JPH09177974A - アルミニウム又はアルミニウム合金製容器及びその製造方法 - Google Patents

アルミニウム又はアルミニウム合金製容器及びその製造方法

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JPH09177974A
JPH09177974A JP7341757A JP34175795A JPH09177974A JP H09177974 A JPH09177974 A JP H09177974A JP 7341757 A JP7341757 A JP 7341757A JP 34175795 A JP34175795 A JP 34175795A JP H09177974 A JPH09177974 A JP H09177974A
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welding
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aluminum
aluminum alloy
container body
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Shuhei Ido
周平 井土
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接線が少なく、製造コストが低い構造を有
し、溶接熱影響部の熱劣化が小さい接合方法であり、熱
伝導性がよいアルミニウム材であっても、容器内部の温
度上昇が少なく、溶接熱による熱軟化現象を回復するこ
とができるアルミニウム又はアルミニウム合金製容器及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム又はアルミニウム合金の押
出型材からなる容器本体1と、Al−Si系アルミニウ
ム合金の鋳物材からなる蓋部材2とを有する。前記鋳物
材の水素含有量は0.2cc/100g以下である。ま
た、容器本体1と蓋部材2とは、高エネルギ密度溶接に
より接合されている。この高エネルギ密度溶接において
は、溶接開先部分のビーム径の2倍を超える部分を、容
器本体及び蓋部材とは異なる材料で覆うことが好まし
い。更に、溶接施工後に、容器を150乃至200℃の
温度に30分以上加熱して時効処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は飲料水、食品、飲料水、
ガソリン又は空気等の固体、液体又は気体を収納するア
ルミニウム又はアルミニウム合金製容器に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム又はアルミニウム合金(以
下、本発明においてアルミニウム合金というときは純ア
ルミニウムも含む)は軽量で熱伝導性がよいことから、
ビール缶をはじめとする容器材に使用されている。ま
た、近年の地球温暖化防止にはじまる環境問題等から、
輸送用機器の軽量化も計られている。特に、容器の構成
材料としてアルミニウム合金の使用が促進されている。
【0003】これらのアルミニウム合金製容器のうち、
ビール缶等の食品及び飲料用缶等は主にカシメ技術によ
り、また、ガソリンタンク等の容器額は溶接により、容
器本体と蓋とが接合されている。
【0004】アルミニウム合金には圧延により製造され
る板材、押出加工により製造される押出型材、任意の形
状に成形可能な鋳物材等があり、夫々要求される構造及
び精度等の特性に応じて適切なものが使用されている。
容器本体及び蓋部材はそのようにして選定された材料に
より成形され、容器本体と蓋部材とを組み合わせた後、
主として溶融溶接方法により接合することにより、容器
が製造されている。
【0005】ガソリンタンク等の大型容器は、板材の切
断、曲げ加工及び溶接の各工程により製造されており、
容器本体及び蓋部材は、溶融溶接方法の中でも特にアー
ク溶接方法により接合されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術には、以下に示す欠点がある。即ち、板材の切
断及び曲げ加工により製造される容器は、それらの工程
に多くの工数が必要であり、コスト上不利であった。
【0007】また、溶接線が長いため、溶接工数が多
く、また溶接に伴う変形を修正するために更に工数が必
要であるという欠点を有していた。
【0008】更に、蓋部材を容器本体に溶接接合する際
に、溶接部に割れ等の欠陥が生ずる場合があり、その溶
接施工には十分な配慮が必要であった。
【0009】特に、溶接金属の割れの発生を防止するた
め、一般にAI−Mg系の溶加材を使用したミグ溶接方
法又はティグ溶接方法が使用されてきた。この方法は技
術的には確立しているものの、特に薄板の溶接では変形
が生じやすいと共に、その変形応力によりさらに割れが
発生しやすいという欠点を有している。
【0010】また、ミグ溶接又はティグ溶接において
は、溶接熱により容器内部が加熱されやすく、容器内部
に熱に弱い部材が配置された容器の溶接には適していな
い。
【0011】更に、溶接熱により、押出材の溶接熱影響
部が軟化するため、その部分の強度が下がり、結果とし
て容器の耐気密性が劣る場合がある。この強度低下によ
る耐機密性劣化防止対策として、材料全体の厚さを増す
か、又は溶接熱影響部に相当する部分を厚肉化する必要
があった。しかし、これらの対応は、いずれもコスト上
昇原因となり、更に容器自体が厚肉大型化し、本来の軽
量化目的に反するものとなっている。
【0012】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、溶接線が少なく、製造コストが低い構造を
有し、溶接熱影響部の熱劣化が小さい接合方法であり、
熱伝導性がよいアルミニウム材であっても、容器内部の
温度上昇が少なく、溶接熱による熱軟化現象を回復する
ことができるアルミニウム又はアルミニウム合金製容器
及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアルミニウ
ム又はアルミニウム合金製容器の製造方法は、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金の押出型材からなる容器本体
と、Al−Si系アルミニウム合金の鋳物材からなる蓋
部材とを有し、前記鋳物材の水素含有量は0.2cc/
100g以下であることを特徴とする。
【0014】また、本発明に係るアルミニウム又はアル
ミニウム合金製容器の製造方法は、アルミニウム又はア
ルミニウム合金の押出型材からなる容器本体と、Al−
Si系アルミニウム合金であって水素含有量が0.2c
c/100g以下である鋳物材からなる蓋部材とを、高
エネルギ密度溶接により接合することを特徴とする。
【0015】なお、前記高エネルギ密度溶接は、溶接開
先部分のビーム径の2倍を超える部分を、容器本体及び
蓋部材とは分離した部材で覆うことが好ましい。
【0016】また、溶接施工後に、容器を150乃至2
00℃の温度に30分以上加熱して時効処理することが
好ましい。
【0017】
【作用】本発明においては、容器本体が押出型材により
作られているので、任意の閉断面を構成でき、またダイ
ス形状を選択することにより任意の断面形状のものを大
量生産できる。従って、容器本体の溶接に必要なコスト
を低減することができる。
【0018】また、蓋部材はアルミニウム合金鋳物材か
らなるが、この鋳物材は砂型又は金型により任意の形状
のものを大量生産することができる。このため、生産コ
スト上、有利である。
【0019】更に、本発明においては、前記鋳物材の水
素含有量を0.2cc/100g以下とする。鋳物材の
水素含有量が0.2cc/100gを超えると、溶接加
工時に溶接金属中に空孔欠陥が発生する虞がある。この
空孔欠陥の防止のため、その水素含有量を0.2cc/
100g以下とする。
【0020】本発明においては、これらの容器本体及び
蓋部材を組合せることにより容器を製造するから、必要
な溶接線が減少すると共に、その溶接線長さも減少す
る。このため、製造コストの低減が可能である。
【0021】一方、本発明方法においては、溶接方法と
して高エネルギ密度溶接を用いることで、溶接熱変形が
最小に抑えられ、その後の修正工程を削除又は大幅に低
減できる。また、溶接時に溶接ビーム径の2倍を超える
部分を容器本体及び蓋部材から分離した部材(遮蔽部
材)で覆っているので、材料表面にプラズマが発生せ
ず、母材の加熱が抑制される。このため、容器内面の温
度の上昇を抑制でき、内部の劣化及び内面の損傷が抑制
される。
【0022】このように、溶接ビームの径の2倍を超え
る部分を遮蔽部材で覆う場合には、ビーム径の2倍の径
を有する孔を設けた遮蔽部材を被溶接材から離隔させて
設ければよい。
【0023】高エネルギビーム(例えば、レーザビー
ム)の発生源から照射されたレーザビームは被溶接部に
導かれる間に収束され、被溶接部に照射されてプラズマ
を生起し、被溶接部を溶融する。このレーザビームはそ
の強度がガウス分布を有しており、ビーム径とは通常照
射中心部から強度が1/eになる位置までの距離をい
い、本発明においても、ビーム径はこの定義に従う。但
し、eは対数定数であり、ビーム径とは被溶接材表面に
おけるものである。このように定義されるビーム径の例
えば2倍を超える部分に存在するレーザエネルギは、溶
接母材の溶融には小さすぎ、母材の溶融には寄与しな
い。しかし、このような周辺部に存在するレーザエネル
ギにより生起されるプラズマは溶接母材の加熱には充分
なエネルギを有している。即ち、この周辺部のレーザビ
ームが溶接母材を加熱することが母材裏面を昇温させて
しまう。
【0024】しかし、ビーム径に基づいて決まる大きさ
の孔を有する遮蔽板を使用して、ビーム周辺部のレーザ
エネルギを遮断すると、母材であるアルミニウム合金の
溶融に寄与せず、この母材の溶融部近傍の加熱にのみ費
やされるビーム周辺部のプラズマの発生が抑制され、母
材における余分な加熱領域が少なくなる。このため板厚
方向の熱伝導が抑制されて溶融部裏面の温度上昇を低減
することができる。
【0025】なお、前記遮蔽板の前記孔の大きさはレー
ザビーム径の2倍の大きさにすることが好ましい。通
常、レーザビーム径の2倍の大きさの領域が母材溶融に
寄与するからである。
【0026】一方、レーザビームは断面が円形のものを
使用することもあるが、溶接線に沿う方向に扁平状に延
びる楕円状のビームを使用することもある。即ち、遮蔽
板を溶接ビームガンに固定する場合は、方向性を有しな
い円形断面のレーザビームを使用するが、遮蔽板を被溶
接部に断熱的に固定する場合は、方向性を有する楕円状
断面のビームを使用することができる。この場合は、溶
接線に沿う方向を長軸とする楕円状のレーザビームを使
用し、前記孔としては、溶接線に直交する方向の幅が前
記レーザビームの短軸直径の2倍になるようにその大き
さを定めることが好ましい。レーザビームの長軸方向を
溶接線に沿う方向とすることにより、加熱が必要な領域
に効率的にレーザビームを照射することができ、加熱が
不要な領域へのレーザビームの広がりを抑制することが
できる。更に、本発明においては、この溶接線に直交す
る方向において、レーザビームの短軸直径の2倍を超え
る領域は、遮蔽板により遮蔽されるので、加熱が不要で
あって、余分な加熱が被溶接材の裏面の温度上昇をもた
らすような領域についてレーザビームが照射されること
が防止される。なお、レーザビームが楕円状の断面を有
する場合に、前記孔はその溶接線に直交する方向の幅が
ビーム短軸直径の2倍であることが好ましいが、このよ
うな孔としては、前記短軸直径の2倍の直径の円孔であ
ってもよいし、例えば、短軸直径が前記ビーム短軸直径
の2倍である楕円状の孔であってもよい。
【0027】即ち、レーザビームにより加熱される領域
を被溶接材の溶融に必要な領域にのみ制限することを主
旨とし、このため、遮蔽板によりビーム周辺部を遮蔽し
てこのビーム周辺部が被溶接材に照射されることを防止
するものである。このような主旨のもとに、遮蔽板の孔
の形状については、スリット状等、種々のものを適用で
き、円形又は楕円形に限定されないことは勿論である。
【0028】この高エネルギ密度溶接方法においては、
溶融領域を制限できると共に、高速溶接が可能で、母材
の熱影響を最小に抑えることができる。また、高エネル
ギ密度溶接はエネルギの集中程度が良くてその目的が達
せられる方法であればその選択に制約はないが、大気中
で任意の雰囲気を選択できるレーザビーム溶接が望まし
い。アルミニウムは熱伝導性がよく、溶接時の熱が母材
に伝導して前述のようにの熱変形、溶接熱影響部の軟化
等の影響を与えるが、この程度は高エネルギ密度溶接で
はかなり少なくなる。
【0029】容器内面及び内部に熱影響による劣化が懸
念される場合は、その悪影響を最小限とする必要があ
る。本願発明者は、レーザ溶接により加熱された溶融部
の熱が母材に伝わるが、その程度は限定されたものであ
り、むしろ溶融部上方に形成されるプラズマにより直接
母材が加熱され、その熱が母材裏面側に伝わり、裏面の
温度が上昇することを知見した。このため、素材の熱を
迅速に系外に伝えるために、外面の冷却及び内部からの
ガスによる冷却が熱影響低減のために有効であり、また
ビームが照射される表面側におけるプラズマによる母材
の加熱を抑制することが裏面の高温化を防止するのに重
要である。
【0030】本願発明者は裏面の高温化防止のために種
々検討した結果、レーザビーム直径の2倍を超える部分
を容器本体とは別の材料で覆うことが有効であることを
見出した。この溶接部を覆う材料については、特には制
約を受けないが、熱伝達が良い金属材料、特にアルミニ
ウム又はその合金及び銅又はその合金が望ましい。
【0031】更に、本発明方法においては、溶接熱で軟
化し、強度が低下した熱影響部を、溶接後の熱処理によ
り、回復する。このため、溶接部分の厚さを増大させる
ことなく、容器全体の耐気密性を維持することができ
る。
【0032】即ち、押出型材は通常T4又はT6処理に
よる熱処理を受けており、この材料を溶融溶接すると熱
影響部が軟化する。この結果、溶接金属が健全であって
も、母材の熱影響部が軟化し、継ぎ手強度が母材より低
い値となる。このため、鉄道車両等の実例では溶接継ぎ
手に相当する部分を他の部分より肉厚とすることがある
が、容器材の場合この方法の適用は困難である。そこ
で、溶接後、容器全体又は溶接部分のみを150℃〜2
00℃の範囲で30分以上加熱し、時効処理する。これ
により、軟化した部分の強度を回復することができる。
【0033】時効熱処理温度が150℃未満であると、
強度の回復が不十分であり、200℃を超えると、延性
が低下する。また、時効熱処理時間が30分を超える
と、同じく延性が低下し、構造物としての特性が劣化す
る。
【0034】なお、加熱方法は全体加熱には通常の電気
炉等を、また部分加熱の場合はアーク又はレーザ等の熱
源を使用することができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例について、その比較例
と比較して説明する。図1は本発明の実施例に係る容器
を示す図であり、容器本体1はA6061−T6押出型
材、蓋部材2はAC4CH−T4鋳物材を使用した。容
器本体1は厚さが2mm、直径が200mm、高さが2
00mmである。蓋部材2の縁部において、レーザビー
ム溶接(LBW)を行い、蓋部材2と容器本体1とを接
合する。この場合に、レーザビームは蓋部材2の上方か
ら下方の蓋部材2に向けて照射されるようになってい
る。そして、このレーザビームの照射位置、即ち接合部
の直上域が開口し、その他の部分が遮蔽された遮蔽板9
を蓋部材2の上方に配置する。なお、レーザビームの径
が0.3mmである場合、遮蔽板9の開口部の大きさは
ビーム径の2倍の0.6mmとすることができる。
【0036】図2は本発明の他の実施例に係る容器を示
す図である。この実施例においては、容器本体3の開口
部に装着される蓋部材4が円板状をなし、その下面に容
器本体3の開口部に嵌合される突起5を有する。この容
器の直径は例えば200mm、高さは250mmであ
る。
【0037】図3は本発明の更に他の実施例を示す図で
ある。容器本体6の開口部8は上方に突出し、この開口
部8に蓋部材7が接合される。この容器の直径は例えば
150mm、高さは100mmである。
【0038】先ず、図1に示す容器を下記の方法により
溶接接合して製造した。溶接は定格出力5kWの炭酸ガ
スレーザ装置を用い、容器本体1と蓋部材2との重ね部
をフィラーを使用せずに溶接を行った。溶接条件は出力
4.5KW、溶接速度3m/minである。鋳物部材の
水素含有量と溶接部の継ぎ手性能を放射線透過試験に調
査し、下記表1に示す結果を得た。表1において、比較
例1乃至5は水素含有量が0.2cc/100gを超え
るものであり、実施例6、7は水素含有量が0.2cc
/g以下のものである。
【0039】
【表1】
【0040】この表1から明らかなように、鋳物の水素
含有量を0.2cc/100g以下とすることにより、
溶接金属中の空孔欠陥を防止することができる。
【0041】次に、溶接時の溶接施工方法の実施例につ
いて説明する。溶接はレーザビーム溶接とし、溶接ビー
ムは図1の開先で当接面を施工する。但し その狙い位
置は必要により±0.5mmの範囲でいずれかの方向に
寄せてもよい。また、必要に応じて、ビーム照射角度を
溶接線方向で30度以下、溶接線直角方向で20度以下
の角度で傾斜させてもよい。
【0042】溶接に際しては鋳物材のSiの溶融により
良好な湯流れ性を利用でき、良好な断面形状の溶接金属
を形成できるが、場合によりワイヤ等の溶加材を供給し
てもよい。
【0043】また、溶接時に溶接面のビーム径の2倍以
上の範囲を他の材料にて覆うことにより母材の過熱を防
止できる。下記表2及び3は溶接部位の遮蔽板の開口部
の径と、裏面の過熱状況との関係を示す。
【0044】但し、レーザビームはその強度が通常ガウ
ス分布を示す。このため、ビーム径とは、通常、ビーム
中心部から強度がこの中心部のピーク強度の1/eに低
下する位置までの距離であると定義される。本発明もビ
ーム径はこの定義に従う。なお、表2、3において、ビ
ーム径は照射位置でのビーム径を示す。また、倍率とは
遮蔽板の開口部径と、照射されるレーザビームの径との
比である。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】この表2、3から明らかなように、少なく
ともビーム径の2倍以上の部分を覆った実施例11〜1
3及び実施例21〜26は、裏面の温度上昇を100℃
以下と低く、温度上昇を抑制することができる。これに
対し、比較例14〜20及び比較例27〜30は孔の大
きさが大きくてビーム径の2倍を超える部分を遮蔽でき
ていないため、裏面温度が100℃を超え、その温度上
昇を充分に防止できなかった。
【0048】次いで、溶接終了後の熱処理条件について
説明する。下記表4は溶接終了後に各種温度と時間にて
熱処理を行った場合の継手効率を示す。継手効率とは溶
接部の継手強度を母材のうち強度の弱い方の母材の強度
規格値で除した値を100倍してパーセント表示したも
のである。
【0049】
【表4】
【0050】この表4から明らかなように、熱処理温度
が150〜200℃であり、保持時間が30分以上の本
発明の実施例の場合には、継ぎ手効率が100%であっ
た。これに対し、熱処理温度が本発明範囲から外れる比
較例の場合には、継ぎ手効率が低いものであった。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アルミニウム又はアルミニウム合金製の容器を、溶接線
の数が少なく、少ない工数で低コストで製造することが
できる。また、その容器を製造するにあたり、溶接変形
及び割れ等の欠陥が少なく、かつ内部の温度上昇を抑制
することができる。更に、溶接後に溶接部を適切な温度
及び保持時間で時効処理することにより、継手効率10
0%を得ることができる。従って、本発明は特に車載の
金属容器の製造方法として最適であり、軽量化、低コス
ト性及び高性能のいずれも優れた容器を提供することが
でき、本発明はこの種の容器の分野にて多大の貢献をな
す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る容器を示す図である。
【図2】本発明の他の実施例に係る容器を示す図であ
る。
【図3】本発明の更に他の実施例に係る容器を示す図で
ある。
【符号の説明】
1、3、6;容器本体 2、4、7;蓋部材 5;突起 8;開口部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金の押
    出型材からなる容器本体と、Al−Si系アルミニウム
    合金の鋳物材からなる蓋部材とを有し、前記鋳物材の水
    素含有量は0.2cc/100g以下であることを特徴
    とするアルミニウム又はアルミニウム合金製容器。
  2. 【請求項2】 前記容器本体と前記蓋部材とは、高エネ
    ルギ密度溶接により接合されていることを特徴とする請
    求項1に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金製容
    器。
  3. 【請求項3】 アルミニウム又はアルミニウム合金の押
    出型材からなる容器本体と、Al−Si系アルミニウム
    合金であって水素含有量が0.2cc/100g以下で
    ある鋳物材からなる蓋部材とを、高エネルギ密度溶接に
    より接合することを特徴とするアルミニウム又はアルミ
    ニウム合金製容器の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記高エネルギ密度溶接は、溶接開先部
    分のビーム径の2倍を超える部分を、容器本体及び蓋部
    材とは分離した部材で覆うことを特徴とする請求項3に
    記載のアルミニウム又はアルミニウム合金製容器の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 溶接施工後に、容器を150乃至200
    ℃の温度に30分以上加熱して時効処理することを特徴
    とする請求項3又は4に記載のアルミニウム又はアルミ
    ニウム合金製容器の製造方法。
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