JPH09177605A - ガスケット連接部のシール構造 - Google Patents

ガスケット連接部のシール構造

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Publication number
JPH09177605A
JPH09177605A JP34946495A JP34946495A JPH09177605A JP H09177605 A JPH09177605 A JP H09177605A JP 34946495 A JP34946495 A JP 34946495A JP 34946495 A JP34946495 A JP 34946495A JP H09177605 A JPH09177605 A JP H09177605A
Authority
JP
Japan
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gasket
chain case
seal
cylinder head
cylinder block
Prior art date
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Pending
Application number
JP34946495A
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English (en)
Inventor
Kenji Kubouchi
憲治 窪内
Naoki Ii
直毅 伊井
Yuji Fukui
雄二 福居
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Nippon Gasket Co Ltd
Original Assignee
Nippon Gasket Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダヘッドガスケットとチェーンケース
ガスケットとの合わせ部をシール部材によってシールす
るガスケット連接部のシール構造を提供する。 【解決手段】 このガスケット連接部のシール構造は、
シリンダブロック28とチェーンケース29との境界部
におけるシリンダヘッドガスケット10の弾性金属板か
ら成るビード板に切込み部9を形成し、チェーンケース
ガスケット11の端部20,21にシール部材15を装
着し、シール部材15を切込み部9に嵌入する。シール
部材15は、一次加硫されている油性膨潤タイプの合成
ゴムから作製されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、チェーンケースとシ
リンダブロックとの対向面間をシールするチェーンケー
スガスケットと、前記シリンダブロック及びチェーンケ
ースとシリンダヘッドとの対向面間をシールするシリン
ダヘッドガスケットとの合わせ部におけるガスケット連
接部のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、チェーンケース付きエンジン用金
属製ガスケットは、シリンダブロックとチェーンケース
を隣接状態で一体に形成してこれらの上面とシリンダヘ
ッドの下面との間を気密で液密に密封保持するものであ
り、高いシール面圧を必要とする主シール部と比較的低
いシール面圧で足りる副シール部とを備えており、シー
ル面圧の低い副シール部を主シール部を形成する積層し
た金属薄板の少なくとも一枚を延長して基材とし、その
片面又は両面にビータシート、グラファイトシート、コ
ンプレスドシート等の軟質シートを接着した構造を有し
ている。このような金属積層形ガスケットとして、実開
昭63−48059号公報に開示されているものがあ
る。
【0003】また、チェーンケース付きエンジン用金属
製ガスケットとして、実開昭63−201259号公報
に開示されたものがある。該公報に開示されたシリンダ
ヘッドガスケットは、ヘッドガスケット部とチェーンケ
ースガスケット部から構成し、両者間に柔軟な材料より
なる緩衝部を配設したものである。
【0004】また、チェーンケース付きエンジン用金属
製ガスケットとして、特開平5−280645号公報に
開示されたものがある。該公報に開示された金属ガスケ
ットは、シリンダブロックとチェーンケースとを別体と
して構成し、チェーンチャンバカバー部とシリンダブロ
ック部とシリンダヘッド部の3点接合部をシールするも
のであり、チェーンチャンバカバー部とシリンダブロッ
ク部との上面で、シリンダヘッドとの間の3点接合位置
に開口部を形成し、該開口部内に補償板を設けたもので
ある。
【0005】また、実開昭61−148962号公報に
開示されている三面合わせ部のガスケットは、シリンダ
ブロック、フロントケース及びオイルパンの相互の対向
面間に設けられたガスケットの三面合わせ部のシール構
造である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、OHC
型、DOHC型のエンジンでは、図12に示すように、
カムシャフト駆動用チェーンを収納するチェーンケース
29をシリンダブロック28とは別に製作し、空間部2
3を備えたチェーンケース29を気筒即ち燃焼室31を
備えたシリンダブロック28に隣接してボルトにより締
結した構造に構成しているのが一般的である。また、シ
リンダヘッドとチェーンケース29及びシリンダブロッ
ク28との間には金属製ガスケットが配置されている。
しかも、エンジンの軽量化の目的として、チェーンケー
ス29の取付側面は開放形としてチェーンケース29の
重量を軽減し、チェーン走行用の空間部23は、チェー
ンケース29の空間部23の内壁とシリンダブロック2
8の側面とで形成した構造に構成されている。このよう
な別部品同志の固定構造のため、シリンダブロック28
の上面24とチェーンケース29の上面25がたとえ平
面に仕上げられても、シリンダブロック28とチェーン
ケース29との合わせ部の当接面即ち対向面間22にお
いて、両上面24,25間には、僅かではあるが段差3
0が形成されることは避けられず、エンジンの長期間に
わたる使用によって段差30が拡大することも避けられ
ない。このように、両上面24,25間に段差30が生
じると、チェーンケース29内でカムシャフト駆動のた
めチェーンが走行するに伴って、潤滑油等の油が撥ね飛
ばされて段差部にかかり、その段差部から侵入し、油が
その部分からチェーンケース外部に漏れ出たり、シリン
ダブロック28とシリンダヘッドとの対向面間に侵入し
ていくという問題が生じる。
【0007】また、上記のような金属製ガスケットは、
シリンダブロック28側で積層されている金属製薄板を
延長して基材とし、その片面に軟質シートを接着したも
のは段差30による気密及び液密を保持することができ
ず、更に、弾性金属板を延長して基材としその両面に軟
質シートを接着したものでは、段差30が極めて小さい
場合には気密液密を保持することができるが、段差30
が大きくなると、そのシール性能を確保するため、軟質
シート自体の厚さが必要となり、主シール部の厚さを軟
質シートの厚さを考慮して金属板の積層を設計する必要
が生じる。一般に、軟質シートを構成するビータシー
ト、グラファイトシート、コンプレスドシート等は最低
でも0.5mm程度の厚みを当初から持っているため、
主シール部の厚さをそれに合わせた厚さとする必要があ
り、このため主シール部において高い面圧を確保するに
は弾性金属板の積層枚数を増やす必要があった。
【0008】一般に、シリンダブロックとチェーンケー
スとの当接面に発生する段差は2通り形成される。チェ
ーンケースの上面がシリンダブロックの上面より低い場
合に発生する段差と、チェーンケースの上面がシリンダ
ブロックの上面より高い場合に発生する段差とである。
チェーンケースの上面がシリンダブロックの上面より低
い場合には、シリンダブロックに対してチェーンケース
の面圧は低くなるので、両者間に段差が存在する場合に
はシリンダブロックとチェーンケースとの面圧を考慮し
なければならない。また、チェーンケースの上面がシリ
ンダブロックの上面より高い場合には、チェーンケース
に面圧が集中し、シリンダブロック側の面圧が低くな
る。シリンダブロックの燃焼室孔の周りの面圧は高い面
圧を必要とするが、金属製ガスケットを使用する場合に
は、面圧調整が困難になる。
【0009】従って、上記チェーンケース付きエンジン
用金属製ガスケットにおいては、一般にシリンダヘッド
下面が平らな連続下面であるのに対して、シリンダブロ
ックの上面とチェーンケースの上面との間に段差を生じ
ても、ガスケットの製作コストを著しく高くすることに
なる金属薄板の積層枚数の増加という手段を取ることな
く、チェーンケース内の油が段差部分に侵入するのを防
止するという点に解決すべき課題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
の課題を解決することであり、シリンダブロック及びチ
ェーンケースとシリンダヘッドとの対向面間をシールす
るシリンダヘッドガスケットと、シリンダブロックとチ
ェーンケースとの対向面間をシールするチェーンケース
ガスケットとの合わせ部におけるガスケット連接部のシ
ール構造を簡潔に、組み付け容易に良好なシール性を確
保することであり、シリンダブロックとチェーンケース
との対向面間に段差があったとしても、該段差の領域に
シール部材を確実に配置し、段差からの油等の漏洩を防
ぐことができ、当接面の近傍のシール性を向上させ、シ
リンダヘッドとシリンダブロック及びチェーンケースと
の間の面圧及びシリンダブロックとチェーンケースとの
間の面圧を、容易に調整できると共に、製造コストが安
価で信頼性の高いシール性を確保できるガスケット連接
部のシール構造を提供することにある。
【0011】この発明は、チェーンケースとシリンダブ
ロックとの対向面間をシールするチェーンケースガスケ
ットと、前記シリンダブロック及びチェーンケースとシ
リンダヘッドとの対向面間をシールするシリンダヘッド
ガスケットとの合わせ部におけるガスケット連接部のシ
ール構造において、前記シリンダブロックと前記チェー
ンケースとの境界部における前記シリンダヘッドガスケ
ットの弾性金属板に切込み部が形成され、前記チェーン
ケースガスケットの端部にシール部材が装着され、前記
シール部材を前記シリンダヘッドガスケットの前記切込
み部に嵌入したことを特徴とするガスケット連接部のシ
ール構造に関する。
【0012】また、このガスケット連接部のシール構造
において、前記チェーンケースガスケットは金属芯板と
該金属芯板に接着された軟質シートから成り、前記シー
ル部材には挿入溝が形成され、前記シール部材の前記挿
入溝に前記チェーンケースガスケットの端部が嵌入され
ているものである。
【0013】また、このガスケット連接部のシール構造
において、前記シリンダヘッドガスケットは、積層され
た複数の弾性金属板から構成されている前記シリンダブ
ロック側の主シール部と前記弾性金属板のうち少なくと
も一枚を延長させて構成されている前記チェーンケース
側の副シール部から構成され、前記切込み部は前記副シ
ール部の前記弾性金属板に形成されている。
【0014】また、このガスケット連接部のシール構造
において、前記切込み部が形成された前記シリンダヘッ
ドガスケットの前記弾性金属板は、燃焼室孔と前記チェ
ーンケースの開口部の回りにビードが形成されているビ
ード板である。
【0015】また、このガスケット連接部のシール構造
において、前記シール部材は合成ゴムから作製されてい
る。更に、前記シール部材の合成ゴムは油性膨潤タイプ
である。前記シール部材を構成する合成ゴムは、前記シ
リンダヘッドガスケットと前記チェーンケースガスケッ
トとの合わせ部への装着時には一次加硫されている状態
であるが、シリンダブロックとチェーンケースとの対向
面に装着してエンジンを駆動することによって温度上昇
して二次加硫され、その形状が前記切込み部に対応して
固定され、前記シール部材の強度が増強されて安定する
ものである。前記シール部材の合成ゴムが、装着時に二
次加硫されている状態の場合には、使用時のゴムの変形
応力が高くなる。また、前記シール部材を油性膨潤タイ
プに構成すると、前記シール部材が油に接することによ
って体積変化し、シール性を向上させる。前記シール部
材をニトリルゴムで作製した場合には、アクリルニトリ
ル含有量を増加させると、体積変化率が大きくなる。し
かしながら、前記シール部材は、体積変化率が大きくさ
れると、引張強さや伸び等にも悪影響を及ぼすので、ア
クリルニトリル含有量を適正にコントロールし、体積変
化率を5〜10%程度にすることが好ましい。
【0016】このガスケット連接部のシール構造は、上
記のように、カムシャフト駆動用チェーンが走行するチ
ェーンケースに形成された開口部の周りに沿ってビード
が形成されたシリンダヘッドガスケットのうち一枚の弾
性金属板には、前記チェーンケースと前記シリンダブロ
ックとの境界部においてシール部材を挿入する切込み部
が形成されているので、前記シール部材は前記チェーン
ケースガスケットと前記シリンダヘッドガスケットとの
合わせ部において確実に良好にシールすることができ
る。即ち、前記シール部材は、前記シリンダヘッドガス
ケットの前記主シール部、その前記副シール部及び前記
チェーンケースガスケットによる三面合わせ部の連接部
に位置し、使用時に適正な形状に変形可能であり、高い
シール性を得ることができる。
【0017】また、前記チェーンケースと前記シリンダ
ブロックとの当接面に発生する段差を前記シール部材が
十分に吸収して良好なシールを行なう。しかも、前記チ
ェーンケースと前記シリンダブロックとの当接面の境界
領域に位置する前記シール部材は燃焼室孔からの温度で
二次加硫されると共に強度がアップして形状が安定し、
良好なシール機能を果たすことができる。しかも、前記
シール部材は、前記チェーンケースガスケットの先端部
に挿入して取り付けるので、前記チェーンケースガスケ
ットの芯金や前記シリンダヘッドガスケットの弾性金属
板の金属母材に左右されずに、その材質を選定できる。
また、前記シール部材は、前記シリンダヘッドガスケッ
トの厚さや前記段差に左右されることなく、最適サイズ
に形成することができる。
【0018】また、このガスケット連接部のシール構造
における前記シール部材は、前記燃焼室孔内で生じる高
温高圧の燃焼ガスの対向面間から外部への漏洩の発生を
防止すると共に、水穴、油穴等の穴の内部を流れる液体
の対向面間からの漏洩の発生を防止し、金属製ガスケッ
トに対する高いシール面圧で対向面間を確実にシールす
ることができる。更に、このガスケット連接部のシール
構造は、前記チェーンケースの空間部の壁面が前記シリ
ンダブロックの側面と前記チェーンケースの内壁面で構
成され、前記シリンダブロックと前記チェーンケースと
の当接面の段差領域を良好にシールするので、前記チェ
ーンケース内のオイルがチェーンの運転走行に伴ってチ
ェーンから飛散し、前記当接面の段差へ侵入することが
防止され、オイルの外部への飛散が防止される。また、
前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの当接面
における段差が大きくなってシール面圧が低くなって
も、前記シール部材の厚さを調整して段差領域の良好な
シール性能を確保することができる。
【0019】また、このガスケット連接部のシール構造
において、前記金属製薄板の表面に耐熱性の樹脂又はゴ
ムを被覆したので、前記金属製薄板間の金属対金属の接
触、シリンダブロックの上面及びシリンダヘッドの下面
に対する前記金属製薄板の金属対金属の接触を避けるこ
とができ、金属製ガスケットの耐久性を向上させること
ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図11を参照して、
この発明によるガスケット連接部のシール構造の一実施
例を説明する。図1はこの発明によるガスケット連接部
のシール構造を組み込むチェーンケース付きエンジンの
一部を示す斜視図、図2はこの発明によるガスケット連
接部のシール構造の一実施例を説明する概略説明図、図
3は図1のガスケット連接部のシール構造に組み込むシ
リンダヘッドガスケットの一実施例を示す平面図、図4
は図3の符号A内における平面図、図5は図3の線B−
Bにおける断面図、図6は図3の線C−Cにおける断面
図、図7はシリンダヘッドガスケットの各部品の一部を
詳細に示す説明図、図8はチェーンケースガスケットの
二股部分の一方の端部を示す平面図、図9は図8のチェ
ーンケースガスケットの側面図、図10は図8の線D−
Dにおける断面図、及び図11はチェーンケースガスケ
ットの二股部分の他方の端部を示す平面図である。
【0021】この発明によるガスケット連接部のシール
構造は、チェーンケース付きエンジンに組み込まれるも
のである。チェーンケース29は、図1に示すように、
シリンダブロック28とは別部品として形成され、シリ
ンダブロック28の側面に対して取り付けられ、吸排気
バルブを駆動するカムシャフトを駆動するため、チェー
ン32が走行する空間部23がその内部に形成されてい
る。このガスケット連接部のシール構造は、図2に示す
ように、チェーンケース29とシリンダブロック28と
の対向面間22をシールするチェーンケースガスケット
11と、シリンダブロック28及びチェーンケース29
とシリンダヘッド27との対向面間40をシールするシ
リンダヘッドガスケット10との合わせ部39に適用さ
れるものである。チェーンケース29は、その軽量化の
ため、シリンダブロック28への取付側面が開放形に形
成されている。チェーンケース29は、水平断面で見て
コ字状の形成されており、二箇所においてシリンダブロ
ック28と合わせ面即ち対向面間22を形成している。
チェーンケース29の内壁面とシリンダブロック28の
側面とで、カムシャフトを駆動するためのチェーン32
が走行するための空間部23が形成されている。
【0022】図2又は図3に示すように、シリンダヘッ
ドガスケット10は、主シール部1と主シール部1を構
成する弾性金属板の一枚(ビード板5)を一体延長して
構成した副シール部2とからなる。即ち、シリンダヘッ
ドガスケット10は、積層された複数の弾性金属板から
構成されているシリンダブロック28側の主シール部1
と弾性金属板のうち少なくとも一枚を延長させて構成さ
れているチェーンケース29側の副シール部2とから構
成されている。即ち、シリンダヘッドガスケット10に
ついては、弾性金属板から成るビード板5が主シール部
1と副シール部2とに跨がって延びている。
【0023】主シール部1は、シリンダブロック28の
上面24とシリンダヘッドの下面33との間に介在して
配置されるシール部を構成し、エンジンの気筒即ち燃焼
室31(図12)に対応して形成されている燃焼室孔
3、オイル穴(図示せず)、ノック孔34、ボルト穴3
6、水穴35等の各種の穴の周囲をシールするものであ
る。主シール部1は、図5に示すように、ビード板5、
中間板6及びストッパ板7が積層して構成されている。
ストッパ板7は、図示していないが、燃焼室孔3の回り
では中間板6を囲んだ状態に折り曲げられている。例え
ば、ビード板5は、SUS301で且つビッカース硬さ
Hv300〜500の材料で作製され、ストッパ板7
は、SUS304又はSUS430で且つビッカース硬
さHv150〜200の材料で作製され、また、中間板
6は、SUS430又はSPCで且つビッカース硬さH
v150〜200の材料で作製されている。
【0024】副シール部2は、シリンダヘッド27の下
面33とチェーンケース29の上面25との間の対向面
間40をシールするものであり、詳しくは、対向面間4
0の一方はチェーンケース29の空間部23を形成する
上面25とチェーンケース29を取り付けたシリンダブ
ロック28の側面に隣接する上面24とであり、対向面
間40の他方は主シール部1の片方の対向面と同じく連
続して平面となっているシリンダヘッド27の下面33
である。副シール部2は、図6に示すように、ビード板
5とビード板5の下面に固着した軟質シート14から成
り、ビード板5にはカムシャフト駆動用チェーンが走行
するチェーンケース29に形成された空間部23(図1
2)に対応して形成された開口部4の周りに沿ってハー
フビードを形成するビード26が形成されている。
【0025】このガスケット連接部のシール構造の実施
例は、主シール部1と副シール部2とは一体的に連続し
て弾性金属板のビード板5とチェーンケースガスケット
11の端部20,21との合わせ部即ち連接部39に適
用されている。副シール部2を構成する弾性金属板のビ
ード板5には、図4に示すように、主シール部1と副シ
ール部2とのそれぞれの境界の合わせ部即ち連接部39
において切込み部9がそれぞれ形成されている。切込み
部9は、ビード板5のビード26までは達しないが、シ
リンダブロック28とチェーンケース29との当接面即
ち対向面間22に沿って開口部4側から外側へ向かって
延びていると共に、シリンダブロック28側へ若干切り
込まれた形状の切り込み溝に形成されている。切込み部
9のサイズは、ビード板5の強度等を考慮して設定され
るものである。
【0026】また、チェーンケースガスケット11は、
下部で一体構造であるが、図1に示すように、上部が二
股にそれぞれ分岐したそれぞれ異なる形状のガスケット
部11A(図8参照)、ガスケット部11B(図11参
照)から構成されている。チェーンケースガスケット1
1は、金属芯板12と金属芯板12の両側に接着された
軟質シート13から構成されている。金属芯板12は、
例えば、SPC、SEEC、SUS430、SUS30
4から作製され、その厚さが0.2〜0.3mm程度に
形成されている。軟質シート13は、フッ素ゴムやシリ
コーンゴムの合成ゴムから作製され、その厚さが片側で
0.1〜0.15mm程度に形成されている。チェーン
ケースガスケット11は、例えば、トータル厚さが0.
4〜0.6mm程度に形成されている。
【0027】このガスケット連接部のシール構造は、チ
ェーンケース29とシリンダブロック28との対向面間
22をシールするチェーンケースガスケット11と、シ
リンダブロック28及びチェーンケース29とシリンダ
ヘッド27との対向面間40をシールするシリンダヘッ
ドガスケット10との合わせ部39をシールする構造に
関し、特に、シリンダブロック28とチェーンケース2
9との境界部におけるシリンダヘッドガスケット10の
弾性金属板から成るビード板5に切込み部9がそれぞれ
形成され、また、チェーンケースガスケット11の端部
20,21にシール部材15がそれぞれ装着され、シー
ル部材15をシリンダヘッドガスケット10の切込み部
9にそれぞれ嵌入したものである。場合によっては、シ
ール部材15は、チェーンケースガスケット11の端部
20,21に厚いコーティング層で形成することもでき
る。
【0028】シール部材15には、境界部の合わせ部3
9に挿入溝16がそれぞれ形成されている。シール部材
15の挿入溝16には、チェーンケースガスケット11
のガスケット部11Aの端部20及びガスケット部11
Bの端部21がそれぞれ嵌入されている。シール部材1
5のサイズは、ビード板5に形成された切込み部9のサ
イズに対応させて設定され、例えば、チェーンケースガ
スケット11の端部20,21より1〜3mm程度突出
し、挿入溝16が1〜2mm程度の深さに形成され、幅
サイズはビード板5の切込み部9に挿入された状態で隙
間が形成された程度に形成されることが好ましい。ま
た、シール部材15はシリンダヘッド27とシリンダブ
ロック28及びチェーンケース29との間で締め付けら
れて組み付けられた状態で、締め付け厚さを有している
ことがシール性をアップする点で好ましい。シール部材
15は、一次加硫された弾力性のある発泡合成ゴム等で
作製され、特に、油性膨潤タイプの合成ゴムで作製する
ことが好ましい。シール部材15は、例えば、ニトリル
ゴム、スチレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フ
ロロシリコーンゴムを使用できる。また、シール部材1
5は、油性膨潤によって体積変化率を大きくするため、
ニトリルゴムで作製する場合にはアクリルニトリルの含
有量を増やすことによって大きくできるが、体積変化率
は5〜10%程度が引張強さや伸び等を考慮して好まし
いものである。
【0029】シリンダヘッドガスケット10は、主とし
て、燃焼室孔3を備えた3枚の金属製薄板を積層した構
造の主シール部1(図5)、及びチェーンケース29の
開口部4を備えた1枚の金属製薄板と軟質シート14
(図6)を積層した構造の副シール部2から構成されて
いる。副シール部2に対して両面に軟質シートを設ける
こともできるが、ここでは、ビード板5には後述の非金
属製コーティング層が塗布されているので、軟質シート
14が下面のみに設けられている。軟質シート14は、
ビータシート、グラファイトシート、コンプレスドシー
ト等で作製できるが、場合によっては、ビード板5にコ
ーティングしたフッ素ゴム17やアクリルシリコーン1
8によるコーティング層で構成することもできる。主シ
ール部1は、シリンダヘッド27側に配置した弾性金属
板から成るビード板5、シリンダブロック28側に配置
した弾性金属板から成るストッパ板7、及びビード板5
とストッパ板7との間に配置された中間板6から構成さ
れている。ビード板5には、燃焼室孔3に沿ってビード
37が形成されると共に、主シール部1の全周辺に延び
るビード8が形成されている。中間板6は、締め付け厚
さを調整する機能を有する調整板を構成している。
【0030】また、図7に示すように、シリンダヘッド
ガスケット10は、金属製薄板に熱処理を施し、その表
裏両面に対して、例えば、ビード板5にフッ素ゴム17
及びアクリルシリコーン18を、中間板6にシリコーン
ゴム19を、また、ストッパ板7にフッ素ゴム17及び
アクリルシリコーン18の非金属材料をコーティングす
ることによって、金属製薄板間、及びシリンダヘッド2
7とシリンダブロック28との間に対して金属対金属の
接触状態を回避し、金属製ガスケットとしての耐腐食性
や耐久性及び強度を確保することができる。また、金属
製ガスケットは機械加工面に凹凸が存在していても上記
非金属材料が凹凸をカバーして充分なシール機能を果た
すことができる。
【0031】
【発明の効果】この発明によるガスケット連接部のシー
ル構造は、上記のように構成されているので、チェーン
ケースとシリンダブロックとの当接面即ち対向面に段差
が存在しても、チェーンケースガスケットの端部に装着
され且つシリンダヘッドガスケットの切込み部に嵌入さ
れているシール部材が前記段差を埋めることができ、前
記段差が比較的に大きくなったとしても、前記ビードと
前記シール部材とで前記段差を十分に吸収して確実にシ
ールでき、シール性を向上させ、チェーンケース内から
外部へオイルが漏出することがない。
【0032】また、前記シール部材のサイズは適正にコ
ントロールして装着することができ、前記段差が存在す
る場合には前記シール部材がシリンダヘッドとチェーン
ケースとの間で圧縮されて前記シール部材が弾性変形
し、シール性を確保でき、前記段差に生じるシリンダヘ
ッドとチェーンケースとの間の面圧低下によるシール性
の低下をカバーすることができる。しかも、このガスケ
ット連接部のシール構造は、前記シール部材自体の構造
が簡単であり容易に製作でき、製造コストを低減でき
る。
【0033】また、シリンダブロックとシリンダヘッド
との対向面間において、燃焼室孔内で生じる高温高圧の
燃焼ガスの対向面間から外部への漏出や、水穴、油穴等
の穴の内部を流れる液体の対向面間からの漏出を厳しく
防止しなければならない穴については、積層した複数枚
の金属製薄板から成る主シール部の高いシール面圧で確
実にシールすることができる。また、前記シリンダブロ
ックとその側面に取り付けられた取付け側面開放形チェ
ーンケースとにより形成されるチェーンケースとシリン
ダヘッドとの対向面間において、前記チェーンケースの
開口周囲は、副シール部により比較的低い面圧でシール
される。
【0034】このガスケット連接部のシール構造は、チ
ェーンケース内の油が接合面に侵入するのを効果的に防
止することになるので、シリンダブロックとチェーンケ
ースとの当接面における段差が大きくなったとしても、
通常であれば更にシール面圧が低くなってしまうとこ
ろ、前記シール部材の介在によって依然として十分なシ
ール性能を確保することができるので、全体として構造
簡単な且つ安価で安定したシール性能を発揮することが
でき、しかも、段差からの油等の漏洩を確実に且つ安定
して防ぐことができ、特に、当接面の近傍のシール性を
向上させ、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間で
面圧を容易に調整でき、製造コストが安価な信頼性の高
いものである。
【0035】また、前記シリンダヘッドガスケットの主
シール部を構成するビード板、中間板及びストッパ板、
副シール部を構成する前記ビード板、及び前記チェーン
ケースガスケットを構成する金属芯板には、樹脂やゴム
等の軟質シートを被覆した場合には、チェーンケース、
シリンダヘッド及びシリンダブロックに対する接触面は
勿論のこと、積層した前記金属製薄板間での金属対金属
の接触を避け、耐久性を向上させると共に、金属製薄板
の板厚との板厚差を吸収し、或いはそれらの表面に形成
された凹凸面を吸収し、所定のシール性能を確保するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるガスケット連接部のシール構造
を組み込むチェーンケース付きエンジンの一部を示す斜
視図である。
【図2】この発明によるガスケット連接部のシール構造
の一実施例を説明する概略説明図である。
【図3】図1のガスケット連接部のシール構造に組み込
むシリンダヘッドガスケットの一実施例を示す平面図で
ある。
【図4】図3の符号A内における平面図である。
【図5】図3の線B−Bにおける断面図である。
【図6】図3の線C−Cにおける断面図である。
【図7】シリンダヘッドガスケットの各部品の一部を詳
細に示す説明図である。
【図8】チェーンケースガスケットの二股部分の一方の
端部を示す平面図である。
【図9】図8のチェーンケースガスケットの側面図であ
る。
【図10】図8の線D−Dにおける断面図である。
【図11】チェーンケースガスケットの二股部分の他方
の端部を示す平面図である。
【図12】チェーンケース付きシリンダブロックの一例
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 主シール部 2 副シール部 3 燃焼室孔 4 開口部 5 ビード板(弾性金属板) 6 中間板(弾性金属板) 7 ストッパ板(弾性金属板) 8 ビード 9 切込み部 10 シリンダヘッドガスケット 11 チェーンケースガスケット 12 芯板 13,14 軟質シート 15 シール部材 16 挿入溝 20,21 端部 22,40 対向面間 27 シリンダヘッド 28 シリンダブロック 29 チェーンケース 39 合わせ部(境界部)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チェーンケースとシリンダブロックとの
    対向面間をシールするチェーンケースガスケットと、前
    記シリンダブロック及びチェーンケースとシリンダヘッ
    ドとの対向面間をシールするシリンダヘッドガスケット
    との合わせ部におけるガスケット連接部のシール構造に
    おいて、前記シリンダブロックと前記チェーンケースと
    の境界部における前記シリンダヘッドガスケットの弾性
    金属板に切込み部が形成され、前記チェーンケースガス
    ケットの端部にシール部材が装着され、前記シール部材
    が前記シリンダヘッドガスケットの前記切込み部に嵌入
    されていることを特徴とするガスケット連接部のシール
    構造。
  2. 【請求項2】 前記チェーンケースガスケットは金属芯
    板と該金属芯板に接着された軟質シートから成り、前記
    シール部材には挿入溝が形成され、前記シール部材の前
    記挿入溝に前記チェーンケースガスケットの端部が嵌入
    されていることを特徴とする請求項1に記載のガスケッ
    ト連接部のシール構造。
  3. 【請求項3】 前記シリンダヘッドガスケットは、積層
    された複数の弾性金属板から構成されている前記シリン
    ダブロック側の主シール部と前記弾性金属板のうち少な
    くとも一枚を延長させて構成されている前記チェーンケ
    ース側の副シール部から構成され、前記切込み部は前記
    副シール部の前記弾性金属板に形成されていることを特
    徴とする請求項1又は2に記載のガスケット連接部のシ
    ール構造。
  4. 【請求項4】 前記切込み部が形成された前記シリンダ
    ヘッドガスケットの前記弾性金属板は、燃焼室孔と前記
    チェーンケースの開口部の回りにビードが形成されてい
    るビード板であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかの1項に記載のガスケット連接部のシール構造。
  5. 【請求項5】 前記シール部材は合成ゴムから作製され
    ていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの1項
    に記載のガスケット連接部のシール構造。
  6. 【請求項6】 前記シール部材の合成ゴムは油性膨潤タ
    イプであることを特徴とする請求項5に記載のガスケッ
    ト連接部のシール構造。
  7. 【請求項7】 前記シール部材を構成する合成ゴムは、
    前記シリンダヘッドガスケットと前記チェーンケースガ
    スケットとの合わせ部への装着時には一次加硫された状
    態であり、前記シール部材の使用時に二次加硫されて安
    定することを特徴とする請求項5又は6に記載のガスケ
    ット連接部のシール構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6641142B2 (en) * 2000-05-23 2003-11-04 Elringklinger Ag Cylinder head gasket
JP2012031968A (ja) * 2010-08-02 2012-02-16 Ckd Corp 電磁弁

Cited By (2)

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