JPH09175164A - 自動車用空気浄化方法及び装置 - Google Patents

自動車用空気浄化方法及び装置

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JPH09175164A
JPH09175164A JP7350605A JP35060595A JPH09175164A JP H09175164 A JPH09175164 A JP H09175164A JP 7350605 A JP7350605 A JP 7350605A JP 35060595 A JP35060595 A JP 35060595A JP H09175164 A JPH09175164 A JP H09175164A
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JP
Japan
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air
vehicle
activated carbon
humidity
column
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Application number
JP7350605A
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English (en)
Inventor
Masao Ando
正夫 安藤
Ryoichi Yamanouchi
良一 山之内
Masako Sakai
雅子 酒井
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Equos Research Co Ltd
Original Assignee
Equos Research Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車内にNOX を除去した空気を導入すること
ができる自動車用空気浄化方法及び装置を提供する。 【解決手段】 外気吸気孔12aから取り入れた空気を
第1、第2カラム30A、30Bのシリカゲル32にて
湿度を吸収させた後、活性炭素繊維34にてNOX を吸
着させ、吹き出し口13aから車内に導入する。ここ
で、NOX の吸着を行った活性炭素繊維34と除湿を行
ったシリカゲル32とを加熱し、吸着されたNOX と水
分とを脱離することにより、該活性炭素繊維34及びシ
リカゲル32を用いて、空気中のNOX を再び吸着させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車内に送り込む空
気中の有害ガスを浄化する自動車用空気浄化方法及び装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から自動車用空気浄化機は、ファン
によって車内の空気を循環させ、フィルターによって汚
れを取り除く電気集塵方式が一般に用いられている。こ
れは、フィルター素材に電気的に静電気を帯びやすい性
質のものを採用し、ほこりなどの異物を吸着させてい
る。また、フィルターに当たる部分にコロナ放電機構を
備えたイオン式空気浄化機が、車載用エアーコントロー
ルユニットに組み込まれている。
【0003】イオン式空気浄化機は、プレフィルター、
イオナイザー、コレクターの各ユニットによって構成さ
れている。ブロアーファンによって車外あるいは車内か
ら送り出された汚れた空気は、まずプレフィルターにて
大きなゴミが除去される。そして、高圧コロナ放電を行
うイオナイザーで空気中の粉塵を帯電させ、帯電した粉
塵をコレクターで補集することによって空気を浄化して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した車載式の空気
浄化機では、煙草の煙あるいは空気中に浮遊する埃、煤
などの粒子に対しては除去能力を有しているが、他の車
両から排出されるNOX、CO等の有害ガスを除去でき
なかった。このため、渋滞道路等、或いは、交通量の多
い道路を走行中には、車外の有害ガスを含む空気をその
まま車内に導入していた。
【0005】このため、NOX 、CO濃度の高い渋滞道
路等を走行する際には、内気循環にして有害ガスの車内
への浸入を防いでいる。しかしながら、内気循環にして
も外気との遮断が十分に行われず、車両の種々の隙間か
ら外気が混入している。この内気循環中のNOX の車内
への浸入につき観測された結果について、図16を参照
して説明する。
【0006】図16の測定結果は、東京衛研年報29−
1、325−330、1978年にて、「走行中の自動
車内空気汚染について(第1報)」と題し、東京都立衛
生研究所環境保健部環境衛生研究科によって発表された
ものを表している。これは、昭和53年2月21日から
24日にかけて、東京環状7号線、青梅街道にて、内気
循環に設定されている車両への外部のNOX の浸入につ
いて測定した結果を示している。図中に示すようにNO
2 の臭いを検知する0.12ppm を、走行開始から20
分経過した頃に越えている。そして、80分経過時には
最大値の0.6ppm に達している。このグラフ中の2.
6ppm の値は、本出願人が名古屋市郊外を走行して、N
X 濃度を測定した際の車外における最大値を示してい
る。
【0007】図17の測定結果は、上記NOX 濃度と併
せて測定されたCO濃度を示している。人体への影響が
現れる下限値である5ppm を15分経過した時点で越
え、80分経過時に最大値の28ppm に達している。こ
のグラフ中の33ppm の値は、横浜市内を走行してCO
濃度を測定した際の、車外における最大値を示してい
る。上記測定結果からもNOX 及びCO濃度の高い地区
を走行する際に、内気循環にしてもNOX 及びCOの浸
入を防ぎえないことは明らかである。
【0008】他方、NOX 及びCOの車内への浸入量を
抑えるために内気循環にすると、車内の乗員の吐き出し
たCO2 が車外に排出されず、CO2 濃度が高まるとい
う問題もある。図18は、2名乗車して、窓を閉め内気
循環を続けCO2 濃度を測定した結果を示している。こ
の測定結果は、自動車技術9307074「車室内の空
気環境改善」にて発表されたものである。出発地での
0.1%(ビル管理法の基準値に相当)から時間の経過
に伴いCO2 値は徐々に上昇し、最大0.4%まで上昇
している。ここで、CO2 濃度0.1%は、呼吸器、循
環器、大脳などの機能に影響が見られ、CO2 濃度0.
5%は、呼吸数2倍、呼吸量30%増加する濃度とされ
ており、これ以上の濃度が続くと、アクビの回数が増
え、作業能力が低下することが観察により明らかになっ
ている。
【0009】更に、本出願人が、5名定員の乗用車に4
名乗車し、停止状態で窓を閉めてCO2 濃度を測定した
結果について図19に示す。図中の曲線aは、外気を導
入しなかった際の値である。ここで、1250秒経過時
に最大5800ppm に達している。この値は、息苦しさ
を感じて実験を中断してドアを開ける直前の最大値であ
る。従って測定を継続すれば、CO2 の値は更に上昇し
たものと考えられる。また、曲線bは560リットル/
分の外気を導入した際の、曲線cは740リットル/分
の外気を導入した際の、曲線dは1200リットル/分
の外気を導入した際の値を示している。4名乗車時にお
いても、560リットル/分の外気を導入することで、
CO2 濃度を2500ppm 程度に抑えることができてい
る。しかしながら、上述したようにNOX 、CO等の濃
度の高い渋滞道路等を走行中には、外気を導入してCO
2 濃度を下げると、車外のNOX 、COをそのまま車内
に導入することとなった。
【0010】このため、本発明者は、空気中のNOX
ついては吸着剤にて吸着し、COについては触媒でCO
2 に酸化して車内に取り込むという着想を得た。ここ
で、NOX を吸着剤の材質について種々の材料の対して
実験を行ったところ、活性炭は、NOX を吸着し得るの
みでなく、加熱することによりNOX を排出し、再利用
できることが判明した。このため活性炭を用いてNOX
の吸着を行うことを予定していたが、ここで、新たな課
題が発生した。
【0011】この課題は、ガソリンエンジン或いはディ
ーゼルエンジンからは、NOX として主にNOが排出さ
れていることに伴うものである。このNOは大気中で安
定な状態ではないため、時間の経過と共に徐々にNO2
等のNOX (ここでは特にXが1を越えるものを意味す
る)に変化していく。従って、渋滞している道路上で
は、NOX 中に占めるNOの割合は大きく、反面、NO
2 の割合は小さいが、道路から少し離れた位置で測定す
ると、NO割合が減少して、NO2 の割合が大きくなっ
ている。ここで、道路上の低い位置から外気を導入する
ため、自動車に取り込む空気には、NOX として主とし
てNOが含まれるている。このため、車外から取り入れ
た空気中のNOX を浄化する際には、NOを吸着できる
か否かが問題となるが、活性炭(活性炭素繊維を含む)
は、一般にNO2 の吸着性能には優れるが、NOの吸着
能力は劣ると考えられていた。
【0012】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、車内に
NOを除去した空気を導入することができる自動車用空
気浄化方法及び装置を提供することにある。
【0013】更に、本発明は、外気を車内に導入する際
に、外気中のNOを除去して車内に取り込むことができ
る自動車用空気浄化方法及び装置を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の自動車用空気浄化方法では、NOを含む
空気の湿度を低下させ、活性炭素繊維から主として成る
吸着部材に前記湿度を低下させた空気を接触させ、NO
を吸着させてから車内に導入し、加熱により前記NOを
前記吸着部材から脱離して、車外に放出し、前記NOを
脱離した前記吸着部材にNOを含む空気を接触させて、
NOを再び吸着させることを技術的特徴とする。
【0015】また、上記の目的を達成するため、請求項
2の自動車用空気浄化方法では、車外の湿度及びNOを
含む空気を除湿剤と接触させて湿度を低下させ、活性炭
素繊維から主として成る吸着部材に前記湿度を低下させ
た空気を接触させNOを吸着させてから車内に導入し、
加熱により水分を前記除湿剤から脱離し、加熱により前
記NOを前記吸着部材から脱離して、車外に放出し、前
記水分を脱離した前記除湿剤を、車外の湿度及びNOを
含む空気と接触させて湿度を再び吸着させ、前記NOを
脱離した前記吸着部材を、NOを含む空気と接触させて
NOを再び吸着させることを技術的特徴とする。
【0016】上記の目的を達成するため、請求項3の自
動車用空気浄化装置では、除湿剤と、活性炭から主とし
て成るNOの吸着部材と、を収容する容器と、前記容器
へ湿度及びNOを含む車外の空気を送り込み、該除湿剤
に湿度を吸収させた後、該活性炭にNOを吸着させた空
気を車内に導入する送風手段と、前記NOの吸着を行っ
た前記吸着部材と除湿を行った除湿剤とを加熱し、該吸
着部材に吸着されたNOと、除湿剤の水分とを脱離する
加熱手段と、から成ることを技術的特徴とする。
【0017】また、上記の目的を達成するため、請求項
4の自動車用空気浄化装置では、除湿剤と、活性炭から
主として成るNOの吸着部材と、酸化還元能を備えた貴
金属触媒と、を収容する容器と、前記容器へ湿度・NO
・COを含む車外の空気を送り込み、該除湿剤に湿度を
吸収させた後、該活性炭にNOを吸着させ、また、貴金
属触媒にてCOをCO2に酸化させた空気を車内に導入
する送風手段と、前記NOの吸着を行った前記吸着部材
と除湿を行った除湿剤とを加熱し、該吸着部材に吸着さ
れたNOと、除湿剤の水分とを脱離する加熱手段と、か
ら成ることを技術的特徴とする。
【0018】上記の目的を達成するため、請求項5の自
動車用空気浄化装置では、請求項3又は4において、前
記活性炭が、活性炭素繊維から成ることを技術的特徴と
する。
【0019】上記の目的を達成するため、請求項6の自
動車用空気浄化装置では、請求項3又は4において、前
記加熱手段が、ヒータ線を備えることを技術的特徴とす
る。
【0020】
【作用】請求項1の発明では、NOを含む空気の湿度を
低下させた後、活性炭素繊維から主として成る吸着部材
と接触させるため、該吸着部材にNOを吸着させること
が可能となり、NOを脱離した空気を車内に送ることが
できる。ここで、該吸着部材にNOを吸着させた後、加
熱してNOを脱離するため、脱離の完了した吸着部材に
NOを再び吸着させることができる。
【0021】また、請求項2の発明では、車外の湿度及
びNOを含む空気を、除湿剤と接触させて先ず湿度を吸
着させた後、活性炭素繊維から主として成る吸着部材と
接触させるため、該吸着部材にNOを吸着させることが
可能となる。このため、湿度及びNOのレベルの高い地
区を自動車が走行している際にも、外気を導入してNO
を脱離して車内に送り、乗員の吐き出すCO2 を車外に
放出できるため、車内のCO2 のレベルを低下させるこ
とができる。
【0022】また、請求項3の発明では、送風手段が、
車外の空気を除湿剤にて湿度を吸収させた後、活性炭か
ら主として成る吸着部材と接触させるため、該吸着部材
にてNOを吸着させることが可能となる。このため、湿
度及びNOのレベルの高い地区を自動車が走行している
際にも、外気を導入してNOを脱離して車内に送り、車
中の乗員の吐き出すCO2 を車外に放出できるため、車
内のCO2 のレベルを低下せさることができる。また、
加熱手段が、NOの吸着を行った吸着部材と除湿を行っ
た除湿剤とを加熱し、該吸着部材に吸着されたNOと、
除湿剤の水分とを脱離するため、水分の脱離の完了した
除湿剤とNOの脱離の完了した吸着部材とを用いて、空
気中のNOを再び吸着させることができる。
【0023】更に、請求項4の発明では、送風手段が、
車外の空気を除湿剤にて湿度を吸収させた後、活性炭か
ら主として成る吸着部材へ送るため、該吸着部材にてN
Oを吸着させることが可能となり、また、COを貴金属
触媒にてCO2 に酸化した後に車内へ導入するため、N
O及びCOを脱離した空気を車内に送ることができる。
このため、湿度とNO及びCOとのレベルの高い地区を
自動車が走行している際にも、外気を導入して乗員の吐
き出すCO2 を車外に放出でき、車内のCO2のレベル
を低下させれる。また、加熱手段が、NOの吸着を行っ
た吸着部材と除湿を行った除湿剤とを加熱し、該吸着部
材に吸着されたNOと、除湿剤の水分とを脱離するた
め、水分の脱離の完了した除湿剤とNOの脱離の完了し
た吸着部材とを用いて、空気中のNOを再び吸着させる
ことができる。
【0024】また、請求項5の発明では、活性炭が活性
炭素繊維から成るため、送風時の圧損が少なくなる。ま
た、小さな容量の活性炭素繊維で大量のNOを吸着する
ことができる。
【0025】また、請求項6の発明では、ヒータ線にて
活性炭及び除湿剤を加熱する構成を採用しているため、
廉価に構成できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施態
様について図を参照して説明する。図1は、本発明の第
1実施態様に係る自動車用空気浄化装置10の構成を示
し、図2(A)は、該自動車用空気浄化装置10の車両
搭載位置を示している。図2(A)に示すように、自動
車用空気浄化装置10は、車両の車室後方のトランク上
に収容され、排気管19がエンジン80のエアークリー
ナ82へ延在している。また、吸気管18がエアーコン
トロールユニット84側から延在している。更に、該自
動車用空気浄化装置10は、車室内の空気を取り入れる
ための内気吸気孔11aと、車外から空気を取り入れる
ための外気吸気孔12aと、車室内に浄化済みの空気を
吹き出するための吹出し口13aとが設けられている。
【0027】図1に示すように、自動車用空気浄化装置
10は、空気を取り入れると共に排気を排出する通気管
14と、空気を圧送するためのブロアー40と、空気を
浄化する第1カラム30A、第2カラム30Bと、該第
1、第2カラム30A、30Bで浄化された空気を車室
内の吹出し口13aまで案内する空気導出管13とから
主として構成されている。
【0028】通気管14には、エアーコントロールユニ
ット84側からの吸気管18と、車室内の空気を取り入
れるための内気吸気管11と、車外から空気を取り入れ
るための外気吸気管12と、エンジン80のエアークリ
ーナ82へ延在している排気管19とが接続されてい
る。通気管14と内気吸気管11との間には、該内気吸
気管11を閉じる第1ダンパー21が配設されている。
また、通気管14と外気吸気管12との間には、該外気
吸気管12を閉じる第2ダンパー22が配設されてい
る。更に、通気管14と排気管19との間には、当該排
気管19を閉じる第3ダンパー23が設けられている。
この通気管14内には、吸入した空気中の湿度を検出す
るための湿度センサ42が配設されている。
【0029】エアーコントロールユニット84には、除
湿用のエバポレータ84aが配設され、エバポレータ8
4aの吸気側には、車室内の空気を取り入れるための内
気吸気管16と、車外から空気を取り入れるための外気
吸気管17とが取り付けられている。このエバポレータ
84aと内気吸気管16との間には、該内気吸気管16
を閉じるための第7ダンパー27が、また、外気吸気管
17との間には、該外気吸気管17を閉じるための第8
ダンパー28が配設されている。
【0030】上記通気管14中の空気を圧送するブロア
ー40は、分岐管15を介して第1、第2カラム30
A、30Bと接続されている。該分岐管15には、圧送
された空気を第1カラム30A又は第2カラム30Bの
いずれかに振り分ける第4ダンパー24が配設されてい
る。また、第1カラム30Aと空気導出管13との間に
は、該第1カラム30Aを閉じる第5ダンパー25が、
更に、第2カラム30Bと空気導出管13との間には、
該第2カラム30Bを閉じる第6ダンパー26が配設さ
れている。この空気導出管13には、第1カラム30A
又は第2カラム30Bで浄化された空気中のNOX 濃度
を検出するNOX センサ44が設けられている。
【0031】ここで、第1、第2カラム30A、30B
の構成について図3を参照して説明する。図1に示す第
1カラム30A及び第2カラム30Bは、200×20
0×200mmの箱状容器38から成る。この箱状容器3
8の空気導入側には、除湿剤としてシリカゲル32が図
3(A)に示すように60mmの厚さで充填され、該シリ
カゲル32にはヒータ線39が通されており、吸湿した
水分を加熱して発散し得るように構成されている。この
実施態様では、吸湿剤としてシリカゲルを用いるが、加
熱により水分を分離して再利用可能なものなら、ゼオラ
イト、活性アルミナ等種々の材料を用いることができ
る。
【0032】図1に示す箱状容器38の中央部には、N
X を吸着するための活性炭素繊維34が配設されてい
る。この活性炭素繊維34は、縦横が200×200mm
で、高さが100mmにプリーツ状に折り畳まれて、箱状
容器38内に収容されている(図3(B)参照)。即
ち、折り畳んで面積の大きな活性炭素繊維34(0.8
2 )を縦横200×200mmの箱状容器38に収容す
ることで、空気の通過速度を下げ、圧力損失を低減して
いる。この活性炭素繊維34には、図3(B)中に示す
ように加熱用のヒータ線39が配設されている。なお、
シリカゲル32及び活性炭素繊維34の加熱方法は、上
記方法以外にも、誘電加熱法、電気抵抗加熱法、エンジ
ン排熱等によって加熱された温風により加熱する方法等
が適用可能であり、上記に限定されるものではない。
【0033】この活性炭素繊維34としては、例えば、
東邦レーヨン社が提供するアクリル繊維を原料とするフ
ァインガード(登録商標)を用いることができる。この
ファインガードとして、比表面積500〜1200m2
/g、平均細孔直径20〜40Å、繊維直径7〜15μ
m、繊維引張強度20〜50Kg/mm2 、N含有率2〜1
0%、外表面積0.2〜0.7m2 /g、ベンゼン平衡
吸着20〜50%の特性を有するものが提供されてお
り、本発明者は、このファインガードをフェルト状にし
たFE−200(目付100g/m2 )を、図3(B)
を参照して上述したようにプリーツ状に畳んで用いてい
る。この活性炭素繊維34は、NOX を吸着する他、S
X 、煙草の臭い等を強力に吸着する。
【0034】活性炭素繊維34は、NOX を吸着して性
能が低下するとヒータ線39によって加熱され、該NO
X を脱離することによって繰り返し使用される。
【0035】図1に示す箱状容器38の最も下流には、
COをCO2 へ酸化するためのPd触媒36が配設され
ている。このPd触媒36は、図3(C)に示すように
活性炭素繊維35にPdを担持させて成る。この活性炭
素繊維35は、上記NOX 吸着用の活性炭素繊維34と
同様に高さ40mmにプリーツ状に折り畳まれて箱状容器
38内に収容されている。即ち、面積の大きな活性炭素
繊維35を収容することで、空気の通過速度を下げ、圧
力損失を低減している。なお、使用により劣化の生じな
いPd触媒36には、加熱用のヒータ線は設けられてい
ない。
【0036】ここで、図3(B)に示す活性炭素繊維3
4のNOX の吸着性能を試験した結果について図12を
参照して説明する。図12は、ガスの流量として10リ
ットル/分を流した際の、活性炭素繊維34の入側と出
側とのNOX 濃度を、センサにより測定した結果を示し
ている。0秒、400秒、800秒経過時は、活性炭素
繊維34の入り側(NOX 除去前)にセンサを配置し、
200秒、600秒、1000秒経過時は、活性炭素繊
維34の出側(NOX 除去後)へセンサを移動してい
る。この試験から明らかなように2乃至2.7ppm のN
X を、活性炭素繊維34は0.2ppm まで低下させて
いる。
【0037】上述したようにガソリンエンジン或いはデ
ィーゼルエンジンからは、NOX として主にNOが排出
されているため、渋滞している道路上では、NOの濃度
が高い反面、NO2 の濃度は低い。ここで、道路上の低
い位置から外気を導入するため、自動車に取り込む空気
には、高濃度のNOが含まれる反面、NO2 の濃度は低
い。このため、車外から取り入れた空気中のNOX を浄
化する際には、NOを吸着できるか否かが問題となる。
ここで、活性炭(活性炭素繊維を含む)は、一般にNO
2 の吸着性能には優れるが、NOの吸着能力は劣ると考
えられていた。
【0038】本発明者は、湿度を下げることにより活性
炭のNO吸着能力を高めることができるのではないかと
の着想を持つに至り、除湿剤にて相対湿度を下げた状態
で、図3(B)に示す活性炭素繊維34のNO吸着能力
の試験を行った。図13は、相対湿度をほぼ3%に保
ち、ガスの流量として10リットル/分を流した際の、
活性炭素繊維34の入側と出側とのNO濃度を、センサ
により測定した結果を示している。0秒、500秒、1
100秒経過時は、活性炭素繊維34の入り側(NO除
去前)にセンサを配置し、200秒、700秒経過時
は、活性炭素繊維34の出側(NO除去後)にセンサを
移動している。この試験から活性炭素繊維34は、5pp
m のNOを1乃至2ppm まで低下させており、湿度を下
げることにより活性炭素繊維34は、NOを十分に吸着
し得ることが判明した。
【0039】なお、この実験では、活性炭素繊維を用い
相対湿度を3%としたが、他の実験の結果から、活性炭
を用いる場合には、絶対湿度を2.1〔g/(kg−D
A)〕(26°Cに於ける相対湿度10%程度に相当)
以下に保つことによりNOを吸着できることが判明し
た。
【0040】引き続き、活性炭素繊維34の加熱による
再生について図14を参照して説明する。図中Xは、再
生前の活性炭素繊維34によるNOの吸着性能を示し、
図中Yは、恒温槽にて100°Cで30分加熱してNO
X の脱離を行ったものの吸着性能を、Zは、後述する第
2実施態様のマイクロ波を2分照射して加熱しNOX
脱離を行った活性炭の吸着性能を示している。
【0041】ここでは、相対湿度10%で、3リットル
/分のガスを活性炭素繊維34に通した際の値を示して
いる。再生前の活性炭素繊維34では、曲線Xに示すよ
うに、5ppm のNO濃度を3.7ppm 程度までしか低下
させることができない。これに対して、恒温槽により加
熱を行った活性炭素繊維34では、曲線Yで示すよう
に、6ppm のNO濃度を3ppm 程度まで低減している。
また、マイクロ波で加熱を行った活性炭134は、図中
Zで示すように、恒温槽で加熱して再生を行った曲線Y
に示す値と同程度の吸着性能を示す。
【0042】次に、図3(C)に示すPd触媒36によ
るCOの除去、即ち、COを酸化して無害な低濃度のC
2 にする能力試験の結果について図15を参照して説
明する。図15は、ガスの流量として10リットル/分
を流した際の、Pd触媒36の入側と出側とのCO濃度
を、センサにより測定した結果を示している。ここで、
温度は25°Cで一定に保ち、相対湿度を40%から3
0%まで徐々に下げて行き実験を行った。Pd触媒とし
ては、この実験ではPdをγ−Al2 3 にて担持した
ものを用いた。ここで、0秒、400秒経過時はPd触
媒36の入り側(CO除去前)にセンサを配置し、20
0秒、600秒経過時は、Pd触媒36の出側(CO除
去後)にセンサを移動している。この試験から、Pd触
媒36は、常温において25ppm のCO濃度を10ppm
程度まで低下させ得ることが判明した。
【0043】以上の試験結果から、図1に示す第1、第
2カラム30A、30Bでは、空気中の湿度をシリカゲ
ル32で吸着した後に、活性炭素繊維34に通すことに
よりNOを吸着し、更に、Pd触媒36にてCOを酸化
してCO2 にすることができる。即ち、NOX 及びCO
を含む外気を導入し、NOX 及びCOを除去してから車
内に導入することが可能となる。なお、COは、CO2
として車内に導入されることとなるが、内気循環を行っ
ている車内のCO2 濃度が、図18を参照して上述した
ように5000ppm に達するのに対して、COを酸化し
てCO2 にした濃度は数10ppm 程度であるため、車内
のCO2 濃度を上昇させることはない。
【0044】そして、上述したようにNOX 及びCOの
浄化を続けると、シリカゲル32は湿度の吸収により、
また、活性炭素繊維34はNOX の吸着により性能が低
下する。このため、本実施態様の自動車用空気浄化装置
10では、第1、第2カラム30A、30Bのシリカゲ
ル32及び活性炭素繊維34をヒータ線39に電流を流
すことにより加熱して再生する。この再生動作の際に
は、第3ダンパー23を開き、ブロアー40を逆転する
ことにより、活性炭素繊維34から分離したNOX をエ
ンジン80のエアークリーナ82に圧送し、該エンジン
80の燃焼室にて燃焼、或いは、三元触媒81にて窒素
に還元して無害化して車外に放出する。なお、この再生
動作中は、図1に示す第1ダンパー21、第2ダンパー
22、及び、第7ダンパー27、第8ダンパー28を閉
じて、活性炭素繊維34から分離したNOX を車内外に
漏らさないようにする。
【0045】引き続き、本発明の第1実施態様に係る自
動車用空気浄化装置10の動作について図4乃至図6の
フローチャートを参照して説明する。該自動車用空気浄
化装置10の図示しない制御装置は、起動スイッチ(図
示せず)が運転者によってオンされると(S10がYe
s)、先ず、湿度センサ42によって高湿度が検出され
ているかを判断する(S12)。ここで、湿度が一定以
下の場合には、外気導入が運転者によって設定されてい
るかを判断する(S20)。外気導入が設定されている
ときには(S20がYes)、第2ダンパー22が開か
れているかを判断する(S24)。ここで、以前に車内
の空気の浄化を行うように設定されており、外気の導入
がなされていないときには(S24がNo)、第2ダン
パー22を開き、外気吸気孔12aから外気を取り入れ
る(S25)と共に、第1ダンパー21を閉じて、車内
の空気の自動車用空気浄化装置10への導入を停止する
(S26)。
【0046】そして、NOX センサ44によって所定値
以上のNOX 濃度が検出されたかを判断し(S42)、
所定値以下の場合、即ち、第1カラム30A又は第2カ
ラム30Bのシリカゲル32が吸湿力を維持し、且つ、
活性炭素繊維34がNOの吸着力を保っているときには
(S42がNo)、ブロアー40の正転を行い(S4
4)、第1カラム30A又は第2カラム30Bに外気を
送り込み、NOX 及びCOを浄化して車内に導く。
【0047】ここで、上述した外気導入が設定されてい
るかのステップ20の判断において、車内の空気の浄化
が指示されている場合、例えば、乗員のいずれかが喫煙
した空気を浄化するよう設定されている時等は(S20
がNo)、第1ダンパー21が開かれているかを判断す
る(S21)。ここで、以前に外気を導入するように設
定されていたときには(S21がNo)、第1ダンパー
21を開き、内気吸気孔11aから車内の空気を取り入
れる(S22)と共に、第2ダンパー22を閉じて、外
気の導入を停止する(S23)。
【0048】一方、現在降雨中で湿度が非常に高い場合
には、湿度センサ42によって高湿度が検出され、上述
したステップ12の判断がYesとなる。この際にはエ
アーコントロールユニット84を起動して除湿動作を開
始し(S14)、第1ダンパー21及び第2ダンパー2
2を閉じた後(S15)、外気導入が設定されているか
を判断する(S30)。外気導入が設定されているとき
には(S30がYes)、第8ダンパー28を開き、第
7ダンパー27を閉じることにより(S33、S34、
S35)、外気吸気管17から吸入した外気を、エアー
コントロールユニット84のエバポレータ84aで除湿
してから、第1カラム30A又は第2カラム30Bに圧
送し、該第1、第2カラム30A、30Bのシリカゲル
32の吸湿力の低下を防ぐ。
【0049】ここで、上記外気導入が設定されているか
のステップ30の判断において、車内の空気の浄化が指
示されている場合は(S30がNo)、第7ダンパー2
7を開き、第8ダンパー28を閉じることにより(S3
1、S32、S33)、内気吸気管16から吸入した車
内の空気をエバポレータ84aで除湿してから、第1カ
ラム30A又は第2カラム30Bに圧送する。なお、こ
の第1実施態様では、エバポレータ84aとシリカゲル
32とを併用して除湿を行っているが、常にエバポレー
タ84aで湿度を取り去るようにすることで、シリカゲ
ル32を省くよう構成することも可能である。
【0050】ここで、NOX 濃度が所定値以上かのステ
ップ42の判断がNoの場合、即ち、シリカゲル32の
吸湿力が低下したとき、或いは、活性炭素繊維34のN
O吸着力が低下したときは、ステップ50に進み、シリ
カゲル32と活性炭素繊維34との加熱処理を行う。こ
のステップ50の加熱処理について、当該処理のサブル
ーチンを示す図5を参照して説明する。
【0051】まず、エンジン80のエアークリーナ82
に通じる排気管19を開閉する第3ダンパー23を開く
(S51)。引き続き、上述した内気或いは外気導入用
の通孔11a、12a、16、17を開閉する第1、第
2、第6、第7ダンパー21、22、26、27を閉じ
る(S52)。そして、ブロアー40を逆回転して(S
53)、第2カラム30B(ここでは、第2カラム30
Bにて空気浄化が行われ、第4ダンパー24が図中に示
すように第2カラム30Bを開状態にするよう作動して
いるものとする)側からの吸入した空気をエンジン80
側へ圧送する。ここで、図3(A)、図3(B)に示す
ヒータ線39に通電して、シリカゲル32から水分を分
離すると共に活性炭素繊維34からNOX を脱離する
(S54)。この脱離された水蒸気とNOX とは、エン
ジン80側に送られ、NOX は三元触媒81にて窒素に
還元される。この加熱を設定された時間続けると、所定
時間経過かのステップ55の判断がYesとなり、加熱
を停止し(S56)、ブロアー40を停止した後(S5
7)、第3ダンパー23を閉じて(S58)、該加熱処
理を終了する。
【0052】再び図5のフローチャートに戻り、加熱処
理(S50)に続き、カラムの切り換えを行う(S6
0)。このカラム切換処理について当該処理のサブルー
チンを示す図6を参照して説明する。まず、第4ダンパ
ー24が第1カラム30A側を閉じているか判断する
(S61)。ここでは、第1カラム側を閉じているため
(S61がYes)、当該第4ダンパー24にて第2カ
ラム30Bを閉じさせ(S62)、第6ダンパー26を
閉じることにより、加熱処理の済んだ第2カラム30B
を待機状態にし、第5ダンパー25を開き、第1カラム
30Aを使用可能にする(S64)。他方、第1カラム
30Aが加熱された際には、上記ステップ61がNoと
なり、当該第4ダンパー24にて第1カラム30Aを閉
じさせ(S65)、第5ダンパー25を閉じることによ
り第1カラム30Aを待機状態にする(S66)。以上
の処理によりカラム切換処理(図4に示すステップ6
0)を終了する。
【0053】上述した加熱処理により第2カラム30B
が待機状態となると、図4に示すステップ10乃至ステ
ップ42の処理を経て、ブロアー40の回転を開始して
(S44)、第1カラム30Aを用いて空気の浄化を開
始する。
【0054】この第1実施態様では、エアーコントロー
ルユニット84とシリカゲル32とを併用して除湿を行
うため、高湿度中でも絶対湿度を2.1〔g/(kg−D
A)〕以下に保ち、長時間に渡って活性炭素繊維34に
てNOを吸着し得る利点がある。また、第1カラム30
A及び第2カラム30Bを交互に再生して用いるため、
活性炭素繊維34及びシリカゲル32を交換することな
く長期に渡って空気の浄化を続けることができる。更
に、ヒータ線39にてシリカゲル32及び活性炭素繊維
34を加熱する構造としたため、廉価に構成できる利点
がある。
【0055】引き続き、本発明の第2実施態様につい
て、図2(B)、図7乃至9を参照して説明する。な
お、第2実施態様の説明において、第1実施態様と同様
な部材については、同一の参照符合を用いると共に説明
を省略する。図7は、第2実施態様の自動車用空気浄化
装置10の構成を示し、図2(B)は、該自動車用空気
浄化装置10の車両搭載位置を示している。
【0056】上述した第1実施態様では、エアーコント
ロールユニット84と第1、第2カラム内のシリカゲル
32とを用いて除湿を行ったが、この第2実施態様で
は、第1、第2カラム内のゼオライト132のみによっ
て湿度を下げる構成を取っている。このため、図2
(B)に示すようにエアーコントロールユニット84か
らの吸気管18が除かれている。また、第1実施態様で
は、ヒータ線を用いてシリカゲル32及び活性炭素繊維
34の加熱を行ったが、この第2実施態様では、マグネ
トロン46からマイクロ波を照射して加熱を行うように
構成されている。更に、第1実施態様では、カラムの加
熱中は空気の浄化を行い得なかったが、この第2実施態
様では、一方のカラムの加熱中も他方のカラムを用いて
空気を浄化し得るように構成されている。
【0057】第1カラム30Aと第2カラム30Bに
は、マグネトロン46からの電磁波を透過させる誘電体
の容器33が用いられている。該容器33には、水分及
びアンモニアを吸着(脱臭)する粉末状のゼオライト1
32と、NOX 、HC等の内燃機関の有害成分を吸着す
る活性炭134とCOを酸化するPd触媒とが収容され
ている。活性炭134は、上述したようにNOX に対し
て良好な吸着性を示す。また、ゼオライトは、極性分子
であるアンモニアガス及び大気中に含まれる水分に対し
て高い吸着性を有する。なお、アンモニアガスの空気中
における含有量は、NOX 、CO、HCに対して極少量
である。このため、第1カラム30A、第2カラム30
Bにおいて、少量のゼオライトにてアンモニアガスを吸
着させることができる。なお、活性炭134の上流にゼ
オライト132を配置することにより、該ゼオライト1
32にてあらかじめアンモニアガスを吸着させたのち、
残留しているNOX を活性炭にて吸着させる。なお、第
1カラム30A、第2カラム30Bは、マグネトロン4
6から照射されたマイクロ波が漏出するのを防ぐシール
ド板62にてシールドされている。
【0058】図8に図3のB−B断面を示す。マグネト
ロン46からの出力が導波管48を介して第1カラム3
0A或いは第2カラム30Bに照射されるようになって
いる。マグネトロン46からのマイクロ波の第1カラム
30A、第2カラム30Bへの切り換えは、導波管48
に設けられた切り換え装置50によって行われるように
なっている。この切り換え装置50の駆動は、第1〜第
6ダンパー21、22、24、25、26を制御する図
示しない制御装置によって行われる。
【0059】引き続き、第2実施態様の自動車用空気浄
化装置10の動作について、図9のフローチャートを参
照して説明する。ここでは、図7に示すように第2カラ
ム30Bにて空気を浄化中に該第2カラム30Bの性能
が低下し、空気浄化を第1カラム30Aで行うととも
に、第2カラム30Bを再生動作を行う際の動作を例に
挙げて説明する。
【0060】制御装置は、NOX センサ44によって、
第1カラム30A或いは第2カラム30Bにて浄化され
た空気中のNOX 濃度を監視している。ここで、第1カ
ラム30A、第2カラム30Bのゼオライト132或い
は活性炭134が劣化してNO、HC等の吸着性能が低
下し、NOX 濃度が設定された値以上になると(S12
2がYes)、第4ダンパー24にて第1カラム30A
側を閉じているか判断する(S124)。ここでは、第
1カラム30A側を閉じているため(S124がYe
s)、まず、第4ダンパー24にて第2カラム30B側
を閉じて(S126)、該第2カラム30B側への空気
の圧送を停止して再生作動に備える。そして、第5ダン
パー25を開いて(S128)、第1カラム30Aから
空気導出管13を介して浄化した空気の車室内への圧送
を開始する。その後、第6ダンパー26にて空気導出管
13側を閉じて、再生中に発生するNOX の車内への流
入を防ぐ。そして、図8に示す切り換え装置50を切り
換えた後、車載のバッテリ(図示せず)から電力を供給
し、マグネトロン46を発振させ、マイクロ波を第2カ
ラム30Bに2分間照射する(S132)。
【0061】第2カラム30Bでは、マクイロ波によ
り、活性炭134に吸着されたNOXが脱離され、ゼオ
ライト132に吸着した水分及びアンモニアNH3 が脱
離され、排気管19を介してエンジン80に送られ、該
エンジン80の三元触媒81にて無害化されて大気中に
放出される。この加熱動作よって、ゼオライト132及
び活性炭134の活性が回復され、再度の使用が可能と
なる。このマクイロ波による活性炭134の再生につい
ては、図14のグラフを参照されたい。
【0062】なお、第1カラム30Aが劣化した際に
は、上述したステップ124がNoとなり、ステップ1
34、136、138、140にて該第1カラム30A
の再生が図られる。他方、該自動車用空気浄化装置10
の電源がオフされると(S141がYes)、上記制御
装置は制御動作を停止する。この第2実施態様では、マ
イクロ波を用いて加熱を行うため、短時間でゼオライト
132及び活性炭134を加熱できる利点がある。更
に、第2実施態様では、一方のカラムの再生を行いなが
ら他方のカラムでNOの除去を行い得るので、エアーコ
ントロールユニットにより除湿を行わなくとも、空気の
浄化を寸断することなく継続できる。なお、この第2実
施態様では、エンジン80側に発生する負圧によりNO
X 等が吸入される構造を採用しているため、ブロアー4
0による排気ガスの圧送を行っていない。
【0063】引き続き、本発明の第3実施態様につい
て、図2(C)、図10、図11を参照して説明する。
図10は、第3実施態様の自動車用空気浄化装置10の
構成を示し、図2(C)は、該自動車用空気浄化装置1
0の車両への搭載位置を示している。上述した第1、第
2実施態様では、自動車用空気浄化装置10が車両後部
に配置されたが、この第3実施態様では、エンジンルー
ム内に収容されている。また、上記第1、第2実施態様
では、1対の第1、第2カラム30A、30Bが用いら
れていたが、この第3実施態様では、単一のカラム30
のみを用いることで、小型化を図りエンジンルーム内へ
の配置を可能にしている。
【0064】また、この第3実施態様では、カラム30
のシリカゲル32及び活性炭素繊維34の加熱を、エン
ジン80の冷却水をバルブ83の切り換えによりカラム
30に周設されたウォータジャケット92へ供給するこ
とにより行っている。更に、第3実施態様では、自動車
が内気循環にされて外気の導入がなくCO2 の濃度が上
昇した際にのみ、動作するように構成されている。
【0065】この第3実施態様の自動車用空気浄化装置
10の動作について、図11のフローチャートを参照し
て説明する。該自動車用空気浄化装置10は、図示しな
いCO2 センサによって、車内のCO2 濃度を監視して
いる(S72)。ここで、CO2 濃度が所定値、例えば
3000ppm 以上になると(S72がYes)、図示し
ないエアーコントロール装置に内気循環が設定されてい
るかを判断する(S74)。ここで、内気循環が設定さ
れている際(S74がYes)、即ち、乗員の呼吸によ
ってCO2 濃度が上昇しているときには、カラム30が
NOX を吸着し得るかを、NOX センサ44によってN
X 濃度が設定値以下か否かによって判断し(S7
6)、NOX 濃度が設定値以下の際には(S76がN
o)、ブロアー40を正回して(S80)、外気のCO
及びNOX を浄化して車内に導入し、CO2 濃度を下げ
る。この動作を車内のCO2 濃度が上記3000ppm 以
下になるまで継続する(S72がNo)。
【0066】ここで、カラム30の吸着力が低下し、N
X 濃度が設定値以上となると(S78がYes)、カ
ラム30の加熱処理を行う(S78)。ここでは、バル
ブ83を開き、エンジン80の冷却水をカラム30に周
設されたウォータジャケット92に供給し、カラム30
のシリカゲル32及び活性炭素繊維34を加熱する。こ
の第3実施態様では、100°程度まで上昇する冷却水
を用いたが、この代わりに、エンジンの排気ガスを用い
ることにより、更に高い温度にカラム30を加熱するこ
とも可能である。
【0067】この第3実施態様では、活性炭素繊維34
によるNOX の吸着を必要最小限度に止めるため、一枚
の活性炭素繊維34を用いて交換を行うことなく長期間
自動車用空気浄化装置10を動作させることができる。
【0068】以上説明した第1、第2、第3実施態様で
は、COを酸化させるために、活性炭素繊維35にPd
を担持させたPd触媒36を用いたが、COを酸化させ
得る限り、Pd以外の貴金属触媒を使用することも可能
であり、更に、貴金属触媒は、活性炭素繊維35ではな
く、粉砕状活性炭や粒状の活性アルミナ等に担持させる
ことも可能である。また、上述した実施態様では、活性
炭素繊維34をプリーツ状に折り畳んで用いたが、広い
面積の活性炭素繊維34を容器に収容する際に、種々の
畳み方を用いることができる。
【0069】上述した第1、第2、第3実施態様では、
従来の自動車用空気浄化装置では不可能であったNOを
除去して車内に導入することができる。また、NO濃度
の高い地区を走行する際に、内気循環にすると乗員の呼
吸によってCO2 濃度が高まるが、上記実施態様では、
かかる地区を走行する際にも浄化した外気を取り入れる
ことが可能となるため、車内のCO2 濃度の上昇を防ぐ
ことができる。また、湿度を吸着するシリカゲル32、
ゼオライト132、及び、NOを除去する活性炭素繊維
34、活性炭134を加熱して繰り返して使用するた
め、長期間メンテナンスを行うことなく空気の浄化を続
けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施態様に係る自動車用空気浄化
装置の構成図である。
【図2】各実施態様における自動車用空気浄化装置の搭
載位置を示す説明図である。
【図3】図3(A)はシリカゲルを示す斜視図であり、
図3(B)は活性炭素繊維の斜視図であり、図3(C)
はPd触媒の斜視図である。
【図4】第1実施態様の自動車用空気浄化装置の動作を
示すフローチャートである。
【図5】図4に示す加熱処理のフローチャートである。
【図6】図4に示すカラム切換処理のフローチャートで
ある。
【図7】本発明の第2実施態様に係る自動車用空気浄化
装置の構成図である。
【図8】図7に示すカラムのB−B断面図である。
【図9】第2実施態様の自動車用空気浄化装置の動作を
示すフローチャートである。
【図10】本発明の第3実施態様に係る自動車用空気浄
化装置の構成図である。
【図11】第3実施態様の自動車用空気浄化装置の動作
を示すフローチャートである。
【図12】NOX の吸着試験の結果を示すグラフであ
る。
【図13】NOの吸着試験の結果を示すグラフである。
【図14】加熱により再生した活性炭素繊維によるNO
X の吸着試験の結果を示すグラフである。
【図15】COの吸着試験の結果を示すグラフである。
【図16】内気循環にした際の車内のNOX 濃度を測定
した結果を示すグラフである。
【図17】内気循環にした際の車内のCO濃度を測定し
た結果を示すグラフである。
【図18】2名乗車で内気循環にした際の車内のCO2
濃度を測定した結果を示すグラフである。
【図19】4名乗車で内気循環にした際の車内のCO2
濃度を測定した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10 自動車用空気浄化装置 30A 第1カラム 30B 第2カラム 32 シリカゲル 34 活性炭素繊維 36 Pd触媒 40 ブロアー 46 マグネトロン 80 エンジン 81 三元触媒 84 エアーコントロールユニット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NOを含む空気の湿度を低下させ、 活性炭素繊維から主として成る吸着部材に前記湿度を低
    下させた空気を接触させ、NOを吸着させてから車内に
    導入し、 加熱により前記NOを前記吸着部材から脱離して、車外
    に放出し、 前記NOを脱離した前記吸着部材にNOを含む空気を接
    触させて、NOを再び吸着させることを特徴とする自動
    車用空気浄化方法。
  2. 【請求項2】 車外の湿度及びNOを含む空気を除湿剤
    と接触させて湿度を低下させ、 活性炭素繊維から主として成る吸着部材に前記湿度を低
    下させた空気を接触させNOを吸着させてから車内に導
    入し、 加熱により水分を前記除湿剤から脱離し、 加熱により前記NOを前記吸着部材から脱離して、車外
    に放出し、 前記水分を脱離した前記除湿剤を、車外の湿度及びNO
    を含む空気と接触させて湿度を再び吸着させ、 前記NOを脱離した前記吸着部材を、NOを含む空気と
    接触させてNOを再び吸着させることを特徴とする自動
    車用空気浄化方法。
  3. 【請求項3】 除湿剤と、活性炭から主として成るNO
    の吸着部材と、を収容する容器と、 前記容器へ湿度及びNOを含む車外の空気を送り込み、
    該除湿剤に湿度を吸収させた後、該活性炭にNOを吸着
    させた空気を車内に導入する送風手段と、 前記NOの吸着を行った前記吸着部材と除湿を行った除
    湿剤とを加熱し、該吸着部材に吸着されたNOと、除湿
    剤の水分とを脱離する加熱手段と、から成ることを特徴
    とする自動車用空気浄化装置。
  4. 【請求項4】 除湿剤と、活性炭から主として成るNO
    の吸着部材と、酸化還元能を備えた貴金属触媒と、を収
    容する容器と、 前記容器へ湿度・NO・COを含む車外の空気を送り込
    み、該除湿剤に湿度を吸収させた後、該活性炭にNOを
    吸着させ、また、貴金属触媒にてCOをCO2に酸化さ
    せた空気を車内に導入する送風手段と、 前記NOの吸着を行った前記吸着部材と除湿を行った除
    湿剤とを加熱し、該吸着部材に吸着されたNOと、除湿
    剤の水分とを脱離する加熱手段と、から成ることを特徴
    とする自動車用空気浄化装置。
  5. 【請求項5】 前記活性炭が、活性炭素繊維から成るこ
    とを特徴とする請求項3又は4の自動車用空気浄化装
    置。
  6. 【請求項6】 前記加熱手段が、ヒータ線を備えること
    を特徴とする請求項3又は4の自動車用空気浄化装置。
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