JPH09176310A - 架橋導電性ポリマー及びその前駆物質 - Google Patents

架橋導電性ポリマー及びその前駆物質

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JPH09176310A
JPH09176310A JP8304278A JP30427896A JPH09176310A JP H09176310 A JPH09176310 A JP H09176310A JP 8304278 A JP8304278 A JP 8304278A JP 30427896 A JP30427896 A JP 30427896A JP H09176310 A JPH09176310 A JP H09176310A
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ユン=シン・リャオ
M Shaw Jane
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 架橋した導電性ポリマー、特に導電性ポリア
ニリンを提供する。 【解決手段】 架橋した導電性ポリマーのネットワーク
を形成する架橋可能なペンダント官能基を有するドーパ
ント及び置換基を使用する。架橋性可能な官能基は、水
素結合性のものでも、化学的に重合可能または架橋可能
なものでもよい。分子鎖の間の共役結合経路も組み込む
ことができる。得られた架橋した導電性ポリマーは、熱
及び環境に対する安定性が向上している。ドーパントは
溶剤により容易に洗い流したり、加熱により拡散させた
りすることができない。さらに、架橋したポリマーは、
導電性が高まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋した導電性ポ
リマー前駆物質、熱安定性及び環境安定性が高く、導電
性の高い、架橋した導電性ポリマー、ならびにその製法
及び応用に関する。
【0002】
【従来の技術】導電性有機ポリマーは、1970年代後
半から、科学技術的関心が持たれている。これらの比較
的新しい材料は、金属の特徴である電子的及び磁気的な
特性を示すと同時に、従来の有機ポリマーの持つ物理
的、機械的特性を保っている。本明細書では、置換また
は無置換の導電性ポリパラフェニレンビニレン類、ポリ
パラフェニレン類、ポリアニリン類、ポリチオフェン
類、ポリアジン類、ポリフラン類、ポリピロール類、ポ
リセレノフェン類、ポリ−p−フェニレンスルフィド
類、ポリアセチレン類、これらの混合物、ならびに他の
ポリマー及びそれらのモノマーのコポリマーとのブレン
ドについて説明する。これらの材料は、静電帯電放電
(ESC/ESD)保護、電磁障害(EMI)遮蔽、レ
ジスト、電気メッキ、金属の防食などの分野で多数の有
望な応用例を有し、最終的にははんだ、配線などの分野
で金属に取って代わる可能性がある。これらの応用例で
成功するためには、これらの材料は良好な環境及び熱安
定性を有し、金属に取って代わるためには、高度の導電
性が必要である。
【0003】これらのポリマーは、ドーパントに露出さ
せることにより導電性が得られる。ドーパントは、一般
的にはモノマーであるが、重合したドーパントも使用さ
れている。これまで最も一般的に使用されているドーパ
ントは、水、水酸化アンモニウム、ある種の溶剤などで
容易にポリマーから洗い流される。さらに、ドーパント
は拡散したり、熱によって劣化したりすることがある。
前記のような状況では、ポリマーの導電性は低下し、極
端な場合にはドーパントが完全に除去されて、ポリマー
が非導電性になる。
【0004】ドーピングした導電性ポリマーは、ある種
の環境条件下では容易にドーパントが失われるため、特
にモノマーのドーパント及び一部の重合したドーパント
でドーピングされたポリマーは、環境によっては使用す
ることができない。
【0005】ポリアニリン系の導電性ポリマーは、この
ような材料のうちで、商業的用途に最も適していること
が示されている。材料の加工性を高める点で多大の進歩
を示し、したがって多くの応用例向けのコーティングの
開発と商業化が可能になった。
【0006】しかし、現在のポリアニリン誘導体にある
種の制限があるために、多数の応用例はまだ実現してい
ない。
【0007】潜在的な応用例の多くでは、導電性ポリア
ニリンはその応用例に必要な、適切な機械的物理的特性
を有する適当な熱硬化性または熱可塑性樹脂とブレンド
する必要がある。組成物は通常射出または圧縮成形によ
り加工されるが、これらの工程は高温を必要とする。た
とえば、コンピュータのハウジング、キーボードなどの
製造に一般に用いられるポリカーボネートは、200℃
を超える温度で加工される。
【0008】このような温度では、現在のポリアニリン
誘導体は、ドーパント分子の蒸発または分解により導電
性が著しく失われる傾向がある。これまで、200℃を
超える温度で長期間導電性をある程度失わない導電性ポ
リアニリンはない。したがって、ESD及び特にEMI
遮蔽用途に必要な十分な導電性を有するブレンドを得る
ためには、ポリアニリンをポリカーボネートで加工する
ことはできない。
【0009】ドーパント分子が失われる温度は、ドーパ
ントの特性に依存する。非導電性のすなわちドーピング
しない状態のポリアニリンは、400℃を超える温度ま
で熱安定性を有する。図1は、ポリアニリン・ベース
(非導電性の状態)の重量減少と温度との関係を示す熱
重量分析(TGA)の曲線である。400℃までの温度
では、顕著な重量減少は見られない。塩酸(HCL)な
ど揮発性の酸でドーピングしたポリアニリンは、100
℃でも導電性が著しく低下する。スルホン酸などの有機
酸を使用すると、熱安定性が高くなる傾向がある。しか
し、一般に使用される代表的なスルホン酸でも、200
℃では導電性がかなり低下する。図2は、代表的なスル
ホン酸でドーピングしたポリアニリンであるアライド・
シグナル社のVersiconTMのTGAを示す。図に示すよう
に、200から300℃の間で39%の重量減少があ
り、これに伴って導電性も著しく低下する。したがっ
て、導電性ポリアニリンの熱安定性を増大させることが
望ましい。
【0010】導電性ポリアニリンの環境安定性も改善す
る必要がある。ポリマーの導電性は通常の外気条件では
劣化しないが、水及びアルカリ溶液、場合によっては溶
液に露出することにより劣化する。
【0011】前記の制限はいずれも、ポリアニリンのド
ーピング機構の本質に原因するものである。ポリアニリ
ンは、材料の非導電性の状態の前駆物質が適当なドーパ
ント、一般にはプロトン酸と反応することによって、導
電体に変換される。この過程は、広く研究され、多数の
誘導体及び変形が存在する。しかし、N−H結合はきわ
めて不安定で、したがって塩基及び水が容易にプロトン
を引きぬいて材料を非導電性にする。また、これらのド
ーピングされた状態の熱安定性は、上述の使用する酸の
揮発性、安定性により制限される。
【0012】このドーピング機構の変形のひとつは、メ
チル化剤や酸塩化物など、ドーパントと共有結合を形成
する有機非プロトン酸ドーパントを使用するものであっ
た。これは導電性形態のポリアニリンの安定性をある程
度改善する。しかし、これ以上の進歩がさらに必要であ
る。
【0013】さらに、ポリアニリンと、他の一部の導電
性ポリマーの第3の制限は、導電性が金属の導電性の下
限にあるということである。これらの材料が、相互接続
技術などのある種の応用例で金属と競合するためには、
これらの材料の導電性を高める必要がある。導電性はキ
ャリアの易動度、すなわち同時に分子鎖に沿ったならび
に分子鎖間のキャリアの易動度に支配される。分子鎖内
の易動度は、分子鎖の形態、結合度、及び分子鎖の欠陥
に支配される。分子鎖間の易動度は、ポリマーの結晶
性、整列度(degree of order)、鎖間距離、及び鎖間
相互作用の有無によって決まる。一般には、分子鎖間の
易動度は、キャリアがある鎖から他の鎖へ移る必要があ
る導電性を制限するのによりクリティカルになる傾向が
ある。分子鎖の間に連結経路がないため、キャリアの移
動(hopping)は速度が遅い。したがって、キャリアの
分子鎖間の易動度を増大させ、これらのポリマー内の分
子鎖内の易動度も改善して、高度の導電性を達成するこ
とが望ましい。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ドー
パント、置換基など、架橋可能な官能基を有する導電性
ポリマーの前駆物質及び導電性ポリマーを提供し、架橋
した前駆物質及び架橋した導電性ポリマーを提供するこ
とにある。
【0015】本発明の他の目的は、導電性ポリマーの架
橋した前駆物質及び架橋した導電性ポリマーを提供する
ことにある。
【0016】本発明の他の目的は、環境安定性を有する
導電性ポリマーをもたらす導電性ポリマー用のドーパン
トを提供することにある。
【0017】本発明の他の目的は、導電性ポリマーが溶
剤、水、アルカリ溶液などに暴露されても、実質的に洗
い流されることのないドーパントを含有する導電性ポリ
マーを提供することにある。
【0018】本発明の他の目的は、導電性ポリマーが加
熱されても実質的に除去されることのないドーパントを
含有する導電性ポリマーを提供することにある。
【0019】本発明の他の目的は、架橋を誘電して架橋
された導電性ポリマーのネットワークを形成するドーパ
ントと、溶剤または高温に暴露されてもドーパントが除
去されるのを実質的に防止するネットワークとを含有す
る環境安定性のある導電性ポリマーを提供することにあ
る。
【0020】本発明の他の目的は、ドーパントが容易に
抽出されない、架橋した導電性ポリマーのマトリックス
を提供することにある。
【0021】本発明の他の目的は、導電性材料の膨潤
と、水及び溶剤による浸食を防止する架橋したマトリッ
クスを提供することにより、液体、特に水及び溶剤が導
電性ポリマー材料中に拡散するのを大幅に減少させるこ
とにある。
【0022】本発明の他の目的は、分子鎖間に共役した
通路を設けることにより、導電性ポリマーの導電性を高
めることにある。
【0023】本発明の他の目的は、物理的または化学的
架橋による分子鎖間の相互作用を増大させることによ
り、導電性ポリマーの導電性を高めることにある。
【0024】本発明の他の目的は、分子鎖間の距離を制
御する方法を提供することにある。
【0025】本発明の他の目的は、分子鎖間の距離を減
少させる方法を提供することにある。
【0026】本発明の他の目的は、分子鎖間の距離を増
大させる方法を提供することにある。
【0027】本発明の他の目的は、分子鎖間に共役した
通路を設ける方法を提供することにある。
【0028】本発明の他の目的は、金属アイランドの大
きさを200Å以上にする方法を提供することにある。
【0029】本発明の他の目的は、整列度を高める方法
を提供することにある。
【0030】本発明の他の目的は、分子鎖内の易動度を
増大させる方法を提供することにある。
【0031】本発明の他の目的は、分子鎖間の易動度を
増大させる方法を提供することにある。
【0032】本発明の他の目的は、キャリアの易動度を
増大させ、発光ダイオード(LED)または装置(トラ
ンジスタ)用の導電性ポリマーの前駆物質及び導電性ポ
リマーのエレクトロルミネッセンス特性を増大させる方
法を提供することにある。
【0033】本発明の他の目的は、アクリレート、エポ
キシなどの架橋可能なモノマーまたはオリゴマーを、架
橋した導電性ポリマーまたは前駆物質に配合して、高度
に架橋したマトリックス、耐摩耗性マトリックス、また
は熱硬化性接着剤を生成する方法を提供することにあ
る。
【0034】本発明の他の目的は、前記の導電性ポリマ
ーまたは前駆物質を熱可塑性または熱硬化性のポリマー
またはオリゴマーとブレンドする方法を提供することに
ある。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明の広義の一態様
は、架橋可能な官能基を有する導電性ポリマーの前駆物
質及び架橋可能な官能基を有する導電性ポリマーであ
る。
【0036】本発明のさらに具体的な態様では、架橋可
能な官能基を架橋させて導電性ポリマーの架橋された前
駆物質及び架橋された導電性ポリマーを生成する。
【0037】本発明の他のさらに具体的な態様では、架
橋により、導電性ポリマー分子のネットワーク、または
前駆物質の分子のネットワークを形成する。
【0038】本発明の他のさらに具体的な態様では、前
駆物質分子の間または導電性ポリマー分子の間に共役基
が取り込まれる。
【0039】本発明の他のさらに具体的な態様では、ポ
リマーの主鎖上の置換基が、ポリマーの分子鎖間の架橋
を誘起する。
【0040】本発明の他のさらに具体的な態様では、ド
ーパントが導電性ポリマーの架橋を誘起する。
【0041】本発明の他のさらに具体的な態様は、架橋
が水素結合によるものである、架橋した導電性ポリマ
ー、または導電性ポリマーの前駆物質である。
【0042】本発明の他のさらに具体的な態様は、架橋
が実際の化学結合によるものである、架橋した導電性ポ
リマー、または導電性ポリマーの前駆物質である。
【0043】本発明の他のさらに具体的な態様では、ド
ーパントはプロトン酸である。
【0044】本発明の他のさらに具体的な態様では、ド
ーパントは架橋可能なペンダント基を有するプロトン酸
である。
【0045】本発明の他のさらに具体的な態様では、プ
ロトン酸でドーピングした導電性ポリマーの対応する陰
イオンが、架橋を誘起して架橋したネットワークを形成
する架橋可能な基を含有する。
【0046】本発明の他のさらに具体的な態様では、ド
ーパントはルイス酸、またはハロゲン化アルキル、酸塩
化物、塩化スルホニル、エポキシ、無水物、ハロゲン化
シリルなどの求電子物質である。
【0047】本発明の他のさらに具体的な態様では、ド
ーパントはルイス酸、または架橋可能なペンダント基を
有する前記種類の求電子物質である。
【0048】本発明の他のさらに具体的な態様では、架
橋剤を含有するルイス酸ドーパントが、導電性ポリマー
の前駆物質と共有結合して、架橋が主鎖を通じて行われ
る架橋した導電性ポリマーを生成する。
【0049】本発明の他のさらに具体的な態様では、ポ
リマー骨格上の置換基が、分子鎖間の水素結合の形態の
架橋を誘起して、架橋した導電性ポリマーの前駆物質ま
たは導電性ポリマーを生成する。
【0050】本発明の他のさらに具体的な態様では、ポ
リマー骨格上の置換基が化学的架橋を誘起して、架橋し
た導電性ポリマーの前駆物質または導電性ポリマーを生
成する。
【0051】本発明の他のさらに具体的な態様では、ポ
リマー骨格上の置換基が分子鎖間に共役基を導入する。
【0052】本発明の他のさらに具体的な態様では、架
橋した導電性ポリマーの前駆物質が架橋不能なドーパン
トでドーピングされる。
【0053】本発明の他のさらに具体的な態様では、架
橋した導電性ポリマーの前駆物質が架橋可能なドーパン
トでドーピングされる。
【0054】本発明の他のさらに具体的な態様では、架
橋が放射または熱への露出などの、エネルギーへの露出
により開始される。
【0055】本発明の他のさらに具体的な態様では、架
橋が二官能性ドーパントにより開始される。
【0056】本発明の他のさらに具体的な態様では、架
橋がポリマー骨格上の置換基により開始される。
【0057】
【発明の実施の形態】本発明は、ドーピングされると導
電性となるポリマー材料の導電性及び熱ならびに環境に
対する安定性を増大させることを目的とするものであ
る。これは、ポリマー分子間に架橋を導入することによ
り達成される。本明細書で使用する架橋の用語は、水素
結合による相互作用、及び実際の化学的架橋結合、たと
えば炭素・炭素結合形成などを含めて、ポリマー分子間
の物理的、化学的相互作用をいう。架橋により、得られ
たポリマー材料の整列度が増大し、分子鎖間の相互作用
が増大し、鎖間の共役または非共役の連結通路が分子鎖
間の易動度を増大させる結果、架橋していないドーピン
グしたポリマーと比較して、導電性が増大する。さら
に、架橋により、得られたポリマー材料に、機械特性の
良好な前駆物質または導電性ポリマーの自立皮膜が形成
されるなど、架橋しない材料にはない物理的特性が得ら
れる。また架橋により、溶剤その他の同様な材料が架橋
したマトリックスに拡散するのが困難になり、溶剤によ
る浸食またはドーパントの溶出が妨げられることによ
り、これらの材料の熱及び環境に対する安定性が増大す
る。さらに、ドーパントの熱による損失も減少する。本
発明の実施に用いることのできるポリマーの例には、置
換及び無置換のポリパラフェニレン類、ポリパラフェニ
レンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアジン類、ポリ
チオフェン類、ポリp−フェニレンスルフィド類、ポリ
フラン類、ポリピロール類、ポリセレノフェン類、ポリ
アセチレン類、これらの混合物、これらのモノマーのコ
ポリマー、及びこれらのブレンドなど、アニリン、チオ
フェン、ベンゼン、ビニルベンゼン、ピロール、p−フ
ェニレンスルフィド、アセチレン類、アジン類、セレノ
フェン類、フラン類の置換及び無置換のホモポリマーま
たはコポリマーがある。これらのポリマーの一般式は、
Angelopoulosらの米国特許第5198153号明細書に
記載されている。本明細書では、ドーピングされていな
い形態のこれらのポリマーを前駆物質と呼ぶ。前駆物質
はドーピングにより導電性となる。
【0058】本発明では、好ましい実施形態について述
べるが、それだけに限定されるものではない。本発明の
実施に用いることのできるポリマーの種類の一つは、置
換または無置換のポリアニリン、ポリアニリンのコポリ
マー、ポリアニリンと他のポリアニリン誘導体とのブレ
ンド、またはポリアニリンと他のポリマーとのブレンド
である。
【0059】エメラルジン・ベースの形態のポリアニリ
ンは、各種の有機溶剤、及び各種の水溶液に可溶であ
る。有機溶剤の例には、ジメチルスルホキシド(DMS
O)、ジメチルホルムアミド(DMF)、及びN−メチ
ルピロリドン(NMP)がある。
【0060】ドーピングしない前駆物質の形態のポリア
ニリンは、図3に示す一般式を有する。式中、各RはH
または任意の有機または無機の基で、各Rは同じもので
も異なるものでもよく、各R1はHまたは任意の有機ま
たは無機の基で、各R1は同じものでも異なるものでも
よい。xは1以上、好ましくは2以上であり、yは0か
ら1の間の値である。有機の基の例には、アルキル基及
びアリール基がある。無機の基の例には、Si及びGe
を含有する基がある。このリストは例示的なものであ
り、限定的なものではない。最も好ましい実施例は、エ
メラルジン・ベースの形態のポリアニリンで、yの値は
約0.5である。ポリアニリンに関しては、参照により
本明細書に合体される米国特許第5198153号明細
書にさらに詳細に示されている。
【0061】図4は、ジカチオン・バイポーラロンの形
態のドーピングしたポリアニリンを示す。ポリアニリン
・ベースが陽イオン種QAに露出されると、ポリマーの
イミン窒素原子(電子密度の高い部位)が
【化1】 と反応して、図4に示すような塩を生成する。Q+は窒
素と結合して(N−Q)、正に帯電したポリマーの主鎖
を形成し、A-はポリマーの対陰イオンになる。Q+はH
+及びアルキル基または金属などの有機または無機陽イ
オンから選択することができる。QはHであるとき、Q
Aはプロトン酸である。ポリアニリンをドーピングする
のにプロトン酸HAを使用する場合は、ポリアニリンの
イミン部の窒素原子はプロトン化される。
【0062】ドーピングされた形態のエメラルジン塩
は、共鳴効果により大幅に安定化される。電荷は窒素原
子と芳香族環に分配されて、イミンとアミンの窒素の区
別がつかなくなる。プロトンがドーピングされた形態
は、非局在化したポリセミキノンの陽イオンとなる(ポ
ーラロン構造)。その共鳴構造のひとつを図5に示す。
【0063】R1とQが同一ではない場合、ドーピング
されたポリマーは非対称となり、電荷の局在化の原因と
なる。この場合、ドーピングされたポリマーは、図5に
示すポリセミキノン基の陽イオンまたはポーラロン構造
とは異なり、図4に示すようなバイポーラロン・ジカチ
オン構造となって存在し、またはハイブリッド構造とな
って存在する。簡単のために、本発明はドーピングされ
たポリマーのモデル構造として、図4を使用して説明す
る。
【0064】ドーパント(QA)は、架橋可能な基が
(たとえばポリアニリン)構造に導入され、続いて架橋
を誘起するのに使用されるように変性させることができ
る。これは、下記に概要を示すいくつかの方法により行
うことができる。また、ポリマーの骨格置換基(R及び
1)を後で架橋を誘起するのに使用されるように変性
させることができる。
【0065】図26は、XQA及びQAZの形のドーパ
ントでドーピングした、導電性ポリマーの前駆物質ポリ
マー2を示す略図である。下記に詳細に説明するよう
に、X及びZは、水素結合性官能基を持つものでも、化
学的架橋可能な官能基を持つものでもよい。
【0066】図27は、骨格及び環にそれぞれRB基及
びRR基を有する前駆物質ポリマー2を示す略図であ
る。下記に詳細に説明するように、これらの基は、水素
結合性官能基を持つものでも、化学的架橋可能な官能基
を持つものでもよい。
【0067】図28は、鎖4から鎖6への架橋の例を示
す、前駆物質ポリマー分子鎖4と、前駆物質ポリマー分
子鎖6を示す略図である。架橋は2つの分子鎖の間のみ
示されているが、多数の分子鎖、及び同一の鎖の部位内
で行うこともできる。部位8では、鎖4はQA型のドー
パントでドーピングされており、Aは、鎖6への結合
(たとえば水素結合)を形成する架橋可能な官能基(た
とえば水素結合性)を有する。部位12では、鎖4及び
鎖6はQAZ型のドーパントでドーピングされており、
Zは、鎖4及び6上のZ置換基の間に架橋14を形成す
る架橋可能な官能基を有する。部位16では、鎖4がQ
AZ型のドーパントでドーピングされており、Zは、鎖
6の主鎖に架橋18を形成する架橋可能な官能基を有す
る。部位20では、鎖4及び鎖6がQAZ型のドーパン
トでドーピングされており、Q及びZの両方が、架橋2
2を形成する架橋可能な官能基を有する。部位24で
は、鎖4及び鎖6がQA型のドーパントでドーピングさ
れており、鎖4と鎖6との間に架橋26を形成する。代
替方法として、鎖4または鎖6をこのようなドーパント
でドーピングする前に、ドーパントを架橋して多官能性
ドーパントQA−AQとし、鎖4及び鎖6をドーピング
するのに使用すると、架橋26が形成される。代替方法
として、必ずしも架橋により合成する必要のない多官能
基ドーパントQA−AQを使用して、鎖4と鎖6との間
にリンク26(本明細書では架橋と呼ぶ)を形成するこ
ともできる。部位28では、鎖4及び鎖6はAQX型の
ドーパントでドーピングされており、Xは、X基間に架
橋30を形成する架橋可能な官能基を有する。部位32
では、鎖4はAQX型のドーパントでドーピングされて
おり、Xは、鎖6への架橋34を形成する架橋可能な官
能基を有する。部位36では、鎖4がAQX型のドーパ
ントでドーピングされており、鎖6はAQX型のドーパ
ントでドーピングされており、X及びAの両方が、それ
ぞれ鎖4と鎖6上のXとAの間の架橋38を形成する架
橋可能な官能基を有する。部位40では、鎖4がAQ型
のドーパントでドーピングされており、Qは、鎖6の主
鎖への架橋42を形成する架橋可能な官能基を有する。
部位44では、鎖4及び鎖6がAQ型のドーパントでド
ーピングされており、Qは、鎖4と鎖6との間に架橋4
6を形成する架橋可能な官能基を有する。代替方法とし
て、鎖4または6をこのようなドーパントでドーピング
する前に、ドーパントを架橋させて多官能性ドーパント
AQ−QAとし、鎖4及び鎖6をドーピングするのに使
用すると、架橋46が形成される。代替方法として、必
ずしも架橋により合成する必要のない多官能性ドーパン
トAQ−QAを使用して、鎖4と鎖6との間にリンク4
6(本明細書では架橋と呼ぶ)を形成することもでき
る。図28に示す架橋の例は代表的なものであり、限定
的なものではない。これら及びその他の特定の例につい
ては以下に説明する。部位48では、鎖4及び鎖6がA
Q型のドーパントでドーピングされており、A及びQは
それぞれ鎖4及び鎖6上のQ及びAの間に架橋50を形
成する架橋可能な官能基を有する。部位52では、鎖4
がAQZ型のドーパントでドーピングされており、鎖6
はQAX型のドーパントでドーピングされており、A及
びZが、鎖4と鎖6の間に架橋54を形成する架橋可能
な官能基を有する。部位56では、鎖4及び鎖6が骨格
上、または架橋58を形成する骨格上の環に、架橋可能
な官能基を有する。部位60では、太線で示した架橋6
2は、上述の鎖4と鎖6の間の架橋のうちのどれでもよ
い。架橋62は、64及び66で示される置換基(架橋
内または架橋中のペンダント基内)を有し、64及び6
6などの他の架橋(不飽和炭素・炭素結合及び水素結合
など)と架橋して、拡張したネットワークを形成する。
また、上述の架橋可能な官能基のどれも、拡張した架橋
ネットワークを形成することができる図24に示す重合
多官能性ドーパント、または図25に示すコポリマーで
よい。
【0068】1.ペンダント水素結合性官能基を有する
プロトン酸ドーパント QA−−Z(Qは水素、Zは水素結合性官能基)の構造
を有するペンダント水素結合性官能基を有するプロトン
酸でポリアニリン・ベースをドーピングすると、図6に
示す構造を有するドーピングしたポリマーが得られる。
この構造で、Zが水素結合が形成されるサイトを形成す
るか、ZがR1またはQ上のサイトと水素結合する水素
を生成するか、ZがRと水素結合しており、RがZ上の
水素結合サイトに水素結合する水素結合サイトを含有す
るか、あるいはRが水素もしくはこれらを組み合わせた
ものを含有することができる場合は、ポリアニリンの対
陰イオンA-は、第2の分子鎖もしくは同一の分子鎖の
他のZと水素結合し、またはN−QサイトもしくはN−
1サイト(この場合Q及びR1はH)と水素結合するこ
とができるペンダント基(Z)を含有する。図7は、水
素結合ネットワークを形成する、1個の分子鎖のZと他
の分子鎖のZの間、ならびに1個の分子鎖のZと他の分
子鎖のQ−Nの間の水素結合を示す。水素結合の結果、
鎖間の相互作用が増大する。さらに、ドーパントは水素
結合により鎖間に「ロック」される。この例を以下に示
す。
【0069】ポリアニリン・ベースの粉末を4−スルホ
フタル酸ナトリウム塩の1N水溶液で、粉末をドーパン
ト酸溶液中で12時間攪拌してドーピングした。ドーピ
ングした粉末を濾過し、過剰の酸ドーパント溶液で洗浄
し、水洗した後イソプロパノールですすいだ。この粉末
を50℃の真空乾燥機に12時間入れて乾燥した。ポリ
マーの導電性は10S/cmであった。
【0070】NMPを溶剤として注型したポリアニリン
・ベースの皮膜も、前記ドーパントの酸性水溶液でドー
ピングした。この皮膜は、ドーパント溶液中に24時間
浸漬した後、前記と同様に洗浄した。導電性は10S/
cmであった。
【0071】このドーパントを使用する方法の代わり
に、酸水溶液の存在下でアニリンをその場で重合する方
法がある。4−スルホフタル酸水溶液(5%溶液)1
3.87gを、アニリン2.5gに添加した。この溶液
を0℃に冷却し、これに酸化剤ペルオキソ二硫酸アンモ
ニウム1.53gを添加した。数分以内に反応混合物は
緑色になり、4−スルホフタル酸ナトリウム塩でドーピ
ングしたポリアニリンの粉末が沈殿した。この反応混合
物を4時間攪拌した後、粉末を濾過して分離し、前記と
同様に洗浄した。この粉末の導電性は10S/cmであ
った。この材料のTGAを図8に示す。この材料は図2
に示すVersiconより熱安定性に優れていることがわか
る。Versiconの重量が200℃から300℃の間に39
%減少するのに対して、本発明により生成したポリアニ
リンは200℃から300℃の間に重量がわずかに2.
5%しか減少しない。さらに、300℃から400℃の
間でも7.6%しか減少しないことがわかる。この材料
は明らかに高い熱安定性を示す。このことは、図9に示
すペンダント・カルボキシレート基が、ドーパントが除
去されにくいネットワーク構造を形成する結果生じる、
ドーパントが誘起する分子間の水素結合と一致する。ス
ルホフタル酸ナトリウム塩の溶液でドーピングしたポリ
アニリンは、直接重合した材料と同一の特性を有する。
【0072】ポリアニリンをN−メチルピロリジノンま
たはm−クレゾールに溶解した溶液中でドーパントと反
応させることによってドーピングを行うこともできる。
ドーパントに応じて、ドーピングしたポリアニリン材料
は溶解したままの状態になるか、粉末として沈殿するか
のいずれかになる。前者の場合は、この溶液を使用し
て、スピン・コーティング、スプレイ・コーティングそ
の他により皮膜を処理することができる。ペンダント水
素結合性官能基(QA−−Z)を有するプロトン酸のそ
の他の例には下記のものがあるが、それだけに限定され
るものではない。酸は、スルホン酸、カルボン酸、リン
酸、ホウ酸、ホスホン酸などでよい。水素結合性官能基
は、水酸基、カルボキシレート基、カルボン酸基、スル
ホン酸基、スルホネート基、アミノ基、アミド基、ケト
基、チオール基などがある。ドーパントは脂肪族でも芳
香族でもよい。QA−−Zの形態と、ペンダント水素結
合性官能基を有するドーパントの代表例は、4,4−ジ
アミノスチルベン−2,2−ジスルホン酸、アミノナフ
タレンスルホン酸、及び図23に示すものがある。
【0073】2.ペンダント化学的架橋可能基を有する
プロトン酸ドーパント ポリアニリンの鎖間架橋を形成する他の種類のドーパン
トは、QA−−Zなどのペンダント化学的架橋可能基を
有するプロトン酸である。Zは、エネルギー、たとえば
熱または放射に露出することにより化学的に架橋して共
有結合、たとえばC−Cを形成することのできる基であ
る。このような材料でポリアニリンをドーピングする
と、図10に示すようなドーピングされた形態が形成さ
れ、その対陰イオンがペンダント架橋可能基を有する。
この形態の材料は溶液注型法により処理して、皮膜状ま
たはある種の構造部品とし、後で放射または熱に露出し
て化学的架橋を誘起させることができる。架橋は、図1
1に示すように、ある鎖のZと他の鎖のZとの間、また
は同じ鎖のあるZと他のZとの間、またはポリアニリン
骨格上の架橋可能なRもしくはR1、または他の基との
間で行うことができる。この場合も、ドーピングしたポ
リアニリン骨格中で鎖間の相互作用が増大する。このよ
うなドーパントの例は、2−アクリルアミド−2−メチ
ル−1−プロパンスルホン酸である。
【0074】ポリアニリン・ベースを、固形分が約5%
になるようにNMPに溶解した。この溶液に、2−アク
リルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸の粉
末を添加した。ポリアニリン(反復単位:4環、イミン
・サイト:2個)とドーパントとの比は、ポリアニリン
1モルに対してドーパント2.2モルとした。数分の間
に青色の溶液が緑色に変色し、ドーピングされたことを
示した。ドーピングされたポリアニリンは溶解したまま
で、沈殿は生じなかった。反応を12時間続けたが、架
橋が生じないように光を遮るように注意して行った。こ
の溶液を、0.45のミリポア・フィルタで濾過した。
【0075】ドーピングしたポリアニリンのNMP溶液
を使用して、各種の基板上に約0.5μmの薄膜をスピ
ン・コートした。さらに、驚くべきことに、この材料の
NMP溶液から、厚い(150μm)柔軟性のある自立
皮膜を注型することもできる。この材料は、これまで報
告された他のドーピングしたポリアニリンと比較して、
溶解性及び加工性が優れている。さらに、これらの皮膜
は100℃以下に加熱しながら機械延伸することにより
延伸皮膜とすることができる。8倍もの延伸比が得られ
ている。
【0076】NMP溶液から注型したこの材料の皮膜の
延伸前の導電性は0.1S/cmであった。従来のドー
パントであるしょうのうスルホン酸(CSA)でドーピ
ングしたポリアニリンの導電性は1桁低い10-2S/c
mで、NMPに対する溶解度は非常に低く、固形分にし
て3%以下である。アクリルアミドプロパンスルホン酸
でドーピングしたポリアニリンは、NMPに対して固形
分5%を超える溶解度を有する。
【0077】さらに、CSAでドーピングしたポリアニ
リンは、柔軟な自立皮膜に加工することができず、本発
明のポリアニリンのように延伸することもできない。こ
のドーパントの高い導電性は、対陰イオンに共役アクリ
ルアミド基が存在することと一致する。このため、CS
A系と比較して、キャリアの移動が容易になる。
【0078】前記のドーピング反応を、NMP/LiC
l、m−クレゾール、ヘキサフルオロイソプロパノール
中でも行った。これらの溶剤では導電性がそれぞれ1,
50及び100S/cmである。このドーパントをポリ
アニリンに導入する他の方法は、アニリンをアクリルア
ミドプロパンスルホン酸水溶液中で重合させるものであ
る。ドーピングしたポリアニリンは溶液から沈殿する。
この方法で合成した材料の導電性は1S/cmである。
しかし、この材料は溶解できない。
【0079】ペンダント・アクリルアミド基の架橋を開
始させるため、開始剤である過酸化ベンゾイルをこの材
料のNMP溶液に添加した。開始剤を含有するポリマー
溶液をスピン・コートした後、ホット・プレートで90
℃に加熱して、架橋を開始させた。架橋後は、耐摩耗性
が比較的高く、水の浸透性が低く、したがって水による
ドーパントの流出が少ない皮膜が得られた。
【0080】架橋可能なモノマーまたは重合可能なオリ
ゴマーをポリアニリン及びアクリルアミドプロパンスル
ホン酸のNMP溶液とブレンドして、ポリアニリンと相
互に浸透する架橋したネットワークを形成させることが
できる。たとえば、ジアクリル酸1,3−ブチレングリ
コールまたはメタアクリル酸ヒドロキシエチルを、ポリ
アニリンに対して1〜25重量%添加した。非相溶性は
見られなかった。過酸化ベンゾイルをこの溶液に添加し
た。次にこの溶液を使用して、混合物の皮膜をスピン・
コートした。この皮膜を90℃に加熱して、架橋を開始
させた。耐摩耗性が高く、溶剤、アルカリ溶液、及び水
の浸透が少ないため環境に対する安定性が高いコーティ
ングが得られた。
【0081】前記の架橋は、電子線、紫外線/可視光
線、X線などの放射により開始させることができる。放
射に選択的に露出することにより、導電性レジストが得
られる。露出した領域は不溶性となり、露出しない領域
はNMPその他の溶剤で除去することができる。
【0082】ペンダント架橋可能基を有するプロトン酸
のその他の例には下記のものがあるが、それだけに限定
されるものではない。酸は、スルホン酸、カルボン酸、
リン酸、ホウ酸、ホスホン酸などでよい。架橋可能な基
には、アクリレート、メタアクリレート、アクリルアミ
ド、スチレン、エポキシ、ウレタン、アリル、シロキサ
ン、プロパルギルなどがある。具体的な例には、スチレ
ンスルホン酸、β−スチレンスルホン酸、ビニルスルホ
ン酸、2−メチル−2−プロパンスルホン酸、3−アリ
ルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸、
3−スルホプロピルメタアクリレートなどがある。
【0083】前記のドーピングしたポリアニリンに配合
できる架橋可能なモノマー/オリゴマーには、アクリレ
ート、メタアクリレート、エポキシ、スチレン、ウレタ
ンなどがある。具体的な例と、可能な開始剤及び感光剤
のリストは、参照により本明細書に合体する1993年
5月10日付の米国特許出願第08/058303号明
細書及び1992年4月28日付の米国特許出願第08
/875171号明細書に記載されている。
【0084】3.ペンダント水素結合性官能基を有する
非プロトン酸ドーパント プロトン酸以外のドーパントも、ポリアニリンのドーピ
ングに使用することができる。それには、アルキルハラ
イドなどのアルキル化剤、アルキルトシレート、酸塩化
物、酸無水物、塩化スルホニル、金属イオンなどがあ
る。これらの種類のドーパントは、ルイス酸または求電
子物質と呼ばれるが、本明細書では有機ドーパントと呼
ぶ。有機ドーパントにより、ポリアニリン・ベースのイ
ミンのNと、たとえばアルキル化剤のCとの間に共有結
合(N−C)が生じる。ペンダント水素結合性官能基X
を有するX−−QA型の有機ドーパントを、ポリアニリ
ン・ベースのドーピングに使用して、図12に示す構造
を形成することができる。
【0085】このようなドーパントにより、上述の場合
に述べたようなポリマーの対陰イオンを介した架橋とは
異なり、主鎖の架橋、この場合は水素結合(図13)が
生じる。水素結合は、ある分子鎖のXから他の分子鎖の
Xへ、もしくはある分子鎖のXから同じ分子鎖の他のX
へ、または水素結合性官能基を含む、XとRもしくはR
1へ生じることができる。図13は、1個の分子鎖のX
から第2の分子鎖のXへの水素結合を示す。
【0086】このようなドーパントの好ましい例は、3
−(クロロスルホニル)安息香酸である。これらの反応
は、ポリアニリン・ベースのたとえばNMP溶液を不活
性雰囲気中で適当なドーパントと反応させることにより
行う。
【0087】他のこのようなドーパント(X−−QA)
には、QAが、水素結合性官能基を有するハロゲン化ア
ルキル、ハロゲン化アリール、塩化スルホニル、酸塩化
物、酸無水物、アルキルトシレート、金属イオンなど
で、Xが、水酸基、アミド基、ケト基、カルボキシレー
ト基、カルボン酸基、スルホン酸基、スルホネート基、
アミノ基などのものがある。これらのドーパントは脂肪
族でも芳香族でもよく、多官能性のものでもよい。他の
例は図21に示す。
【0088】4.ペンダント化学的架橋可能基を有する
非プロトン酸ドーパント a.二官能性有機ドーパント 分子鎖間を化学的に架橋する有機ドーパントの種類の一
つは、XもQAであるX−−QAの構造を有するもの、
すなわち図14に示すような2つのポリアニリンの分子
鎖と相互作用を有する二官能性AQQAを有するもので
ある。また、ドーパントが同じ分子鎖の2つのイミン窒
素と相互作用することも可能であるが、ポリアニリン中
にある程度の鎖間架橋が導入される。さらに、たとえば
Q官能基が共役した基で結合される場合、この実施例で
は分子鎖間に共役した通路が導入され、ドーパントを適
切に選択するならば、ポリマーの主鎖上の共役した基が
他の分子鎖と相互結合し、これにより、ある分子鎖から
他の分子鎖へ単に飛び移るのと比べて、導電性キャリア
がある分子鎖から他の分子鎖へ移動するための効率的な
通路が得られる。上述のように、QAはハロゲン化アル
キル、ハロゲン化アリール、アルキルトシレート、アリ
ールトシレート、酸塩化物、塩化スルホニル、酸無水物
などがある。
【0089】有機二官能性ドーパント(AQ−−QA)
の例のリストを図22に示す。これらは分子鎖間に同じ
結合を導入する。
【0090】b.不飽和ペンダント基、すなわち架橋可
能基を有する一官能性有機ドーパントXが不飽和基、す
なわち架橋可能基である構造(X−−QA)を有する有
機ドーパントをポリアニリンのドーピングに使用して、
図15に示す構造を得ることができる。ドーピングされ
た形態の材料は、加工して皮膜の形態または構造部品に
加工した後、架橋させて図16の架橋したポリアニリン
・ネットワークを得ることができる。このようなドーパ
ントはまた、分子鎖間に共役した通路を導入することが
できる。
【0091】このようなドーパントの好ましい例は、塩
化メタクリロイルである。ポリアニリン・ベースを、固
形分5%になるようにNMPに溶解した。塩化メタクリ
ロイル(化学量論量)をポリアニリンに添加して、不活
性雰囲気中で反応させた。分離したドーピングされたポ
リアニリンは20S/cmで、同じ実験条件でプロトン
酸により得られるものより導電性が高い。この高い導電
性は、側鎖の不飽和基が分子鎖間のキャリアの易動度を
助けることと一致する。同様な結果が、NMPから注型
したポリアニリン・ベース皮膜を塩化メタクリロイルと
反応させることによって得られた。
【0092】ラジカル開始剤を、前記のドーピングした
皮膜のNMP溶液に添加することができる。次にこの溶
液をスピン・コートして皮膜を形成し、加熱または適当
な放射に露出することにより、架橋を開始させる。さら
に、不飽和オリゴマーまたは他の材料のモノマーを、前
記の方法と同様な方法でドーピングした溶液に添加し
て、導電性が高く、環境に対する安定性の良好な高度に
架橋したコーティングを得ることができる。
【0093】このようなドーパントの他の例には下記の
ものがあるが、これらに限定されるものではない。例と
して、ペンダント不飽和または架橋可能な、臭化プロパ
ルギル、臭化アリル、塩化メタクリロイル(上述)、塩
化アクリロイル、あらゆるハロゲン化アルキル、ハロゲ
ン化アリール、塩化スルホニル、酸塩化物、酸無水物な
ど、及びアクリレート、メタアクリレート、エポキシ、
スチレン、アリル、シロキサン、ウレタン、プロパルギ
ルなどの架橋可能基を含むドーパントがある。
【0094】前記の例は例示的なものにすぎず、本発明
はこれらに限定されるものではない。さらに、前記ドー
パントのどのような組み合わせでも、ドーピングしたポ
リアニリンの特性を調整するために使用することができ
る。さらに、ポリアニリンの構造を著しく混乱させるこ
となく、キャリアの易動度を増大させるための最適な鎖
間増強を得るために、分子鎖間に少量の制御された架橋
を導入することが望ましい。これは、前記のドーパント
のいずれかと、非架橋可能ドーパントとを様々な比で組
み合わせることにより達成される。このようなドーパン
トには、塩酸、しょうのうスルホン酸、トルエンスルホ
ン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、酢酸、ギ酸、ヨウ
化メチル、ヨウ化ベンジルなどがある。架橋可能なドー
パントと非架橋可能なドーパントの比率は0.0001
〜100%、好ましくは0.1〜50%、最も好ましく
は0.5〜25%である。これは、ポリアニリン・ベー
スのたとえばNMP、m−クレゾール、ヘキサフルオロ
イソプロパノールなどの溶液を、適当な比率の2種類以
上のドーパントと反応させることにより行う。たとえ
ば、様々な比率のしょうのうスルホン酸とアクリルアミ
ドプロパンスルホン酸をポリマーのNMP溶液に添加し
て、反応させることができる。最終的に得られるドーピ
ングしたポリアニリンは両ドーパントを包含することが
できる。架橋可能なドーパントの量を制御することによ
り、架橋の度合が制御できる。
【0095】5.芳香族環の架橋可能な置換基 ポリアニリンに架橋を導入するもう一つの方法は、Rが
水素結合または実際の化学的結合のいずれかの架橋可能
な官能基を含む芳香族の環に置換基を導入することであ
る。Rは、他の分子鎖、同じ分子鎖の他のR基と、また
は適当であればN−R1と、ドーピングした形態であれ
ばそのドーパントと架橋または水素結合することができ
る。図17は、ドーピングしない形態のポリマーまたは
前駆物質内におけるあるR基から他のR基への架橋を示
す。すべてのR基が同一である必要はない。
【0096】ポリアニリン芳香族環への置換基の導入
は、一般に適当な置換アニリン・モノマーの重合により
行われる。たとえば、2−アミノフェンエチルアルコー
ルをHClの1N水溶液に添加した。この溶液に、酸化
剤であるペルオキシジ硫酸アンモニウムをこれもHCl
溶液の形で添加した。酸化剤を添加すると、モノマーが
重合を開始し、30分以内にポリマーが溶液から沈殿す
る。重合反応を3ないし4時間続けた後、ポリマーの塩
酸塩を濾過し、過剰のHClで洗浄し、水ですすいだ。
これによりHClでドーピングしたヒドロキシエチル
(−CH2CH2OH)置換のポリアニリンが分離する。
この材料を、水酸化アンモニウムで中和して、非導電性
ベースの形態に変換することができる。ベース形態のポ
リマーは、多数の溶剤に対して優れた溶解性を示し、皮
膜などに加工することができる。次にこの材料を架橋可
能なドーパントを含む一連のドーパントでドーピングす
ることができる。前記のポリマーは、電気化学的重合に
よっても生成することができる。
【0097】コポリマーは、アニリンを2−アミノフェ
ンエチルアルコールと異なる比で重合させることにより
得られる。コポリマーに制御された量の水素結合を導入
することができる。一連のポリマーは、ヒドロキシエチ
ル含有量が0%のものから100%のものまで生成する
ことができる。
【0098】ヒドロキシメチル(−CH2OH)置換ポ
リアニリン、及びヒドロキシメチルアニリンと無置換の
アニリンからなるコポリマーも、上述の方法と同様の方
法で生成した。
【0099】従来は、環の置換基をポリアニリン骨格に
導入すると、置換しないホモポリマーと比較して常にポ
リマーの導電性が低下した。これは、置換基が芳香族環
の共平面性を阻害することによる立体障害に起因するも
ので、これにより鎖内の共役結合が減少する。さらに、
置換基が鎖間のスペーサとして作用するため、鎖間の距
離が増大する。鎖間の距離が増大すると、鎖間でのキャ
リアの移動が困難となり、このため導電性が低下する。
上述のヒドロキシエチル置換基及びヒドロキシメチル置
換基は、導電性を低下させず、実際に導電性を増大させ
ることがわかっている。図18は、しょうのうスルホン
酸でドーピングした、無置換ポリアニリン、ヒドロキシ
エチル・ホモポリマー、及びエトキシ置換ポリアニリン
の吸収スペクトルを示す。無置換ポリマーもエトキシ置
換ポリマーも、局在するキャリアの存在を示す局在性ポ
ーラロン・ピークを有するが、ヒドロキシエチルポリア
ニリンは近赤外線まで延びる非局在自由キャリアのテー
ルを示し、これはキャリアが分散していることを示す。
さらに、ヒドロキシエチル・ポリマーの導電度は3S/
cmであるのに対して、無置換のホモポリマーの導電度
は10-2S/cmであり、エトキシ置換ポリマーの導電
度は10-6S/cmである。エトキシ置換ポリアニリン
とヒドロキシエチル置換ポリマーは、基本的に立体障害
が同一であるのに対し、ヒドロキシエチル置換ポリマー
ははるかに高い導電性が得られることに注目されたい。
鎖間の水素結合が分子鎖間の距離を短縮させ、鎖間のキ
ャリアの移動を容易にすることがその原因である。実際
に、広角X線分散(WAXS)測定により、2Δが無置
換ポリアニリンの19から、ヒドロキシエチル置換ポリ
アニリンの22、ヒドロキシメチル置換ポリアニリンの
23へと増大し、このことは水素結合置換基により鎖間
の距離が減少したことを示す。さらに、エドロキシエチ
ル置換ポリアニリンを用いると、溶媒と水酸基の相互作
用が改善されるためにコイル構造が延伸されるので、溶
剤との相互作用を改善することができる。コイル構造が
延伸されると、鎖間の移動度が向上する。
【0100】Rは、ペンダント水素結合性官能基または
ペンダント架橋可能官能基を有するものであれば、脂肪
族でも芳香族でもよい。水素結合性官能基には、水酸
基、アミド基、ケト基、カルボキシレート、カルボン
酸、スルホン酸、チオール、及びアミノ基がある。架橋
可能官能基には、アクリレート、メタアクリレート、プ
ロパルギル基、アリル基、エポキシ、スチレン、シロキ
サンなどがある。Rの具体例を図20に示す。
【0101】6.アミン窒素の架橋可能な置換基 ポリアニリンのアミン窒素に、架橋可能な置換基R1
導入することは、あるR1から他のR1への架橋を示す図
19に示すように、ポリマーに架橋を導入するもう一つ
の経路である。この種の置換は、N置換アニリン・モノ
マーを適切に酸化重合させることによって行うことがで
きる。たとえば、N−ヒドロキシエチル置換アニリン
(Aryl−NH−CH2CH2OH)を上述の方法と同
様な方法で酸化重合させた。このモノマーを他のアニリ
ン誘導体と重合させてコポリマーを生成する。置換基
は、上述のように水素結合性のものでも化学的架橋可能
なものでもよい。
【0102】本明細書に概要を示す各種の実施例は、ど
のような形でも組み合わせることができる。さらに、架
橋可能な置換基またはドーパントあるいはその両方を、
架橋できない置換基またはドーパントあるいはその両方
と組み合わせることができる。たとえば、o−エトキシ
アニリンを2−アミノフェンエチルアルコールと重合さ
せて、架橋できない置換基であるエトキシと、水素結合
置換基であるヒドロキシエチルとを有するポリアニリン
コポリマーを生成することができる。
【0103】架橋度は、導入する架橋可能な置換基また
はドーパントの比率によって制御することができる。置
換基の比率は、重合反応に使用するアニリン・モノマー
の供給比により制御することができる。架橋可能なドー
パントの量は、ドーピング中に使用する化学量論量によ
り制御することができる。
【0104】前記の処方を、アクリレート、メタアクリ
レート、エポキシ、シロキサン、ウレタン、アセチレン
などのモノマー、オリゴマー、ポリマーからなる他の架
橋可能なマトリックスと組み合わせて、高度に架橋した
導電性熱硬化性樹脂を生成することができる。前記の処
方を、熱可塑性ポリマーと組み合わせて導電性ブレンド
を生成することもできる。前記の処方を、導電性接着
剤、静電放電保護材料、導電性レジスト、電磁障害遮蔽
材料、鋼鉄及び金属表面の腐食防止のための電解もしく
は無電解メタライゼーション、電子線リソグラフィ用放
電層、走査電子顕微鏡検査用放電層、相互接続、エレク
トロルミネッセント層、及びトランジスタ、ダイオード
などの装置用の半導体として使用することができる。
【0105】本明細書に記載された材料、及び参照によ
り本明細書に合体した1995年1月9日付米国特許出
願第08/370127号明細書、ならびに1995年
1月9日付米国特許出願第08/370128号明細書
に記載された材料は、ガス分離膜として使用することが
できる。ガスにはHe、H2、CO2、Ar、O2、N2
どが含まれる。この材料は、適当な溶剤中で処理し、支
持材上に注型して皮膜を形成したり、自立皮膜を注型し
たりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリアニリン・ベースの重量減少と温度との関
係を示す熱重量分析(TGA)曲線である。
【図2】代表的なドーパントでドーピングされたポリア
ニリンであるVersicon(AlliedSignal社の商標)の熱重
量分析曲線である。
【図3】導電性ポリアニリンの前駆物質であるドーピン
グされないポリアニリンの一般式である。
【図4】ジカチオン・バイポーラロン型で表した、ドー
ピングしたポリアニリンの一般式である。
【図5】ポリセミキノン基陽イオン、すなわちポーラロ
ン型のドーピングしたポリアニリンの一般式である。
【図6】QA−Z型ドーパント、たとえばペンダント型
水素結合性官能基を有するプロトン酸でドーピングした
ポリアニリンを示す図である。
【図7】たとえばZ−Z間及びZ−Q間(QはH)の水
素結合を介して架橋した2個のポリアニリンの分子鎖を
示す図である。
【図8】スルホン酸中でアニリンを重合して調製した4
−スルホフタル酸ナトリウム塩でドーピングしたポリア
ニリンのTGAである。
【図9】4−スルホフタル酸ナトリウム塩でドーピング
したポリアニリンと、このような2個のポリアニリンの
分子鎖の間で可能な水素結合の相互作用を示す図であ
る。
【図10】QA−Z型ドーパント、たとえばペンダント
化学的架橋可能基を有するプロトン酸ドーパントでドー
ピングしたポリアニリンを示す図である。
【図11】架橋がたとえば熱または放射エネルギーによ
り開始される、Z−Z結合を介して架橋された2個のポ
リアニリンの分子鎖を示す図である。
【図12】X−QA型のドーパント、たとえばペンダン
ト型水素結合性官能基を有する有機ドーパントでドーピ
ングされたポリアニリンを示す図である。
【図13】たとえばX−X間の水素結合を介して架橋さ
れた2個のポリアニリンの分子鎖を示す図である。
【図14】たとえばAQ−QA型の二官能性有機ドーパ
ントにより架橋された2個のポリアニリンの分子鎖を示
す図である。
【図15】ペンダント化学的架橋可能基を有する有機ド
ーパントであるX−QA型ドーパントでドーピングされ
たポリアニリンを示す図である。
【図16】架橋がたとえば熱または放射エネルギーによ
り開始される、X−X間の化学結合を介して架橋された
2個のポリアニリンの分子鎖を示す図である。
【図17】環置換基R−R間の相互作用を介して架橋さ
れた、ドーピングされない、または前駆物質の形態の2
個のポリアニリンの分子鎖を示す図である。
【図18】すべてNMPに溶解したしょうのうスルホン
酸でドーピングした、無置換ポリアニリン、o−エトキ
シ基置換ポリアニリン、o−ヒドロキシエチル基置換ポ
リアニリンの紫外線/可視光線/近赤外線吸収を比較し
たグラフである。
【図19】アミン置換基(R1−R1)間の相互作用を介
して架橋された、ドーピングされない、または前駆物質
の形態の2個のポリアニリンの分子鎖を示す図である。
【図20】水素結合性官能基を有するR基の例を示す図
である。
【図21】X−QA型(Xは水素結合性官能基)ドーパ
ントの例を示す図である。
【図22】AQ−QA型有機二官能性ドーパントの例を
示す図である。
【図23】QA−Z型(Zは水素結合性官能基)ドーパ
ントの例を示す図である。
【図24】本発明の実施に有用な多官能性架橋基を有す
るポリドーパントの構造を示す略図である。
【図25】図10及び図11に示す多官能性ドーパント
のコポリマーを示す略図である。
【図26】各種のドーパントでドーピングした前駆物質
ポリマーを示す略図である。
【図27】架橋可能な基RB及びRRを有する前駆物質ポ
リマーを示す略図である。
【図28】図26及び図27に示す架橋可能なドーパン
ト及び基を介して架橋したポリマーを示す略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 1/12 H01B 1/12 G (31)優先権主張番号 08/595853 (32)優先日 1996年2月2日 (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 ジェフリー・ディー・ジローム アメリカ合衆国06082 コネチカット州プ レインヴィル ヘミングウェイ・ストリー ト 30 (72)発明者 ユン=シン・リャオ アメリカ合衆国10994 ニューヨーク州ウ ェスト・ニャク ウェスト・ニャク・ロー ド 722 ナンバー8 (72)発明者 ジェーン・エム・ショー アメリカ合衆国06877 コネチカット州リ ッジフィールド ウィルトン・ロード・ウ ェスト 336

Claims (82)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】架橋可能な官能基を有する、導電性ポリマ
    ーの前駆物質を用意する工程と、 前記前駆物質を架橋させて、架橋前駆物質を生成する工
    程とを含む方法。
  2. 【請求項2】前記架橋前駆物質をドーパントに露出させ
    て、前記架橋前駆物質を導電性の状態にする工程をさら
    に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】導電性ポリマーの前駆物質を用意する工程
    と、 前記前駆物質に、架橋可能な官能基を有するドーパント
    を添加して、混合物を形成する工程とを含む方法。
  4. 【請求項4】前記混合物を架橋させる工程をさらに含
    む、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】架橋可能な官能基を含有する、導電性ポリ
    マーの前駆物質のモノマーを用意する工程と、 前記モノマーを同時に重合させ架橋させて、架橋した形
    態の前記前駆物質を生成する工程とを含む方法。
  6. 【請求項6】前記官能基が、水酸基、カルボキシレート
    基、スルホン酸基、スルホネート基、カルボン酸基、ケ
    ト基、アミド基、及びチオール基からなるグループから
    選択された水素結合性官能基であることを特徴とする、
    請求項1、3、または5のいずれか1つに記載の方法。
  7. 【請求項7】前記官能基が、アクリレート、メタクリレ
    ート、エポキシ、スチレン、プロパルギル、アリル、ウ
    レタン、及びシロキサンからなるグループから選択され
    た化学結合性官能基であることを特徴とする、請求項
    1、3、または5のいずれか1つに記載の方法。
  8. 【請求項8】前記架橋がエネルギーを与えることにより
    行われることを特徴とする、請求項1、4、または5の
    いずれか1つに記載の方法。
  9. 【請求項9】前記エネルギーが、放射及び熱からなるグ
    ループから選択されたものであることを特徴とする、請
    求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記架橋形態の前記前駆物質が、自立し
    た皮膜として形成されることを特徴とする、請求項1に
    記載の方法。
  11. 【請求項11】前記架橋可能な官能基が、水素結合性官
    能基、不飽和結合基、及び化学的架橋可能な官能基から
    なるグループから選択されたものであることを特徴とす
    る、請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】前記架橋可能な官能基が、前記前駆物質
    の骨格上にあることを特徴とする、請求項1に記載の方
    法。
  13. 【請求項13】前記架橋可能な官能基が、前記ドーパン
    ト上にあることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  14. 【請求項14】前記前駆物質が、置換及び無置換のポリ
    パラフェニレンビニレン類、ポリパラフェニレン類、ポ
    リアニリン類、ポリチオフェン類、ポリアジン類、ポリ
    フラン類、ポリピロール類、ポリセレノフェン類、ポリ
    −p−フェニレンスルフィド類、ポリアセチレン類、こ
    れらの混合物、他のポリマー及びこれらのモノマーのコ
    ポリマーとのブレンドからなるグループから選択された
    ものであることを特徴とする、請求項1、3、または5
    のいずれか1つに記載の方法。
  15. 【請求項15】前記ドーパントが、陽イオン種と、対陰
    イオンからなり、前記対陰イオンが、前記架橋可能な官
    能基を有することを特徴とする、請求項13に記載の方
    法。
  16. 【請求項16】前記ドーパントが、陽イオン種と、対応
    する陰イオンからなり、前記陽イオン種が、前記架橋可
    能な官能基を有することを特徴とする、請求項13に記
    載の方法。
  17. 【請求項17】前記架橋可能な官能基が、水素結合性官
    能基と共有結合性官能基からなるグループから選択され
    たものであることを特徴とする、請求項15に記載の方
    法。
  18. 【請求項18】前記架橋可能な官能基が、水素結合性官
    能基と共有結合性官能基からなるグループから選択され
    たものであることを特徴とする、請求項16に記載の方
    法。
  19. 【請求項19】前記ドーパントが、ペンダント水素結合
    性官能基を有するプロトン酸、ペンダント化学的架橋可
    能官能基を有するプロトン酸、ペンダント水素結合性官
    能基を有する非プロトン酸、及びペンダント化学的架橋
    可能官能基を有する非プロトン酸からなるグループから
    選択されたものであることを特徴とする、請求項2に記
    載の方法。
  20. 【請求項20】Qが陽イオン種、Aが対応する陰イオ
    ン、X及びZが前記架橋可能な官能基を有する基を表す
    ものとして、前記ドーパントが、AQX及びQAZから
    なるグループから選択された構造式を有することを特徴
    とする、請求項2に記載の方法。
  21. 【請求項21】Qが陽イオン種、Aが対応する陰イオ
    ン、X及びZが前記架橋可能な官能基を有する基を表す
    ものとして、前記組成物の架橋した形態が、AQX及び
    QAZからなるグループから選択された構造式を有する
    ドーパントでドーピングされた前記前駆物質を含む架橋
    した導電性ポリマーであり、前記架橋した導電性ポリマ
    ーが、前記X基間、Z基間、前記前駆物質の分子間、及
    び前記前駆物質の分子内の相互作用、ならびに前記Z基
    と前記X基との間、及び前記X基と前記Z基との間の相
    互作用からなるグループから選択された架橋を有するこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  22. 【請求項22】前記ドーパントが、架橋可能な官能基を
    有するドーパント、架橋可能な官能基のないドーパン
    ト、及びこれらの混合物からなるグループから選択され
    た構造式を有することを特徴とする、請求項2に記載の
    方法。
  23. 【請求項23】前記前駆物質でも前記導電性ポリマーで
    もない、架橋可能な官能基を有する材料と架橋可能な官
    能基のない材料からなるグループから選択した材料をさ
    らに添加することを特徴とする、請求項1に記載の方
    法。
  24. 【請求項24】前記架橋した前駆物質が、前記前駆物質
    でも前記導電性ポリマーでもない、前記組成物に架橋し
    ている材料を含むことを特徴とする、請求項2に記載の
    方法。
  25. 【請求項25】前記ドーパントが、共役成分を含むこと
    を特徴とする、請求項2に記載の方法。
  26. 【請求項26】前記組成物の前記架橋形態が、共役架橋
    であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  27. 【請求項27】Qが陽イオン種、Aが陰イオン種を表す
    ものとして、前記前駆物質が、前記導電性ポリマーを生
    成するAQ−QA及びQA−AQの形態を有するドーパ
    ントからなるグループから選択した多官能基ドーパント
    でドーピングされていることを特徴とする、請求項1に
    記載の方法。
  28. 【請求項28】前記導電性ポリマーが、AQ−QA及び
    QA−AQの形態を有するドーパントを介して架橋して
    いることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】前記前駆物質が、ポリアニリンを含むこ
    とを特徴とする、請求項1、3、または5のいずれか1
    つに記載の方法。
  30. 【請求項30】前記ポリアニリンが、ペンダント水素結
    合性官能基を有するプロトン酸、ペンダント化学的架橋
    可能官能基を有するプロトン酸、ペンダント水素結合性
    官能基を有する非プロトン酸、及びペンダント化学的架
    橋可能官能基を有する非プロトン酸からなるグループか
    ら選択されたドーパントでドーピングされることを特徴
    とする、請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】前記前駆物質が、芳香族環上の架橋可能
    な官能基とアミンの窒素原子上の官能基からなるグルー
    プから選択された架橋可能な官能基を有することを特徴
    とする、請求項29に記載の方法。
  32. 【請求項32】前記前駆物質が、さらに溶媒和を促進す
    る官能基を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方
    法。
  33. 【請求項33】前記ドーパントが、さらに溶媒和を促進
    する官能基を含むことを特徴とする、請求項2に記載の
    方法。
  34. 【請求項34】前記前駆物質が、ポリアニリン及びその
    コポリマーからなるグループから選択されたものであ
    り、前記導電性ポリマーが、導電性ポリアニリン及びそ
    のコポリマーからなるグループから選択されたものであ
    り、前記前駆物質及び前記導電性ポリマーが、前記溶媒
    和促進官能基及び前記架橋可能な官能基を与えるヒドロ
    キシアルキル基を含有することを特徴とする、請求項3
    2に記載の方法。
  35. 【請求項35】前記ヒドロキシアルキル基が、ヒドロキ
    シメチル基とヒドロキシエチル基からなるグループから
    選択されることを特徴とする、請求項34に記載の方
    法。
  36. 【請求項36】前記架橋可能な官能基が、ドーピングさ
    れた形態の前記前駆物質の導電性が増大するように、隣
    接する前駆物質の分子を十分近接するように保つことに
    より、立体障害を十分に排除することを特徴とする、請
    求項32に記載の方法。
  37. 【請求項37】前記架橋された前駆物質が、ドーパント
    の架橋したネットワークを有し、前記前駆物質が前記ネ
    ットワーク内に置かれ、前記ネットワークにより導電性
    の形態の前記前駆物質になるようにドーピングされてい
    ることを特徴とする、請求項2、4、または5のいずれ
    か1つに記載の方法。
  38. 【請求項38】前記架橋前駆物質が、前記前駆物質の架
    橋されたネットワークを有し、前記ドーパントが前記ネ
    ットワーク内に置かれ、前記前駆物質を導電性の形態の
    前記前駆物質になるようにドーピングすることを特徴と
    する、請求項2、4、または5のいずれか1つに記載の
    方法。
  39. 【請求項39】前記方法が、導電性接着剤、静電放電保
    護材料、導電性レジスト、電磁妨害遮蔽材料、鋼鉄及び
    金属表面の腐食防止用電解メタライゼーションまたは無
    電解メタライゼーション、電子線リソグラフィ用放電
    層、走査電子顕微鏡検査用放電層、電気的相互接続、エ
    レクトロルミネッセント層、トランジスタ、ダイオード
    などの装置用半導体からなるグループから選択された構
    造を形成することを特徴とする、請求項1ないし請求項
    32に記載の方法。
  40. 【請求項40】前記共役基が、不飽和官能基を含有する
    ことを特徴とする、請求項25に記載の方法。
  41. 【請求項41】前記前駆物質が、共役成分を含有するこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  42. 【請求項42】前記ドーピングされ、架橋された前駆物
    質が、4−スルホフタル酸ナトリウム塩、塩化メタクリ
    ロイル、及び2−アクリルアミド−2−メチル−1−プ
    ロパンスルホン酸からなるグループから選択されたドー
    パントでドーピングされたポリアニリンであることを特
    徴とする、請求項2、4、または5のいずれか1つに記
    載の方法。
  43. 【請求項43】導電性ポリマーの前駆物質と導電性ポリ
    マーからなるグループから選択された、架橋可能な官能
    基を有する組成物を含む構造。
  44. 【請求項44】架橋した形態の前記組成物を含む請求項
    43に記載の構造。
  45. 【請求項45】前記組成物が、前記架橋可能官能基を介
    して架橋されたものであることを特徴とする、請求項4
    4に記載の構造。
  46. 【請求項46】前記導電性ポリマーが、ドーパントと前
    記前駆物質との混合物であることを特徴とする、請求項
    43に記載の構造。
  47. 【請求項47】前記架橋した形態の前記導電性ポリマー
    が、前記架橋を行わない場合の前記導電性ポリマーの導
    電性より導電性が大きくなる架橋を有することを特徴と
    する、請求項44に記載の構造。
  48. 【請求項48】前記架橋した形態の前記組成物が、自立
    した皮膜として形成されることを特徴とする、請求項4
    4に記載の構造。
  49. 【請求項49】前記架橋可能な官能基が、水素結合性官
    能基、不飽和結合基、及び化学的架橋可能な官能基から
    なるグループから選択されたものであることを特徴とす
    る、請求項43に記載の構造。
  50. 【請求項50】前記架橋可能な官能基が、前記前駆物質
    の骨格上にあることを特徴とする、請求項43に記載の
    構造。
  51. 【請求項51】前記架橋可能な官能基が、前記ドーパン
    ト上にあることを特徴とする、請求項46に記載の構
    造。
  52. 【請求項52】前記前駆物質が、置換及び無置換のポリ
    パラフェニレンビニレン類、ポリパラフェニレン類、ポ
    リアニリン類、ポリチオフェン類、ポリアジン類、ポリ
    フラン類、ポリピロール類、ポリセレノフェン類、ポリ
    −p−フェニレンスルフィド類、ポリアセチレン類、こ
    れらの混合物、他のポリマー及びこれらのモノマーのコ
    ポリマーとのブレンドからなるグループから選択された
    ものであることを特徴とする、請求項43または44に
    記載の構造。
  53. 【請求項53】前記ドーパントが、陽イオン種と、対陰
    イオンからなり、前記対陰イオンが、前記架橋可能な官
    能基を有することを特徴とする、請求項51に記載の構
    造。
  54. 【請求項54】前記ドーパントが、陽イオン種と、対応
    する陰イオンからなり、前記陽イオン種が、前記架橋可
    能な官能基を有することを特徴とする、請求項51に記
    載の構造。
  55. 【請求項55】前記架橋可能な官能基が、水素結合性官
    能基と共有結合性官能基からなるグループから選択され
    たものであることを特徴とする、請求項53に記載の構
    造。
  56. 【請求項56】前記架橋可能な官能基が、水素結合性官
    能基と共有結合性官能基からなるグループから選択され
    たものであることを特徴とする、請求項54に記載の構
    造。
  57. 【請求項57】前記ドーパントが、ペンダント水素結合
    性官能基を有するプロトン酸、ペンダント化学的架橋可
    能官能基を有するプロトン酸、ペンダント水素結合性官
    能基を有する非プロトン酸、及びペンダント化学的架橋
    可能官能基を有する非プロトン酸からなるグループから
    選択されたものであることを特徴とする、請求項46に
    記載の構造。
  58. 【請求項58】Qが陽イオン種、Aが対応する陰イオ
    ン、X及びZが前記架橋可能な官能基を有する基を表す
    ものとして、前記ドーパントが、AQX及びQAZから
    なるグループから選択された構造式を有することを特徴
    とする、請求項46に記載の構造。
  59. 【請求項59】Qが陽イオン種、Aが対応する陰イオ
    ン、X及びZが前記架橋可能な官能基を有する基を表す
    ものとして、架橋した形態の前記組成物が、AQX及び
    QAZからなるグループから選択された構造式を有する
    ドーパントでドーピングされた前記前駆物質を含む架橋
    した導電性ポリマーであり、前記架橋導電性ポリマー
    が、前記X基間、Z基間、前記前駆物質の分子間、及び
    前記前駆物質の分子内の相互作用、ならびに前記Z基と
    前記X基との間、及び前記X基と前記Z基との間の相互
    作用からなるグループから選択された架橋を有すること
    を特徴とする、請求項46に記載の構造。
  60. 【請求項60】前記ドーパントが、架橋可能な官能基を
    有するドーパント、架橋可能な官能基のないドーパン
    ト、及びこれらの混合物からなるグループから選択され
    た構造式を有することを特徴とする、請求項46に記載
    の構造。
  61. 【請求項61】前記前駆物質でも前記導電性ポリマーで
    もない、架橋可能な官能基を有する材料と架橋可能な官
    能基のない材料からなるグループから選択した材料をさ
    らに添加することを特徴とする、請求項43に記載の構
    造。
  62. 【請求項62】前記架橋した組成物が、前記前駆物質で
    も前記導電性ポリマーでもない、前記組成物に架橋して
    いる材料を含むことを特徴とする、請求項44に記載の
    構造。
  63. 【請求項63】前記ドーパントが、共役成分を含むこと
    を特徴とする、請求項46に記載の構造。
  64. 【請求項64】前記組成物の前記架橋形態が、共役架橋
    であることを特徴とする、請求項44に記載の構造。
  65. 【請求項65】Qが陽イオン種、Aが陰イオン種を表す
    ものとして、前記前駆物質が、前記導電性ポリマーを生
    成するAQ−QA及びQA−AQの形態を有するドーパ
    ントからなるグループから選択した多官能基ドーパント
    でドーピングされていることを特徴とする、請求項43
    に記載の構造。
  66. 【請求項66】前記導電性ポリマーが、AQ−QA及び
    QA−AQの形態を有するドーパントを介して架橋して
    いることを特徴とする、請求項65に記載の構造。
  67. 【請求項67】前記前駆物質が、ポリアニリンを含むこ
    とを特徴とする、請求項43に記載の構造。
  68. 【請求項68】前記ドーピングされたポリアニリンが、
    ペンダント水素結合性官能基を有するプロトン酸、ペン
    ダント化学的架橋可能官能基を有するプロトン酸、ペン
    ダント水素結合性官能基を有する非プロトン酸、及びペ
    ンダント化学的架橋可能官能基を有する非プロトン酸か
    らなるグループから選択されたドーパントでドーピング
    されていることを特徴とする、請求項67に記載の構
    造。
  69. 【請求項69】前記前駆物質が、芳香族環上の架橋可能
    な官能基とアミンの窒素原子上の官能基からなるグルー
    プから選択された架橋可能な官能基を有することを特徴
    とする、請求項67に記載の構造。
  70. 【請求項70】前記前駆物質が、さらに溶媒和を促進す
    る官能基を含むことを特徴とする、請求項43に記載の
    構造。
  71. 【請求項71】前記ドーパントが、さらに溶媒和を促進
    する官能基を含むことを特徴とする、請求項46に記載
    の構造。
  72. 【請求項72】前記前駆物質が、ポリアニリン及びその
    コポリマーからなるグループから選択されたものであ
    り、前記導電性ポリマーが、導電性ポリアニリン及びそ
    のコポリマーからなるグループから選択されたものであ
    り、前記前駆物質及び前記導電性ポリマーが、前記溶媒
    和促進官能基及び前記架橋可能な官能基を与えるヒドロ
    キシアルキル基を含有することを特徴とする、請求項7
    0に記載の構造。
  73. 【請求項73】前記ヒドロキシアルキル基が、ヒドロキ
    シメチル基とヒドロキシエチル基からなるグループから
    選択されることを特徴とする、請求項72に記載の構
    造。
  74. 【請求項74】前記架橋可能な官能基が、ドーピングさ
    れた形態の前記前駆物質の導電性が増大するように、隣
    接する前駆物質の分子を十分近接するように保つことに
    より、立体障害を十分に排除することを特徴とする、請
    求項70に記載の構造。
  75. 【請求項75】前記架橋された前駆物質が、ドーパント
    の架橋したネットワークを有し、前記前駆物質が前記ネ
    ットワーク内に置かれ、前記ネットワークにより導電性
    の形態の前記前駆物質になるようにドーピングされてい
    ることを特徴とする、請求項46に記載の構造。
  76. 【請求項76】前記組成物の前記架橋された前駆物質
    が、前記前駆物質の架橋されたネットワークを有し、前
    記ドーパントが前記ネットワーク内に置かれ、前記前駆
    物質を導電性の形態の前記前駆物質になるようにドーピ
    ングすることを特徴とする、請求項46に記載の構造。
  77. 【請求項77】前記構造が、導電性接着剤、静電放電保
    護材料、導電性レジスト、電磁妨害遮蔽材料、鋼鉄及び
    金属表面の腐食防止用電解メタライゼーションまたは無
    電解メタライゼーション、電子線リソグラフィ用放電
    層、走査電子顕微鏡検査用放電層、電気的相互接続、エ
    レクトロルミネッセント層、トランジスタ、ダイオード
    などの装置用半導体からなるグループから選択された構
    造を形成することを特徴とする、請求項43ないし請求
    項74に記載の構造。
  78. 【請求項78】前記水素結合性官能基が、水酸基、カル
    ボキシレート基、スルホン酸基、スルホネート基、カル
    ボン酸基、ケト基、アミド基、及びチオール基からなる
    グループから選択されたことを特徴とする、請求項49
    に記載の構造。
  79. 【請求項79】前記化学結合性官能基が、アクリレー
    ト、メタクリレート、エポキシ、スチレン、プロパルギ
    ル、アリル、ウレタン、及びシロキサンからなるグルー
    プから選択されたものであることを特徴とする、請求項
    49に記載の構造。
  80. 【請求項80】前記共役基が、不飽和官能基を含有する
    ことを特徴とする、請求項63に記載の構造。
  81. 【請求項81】前記前駆物質が、共役成分を含有するこ
    とを特徴とする、請求項43に記載の構造。
  82. 【請求項82】前記ドーピングされ、架橋された前駆物
    質が、4−スルホフタル酸ナトリウム塩、塩化メタクリ
    ロイル、及び2−アクリルアミド−2−メチル−1−プ
    ロパンスルホン酸からなるグループから選択されたドー
    パントでドーピングされたポリアニリンであることを特
    徴とする、請求項44または46に記載の構造。
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