JPH09176865A - 亜鉛系めっき鋼板の黒色化処理法および黒色外観と耐食性に優れる亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents

亜鉛系めっき鋼板の黒色化処理法および黒色外観と耐食性に優れる亜鉛系めっき鋼板

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JPH09176865A
JPH09176865A JP35126295A JP35126295A JPH09176865A JP H09176865 A JPH09176865 A JP H09176865A JP 35126295 A JP35126295 A JP 35126295A JP 35126295 A JP35126295 A JP 35126295A JP H09176865 A JPH09176865 A JP H09176865A
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JP
Japan
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steel sheet
corrosion resistance
resin
zinc
galvanized steel
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Kengo Yoshida
健吾 吉田
Masato Nakazawa
眞人 仲澤
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 黒色外観品位および耐食性に優れた、亜鉛系
めっき鋼板の黒色化処理法および黒色外観と耐食性に優
れる表面処理鋼板を提供する。 【解決手段】 亜鉛系めっき鋼板上に、クロム還元率
(Cr3+/(Cr3++Cr6+)×100(%))が70
(wt%)以下の水溶性クロム化合物および鉱酸を含む
水溶液中に、有機樹脂/CrO3 (クロム酸換算)比が
1以上となるように有機樹脂を配合し、さらにCuイオ
ンを5g/l以上でかつCu2+/Cr6+(クロム酸換
算)比が2以上となるように配合した樹脂クロメートを
塗布、乾燥してクロメート皮膜を形成させる。これによ
って、黒色外観と耐食性に優れる性能が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家電、建材および
自動車部品等に広く用いられている亜鉛系めっき鋼板の
黒色化処理法およびその方法によって得られる黒色外観
および耐食性に優れる亜鉛系めっき鋼板に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】現在、亜鉛系めっき鋼板は、家電、建材
および自動車部品等の用途に幅広く利用されている。亜
鉛系めっきの色調としては、亜鉛素地の色である白色外
観のものが多いが、近年の高級化志向にともないより重
厚な黒色のものが好まれるようになってきている。この
ため家電、複写機、情報通信機器、自動車内装品等の業
界では、素材の亜鉛系めっき鋼板を加工後に黒色に塗装
して製品化してきた。しかし、コスト削減などの観点か
ら、あらかじめ黒色化された鋼板を導入することによっ
て、需要家工程でおこなっていた黒色化のための前処
理、および塗装を省略する動きが高まってきている。こ
のため、素材供給側に対して、低価格でかつ高品質の黒
色表面処理鋼板の供給が要求されている。
【0003】亜鉛めっき鋼板を黒色化する公知の技術と
しては、例えば特開平3−52557号公報及び特開平
7−70792号公報等のように、亜鉛系合金めっき鋼
板をハロゲン酸イオン等を含む溶液中で陽極処理するこ
とにより、着色層を形成する方法が知られている。
【0004】この陽極電解処理法は、色調を電気量でコ
ントロールできるため工業的に多く利用されているが、
設備コストおよび電力コストが高い上、特殊な合金亜鉛
めっきでないと着色が安定しない等の欠点がある。ま
た、特開平7−70792号公報の開示技術では、陽極
処理の後、耐食性の向上および皮膜保護のために、樹脂
クロメートによるガードコーティングを施す必要があ
り、製造コストが高くなる。
【0005】一方、特開昭61−253381号公報で
は、酸化剤、1g/lのCuイオン、及びCuイオンに
対し1〜30重量%のNiイオンを含有するpH1.5
〜4の酸性水溶液で、液温20〜70℃で1〜5秒間処
理する方法が開示されている。しかしながら、この方法
においても、特開平7−70792号公報と同様に、皮
膜保護のため黒色化処理に引き続き珪酸塩による後処理
を施す必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決して、黒色外観および耐食性に優れ、か
つ、電解処理を行わずに、しかも一段で処理できる亜鉛
系めっき鋼板の黒色化処理法およびそれによる亜鉛系め
っき鋼板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の問
題点を踏まえ、黒色外観および耐食性に優れ、かつ、一
段でしかも電解処理を必要としない黒色化処理法につい
て鋭意検討した。その結果、クロメート浴中に水溶性ク
ロム化合物および鉱酸を添加し、この水溶性化合物とC
uイオンおよび樹脂を特定範囲で共存させた浴で亜鉛め
っき鋼板を処理することにより、一段処理で黒色外観に
優れ、かつ耐食性に優れる黒色亜鉛系めっき鋼板を得る
ことができることを見い出した。
【0008】本発明の第一は、上記知見の基づくもので
あって、クロム還元率(Cr3+/(Cr3++Cr6+)×
100(%))が0または70(wt%)以下の水溶性
クロム化合物および鉱酸を含む水溶液中に、有機樹脂/
CrO3 (クロム酸換算)比が1以上となるように有機
樹脂を配合し、さらにCuイオンを5g/l以上でかつ
Cu2+/Cr6+(クロム酸換算)比が2以上となるよう
に配合した樹脂クロメートを亜鉛系めっき鋼板に塗布
し、乾燥することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の黒色
化処理法である。
【0009】本発明の第二は、亜鉛系めっき鋼板上に、
当該黒色化処理方法で形成したクロメート皮膜を、金属
クロム換算で、10〜300mg/m2 有することを特
徴とする亜鉛系めっき鋼板である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳述する。本発明
では、樹脂クロメート浴として、クロム還元率(Cr3+
/(Cr3++Cr6+)×100(%))が0または70
(wt%)以下の水溶性クロム化合物および鉱酸を含む
水溶液をべースとする。水溶性クロム化合物のクロム還
元率は、70(wt%)を越えると浴安定性に劣るた
め、0または70(wt%)以下とする。
【0011】ここで、本発明における水溶性クロム化合
物としては、無水クロム酸、(重)クロム酸カリウム、
(重)クロム酸ナトリウム、(重)クロム酸アンモニウ
ム等の重クロム酸塩やクロム酸塩をでんぷん等で還元し
た部分還元クロム酸等を挙げることができるが、好まし
くは無水クロム酸を還元した部分還元クロム酸を用いる
とよい。
【0012】また、鉱酸としては、硝酸、硫酸およびり
ん酸を添加することができる。鉱酸の添加量は、浴のp
Hを低下させ、浴中の3価のクロムが安定に存在し得る
量が添加されれば良い。例えば鉱酸としてりん酸を用い
た場合、クロメート浴中にH3PO4/CrO3(クロム
酸換算比)比が1以上のりん酸が添加されることが好ま
しい。
【0013】次に、Cuイオンと6価クロムイオン量に
関しては、Cuイオンを5g/l以上、かつCu2+/C
6+(クロム酸換算)比が2以上となるように配合する。
6位クロムイオンに対してCuイオンが十分多い場合、
Cuの置換析出を容易に起こすことができる。しかし、
6価クロムイオンに対してCuイオンが十分存在しない
場合、Cuの置換析出に先行して、亜鉛の表面に6価ク
ロムイオンにより不働態皮膜を形成するため、Cuの置
換析出反応が阻害される。このため、Cu2+/Cr
6+(クロム酸換算)比が2未満では黒色化度が低くなる
ため、その比を2以上とする。また、Cuイオンが5g
/l未満でも黒色化度が低くなるため、5g/l以上と
する。また、Cuイオンは、Cu2SO4あるいはCu
(NO42等の形で添加することができる。
【0014】次に、樹脂クロメート浴中の有機樹脂は、
前記水溶性クロム化合物との量的比有機樹脂/CrO3
(クロム酸換算)を1以上に特定して配合する。その比
は、1未満だと樹脂によるバリヤー効果が十分でなく耐
食性に劣るため、1以上とする。この比は、1〜20程
度が望ましい。
【0015】樹脂の種類としては、特に限定はしない
が、例えばエポキシ樹指、アクリル酸、ポリウレタン樹
脂、スチレン・マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ポリ
オレフィン樹脂、またはこれらの2種以上の混合物や他
の樹脂との共重合体などが使用可能である。エマルジョ
ンの形態は官能基との組み合わせにもよるが、低分子量
の界面活性剤を用いて乳化重合したもの、あるいは界面
活性剤を用いずに無乳化重合したものが使用可能であ
る。
【0016】なお、表面処理鋼板の耐食性、耐傷つき性
等の性能をさらに向上させるため、本発明で用いるクロ
メート処理浴中にSiO2コロイド、TiO2コロイド等
の水性コロイドを添加しても差し支えない。
【0017】金属表面への樹脂クロメートの付着量は、
金属クロム換算で10〜300mg/m2であることが
好ましい。10mg/m2未満では耐食性が十分ではな
く、300mg/m2を越えると経済的ではない。
【0018】亜鉛系めっき鋼板へのクロメート処理方法
としては、ロールコ−ターによる塗布、リンガーロール
による塗布、浸漬およびエアナイフ絞りによる塗布、バ
ーコーターによる塗布、スプレーによる塗布、刷毛塗り
などが使用可能である。また、塗布後の乾燥も通常の方
法でよい。
【0019】
【実施例】次に本発明を実施例によって説明する。以下
の諸条件によって樹脂クロメート鋼板を製造し、性能を
評価した。
【0020】(1)樹脂クロメート浴 無水クロム酸あるいはでんぷんにより種々の還元率に還
元した部分還元クロム酸、リン酸および有機樹脂を表1
に示す組成で建浴した。尚、有機樹脂としては A:無乳化型アクリルエマルジョン B:水性アクリル樹脂 を用いた。
【0021】(2)金属板の種類 EG:電気亜鉛めっき鋼板(めっき付着量20g/
2) LG:溶融亜鉛めっき鋼板(めっき付着量60g/
2) ZN:電気亜鉛ニッケルめっき鋼板(めっき付着量20
g/m2、ニッケル含有率:12重量%)
【0022】(3)クロメート処理方法 エアナイフコーターを使用してクロメート処理し、板温
60℃で2秒間乾燥した。付着量は金属クロム換算で3
〜300mg/m2とした。 (4)エージング 40℃で3日間エージングをおこない、皮膜の状態を安
定化させた。
【0023】(5)性能評価方法 以下の項目について性能評価をおこなった。 1)浴安定性:樹脂クロメート浴を40℃の乾燥機に入
れて、ゲル化・沈降・分離等が発生するまでの日数を記
録した。浴安定性としては、25日以上の日数のものを
良好と判定した。
【0024】2)色調:サンプルの白色度LをJIS
Z 8722に準拠した色差計で測定した。Lが小さい
ほど、黒色外観を呈する。以下の評価ランクで、◎およ
び○を良好と判定した。 ◎: L<15 ○: 15<L<20 △: 20<L<25 ×: 25<L
【0025】3)耐食性:平板状態のサンプルに5%、
35℃の塩水を72時間噴霧した後の白錆発生面積率を
調べた。以下の評価で、◎および○を良好と判定した。 ◎: 白錆発生なし ○: 白錆発生率 5%未満 △: 白錆発生率 5%以上、20%未満 ×: 白錆発生率 20%以上 以上の評価結果を表1に示す。表より明らかなように、
本発明における黒色化処理法で作成した亜鉛系めっき鋼
板は、いずれの場合においても黒色外観および耐食性に
優れることがわかった。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、クロメート処理浴中に
特定のクロム還元率の水溶性クロム化合物および鉱酸を
用い、水溶性クロム化合物とCuイオンとの共存状態を
特定し、さらに有機樹脂との関係も特定するので、当該
クロメートを亜鉛系めっき鋼板に塗布・乾燥すると、黒
色外観および耐食性に優れる亜鉛系めっき鋼板が得られ
る。従って、一段処理で、耐食性および黒色外観品位に
優れた表面処理鋼板を市場に提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロム還元率(Cr3+/(Cr3++Cr
    6+)×100(%))が0または70(wt%)以下の
    水溶性クロム化合物および鉱酸を含む水溶液中に、有機
    樹脂/CrO3 (クロム酸換算)比が1以上となるよう
    に有機樹脂を配合し、さらにCuイオンを5g/l以上
    でかつCu2+/Cr6+(クロム酸換算)比が2以上とな
    るように配合した樹脂クロメートを亜鉛系めっき鋼板に
    塗布し、乾燥することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の
    黒色化処理法。
  2. 【請求項2】 亜鉛系めっき鋼板上に、請求項1記載の
    黒色化処理方法で形成したクロメート皮膜を、金属クロ
    ム換算で、10〜300mg/m2 有することを特徴と
    する黒色外観と耐食性に優れる亜鉛系めっき鋼板。
JP35126295A 1995-12-27 1995-12-27 亜鉛系めっき鋼板の黒色化処理法および黒色外観と耐食性に優れる亜鉛系めっき鋼板 Withdrawn JPH09176865A (ja)

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