JP2002105473A - 転がり軸受用潤滑剤および転がり軸受の潤滑方法 - Google Patents

転がり軸受用潤滑剤および転がり軸受の潤滑方法

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JP2002105473A JP2000294536A JP2000294536A JP2002105473A JP 2002105473 A JP2002105473 A JP 2002105473A JP 2000294536 A JP2000294536 A JP 2000294536A JP 2000294536 A JP2000294536 A JP 2000294536A JP 2002105473 A JP2002105473 A JP 2002105473A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低速・高荷重、高温下の転がり軸受に好適な
潤滑剤および転がり軸受の潤滑方法を提供する。 【解決手段】 基油または基グリース中に、平均粒径40
nm以下の超微細シリカ粒子および/または平均粒径0.1
〜10μm の微細シリカ粒子を合計で1〜20質量%含有す
る転がり軸受用潤滑剤とする。軸受から排出される潤滑
剤中の鉄粉濃度あるいは鉄粉の粒度分布を、連続してあ
るいは一定周期ごとに、測定し、該測定結果により、給
油する潤滑剤中のシリカ粒子の粒径、含有量を調整す
る。なお、軸受の負荷状況によって、研磨作用を必要と
する場合には潤滑剤中に平均粒径0.1〜10μm の微細シ
リカ粒子を含有させるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転がり軸受の潤滑
方法に係り、とくに低速・高荷重、あるいはさらに高温
下といった環境で使用される転がり軸受の長寿命化に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、産業機械設備の回転運動部分に
は、機械要素部品として多数の転がり軸受が使用されて
いる。なかでも、圧延機、連続鋳造設備等の製鉄関連設
備の使用環境は過酷であり、そこで使用される転がり軸
受は、粉塵、水等の外来性異物の影響や、さらには高
温、低速、高荷重といった、軸受の潤滑には不利な環境
下で使用されることが多く、一般に短寿命となってい
る。
【0003】転がり軸受の潤滑界面には、一般に潤滑油
膜が形成され、金属同志の接触(メタル接触)を回避し
て、軸受の摩擦・摩耗を低減している。しかし、低速、
高荷重、あるいは高温といった条件下では、いわゆる境
界潤滑領域となりやすく、通常の潤滑剤(鉱油、グリー
ス)では潤滑界面に形成される潤滑油膜の厚さが極めて
薄くなり、強いメタル接触が生じやすくなる。このた
め、発熱、摩耗、摩耗粉による圧痕の生成、局部的疲労
剥離損傷等が生じ、軸受寿命が通常の1 /2〜1/10に
低下する。
【0004】このような問題に対し、潤滑剤に油性向上
剤、極圧添加剤や固体潤滑剤を添加して、軸受の潤滑性
を向上させようとする方法が従来から考えられている。
油性向上剤は、親水性の極性を有する分子を主とし、金
属表面に吸着して金属表面に吸着膜を形成し、また、極
圧添加剤は、金属表面と反応し、金属表面に反応被膜や
付着膜を生成し、いずれもメタル接触を防止しようとす
るものである。また、固体潤滑剤は、二硫化モリブデ
ン、グラファイト等のように金属表面に付着してすべり
やすい層を形成し、メタル接触時の滑り抵抗を低減しよ
うとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、潤滑剤
に油性向上剤、極圧添加剤や固体潤滑剤を添加すること
により、転がり軸受の潤滑性向上に対しある程度の効果
は認められるものの、潤滑条件のある範囲までに限定さ
れるものであり、さらに厳しい潤滑条件下では顕著な効
果は認められなかった。厳しい潤滑条件下では依然とし
て、強いメタル接触が生じて軸受寿命が短寿命となって
いた。またさらに、粒径の大きい自己摩耗粉や外部から
の侵入異物等が転がり面に付着すると、圧痕を生じ、圧
痕周辺の肩部に局部的な高面圧が発生するため、短期間
で疲労損傷が進行するという問題もある。
【0006】本発明は、上記した従来技術の問題を解決
し、低速・高荷重、高温下という厳しい環境下でも優れ
た潤滑状態を維持できる高潤滑性を有する潤滑剤、およ
び低速・高荷重用転がり軸受の潤滑方法を提供すること
を目的とする。なお、本発明でいう潤滑剤は、潤滑油お
よびグリースを含むものとする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を達成するために、転がり軸受の潤滑に及ぼす各種
要因について鋭意研究した。その結果、潤滑剤を最適化
することにより、低速・高荷重、高温下という厳しい環
境下でも、転がり軸受の長寿命化が図れることを見いだ
した。
【0008】本発明は、上記した知見に基づいて、さら
に検討して完成されたものである。すなわち、第1の本
発明は、転がり軸受用潤滑剤であって、基油または基グ
リース中に、平均粒径0.1 〜10μm の微細シリカ粒子お
よび/または平均粒径40nm以下の超微細シリカ粒子を合
計で1〜20質量%含有することを特徴とする高潤滑性を
有する転がり軸受用潤滑剤であり、また、本発明は、前
記微細シリカ粒子および/または前記超微細シリカ粒子
が、表面に化学的親油処理を施されたものであることが
好ましい。なお、本発明でいう、平均粒径は、光学顕微
鏡または電子顕微鏡観察により、数百個の粒子について
一次粒子径を測定して得られた値の平均値を使用するも
のとする。
【0009】また、第2の本発明は、軸受に潤滑剤を供
給または封入する転がり軸受の潤滑方法において、前記
潤滑剤に平均粒径0.1 〜10μm の微細シリカ粒子および
/または平均粒径40nm以下の微細シリカ粒子を合計で1
〜20質量%含有させることを特徴とする低速高荷重用転
がり軸受の潤滑方法である。また、第3の本発明は、軸
受に潤滑剤を供給する転がり軸受の潤滑方法において、
前記軸受から排出される潤滑剤中の鉄粉濃度あるいは鉄
粉の粒度分布を、連続してあるいは一定周期ごとに、測
定し、該測定結果により、供給する潤滑剤中の微細シリ
カ粒子および/または超微細シリカ粒子の粒径、含有量
を調整することを特徴とする低速高荷重用転がり軸受の
潤滑方法である。
【0010】また、第4の本発明は、軸受に潤滑剤を供
給する転がり軸受の潤滑方法において、前記潤滑剤とし
て、軸受の初期表面粗さを平滑化するならし運転時に
は、平均粒径0.1 〜10μm の微細シリカ粒子を1〜20質
量%含有させた潤滑剤を用いることを特徴とする転がり
軸受の潤滑方法である。また、第5の本発明は、軸受に
潤滑剤を初期封入し、さらに必要に応じ潤滑剤を供給す
る転がり軸受の潤滑方法において、前記初期封入する潤
滑剤として、基油または基グリース中に、平均粒径0.1
〜10μm の微細シリカ粒子および/または平均粒径40nm
以下の超微細シリカ粒子を合計で1〜20質量%含有した
軸受用潤滑剤で、好ましくは前記微細シリカ粒子および
/または前記超微細シリカ粒子が、表面に化学的親油処
理を施されたものである軸受用潤滑剤を使用し、所定期
間の運転を行ったのち、潤滑油またはグリースを追加供
給し、初期研磨粉を排出することを特徴とする転がり軸
受の潤滑方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】まず、第1の本発明である、転が
り軸受用潤滑剤について説明する。本発明の転がり軸受
用潤滑剤では、基油中または基グリース中に、微細シリ
カ粒子および/または超微細シリカ粒子を含有する。使
用する基油または基グリースは、その使用環境に応じ、
潤滑剤に要求される動粘度、粘性指数等の潤滑剤特性に
合致したものを適用すればよく、とくに限定されない。
基油としては、鉱物油系、合成油系、天然油系、シリコ
ンオイル等が好ましい。また、基グリースとしては、基
油にリチウム石鹸、カルシウム石鹸、アルミニウム複合
石鹸、ウレア等の増ちょう剤を添加したものが好まし
い。
【0012】基油または基グリース中にミクロンオーダ
ーまたはサブミクロンオーダーの微細シリカ粒子および
/またはナノオーダーの超微細シリカ粒子を混合するこ
とにより、潤滑油としての粘度が増加し、また増ちょう
効果がある。基油または基グリースの選定に当たって
は、微細シリカ粒子および超微細シリカ粒子の増粘効
果、増ちょう効果を考慮する必要がある。
【0013】鉱物油系基油としては、鉱油を減圧蒸留
し、溶剤精製、水素精製、硫酸洗浄、白土処理、溶剤脱
ろうなどを適宜組み合わせて不安定成分、ワックス分を
取り除いたものを用いることができる。合成油系基油と
しては、ポリαオレフィン、ポリブテン等の脂肪族系炭
化水素油、アルキルベンゼン等の芳香族系炭化水素油、
ポリオールエステル、リン酸エステル等のエステル系
油、ポリフェニルエーテル、ポリグリコール等のエーテ
ル系油などが挙げられる。
【0014】本発明の転がり軸受用潤滑剤は、基油中ま
たは基グリース中に平均粒径40nm以下の超微細シリカ粒
子を1〜20質量%含有する。本発明者らの実験によれ
ば、基油または基グリース中に超微細シリカ粒子を含有
することにより、転がり軸受の潤滑界面で超微細シリカ
粒子が、界面凹部に介在しメタル接触部の面圧を低下
させる、微小ころとして作用する、メタル接触の凝
着部を研磨する、等の作用を有することが考えられ、そ
の結果、低速・高荷重下でも、転がり軸受での高潤滑性
が維持でき、軸受の長寿命化が達成できるのである。
【0015】このような作用は、基油または基グリース
に平均粒径で40nm以下の超微細シリカ粒子を含有させた
ときに得られる。超微細シリカ粒子の平均粒径が40nmを
超えると、上記した作用がすべて同時には得られない。
なお、超微細シリカ粒子の粒径が4nm 未満では、均一な
粒子が得にくいため好適な潤滑効果が得にくくなるとい
う問題があり、好ましくは、4 〜40nmの範囲である。
【0016】本発明では、潤滑剤中の、平均粒径で40nm
以下の超微細シリカ粒子の含有量は1〜20質量%とす
る。超微細シリカ粒子の含有量が1質量%未満では、上
記した効果が認められない。一方、20質量%を超える
と、増粘効果が大きくなり、潤滑剤が均一に供給できな
くなるという問題がある。このようなことから、平均粒
径で40nm以下の微細シリカ粒子の含有量は1〜20質量%
とした。
【0017】なお、平均粒径で40nm以下の極微細シリカ
粒子を含有させた潤滑剤は、滑りが発生しやすい軸受、
例えば、玉軸受、自動調芯軸受等の潤滑油として適用す
るのが好ましい。これは、軸受でのメタル接触による滑
りを軽減する、上記した微細シリカの作用を有効に利用
することができるからである。また、本発明の転がり軸
受用潤滑油では、平均粒径で0.1 〜10μm のサブミクロ
ンオーダおよびミクロンオーダの微細シリカ粒子を含有
させてもよい。
【0018】侵入した異物、あるいは自己摩耗粉等の存
在により軸受の摩擦表面には、圧痕と高面圧が生じて、
表面に局部疲労層が形成され、その後の使用継続により
疲労剥離損傷が発生し、軸受の寿命を短くする原因の一
つとなっている。本発明者らの実験によれば、基油また
は基グリース中にサブミクロンオーダおよびミクロンオ
ーダの微細シリカ粒子を含有させることにより、微細シ
リカ粒子の研磨効果により、軸受の摩擦表面が適度に研
磨され、圧痕や疲労層が除去されるため、このような疲
労剥離損傷も抑制または防止でき、潤滑特性が向上し、
軸受の長寿命化が図れることになる。
【0019】なお、本発明では、潤滑剤中の、平均粒径
で0.1 〜10μm のサブミクロンオーダまたはミクロンオ
ーダの微細シリカ粒子の含有量は1〜20質量%とする。
微細シリカ粒子の含有量が1質量%未満では、上記した
効果が認められない。一方、20質量%を超えると、増粘
効果が大きくなり、潤滑剤が均一に供給できなくなると
いう問題がある。このようなことから、0.1 〜10μm の
サブミクロンオーダまたはミクロンオーダの微細シリカ
粒子の含有量は1〜20質量%とした。
【0020】微細シリカ粒子の平均粒径が10μm を超え
ると、微細シリカ粒子の研磨効果が大きくなりすぎて、
軸受の寿命が却って短くなる。一方、微細シリカ粒子の
粒径が0.1 μm 未満では、研磨効果が少なすぎる。この
ため、微細シリカ粒子の平均粒径は0.1 〜10μm の範囲
とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.1 〜1μm
である。
【0021】なお、上記したサブミクロンオーダまたは
ミクロンオーダの微細シリカ粒子を含有させた潤滑剤
は、自己摩耗粉や外来性異物による圧痕、局部疲労層が
形成された軸受の摩擦表面の再生用として一時的に使用
するのが好ましい。連続的に使用すると研磨作用が大き
いため、かえって摩耗を助長し軸受の短寿命化を招く。
また、本発明の潤滑剤では、基油または基グリース中
に、上記した平均粒径40nm以下のナノオーダの超微細シ
リカ粒子と、平均粒径0.1 〜10μm のサブミクロンオー
ダまたはミクロンオーダの微細シリカ粒子を混合して、
合計で1〜20質量%含有してもよい。このような平均粒
径の異なるシリカ粒子を混合することにより、潤滑効果
と軸受の微細研磨・平滑化効果を同時に満足させること
ができる。このようなことから、軸受の負荷状況に応じ
て、基油または基グリース中に混合するシリカ粒子の粒
径および混合割合を決定するのが好ましい。軸受の研磨
効果を期待する場合には、粒径の大きな粒子を混合する
のが好ましい。
【0022】なお、本発明の潤滑剤は、基油または基グ
リース中に上記した粒径の微細シリカ粒子を添加し、例
えば、ホモジナイザー等による機械的攪拌、あるいは3
本ロールによる攪拌で、均一に混合して製造されるのが
好ましい。基油または基グリースに超微細シリカ粒子お
よび/または微細シリカ粒子を均一混合するためには、
超微細シリカ粒子および/または微細シリカ粒子の表面
に基油または基グリースの特性に合わせた化学処理を施
すのが好ましい。例えば、基油を鉱物油とした場合に
は、超微細シリカ粒子および/または微細シリカ粒子の
表面に化学的親油処理を施すのが好ましい。また、超微
細シリカ粒子および/または微細シリカ粒子の表面に親
水処理を施してもよい。化学的親油処理や親水処理を施
すことにより、所望の増粘効果や潤滑性、研磨特性を得
ることができる。
【0023】なお、本発明の潤滑剤には、従来公知の油
性向上剤、極圧添加剤、固体潤滑剤、防錆剤、増ちょう
剤、界面活性剤等の各種添加剤を、必要に応じ添加して
もよいことはいうまでもない。例えば、油性向上剤とし
ては、オレイン酸、ステアリン酸のほか、高級アルコー
ル、エステル、アミン等が、また、極圧添加剤として
は、硫化油脂等の硫黄系化合物、リン酸トリクレジル等
のリン系化合物が、固体潤滑剤としては、二硫化モリブ
デン、グラファイト、有機モリブデン、窒化ホウ素等が
例示できる。
【0024】本発明の潤滑剤は、ちょう度を有するグリ
ースと同じような特性をもつため、通常のグリースと同
等の給油方法、例えば、集中給脂系、グリースガン等に
よる手動給脂系、あるいは密閉系がいずれも適用でき
る。つぎに、本発明の潤滑油を用いた転がり軸受の潤滑
方法について、説明する。本発明の転がり軸受用潤滑油
は、低速・高荷重、あるいは高温の環境下で、あるいは
さらに異物の侵入が多い環境下で、使用する転がり軸受
に適用する。転がり軸受の負荷状況に応じ、好適な平均
粒径、含有量の超微細シリカ粒子および/または微細シ
リカ粒子を含有した潤滑剤を使用する。
【0025】すなわち、滑りが発生する軸受には、平均
粒径40nm以下の微細シリカ粒子を1〜20質量%含有する
潤滑剤を、集中給油系、手動給油系、あるいは密閉系
で、定期的に所定量供給する。なお、摩耗粉の発生が多
く、より研磨効果を期待する場合には、粒径の大きい微
細シリカ粒子を供給するのが好ましい。さらに、軸受の
転動面の損傷が著しく、圧痕や局部疲労層等の転動面の
損傷を除去して軸受を延命させる必要がある場合には、
研磨効果が期待できるサブミクロンオーダあるいはミク
ロンオーダの微細シリカ粒子とするか、あるいはサブミ
クロンオーダあるいはミクロンオーダの微細シリカ粒子
をナノオーダの超微細シリカ粒子に混合するのが好まし
い。
【0026】このようなことから、軸受の初期表面粗さ
を平滑化するならし運転時には、平均粒径0.1 〜10μm
のサブミクロンオーダあるいはミクロンオーダの微細シ
リカ粒子を1〜20質量%含有させた潤滑剤、あるいは平
均粒径0.1 〜10μm のサブミクロンオーダあるいはミク
ロンオーダの微細シリカ粒子を、平均粒径40nm以下の超
微細シリカ粒子とともに、合計で1〜20質量%含有させ
た潤滑剤を用いて、軸受の転動面の平滑化を図るのが好
ましい。
【0027】また、軸受に潤滑剤を初期封入し、さらに
必要に応じ潤滑剤を供給する場合には、初期封入する潤
滑剤として、基油または基グリース中に、平均粒径0.1
〜10μm の微細シリカ粒子および/または平均粒径40nm
以下の超微細シリカ粒子を合計で1〜20質量%含有した
軸受用潤滑剤とし、所定期間の運転を行ったのち、潤滑
油またはグリースを一時的に供給し、初期研磨粉を排出
するのが好ましい。初期封入する潤滑剤に、微細シリカ
粒子を含有させることにより、転動面が研磨され、軸受
転動面の平滑化が行える。転動面の平滑化により生じた
初期研磨粉を、その後に潤滑油またはグリース(潤滑
剤)を追加供給して初期研磨粉を排出することにより、
軸受の長寿命化に寄与する。
【0028】また、本発明では、軸受から排出される潤
滑剤中の鉄粉濃度あるいは鉄粉の粒度分布を、連続して
あるいは一定周期ごとに、測定し、該測定結果により、
供給する潤滑剤中の微細シリカ粒子の粒径、および/ま
たは含有量を調整して、軸受に供給するのが好ましい。
排出される潤滑剤中の鉄粉の濃度、あるいは鉄粉の粒度
分布の測定方法は、例えば、つぎのような方法が好まし
い。
【0029】排出された潤滑油の一定量を採取して、電
磁誘導法、重量測定法により混入した鉄粉量、あるいは
光学的粒子計測器(パーティクルカウンター)により鉄
粉の粒度分布を測定し、鉄粉の濃度、あるいは鉄粉の粒
度分布を、あるいはさらにフェログラフィー分析により
異常摩耗粉の有無を、求めるのが好ましい。得られた結
果から、鉄粉の濃度が高い場合には、平均粒径0.1 〜10
μm のサブミクロンオーダあるいはミクロンオーダとす
る微細シリカ粒子、一方、鉄粉の濃度が低い場合には、
微細シリカ粒子の粒径を平均粒径40nm以下のナノオーダ
とする超微細シリカ粒子を含有する潤滑剤を供給する。
また、鉄粉の粒度分布が、大きな粒径のものが多い場合
には、平均粒径がミクロンオーダあるいはミクロンオー
ダの微細シリカ粒子を、一方、小さい粒径のものが多い
場合には、平均粒径がナノオーダの超微細シリカ粒子を
含有する潤滑剤を供給する。なお、鉄粉濃度、あるいは
鉄粉の粒度分布と、供給する潤滑剤中の微細シリカ粒子
の粒径、含有量との関係は、使用環境ごとに予め実験等
により決定しておくことが肝要となる。
【0030】
【実施例】本発明の効果を確認するため、転がり軸受の
回転摩耗試験を実施した。自動調芯ころ軸受に静定格荷
重の1/2 のラジアル荷重を負荷し、100 ℃の高温雰囲気
中で潤滑剤を封入し、回転数10rpm の速度で、所定時間
運転した。運転後、軸受を解体し、外輪軌道面について
摩耗プロフィルを測定した。軸受に封入する潤滑剤は、
耐熱ウレアグリース(比較例)およびパラフィン系鉱物
油(粘度460mm2/sec、at 40 ℃)に平均粒径12nmの超微
細シリカ粒子を6質量%含有したグリース(本発明例)
とした。
【0031】その結果、潤滑剤として超微細シリカ粒子
を含有した潤滑剤を用いた本発明例では、超微細シリカ
粒子を含まない潤滑剤を用いた比較例に比べ、外輪軌道
面の摩耗量が1/5 以下となり、転がり軸受の長寿命化が
達成できる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、低速・高荷重・高温と
いう厳しい使用環境下においても、転がり軸受の長寿命
化が期待でき、機械部品の保守の頻度が低減し、さらに
生産性が向上するなど、産業上格段の効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 30:08 C10N 30:08 40:02 40:02 50:10 50:10 Fターム(参考) 3J101 AA01 CA01 EA52 FA32 4H104 AA22C BB17B BE13B DA02A EA08C EB02 FA01 FA02 FA03 LA03 LA04 PA01 QA18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転がり軸受用潤滑剤であって、基油また
    は基グリース中に、平均粒径0.1 〜10μm の微細シリカ
    粒子および/または平均粒径40nm以下の超微細シリカ粒
    子を合計で1〜20質量%含有することを特徴とする高潤
    滑性を有する転がり軸受用潤滑剤。
  2. 【請求項2】 前記微細シリカ粒子および/または前記
    超微細シリカ粒子が、表面に化学的親油処理を施された
    ものであることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸
    受用潤滑剤。
  3. 【請求項3】 軸受に潤滑剤を供給または封入する転が
    り軸受の潤滑方法において、前記潤滑剤に平均粒径0.1
    〜10μm の微細シリカ粒子および/または平均粒径40nm
    以下の超微細シリカ粒子を合計で1〜20質量%含有させ
    ることを特徴とする低速高荷重用転がり軸受の潤滑方
    法。
  4. 【請求項4】 軸受に潤滑剤を供給する転がり軸受の潤
    滑方法において、前記軸受から排出される潤滑剤中の鉄
    粉濃度あるいは鉄粉の粒度分布を、連続してあるいは一
    定周期ごとに、測定し、該測定結果により、供給する潤
    滑剤中の微細シリカ粒子および/または超微細シリカ粒
    子の粒径、含有量を調整することを特徴とする低速高荷
    重用転がり軸受の潤滑方法。
  5. 【請求項5】 軸受に潤滑剤を供給する転がり軸受の潤
    滑方法において、前記潤滑剤として、軸受の初期表面粗
    さを平滑化するならし運転時には、平均粒径0.1 〜10μ
    m の微細シリカ粒子を1〜20質量%含有させた潤滑剤を
    用いることを特徴とする転がり軸受の潤滑方法。
  6. 【請求項6】 軸受に潤滑剤を初期封入し、さらに必要
    に応じ潤滑剤を供給する転がり軸受の潤滑方法におい
    て、前記初期封入する潤滑剤として請求項1または2に
    記載の軸受用潤滑剤を使用し、所定期間の運転を行った
    のち、潤滑油またはグリースを追加供給し、初期研磨粉
    を排出することを特徴とする転がり軸受の潤滑方法。
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