JPH09169989A - グリース組成物 - Google Patents

グリース組成物

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JPH09169989A
JPH09169989A JP7348520A JP34852095A JPH09169989A JP H09169989 A JPH09169989 A JP H09169989A JP 7348520 A JP7348520 A JP 7348520A JP 34852095 A JP34852095 A JP 34852095A JP H09169989 A JPH09169989 A JP H09169989A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来以上に優れた耐はくり性を備えたグリー
ス組成物を提供する。 【解決手段】 基油と、金属石けん系化合物またはウレ
ア化合物から選択される増ちょう剤と、粒径2μm以下
の無機系化合物充填剤とを含有することを特徴とするグ
リース組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はグリース組成物に関
し、特にオルタネータ、カーエアコン用電磁クラッチ、
中間プーリ、電動ファンモータ、水ポンプ等の自動車電
装部品、エンジン補機等の転がり軸受に好適な耐はくり
性を向上させたグリース組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や各種動力装置の回転運動箇所、
例えばオルタネータ、カーエアコン用電磁クラッチ、中
間プーリ、電動ファンモータ、水ポンプ等の自動車電装
部品やエンジン補機等には、一般に転がり軸受が使用さ
れる。図1は転がり軸受の一種である接触ゴムシール付
密閉深溝玉軸受を示す要部断面図であるが、図示される
ように、外周面に内輪軌道1を有する内輪2と、内周面
に外輪軌道3を有する外輪4とを同心に配置し、内輪軌
道1と外輪軌道3との間に保持器7を会して複数個の転
動体(玉)5を転動自在に設けることで構成される。ま
た、外輪4の両端部内周面には、それぞれ円輪状のシー
ル6の外周縁を係止し、両シール6によってグリース
(図示省略)を封じ込めるとともに、外部からの塵芥の
進入や、軸受内部で発生したダストが外部に漏洩するの
を防止している。
【0003】また、自動車は小型軽量化を目的としたF
F車の普及により、更には居住空間拡大の要望により、
エンジンルーム空間の減少を余儀なくされ、前記に挙げ
たような電装部品、エンジン補機の小型、軽量化がより
いっそう進められている。加えて、前記各部品にも高性
能、高出力化がますます求められている。しかし、小型
化により出力の低下は避けられず、例えばオルタネータ
やカーエアコン用電磁クラッチでは、高速化することに
より出力の低下分を補っており、それに伴って中間プー
リーも同様に高速化することになる。更に、静粛性向上
の要望によりエンジンルームの密閉化が進み、エンジン
ルーム内の高温化が促進されるため、前記各部品には高
温に耐え得ることも必要となっている。
【0004】一方、自動車用転がり軸受に使用されるグ
リースには、従来より軸受潤滑寿命が長いこと、グリー
ス漏れが少ないこと、低温性能に優れること、錆止め性
能に優れること、軸受音響性能に優れること等主として
潤滑性に関する要求がなされてきている。この点に関し
て、例えば特開平3−79698号、特開平5−140
576号および特開平6−17079号各公報には、高
温・高速条件下における軸受潤滑寿命に優れる増ちょう
剤として末端がシクロヘキシル基主体のジウレア化合物
が開示されている。しかし、前述したような高速化や高
性能化に伴い、転がり軸受の軌道面(図1参照;符号
1、3)には高荷重が周期的に加わることとなり、それ
によるはくり防止が新たな重要課題となっている。この
はくり防止効果に関して、前記各公報に開示された末端
がシクロヘキシル基主体のジウレア化合物を増ちょう剤
とするグリース組成物は、何れも早期にはくりを起こ
し、実用には至っていない。これに対して、はくり防止
を目的とした高速転がり軸受用長寿命グリースの開発も
行われており、例えば特開平5−98280号、特開平
5−194979号および特開平5−263091号各
公報には、増ちょう剤として末端が芳香族系炭化水素基
主体のジウレア化合物を用いたグリース組成物が開示さ
れているが、更なる耐はくり性の向上が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
グリース組成物は増ちょう剤を選定することにより耐は
くり性を得ているが、増ちょう剤の選定だけでは自ずと
限界があり、更なる向上には応え得るものではない。本
発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、従来以上
に優れた耐はくり性を備えたグリース組成物を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、はくりが
発生する機構に関して研究を重ねた結果、はくりは軸受
の共振等による負荷の増加と外輪が変形することによっ
て発生する曲げ応力との相乗作用によって起こり、グリ
ースによる軸受はくり寿命の延長は、転動体と軌道面に
十分保持されたグリース膜がダンピング効果を示し、そ
の結果共振時の振動レベルや最大転動体荷重が軽減され
ることによるものと考察した(NSKテクニカルジャー
ナルNo.656,1ページ、’93)。そして、グリ
ース膜のダンピング効果を増大させることで、はくり防
止効果を向上させることができることに着目した。グリ
ース膜の形成能力を大きくし、衝撃荷重に対するダンピ
ング効果を増大させるためには、増ちょう剤が形成する
ゲル構造を強化すればよく、そのための手段として、無
機系化合物充填剤をグリース組成物に配合して前記ゲル
構造を補強する方法が効果的であるとの結論を得た。
【0007】本発明は、このような知見に基づくもので
ある。即ち、上記の目的は、本発明の、基油と、金属石
けん系化合物またはウレア化合物から選択される増ちょ
う剤と、粒径2μm以下の無機系化合物充填剤とを含有
することを特徴とするグリース組成物により達成され
る。
【0008】
〔無機系化合物充填剤〕
(組成)上述の通り、増ちょう剤が形成するゲル構造を
補強する材料となれば良く、特に制約はない。望ましく
は、それ自身増ちょう効果を示す化合物であれば、補強
効果はより大きい。具体的には、SiO2 、Al
2 3 、MgO、TiO2 、PZT等の金属酸化物や、
ベントナイト、スメクタイト、雲母等の(合成)粘土鉱
物、Si3 4 、ZrN、CrN、TiAlN等の金属
窒化物、SiC、TiC、WC等の金属炭化物を挙げる
ことができる。また、これらは基油や増ちょう剤との親
和性を改善するため、表面を親油性に改質したものを用
いても良い。上記に挙げた無機系化合物の中では、それ
自身増ちょう作用を備える金属酸化物や粘土鉱物が好ま
しい。
【0009】(粒子径)転がり軸受用グリース組成物と
して、支障をきたさない程度の粒径である。転がり軸受
では、一般的に粒子径がおよそ2μmを超える粒子は異
物(ゴミ)として作用し、硬い粒子の場合には軸受軌道
や転動体表面の摩耗を促進し、軸受の早期損傷の原因と
なる。また、軸受音響特性を悪くする場合がある。従っ
て、粒子径2μm以下が望ましい。さらに、軸受潤滑寿
命を考慮すれば、用いる粒子径が基油の油膜より小さい
ことが望ましい。一般的に、軸受が使用される条件で形
成される基油の油膜厚さは約0.2μmであるため、よ
り好ましくはこれ以下の粒径が望ましい。また、形状は
球形に近いほど好ましいが、上記の大きさの範囲であれ
ば、多面体(立方体や直方体等)や極端には針状でも構
わない。
【0010】(濃度)本発明のグリース組成物は、密封
転がり軸受に使用されることを考慮すれば、その混和ち
ょう度としてNLGIでNo3からNo1に調整される
ことが望ましく、増ちょう剤量はグリース全量に対して
概ね10〜35wt%が配合される。これに対して無機
系化合物充填剤は、グリース全量に対して0.05〜1
5wt%が望ましい。これより少ないと補強効果が十分
得られないし、これより多いと充填剤の粒子数が増大
し、軸受音響特性や、摩耗が増大して軸受潤滑寿命へ悪
影響を及ぼすことが懸念される。さらに、補強効果をよ
り確かにし、潤滑寿命への悪影響を考慮するなら、0.
1〜10wt%が望ましい。
【0011】〔金属石けん系、ウレア化合物系増ちょう
剤〕ゲル構造を形成し、基油をゲル構造中に保持する能
力があれば、特に制約はない。例えばLi、Na等から
なる金属石けん、Li、Na、Ba、Ca等から選ばれ
る複合化金属石けん等の金属石けん類、ジウレアやポリ
ウレア等のウレア化合物を適宜選択して使用できる。金
属石けんは音響特性は良好であるが、漏洩性を考慮すれ
ば、複合化金属石けんが好ましい。また、特に耐熱性を
必要とする場合には、ウレア化合物が好ましい。増ちょ
う剤はその分子または結晶が鎖状に連なってグリース組
成物中に一様に分散してゲル構造を形成するが、更に無
機系化合物充填剤がこれら増ちょう剤分子や結晶間に入
り込むことで、ゲル構造を強化するものと考えられる。
従って、はくり防止効果を備える増ちょう剤(例えば、
前記特開平5−98280号、特開平5−194979
号および特開平5−263091号各公報の末端が芳香
族系炭化水素基主体のジウレア化合物)を配合したグリ
ース組成物では、はくり防止効果が更に向上し、はくり
防止効果は無いものの、潤滑性に優れた増ちょう剤(例
えば、前記特開平3−79698号、特開平5−140
576号および特開平6−17079号各公報の末端が
シクロヘキシル基主体のジウレア化合物)を配合したグ
リース組成物では、潤滑性に加えてはくり防止効果が付
与される。
【0012】〔基油〕特に限定されず、通常、潤滑油の
基油として使用されている油は全て使用することができ
る。好ましくは、低温流動性不足による起動トルクの増
大や、高温で油膜が形成され難いために起こる焼付きを
割けるために、40℃における動粘度が、好ましくは1
0〜400mm2 /s、特に好ましくは20〜250m
2 /s、さらに好ましくは40〜150mm2 /sで
ある基油が望ましい。この動粘度は、通常ガラス式毛管
式粘度計により測定した際の値を基準とすることができ
る。また、軸受潤滑寿命の延長を計るためには、エステ
ル油、特にポリオールエステル油を基油の10wt%以
上含有させることが望ましい。
【0013】具体例としては、鉱油系、合成油系または
天然油系の潤滑基油などが挙げられる。前記鉱油系潤滑
基油としては、鉱油を減圧蒸留、溶剤脱れき、溶剤抽
出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水
素化精製等を、適宜組み合わせて精製したものを用いる
ことができる。前記合成油系潤滑基油としては、炭化水
素系油、芳香族系油、エステル系油、エーテル系油等が
挙げられる。前記炭化水素系油としては、ノルマルパラ
フィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレ
ン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンとの
コオリゴマーなどのポリ−α−オレフィンまたはこれら
の水素化物などが挙げられる。前記芳香族系油として
は、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン、ポリ
アルキルベンゼンなどのアルキルベンゼン、あるいはモ
ノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリア
ルキルナフタレンなどのアルキルナフタレンなどが挙げ
られる。前記エステル系油としては、ジブチルセバケー
ト、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルア
ジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジ
ペート、ジトリデシルグルタレート、メチル・アセチル
リシノレートなどのジエステル、あるいはトリオクチル
トリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオ
クチルピロメリテートなどの芳香族エステル油、さらに
はトリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロー
ルプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2
−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールベラル
ゴネートなどのポリオールエステル、さらにまた、多価
アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリ
ゴエステルであるコンプレックスエステルなどが挙げら
れる。前記エーテル系油としては、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエー
テルなどのポリグリコール、あるいはモノアルキルトリ
フェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジア
ルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、
テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニル
エーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテルなどのフ
ェニルエーテルなどが挙げられる。その他の合成潤滑基
油としてはトリクレジルフォスフェート、シリコーン
油、パーフルオロアルキルエーテル油などが挙げられ
る。これらの基油は、単独または混合物として用いるこ
とができ、上述した好ましい動粘度に調製される。
【0014】〔その他の添加剤〕本発明のグリース組成
物は、前記無機系化合物充填剤、増ちょう剤及び基油を
必須成分とするものであるが、必要に応じて以下の添加
剤を単独または複数組み合わせて含有させても良い。そ
の配合量は、全体としてグリース全量の20wt%以下
である。 酸化防止剤 :アミン系、フェノール系、イオウ系、
ジチオリン酸亜鉛等。 防錆剤 :有石油スルホネート、ジノニルナフタ
レンスルホネート、ソルビタンエステル等。 油性剤 :脂肪酸、植物油等。 金属不活性剤 :ベンゾトリアゾール、亜硝酸ソーダ
等。 極圧添加剤 :塩素系、イオウ系、リン系、ジチオリ
ン酸亜鉛、有機モリブデン等。 粘土指数向上剤:ポリメタクリレート、ポリイソブチレ
ン、ポリスチレン等。
【0015】〔製法〕本発明のグリース組成物を調製す
るには、基油中で増ちょう剤を反応させて得られる。無
機系化合物充填剤は、前記の反応時に配合することが好
ましい。また、予め増ちょう剤でグリース組成物を得た
後、無機系化合物充填剤を混合して得ることも可能であ
る。ただし、ニーダやロール等で無機系化合物充填剤を
添加した後十分攪拌し、均一分散させる必要がある。こ
の処理を行う時は、加熱するのも有効である。尚、上記
製法において、無機系化合物充填剤以外の添加剤は、無
機系化合物充填剤と同時に添加することが工程上好まし
い。
【0016】〔実施例〕以下に、実施例および比較例に
よりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより
なんら限定されるものではない。グリース組成を表4に
示す。また、増ちょう剤、基油、無機系化合物充填剤の
各組成を表1〜表3に示す。表1においてMDIは4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの略であり、
ウレア化合物は該MDI1モルに対して表中のアミンを
合計で2モル反応させたものである。また、配合番号の
小さいものほど、耐はくり性に優れる傾向にある。ま
た、表3中の無機系化合物充填剤の平均粒径は、それぞ
れ種類1(Al2 3 )は13nm、種類2(MgO−
1)は10nm、種類3(MgO−2)は200nm、
種類4(TiO2 )は21nm、種類5(スメクタイ
ト)は約50nmである。増ちょう剤、無機系化合物充
填剤及び基油の種類を表4及び表5に示す如く変えてグ
リース組成物を作成した。尚、配合量は、増ちょう剤、
無機系化合物充填剤及び基油の総量を970gとし、そ
の他アミン系酸化防止剤、スルフォネート系錆止め剤を
総量で30g加え、総量1000gのグリース組成物と
した。そして、これらのグリース組成物につき、以下に
示す試験を行い、その結果を表4及び表5に示した。
【0017】(音響試験)接触ゴムシール付き密封深溝
玉軸受(内径φ17mm、外径φ47mm、幅14m
m)内に2.4gの試験グリース組成物を封入し、18
00rpmで30秒間回転させた後の音響を測定した。
測定結果をアンデロン値(数値)で表4に示すと共に、
通常の判定基準である6アンデロン値以下を合格とし
た。ここで6アンデロン以下を合格としたのは、ウレア
系市販グリースの音響レベルと同等以上との判断からで
ある。試験回数は2回である。
【0018】(軸受はくり寿命試験)はくり寿命試験
は、軸受を急加減速させることで評価した。即ち、接触
ゴムシール付き密封深溝玉軸受(内径φ12mm、外径
φ37mm、幅12mm、プラスチック保持器付き)に
試験グリース組成物を1.0g封入し、外輪回転速度1
000rpm〜6000rpmの繰り返し、室温雰囲気
下、ラジアル荷重120kgfの条件で軸受を連続回転
させ、軸受内輪転走面に剥離が生じ、振動が増大して停
止するまでの時間を測定した。試験回数は4回である。
本試験は、振動が発生するまでの時間が500hr以上
であれば良好とみなし、試験は500hrで中止した。
【0019】〔高温・高速焼付き試験〕(軸受潤滑寿命
試験) 実施例1〜4及び比較例1〜4に関して、更に軸受潤滑
寿命を調べるために高温・高速焼付き試験を行った。試
験方法は、接触ゴムシール付き密封深溝玉軸受(内径φ
17mm、外径φ47mm、幅14mm、プラスチック
保持器付き)に試験グリース組成物2.3gを封入し、
内輪回転速度22000rpm、軸受外輪温度150
℃、ラジアル荷重10kgf、アキシアル荷重20kg
fの条件で軸受を連続回転させた。1000hrを耐久
試験の指標とし、軸受外輪温度が165℃以上まで上昇
した時を焼付きとし、焼付きまでの時間を測定した。な
お、1000hr経過したものは良好とみなし、試験を
中止した。試験回数は3回である。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】以上の試験結果から、下記の考察が得られ
た。比較例のグリース組成物は、増ちょう剤の配合番号
の小さいものほど耐はくり性に優れる。これらに本発明
の無機系化合物充填剤を配合すると、何れの場合も初期
音響に悪影響を及ぼすことなく、軸受はくり寿命が延長
することが確認された。更に、軸受潤滑寿命に関して
も、実施例1〜4のグリース組成物は無機系化合物充填
剤を配合しない場合(比較例1〜4)に比べ、同等以上
の結果が得られた。また、比較例6から、無機系化合物
充填剤の配合量が本発明で特定した範囲よりも多いと音
響特性が極端に悪くなり、比較例7から、無機系化合物
充填剤の配合量が本発明で特定した範囲よりも少ないと
軸受はくり寿命に効果が無いことが確認された。更に、
比較例8として、粒径が本発明で特定した範囲外である
平均粒径5μmのマグネタイト(Fe3 4 )粒子を用
いて表5に示す如くグリース組成物を作成し、上記と同
様の音響試験及び軸受はくり寿命試験を行ったところ、
初期音響特性及び軸受はくり寿命とも満足できる結果が
得られなかった。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
はくり防止効果を備える増ちょう剤を配合したグリース
組成物では、はくり防止効果が更に向上し、はくり防止
効果は無いものの、潤滑性に優れた増ちょう剤を配合し
たグリース組成物では、潤滑性に加えてはくり防止効果
が付与される。このように、グリース組成物が元来備え
る性能に、はくり防止作用を付加させることができ、特
にオルタネータ、カーエアコン用電磁クラッチ、中間プ
ーリ、電動ファンモータ、水ポンプ等の自動車電装部
品、エンジン補機等の転がり軸受に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】転がり軸受の一種である接触ゴムシール付密閉
深溝玉軸受を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 内輪軌道 2 内輪 3 外輪軌道 4 外輪4 5 転動体(玉) 6 シール板 7 保持器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 125:10 125:26 117:02 125:02 125:30) C10N 10:02 20:02 30:06 40:02 50:10 (72)発明者 中 道治 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基油と、金属石けん系化合物またはウレ
    ア化合物から選択される増ちょう剤と、粒径2μm以下
    の無機系化合物充填剤とを含有することを特徴とするグ
    リース組成物。
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