大きさの出力を得るためには、被測定ガス濃度と
基準酸素濃度との比が約4以上あることが必要とされる
(ここで被測定ガス濃度と基準酸素濃度はどちらが大き
くてもよい)。この特性を基に測定可能な酸素濃度を考
えると、上記低酸素濃度ガス室A内の酸素濃度を1%に
制御した場合、第1の酸素センサ部2は酸素濃度4%以
上の排気中の酸素濃度を測定可能である。一方、大気室
C中の大気(酸素濃度約20%)を基準ガスとする第3
の酸素センサ部9は酸素濃度0〜5%の排気中の酸素濃
度を測定可能である。従って、これら2つの酸素センサ
部2、9を設けることでほぼ全範囲の酸素濃度の計測が
可能となる。つまり、この実施の形態の酸素濃度検出素
子により空燃比14.6〜無限大のリーン側全範囲の酸
素濃度の計測が可能となる。
【0045】上記各実施の形態では、酸素イオン導電性
の固体電解質21、31、41、91としてイットリア
添加ジルコニアを用いたが、他の成分を添加したジルコ
ニア、あるいはジルコニアに代えてセリア、ハフニアと
いった酸化物よりなる固体電解質を用いてもよい。ま
た、酸素ポンプ部4、酸素センサ部2、3、9の電極は
白金に限らず、パラジウム等を用いることもできる。さ
らに電極の形成方法はスクリーン印刷に限らず、メッ
キ、蒸着等の他の薄膜形成技術を採用してもよい。
【0046】また、スペーサ61、62、63及びヒー
タ部の基板51、絶縁部材53の材質はアルミナに限ら
ず、ムライト、ステアタイト等、絶縁性のある材料であ
ればいずれを使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態を示す酸素
濃度検出素子の要部拡大断面図である。
【図2】図2は、図1の酸素濃度検出素子の展開図であ
る。
【図3】図3は、本発明の酸素濃度検出素子を構成の一
部とする空燃比検出装置の全体断面図である。
【図4】図4は、第1の実施の形態における検出回路の
ブロック図である。
【図5】図5は、本発明の酸素濃度検出素子の第2の実
施の形態を示す要部拡大断面図である。
【図6】図6は、本発明の酸素濃度検出素子の第3の実
施の形態を示す要部拡大断面図である。
【図7】図7は、第3の実施の形態における検出回路の
ブロック図である。
【図8】図8は、本発明の酸素濃度検出素子の第4の実
施の形態を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 酸素濃度検出素子 2 第1の酸素センサ部 21 固体電解質 22、23 電極 3 第2の酸素センサ部(補助酸素センサ部) 31 固体電解質 32、33 電極 4 酸素ポンプ部 41 固体電解質 42、43 電極 45 連通孔(拡散手段) 5 ヒータ部 51 基板 52 ヒータ電極 53 絶縁部材 61、62、63 スペーサ 9 第3の酸素センサ部(低酸素濃度用の酸素センサ
部) 91 固体電解質 92、93 電極 A 低酸素濃度ガス室 B 大気通路 C 大気室

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定ガスが存在する被測定ガス室から
    隔離され、その酸素濃度が一定の低い値に制御される低
    酸素濃度ガス室と、該低酸素濃度ガス室内の酸素濃度を
    一定の低い値に制御する手段と、平板状の酸素イオン導
    電性固体電解質の上下面に一対の電極を設けてなり、該
    一対の電極のうち一方を上記被測定ガス室に露出し、他
    方を上記低酸素濃度ガス室に露出するように配置され、
    被測定ガスと低酸素濃度ガスの酸素濃度差より被測定ガ
    ス中の酸素濃度を検出する酸素センサ部とを具備するこ
    とを特徴とする酸素濃度検出素子。
  2. 【請求項2】 上記酸素濃度の制御手段が、平板状の酸
    素イオン導電性固体電解質の上下面に一対の電極を設け
    て該一対の電極のうち一方を上記低酸素濃度ガス室に露
    出し他方を大気の存在する大気室に露出させた酸素ポン
    プ部と、平板状の酸素イオン導電性固体電解質の表面に
    一対の電極を設けて該一対の電極のうち一方を上記低酸
    素濃度ガス室に露出し他方を上記大気室に露出させた補
    助酸素センサ部とからなり、上記補助酸素センサ部で検
    出される上記低酸素濃度ガス室内の酸素濃度が一定の低
    い値となるように、上記酸素ポンプ部に電圧を印加して
    上記低酸素濃度ガス室内の酸素を上記大気室側に移動さ
    せるようにした請求項1記載の酸素濃度検出素子。
  3. 【請求項3】 上記酸素濃度の制御手段が、平板状の酸
    素イオン導電性固体電解質の上下面に一対の電極を設け
    て該一対の電極のうち一方を上記低酸素濃度ガス室に露
    出し他方を大気の存在する大気室に露出させた酸素ポン
    プ部と、上記低酸素濃度ガス室と上記大気室とを連通す
    る連通孔または多孔質層からなる拡散抵抗手段とからな
    り、上記拡散抵抗手段を介しての上記大気室から上記低
    酸素濃度ガス室への酸素の拡散侵入量と上記酸素ポンプ
    部による上記低酸素濃度ガス室から上記大気室への酸素
    の移動量との釣り合いによって決まる上記低酸素濃度ガ
    ス室内の酸素濃度が一定の低い値となるように、上記酸
    素ポンプ部に印加する電圧を制御するようにした請求項
    1記載の酸素濃度検出素子。
  4. 【請求項4】 平板状の酸素イオン導電性固体電解質の
    上下面に一対の電極を設けてなり、該一対の電極のうち
    一方を上記被測定ガス室に露出し、他方を上記大気室に
    露出させた低酸素濃度測定用の酸素センサ部を併設した
    請求項1ないし3記載の酸素濃度検出素子。
JP7351539A 1995-12-25 1995-12-25 酸素濃度検出素子 Withdrawn JPH09178702A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004506881A (ja) * 2000-08-18 2004-03-04 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング ガスセンサ、特に酸素センサ

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JP2004506881A (ja) * 2000-08-18 2004-03-04 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング ガスセンサ、特に酸素センサ

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