JPH09176734A - 耐震鋼管の製造方法 - Google Patents

耐震鋼管の製造方法

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JPH09176734A
JPH09176734A JP34126695A JP34126695A JPH09176734A JP H09176734 A JPH09176734 A JP H09176734A JP 34126695 A JP34126695 A JP 34126695A JP 34126695 A JP34126695 A JP 34126695A JP H09176734 A JPH09176734 A JP H09176734A
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JP
Japan
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steel
earthquake
steel pipe
steel tube
cooling rate
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Pending
Application number
JP34126695A
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English (en)
Inventor
Masamitsu Doi
正充 土井
Shigeru Endo
茂 遠藤
Moriyasu Nagae
守康 長江
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大地震の際に軸方向に作用する引張・圧縮応力
に対して、大径薄肉でも局部座屈を起こしにくく、脆性
的な破断が発生し難い耐震鋼管の製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】重量%で、C:0.05〜0.25%、M
n:0.5〜2.0%を含有する鋼を熱間圧延した後、
その鋼の成分で定まるAr3 に基づいて(Ar3+4
0)〜(Ar3 −80)℃の温度域から2℃/sec以
上の冷却速度で冷却し、その鋼板を冷間成形して鋼管に
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスパイプライ
ン、水道配管、鋼管柱、橋脚などに使用される地震時の
耐局部座屈性に優れた耐震鋼管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】UOE鋼管、スパイラル鋼管、継目無鋼
管、電縫鋼管、プレスベンド鋼管などの炭素鋼鋼管ある
いは低合金鋼鋼管は、大量にかつ安定して製造できるた
め、その優れた経済性や溶接施工性とあいまって、ガス
パイプラインや水道配管など流体の輸送用配管あるいは
建築・土木用の柱として広く用いられている。
【0003】しかしながら、大地震が発生した場合、こ
れら鋼管の長手方向には引張および圧縮の大きな力が繰
り返し加わり、外径/管厚比がある程度大きな鋼管で
は、局部座屈を起こし、場合によっては円周方向の亀裂
の発生や破断に至ることがある。
【0004】これまで建築用の鋼管としては、例えば特
開平3−173719号、特開平5−65535号、特
開平5−117746号、特開平5−117747号、
特開平5−156357号、特開平6−49540号、
特開平6−49541号、特開平6−128641号、
特開平6−264143号、特開平6−264144号
の各公報に開示されているように、耐震性能として降伏
応力と引張強さの比である降伏比を小さくしたものが提
案されているが、これらはいずれも柱の曲げ応力に対す
る塑性変形吸収能に関するもので、圧縮の軸力に対する
局部座屈と局部座屈発生後の引張による脆性亀裂の発生
を防ぐための検討はこれまで行われていない。
【0005】また、ガスなどの流体輸送用ラインパイプ
では、延性破壊や脆性破壊など円周方向に力が作用する
内圧に対する抵抗力は検討されてきたが、軸方向の外力
に対しては敷設時の曲げ変形以外はほとんど考慮されて
いない。しかも、このような性能を有する鋼管が製造可
能な方法も未だ存在しない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
鑑みてなされたものであって、大地震の際に軸方向に作
用する引張・圧縮応力に対して、大径薄肉でも局部座屈
を起こしにくく、脆性的な破断が発生し難く、ガスパイ
プライン、水道配管、ビルの柱、高速道路の橋脚などに
好適な耐震鋼管の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、重量%で、C:0.05〜0.25%、
Mn:0.5〜2.0%を含有する鋼を熱間圧延した
後、その鋼の成分で定まる(Ar3 +40)〜(Ar3
−80)℃の温度域から2℃/sec以上の冷却速度で
冷却し、その鋼板を冷間成形して鋼管にすることを特徴
とする耐震鋼管の製造方法を提供する。
【0008】また、本発明は、重量%で、C:0.05
〜0.25%、Mn:0.5〜2.0%を含み、かつC
u:0.05〜0.50%、Ni:0.05〜0.50
%、Cr:0.05〜0.50%、Mo:0.05〜
0.50%、Nb:0.005〜0.10%、V:0.
005〜0.10%、Ti:0.005〜0.10%の
1種または2種以上を含有する鋼を熱間圧延した後、そ
の鋼の成分で定まる(Ar3 +40)〜(Ar3 −8
0)℃の温度域から2℃/sec以上の冷却速度で冷却
し、その鋼板を冷間成形して鋼管にすることを特徴とす
る耐震鋼管の製造方法を提供する。
【0009】本発明者らは、鋼管の軸方向に作用する圧
縮力に対する耐座屈性を評価するために、材質と形状が
種々異なる鋼管について、図1に示す試験機と試験体を
用いて実管圧縮試験ならびに各種材質調査試験を行い、
鋼管の材質的な特性と局部座屈発生挙動との相関を調査
した。その結果、局部座屈の発生有無は、鋼管の軸方向
の引張特性と以下のような相関があることを見出した。
すなわち、試験片長手方向を鋼管の軸方向に一致させて
採取した引張試験片を用いて引張試験を行い、得られた
公称応力−公称歪曲線において、降伏点からオンロード
歪量が5%までのいずれの歪量においても、公称応力/
公称歪の勾配が正となる鋼管は、図2に示すとおり、勾
配が0または負となる鋼管に比較して局部座屈を起こす
限界の外径/管厚比が著しく大きく、局部座屈を起こし
にくい。
【0010】次に、圧縮応力によって塑性変形した後、
引張応力を受けた際の座屈部近傍からの脆性的な亀裂の
発生や、破断の有無と鋼管の性質の相関を調査した。そ
の結果を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】表1に示すように、外径/管厚比が大きく
て圧縮応力により局部座屈が発生しても、試験片長手方
向を鋼管の軸方向に一致させて採取した試験片の引張試
験において、一様伸びが5%以上であれば脆性的な亀裂
や破断は発生しないことを見出した。さらに、引張試験
における降伏強さの引張強さに対する割合、降伏比の小
さいものほど、破断に対する抵抗の大きいことも見出し
た。
【0013】このような結果に基づいて、上述のような
特徴を有する公称応力−公称歪曲線と鋼管の製造方法と
の関係について調査した結果、鋼板製造時の加速冷却開
始温度と強い関係を有することを見出した。すなわち、
熱間圧延後の冷却開始温度をAr3 変態温度以下とし、
フェライトとベイナイトあるいはフェライトとマルテン
サイトの二相組織とすることにより、鋼管長手方向に採
取した引張試験において、上述したように公称応力−公
称歪曲線の勾配が正でかつ一様伸びが5%以上となり、
さらに80%以下の降伏比が得られることを見出した。
また、この場合、圧延終了温度は加速冷却開始温度以上
であればその影響は小さい。上記構成を有する本発明
は、このような知見に基づいて完成されたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に係る耐震鋼管の製造方法は、重量%で、
C:0.05〜0.25%、Mn:0.5〜2.0%を
含有する鋼を熱間圧延した後、その鋼の成分で定まる
(Ar3 +40)〜(Ar3 −80)℃の温度域から2
℃/sec以上の冷却速度で冷却し、その鋼板を冷間成
形して鋼管にするものである。また、選択成分としてC
u:0.05〜0.50%、Ni:0.05〜0.50
%、Cr:0.05〜0.50%、Mo:0.05〜
0.5%、Nb:0.005〜0.10%、V:0.0
05〜0.10%、Ti:0.005〜0.10%の1
種または2種以上を添加してもよい。
【0015】まず、これら成分元素の限定理由を説明す
る。 C:0.05〜0.25% この範囲外の炭素量の鋼は、溶接した場合の溶接割れの
可能性が増大し、鋼管成形後、溶接できなくなる。した
がって、C量を0.05〜0.25%の範囲とする。
【0016】Mn:0.5〜0.25% Mnは構造用鋼として充分な強度と靭性を得るために有
効な元素であるが、0.5%未満ではその効果が小さ
く、また2.0%を超えると母材と溶接部の靭性の劣化
および溶接性の劣化を招く。したがって、Mn量を0.
5〜2.0%の範囲とする。
【0017】Cu:0.05〜0.50% Ni:0.05〜0.50% Cr:0.05〜0.50% Mo:0.05〜0.50% Cu,Ni,Cr,Moは強度の上昇に有効な元素であ
るが、それぞれ0.05%未満ではその効果が有効に発
揮されず、0.50%を超えると鋼板の母材溶接部の靭
性や溶接性を劣化させる。したがって、これらの量をそ
れぞれ0.05〜0.50%の範囲とする。
【0018】Nb:0.005〜0.10% V:0.005〜0.10% Nb、Vは、鋼板の靭性と強度の向上に有効な元素であ
るが、それぞれ0.005%未満ではその効果を有効に
発揮することができず、0.10%を超えると溶接部靭
性を劣化させ、また降伏比が上昇してしまう。したがっ
て、Nb、V量をいずれも0.005〜0.10%の範
囲とする。
【0019】Ti:0.005〜0.10% Tiは、鋼板の靭性の向上と鋳造時のスラブ損傷防止に
有効な元素であるが、その量が0.005%未満ではそ
の効果を有効に発揮させることができず、0.10%を
超えると溶接部の靭性を劣化させる。したがって、Ti
量を0.005〜0.10%の範囲とする。
【0020】次に、製造条件について説明する。まず、
上述の組成を有する鋼を熱間圧延した後、その鋼の成分
で定まる(Ar3 +40)〜(Ar3 −80)℃の温度
域から2℃/sec以上の冷却速度で冷却する。冷却開
始温度が(Ar3 +40)℃を超えると80%以下の降
伏比が得られず、(Ar3 −80)℃未満になると著し
い生産能率の低下を招く。冷却速度は冷却開始から50
0℃までの平均冷却速度を示すが、その値が2℃/se
c未満では80%以下の降伏比が得られず、また公称応
力/公称歪の勾配が正とならない場合がある。冷却速度
の上限は特に規定する必要はない。
【0021】このようにして冷却された鋼板は冷間成形
により鋼管にされるが、鋼管の形成方法は冷間である限
り特に限定されるものではない。以上のようにして製造
された鋼管を用いることにより、鋼管の軸方向に作用す
る応力による局部座屈の発生およびそれに起因する脆性
的な亀裂や破断の発生を防止することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。表2に示した化学組成を有する鋼を表3に示す条
件にて熱間圧延して種々の鋼板を得た。これらの鋼板を
成形後、端部を溶接して鋼管を得た。この鋼管から試験
片を採取して引張試験を行い、降伏強さの引張強さに対
する割合である降伏比、公称応力/公称歪の勾配、およ
び一様伸びを求めた。表3には、鋼板の製造条件(Ar
3 温度、冷却開始温度、冷却速度)とともに、これら引
張試験の結果(降伏比、公称応力/公称歪の勾配、一様
伸び)を併記した。
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】本発明の範囲を満たすものは、鋼管から採
取した引張試験片における試験において、いずれも降伏
比が80%以下、公称応力/公称歪の勾配が正、一様伸
びは5%以上であった。
【0027】一方、比較例の鋼管では、降伏比が80%
より大きいか、または公称応力/公称歪の勾配が0以下
となるか、または一様伸びが5%に満たなかった。ま
た、本発明に規定する組成範囲を外れた比較鋼(A1、
B1、C1、D1、E1、F1)では、母材溶接部の靭
性、溶接性の劣化が認められた。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
大地震の際に軸方向に作用する引張・圧縮応力に対し
て、大径薄肉でも局部座屈を起こしにくく、脆性的な破
断が発生し難い耐震鋼管を製造することができ、大地震
が発生した際に、ガスパイプラインや水道配管の破損と
内部流体の流出、あるいは高速道路の橋脚柱の破断など
の災害を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実管圧縮試験に用いた試験機および試験体を説
明するための図。
【図2】引張試験における5%歪までの最小勾配と局部
座屈の有無の関係を、外径/管厚比について示した図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.05〜0.25%、
    Mn:0.5〜2.0%を含有する鋼を熱間圧延した
    後、その鋼の成分で定まる(Ar3 +40)〜(Ar3
    −80)℃の温度域から2℃/sec以上の冷却速度で
    冷却し、その鋼板を冷間成形して鋼管にすることを特徴
    とする耐震鋼管の製造方法。
  2. 【請求項2】 重量%で、C:0.05〜0.25%、
    Mn:0.5〜2.0%を含み、かつCu:0.05〜
    0.50%、Ni:0.05〜0.50%、Cr:0.
    05〜0.50%、Mo:0.05〜0.50%、N
    b:0.005〜0.10%、V:0.005〜0.1
    0%、Ti:0.005〜0.10%の1種または2種
    以上を含有する鋼を熱間圧延した後、その鋼の成分で定
    まる(Ar3 +40)〜(Ar3 −80)℃の温度域か
    ら2℃/sec以上の冷却速度で冷却し、その鋼板を冷
    間成形して鋼管にすることを特徴とする耐震鋼管の製造
    方法。
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