JPH09173466A - ガイディングカテーテル - Google Patents

ガイディングカテーテル

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JPH09173466A
JPH09173466A JP7341184A JP34118495A JPH09173466A JP H09173466 A JPH09173466 A JP H09173466A JP 7341184 A JP7341184 A JP 7341184A JP 34118495 A JP34118495 A JP 34118495A JP H09173466 A JPH09173466 A JP H09173466A
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JP
Japan
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catheter
guide wire
tube
balloon
guiding catheter
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Application number
JP7341184A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Uchiyama
勝 内山
Akira Sekido
章 関戸
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガイドワイヤの遠位端を目的部位からずらす
ことなく、しかも、処置用カテーテルとは別個の治具を
ガイディングカテーテル内に挿入することなく、処置用
カテーテルの交換を容易に行うことができるガイディン
グカテーテルおよびその使用方法を提供すること。 【解決手段】 ガイディングカテーテル50の遠位端部
に、ルーメン52内に挿通されたガイドワイヤ42の軸
方向移動を必要に応じて制限する固定用バルーン膜84
が装着してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガイドワイヤが挿
通され、このガイドワイヤに沿って、たとえば体腔拡張
用カテーテルなどの処置用カテーテルが挿通されるルー
メンを有するガイディングカテーテルおよびその使用方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば経皮冠動脈形成術(PTCA)
では、血管内の狭窄部を治療するために、血管内に挿入
し、バルーン部を膨らますことにより狭窄部を拡張し、
狭窄部末梢側における血流の改善を図るために、バルー
ンカテーテルが使用されている。このタイプのバルーン
カテーテルは、細径であるために、近位端の押す力が座
屈や曲折により遠位端に伝わらない。
【0003】そこで一般にPTCAの手技では、ガイド
ワイヤーを体腔拡張用カテーテル(PTCAバルーンカ
テーテルなど)に通す。このとき、ガイドワイヤーは体
腔拡張用カテーテルの先端(遠位端)より飛び出さない
ぎりぎりの位置におく。次にこのガイドワイヤーを通し
た体腔拡張用カテーテルをガイディングカテーテルに通
し、このときも体腔拡張用カテーテルがガイディングカ
テーテルの遠位端より飛び出さない位置にしておく。そ
して、この3者が一体となったガイディングカテーテル
をシースイントロデューサー等を介して、冠動脈の入口
まで運ぶ。
【0004】このときは、ガイドワイヤーに沿わせて運
ぶのではなく、ガイディングカテーテルのプッシャビリ
ティーと先端の曲がりを利用して、冠動脈の入口にまで
運ぶことになる。そして次に冠動脈の入腔部にガイディ
ングカテーテルの先端にある、ソフトチップを押し込
み、ガイディングカテーテルが動かない様に固定する。
そして、ガイドワイヤーのみを操作して、目的の狭窄部
まで進めて、狭窄を通過させる。そして、最後にこのガ
イドワイヤーに沿わせて体腔拡張用カテーテルを狭窄部
に持っていき、狭窄を除去することになる。
【0005】バルーンカテーテルの挿入前に、ガイドワ
イヤを挿入するのは、いきなりバルーンカテーテルを狭
窄部内に挿入させることが困難であり、まずガイドワイ
ヤの遠位端を狭窄部に通過させ、それに沿ってバルーン
カテーテルを挿入することが容易であるからである。
【0006】また、バルーンカテーテルの挿入に際し
て、ガイディングカテーテルを用いるのは、ガイディン
グカテーテルの先端部を冠動脈入口に位置させ、そこか
らバルーンカテーテルを冠動脈内に侵入させ、狭窄部へ
のバルーンカテーテルの挿入時の反力を受けるためであ
る。そのため、ガイディングカテーテルは、大動脈の血
管形状に合わせて、少なくとも一箇所の屈曲部を有する
ものがほとんどである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このガイドワイヤが挿
通されたガイディングカテーテルを通して挿入されるバ
ルーンカテーテルなどの処置用カテーテルが単一である
場合には問題はない。ところが、単一のカテーテルのみ
でなく、複数のカテーテルを交換してガイディングカテ
ーテル内に通し、治療や何らかの処置を行いたい場合が
ある。たとえばバルーンのサイズが異なるバルーンカテ
ーテルを交換して挿入したい場合や、バルーンカテーテ
ル以外のその他のカテーテルを挿入したい場合がある。
その場合に、ガイディングカテーテルから最初のカテー
テルを引き抜き、別のカテーテルをガイディングカテー
テルに挿入する必要がある。
【0008】ところが、既に挿入してあるカテーテルを
ガイディングカテーテルから引き抜く際に、ガイドワイ
ヤーの近位端はカテーテルの中にかくれてしまい、ガイ
ドワイヤーを固定しておく手段がなくなる。そのため、
カテーテルと共に、ガイドワイヤも引きずられ、ガイド
ワイヤの遠位端が狭窄部あるいはその他の目的部位から
ずれてしまうという問題がある。これを防止するため
に、カテーテルの二倍以上も長いガイドワイヤを用いる
方法がある。この方法では、ガイドワイヤの近位端をガ
イディングカテーテルの近位端から長く突出させてお
き、カテーテルの引き抜き時に、ガイドワイヤの近位端
がカテーテルで隠れて抑えられないことを防止する。
【0009】しかしながら、この方法では、ガイドワイ
ヤが長すぎて操作性に難点があり、またガイドワイヤの
近位端が無菌ではない領域まで飛び出すおそれがあり、
ガイドワイヤが無菌でなくなるおそれがある。また、ガ
イドワイヤの近位端は固定されるが、目的部位に近い遠
位端の近くは固定されないので、やはりガイドワイヤの
遠位端が目的部位からズレ易いという課題を残してい
る。
【0010】また、カテーテルの交換時にのみ、通常長
さのガイドワイヤの近位端に延長用ガイドワイヤを繋ぐ
方法や、交換時にのみ長いガイドワイヤに交換する方法
もあるが、これらの方法は、前記方法と同様な課題を有
している。さらに、ガイディングカテーテルの中に処置
用カテーテルとは別個の固定用バルーンカテーテルを挿
入し、処置用カテーテルの引き抜き時に固定用バルーン
カテーテルのバルーンを膨らませ、ガイドワイヤの遠位
端をガイディングカテーテルのルーメン内に固定する方
法や、バルーン以外の専用治具により固定する方法も提
案されている。
【0011】しかしながら、これらの方法では、処置用
カテーテル以外とは別個に固定用カテーテルなどの治具
をガイディングカテーテル内に挿入する必要があり、ガ
イディングカテーテルのルーメンに余裕がなくなり、処
置用カテーテルを挿入し難くなるという課題を有してい
る。また、同様な理由で処置用カテーテルの引き抜きも
困難になる。さらにガイディングカテーテル内に二本の
バルーンカテーテルを同時に挿入するような治療手法を
行うことができないなどの制約が生じる。
【0012】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、ガイドワイヤの遠位端を目的部位からずらすことな
く、しかも、処置用カテーテルとは別個の治具をガイデ
ィングカテーテル内に挿入することなく、処置用カテー
テルの交換を容易に行うことができるガイディングカテ
ーテルおよびその使用方法を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るガイディングカテーテルは、ガイディ
ングカテーテルの遠位端部に、ルーメン内に挿通された
ガイドワイヤの軸方向移動を必要に応じて制限する固定
手段が装着してあることを特徴とする。
【0014】さらに具体的には、本発明に係るガイディ
ングカテーテルは、遠位端から近位端までを連通するル
ーメンを有するチューブと、前記チューブの近位端に固
設される把持部と、前記チューブ遠位端部には、前記ル
ーメン内に挿通されたガイドワイヤの軸方向移動を必要
に応じて制限する固定手段とを有し、前記チューブの遠
位端部は屈曲しており、かつ近位端部に比較して柔らか
いガイディングカテーテルである。
【0015】本発明に係るガイディングカテーテルの使
用方法は、処置用カテーテルのためのガイドワイヤを、
ガイディングカテーテルのルーメン内に挿通し、ワイヤ
の遠位端をガイディングカテーテルの遠位端から突出さ
せ、このガイドワイヤが処置用カテーテルのルーメンを
挿通するようにして、ガイドワイヤに沿って処置用カテ
ーテルをガイディングカテーテルのルーメン内に押し込
み、処置用カテーテルの遠位端をガイディングカテーテ
ルの遠位端から突出させた後、前記処置用カテーテルの
遠位端を、前記ガイディングカテーテルの遠位端部に設
けられた固定手段よりも近位端側に引き込み、その後、
前記固定手段で、前記ガイドワイヤの軸方向移動を制限
し、その状態で、前記処置用カテーテルをガイディング
カテーテルから抜き出すことを特徴とする。
【0016】なお、本発明において、固定手段が装着さ
れるガイディングカテーテルの遠位端部とは、厳密な意
味での遠位端のみでなく、その遠位端近傍も含む意味で
用いる。たとえば固定手段は、ガイディングカテーテル
の最遠位端から0〜80mmの範囲内のいずれかの位置に
装着してあれば良い。
【0017】本発明において、固定手段は、ガイディン
グカテーテルを構成するチューブのルーメン側あるいは
チューブ内あるいは外周面側に装着してある。この固定
手段としては、ガイドワイヤの軸方向移動を一時的に制
限する手段であれば特に限定されないが、たとえばチュ
ーブのルーメン側内周面に一体的に形成されたバルーン
膜を例示することができる。このバルーン膜は、通常使
用時には、ガイディングカテーテルを構成するチューブ
のルーメン内周面と略面一に成形され、ガイディングカ
テーテルの近位端側把持部からの操作により、内側に膨
らみ、ガイドワイヤの外周に圧接し、ガイドワイヤの軸
移動を制限する。
【0018】その他の固定手段としては、電磁石を例示
することができる。すなわち、ガイディングカテーテル
を構成するチューブの管壁に電磁石を埋め込み、ガイデ
ィングカテーテルの近位端部側把持部から操作すること
により電磁石を適宜駆動し、磁性体(ステンレス、鉄)
で構成されたガイドワイヤを磁力により吸着し、ガイド
ワイヤの軸方向移動を制限するのである。
【0019】あるいは、固定手段が取り付けられる部位
のガイディングカテーテルのチューブを内側チューブと
外側チューブとで構成し、内側チューブを柔軟性材質で
構成し、内側チューブと外側チューブとの間に一対の電
磁石を装着しても良い。これら電磁石の駆動は、ガイデ
ィングカテーテルの近位端側把持部で操作可能とする。
一対の電磁石が駆動すると、これらが磁力で吸着しあ
い、内側チューブが内側に潰れ、ガイドワイヤの外周に
圧接する。その結果、ガイドワイヤの軸方向移動が制限
される。
【0020】さらにその他の固定手段としては、スネア
を構成する縮径自在なリングを先端に有するワイヤ状部
材がある。このワイヤ状部材のリングを、固定手段が取
り付けられるガイディングカテーテルを構成する内側チ
ューブと外側チューブとの間に装着し、把持部側からワ
イヤ状部材を操作することにより、リングを縮径させ、
内側チューブの内径を縮径し、ガイドワイヤの外周に圧
接させる。その結果、ガイドワイヤの軸方向移動が制限
される。
【0021】本発明において、ガイディングカテーテル
を構成するチューブの遠位端部は屈曲しており、かつ近
位端部に比較して柔らかい。屈曲の形状は、特に限定さ
れず、ガイディングカテーテルが挿入される体腔の形状
に合わせて決定され、たとえばジャッドキンス型、アン
プラッツ型等のJ字形、ピッグテール形、ホッケーステ
ック形等のL字形状などを採用することができる。
【0022】ガイディングカテーテルの遠位端部を柔ら
かくするための手段としては、特に限定されず、たとえ
ばワイヤブレードチューブの遠位端に軟質樹脂からなる
リング状チップを接着または融着または射出成形などで
取り付ければ良い。本発明において、ガイディングカテ
ーテルの近位端部には、把持部を装着することが好まし
いが、この把持部には、手で持ち易くするために外径を
太くしたり、翼状の突起を設けたりしても良い。また、
この把持部には、ガイディングカテーテルのルーメンと
連通する内腔があり、この内腔の近位端には、分岐管や
注射筒(シリンジ)などを接続できるようになっている
ことが好ましい。
【0023】本発明に係るガイディングカテーテルを用
いて、処置用カテーテルの交換作業を行うには、次のよ
うにして行う。まず、処置用カテーテルのためのガイド
ワイヤを、ガイディングカテーテルのルーメン内に挿通
し、ワイヤの遠位端をガイディングカテーテルの遠位端
から突出させ、ワイヤの先端を狭窄部などの目的部位に
挿通させる。次に、このガイドワイヤが処置用カテーテ
ルのルーメンを挿通するようにして、ガイドワイヤに沿
って処置用カテーテルをガイディングカテーテルのルー
メン遠位端から突出させる。その後、ガイドワイヤに沿
ってカテーテルの先端を目的部位に挿通させる。
【0024】そして、その処置用カテーテルを用いて何
らかの処置を行った後、この処置用カテーテルの遠位端
を、ガイディングカテーテルの遠位端部に設けられた固
定手段よりも近位端側に引き込む。その状態で、処置用
カテーテルの引き抜きを一時停止し、その後、固定手段
で、ガイドワイヤの軸方向移動を制限する。その状態
で、処置用カテーテルをガイディングカテーテルから抜
き出す。その後、固定手段による固定を解除し、別の処
置用カテーテルを、ガイディングカテーテルのルーメン
内に通し、ガイドワイヤに沿ってカテーテルの先端を目
的部位に案内する。このようにして処置用カテーテルの
交換が終了する。
【0025】本発明に係るガイディングカテーテルで
は、その遠位端部に、ルーメン内に挿通されたガイドワ
イヤの軸方向移動を必要に応じて制限する固定手段が装
着してある。処置用カテーテルの交換の際に、ガイディ
ングカテーテルのルーメン内に挿通してある処置用カテ
ーテルの引き抜きは、固定手段によりガイドワイヤの遠
位端近傍がガイディングカテーテルに固定された状態で
行われる。したがって、本発明では、ガイドワイヤの遠
位端が目的部位からずれることなく、カテーテルの交換
を容易に行うことができる。
【0026】しかも本発明では、処置用カテーテルとは
別個の治具をガイディングカテーテル内に挿入すること
がないので、ガイディングカテーテルのルーメンに余裕
があり、ガイディングカテーテルのルーメン内部へのカ
テーテルの挿入または引き抜き時の操作も容易である。
さらに、ガイディングカテーテルのルーメンに余裕があ
るので、二以上のカテーテルをガイディングカテーテル
内に同時に挿入する手法も可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るガイディング
カテーテルを、図面に示す実施形態に基づき、詳細に説
明する。第1実施形態 図1に示す本実施例に係るガイディングカテーテル50
は、たとえば図6に示すPTCA用バルーンカテーテル
2を、冠動脈内に形成された狭窄部へ挿入させるように
案内するための器具である。図1に示すように、ガイデ
ィングカテーテル50は、チューブ51で構成され、そ
の内部には、ガイドワイヤ42およびバルーンカテーテ
ル2が挿通されるルーメン52を有する。
【0028】本実施例のガイディングカテーテル50を
詳細に説明する前に、まず図6に示すバルーンカテーテ
ル2について説明する。図6に示すように、本実施形態
の体腔拡張用バルーンカテーテル2は、バルーン部4
と、カテーテル管6と、分岐部8と、内管10とを有す
る。カテーテル管6の先端部には、バルーン部4の末端
部5が接続してあり、カテーテル管6の末端部には、分
岐部8が接続してある。
【0029】このバルーン部4の先端部7は、内管10
の先端部外周に接続してある。バルーン部4と内管10
との接続およびバルーン部4とカテーテル管6との接続
は、熱融着または接着などの接合手段で行われる。内管
10の内部には、ガイドワイヤなどを挿通するための第
2ルーメン12が形成してある。内管10は、バルーン
部4、カテーテル管6および分岐部8の内部を略同軸状
態で軸方向に延びている。カテーテル管6の内部では、
カテーテル管6と内管10との間に、第1ルーメンが形
成してある。第1ルーメン14には、分岐部8に形成し
てある膨張ポート16が連通し、そこから圧力流体が導
入され、折り畳まれたバルーン部4を膨らますようにな
っている。
【0030】膨張ポート16を通して第1ルーメン14
内に導入される圧力流体としては、特に限定されない
が、たとえば放射線不透過性媒体と生理食塩水との50
/50混合溶液などが用いられる。放射線不透過性媒体
を含ませるのは、バルーンカテーテル2の使用時に、放
射線を用いてバルーン部4およびカテーテル管6の位置
を造影するためである。バルーン部4を膨らますための
圧力流体の圧力は、特に限定されないが、絶対圧で3〜
12気圧、好ましくは、4〜8気圧程度である。
【0031】分岐部8には、膨張ポート16とは別個
に、内管10の軸心に沿ってガイドポート18が形成し
てある。このガイドポート18が、内管10内に形成し
てある第2ルーメン12内に連通するように、内管10
の基端部側開口端が分岐部8に接続してある。カテーテ
ル管6と分岐部8との接続および内管10と分岐部8と
の接続は、熱融着または接着などの手段により行われ
る。
【0032】バルーン部4は、両端部が縮経された筒状
の膜体で構成され、その膜厚は、特に限定されないが、
50〜200μm、好ましくは百数十μm程度が好まし
い。バルーン部4は、筒状であれば、特に限定されず、
円筒または多角筒形状でも良い。また、膨張時のバルー
ン部4の外径は、血管の内径などの因子によって決定さ
れ、1.5〜4mm程度が好ましい。このバルーン部4の
軸方向長さは、血管内狭窄部の大きさなどの因子によっ
て決定され、特に限定されないが、15〜50mm、好ま
しくは20〜40mmである。膨張する前のバルーン部4
は、内管10の周囲に折り畳まれて巻き付けられ、カテ
ーテル管6の外径と同等以下になっている。
【0033】バルーン部4を構成する材質は、ある程度
の可撓性を有する材質であることが好ましく、たとえば
ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロ
ピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル(PVC)、架橋型
エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリア
ミドエラストマー、ポリイミドエラストマー、シリコー
ンゴム、ウレタンゴムなどが使用でき、好ましくは、ポ
リエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド
である。
【0034】カテーテル管6は、たとえばバルーン部4
と同様な材質で構成され、好ましくは、ポリアミド、ポ
リエチレン、ポリイミドで構成される。カテーテル管6
の外径は、軸方向に均一でも良いが、バルーン部4側近
傍で小さく、その他の部分で大きくなるように、途中に
段部またはテーパ部を形成しても良い。第1ルーメン1
4の流路断面を大きくすることにより、バルーン部4を
収縮させる時間を短縮するためである。バルーン部4
は、約1分程度膨張した後、すぐに収縮させることが必
要だからである。血流を確保するためである。
【0035】カテーテル管6の外径は、バルーン部4と
の接続部近傍では、0.8〜1mm程度が好ましく、分岐
部8側では、1〜1.2mm程度が好ましい。カテーテル
管6の肉厚は、0.05〜0.15mm程度が好ましい。
内管10は、たとえばカテーテル管6と同様な材質で構
成され、好ましくはポリエチレン、ポリアミド、ポリイ
ミドで構成される。この内管10の内径は、ガイドワイ
ヤを挿通できる径であれば特に限定されず、たとえば
0.15〜1mm、好ましくは0.25〜0.6mmであ
る。この内管10の肉厚は、0.05〜0.25mm、好
ましくは0.05〜0.15mmである。内管10の全長
は、血管内に挿入されるバルーンカテーテル2の軸方向
長さなどに応じて決定され、特に限定されないが、たと
えば120〜150mm、好ましくは130〜135mm程
度である。バルーン部4の先端部7から突き出た内管1
0の先端部には、開口端20が形成してある。この開口
端20からガイドワイヤを内管10の第2ルーメン12
内に差し込むことが可能になっている。
【0036】バルーン部4内に位置する内管10の周囲
には、一箇所または複数箇所に放射線不透過性マーカー
を装着することもできる。このマーカーとしては、たと
えば金、白金、タングステン、イリジウムあるいはこれ
らの合金などで構成される金属チューブ、金属スプリン
グなどを用いることができる。このマーカーをバルーン
部内の内管10の周囲に付けることで、バルーンカテー
テル2の使用時のX線透視化で、バルーン部4の位置を
検出することができる。
【0037】分岐部8は、たとえばポリカーボネート、
ポリアミド、ポリサルホン、ポリアクリレート、メタク
リレート−ブチレン−スチレン共重合体などの熱可塑性
樹脂で好適に成形される。次に、このようなバルーンカ
テーテル2を血管内に挿入する際に案内するためのガイ
ディングカテーテル50について詳細に説明する。
【0038】図1に示すように、本実施形態のガイディ
ングカテーテル50は、内部にルーメン52(図3参
照)を有する好ましくは円筒状(多角筒状でも可)のチ
ューブ51で構成してある。このカテーテル50の近位
端には、把持部53が装着してある。把持部53は、患
者の体外側に位置する部分であり、手で持ち易くするた
めに、外径がチューブ51に比べて太くしてあり、図2
に示すように、翼状の突起54が形成してある。また、
この把持部53には、チューブ51のルーメン52と連
通する内腔56が形成してあり、この内腔56の近位端
には、図1に示す分岐管70や注射筒(シリンジ)など
を接続できるようになっている。分岐管70には、バル
ーンカテーテルの挿入ポート72と、造影剤の注入ポー
ト74とが形成してある。
【0039】本実施形態では、図3,4に示すように、
ガイディングカテーテル50を構成するチューブ51
は、内側チューブ78と外側チューブ76とを積層して
構成される。たとえば外側チューブ76は、たとえばポ
リウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、
ポリプロピレン、塩化ビニール、好ましくはポリウレタ
ン、ポリアミド、ポリエチレンで構成してある。この外
側チューブ76のショア硬度はD25〜D72であるこ
と、曲げ弾性率は600〜5000kgf/cm2 であ
ることが好ましい。この硬度範囲に設定することで、所
定の形状保持特性と弾力性とを有する。また、この外側
チューブ76は、ワイヤブレードなどで補強されたチュ
ーブで構成しても良い。内側チューブ78は、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE),テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP),
テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体(PFA),ポリクロロトリフルオロ
エチレン(PCTFE),ポリフッ化ビニリデン(PV
DF),エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
(ETFE),エチレン−クロロトリフルオロエチレン
共重合体(ECTFE)などのフッ素樹脂により好適に
形成される。その中で、特にPTFEまたはPFAが好
ましい。内側チューブ78のショア硬度は、好ましくは
D50〜D80、曲げ弾性率は、好ましくは3500〜
16000kgf/cm2 である。
【0040】内側チューブ78と外側チューブ76との
二層チューブで構成されるチューブ51は、たとえば押
し出し成形、あるいは一方のチューブの内周または外周
にディピング(浸漬)法により他のチューブ層を形成す
ることにより成形される。なお、PTFEをチューブ材
として用いる場合には、焼結法を用いる。また、内側チ
ューブ78の上にブレード材(補強材)により補強部材
を付与しても良い。補強材としては、たとえば金属(主
にSUS)線を用い、その外径は30〜70μmであ
る。この素線を内側チューブの上に編組する。編組に際
してのピッチは、2〜7mmが一般的である。補強に
は、この他に、繊維を使用したりもする。さらにこの補
強を付与した内側チューブの外周に、押し出し成形やデ
ッピングなどにより外側チューブ層を成形することにな
る。それらの成形に際しては、これらのチューブ76,
78の間に、流路82(図4参照)が形成されるように
工夫する。この流路82は、その遠位端側が、リング状
空隙80に連通し、その近位端側が、図1に示す把持部
53のポート55に連通している。
【0041】図3,4に示すリング状空隙80は、後述
するチップチューブ81とチューブ51との接合部であ
って、外側チューブ76と内側チューブ78との間に形
成される。この空隙80の軸方向長さl2 は、特に限定
されないが、1〜20mm程度が好ましい。この空隙80
が形成される部分に対応する内側チューブ78が、固定
手段としての固定用バルーン膜84となる。内側チュー
ブ78と外側チューブ76とは、この空隙以外の部分で
は一体に接合してある。
【0042】図1に示す把持部53に形成されたポート
55は、図3,4に示す流路82を通して、空隙80に
流体(気体または液体)を送り込み、図5に示すように
バルーン膜84を内側に膨らませて、バルーン膜84を
ガイドワイヤ42の外周に圧接させるためのものであ
る。このポート55には、形状復元力のある袋状弾性膜
を接続し、この弾性膜を押しつぶすことにより、手動で
バルーン膜84を適宜膨らませるように構成しても良
い。または、このポート55に電磁弁などを介して圧力
タンクなどの圧力導入・導出手段に接続し、機械的また
は電気的な操作により所定圧力の流体をポート55に導
入または導出しても良い。
【0043】ガイディングカテーテル50を構成するチ
ューブ51の外径は、患者の血管内に挿入されることを
考慮して決定され、たとえば1.5〜4.0mm、好まし
くは1.8〜2.8mmである。また、その内径(ルーメ
ン52の内径)は、図6に示すバルーンカテーテル2
(ただし、バルーン部4は内管10の周囲に折り畳まれ
ている)が挿通されるように決定され、たとえば1.8
〜3.5mm、好ましくは1.5〜2.5mmである。外側
チューブ76の肉厚をt1 とし、内側チューブ78の肉
厚をt2 とした場合には、t1 /t2 は、1〜25%が
好ましい。
【0044】チューブ51の全長は、少なくとも患者の
血管の挿入口から治療部位近傍(心臓の冠動脈入口)ま
での長さが必要であり、具体的には、300〜1200
mm、好ましくは800〜1100mmである。本実施形態
では、図3,4に示すように、ガイディングカテーテル
50の先端部には、外側チューブ76よりも柔らかい材
質のチップチューブ81が、接着、熱融着、射出成形あ
るいは一体成形などの手段で装着してある。本実施形態
では、このチップチューブ81は、チューブ51の近位
端で、外側チューブ76と内側チューブ78との間にリ
ング状空隙80が形成され、この空隙80が密封される
ように、これらチューブ76,78の遠位端相互に接合
される。
【0045】本実施形態では、チップチューブ81の外
径および内径は、チューブ51と略同等である。チップ
チューブ81の長さl1 は、特に限定されないが、たと
えば1.5〜10mmである。また、チップチューブ81
の材質は、外側チューブ76よりも柔らかい材質であれ
ば特に限定されないが、たとえばポリウレタン、ポリア
ミド、ポリアミドエラストマー、ポリイミド、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、塩化ビニール、好ましくはポリ
ウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリエチレン、フ
ッ素ゴムである。チップチューブ81のショア硬度は、
好ましくはD20〜D70、さらに好ましくはD30〜
D55である。
【0046】このようなチップチューブ81を取り付け
ることで、ガイディングカテーテル50を血管内に挿入
する際に、血管内腔または血管分岐部を痛めるおそれが
少なくなる。なお、本発明では、必ずしもチップチュー
ブ81を設ける必要はない。図1に示すように、本実施
例では、ガイディングカテーテル50の先端部に、一箇
所以上の屈曲部58,60が形成してある。これら屈曲
部58,60は、たとえば直管状のチューブ51を成形
した後に、熱などを加えつつ変形させることにより形成
される。これら屈曲部58,60は、チューブ51の成
形時に同時に形成することもできる。
【0047】これら屈曲部58,60が形成される位置
は、図7に示すように、心臓近くの動脈血管34の形状
などに合わせて決定される。次に、本実施形態のガイデ
ィングカテーテル50と図6に示す拡張用バルーンカテ
ーテル2を用いて、PTCAを行う方法について説明す
る。
【0048】まず、図6に示すバルーンカテーテル2内
の空気をできる限り除去する。そこで、分岐部8のガイ
ドポート18から内管10内の第2ルーメン12に生理
食塩水などの液体を入れ、第2ルーメン12内の空気を
置換する。また、分岐部8の膨張ポートには、シリンジ
などの吸引・注入手段を取り付け、シリンジ内に血液造
影剤(たとえば硫酸バリウム含有)などの液体を入れ、
吸引および注入を繰り返し、第1ルーメン14およびバ
ルーン部4内の空気を液体と置換する。バルーン部4は
折り畳まれた状態になる。
【0049】次に、ガイドワイヤー42をカテーテル2
に通す。このとき、ガイドワイヤー42はカテーテル2
の先端(遠位端)より飛び出さないぎりぎりの位置にお
く。次にこのガイドワイヤー42を通したカテーテル2
をガイディングカテーテル50に通し、このときもカテ
ーテル2がガイディングカテーテル50の遠位端より飛
び出さない位置にしておく。そして、この3者が一体と
なったガイディングカテーテル50をシースイントロデ
ューサー等を介して、図7,8に示すように、冠動脈の
入口まで運ぶ。
【0050】このときは、ガイドワイヤー42に沿わせ
て運ぶのではなく、ガイディングカテーテル50のプッ
シャビリティーと先端の曲がりを利用して、冠動脈の入
口にまで運ぶことになる。そして次に冠動脈の入腔部
に、ガイディングカテーテル50の先端にある、ソフト
チップ81を押し込み、ガイディングカテーテル50が
動かない様に固定する。そして、ガイドワイヤー42の
みを操作して、目的の狭窄部36まで進めて、狭窄を通
過させる。その状態を図7に示す。
【0051】その後、図9(A)〜(B)に示すよう
に、バルーンカテーテル2の最遠位端に形成された内管
10の開口端20をガイドワイヤ42に沿って、狭窄部
36間に差し込む。次に、図9(C)に示すように、バ
ルーン部4の位置をX線などで観察しながら、狭窄部3
6の中央部にバルーン部4を正確に位置させる。その位
置でバルーン部4を膨らますことにより、血管32の狭
窄部36を広げ、良好な治療を行うことができる。な
お、バルーン部4を膨らますには、図6に示す膨張ポー
ト16から第1ルーメン14を通して、バルーン部4内
に造影剤などの液体を注入することにより行う。
【0052】この膨張時間は、特に限定されないが、た
とえば約1分間程度である。その後、迅速にバルーン部
4から液体を抜いてバルーン部を収縮させ、拡張された
狭窄部36の血流を確保する。バルーン部4の膨張は、
通常は、同一狭窄部36に対して一回であるが、狭窄部
36の条件によっては、複数回でも良い。
【0053】次に、その使用後のバルーンカテーテル2
をガイディングカテーテル50から抜き出し、別のカテ
ーテルに交換する方法について説明する。まず、使用済
みのカテーテル2の遠位端を、ガイディングカテーテル
50の遠位端部に設けられた図3に示すバルーン膜84
よりも近位端側に引き込む。その状態で、バルーンカテ
ーテルの引き抜きを一時停止し、その後、図1に示すポ
ート55から図3,4に示す流路82を通して空隙80
に流体を送り込み、図5(A),(B)に示すように、
バルーン膜84を内側に膨らまし、ガイドワイヤ42の
外周に圧接させ、ガイドワイヤ42の軸方向移動を制限
する。その状態で、バルーンカテーテル2をガイディン
グカテーテル50から抜き出す。その後、バルーン膜8
4の空隙80に作用する流体圧を解除し、別の処置用カ
テーテルを、前記と同様にして、ガイディングカテーテ
ル50のルーメン52内に通し、図7に示すように、ガ
イドワイヤ42に沿ってカテーテルの先端を目的部位に
案内する。このようにして処置用カテーテルの交換が終
了する。
【0054】本実施形態のガイディングカテーテル50
では、その遠位端部に、ルーメン52内に挿通されたガ
イドワイヤ42の軸方向移動を必要に応じて制限する固
定用バルーン膜84が装着してある。したがって、カテ
ーテルの交換の際に、ガイディングカテーテルのルーメ
ン内に挿通してあるバルーンカテーテル2の引き抜き
は、図5に示すように、固定用バルーン膜84によりガ
イドワイヤ42の遠位端近傍がガイディングカテーテル
50に固定された状態で行われる。したがって、本実施
形態では、ガイドワイヤ42の遠位端が狭窄部36(図
7参照)からずれることなく、カテーテルの交換を容易
に行うことができる。
【0055】しかも本実施形態では、バルーンカテーテ
ル2とは別個の治具をガイディングカテーテル50内に
挿入することがないので、ガイディングカテーテル50
のルーメン52に余裕があり、ガイディングカテーテル
50のルーメン52内部へのバルーンカテーテル2の挿
入または引き抜き時の操作も容易である。さらに、ガイ
ディングカテーテル50のルーメン52に余裕があるの
で、二以上のカテーテルをガイディングカテーテル50
内に同時に挿入する手法も可能である。
【0056】なお、上記第1実施形態の変形例として、
次に示すものが例示される。たとえば、図5(C)に示
すように、カテーテル50を構成するチューブ51の曲
がりに対して上下方向に、一対の固定用バルーン膜84
a,84aを装着し、上下からガイドワイヤ42を押さ
えるようにしても良い。または、図5(D)に示すよう
に、チューブ51の曲がりに対して左右方向に一対の固
定用バルーン膜84b,84bを装着し、左右からガイ
ドワイヤ42を押さえるようにしても良い。
【0057】また、図1に示す把持部53の変形例とし
て、図15(A),(B)に示すものがある。図15
(A)に示す把持部53aでは、図5に示す固定用バル
ーン膜を膨らますためのポート55aに、図16(A)
に示すチューブ51の外周に接合された偏平チューブ8
3aを接続し、この偏平チューブ83a内に流路82
(カテーテルのルーメン52とは別)を形成してある。
また、流路82は、図16(B)に示すように、カテー
テルのチューブ51の外周に細長い膜83bを接合する
ことで、カテーテルのルーメン52とは別に形成しても
良い。
【0058】図16(A),(B)に示す偏平チューブ
83aまたは膜83bは、チューブ51の内側に設けて
も良い。その場合には、図15(B)に示すように、把
持部53bでは、ポート55bを構成する部分が把持部
53bに一体に形成され、このポート55bと流路82
とが連通することになる。
【0059】図17,18は、流路82を形成するため
のその他の変形例を示す。この図17に示す例では、内
側チューブ78の外周に補強用ブレードワイヤー85を
配置し、その外周に配置する外側チューブ76との間を
ルーズにして、これらの間に流路82を形成している。
また、図18に示す例では、補強用ブレードワイヤー8
5と中空細線85aとを内側チューブ78の外側に配置
し、これらを外側チューブ76で覆っている。そして、
中空細線85の内部に流路82を形成している。
【0060】第2実施形態 図10,11に示すように、本実施形態に係るガイディ
ングカテーテル50aでは、チューブ51aの遠位端側
に設けられた固定用バルーン膜84の外周に、一対の電
磁石90,92を装着してある。これら電磁石90,9
2は、可撓性で薄膜状に成形することが好ましく、たと
えばコイル状導電性薄膜で構成される。各電磁石90,
92には、導線94の遠位端が接続してあり、導線94
の近位端が、図1に示す把持部53またはその外部に設
けられた電源にスイッチを介して接続され、スイッチを
入れることにより、相互に引き合う方向の電磁力が作用
するようになっている。なお、導線94は、外側チュー
ブ76の管壁に埋め込んで形成しても良いが、外側チュ
ーブ76と内側チューブ78との間に装着しても良い。
また、外側チューブ76をワイヤーブレード補強チュー
ブで構成する場合には、導線94は、そのワイヤーブレ
ードの軸方向導線を利用して形成することもできる。
【0061】図1に示す把持部53またはその外部に設
けられたスイッチを入れることにより、図11(A)に
示すように、電磁石90,92相互が引合い、固定用バ
ルーン膜84が内側に潰れ、ガイドワイヤ42の外周に
圧接する。その結果、ガイドワイヤ42の軸方向移動が
制限される。スイッチを入れない状態では、図11
(B)に示すように、固定用バルーン膜84は潰れず、
ガイドワイヤ42は軸方向に自由に移動できる。
【0062】その他の構成は、前記第1実施形態と同様
であり、共通する部材には共通する符号を付してある。
本実施形態でも、前記第1実施形態と同様な作用効果を
奏する。第3実施形態 図12に示すように、本実施形態に係るガイディングカ
テーテル50bでは、チューブ51bを構成する外側チ
ューブ76と内側チューブ78との間に空隙を形成する
ことなく、これらチューブ76,78の遠位端部に単一
の電磁石90bを介在させ、導線94bを通して電力を
供給するようにしてある。電磁石90bの構成は、図1
0,11に示す電磁石90,92のいずれか一方と同様
である。導線94bは、図10,11に示す導線94と
同様な構成である。
【0063】本実施形態では、電磁石90bに電力を供
給することにより、磁性体で構成されたガイドワイヤ4
2の遠位端部の一部がルーメン52の内周面に吸着さ
れ、ガイディングカテーテル50bに対するガイドワイ
ヤ42の軸方向移動が制限される。その他の構成は、前
記第2実施形態と同様であり、前記第2実施形態と同様
な作用効果を奏する。ただし、本実施形態では、前述し
た実施形態に比較して単純な構成なので製造が容易であ
る。
【0064】第4実施形態 図13,14に示すように、本実施形態に係るガイディ
ングカテーテル50cでは、固定手段として、スネアを
構成する縮径自在なリング96を先端に有するワイヤ状
部材98を用い、このリング96を固定用バルーン膜の
外周に装着してある。ワイヤ状部材98は、外側チュー
ブ76の管壁内部または外側チューブ76と内側チュー
ブ78との間を軸方向移動自在に、チューブ51cの約
全長にわたって伸び、その近位端は、図1に示す把持部
53またはその外部に設けられた操作用レバーまたはつ
まみなどに接続してある。そのレバーなどを操作するこ
とにより、リング96の内径が縮み、図13に示すよう
に、バルーン膜84が内側に潰れ、バルーン膜84がガ
イドワイヤ42の外周に圧接する。その結果、ガイドワ
イヤ42の軸方向移動が制限される。
【0065】その他の構成は、前記第2実施形態と同様
であり、前記第2実施形態と同様な作用効果を奏する。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるもので
はなく、本発明の範囲内で種々に改変することができ
る。
【0066】例えば、固定手段としては、形状記憶合金
または形状記憶樹脂などを用い、ヒータから熱などを加
えることにより、図10に示すように、バルーン膜84
を内側に潰し、ガイドワイヤ42を遠位端側で固定する
ように構成することもできる。
【0067】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
ガイディングカテーテルによれば、ガイドワイヤの遠位
端が目的部位からずれることなく、カテーテルの交換を
容易に行うことができる。しかも本発明では、処置用カ
テーテルとは別個の治具をガイディングカテーテル内に
挿入することがないので、ガイディングカテーテルのル
ーメンに余裕があり、ガイディングカテーテルのルーメ
ン内部へのカテーテルの挿入または引き抜き時の操作も
容易である。さらに、ガイディングカテーテルのルーメ
ンに余裕があるので、二以上のカテーテルをガイディン
グカテーテル内に同時に挿入する手法も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係るガイディング
カテーテルの全体概略図である。
【図2】図2は図1に示すII−II線に沿う要部断面図で
ある。
【図3】図3は図1に示すガイディングカテーテルの遠
位端側の一部を示す要部断面図である。
【図4】図は4は図3に示すIV−IV線に沿う断面図であ
る。
【図5】図5(A)は図4に示す固定用バルーン膜が内
側に膨張した状態を示す断面図、同図(B)はその概略
断面図、同図(C),(D)はバルーン膜の変形例を示
す概略断面図である。
【図6】図6は処置用カテーテルの一例を示す概略断面
図である。
【図7】図7はガイディングカテーテルの一使用例を示
す概略図である。
【図8】図8はガイディングカテーテルの一使用例を示
す概略図である。
【図9】図9(A)〜(C)はバルーンカテーテルの使
用例を示す概略図である。
【図10】図10は本発明の他の実施形態に係るガイデ
ィングカテーテルの要部断面図である。
【図11】図11(A),(B)は図10に示すXI−XI
線に沿う断面図である。
【図12】図12は本発明のさらにその他の実施形態に
係るガイディングカテーテルの要部断面図である。
【図13】図13は本発明のさらにその他の実施形態に
係るガイディングカテーテルの要部断面図である。
【図14】図14は図13に示すワイヤ状部材の一部斜
視図である。
【図15】図15(A),(B)は把持部の変形例を示
す概略図である。
【図16】図16(A),(B)は固定用バルーン膜を
膨らますための流路を形成するための変形例を示す要部
断面図である。
【図17】図17は固定用バルーン膜を膨らますための
流路を形成するための変形例を示す要部断面図である。
【図18】図18は固定用バルーン膜を膨らますための
流路を形成するための変形例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
2… 体腔拡張用バルーンカテーテル 34… 血管 36… 狭窄部 42… ガイドワイヤ 50,50a,50b,50c… ガイディングカテー
テル 51,51a,51b,51c… チューブ 52… ルーメン 53… 把持部 58,60… 屈曲部 76… 外側チューブ 78… 内側チューブ 80… 空隙 81… チップチューブ 82… 流路 84… 固定用バルーン膜(固定手段) 90,92,90b… 電磁石(固定手段) 94,94b…導線 96… リング(固定手段) 98… ワイヤ状部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガイドワイヤが遠位端から突出するよう
    に挿通されて、このガイドワイヤに沿って、何らかの処
    置を行う処置用カテーテルが案内されることが可能なル
    ーメンを有するガイディングカテーテルであって、 前記ガイディングカテーテルの遠位端部には、前記ルー
    メン内に挿通されたガイドワイヤの軸方向移動を必要に
    応じて制限する固定手段が装着してあるガイディングカ
    テーテル。
  2. 【請求項2】 遠位端から近位端までを連通するルーメ
    ンを有するチューブと、 前記チューブの近位端に固設される把持部と、 前記チューブ遠位端部には、前記ルーメン内に挿通され
    たガイドワイヤの軸方向移動を必要に応じて制限する固
    定手段とを有し、 前記チューブの遠位端部は屈曲しており、かつ近位端部
    に比較して柔らかいガイディングカテーテル。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001526944A (ja) * 1997-12-30 2001-12-25 カーディマ・インコーポレイテッド 屈曲可能なガイド・カテーテル
US8535371B2 (en) 2010-11-15 2013-09-17 Endovascular Development AB Method of positioning a tubular element in a blood vessel of a person
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US9656046B2 (en) 2010-11-15 2017-05-23 Endovascular Development AB Assembly with a guide wire and a fixator for attaching to a blood vessel
CN111228619A (zh) * 2020-03-16 2020-06-05 吉林大学 带囊上吸引的气管插管

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