JPH09169080A - ポリプロピレン系樹脂ライニング施工方法及び装置 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂ライニング施工方法及び装置

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JPH09169080A
JPH09169080A JP33045395A JP33045395A JPH09169080A JP H09169080 A JPH09169080 A JP H09169080A JP 33045395 A JP33045395 A JP 33045395A JP 33045395 A JP33045395 A JP 33045395A JP H09169080 A JPH09169080 A JP H09169080A
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resin
lined
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JP33045395A
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Inventor
Kensuke Haruna
建介 春名
Toshio Sonoda
俊雄 園田
Masaru Karai
優 唐井
Yoshiharu Watanabe
芳治 渡辺
Ryozo Zaima
了三 財満
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリプロピレン系樹脂混合物を使用して、ポ
リプロピレンの優れた特性を保持し、かつ金属の腐食を
抑えることができ、十分な膜厚と強固な接着力が得られ
る金属材料へのポリプロピレン系樹脂ライニング施工方
法とその施工装置を提供すること。 【解決手段】 金属材料の表面に加熱溶融法によりポリ
プロピレン系樹脂のライニングを施すに当たり、ライニ
ング樹脂の酸化劣化が生じる温度未満で該樹脂の溶融温
度以上の範囲の温度に加熱した被ライニング材にポリプ
ロピレン系樹脂ライニング用粉体を散布し、前記範囲内
の温度に所定時間保持することにより被ライニング材の
表面に健全な溶融被膜を形成させることを特徴とする金
属材料へのポリプロピレン系樹脂ライニングの施工方法
及びそのための装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は排煙脱硫装置、ガス
精製プラント、海水淡水化装置、火力発電プラント及び
給湯設備などに使用される金属材料(主に炭素鋼)に、
加熱溶融法により樹脂ライニングを施工するためのポリ
プロピレン系樹脂ライニングの施工方法及び樹脂ライニ
ング施工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のポリプロピレンライニングはポリ
プロピレン樹脂製のシートあるいはパイプの表面を表面
処理を施したのち、接着剤を塗布して接着するシートラ
イニングが知られている。しかしポリエチレン、フッ素
樹脂などで行われている粉体ライニングと同様にポリプ
ロピレン樹脂の溶融温度以上に加熱した被ライニング材
表面にポリプロピレン樹脂の粉末を散布して溶融させて
皮膜を形成させる、いわゆる加熱溶融法によるポリプロ
ピレンライニングは実用化されていない。従来、樹脂の
溶融温度以上に加熱した被ライニング材の表面に樹脂粉
体を散布して溶融被膜を形成させる加熱溶融法による金
属材料のライニングはポリエチレンライニングやフッ素
樹脂ライニング等に広く採用されている。その代表例と
して金属製のパイプ内面にポリエチレン樹脂を加熱溶融
法でライニングする従来の一般的な方法を図9に基づい
て説明する。図9(a)は 従来のポリエチレンライニ
ング用の一般的装置を示す横方向から見た側面図、図9
(b)は図9(a)のA方向から見た側面図である。図
9の装置において被ライニング材2はローラ駆動モータ
20で回転する回転ローラ3に載置される。ライニング
材料を供給する樹脂粉体供給装置21に接続した樹脂粉
体供給管4から被ライニング材2の内面にライニング材
が供給される。また、樹脂粉体供給管4は樹脂粉体供給
装置21の移動により図の矢印の方向に横移動し、被ラ
イニング材2の内面の必要長さにわたってライニング材
を供給する。このような施工方法における通常の加工手
順は次のとおりである。先ず、300℃以上に加熱した
パイプを回転ローラに載置し、大気に開放した雰囲気中
で約250〜270℃にパイプが冷却された時点で、パ
イプ内部にポリエチレン粉体を供給し、パイプを回転さ
せながら、均一な皮膜を形成させる。この場合、ポリエ
チレン樹脂は溶融温度が低いため、被ライニング材の保
有熱のみで充分なライニング膜厚が得られる。
【0003】ところが、この方法を単純にポリプロピレ
ンに適用しても、ポリプロピレンのポリエチレンとの物
性の違いにより、実用に耐える健全な皮膜が得られな
い。すなわち、通常のポリプロピレンは加熱溶融した状
態では金属面に付着しているが、冷却固化時には剥離し
てしまう。したがって、ポリプロピレンライニングは押
し出し成形されたシートやパイプを各種表面処理により
改質して接着性を付与し、接着剤で接着させる方法で行
われている。ポリプロピレンは耐熱性に優れるという工
業上有意な特性を持つので、安価で安定した生産ができ
るライニング技術の確立が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように従来は困難
と考えられていたポリプロピレンの加熱溶融ライニング
法について種々検討の結果、マレイン酸変性ポリプロピ
レンとポリプロピレンとの混合物、この混合物にエチレ
ン−プロピレンラバ−を添加した混合物、あるいはこの
混合物にポリエチレンを添加した混合物とし、さらに必
要により酸化防止剤を添加した混合物とすることによっ
て、金属に対する接着性が改良され、剥離しにくいポリ
プロピレン系樹脂ライニングが得られることが見出さ
れ、これらの組成物について本出願人により別途出願さ
れている(特願平5−111473号、特願平5−14
1760号、特願平5−279138号、特願平7−2
36484号など)。
【0005】このようなポリプロピレン系樹脂混合物の
粉体とすることにより、加熱溶融法による金属材料への
ポリプロピレン系樹脂のライニング皮膜の形成が可能に
なった。しかしながら、これらの粉体をポリエチレン樹
脂ライニングの場合のように、単にポリプロピレンの溶
融温度以上に加熱した被ライニング材の表面に散布した
場合、なお次のような問題があった。 (1)ポリプロピレンの熱伝導率は、ポリエチレン(低
密度)の8.0×10-4cal/sec/cm2 /℃/
cmに比べ、2〜4×10-4cal/sec/cm2
℃/cmと小さいため、必要な膜厚が得られる前に、被
ライニング材の温度がポリプロピレンの溶融温度以下に
低下してしまう。 (2)その一方で必要膜厚が得られるまでの間、被ライ
ニング材の温度が低下しないような高温に加熱すると、
ポリプロピレン樹脂は熱酸化劣化しやすいため、ライニ
ング皮膜の接着強度、延性、耐衝撃性の低下を招き健全
な皮膜が得られない。
【0006】本発明は上記のような従来技術における問
題点を解決し、前記ポリプロピレン系樹脂混合物を使用
して、ポリプロピレンの優れた特性を保持し、かつ金属
の腐食を抑えることができ、十分な膜厚と強固な接着力
を有する健全な皮膜が得られる金属材料へのポリプロピ
レン系樹脂ライニング施工方法とその施工装置を提供し
ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記ポリプ
ロピレン系樹脂混合物の熱特性等について種々実験・検
討の結果、適切な温度で被ライニング材にポリプロピレ
ン系樹脂混合物の粉末を散布し、所定の温度で所定時間
保持することにより良質な皮膜が得られることを見出
し、本発明の施工方法を確立するとともに、その施工方
法を実施するための、ライニング用樹脂材料の特性に応
じ任意に制御可能で、かつ、複雑な形状や大小管径の被
ライニング材に対応可能な施工装置を創出した。
【0008】すなわち、本発明は次の(1)ないし
(4)の発明を含むものである。 (1)金属材料の表面に加熱溶融法によりポリプロピレ
ン系樹脂のライニングを施すに当たり、ライニング樹脂
の酸化劣化が生じる温度未満で該樹脂の溶融温度以上の
範囲の温度に加熱した被ライニング材にポリプロピレン
系樹脂ライニング用粉体を散布し、前記範囲内の温度に
所定時間保持することにより被ライニング材の表面に溶
融皮膜を形成させることを特徴とする金属材料へのポリ
プロピレン系樹脂ライニングの施工方法。
【0009】(2)断熱された施工箱と、該施工箱内に
設けられ直管の被ライニング材を載置して回転させる回
転ローラと、該回転ローラを回転させるための回転ロー
ラ駆動装置と、前記施工箱内の被ライニング材の内側の
任意の位置にライニング用樹脂粉体を供給できるように
被ライニング材の長さ方向に移動可能な樹脂粉体供給管
を備えた樹脂粉体供給装置と、前記施工箱内を加熱する
熱補給加熱器と、前記施工箱内の温度を所定範囲に制御
する温度制御装置とを備えてなることを特徴とする直管
の金属材料への樹脂ライニング施工装置。
【0010】(3)被ライニング材の搬入側から順に加
熱部及び保温部に区分された断熱された施工箱と、被ラ
イニング材を載置して回転させる回転ローラを備えた複
数のローラセットと、被ライニング材を載置した前記ロ
ーラセットを順次施工箱内に搬送する搬送用コンベア
と、前記施工箱の保温部及び施工箱に後続する冷却部に
おいて被ライニング材を回転させるための回転ローラ駆
動装置と、前記施工箱内の所定の位置で被ライニング材
の内側の任意の位置にライニング用樹脂粉体を供給でき
るように被ライニング材の長さ方向に移動可能な樹脂粉
体供給管を備えた樹脂粉体供給装置と、前記施工箱内を
加熱し所定の温度に制御する加熱・制御装置と、装置全
体の運転を制御する制御装置とを備えてなることを特徴
とする直管の金属材料への樹脂ライニング連続施工装
置。
【0011】(4)被ライニング材を収納して樹脂ライ
ニングを行う断熱された施工箱と、一軸もしくは二軸の
回転可能とした異形管回転装置と、該異形管回転装置を
駆動させる駆動装置と、前記施工箱内の被ライニング材
の内側にライニング用樹脂粉体を供給するための樹脂粉
体供給箱と、前記施工箱内を加熱する熱補給加熱器と、
前記施工箱内の温度を所定範囲に制御する温度制御装置
とを備えてなることを特徴とする異形管の金属材料への
樹脂ライニング施工装置。
【0012】本発明に係るポリプロピレン系樹脂ライニ
ングは炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウムなどの各種
金属材料に適用できるが、特に排煙脱硫装置、ガス生成
プラント、海水淡水化装置、火力発電プラント、高温給
排水ラインなどの材料として多用されている炭素鋼のラ
イニングとして好適なものである。また、金属材料の形
態としては板あるいは管が一般的であるが、ライニング
用樹脂粉末の散布と表面の加熱、保温が可能な形態のも
のであれば特に制限なく適用でき、構造物や装置の一部
を構成する部品であってもよい。
【0013】本発明において、ライニング皮膜形成のた
めに使用するポリプロピレン系樹脂ライニング用粉体と
しては、前記の特願平5−111473号、特願平5−
141760号、特願平5−279138号、特願平7
−236484号に記載されたポリプロピレン系樹脂混
合物が好適である。これらのポリプロピレン系樹脂混合
物は次のような組成を有するものである。 マレイン酸変性ポリプロピレン/ポリプロピレンの重
量比が10/1〜1/10の混合物。 マレイン酸変性ポリプロピレン/ポリプロピレンの重
量比が10/1〜1/100の混合物に、エチレンプロ
ピレンラバーを1〜20重量%添加した混合物。 前記の混合物に、さらに0.1〜1.0重量%の酸
化防止剤を添加した混合物。 マレイン酸変性ポリプロピレン/ポリプロピレンの重
量比が20/1〜1/100の混合物とポリエチレンを
重量比で20/80〜99.9/0.1の割合で混合
し、この混合物に対しエチレンプロピレンラバーを1〜
20重量%添加し、さらに0.1〜1.0重量%の酸化
防止剤を添加した混合物。
【0014】
【発明の実施の形態】ポリプロピレン系樹脂ライニング
用粉体を散布する際の被ライニング材の温度は、前記樹
脂粉体が溶融し、適度の流動性を有するような温度とす
る必要があるが、温度を上げ過ぎるとポリプロピレン系
樹脂の一部が酸化劣化又は減量し、形成した皮膜の延
性、耐衝撃性や被ライニング材との密着性が低下する等
の問題が生ずる。したがって、本発明(1)の金属材料
へのポリプロピレン系樹脂ライニングの施工方法におい
ては、ライニング樹脂の酸化劣化が生じる温度未満で該
樹脂の溶融温度以上の範囲の温度に加熱した被ライニン
グ材にポリプロピレン系樹脂ライニング用粉体を散布す
るようにする。具体的な温度範囲は使用するライニング
用樹脂粉体の組成により異なるが、一般的には210〜
270℃の範囲で、それぞれの組成に適した温度を採用
すればよい。
【0015】ポリプロピレンの熱伝導度はポリエチレン
に比べ、1/2〜1/4と小さい。そのため、ポリプロ
ピレン系樹脂ライニング用粉体を加熱した被ライニング
材に散布すると、粉体が被ライニング材に付着して、被
ライニング材及び雰囲気から熱を奪って溶融するのにポ
リエチレン単独の場合に比べ長時間を要する。形成する
皮膜の厚みにもよるが、1例として230℃の温度にて
厚さ2mmの溶融皮膜を形成するのに少なくとも15分
程度は必要である。そのため、本発明の方法においては
ポリプロピレン系樹脂ライニング用粉体を散布した後、
ライニング樹脂の酸化劣化が生じる温度未満で該樹脂の
溶融温度以上の範囲の温度に所定時間保持することを特
徴とする。
【0016】保持時間は、使用するライニング用樹脂粉
体の組成や形成させる皮膜の厚み、保持温度等によって
異なるが、通常は15〜30分の範囲となるように温度
設定するのがライニング工程の操作上好都合である。な
お、ライニング用樹脂粉体の散布時の温度と保温時の温
度は必ずしも同一である必要はなく、前記温度範囲内で
散布時の温度を高めに、保温時の温度を低めに設定して
もよい。通常は粉体散布時の温度を高めに設定し、粉体
供給により温度が低下するので温度が下がり過ぎないよ
うに熱補給を行うのが一般的である。
【0017】本発明の方法においては、前記のようにラ
イニング用樹脂粉体の散布後、所定時間保持することを
特徴とするが、従来のポリエチレンの加熱溶融ライニン
グにおけるように大気開放雰囲気で作業すると前記の最
適温度範囲に維持することができず、熱を補給する手段
が必要となる。本発明の(2)〜(4)は、本発明
(1)の方法を実施するのに適した装置に関するもので
ある。
【0018】前記のようにポリプロピレン系樹脂ライニ
ング用粉体が被ライニング材の表面に溶着する際に酸化
劣化を生じない温度以下に被ライニング材の加熱温度を
制御する必要がある。しかしながらライニング加工を大
気開放雰囲気の中で行うと、この温度で樹脂粉体を散布
しても必要ライニング膜厚が得られる前に、樹脂の溶融
温度以下に冷却してしまう。そのため、これらの装置で
は被ライニング材の外部への放熱を防ぐため、全面に断
熱材を施した施工箱の中でライニングを施工するように
し、さらに、充分なライニング膜厚をできるだけ短時間
で得るために必要な熱補給を行う熱補給装置を設けてい
る。被ライニング材の加熱を含めてライニングの過程を
同一加熱炉内で実施することにより、被ライニング材の
加熱から粉体供給、熱補給までの各工程を任意の施工条
件に制御しながら行うことができる。また、溶融皮膜形
成中は被ライニング材を回転させることにより、加熱を
均一化するとともに、散布したライニング材の流動性を
利用して均一な膜厚を得ることができる。
【0019】これらの装置は、被ライニング材がステン
レス鋼管など薄肉の材料に溶融加熱法による樹脂皮膜を
形成させる場合にも有効である。すなわち、被ライニン
グ材の初期加熱による保有熱のみでは、融着皮膜の厚さ
が十分に確保できないという理由から、必要以上に厚肉
の管にしなければならないという課題も解決することが
できる。
【0020】本発明(2)は、直管の内側に樹脂の皮膜
を形成させる樹脂ライニング施工装置である。この樹脂
ライニング施工装置の1実施態様を図1に示す。この装
置により直管に個別にポリプロピレン系樹脂ライニング
を施す場合の工程は次のとおりである。別置きの加熱炉
で又はライニング施工箱1内で適温に加熱された被ライ
ニング材2を施工箱1内に設置した回転ローラ3上に載
置し、回転ローラ駆動装置であるローラ駆動モータ20
で回転ローラ3を回転させることにより被ライニング材
2を回転させながら、樹脂粉体供給装置21に接続した
樹脂粉体供給管4によって被ライニング材2の内部への
樹脂粉体を散布する。樹脂粉体供給装置21は図の矢印
方向へ移動可能に設置されているので、樹脂粉体供給管
4の先端部(粉体供給口)が被ライニング材2内の任意
の位置にくるよう移動させることができる。樹脂粉体の
散布後、樹脂粉体が充分溶着するまでの間、施工箱1内
の温度を温度制御装置(図示せず)によって制御される
熱補給加熱器5により一定範囲に保持する。適当な時間
経過後、被ライニング材を冷却すれば劣化のないしかも
充分な皮膜厚みを持った良質のライニング管が得られ
る。
【0021】本発明(3)は、連続的に直管の内側に樹
脂の皮膜を形成させることのできる樹脂ライニング連続
施工装置である。この樹脂ライニング施工装置の1実施
態様を図2〜図4に示す。図2はこの装置の側面図、図
3は平面図であり、図4は被ライニング材を載置するロ
ーラセットの詳細を示す斜視図である。この装置により
直管に連続的にポリプロピレン系樹脂ライニングを施す
場合の工程は次のとおりである。施工箱を兼ねた加熱炉
6の中に、複数列の被ライニング材7の搬送用チエンコ
ンベア8が平行に設置されている。搬送用チエンコンベ
ア8の上には、被ライニング材7に粉体供給直前から被
膜形成されるまでの間回転が与えられるようにするた
め、適当な間隔で回転用スプロケット9aが付設された
ローラセット9が設置されている。ローラセット9上に
搬送方向と直角になるよう載置された被ライニング材7
は、加熱炉6内を予め計算し、制御された速度で加熱昇
温されながら搬送され(図の加熱部)、粉体供給装置1
2が設置されている位置に到達する。
【0022】粉体供給装置12の直前で図4にその詳細
を示すローラセット9の回転用スプロケット9aと別置
きの駆動装置10で駆動されるチエン11とが噛み合
い、被ライニング材7に回転が与えられる。被ライニン
グ材7が回転しながら粉体供給位置に到達すると、搬送
チエンコンベア8が停止し、粉体供給装置12から被ラ
イニング材7内に必要量の樹脂粉体が散布される。粉体
供給装置12は被ライニング材の長さ方向に移動可能に
設置されており、被ライニング材内部の任意の位置に樹
脂粉体を散布することができる。粉体供給が完了する
と、搬送チエンコンベア8は再び動き、次の被ライニン
グ材7が送られて来る。粉体を散布された被ライニング
材7は炉内において、回転しながら、計算された保持時
間と制御された温度で熱補給を受ける(図の保温部)。
その後、必要な膜厚が形成された被ライニング材7は炉
外に出て冷却される(図の冷却部)。これにより、劣化
のない良質のライニング膜の形成された製品を連続的に
製造することができる。なお、図示していないが、この
装置には加熱炉6内の温度を制御する温度制御装置と、
搬送チエンコンベア8の移動速度や停止時間など装置全
体の運転を制御する制御装置が設けられている。
【0023】被ライニング直管を図1のような単一加工
装置でライニングする場合、被ライニング材を常温でセ
ットし加熱、粉体供給保持、冷却の全工程を完了するま
での間、加工装置が一本のライニング管に占有され生産
効率が悪い。また、被ライニング材を別置きの加熱装置
で加熱し、回転ローラ付きのライニング加工装置に置き
直す場合では、その間の移動作業のための工数増加及び
熱損失のみならず被ライニング材の直管部とフランジ部
の体積差に基づく温度不均一を生じ、特にポリプロピレ
ンの場合、特有の施工許容範囲に制御することが難し
い。これらの問題を解決するため、この装置では、同一
加熱炉の中で電気あるいはバーナを熱源とする熱風で被
ライニング物である直管をコンベア上に適当な間隔でセ
ットされたローラ上に並べ均一に加熱保温しながら断続
的に移動させ、予測し得る必要滞留時間を経て所定の温
度に昇温された時点でライニング樹脂粉体を散布する。
ライニング樹脂粉体が散布される直前から被ライニング
管はコンベア上に設置されたローラにより回転が与えら
れ粉体が均等に融着する間、所定の温度に炉内で保持さ
れ、炉外に出た時点で冷却される。これらの工程が全て
コンベアの送り速度と炉内温度設定により任意に制御可
能で安定した品質と効率的な生産が同時に確保できる。
【0024】本発明(4)は、異形管の内側に樹脂の皮
膜を形成させる樹脂ライニング施工装置である。この樹
脂ライニング施工装置の1実施態様を図5、図6及び図
7に示す。図5はこの装置の側面図、図6は図5の一部
変形平面図(加熱装置が異なる)、図7は斜視図であ
る。この装置により異形管にポリプロピレン系樹脂ライ
ニングを施す場合の工程は次のとおりである。曲管又は
枝付管の粉体ライニング法として公知の1軸又は2軸の
回転式施工機13(この例では図の矢印方向に面回転す
る)に、被ライニング材14が充分に納まる程度の大き
さで全面を断熱材で内張りし、かつ被ライニング材の回
転式施工機13への着脱を容易にするため開閉可能な構
造にした施工箱15を取り付ける。この施工箱15には
ライニング施工中の熱補給が可能なように電気ヒーター
等の直接加熱器16が付属されるか、又は図6に示す別
置きの加熱装置17から熱風ダクト18が接続されてい
る。別置きの加熱炉(図示せず)又はライニング施工箱
15内で適温に加熱された被ライニング材14は、回転
用モータ23により軸回転が与えられ、また、装置全体
はモータ22により面回転が与えられる。これにより粉
体箱から被ライニング材14の内部にポリプロピレン系
樹脂粉体が供給されライニングが行われる。施工中は温
度制御装置(図示せず)により施工箱15内の温度をラ
イニング樹脂の酸化劣化が生じる温度未満で該樹脂の溶
融温度以上の範囲の温度に一定時間保持することによ
り、良質のライニング管を得ることができる。
【0025】本発明の(2)〜(4)の樹脂ライニング
施工装置は、前記発明(1)のポリプロピレン系樹脂ラ
イニングの施工方法を実施するのに好適であるが、ポリ
エチレンなど他の樹脂を用いた加熱溶融法によるライニ
ングにも適用可能である。特に被ライニング材が薄肉で
被ライニング材の初期加熱による保有熱のみでは、融着
皮膜の厚さが十分に確保できない場合に有効であり、ま
た、被ライニング材の加熱をライニング施工装置内で行
うことができ、別途加熱装置を設ける必要がないという
利点もある。さらに、前記発明(3)の樹脂ライニング
施工装置によれば、直管のライニングが自動的に、かつ
生産効率よく行えるので、量産が可能で製造コストの低
減がはかれるという利点がある。
【0026】
【実施例】表1に示す組成のポリプロピレン系樹脂ライ
ニング用粉体(溶融温度約155℃)を用い、同じく表
1に示す施工条件でライニング皮膜を形成させ、日本水
道協会「水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管規格」
に基づく試験を行い、被膜の性能試験を行った。ライニ
ング皮膜の形成は図8に示す2軸回転試作機を使用し、
以下の手順により行った。図8(a)は側面図、図8
(b)は装置全体の概略斜視図である。別置きの加熱炉
にて所定温度に昇温した被ライニング材(被ライニング
鋼管)32を保温筒(施工箱)30内にセットしモータ
37及びモータ38で回転させながら手動ゲート3
6を通して粉体箱31からライニング用粉体を供給して
ライニングを行った。この間、熱電対33で温度を検出
し、熱風ブロワ35からの熱風で筒内の温度を制御し
た。なお、被ライニング材は4インチ(100A)のS
GPを100mmの長さに切断したもの5個(図のA〜
E)を図のようにスペーサリング34を介して長手方向
にセットし、同時施工した。
【0027】試験結果を表2に示す。表2の結果から、
この組成のライニング用粉体を使用した場合には表1の
施工条件No.(3)の条件が最適であることがわか
る。また、これらの結果から粉体投入温度及び保持温度
を変化させると、得られる製品の特性が微妙に変化する
ことがわかる。すなわち、酸化劣化により最も顕著に現
れる特性は低温脆性の低下であり、No.(1)、
(2)の耐衝撃値の低下にそれが認められる。このよう
にポリプロピレン系樹脂ライニングにおいては、施工条
件の管理が極めて重要であることがわかる。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】前記(1)の発明のポリプロピレン樹脂
系ライニングの施工方法によれば、皮膜の性状が加熱温
度や加熱保持時間の影響を受けやすいプロピレン系樹脂
ライニングの施工に際し、皮膜の延性、耐衝撃性や被ラ
イニング材との密着性等に優れた製品を得ることができ
る。
【0031】前記(2)、(3)及び(4)の発明によ
れば、皮膜の性状が加熱温度や加熱保持時間の影響を受
けやすいプロピレン系樹脂ライニングの施工に際し、施
工条件を任意に最適に管理することができるので、極め
て良質のライニング皮膜を得ることができる。また、前
記(3)の発明の装置によれば、前記の効果に加えて直
管のライニングが自動的に、かつ生産効率よく行えるの
で、量産が可能で製造コストの低減がはかれる。また、
この装置は従来のポリエチレンライニングにも適用して
量産化、低製造コスト化をはかることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明(2)の装置の1実施態様を示す装置全
体の側面図。
【図2】本発明(3)の装置の1実施態様を示す装置全
体の側面図。
【図3】図2の装置全体の平面図。
【図4】図2の装置におけるローラセットの詳細図。
【図5】本発明(4)の装置の1実施態様を示す装置全
体の側面図。
【図6】図5の装置全体の平面図(但し加熱装置は図5
と別の方式のものが示されている)。
【図7】図5の装置全体の斜視図。
【図8】実施例で使用した試作機の概略図。
【図9】従来のポリエチレンライニング用の一般的装置
の側面図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 芳治 広島県三原市糸崎町5007番地 三菱重工業 株式会社三原製作所内 (72)発明者 財満 了三 広島県三原市糸崎町5007番地 三菱重工業 株式会社三原製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料の表面に加熱溶融法によりポリ
    プロピレン系樹脂のライニングを施すに当たり、ライニ
    ング樹脂の酸化劣化が生じる温度未満で該樹脂の溶融温
    度以上の範囲の温度に加熱した被ライニング材にポリプ
    ロピレン系樹脂ライニング用粉体を散布し、前記範囲内
    の温度に所定時間保持することにより被ライニング材の
    表面に健全な溶融皮膜を形成させることを特徴とする金
    属材料へのポリプロピレン系樹脂ライニングの施工方
    法。
  2. 【請求項2】 断熱された施工箱と、該施工箱内に設け
    られ直管の被ライニング材を載置して回転させる回転ロ
    ーラと、該回転ローラを回転させるための回転ローラ駆
    動装置と、前記施工箱内の被ライニング材の内側の任意
    の位置にライニング用樹脂粉体を供給できるように被ラ
    イニング材の長さ方向に移動可能な樹脂粉体供給管を備
    えた樹脂粉体供給装置と、前記施工箱内を加熱する熱補
    給加熱器と、前記施工箱内の温度を所定範囲に制御する
    温度制御装置とを備えてなることを特徴とする直管の金
    属材料への樹脂ライニング施工装置。
  3. 【請求項3】 被ライニング材の搬入側から順に加熱部
    及び保温部に区分された断熱された施工箱と、被ライニ
    ング材を載置して回転させる回転ローラを備えた複数の
    ローラセットと、被ライニング材を載置した前記ローラ
    セットを順次施工箱内に搬送する搬送用コンベアと、前
    記施工箱の保温部及び施工箱に後続する冷却部において
    被ライニング材を回転させるための回転ローラ駆動装置
    と、前記施工箱内の所定の位置で被ライニング材の内側
    の任意の位置にライニング用樹脂粉体を供給できるよう
    に被ライニング材の長さ方向に移動可能な樹脂粉体供給
    管を備えた樹脂粉体供給装置と、前記施工箱内を加熱し
    所定の温度に制御する加熱・制御装置と、装置全体の運
    転を制御する制御装置とを備えてなることを特徴とする
    直管の金属材料への樹脂ライニング連続施工装置。
  4. 【請求項4】 被ライニング材を収納して樹脂ライニン
    グを行う断熱された施工箱と、一軸もしくは二軸の回転
    可能とした異形管回転装置と、該異形管回転装置を駆動
    させる駆動装置と、前記施工箱内の被ライニング材の内
    側にライニング用樹脂粉体を供給するための樹脂粉体供
    給箱と、前記施工箱内を加熱する熱補給加熱器と、前記
    施工箱内の温度を所定範囲に制御する温度制御装置とを
    備えてなることを特徴とする異形管の金属材料への樹脂
    ライニング施工装置。
JP33045395A 1995-12-19 1995-12-19 ポリプロピレン系樹脂ライニング施工方法及び装置 Withdrawn JPH09169080A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009279556A (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 Kurimoto Ltd 粉体塗装方法

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JP2009279556A (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 Kurimoto Ltd 粉体塗装方法

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